JPH08183532A - パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 デッキ面上の荷物を下ろさなくても、そのま
ま荷物に紐を掛けることができるパレットを提案するこ
と。 【構成】 パレット１は、略正方形をしたデッキボード
２と、この裏面に取り付けた２本の矩形断面をした脚材
３から基本的に構成され、その側端面１１には、フォー
ク差し込み用の空間４１、４２が開口している。デッキ
ボード２の表面２０（デッキ面）には、その側端２１、
２２同士、および側端２３、２４同士を結ぶように縦方
向の紐通し溝５１、および横方向の紐通し溝５２が格子
状に形成されている。デッキボード２上の荷物Ｗに紐を
掛ける場合には、紐通し溝５１、５２を用いて、荷物Ｗ
の下面に紐Ｌを通す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フォークリフト等で荷
物を運搬する際に使用するパレットに関し、特に、その
デッキ面の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】フォークリフト等で荷物を運搬するとき
に用いるパレットは、一般に、荷物を載せるための平坦
なデッキ面と、その側端面に形成したフォーク差し込み
口とを有している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パレットでは、パレット上の荷物の下面に紐を通すこと
ができないので、出荷作業に手間がかかる。すなわち、
パレットで運搬してきた荷物に梱包用の紐などを掛けた
後に、荷物を再びパレットに積んで出荷する場合でも、
パレット上から荷物を一旦下ろして紐を掛けた後、荷物
をパレット上に積み直す必要があるからである。

【０００４】このような問題点に鑑みて、本発明の課題
は、デッキ面の構造を改良して、そこに荷物を載せたま
までも、その荷物に紐を掛けることができるパレットを
提案することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、パレットのデッキ面には、その一方
の端から他方の端まで延びる紐通し溝を形成したことに
特徴を有する。

【０００６】また、本発明では、荷物を積載するための
デッキ面を備えたパレットにおいて、デッキ面は、一方
の側端から他方の側端にまで延びる紐通し溝を構成する
所定の間隔をもって鋼板の上面部に対して格子状に配置
された鋼片群の上端部で規定され、鋼板の下面部に格子
状に配置された鋼管の内部によって、フォークリフトな
どのフォークを差し込むフォーク差込み空間が形成され
ていることに特徴を有する。

【０００７】

【作用】本発明に係るパレットにおいて、デッキ面に乗
っている荷物に紐を掛けるときには、デッキ面に形成し
た紐通し溝を通して紐を荷物の下面に潜らせ、紐の先端
を反対側から引き出して荷物に紐を掛ける。従って、デ
ッキ面から荷物を一旦下ろさなくても、荷物に紐を掛け
ることができるので、紐掛け作業を簡単に素早く行なえ
る。

【０００８】

【実施例】図面を参照して、本発明の一実施例を説明す
る。

【０００９】〔実施例１〕図１は、本例のパレットの全
体を示す外観図である。この図に示すように、本例のパ
レット１は、略正方形をした一定の厚みのデッキボード
２と、この裏面に取り付けた２本の矩形断面をした脚材
３から基本的に構成されている。脚材３には、これと直
交する方向に向けて、その高さよりも低い切り欠き溝３
１が形成してある。このため、パレット１は、脚材３の
間に矢印Ａで示す方向からフォークリフト等のフォーク
を差し込み可能な空間４１（フォーク差し込み空間）を
有すると共に、矢印Ｂの方向からもフォークリフト等の
フォークを差し込み可能な空間４２（フォーク差し込み
空間、切り欠き溝３１）を有し、これらの空間４１、４
２は、いずれもパレット１の側端面１１で開口する状態
にある。

【００１０】本例のパレット１では、デッキボード２の
表面２０（デッキ面）に、その一方の側端２１から他方
の側端２２にまで延びる縦方向の紐通し溝５１が等間隔
に５条形成されている。また、デッキボード２の表面２
０には、その一方の側端２３から他方の側端２４にまで
延びる横方向の紐通し溝５２も等間隔に５条形成され、
紐通し溝５１、５２は、格子状に形成された状態にあ
る。

【００１１】このように構成したパレット１では、デッ
キボード２の表面２０に荷物Ｗを載せた後、矢印Ａまた
は矢印Ｂの方向からデッキボード２の下面にフォークリ
フト等のフォークを差し込み、荷物Ｗをパレット１とと
もにトラックの荷台などに積載する。

【００１２】ここで、図２（ａ）に示すように、デッキ
ボード２上の荷物Ｗに梱包用の紐Ｌを掛ける場合でも、
本例のパレット１では、図２（ｂ）に示すように、デッ
キボード２に荷物Ｗを積載したままで、荷物Ｗに紐Ｌを
掛ける。すなわち、本例のパレット１では、デッキボー
ド２の表面２０に紐通し溝５１、５２が形成されている
ため、デッキボード２に荷物Ｗを積載した以降、紐Ｌを
紐通し溝５１、５２に差し込んで荷物Ｗの下面を潜ら
せ、矢印Ｃ、Ｄで示すように、紐Ｌの先端を反対側に引
き出す。しかる後に、荷物Ｗに紐Ｌを掛ける。従って、
本例のパレット１によれば、荷物Ｗに紐Ｌを掛けた後
に、荷物Ｗをパレット１に積んだままで出荷する場合で
も、デッキボード２から荷物Ｗを一旦下ろす必要がない
ので、紐掛け作業を簡単に素早くできる。

【００１３】また、本例のパレット１では、図２（ｃ）
に示すように、デッキボード２の上に荷物Ｗを載せる前
に紐通し溝５１、５２に梱包用の紐Ｌを通しておき、し
かる後に、その上に荷物Ｗを載せて紐Ｌを掛けることも
できる。この場合には、平坦なデッキボード上に紐を置
いておく場合と異なり、その上に荷物Ｗを載せた後も、
紐Ｌを引っ張って紐の長さを調整できるという利点があ
る。さらに、図１に示すように、デッキボード２上に積
んである荷物Ｗに、図２（ｄ）に示すように、吊り上げ
用の紐Ｌを掛け、この紐Ｌにクレーンのフックなどを引
っ掛けて、荷物Ｗのみを持ち上げる場合にも、本例のパ
レット１では、図２（ｂ）に示すように、デッキボード
２の上に荷物Ｗを積んだまま、紐通し溝５１、５２から
荷物Ｗの下面に吊り上げ用の紐Ｌを潜らせて、紐Ｌの先
端を反対側から引き出すことができる。

【００１４】〔実施例２〕なお、パレットは、図３
（ａ）に示す構造のものでもよい。この図に示すパレッ
トは、図１に示したパレットと基本的な構成が同じであ
るため、対応する部分には同じ符号を付して、その詳細
な説明を省略するが、パレット１Ａ全体がプラスチック
製の一体成形品として形成され、その側端面１１にフォ
ーク差し込み用の空間４１、４２が窓のように開口して
いる。このパレット１Ａでも、荷物を積載するためのデ
ッキボード２の表面２０（デッキ面）には、その側端２
１、２２同士を結ぶように縦方向の紐通し溝５１が等間
隔に５条形成され、他の側端２３、２４同士を結ぶよう
に横方向の紐通し溝５２も等間隔に５条形成されてい
る。

【００１５】従って、デッキボード２上の荷物Ｗに紐Ｌ
を掛けた後、そのまま荷物Ｗをパレット１Ａに積んで出
荷する場合でも、紐Ｌを紐通し溝５１、５２に差し込ん
で荷物Ｗの下面を潜らせることができるので、デッキボ
ード２から荷物Ｗを一旦下ろさなくてもよい。

【００１６】さらに、図３（ａ）に示す構造に代えて、
図３（ｂ）に示すように、幅の広い紐通し溝５１、５２
と、幅の狭い紐通し溝５１ａ、５２ａとが形成されてい
てもよい。

【００１７】〔実施例３〕さらに、パレットは、図４お
よび図５に示す構造のものでもよい。図４は、本例のパ
レットを斜め上方からみた外観図、図５は、それを斜め
下方からみた外観図である。

【００１８】図４において、本例のパレット１″では、
厚さが約３．２ｍｍの鋼板６１の上面部６１０に対し
て、みぞ形鋼を等寸法に切断したみぞ形鋼片６２を所定
の間隔をおいて格子状に溶接によって所定の向きに固定
してある。このため、各みぞ形鋼片６２の上端部によっ
て、全体として略正方形をしたデッキ面６０が形成され
ている。また、各みぞ形鋼片６２の間を利用して、横方
向および縦方向のいずれの方向にも、その一方の側端６
３から他方の側端６４にまで延びる紐通し溝６５、６６
が等間隔に４列に形成されている状態にある。

【００１９】一方、図５において、鋼板６１の下面部６
１１には、まず、横方向に２列に角鋼管６７が溶接によ
って固定されている一方、縦方向にも２列に角鋼管６８
が溶接によって固定されている。ここで、横方向の角鋼
管６７の側面は、縦方向の角鋼管６８の先端部が位置す
る部分が切り欠かれているため、同じ列上において、縦
方向の角鋼管６８同士は、連通している。このため、パ
レット１″では、角鋼管６７、６８の内部によって、矢
印Ａで示す方向および矢印Ｂに示す方向のいずれの方向
からもフォークリフト等のフォークを差し込み可能なフ
ォーク差し込み空間６９が側端面で開口している状態に
ある。さらに、角鋼管６７、６８で区画された９つの空
間７３は、いずれも同じサイズであり、各空間７３に
は、側面が角鋼管６７、６８の側面に密着した状態に固
定される正方形の補強枠７０が固定されるようになって
いる。ここで、補強枠７０は、平鋼からの加工により形
成されており、その隅部分のうち、パレット１″の角部
分に位置する部分は、等辺山形鋼７２によって補強され
ている。

【００２０】このように構成したパレット１″では、デ
ッキ面６０上の荷物に紐通し溝６５、６６を利用して紐
を掛けた後、そのまま出荷できるなど、便利である。ま
た、１枚の鋼板６１に対して、その上面部６１０にみぞ
形鋼片６２を固定してデッキ面６０を構成する一方、下
面部６１１に角鋼管６７、６８を固定してフォーク差込
み空間６９を構成しているだけであるので、安価である
とともに、丈夫である。しかも、各みぞ形鋼片６２同
士、および各補強枠７０同士は、同じ形状で、かつ同じ
寸法になっているので、パレット１″は、量産性が優れ
ているという観点からも安価である。さらに、パレット
１″は、鋼板６１にみぞ形鋼片６２および角鋼管６７、
６８などを固定しただけであるため、不必要な部分がな
い。それ故、本例のパレット１″は、丈夫であるわりに
は軽量である。

【００２１】〔その他の実施例〕なお、紐通し溝は、デ
ッキボードの表面に格子状に形成してあれば、パレット
の四方から紐を通すことができるので便利であるが、予
め、紐を掛ける方向が限定されている場合には、縦方向
の紐通し溝、または横方向の紐通し溝のみを形成しても
よい。さらに、パレットは、木製、プラスチック製、金
属製、紙製でもよく、その材質に限定がない。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るパレ
ットでは、デッキ面に紐通し溝が形成してあるため、荷
物を積んだままで荷物の下面に紐を通すことができるこ
とに特徴を有する。従って、本発明によれば、パレット
上の荷物に紐を掛けた後に、荷物をパレットに載せたま
ま出荷する場合でも、そこから荷物を一旦下ろさなくて
もよいので、紐掛け作業を簡単に素早く行なえる。

【００２３】また、紐通し溝を格子状に形成しておけ
ば、四方から紐を通すことができるのでさらに便利であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１のパレットを示す外観図であ
る。

【図２】（ａ）は、荷物に梱包用の紐を掛けた状態を示
す説明図、（ｂ）は、デッキボード上の荷物に紐を掛け
る場合の第１の方法を示す説明図、（ｃ）は、荷物に紐
を掛ける場合の第２の方法を示す説明図、（ｄ）は、荷
物に吊り上げ用の紐を掛けた状態を示す説明図である。

【図３】（ａ）は、本発明の実施例２に係るパレットの
外観図、（ｂ）は、その変形例に係るパレットの外観図
である。

【図４】本発明の実施例３に係るパレットを斜め上方か
らみた外観図である。

【図５】図４に示すパレットを斜め下方からみた外観図
である。

【符号の説明】

１、１′、１″・・・パレット ２・・・デッキボード ３・・・脚材 ２０・・・デッキボードの表面（デッキ面） ２１、２２、２３、２４、６３、６４・・・デッキ面の
側端 ４１、４２、６９・・・フォーク差し込み空間 ４４・・・パレットの側端面 ５１、５１ａ、６５・・・縦方向の紐通し溝 ５２、５２ａ、６６・・・横方向の紐通し溝 ６０・・・デッキ面 ６１・・・鋼板 ６２・・・みぞ形鋼片 ６７、６８・・・角鋼管 ７０・・・補強枠 Ｌ・・・紐 Ｗ・・・荷物

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷物を積載するためのデッキ面を備えた
   パレットにおいて、前記デッキ面には、その一方の側端
   から他方の側端にまで延びる紐通し溝が形成されている
   ことを特徴とするパレット。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記紐通し溝は、前
   記デッキ面に格子状に形成されていることを特徴とする
   パレット。
3. 【請求項３】 荷物を積載するためのデッキ面を備えた
   パレットにおいて、前記デッキ面は、一方の側端から他
   方の側端にまで延びる紐通し溝を構成する所定の間隔を
   もって鋼板の上面部に対して格子状に配置された鋼片群
   の上端部で規定され、前記鋼板の下面部に格子状に配置
   された鋼管の内部によって、フォークリフトなどのフォ
   ークを差し込むフォーク差込み空間が形成されているこ
   とを特徴とするパレット。