JPH0118463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はトラツクの車枠に対する荷台枠の支持
構造に関するものである。

［従来の技術］ 従来、第１図に示すように、荷台２を直接支持
する縦根太ないし荷台枠３は車枠６に重ね合さ
れ、第２図に示すように、複数のＵボルト４によ
り両側面を抱持し、かつＵボルトの先端を荷台枠
３の上面に当てた当て板７に貫通し、ナツト８を
締め付けて固定される。車枠６に対する荷台枠３
の前後方向の移動を抑えるために、Ｖ字形の滑止
め板５を車枠６と荷台枠３の側壁面に当て、ボル
トにより固定している。このような荷台枠の支持
構造は構成が簡単で耐久強度が大きいが、路面変
化に伴つて車枠６の受ける振動が荷台２に直接的
に伝達されるので、荷傷みが問題となる。

そこで、例えば実開昭58−28069号公報に示す
ように、車枠に対してラバーマウントを介して荷
台枠ないし荷台を支持するようにしたものも堤案
されているが、このラバーマウントは荷台枠の上
下方向の振動を緩衝するのに有効であるが、車両
の急加減速に伴う前後方向の振動に対しては緩衝
機能をあまり期待できない。

また、車枠に対して荷台を懸架機構を介して支
持し、車枠の振動が荷台に伝わらないようにした
ものも提案されているが、これは構造が複雑であ
り、特に懸架機構の他に荷台が車枠に対して前後
方向と横方向に大きくずれないようにラジアスロ
ツドなどを備えることが必要とされ、このために
荷台の剛性を大きくする必要が生じ、構造が複雑
となるばかりでなく、重量が嵩み、積載容量が少
なくなるという問題がある。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案の目的は、構成が簡単で車枠の上下振動
だけでなく、前後・左右振動に対しても制振効果
をもつ、車枠に対する荷台枠の支持構造を提供す
ることにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案の構成はラ
バーブロツクの両端に互いに独立に結合した１対
のブラケツトの一方を車枠に、他方を車枠の上側
に間隔を存して配した荷台枠に、それぞれラバー
ブロツクの軸線を車枠に対し前後に傾けて結合し
たものである。

［作用］ 車枠６とこの上に間隔を存して配される荷台枠
３との間に、ラバーマウワト１２の軸線を車枠６
に対し垂直でなく傾け、ブラケツトにより結合し
たから、車枠６の上下・前後・左右の振動が、ラ
バーマウント１２の軸方向変形を伴つて効率的に
吸収される。

［考案の実施例］ 第３図に示すように、本考案は車枠６に対して
所定の隙間ｔを存して荷台枠３を複数のラバーマ
ウント１２により支持したものである。荷台枠３
に対して荷台２が横根太１３を介して固定される
のは従来と同様である。

ラバーマウント２の軸線は上下方向に配置され
るものではなく、前方と後方へ傾斜させて配置さ
れる。この傾斜角度は車枠６の上下方向の振動成
分と前後方向の振動成分とから勘案して決定され
る。

第４，５図に示すように、ラバーマウント１２
はラバーブロツク１６の両端側にそれぞれ独立に
かつラバーブロツク１６と一体的に結合したボル
ト１７，１８をそれぞれ箱型をなすブラケツト１
４に結合して構成される。ラバーブロツク１６の
両端を保護するために保護板２３が結合され、こ
の保護板２３がブラケツト１４の取付面２２に重
ね合される。この取付面２２にボルト１７，１８
が貫通され、ナツトにより締結される。各ボルト
１７，１８が車枠６と荷台枠３との重合せ面に対
して傾斜するように固定される。

すなわち、第５図に示すように、一方のブラケ
ツト１４が断面コ字形の車枠６の側壁面に、他方
のブラケツト１４が断面箱型をなす荷台枠３の側
壁面にそれぞれボルトにより固定される。荷台枠
３の上面に荷台２の底面に結合した横根太１３が
載置され、かつ適当な手段により固定される。

第６図に示すように、各ボルト１７，１８の頭
部はラバーブロツク１６の内部に埋め込んだ状態
に結合され、かつラバーブロツク１６の両端面に
焼き付けた保護板２３を貫通して外方へ延出され
る。各ブラケツト１４は車枠６と荷台枠３の側壁
面に重ね合される板面２１の両側縁が直角に折り
曲げられて補強リブ１４ａが形成され、この補強
リブ１４ａの間に板面２１と直角な取付面２２が
形成され、この取付面２２に前述した保護板２３
が重ね合される。

本考案は上述のように、ラバーブロツク１６の
両端面から延びるボルト１７，１８の軸線方向が
車枠６の上面に対して前方と後方に交互に傾斜す
るように複数のラバーマウント１２により車枠６
に荷台枠３を支持したものであるから、路面変化
に伴う車枠６の上下・左右方向の振動と車両の急
加速または急減速に伴う前後方向の振動は、ラバ
ーブロツク１６の軸線方向の圧縮変形とせん断変
形により吸収され、荷台枠３を経て荷台２へ伝達
される衝撃が抑えられる。

第７図に示す実施例では、車枠６と荷台枠３と
の隙間ｔに対するラバーブロツク１６の軸方向寸
法が比較的短いものとされる場合に、ボルト１７
の中間部分１７ａを大径とし、ブラケツト１４か
ら離して保護板２３を支持するように構成したも
のである。

ボルト１８についても中間部分１８ａを設け、
これに保護板２３が結合される。ラバーブロツク
１６の両端面に結合される保護板２３の上下縁部
に板面から折り曲げられた突片２３ａを設け、１
対の保護板２３の突片２３ａが互いに平行となる
ような配置とすることによりリバウンドによるラ
バーブロツク１６の過大な変形を抑えるように構
成される。

第８図に示す実施例では、第６図に示すものと
同様に、保護板２３に取付面２２に対してほぼ直
角に折り曲げられた突片２３ａが形成され、この
突片２３ａの側縁は保護板２３の板面から延びる
リブにより補強される。保護板２３は実際には、
卵形をなす鋼板の曲率半径の小さい部分と曲率半
径の大きい部分の各縁部を直角に折り曲げて、中
央が最も高く、両側が次第に低くなる突片２３ａ
をプレス成形すれば容易に得られる。

第９図に示す実施例では、ブラケツト１２と一
体に突片１４ｂが構成される。一方のブラケツト
１２の取付面２２に円筒状の突片１４ｂが一体的
に形成される一方、他方のブラケツト１２の取付
面２２からほぼ三角形をなし、かつ断面円弧状に
湾曲された突片１４ｃが一体に形成される。

なお、ラバーマウントの配置は必ずしも荷台の
前端部から後端部まで一様に設けないで、振幅の
激しい荷台の後半部に取り付けるだけでも、荷台
の前部と後部の振動レベルが均等化されるので、
振動に対する荷の積込み位置の配慮が不必要にな
り、積み下ろしの能率が向上される。

［考案の効果］ 本考案は上述のように、ラバーブロツクの両端
に互いに独立に結合した１対のブラケツトの一方
を車枠に、他方を車枠の上側に間隔を存して配し
た荷台枠に、それぞれラバーブロツクの軸線を車
枠に対し前後に傾けて結合したものであるから、
荷台枠や荷台の構成を何ら変更することなく、車
枠に対し荷台枠を支持することができる。

ラバーブロツクの中心軸線を前後に傾けたこと
により、上下・前後方向の衝撃が効果的に吸収さ
れ、荷台の受ける衝撃が抑えられ、荷痛みが減じ
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車枠に対する荷台枠の支持構造
についての側面図、第２図は同要部についての正
面断面図、第３図は本考案に係る車枠に対する荷
台枠の支持構造の側面図、第４図は同要部を拡大
して示す側面図、第５図は同正面断面図、第６図
は同ラバーマウントについての正面図、第７図は
同ラバーマウントについての第１の変更実施例を
示す側面図、第８，９図は同ラバーマウントにつ
いての第２、第３の変更実施例を示す正面図であ
る。 ３……荷台枠、６……車枠、１２……ラバーマ
ウント、１４……ブラケツト、１４ｂ，１４ｃ…
…突片、１６……ラバーブロツク、１７，１８…
…ボルト、２１……板面、２２……取付面、２３
……保護板、２３ａ……突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラバ−ブロツクの両端に互いに独立に結合した
   １対のブラケツトの一方を車枠に、他方を車枠の
   上側に間隔を存して配した荷台枠に、それぞれラ
   バ−ブロツクの軸線を車枠に対し前後に傾けて結
   合したことを特徴とする車枠に対する荷台枠の支
   持構造。