JPH0118224B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、温水を噴出するノズル装置を備え
たノズルハウジングが着脱可能に構成された温水
温風式洗浄器を有する便座に関するものである。

近時、衛生上あるいは医学上の見地から使用後
に紙を使用せず、温水で局部を洗い、その後、温
風で乾燥させる温水温風式洗浄器を備えた便座が
次第に用いられるようになつた。

ところが、従来の温水温風式洗浄器を備えた便
座は洗浄用の温水を使用する部分と温水を吹き出
す部分とが一体に形成されているので、製造が面
倒で、修理等による部品の取り替えに手数がかか
る不便があつた。

また、この種のノズル装置において、ノズル本
体の噴射口から加圧水を噴射する角度は自由に変
えることができるが、噴射口を適正な位置に設定
しようとすると便座の中央の方向へノズル本体を
突出させなければならず、したがつてノズル本体
が便座の中に常時突出した状態になるため、保守
上危険であり、また、体裁上好ましくない等の欠
点があつた。

この発明は、上記の欠点を除去するためになさ
れたもので、ノズルハウジングを、温風装置を備
えた便座本体から分離して別個に形成するととも
に、このノズルハウジングに使用時に供給される
加圧水を利用しノズル本体を自動的に突出させ、
不使用時には圧縮ばねの復元力で自動的に復帰さ
せるようにしたノズル装置を備えた便座を提供す
るものである。以下、この発明について説明す
る。

第１図ａ，ｂ，ｃはこの発明の一実施例を示す
平面図、側面図、要部を破断して示した側面図で
ある。これらの図において、１は便器本体、２は
便座の全体を示す。３は環状に形成された便座本
体で、その下面には複数個の当片４が形成されて
おり、この便座本体３を便器本体１に載置したと
き当片４が当接する。５は前記便座２の蓋で、そ
の下面に当片６が形成され、蓋５を便座本体３の
上にかぶせたときこの当片６が当接する。７は温
風を吹き出す温風装置で、便座本体３の後方に設
けられ、その内部にはヒータ、フアン、制御素子
等が収容されている。８は支軸で、便座本体３、
蓋５を回動自在に軸支している。９はこの考案の
主要部であるノズルハウジングで、便器本体１と
温風装置７との間にはさまれ、温風装置７に備え
た取付ボルト１０で便器本体１とともに締付けに
より固定される。１１は前記便座本体３の前方に
設けられる回動ノズルで、便座本体３の下面に突
出して設けられ、中央に通水路１１Ａ、噴水口１
１Ｂを形成し、かつ便座本体３内の通路１２内に
埋設したパイプ１３の一端に接続されている。ま
た、パイプ１３の他端は温水が供給される接続金
具１４と接続している。１５は前記回動ノズル１
１を回動するレバーである。１６は前記便座本体
３内に埋設したヒータで、用便時に寒くないよう
に加熱を行う。１７は前記ノズルハウジング９の
内部に設けたノズル装置、１８は前記ノズル装置
１７と連結したパイプ、１９は前記パイプ１８と
連結し温水の供給を受ける接続金具で、ノズルハ
ウジング９の外部に突出している。２０は前記温
風装置７の下方に形成された温風通路で、温風装
置７内で発生した温風が吹き出して局部の乾燥を
行う。２１は温風の温度調整用のつまみ、２２は
温風の吹き出し時の風圧で軽く開く蓋である。

次に、この発明の主要部であるノズルハウジン
グ９およびノズル装置１７の詳細を第２図ａ，
ｂ、および第３図ａ，ｂに基づいて説明する。

第２図ａ，ｂはノズルハウジング９を拡大して
示した上面斜視図と下面斜視図、第３図ａ，ｂは
第２図のノズル装置１７を示す正面図とＡ−Ａ線
による側断面図である。

まず、第２図ａ，ｂにおいて、９Ａは筐体、９
Ｂは前記温風装置７に係合される段部、９Ｃは前
記取付ボルト１０を挿通する長孔部、９Ｄは前記
温風装置７から温風が吹き出し蓋２２が開いたと
き蓋が２２の逃げとなる段部である。

また、第３図ａ，ｂにおいて、１７はノズル装
置の全体を示し、１８はパイプ、２３は筒状の筐
体、２４は前記筐体２３の一端に設けた給水口、
２５は前記給水口２４の付近で筐体２３の内周面
に形成された弁座、２６は前記筐体２３の他端に
形成した流出口、２７は前記給水口２４からの加
圧水により筐体２３の内部で長さ方向に動作する
ノズル本体、２８は前記ノズル本体２７の一端に
形成した弁体で、その外周面は筐体２３の内周面
とわずかの隙間を有して形成されている。２９は
前記ノズル本体２７の弁体２８付近に形成した吸
込口、３０は前記ノズル本体２７の中心部の長さ
方向に形成した通水路、３１は前記ノズル本体２
７の先端に形成した噴射口で、図示のものは斜め
上向きの角度で噴射するように形成されている。
３２は前記ノズル本体２７の先端の上面を所定の
長さの平面に切り欠いて形成した平面部、３３は
Ｏリング、３４は前記Ｏリング３３の係止板、３
５は前記弁体２８と係止板３４との間に設けた圧
縮ばね、３６は前記筐体２３の長手方向に設けた
バイパス管である。

次に動作について説明する。

ノズル装置１７の筐体２３の中にあるノズル本
体２７は先ず、第３図に示す位置にあり、弁体２
５は圧縮ばね３５の復元力により押圧されてその
側面が弁座２５に密着している。

次に、ポンプ（図示せず）により加圧された水
はパイプ１８を経て給水口２４から筐体２３内に
入り、第４図ａに示すようにノズル本体２７の弁
体２８を押圧するのでノズル本体２７は圧縮ばね
３５の復元力に抗して第４図ａの矢印方向へ前進
する。このとき、加圧水の一部は弁体２８の外周
面と筐体２３の内周面との隙間を通つてノズル本
体２７の先端方向へ流れるので筐体２３内部全体
が加圧水で充満される。このため、加圧水は筐体
２３の内周面と平面部３２との隙間を通つて流出
口２６から外部へ流れ出る。また、加圧水は吸込
口２９に入り通水路３０を経て噴射口３１より噴
射されるが、流出口２６からの流出量が多いた
め、この時点では噴射口３１から噴射される水の
圧力は小さく量は少ない。

次に、供給される加圧水により、ノズル本体２
７は第４図ｂの位置に前進するとノズル本体２７
の外周面は係止板３４、Ｏリング３３、流出口２
６の各内周面と密着するので、ノズル本体２７の
平面部３２には水が流れなくなる。そして加圧水
の全部が吸込口２９から通水路３０を経て噴射口
３１から噴射されるが、第４図ｂの位置では加圧
水は弁体２８の外周面と筐体２３の内周面との隙
間を通るだけの水量しかないのでこの時点では噴
射する量は少ない。

次に、ノズル本体２７はさらに押圧されて弁体
２８が第４図ｃの位置に前進する。このとき、加
圧水は弁体２８を押圧するとともにバイパス管３
６を通り、ノズル本体２７の吸込口２９へ直接供
給されるようになるため、ノズル本体２７は第４
図ｃの位置で停止し、加圧水は吸込口２９に入り
通水路３０を経て噴射口３１から大量に、かつ勢
よく噴射する。

次に、ポンプの動作停止により加圧水の供給が
なくなると、弁体２８への加圧がないので、ノズ
ル本体２７は圧縮ばね３５の復元力により当初の
位置（第３図ｂ）に復帰する。このとき、ノズル
本体２７が第４図ｂから第４図ａの状態にあると
き筐体２３内の水はノズル本体２７の平面部３２
を通つて流出口２６より外部へ流出し、例えば便
座使用中平面部３２に付着した汚れを洗い流す。
なお、ノズル本体２７の前進するときにおいても
第４図ａの位置のときに残存した汚れを洗い流
す。

第５図はノズルハウジング９を便器本体１と温
風装置７との間にはさみ、取付ボルト１０で取り
付ける状態を示す一部破断分解斜視図である。こ
の図において、１Ａは前記取付ボルト１０を挿通
するため便器本体１に形成した挿通孔、７Ａは前
記ノズルハウジング９の段部９Ｂと密着して一体
に嵌合させるため温風装置７の下面に設けた段
部、７Ｂは前記段部７Ａに設けた長孔部で、ノズ
ルハウジング９の長孔部９Ｃと同一の大きさにな
つている。１０Ａは前記取付ボルト１０が回転し
ないように形成した角形の頭で、段部７Ａに遊嵌
され図示しない押え板により上部が覆われて温風
装置７からはずれないようになつている。

便器本体１に温風装置７とノズルハウジング９
とを取り付ける場合は、温風装置７に付属してい
る取付ボルト１０をノズルハウジング９の長孔部
９Ｃに挿通し、温風装置７の段部７Ａとノズルハ
ウジング９の段部９Ｂとを嵌合して一体に形成す
る。次に、取付ボルト１０を便器本体１の挿通孔
１Ａに挿通してから、便器本体１上に載置し、長
孔部７Ｂ，９Ｃの長手方向に適宜に移動させ、所
定の位置でナツト１０Ｂを締め付けて固定する。
そして、接続金具１４，１９に図示しない温水タ
ンクのパイプと連結し、所要部に通電が行われる
ように電源を接続する。

このようにして組立てられた便座２の使用に際
し、大便の場合であれば、切換弁（図示せず）を
切り換えてノズル装置１７の噴射口３１より温水
を噴出させて局部を洗浄する。局部の洗浄が終る
と自動的に温風装置７が起動し、温風通路２０よ
り温風が吹き出し局部を乾燥する。これらは図示
しないタイマの制御により行われる。

次に、婦人の小便の場合であれば、前記切換弁
を切り換えて回動ノズル１１の噴水口１１Ｂから
温水が噴出し局部を洗浄する。その後は上記と同
様に温風通路２０より温風が吹き出して局部を乾
燥する。

このようにして前方の回動ノズル１１と、後方
のノズル装置１７とを個別に使用することができ
る。また、回動ノズル１１は温水の噴出方向を任
意に調整することができる。なお、前述の実施例
では温風装置７を着脱可能に設けた場合を示した
が、この他、便座本体３等に温風装置７を固定さ
せてもよい。

以上説明したようにこの発明は、温水温風式洗
浄器を備えた便座において、便座本体の前方に温
水を噴出するノズルを設けたので婦人の小便の場
合の洗浄ができ、また、前記便座本体と分離可能
なノズルハウジングを前記便座本体の後方に設
け、このノズルハウジングに前方のノズルと独立
して温水を噴出するノズルを設けたので大便の場
合の洗浄を行うことができる。しかも製作も容易
で、既設の便器にも簡単に取り付けることがで
き、さらに便座を形成する各種部品の取り替えも
容易にできる等の利点を有する。

また、ノズルハウジングに使用時のみ温水の圧
力により所定位置に突出して温水を噴出し、不使
用時には圧縮ばねにより復帰するノズル装置を設
けたので、使用時においては自動的にノズル本体
を筐体から便座の中央の方へ突出させることがで
き、不使用時にはノズル本体を自動的に復帰でき
る。したがつて、ノズル本体の突出、復帰に対し
て人手による操作が不要で、使用時には噴射口を
適正な位置で噴射でき、不使用時はノズル装置を
小さく形成できるため、狭い場所にも取り付ける
ことができる。また、不使用時においてノズル装
置を便座に対して突出させておく必要がないので
保守上安全であり、体裁上も好ましい利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃはこの発明の一実施例を示す
平面図、側面図、要部を破断して示した側面図、
第２図ａ，ｂはこの発明の要部であるノズルハウ
ジングを拡大して示した上面斜視図と下面斜視
図、第３図ａ，ｂは第２図のノズル装置を示す正
面図とＡ−Ａ線による側断面図、第４図ａ，ｂ，
ｃは第３図の動作を示す側断面図、第５図はこの
発明の便座を組み立てる状態を示す一部破断分解
斜視図である。 図中、１は便器本体、１Ａは挿通孔、２は便
座、３は便座本体、５は蓋、７は温風装置、７Ａ
は段部、７Ｂは長孔部、９はノズルハウジング、
９Ａは筐体、９Ｂは段部、９Ｃは長孔部、１０は
取付ボルト、１０Ａは頭、１０Ｂはナツト、１１
は回動ノズル、１６はヒータ、１７はノズル装
置、１８はパイプ、１９は接続金具、２３は筐
体、２４は給水口、２５は弁座、２６は流出口、
２７はノズル本体、２８は弁体、２９は吸込口、
３０は通水路、３１は噴射口、３２は平面部、３
３はＯリング、３４は係止板、３５は圧縮ばね、
３６はバイパス管である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 温水温風式洗浄器を備えた便座において、便
   座本体の前方に温水を噴出するノズルを設け、一
   方、前記便座本体と分離可能なノズルハウジング
   を前記便座本体の後方に設け、このノズルハウジ
   ングに前記前方のノズルと独立して使用時のみ温
   水の圧力により所定位置に突出して温水を噴出
   し、不使用時には圧縮ばねにより復帰するノズル
   装置を具備させたことを特徴とする着脱可能のノ
   ズルハウジングを備えた便座。