JPH0117176Y2

JPH0117176Y2 -

Info

Publication number: JPH0117176Y2
Application number: JP1982171378U
Authority: JP
Priority date: 1982-11-11
Filing date: 1982-11-11
Publication date: 1989-05-18
Also published as: JPS5977364U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は操作ハンドルの回転操作により回転枠
を回転させてスプールに釣糸を巻取るごとく成し
た釣用リール、詳しくは、操作ハンドルを持つハ
ンドル軸と、該ハンドル軸の動力を前記回転枠に
マスターギヤ及び筒軸を介して連動連結する駆動
主軸との連結構造を改良した釣用リールに関する
ものである。

一般に、比種釣用リールは、駆動主軸の中心に
形成された軸芯方向に延びる角形貫通孔内に、断
面角形のハンドル軸を挿嵌し、かつこのハンドル
軸の端部に固定用ボルトを螺着して、該固定用ボ
ルトの締付けにより前記ハンドル軸を前記駆動主
軸に固定し、この駆動主軸をハンドル軸と共に回
転させるように構成されている。

所で、斯かる構造にあつては、前記固定用ボル
トを緊締しても前記ハンドル軸が駆動主軸の前記
角形貫通孔内でガタ付き、特に長期間の使用によ
りハンドル軸の角部が摩耗した場合、前記ガタ付
きがより一層大きくなり、このガタ付きによつて
操作ハンドルのスムーズな回転操作が損なわれた
り、前記固定用ボルトの締付けが弛み、前記ハン
ドル軸がその軸芯方向にゆるみ、操作ハンドルの
回転操作が行なえなくなつたり、前記固定用ボル
トが脱落する等の欠点が生じる。

そこで従来、実公昭54−43030号公報に記載さ
れているように、前記駆動主軸とハンドル軸との
一方に、その軸芯に対し傾斜する傾斜面をもつ突
条係合部を形成すると共に、他方に、前記傾斜面
に接触する傾斜面をもつ凹条被係合部を形成し、
前記ハンドル軸の端部に固定する固定用ボルトの
締付けにより、前記ハンドル軸を前記駆動主軸に
対し軸方向に移動させて前記突条係合部を凹条被
係合部に係合させて、前記係合部を被係合部に係
合させたものが提案されている。

所が、この従来のリールによれば、前記ハンド
ル軸の駆動主軸に対するガタ付き及び前記固定用
ボルトの緩みを確実に防止できる反面、ハンドル
軸から駆動主軸への動力伝達時、この動力は、前
記ハンドル軸の駆動主軸に対するガタ付き量だけ
前記係合部と被係合部との係合部分に集中的に作
用するため、繰返し使用している間に、前記係合
部と被係合部との係合部分が塑性変形し、ヒビ割
れが生じて使用不可能となつたり、或いは外膨ら
み状に膨出して、保守点検時、分解できなくなる
などの問題があつた。

本考案は以上の如き問題に鑑み考案したもの
で、目的は、ハンドル軸の駆動主軸に対するガタ
付き及び固定用ボルトの緩みを確実に防止できな
がら、ハンドル軸と駆動主軸との間のガタ吸収部
分における損傷を確実に防ぐことのできる釣用リ
ールを提供する点にある。

しかして本考案は、リール本体に軸架した角形
貫通孔をもつ駆動主軸と、該主軸の角形貫通孔に
挿嵌するハンドル軸とを備えた釣用リールであつ
て、前記主軸とハンドル軸との一方に、軸方向に
突出する突条を突設すると共に、他方に、前記突
条に対向する端面をもつ合成樹脂又はゴムなどの
弾性を有する材料から成る受体を設けて、前記ハ
ンドル軸の端部に螺合する固定用ボルトの締付け
により、前記ハンドル軸を駆動主軸に対し軸方向
に移動させて、前記突条を、前記受体に押圧させ
るごとくしたことを特徴とするものである。

以下本考案リールの一実施例を図面に基づいて
説明する。

図において、１はリール本体であつて、該リー
ル本体１内にその前後方向に延びるスプール軸２
と、該スプール軸２と直交する方向の駆動主軸３
とを軸架し、前記スプール軸２の前記リール本体
１から前方に突出する軸部分にスプール４を装着
すると共に、前記スプール軸２の外周に挿嵌され
た筒軸６に回転枠５を挿嵌固定し、かつ前記駆動
主軸３の中心に形成された角形貫通孔３１内に、
一端に操作ハンドル８を持つ断面角形のハンドル
軸７を挿嵌し、このハンドル軸７の前記操作ハン
ドル８とは反対側他端部に形成された螺子孔７１
に固定用ボルト９を螺挿して、ハンドル軸７の前
記角形貫通孔７１からの抜止めを行なうべく構成
する一方、前記駆動主軸３にマスターギヤ１０と
偏心カム１１とを挿嵌固定し、前記マスターギヤ
１０を前記筒軸６の外周に形成されたピニオンギ
ヤ６１に噛合させると共に、前記偏心カム１１に
カムリング１２を嵌着し、該カムリング１２及び
前記スプール軸２の後端部を貫通する連結軸１３
を前記リール本体１の両側壁に前後方向移動自在
に支持させ、前記駆動主軸３の回転により偏心カ
ム１１、カムリング１２、連結軸１３、スプール
軸２を介して前記スプール４を前後方向に往復動
させながら、マスターギヤ１０，ピニオンギヤ６
１及び筒軸６を介して前記回転枠５を回転させ、
該回転枠５に設けたベールアーム１４をして釣糸
をスプール４に巻取るべく構成する。尚、前記操
作ハンドル８は、ハンドル軸７の軸芯と直交する
止ピン１５を介して前記ハンドル軸７に折畳み可
能に枢支しており、又、前記ハンドル軸７の一端
側端部外周にはねじ７２を設けて、該ねじ７２部
分に締込ナツト１６を螺合し、このナツト１６の
締込みにより前記操作ハンドル８を折畳み可能に
固定している。

この考案は以上の如く構成するリールにおい
て、前記駆動主軸３の一端縁に、軸方向外方に向
つて突出する突条１７を一個又は複数個（図面で
は四個）突設すると共に、前記ハンドル軸７の中
間部に、前記駆動主軸３の一端縁、ひいては前記
突条１７に対向する端面をもつ合成樹脂又はゴム
などの弾性を有する材料から成る円筒形の受体１
８を回転不能に設けて、前記ハンドル軸７の他端
部に螺合する前記固定用ボルト９の締付けによ
り、前記ハンドル軸７を駆動主軸３に対し軸方向
に移動させて、前記突条１７を前記受体１８に押
圧させるごとく構成したのである。

以上の構成において、前記突条１７は、第２図
に示す如く断面山形状に形成するのであるが、そ
の他断面台形状に形成してもよいのであつて、そ
の形状は特に限定されない。又、前記突条１７
は、前記貫通孔３１の辺に対応する個数設けるの
が好ましいけれども、その個数は特に限定されな
い。

又、前記受体１８は、主として合成樹脂材料を
用いて、第２図に示す如く中心に角形嵌合孔１８
ａをもつ円筒状に形成するのである。そして前記
ハンドル軸７の中間部に前記受体１８を受入れる
有底筒状の保持筒１９を設けて、前記受体１８の
嵌合孔１８ａ部分を前記ハンドル軸７の外周に挿
嵌すると共に、受体１８の外周部を前記保持筒１
９内に圧入して固定するのである。又、前記受体
１８の前記突条１７との対向端面には、前記突条
１７と係合する例えば断面Ｖ字形の凹条２０を設
けて、前記固定用ボルト９の締付時、前記突条１
７と凹条２０とを係合させるように構成するので
あるが、その他前記凹条２０を設けることなく、
前記固定用ボルト９の締付時、この締付力により
前記受体１８の突条１７との対向端面を弾性変形
させて、前記突条１７を前記受体１８の対向端面
部分に食込ませるようにしてもよい。又、前記受
体１８は、筒状に形成して前記した如く圧入によ
り固定するのが好ましいけれども、その形状及び
固定手段は特に限定されるものでない。要は前記
突条１７に対向する端面があつて、ハンドル軸７
とともに回転し、固定用ボルト９の締付けにより
前記突条１７を前記受体１８に押圧させ得るよう
になつておればよい。

尚、図示したリールは、前記駆動主軸３の両端
部をリール本体１に支持して、前記ハンドル軸７
の取付位置をリール本体１に対し右側位置又は左
側位置に取換えることができるようにしたもので
ある。この場合、第１図に示す如く前記駆動主軸
３の両端縁に例えば前記突条１７を設けると共
に、前記駆動主軸３の端面と前記固定用ボルト９
の頭部との間に、合成樹脂又はゴムなどの弾性を
有する材料から成る座金２１を介装して、前記固
定用ボルト９の締付時、該ボルト９頭部が前記駆
動主軸３に設ける突条１７と直接接触するのを防
ぎ、前記突条１７を保護するのが好ましい。尚、
前記座金２１には、前記突条１７と係合する凹条
２２を設けるのが好ましい。

しかして前記操作ハンドル８の回転操作により
ハンドル軸７を駆動すると、その動力が、ハンド
ル軸７に設けた受体１８から該受体１８の端面に
押圧された突条１７に伝わるのである。このとき
弾性を有する材料で形成した前記受体１８が、ハ
ンドル軸７の駆動主軸３に対するガタ付き量だけ
弾性変形し、この受体１８の弾性変形により前記
ハンドル軸７の駆動主軸３に対するガタが吸収さ
れ、このガタ吸収状態で前記ハンドル軸７からの
動力が角形貫通孔３１部分から駆動主軸３に伝わ
り、該駆動主軸３が回転するのである。従つて、
ハンドル軸７のガタ付き及び固定用ボルト９の緩
みを確実に防止できると共に、前記突条１７及び
該突条１７と係合する受体１８の損傷を確実に防
止できるのである。

尚、以上説明した実施例では、駆動主軸３に突
条１７を設け、ハンドル軸７に受体１８を設けた
が、その反対に設けてもよい。

以上の如く本考案によれば、駆動主軸とハンド
ル軸との一方に突設する突条と、他方に設ける受
体とにより、ハンドル軸の駆動主軸に対するガタ
付き及び固定用ボルトの緩みを確実に防止できな
がら、しかも前記受体を、前記突条に対向する端
面をもつ合成樹脂又はゴムなどの弾性を有する材
料により形成して、前記固定用ボルトの締付時、
前記突条を前記受体に押圧させるようにしたか
ら、前記受体を弾性変形させてハンドル軸の駆動
主軸に対するガタを吸収することができるのであ
る。従つて、前記ガタ吸収部分における損傷を確
実に防ぐことができ、耐用年数を助長できて、経
済的であるし、又、保守点検を常に容易に行なう
ことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案リールの一実施例を示す一部切
欠平面図、第２図は同じく要部の分解拡大斜視図
である。１……リール本体、３……駆動主軸、３１……
角形貫通孔、７……ハンドル軸、９……固定用ボ
ルト、１７……突条、18……受体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

リール本体に軸架した角形貫通孔をもつ駆動主
軸と、該主軸の角形貫通孔に挿嵌するハンドル軸
とを備えた釣用リールであつて、前記主軸とハン
ドル軸との一方に、軸方向に突出する突条を突設
すると共に、他方に、前記突条に対向する端面を
もつ合成樹脂又はゴムなどの弾性を有する材料か
ら成る受体を設けて、前記ハンドル軸の端部に螺
合する固定用ボルトの締付けにより、前記ハンド
ル軸を駆動主軸に対し軸方向に移動させて、前記
突条を、前記受体に押圧させるごとくしたことを
特徴とする釣用リール。