JPH0115567Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、レールと、このレールに案内されて
走行可能な荷搬送用台車と、この荷搬送用台車の
荷収納部を囲むダクトとからなり、前記レール
を、上階と下階とを仕切る床に形成した開口部を
通して下階から上階側へと上下方向に通すと共
に、前記ダクトの上向き端開口を前記開口部近く
に位置させて、上階側にステーシヨン部を形成し
た荷搬送設備に関するものである。

第１図に従来例が示されている。すなわち１は
下階、２は上階で、床３によつて仕切られてい
る。４はレール、５はこのレール４に案内されて
正逆走行可能な荷搬送用台車、６は荷搬送用台車
５の上部に設けた支持部７に揺動可能に支持され
且つ該支持部７に対して着脱可能な荷収納部、８
は荷収納部６を囲むダクトである。前記レール４
とダクト８とは、該ダクト８を上位として下階１
内においてほぼ水平状態に配設されている。前記
レール４の終端は連絡部４Ａを介して上下方向の
垂直部４Ｂとなり、この垂直部４Ｂは前記床３に
形成した開口部９を通して下階１から上階２へと
上下方向に通つている。またダクト８も同様に連
絡部８Ａと垂直部８Ｂとを有し、ここで垂直部８
Ｂの上向き端開口８ｂは前記開口部９の近くに位
置している。したがつて上階２側にステーシヨン
部１０が形成される。前記下階１はナチユラルル
ームであり、したがつて荷収納部６を粉塵などか
ら守るために前記ダクト８が設けられる。また上
階２はクリーンルームであり、したがつてレール
４側からの粉塵などが該クリーンルームにもれな
いように、前記垂直部４Ｂの上階２への突出部は
垂直ダクト１１によつて囲まれている。この垂直
ダクト１１は支持枠１２側に支持されている。な
お両ダクト８，１１には支持部７の移動を許すス
リツトが形成されている。

上記構成の従来における荷搬送設備によると、
下階１においては、荷収納部６をダクト８内に位
置させた状態で、レール４に案内されながら荷搬
送用台車５を自走させる。そして荷搬送用台車５
は、連絡部４Ａに案内されたのち垂直部４Ｂに案
内され、開口部９を通つて仮想線に示すようにス
テーシヨン部１０に停止される。その際に荷収納
部６は、開口部９の位置において上向き端開口８
ｂから上階２内に露出状態になる。そしてステー
シヨン部１０に停止した状態において、荷収納部
６の真下に上向き端開口８ｂが位置することにな
る。ステーシヨン部１０に停止させた状態で、荷
収納部６の積み卸し、すなわち支持部７に対する
荷収納部６の着脱を行なう。ところで、このよう
な着脱作業中に荷収納部６を落したとき、この荷
収納部６は上向き端開口８ｂを介してダクト８の
垂直部８Ａに入り込んでしまう。入り込んだ荷収
納部６は上向き端開口８ｂからは容易に引上げる
ことはできず、最悪の場合にはダクトを分解しな
ければならない。これは当該ステーシヨン部１０
への搬送ラインのみならず、全ラインの運転を停
止させることになる。

本考案の目的とするところは、作業員による荷
収納部の着脱作業中に荷収納部を落したとしても
ダクト内に入り込まないようにした荷搬送設備を
提供する点にある。

上記目的を達成するために本考案における荷搬
送設備は、上向き端開口部に、水平姿勢と垂下姿
勢とに揺動自在な落下防止板を設け、前記上向き
端開口の外側部に昇降自在な作業者踏台を設け、
この作業者踏台が下降したときに落下防止板を水
平揺動すべく、これら作業者踏台と落下防止板と
の間に連動装置を設けて構成している。

かかる本考案構成によると、次のような効果を
期待できる。すなわちステーシヨンに到着した荷
搬送用台車に対して荷収納部の着脱を行なうべく
作業者が作業者踏台上に乗つたとき、その体重な
どにより作業者踏台が下降し、その下降力が連動
装置を介して落下防止板に伝わつて該落下防止板
を水平揺動させて上向き端開口を閉塞する状態に
でき、その結果、着脱作業時に荷収納部を落した
としても、該荷収納部は落下防止板上に落ちてダ
クト内に入り込むことはなく、したがつて事後処
理を迅速に行なうことができる。

以下に本考案の一実施例を第２図〜第５図に基
づいて説明する。なお本実施例（第２図〜第５
図）において従来例（第１図）と同一符号のもの
は同一またはほぼ同一の構成物を示す。本実施例
では、前記上向き端開口８ｂ部に横軸１３を介し
て落下防止板１４を設け、この落下防止板１４
は、横軸１３の正逆回転によつて水平姿勢と垂下
姿勢とに揺動自在となる。前記上向き端開口８ｂ
の外側部で床３上には昇降自在な作業者踏台１５
が設けられ、この作業者踏台１５は複数のばね１
６によつて上昇付勢されている。前記作業者踏台
１５が下降したときに落下防止板１４を水平揺動
すべく、これら作業者踏台１５と落下防止板１４
との間に連動装置１７を設けている。すなわち連
動装置１７は、前記横軸１３に固着した第１歯車
１８と、この第１歯車１８に常時噛合する第２歯
車１９と、この第２歯車１９と一体のドラム２０
と、このドラム２０に上端が着回され且つ下端が
前記作業者踏台１５に連結されたワイヤー２１と
からなり、前記横軸１３の部分には、落下防止板
１４を垂下揺動すべく付勢する戻しばね（図示せ
ず）が配設されている。前記荷収納部６は支持部
７に対して、連結部２２を介して着脱可能であ
り、また上部には、蝶番２３を介して左右開閉可
能な一対の蓋２４を有する。またステーシヨン部
１０には、開動させた蓋２４を受止める枠体２５
が配設され、この枠体２５は垂直ダクト１１側に
取付けてある。

作業者Ａが作業者踏台１５上に乗つていないと
きには、第２図、第４図仮想線に示すように、ば
ね１６の弾性力などにより作業者踏台１５は上昇
しており、そして連動装置１７を介して落下防止
板１４は垂下姿勢にある。したがつて荷搬送用台
車５は落下防止板１４に邪魔されることなく走行
し、ステーシヨン部１０に停止する。次いで作業
者Ａが作業者踏台１５上に乗ると、その体重など
によりばね１６に抗して作業者踏台１５が下降
し、その下降量は連動装置１７を介して横軸１３
の回転力に代えられて、第２図、第４図実線に示
すように落下防止板１４を水平姿勢に揺動させ
る。この状態で支持部７に対する荷収納部６の着
脱作業が行なわれる。この着脱作業中に荷収納部
６が落下したとき、この荷収納部６は水平姿勢に
ある落下防止板１４に受止められ、以つて垂直部
８Ｂ内への落下は防止される。着脱作業後、作業
者Ａが作業者踏台１５から降りることによつて、
落下防止板１４は自動的に垂下姿勢に切換わる。
したがつて作業者踏台１５から降りた作業者Ａが
スタート釦を押すことによつて荷搬送用台車５は
走行を行なう。

ステーシヨン部１０においては、荷収納部６の
着脱を行なわずに、該荷収納部６に対する荷の出
し入れを行なう場合がある。かかる作業は、作業
者Ａが蓋２４を開動させて行なうが、その際に蓋
２４は第３図に示すように枠体２５に受止められ
ることから、荷収納部６が支持部７に対して連結
部２２において揺動する形式でありながら該揺動
が阻止されることになり、以つて荷の出し入れは
容易に安定して行なわれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す側面図、第２図〜第５図
は本考案の一実施例を示し、第２図は側面図、第
３図は要部の斜視図、第４図は同概略側面図、第
５図は荷搬送台車部の斜視図である。 １……下階、２……上階、３……床、４……レ
ール、４Ｂ……垂直部、５……荷搬送用台車、６
……荷収納部、８……ダクト、８Ｂ……垂直部、
８ｂ……上向き端開口、９……開口部、１０……
ステーシヨン部、１４……落下防止板、１５……
作業者踏台、１７……連動装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レールと、このレールに案内されて走行可能な
   荷搬送用台車と、この荷搬送用台車の荷収納部を
   囲むダクトとからなり、前記レールを、上段と下
   階とを仕切る床に形成した開口部を通して下階か
   ら上階側へと上下方向に通すと共に、前記ダクト
   の上向き端開口を前記開口部近くに位置させて、
   上階側にステーシヨン部を形成した荷搬送設備に
   おいて、前記上向き端開口部に、水平姿勢と垂下
   姿勢とに揺動自在な落下防止板を設け、前記上向
   き端開口の外側部に昇降自在な作業者踏台を設
   け、この作業者踏台が下降したときに落下防止板
   を水平揺動すべく、これら作業者踏台と落下防止
   板との間に連動装置を設けたことを特徴とする荷
   搬送設備。