JPH0115272B2 - - Google Patents
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- JPH0115272B2 JPH0115272B2 JP60093179A JP9317985A JPH0115272B2 JP H0115272 B2 JPH0115272 B2 JP H0115272B2 JP 60093179 A JP60093179 A JP 60093179A JP 9317985 A JP9317985 A JP 9317985A JP H0115272 B2 JPH0115272 B2 JP H0115272B2
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Landscapes
- Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)
Description
「技術分野」
本発明は、生鮮食品を凍結保存するための方法
に関する。 「従来技術およびその問題点」 生鮮食品、特に魚介類、鳥肉、獣肉等を凍結保
在するとき、強靭な外皮に覆われていない場合に
は、肉質が内部に含有する水分の凍結によつて膨
張し、細胞が破壊され、品質を劣化させることは
よく知られている。 このような生鮮食品の凍結保存に関し、本出願
人は、食品の外周面に氷結カプセルを形成し、特
殊な温度管理を行なうようにした凍結方法(特公
昭59−41391号)を既に提案し、優秀な成果を上
げている。しかし、その研究をさらに進めた結
果、小鮎、貝柱、鳥肉、獣肉等の外皮の弱い、ま
たは肉質が直接外部に接する食品は、冷熱による
表面水凍結とかスプレー水の凍結カプセルのみで
は、凍結による内部膨圧の高まりに堪えられず、
細胞破壊を防止できないことが分つた。また、食
品組織の細胞外液が一部凍結すると、液中の塩濃
度が高まり、細胞内水が外部に出て細胞内の水溶
液のPHが高まつたり、脱水状態が起こつたりし、
蛋白質の沈澱や不可逆的な変化を来たして新鮮さ
を失うことがあつた。 「発明の目的」 本発明の目的は、生鮮食品の凍結保存に際し、
外皮の弱いまたは肉質が直接外部に接する食品で
あつても、生細胞を破壊せず、新鮮さを保てる生
鮮食品の凍結保存方法を提供することにある。 「発明の構成」 本発明の生鮮食品の凍結保存方法は、アルコー
ル、グリセリン、糖類、またはこれらの混合物を
適当量混合して融点−3℃〜−10℃の水溶液を作
り、生鮮食品をこの水溶液とともに袋中に密封包
装し、その後、凍結させることを特徴とする。 上記水溶液とともに袋中に密封した生鮮食品
を、例えば−20〜−100℃で冷却すると、まず、
生鮮食品と袋との間に介在する溶液が凍結する。
すなわち、細胞内の水分子の氷点は、蛋白質に直
接接触している自由水のうち、第一層の水分子が
−80℃程度であり、その外側に位置する第二層の
水分子が−10℃程度であるため、融点が−3〜−
10℃とされた溶液の方が先に凍結し、カプセル化
するのである。このように、生鮮食品の外周の溶
液が凍結することにより氷結カプセルが形成さ
れ、この氷結カプセルは袋内で外周部から凍結さ
れ、袋内に拘束されているので、内部の生鮮食品
に加圧力を与える。その結果、生鮮食品の内部の
水はさらに凍結しにくくなり、それを急速に冷却
することにより、細胞内は過冷却状態となる。そ
して、この過冷却状態のままさらに冷却を続ける
と、凍結の対象となる自由水は一挙に凍結し、微
細かつ均一な氷結晶が形成されて、タンパク質の
ペプチド結合の切断や、細胞膜の破壊を防止する
ことができる。また、こうして凍結された食品カ
プセルを解凍するときは、常温下に取出して、袋
を破つて氷結カプセルを取出せば、融点が−3〜
−10℃とされた溶液が速やかに解凍してくだける
ので、溶液の解凍に伴なう潜熱の移動による細胞
の破壊も防止される。このように、本発明では、
生鮮食品の生細胞形態を破壊することなく凍結保
存ができるので、もとの新鮮な状態に可逆的に戻
すことができる。 −3℃〜−10℃の融点を持つ水溶液は、アルコ
ール、グリセリン、糖類、またはこれらの混合物
を適当量混合して作る。これらの添加物は、有機
の中性分子からなるものである。ここで中性分子
とは、電解質を有さないという意味である。食塩
などの電解質を用いた場合は、ある濃度以上にな
ると、細胞内のPHに変化がおこり、常恒性に変化
がおきて、蛋白質の沈澱を生じるので好ましくな
い。中性分子としては、例えばアルコール、グリ
セリン、果糖、砂糖、ブドウ糖、液化糖などが挙
げられる。これらは、一種または二種以上を用い
ることができる。これらを適当な濃度となるよう
に水に溶かすことにより、融点が−3〜−10℃の
水溶液を得ることができる。例えばグリセリンの
場合は、17.8℃で結晶化するが、水を加えると融
点が下がり、グリセリン66.7%水溶液の共晶点は
−46.5℃であり、任意の割合で水に溶かすことに
よつて融点を自由に下げることができる。そこ
で、−3〜−10℃の融点とするには、グリセリン
10%前後の水溶液とすればよい。特に、グリセリ
ンは、細胞膜を通過して細胞内の水分子と結合
し、細胞内の水を過冷却の状態に保持するという
特性があり、凍結による弊害が防止されて好まし
い。反面、ブドウ糖は、D型とL型があつて、D
型は細胞膜を通過できるが、L型は通過できない
性質を持ち、グリセリン水溶液よりは効果が劣る
場合がある。 また、本発明に用いられる袋は、氷結カプセル
の形成の際、氷結による外側への膨張を阻止して
内部の生鮮食品に加圧力が加わるようにし、溶液
をフイルムで固定化しつつ外周部より凍結を始め
させ、徐々に内部が凍結するようにするため、で
きるだけ強靭なものが好ましく、例えば多層ラミ
ネートフイルムで形成されたものが好ましい。多
層ラミネートフイルムとしては、種々のものが使
用可能であるが、例えばナイロンシートにポリエ
チレンシートをラミネートしたもの、アルミ箔に
ポリエチレンシートをラミネートしたものなどが
好適である。また、これらのフイルムは、溶液と
生鮮食品を同封した際に、熱シールにより密封で
きるものが好ましい。 本発明は、貝柱、マグロ刺身、小鮎などの魚介
類、豚肉、鳥肉などの畜肉類など各種の生鮮食品
に適用することができる。 「発明の実施例」 第1図および第2図には、本発明による生鮮食
品の凍結保存方法に供すべき食品カプセルの一実
施例が示されている。この食品カプセル11は、
複数個の貝柱12が10%グリセリン水溶液13を
介して袋14内に密封包装されている。袋14
は、ナイロンシート15の両面にポリエチレンシ
ート16,16をラミネートしたフイルムで形成
されている。すなわち、このフイルムを幅15cm×
長さ20cm程度に切断し、このフイルムを2枚合せ
て周囲三方を熱シールする。そして、貝柱12お
よび10%グリセリン水溶液13を開口部より入れ
た後、開口部も熱シールしたものである。 この食品カプセル11を例えばエアブラスト冷
凍により−40℃で4時間冷却すると、10%グリセ
リン水溶液13が凍結し、氷結カプセルが形成さ
れた。さらに、−55℃で5時間冷却を続けると、
貝柱12も−40℃下に固定化された。次に、この
食品カプセル11の袋14を破り、氷結カプセル
を取出して外温15℃に放置したところ、凍結した
10%グリセリン水溶液13が短時間で解凍して容
易にくだくことができた。そして、貝柱12を取
出し、さらに放置することにより、貝柱12も低
温下から開放するに至つた。こうして解凍した貝
柱12は、凍結前をほとんど変わらない新鮮さを
保持していた。 上記を同様にして、次の材料を用いて食品カプ
セルを製造し、エアブラスト冷凍により−55℃で
9時間冷却して凍結した後、15℃で3時間放置し
て解凍を行なつた。また、比較のため、同じ材料
を用いてそのまま−55℃で8時間冷却して急速冷
凍した後、15℃で3時間放置して解凍を行なつ
た。こうして得られた各肉片の細胞内PHの変化、
ペプチド結合状態の変化、ドリツプ量、湯煮した
ときの組織状態を調べた。その結果を表に示す。 実験肉片 貝柱…5ケ、マグロ刺身…180g 豚肉…200g、小鮎…200g 溶 液 10%グリセリン水溶液各200ml
に関する。 「従来技術およびその問題点」 生鮮食品、特に魚介類、鳥肉、獣肉等を凍結保
在するとき、強靭な外皮に覆われていない場合に
は、肉質が内部に含有する水分の凍結によつて膨
張し、細胞が破壊され、品質を劣化させることは
よく知られている。 このような生鮮食品の凍結保存に関し、本出願
人は、食品の外周面に氷結カプセルを形成し、特
殊な温度管理を行なうようにした凍結方法(特公
昭59−41391号)を既に提案し、優秀な成果を上
げている。しかし、その研究をさらに進めた結
果、小鮎、貝柱、鳥肉、獣肉等の外皮の弱い、ま
たは肉質が直接外部に接する食品は、冷熱による
表面水凍結とかスプレー水の凍結カプセルのみで
は、凍結による内部膨圧の高まりに堪えられず、
細胞破壊を防止できないことが分つた。また、食
品組織の細胞外液が一部凍結すると、液中の塩濃
度が高まり、細胞内水が外部に出て細胞内の水溶
液のPHが高まつたり、脱水状態が起こつたりし、
蛋白質の沈澱や不可逆的な変化を来たして新鮮さ
を失うことがあつた。 「発明の目的」 本発明の目的は、生鮮食品の凍結保存に際し、
外皮の弱いまたは肉質が直接外部に接する食品で
あつても、生細胞を破壊せず、新鮮さを保てる生
鮮食品の凍結保存方法を提供することにある。 「発明の構成」 本発明の生鮮食品の凍結保存方法は、アルコー
ル、グリセリン、糖類、またはこれらの混合物を
適当量混合して融点−3℃〜−10℃の水溶液を作
り、生鮮食品をこの水溶液とともに袋中に密封包
装し、その後、凍結させることを特徴とする。 上記水溶液とともに袋中に密封した生鮮食品
を、例えば−20〜−100℃で冷却すると、まず、
生鮮食品と袋との間に介在する溶液が凍結する。
すなわち、細胞内の水分子の氷点は、蛋白質に直
接接触している自由水のうち、第一層の水分子が
−80℃程度であり、その外側に位置する第二層の
水分子が−10℃程度であるため、融点が−3〜−
10℃とされた溶液の方が先に凍結し、カプセル化
するのである。このように、生鮮食品の外周の溶
液が凍結することにより氷結カプセルが形成さ
れ、この氷結カプセルは袋内で外周部から凍結さ
れ、袋内に拘束されているので、内部の生鮮食品
に加圧力を与える。その結果、生鮮食品の内部の
水はさらに凍結しにくくなり、それを急速に冷却
することにより、細胞内は過冷却状態となる。そ
して、この過冷却状態のままさらに冷却を続ける
と、凍結の対象となる自由水は一挙に凍結し、微
細かつ均一な氷結晶が形成されて、タンパク質の
ペプチド結合の切断や、細胞膜の破壊を防止する
ことができる。また、こうして凍結された食品カ
プセルを解凍するときは、常温下に取出して、袋
を破つて氷結カプセルを取出せば、融点が−3〜
−10℃とされた溶液が速やかに解凍してくだける
ので、溶液の解凍に伴なう潜熱の移動による細胞
の破壊も防止される。このように、本発明では、
生鮮食品の生細胞形態を破壊することなく凍結保
存ができるので、もとの新鮮な状態に可逆的に戻
すことができる。 −3℃〜−10℃の融点を持つ水溶液は、アルコ
ール、グリセリン、糖類、またはこれらの混合物
を適当量混合して作る。これらの添加物は、有機
の中性分子からなるものである。ここで中性分子
とは、電解質を有さないという意味である。食塩
などの電解質を用いた場合は、ある濃度以上にな
ると、細胞内のPHに変化がおこり、常恒性に変化
がおきて、蛋白質の沈澱を生じるので好ましくな
い。中性分子としては、例えばアルコール、グリ
セリン、果糖、砂糖、ブドウ糖、液化糖などが挙
げられる。これらは、一種または二種以上を用い
ることができる。これらを適当な濃度となるよう
に水に溶かすことにより、融点が−3〜−10℃の
水溶液を得ることができる。例えばグリセリンの
場合は、17.8℃で結晶化するが、水を加えると融
点が下がり、グリセリン66.7%水溶液の共晶点は
−46.5℃であり、任意の割合で水に溶かすことに
よつて融点を自由に下げることができる。そこ
で、−3〜−10℃の融点とするには、グリセリン
10%前後の水溶液とすればよい。特に、グリセリ
ンは、細胞膜を通過して細胞内の水分子と結合
し、細胞内の水を過冷却の状態に保持するという
特性があり、凍結による弊害が防止されて好まし
い。反面、ブドウ糖は、D型とL型があつて、D
型は細胞膜を通過できるが、L型は通過できない
性質を持ち、グリセリン水溶液よりは効果が劣る
場合がある。 また、本発明に用いられる袋は、氷結カプセル
の形成の際、氷結による外側への膨張を阻止して
内部の生鮮食品に加圧力が加わるようにし、溶液
をフイルムで固定化しつつ外周部より凍結を始め
させ、徐々に内部が凍結するようにするため、で
きるだけ強靭なものが好ましく、例えば多層ラミ
ネートフイルムで形成されたものが好ましい。多
層ラミネートフイルムとしては、種々のものが使
用可能であるが、例えばナイロンシートにポリエ
チレンシートをラミネートしたもの、アルミ箔に
ポリエチレンシートをラミネートしたものなどが
好適である。また、これらのフイルムは、溶液と
生鮮食品を同封した際に、熱シールにより密封で
きるものが好ましい。 本発明は、貝柱、マグロ刺身、小鮎などの魚介
類、豚肉、鳥肉などの畜肉類など各種の生鮮食品
に適用することができる。 「発明の実施例」 第1図および第2図には、本発明による生鮮食
品の凍結保存方法に供すべき食品カプセルの一実
施例が示されている。この食品カプセル11は、
複数個の貝柱12が10%グリセリン水溶液13を
介して袋14内に密封包装されている。袋14
は、ナイロンシート15の両面にポリエチレンシ
ート16,16をラミネートしたフイルムで形成
されている。すなわち、このフイルムを幅15cm×
長さ20cm程度に切断し、このフイルムを2枚合せ
て周囲三方を熱シールする。そして、貝柱12お
よび10%グリセリン水溶液13を開口部より入れ
た後、開口部も熱シールしたものである。 この食品カプセル11を例えばエアブラスト冷
凍により−40℃で4時間冷却すると、10%グリセ
リン水溶液13が凍結し、氷結カプセルが形成さ
れた。さらに、−55℃で5時間冷却を続けると、
貝柱12も−40℃下に固定化された。次に、この
食品カプセル11の袋14を破り、氷結カプセル
を取出して外温15℃に放置したところ、凍結した
10%グリセリン水溶液13が短時間で解凍して容
易にくだくことができた。そして、貝柱12を取
出し、さらに放置することにより、貝柱12も低
温下から開放するに至つた。こうして解凍した貝
柱12は、凍結前をほとんど変わらない新鮮さを
保持していた。 上記を同様にして、次の材料を用いて食品カプ
セルを製造し、エアブラスト冷凍により−55℃で
9時間冷却して凍結した後、15℃で3時間放置し
て解凍を行なつた。また、比較のため、同じ材料
を用いてそのまま−55℃で8時間冷却して急速冷
凍した後、15℃で3時間放置して解凍を行なつ
た。こうして得られた各肉片の細胞内PHの変化、
ペプチド結合状態の変化、ドリツプ量、湯煮した
ときの組織状態を調べた。その結果を表に示す。 実験肉片 貝柱…5ケ、マグロ刺身…180g 豚肉…200g、小鮎…200g 溶 液 10%グリセリン水溶液各200ml
【表】
「発明の効果」
以上説明したように、本発明によれば、生鮮食
品を、アルコール、グリセリン、糖類、またはこ
れらの混合物を適当量混合して作つた、融点−3
〜−10℃の溶液を介して、袋中に密封包装したの
で、凍結の際、溶液が先に凍結して氷結カプセル
を形成し、内部の生鮮食品に加圧力を与え、細胞
内の水を過冷却状態とする。したがつて、生鮮食
品の生細胞を破壊することなく、凍結することが
できる。また、解凍の際には、袋を破つて氷結カ
プセルを取出すことにより、外周の溶液が短時間
で解凍するので、容易にくだくことができる。こ
れにより、溶液の解凍に伴なう潜熱が生鮮食品に
伝達することを防止し、解凍時における細胞の変
化をも防止できる。このようにして、本発明によ
れば生鮮食品の新鮮さを保つて冷凍保存すること
が可能となる。
品を、アルコール、グリセリン、糖類、またはこ
れらの混合物を適当量混合して作つた、融点−3
〜−10℃の溶液を介して、袋中に密封包装したの
で、凍結の際、溶液が先に凍結して氷結カプセル
を形成し、内部の生鮮食品に加圧力を与え、細胞
内の水を過冷却状態とする。したがつて、生鮮食
品の生細胞を破壊することなく、凍結することが
できる。また、解凍の際には、袋を破つて氷結カ
プセルを取出すことにより、外周の溶液が短時間
で解凍するので、容易にくだくことができる。こ
れにより、溶液の解凍に伴なう潜熱が生鮮食品に
伝達することを防止し、解凍時における細胞の変
化をも防止できる。このようにして、本発明によ
れば生鮮食品の新鮮さを保つて冷凍保存すること
が可能となる。
第1図は本発明による生鮮食品の凍結保存方法
に供すべき食品カプセルの一実施例を示す断面
図、第2図は同食品カプセルの平面図である。 図中、11は食品カプセル、12は貝柱、13
は10%グリセリン水溶液、14は袋、15はナイ
ロンシート、16はポリエチレンシートである。
に供すべき食品カプセルの一実施例を示す断面
図、第2図は同食品カプセルの平面図である。 図中、11は食品カプセル、12は貝柱、13
は10%グリセリン水溶液、14は袋、15はナイ
ロンシート、16はポリエチレンシートである。
Claims (1)
- 1 アルコール、グリセリン、糖類、またはこれ
らの混合物を適当量混合して融点−3℃〜−10℃
の水溶液を作り、生鮮食品をこの水溶液とともに
袋中に密封包装し、その後、凍結させることを特
徴とする生鮮食品の凍結保存方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60093179A JPS61249376A (ja) | 1985-04-30 | 1985-04-30 | 生鮮食品の凍結保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60093179A JPS61249376A (ja) | 1985-04-30 | 1985-04-30 | 生鮮食品の凍結保存方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61249376A JPS61249376A (ja) | 1986-11-06 |
JPH0115272B2 true JPH0115272B2 (ja) | 1989-03-16 |
Family
ID=14075350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60093179A Granted JPS61249376A (ja) | 1985-04-30 | 1985-04-30 | 生鮮食品の凍結保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61249376A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6394956A (ja) * | 1986-10-09 | 1988-04-26 | Shiimetsukusu Japan:Kk | 生物組織の冷凍方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5568275A (en) * | 1978-11-19 | 1980-05-22 | Yasuho Kakikawa | Preparation of fish boiled with soy |
JPS59227253A (ja) * | 1983-06-08 | 1984-12-20 | Yasuho Kakikawa | 密封容器内で調味して煮熟する食品の製造方法 |
JPS60241876A (ja) * | 1984-05-17 | 1985-11-30 | Toshio Ogawa | 生鮮食品またはその加工品の低温保存方法 |
-
1985
- 1985-04-30 JP JP60093179A patent/JPS61249376A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5568275A (en) * | 1978-11-19 | 1980-05-22 | Yasuho Kakikawa | Preparation of fish boiled with soy |
JPS59227253A (ja) * | 1983-06-08 | 1984-12-20 | Yasuho Kakikawa | 密封容器内で調味して煮熟する食品の製造方法 |
JPS60241876A (ja) * | 1984-05-17 | 1985-11-30 | Toshio Ogawa | 生鮮食品またはその加工品の低温保存方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61249376A (ja) | 1986-11-06 |
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