JP3055830B2 - かにの包装凍結食品ならびにその製造方法 - Google Patents

かにの包装凍結食品ならびにその製造方法

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JP3055830B2 JP3276759A JP27675991A JP3055830B2 JP 3055830 B2 JP3055830 B2 JP 3055830B2 JP 3276759 A JP3276759 A JP 3276759A JP 27675991 A JP27675991 A JP 27675991A JP 3055830 B2 JP3055830 B2 JP 3055830B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はかにの包装凍結食品な
らびにその製造方法に係り、詳しくは、生きたまま又は
それと実質的同等な状態のかにを内部が20〜120m
mHg程度の圧力に保持された状態で密封包装し、急速
凍結してなる包装凍結食品ならびにその製造方法であっ
て、解凍したときに生きているときと同等の肉質部が得
られるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、甲殻類、魚類などの水産物に
は、鮮度保持の上から凍結貯蔵法が用いられている。凍
結貯蔵法は水産物を、−18℃以下の低温で凍結させて
その中に含まれる水分を氷結晶に変化させて、対象とす
る水産物を長く貯蔵できる状態におくことである。ま
た、凍結貯蔵法としては種々の方法が実施され、水産
物、とくに甲殻類にはエアブラスト凍結法、注水凍結法
ならびにブライン凍結法が通常用いられている。
【0003】すなわち、エアブラスト凍結法は冷却液の
入ったパイプを倉内に配置して、ファンで冷風を強制循
環させる方法で、水産物が乾燥するという問題点があ
る。注水凍結法とは、清水等を充満した容器中に水産物
を収納し凍結する方法である。この方法は冷凍保管中の
乾燥がない為、長期保存に有効で特にグレーズ(冷凍さ
れた魚体に清水シャワーをかけて氷の薄膜を作り魚体の
乾燥を防止する。)効果の少ない甲殻類には適してい
る。しかし、清水中に魚体を沈めて清水と魚体を一緒に
冷凍するこの方法は魚体と魚体の隙間の清水も可成の重
量となり、カニの場合には2Kgの魚体に対して10K
gの清水が必要で輸送コスト、保管コストが増大し解凍
にも長時間を要する。また、魚体が直接冷媒にふれるわ
けではなく清水を介しての魚体の冷凍となるため、魚体
温度を余り低温まで下げる事ができず、魚体自体が凍結
する迄に長時間を要する。この為、凍結後の保管には有
効なこの方法も凍結に至るまでの段階で肉質部の鮮度低
下が起こり易い。
【0004】ブライン凍結法とは、塩化ナトリウム、塩
化カルシウムなどの濃厚溶液、すなわち、所謂ブライン
液を冷媒によって冷却し、冷却されたブライン液中に甲
殻類などの水産物を浸漬通過させて凍結する方法であ
る。この方法は冷媒により冷却されたブラインが魚体の
すみずみ迄行き渡る為、冷凍効率は各種の冷凍方法の中
で最も良い。また、ブラインの種類により超低温での超
急速冷凍が可能であり、特殊なブライン液を利用すれば
−200℃迄冷却可能である事が理論的に証明されてい
る。生きたまま冷凍した金魚が解凍すると、また泳ぎだ
す事例のように肉質部の破損が最も少ない冷凍方法であ
り高級品のカニ、海老の凍結に好適であるといわれてい
る。欠点としてはブラインと魚体が直接接触する為、ブ
ライン自体の味、匂いが魚体に移る事である。
【0005】 甲殻類、なかでも、かにの生きたままの
凍結貯蔵にエアブラスト凍結法を適用すると、かには外
周が硬くかつ多孔質の甲羅に囲まれ、繊維筋組織が他の
魚類などと相違して直線方向に配列された構造であるた
め、繊維筋の細胞外に氷結晶が相当量生じ、これらが凍
結保管中に繊維組織を破損し、解凍時に所謂スポンジ化
や、直線状繊維組織間の剥離が生じ、更に、黒変等の問
題が生じる。このため、かには生きたままの凍結であっ
ても、これを解凍したときには、繊維筋組織は大巾に損
なわれ、生きたままの食感、味、風味が得られない。ま
た、ブライン凍結法を適用し凍結したかには凍結時にブ
ライン液の味、匂いが魚体に移り、一方、かにはトカゲ
のように自己防衛本能から死に至るような苦悶を感じた
場合には自らその足を切断することがあり、運搬中にも
足折れが生じ易く、形状破損の問題が生じる。
【0006】 更に詳しく説明すると、凍結時には水産
物の中に含まれる水分が凍結して氷結晶が生成し、これ
によって長時間にわたり保存できることは一般によく知
られている。しかし、凍結時の氷結晶の生成部位は水産
物の鮮度によって左右される。例えば、水産物の死直後
(例えば、硬直前、おそくとも硬直中)でなく、硬直後
であると、繊維組織細胞内において多く氷結晶が生じ、
硬直後では相当の氷結晶が繊維組織細胞外に生じ、繊維
組織細胞内に生成した氷結晶は微細化せず、棒状または
柱状になる。この細胞外に生成される氷結晶や、棒状又
は柱状の氷結晶が生成されると、肉質部の繊維組織は生
きたままのものと大巾に異なったものに変化し、とく
に、細胞外の氷結晶は肉質部のスポンジ化の主因ともな
り、生きたままの肉質部の風味や味、食感は大巾に失な
われる。
【0007】 また、甲殻類は構造的特徴があり、とく
に、かにの外周は硬く厚い甲羅におおわれ、甲羅は硬い
棘のような鋭敏な突起におおわれている。このような構
造の甲羅を介してかにの内部の肉質部が冷却されるた
め、肉質部の冷却はあくまで甲羅を介して間接的に行な
われる。このため、エアブラスト凍結によって冷却した
程度では、その冷却能力が直ちに肉質部に達することは
むづかしく、肉質部をその硬直前、おそくとも硬直中に
完全に凍結することは事実上不可能である。詳しく述べ
ると、凍結時に肉質部の凍結度合をみると、はじめに表
層部の凍結が終結し、その後ある程度の時間を経て中間
部の凍結が終了し、中間部の凍結終了後相当の時間を経
て中心部の凍結が完了する。水産物のうち魚類などのブ
ライン凍結であると、魚が生きたままであると、その繊
維組織の硬直前や硬直中に、肉質部の表層部や中間部程
度の凍結は完了できる。しかし、かには外周に硬く厚い
甲羅を有するという構造的特徴から、仮りに生きたまま
でエアブラスト凍結により急速凍結しても、肉質部の表
層部でさえ硬直中に凍結することすらできない場合があ
る。このため、現在高級品として市販されているかにの
凍結食品では、肉質部の繊維筋細胞外に比較的大きな氷
結晶の生成が相当認められ細胞内の氷結晶も相当粗大化
しており、大巾に肉質部が損なわれたものしか得られな
い。かにを生きたままの状態でブライン凍結するとエア
ブラストに比べ肉質の品質上優れたものが得られるが、
ブラインに直接触れるので味に問題点がある。
【0008】これらのところから、かにやえびなどを生
きたままの状態で保持して貯蔵する場合には、例えば、
特開平3−155732号公報に記載されるように、容
器中におがくずなどの木粉の緩衝材料を介在させてかに
やえびをパックして貯蔵し、輸送することが行なわれて
いる。しかし、この方法はあくまで肉質部を生きたまま
の状態に保持して、かに、えびを運搬、流通させるもの
で、短時間の貯蔵や運搬には適するが、長距離の運搬や
長時間の貯蔵になると、その目的が達成できない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は上記欠点の
解決を目的とし、具体的には、甲殻類のうちのかにの繊
維組織を凍結中生きたままの状態若しくは実質的に生き
たままに近い状態に保持でき、解凍後においても肉質部
の風味、味、食感全てが生きたままのときと同等若しく
はそれに近いものが得られる包装凍結かに食品ならびに
その製造方法を提案する。
【0010】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明に係
るかにの包装凍結食品は、かにを包装フィルムでおおい
凍結してなるかにの包装凍結食品において、包装フィル
ムの内部を酸素若しくは空気の脱気状態に保持して20
〜120mmHgの圧力に保つと共に、かにを生きたま
ま若しくはその肉質部の繊維組織が硬直する前の状態で
急速凍結してなることを特徴とする。
【0011】 また、この包装凍結食品を製造するにあ
たって、生きたままのかにを包装フィルムでおおって、
その包装フィルム内を20〜120mmHg程度の圧力
まで脱気してから急速凍結する。
【0012】そこで、これらのところを更に詳しく説明
すると、次の通りである。
【0013】 まず、凍結されるべき甲殻類のかには生
きたままの状態か、若しくは肉質部の繊維組織が硬直化
する前の状態とし、この甲殻類の周囲を包装フィルムで
密封して、瞬間的に凍結する。すなわち、包装フィルム
によってその内部に包装されるときには、甲殻類のかに
は生きたままの状態か、死後であっても肉質部の繊維組
織が硬直化する前の状態に保持されている。
【0014】 この包装フィルムによって形成される包
装体の内部では、その中に酸素若しくは空気を除去し、
脱気状態に保持する。すなわち、甲殻類のかには生きた
ままの状態か繊維組織が硬直化する前の状態で包装し、
この状態のままで後記の如く瞬間的に急速凍結する。こ
の瞬間凍結は、例えば、エチルアルコ−ル、ポリエチレ
ングリコ−ル、塩化カルシウムなどの冷媒を介在させて
−40℃程度の超低温液中を形成し浸漬凍結する。この
超低温液中に、生きたままか、また、繊維組織が硬直化
する前のかにを包装フィルム内で脱気状態でおき、この
超低温液中に浸漬することにより、生きたままの甲殻類
のかにを殺すと同時に、繊維組織の硬直前に凍結を完了
する。このように凍結すると、かにの肉質部内に生成す
る氷結晶の大部分は細胞内に位置するとともに微細化さ
れて丸味をおびたものとなり、細胞外の氷結晶の生成は
おさえられ、細胞外に氷結晶が僅か生成されてもその氷
結晶は微細化されてほとんどが丸味をおび、従来例の棒
状又は柱状の氷結晶に比べて繊維組織の破損程度はきわ
めて小さい。
【0015】 更に詳しく説明すると、かにの甲殻類を
生きた状態又はそれに近い状態で凍結保存する場合、甲
殻類を殺す時を凍結完了時期と関連させてどこに求める
かがきわめて重要である。この時期が不適当で死後の繊
維組織硬直期間を経過した時にまで凍結期間が及ぶと、
上述のように、超低温で瞬間的に凍結しても、肉質部の
中心部において細胞外の棒状や柱状の氷結晶の生成をお
さえることができず、肉質部に微細化された形で氷結晶
を生成することが困難になる。このところから、本発明
においては、生きたままのかにの手足を自然体に折り曲
げ、足を自切することがない様にして、迅速に包装フィ
ルムにより包装し、後に示す所定の条件の脱気を行なっ
てから、超低温液中にさらし、瞬間的にかにを殺すと同
時に肉質部における繊維組織の硬直化前に凍結を完了さ
せる。このように凍結させると、肉質部全体にわたって
細胞外の柱状又棒状氷結晶の生成がおさえられ、生成さ
れる氷結晶はその生成部位がほとんど細胞内であって、
しかも、微細化されており、解凍時には、生きたままの
状態か又はそれに近い状態の組織が得られ、風味、味、
食感において生きたままの状態のものが発揮できる。な
お、上記のところでは生きたままのかにやえびを包装す
るところを示したが、かにやえびは必ずしも生きたまま
でなくても、繊維組織の硬直化が開始される前のもので
あれば同様に用いることができる。
【0016】 また、凍結に先立って、包装フィルムの
内部において酸素や空気はおいだし、圧力20〜120
mmHgの脱気状態にする理由はつぎのとおり、酸素や
空気を脱気することとかになどの足や甲羅が破壊するこ
とである。まず、脱気状態に保持する第1の理由は、凍
結貯蔵中における肉質部の酸化を防止するとともに黒変
現象をさけることである。すなわち、かにの外周を囲む
甲羅は相当多くの孔隙を有し多孔質である。これら孔隙
を介し、空気や酸素が肉質部に入り、酸化が進行し、冷
凍乾燥や黒変現象が生成する。このため、本発明のよう
に包装フィルム内を減圧すると、かにの外周が包装フィ
ルムで包まれて孔隙が閉じられ、肉質部が密封シ−ルさ
れる。この状態であると、凍結貯蔵期間中ほとんど酸化
などが起こらず、冷凍乾燥、変色などが防止できる。
【0017】 第2の理由は、凍結時に、包装されるか
にと包装フィルムとの間に空気または酸素が存在し、こ
れが層をなすと、この層は断熱効果を持つため、この層
によって、冷媒等の冷却能力が切断される。このため、
上記の如き超低温液中にさらしても、肉質部の凍結が緩
慢になり、表層部は繊維組織の硬直前または硬直中に凍
結を完了させることができても、中間部や中心部は繊維
組織が硬直された後に凍結が完了されることになって繊
維組織が損なわれる。
【0018】 第3の理由は、かには甲羅表面等に凹凸
が激しいため、包装体内に空気や酸素が多量に存在する
と、これが抵抗になって甲羅表面等に包装フィルムが密
着できないためである。
【0019】 第4の理由は、包装フィルムの内部の圧
力を外部の大気圧(760mmHg)に比べて大巾に2
0〜120mmHg程度まで減圧すると、この減圧状態
における凍結によって生成される氷結晶の微細化を促進
し、併せてその球状化も促進するからであり、減圧状態
をこの程度にとどめないと、かにの足などや甲羅、とく
に表面の棘などの突起も破損するからである。
【0020】 すなわち、肉質部内に生成される氷結晶
のほとんどが繊維組織の細胞内にとどまり、それが微細
化され、微細化氷結晶の粒子はなるべく小さいのが好ま
しい。とくに、その粒径において100μ以下が好まし
い。100μより氷結晶が大きいと、それが細胞内に生
成されていても、この氷結晶によって肉質部の繊維組織
が破損され易く、解凍したときの繊維組織は生きたとき
のものとは大巾に異なって、食感、味、風味が劣ってく
る。このような条件を達成するには、包装フィルムの内
部の圧力を20〜120mmHgに保つ必要がある。
【0021】 一方、包装フィルムの内部でかにを生き
た状態又はそれに近い状態で凍結するのは、凍結された
かにの表面が貯蔵中空気などに触れることがないことが
必要である。この状態であると、表面の冷凍乾燥が進行
することなく、とくに、この乾燥の進行によっての足な
どの脆弱化が防止でき、運搬中に足などが破損すること
もない。
【0022】 なお、包装フィルムは、かにの甲羅など
の表面の突起に刺されてピンホ−ルが開口しない程度の
強度が必要である。特に防湿性とシ−ル性、具体的には
厳格なガスバリヤ性が必要である。この値は気体透過性
率では10〜50cm3/m2・24hr・atom、2
3℃、50%RH程度であって、これらの性質を兼ね具
えるためには、積層して用いる。例えば、延伸ナイロン
若しくは延伸ナイロンに防湿性とガスバリヤ性を加味し
たもの(例えば厚さ25μmのもの2層)と直鎖低密度
ポリエチレン若しくは低密度ポリエチレン(例えば厚さ
80μmのもの)とを合計130μmの厚さにラミネ−
トして使用することもできる。
【0023】 また、包装フィルムの内部の圧力を20
〜120mmHg程度までの減圧にとどめるのは、先に
のべた理由のほかに、この程度の減圧にとどめないと、
かには複数の足があり、甲羅の表面に多数の突起があ
り、甲羅、足などが減圧によって押圧破損し、これにと
もなって肉質部までがいためられるからである。このた
めに、本発明では、のちに示す通り、一旦包装フィルム
内を真空の状態まで脱気しても、その後不活性ガスを導
入して包装フィルム内の圧力を20〜120mmHgに
保つ。
【0024】 また、このように脱気減圧するのには、
かにを包装体内に詰めてから、真空包装機で脱気し、内
部の圧力は大気圧760mmHgに対して例えば20〜
120mmHg前後まで脱気減圧するが、包装体内の圧
力が実質的に真空の状態になるまで脱気した後、不活性
ガスを導入し、包装体内の圧力を20〜120mmHg
前後にすることもできる。
【0025】
【実施例】実施例1. 生きたままのズワイガニがその足を自切しないように自
然体に折り曲げてから、このズワイガニを、延伸ナイロ
ンフィルム(厚さ25ミクロン)2層と低密度ポリエチ
レンフィルム(厚さ80ミクロン)1層とから成る積層
フィルム(厚さ130ミクロン)で包んで、真空包装機
で内部の圧力が80mmHg前後になるよう脱気減圧し
た。次いで、この状態で、ブラインとしてエチルアルコ
ールを用いて形成した−40℃のブライン液中に15分
程度浸漬させて急速凍結した。
【0026】また、解凍後の繊維組織と生きたままの繊
維組織とを顕微鏡により対比観察したところ、両者は全
く区別がつかぬほど近似していた。更に、解凍してか
ら、足肉は刺身として食用に供することができた。凍結
中にかにとブラインは直接接触することがなく、袋表面
のエチルアルコールはかにの解凍時までに完全に蒸発し
て飛散した。
【0027】また、80mmHg程度の圧力の空気は、
主に甲羅内部及び足と甲羅の接続部分に滞留しており、
その周辺では完全に上下のフィルムが密着して足を圧着
固定する為、足部などの折れはなく、冷凍乾燥が皆無と
なり、長期保存(11ケ月)しても品質の劣化がなく、
凍結後に、ケース詰めをしてもかに同志が氷結付着する
ことがなく、梱包時の取扱いがきわめて容易であった。
【0028】実施例2. 実施例1と同様に処理したが、このときは、内部圧力を
完全真空0mmHgとした後窒素ガスを注入し、内部圧
力を80mmHgのガス置換状態とした。このように得
られた凍結包装食品は、長期間(1ケ年以上)にわたっ
て貯蔵したが、黒変現象は全く起こらなかった。
【0029】
【発明の効果】 以上詳しく説明した通り、本発明は、
生きたままのかにまたは実質的にその状態のかにを包装
フィルムで包装し、この包装フィルムの内部を圧力20
〜120mmHgの脱気減圧状態に保って、急速凍結し
たかにの包装凍結食品であり、その製造法である。この
ように凍結された食品であるから、凍結時に生成される
氷結晶を丸味をおびた微細な形状に調整でき、かにの足
や甲羅などが破損されることもない。従って、かには、
凍結貯蔵中に変質することなく、酸化防止剤を使用する
ことなく甲殻類の黒変を防止することができ、かにの甲
羅や足などのところに空気や不活性ガスがとどまり、破
損することがない。解凍したときには、生きたままの状
態と同じ筋肉組織が得られ、そのまま、例えば、刺身と
して食べることができる。
【0030】 また、甲殻類は包装フィルムでおおわれ
ているため、ブラインや冷媒などに直接接触せずに瞬間
的に超急速冷凍でき、ケ−ス等に詰めるときには、隣接
甲殻類間で付着することがなく、取扱いがきわめて容易
になる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 かにを包装フィルムでおおい凍結してな
    るかにの包装凍結食品において、 前記包装フィルムの内部を酸素若しくは空気の脱気状態
    に保持して20〜120mmHgの圧力に保つと共に、
    前記かにを生きたまま若しくはその肉質部の繊維組織が
    硬直する前の状態で急速凍結してなることを特徴とする
    かにの包装凍結食品。
  2. 【請求項2】 前記肉質部内に生成する氷結晶の全部ま
    たは大部分を丸味をおびた微細な形状に成形してなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のかにの包装凍結食品。
  3. 【請求項3】 前記包装フィルムがガスバリヤ−性なら
    びに防湿性に優れる1層または2層以上の合成樹脂フィ
    ルムからなることを特徴とする請求項1記載のかにの包
    装凍結食品。
  4. 【請求項4】 前記包装フィルムが延伸ナイロンと低密
    度ポリエチレンを積層したフィルムであることを特徴と
    する請求項1記載のかにの包装凍結食品。
  5. 【請求項5】 かにを生きたまま若しくは肉質部の繊維
    組織が硬直する前に包装フィルムで包装し、その後、こ
    の包装フィルム内の脱気を圧力20〜120mmHgま
    でにとどめてから、急速凍結することを特徴とするかに
    の包装凍結食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 かにを生きたまま若しくは肉質部の繊維
    組織が硬直する前に包装フィルムで包装し、その後、こ
    の包装フィルム内を脱気する一方、不活性ガスを導入す
    ることにより、この不活性ガスによって前記包装フィル
    ム内の空気を置換して圧力20〜120mmHgに保っ
    てから、急速凍結することを特徴とするかにの包装凍結
    食品の製造方法。
JP3276759A 1991-09-27 1991-09-27 かにの包装凍結食品ならびにその製造方法 Expired - Lifetime JP3055830B2 (ja)

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JP3276759A JP3055830B2 (ja) 1991-09-27 1991-09-27 かにの包装凍結食品ならびにその製造方法
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