JPH01152232A - 耐摩耗性Cu基合金 - Google Patents

耐摩耗性Cu基合金

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JPH01152232A
JPH01152232A JP62312619A JP31261987A JPH01152232A JP H01152232 A JPH01152232 A JP H01152232A JP 62312619 A JP62312619 A JP 62312619A JP 31261987 A JP31261987 A JP 31261987A JP H01152232 A JPH01152232 A JP H01152232A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は耐摩耗性に優れたCu基合金に関するもので
あり、特に金属基体上に局部的に耐摩耗層を形成するに
適した分散強化型のCu基合金に関するものである。
従来の技術 Cu基の耐摩耗性材料としては、例えば[金属工学シリ
ーズ1 構成材料とその熱処理] (昭和52年7月2
0日、日本金属学会発行)の第2Q〜25頁に記載され
ているように、コルソン合金として知られるCu−Ni
−Si合金あるいはCuに3eを2%前後添加したベリ
リウム銅などの析出硬化型の合金や、そのほかCLJ基
マトリックス中にS i02、Cr203 、Be10
1T i 02 、Z r02、fVIqO,MnOな
どの硬質酸化物を主体とする分散相粒子を分散させた分
散強化型の合金が知られてい葛。前者の析出硬化型のC
u合金は、溶体化処理後、長時間の時効処理を行なうこ
とによって、中間相や金属間化合物などをマトリックス
中から析出させて硬化させるものであり、一方後者の分
散強化型合金の製造方法としては、マトリックスとなる
Cu粉末もしくはCu合金粉末と分散相となる酸化物粉
末とを混合して圧縮・焼結する焼結法、あるいはマトリ
ックスとなるCuもしくはCu合金に対しそのCuもし
くはCu合金よりも酸化し易い金属を添加した材料を用
いて酸化性雰囲気で高温に保持して内部に酸化性ガスを
拡散させ、内部に酸化物相を生成させる内部酸化法が代
表的である。
発明が解決すべき問題点 前述のような析出硬化型合金は長時間の固体内での拡散
によって時効析出させるため、高温で長時間の処理を必
要とし、そのため大物部品には適用し難く、また高温で
の長時間の処理によってひずみなどの問題が発生し易い
。また析出硬化型合金で析出する粒子は、せいぜい数伽
程度と著しく微細であるため、硬さは得られても、耐摩
耗特性、特に摺動摩耗に対しては充分な耐摩耗性能が得
られなかった。すなわち耐摺動性能は、ある程度大きい
(10〜i 001Jln程度)硬質粒子が分散してい
る方が良好どなるが、析出硬化型合金ではこのような大
きな径の粒子を析出させることは困難であった。
一方分散強化型合金のうち、内部酸化法によって得られ
るものは、分散相粒子の生成のために固体内での拡散を
伴なうため、前記同様に高温長時間の処理を必要とし、
大物部品に適用し難く、またひずみ等の発生の問題もあ
った。また焼結法による分散強化型合金は、分散相粒子
の径は自由に設定できるが、材料全体の圧縮・焼結を必
要とするため、部材の一部のみに局部的に形成すること
は困難であった。
そこで本発明者等は既に特願昭61−303176号に
おいて、耐摩耗特性、特に摺動摩耗に対する耐摩耗性が
優れ、かつ大物部品、小物部品に限らず、金属基材にお
ける任意の箇所に溶着(肉盛)によって簡単かつ容易に
形成することができる耐摩耗性Cu基分散強化合金を提
案している。
この提案のCLJ基分散強化合金は、基本的にはNi 
5〜30%、Si  1〜5%、8015〜3%、F1
34〜30%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純
物よりなり、Cu基マトリックス中にl”e−Ni系の
珪化物の粒子が分散した組織を有することを特徴とする
ものである。またこの提案においては、前記各元素のほ
か、AJ0.1〜5%、Ti0.1〜5%、Mn 1〜
10%のうちの1種または2種以上を含有するCu基分
散強化合金も開示されており、さらには前記各元素のほ
か、C0,02〜2%を添加するとともに、Cr0.5
〜10%、li0.3〜5%の1種または2種を添加し
、Cu基マトリックス中にl”e−Ni系の珪化物とと
もに炭化物が分散した組織としたCu基分散強化合金も
開示されている。
そして上記提案の分散強化Cu基合金は、金属基体上に
レーザやTIGアーク、プラズマアーク、電子ビームな
どの高密度加熱エネルギを用いて溶着(肉@)すること
によって容易に形成されるものであり、その組織として
は、基本的にはH1/ 150〜250程度の硬さのC
ulのマトリックス中に、Hv 700〜1200程度
の硬質なl”e−Ni系の珪化物(場合によっては炭化
物も)がほぼ均一に分散したものとなる。
上記提案のCu基分散強化合金は、金属基材上に局部的
にその合金層を形成することができ、また至温付近にお
ける耐摩耗性は従来材より格段に優れているが、その後
本発明者等がさらに実験・検討を進めた結果、高温に昇
温させた場合の耐摩耗性が未だ満足できるに至っていな
いことが判明した。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、合
金基材における任意の箇所に溶着(肉盛)により容易に
形成することができる耐摩耗性Cu基分散強化型合金と
して、常温での耐摩耗性のみならず、特に高温での耐摩
耗性を著しく向上させた合金を提供することを目的とす
るものである。
問題点を解決するための手段 第1発明の耐摩耗性Cu基合金は、Ni10〜40%、
Sl 1〜7%、B0.5〜5%、Cr 1〜20%、
残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、CLJ−N
i基マトリックス中に0.1〜50tJaの大きさのC
rの硼化物および/または珪化物が均一に分散している
粗織を有することを特徴とするものである。
また第2発明の耐摩耗性Cu基合金は、第1発明で規定
した各成分のほか、ざらにWO01〜5%、Mo0.1
〜5%、Fe 1〜20%のうちから選ばれた1種また
は2種以上を添加した成分組成とし、かつ第1発明の合
金と同様な組織を有するものである。
さらに第3発明の耐摩耗性Cu基合金は、第1発明で規
定している成分組成の合金に、その合金と反応しない高
融点炭化物を1〜20%添加し、組織的には、第1発明
と同様なCrの硼化物および/または珪化物と、前記高
融点炭化物とがCu−Ni基マトリックス中に均一に分
散した組織としている。
そして第4発明の耐摩耗性Cu基合金は、第1発明で規
定した各成分のほか、第2発明の場合と同様にWO11
〜5%、Mo0.1〜5%、Fe 1〜20%のうちか
ら選ばれた1種または2種以上を添加するとともに、第
3発明の場合と同様に高融点炭化物を1〜20%添加し
、組織的には、第1発明と同様なCrの硼化物および/
または珪化物と、前記高融点炭化物とがCLJ−Ni基
マトリックス中に均一に分散した組織としている。
作   用 第1発明のCu基合金においては、Cu−Ni合金から
なるマトリックス中に、Crの化合物、すなわち硼化物
や珪化物が均一かつ微細に分散した組織を呈している。
Crの硼化物や珪化物は硬質であるため、分散強化効果
をもたらして優れた耐摩耗性を発揮させる。またマトリ
ックスは基本的にはCuとNiとが互いに固溶されたC
u−Ni合金となっており、このCu−Ni合金は純C
LJと比較して格段に高強度で耐熱性も高く、そのため
昇温時にもマトリックスが軟化するおそれが少ないから
、分散硬質粒子としてのCrの硼化物や珪化物自体が高
温でも安定であることと相俟って、高温時においても優
れた耐摩耗性を発揮することができる。
また第2発明のCLJ基合金においては、WlM0.F
eのうちの1種以上が添加されているため、Cu−Ni
基マトリックスがさらに強化されて、耐熱性、靭性が一
層向上している。
一方第3発明のCu基合金においては、高融点炭化物が
添加されているため、その金属組織はCu−Ni合金か
らなるマトリックス相中に前述のようなCrの硼化物や
珪化物のほか、高融点炭化物も均一に分散したものとな
り、この高融点炭化物は著しく高硬度であるため、耐摩
耗性、耐熱性が一層向上される。
また第4発明のCu基合金では、W、MOll”eのう
ちの1種以上の添加による前述の第2発明での作用と高
融点炭化物の添加による前述の第3発明の作用とが相俟
って、より一層耐摩耗性、耐熱性、靭性の優れたものと
なる。
次に各成分の添加理由および添加量限定理由を説明する
Ni10〜40%: NiはCuに対して大量に固溶する元素であって、硬質
分散相を取囲むマトリックス相をCLJ−Ni合金相と
してマトリックスを強化し、高温での耐摩耗性を向上さ
せるに必要な元素であり、また一部はNi系の珪化物や
硼化物あるいはl”e−Ni系珪化物や硼化物を生成し
てマトリックスを強化するにも寄与する。Niが10%
未満ではマトリックス強化の効果が充分に得られず、ま
た組織が不均質となるおそれがある。一方Niが40%
を越えれば金属基材への溶着性、特にへ1合金基材に対
する溶着性が低下し、金R基材に対する溶着による局部
的耐摩耗性向上の目的が達成されなくなるおそれがある
。したがってNiは10〜40%の範囲内とした。なお
ここで溶着性とは、金属基材に溶着(肉盛)させた際の
基材へのぬれ界面でのぬれ性、その界面での割れや剥離
の発生の有無、さらには酒肴ビード割れ等を含んだ総合
的な内容を意味する。
Si  1〜7%: SiはQrと結合して、この発明の合金において分散強
化の作用を担う硬質分散粒子としてのQrの珪化物を生
成させるためにンー要な元素であり、また一部はNi系
珪化物やl”e−Jli系珪化物を生成するにも寄与す
る。さらにS;は材料の自溶性を高めて溶着性を向上さ
せる作用も果たす。
Slが1%未満では目的とする硬質分散相であるCrの
珪化物粒子が充分に形成されず、一方7%を越えれば金
属基材上に溶着させる際に割れが生じ易くなる。したが
って81は1〜7%の範囲内とした。
BO,5〜5%: BもCrと結合して、硬質分散粒子としてのCrの硼化
物を生成させるために必要な元素であり、またSiと同
様に材料の自溶性を高めて溶着性を向上させる作用も果
たす。Bが0.5%未満では溶着性を向上させる効果が
充分に得られず、−方5%を越えれば金属基材に溶着さ
せる際に割れが生じ易くなる。したがってBは0.5〜
5%の範囲内とした。
Cr 1〜20%: Qrは分散強化作用をもたらす硬質分散粒子としての晶
出相すなわち珪化物および/または硼化物を生成する元
素である。Crが1%未満では均一な分散相を生成する
ことが困難となり、一方20%を越えれば溶着性を劣化
させるから、Crは1〜20%の範囲内とした。
Fe1〜20%、WO01〜5%、Mo0.1〜5%:
これらの元素は第2発明、第4発明の場合に選択的に添
加される元素であり、いずれもマトリックス相を強化し
て耐熱性、耐摩耗性をより向上させる機能を有し、また
溶着させる際の割れを防ぐ機能も有する。それぞれ上記
の下限値未満ではこれらの効果が充分に得られず、上@
値を越えれば金属基材、特にへ1基材への溶着性が悪く
なるところから、上記の限定範囲を定めた。
高融点炭化物1〜20%: 高融点炭化物は第3発明、第4発明の場合に添加され、
Cu−Ni基マトリックス中に分散して耐摩耗性をより
向上させる橢能を果たす。ここで用いる高融点炭化物と
は、融点が1500″G以上であって、実質的に肉盛合
金と反応(固溶、晶出など)しない炭化物であれば良く
、具体的には、例えばWC,TaC,T i C,Cr
3 G2 、VC。
NbCなどを用いることができる。高融点炭化物の添加
量が1%未満では高融点炭化物の添加による耐摩耗性向
上効果が充分に得られず、一方20%を越えれば溶着性
を悪化させるおそれがあるから、1〜20%の範囲内と
した。
以上の各成分のほかは、Cuおよびその他の不可避的不
純物とすれば良い。
この発明のCu基合金においては、組織的にはCu−N
i基合金マトリックス中に硬質分散相粒子としてQrの
珪化物および/または硼化物が均一に分散したものとな
っているが、ここでCrの珪化物や硼化物の粒径が0.
11jJn未満では硬さは得られても耐摩耗性、特に摺
!IRJ耗に対する耐摩耗性が充分に得られず、一方5
0伽を越えても分散粒子が粗大過ぎて組織が不均一とな
り、良好な耐摩耗性が得られない。なおCrの珪化物や
硼化物の粒径は、0.1〜50顯の範囲内でも0.1〜
20/fiの範囲内が好ましく、より好ましくは0.1
〜10珈が最適である。
さらに、特に第3発明、第4発明のCu基合金において
は、上述のQr珪化物や硼化物のほか、高融点炭化物粒
子が分散した組織どなっているが、この高融点炭化物粒
子の大きさは、数IJa〜100顯程度が好ましく、そ
の範囲内でも5〜30伽程度が特に好ましい。なおこの
高融点炭化物は、この光間の合金を金属基材上に肉盛す
る際に特に合金相と反応せずにそのまま凝固して分散す
るのが通常であるから、肉盛前の状態でも前述のような
数趨〜100珈程度の粒径のものを用いることが適当で
ある。
発明の実施のための具体的な説明 この発明のCIJ基合金はA1合金やそのほか鋼や鋳鉄
等、任意の金属基体上へ、レーザやTIGアーク、電子
ビーム、プラズマアーク等の高密度加熱エネル、ギを用
いて溶着することにより容易に形成することができる。
すなわち、へβ合金などからなる金属基体の特に耐摩耗
性を向上させるべき部位の表面に、この発明のCu基合
金の成分組成を有する合金粉末、あるいは全体としてそ
の成分組成となるような混合粉末を予め配置しておくか
、またはその合金粉末もしくは混合粉末を供給しながら
、レーザ等の高密度加熱エネルギを粉末の上から照射し
てその粉末を金属基体上で急速溶融させ、引続きその高
密度加熱エネルギの照射位置の移動もしくは照射停止に
よりその溶融物を急速に冷却凝固させ、金g基体上に溶
着させる。
なお第3発明、第4発明のように高融点炭化物を添加す
る場合、その他の成分の合金粉末もしくは混合粉末に対
し、高融点炭化物の粉末を混合し、これを金属基体上に
供給するのが通常である。
レーザを用いて溶着により金属基体上にこの発明のCu
基合金を形成する方法の具体的な例を第1図に示す。
第1図において、金属基体1は矢印Pで示すように図の
右方へ450〜2000mIn/min程度の速度で連
続的に移動せしめられる。この金属基体1上には、最終
的にこの発明のCu基合金の溶着層を形成すべき合金粉
末もしくは混合粉末2が図示しないホッパーから粉末供
給管3を介して金属基体1の移動方向Pに対し直交する
方向にある幅Wを有するように連続的に供給される。一
方レーザ光4は図示しないレーザ光源から折返しミラー
5によって折返され、さらにオシレートミラー6で反射
されて、金属基体1上の粉末2に直径0.5〜5.0.
、程度に焦光された状態で1X102〜2x 104 
w / rntA程度のパワー密度で照射される。ここ
でオシレートミラー6はガルバノモータ等の振動機構7
によって所定角度の範囲内を振動せしめられ、これによ
って金属基体1上の粉末2に照射されるレーザ光4は金
属基体1の移動方向Pに対し直交する方向、すなわち金
属基体1上の粉末2の幅Wの方向に10〜500 Hz
程度の周波数で往復vJ(オシレート)される。
上述のように金属基体1上の粉末2にレーザ光4を照射
することにより、金属基体1上の粉末2は溶融されて溶
融物9となり、かつレーザ光4をオシレートすることに
よりその溶融物9が攪拌され、引続いてその溶融物9が
金属基体1のP方向への移動によりレーザ光4が照射さ
れない位置に至れば、金属基体1の側への熱移動により
急速に凝固され、前述のようなCu基合金からなる溶着
層8が形成される。
なおここで粉末2の供給位置とレーザ光4照射位置との
関係は、第1図に示しているように、レーザ光4の照射
部位に粉末2を直接溝とし込むことが望ましい。
実施例 [実施例1] Cu−20%Ni−3%5i−1,5%Bなる成分組成
の合金粉末と、Ni−15%Cr−2%W−15%l”
e−2%5i−1%Bからなる成分組成の合金粉末とを
、後者が20%となるように均一に混合し、その混合粉
末を、レーザ光を熱源として用いてA1合金(JIS 
AC2C)からなる金属基体上に溶着して形成した溶着
層、すなわちこの発明による耐摩耗性Cu基合金層の組
織を第2図に示す。ここで溶着方法としては第1図に示
すような方法を用いた。また溶着条件は、レーザ出力3
.8Awqレーザビーム径2.5市、レーザ照射のパワ
ー密度的1200w / md 1工ネルギ密度48J
/ad、レーザビームのオシレート@6zx、オシレー
ト周波数300Hz。
走査速度(金属基体移動速度>  750rmn / 
niとし、粉末粒径は80〜280メツシユとした。
形成された耐摩耗性Cu基合金層は、第2図に示すよう
に、Cu−Ni基合金からなるマトリックス中に、大き
さ0.1〜20IIIn程度の微細なCrの珪化物や硼
化物が均一に分散している組織を呈していた。またこの
合金層の全体としての成分組成は、Cu−2,9%Ni
−2,8%Si−1,4%B−3%Qr−0.4%W−
3%Feとなっていることが確認された。
[実施例21 Q u −20%N1−3%5i−1,5%Bなる成分
組成の合金粉末と、Ni−40%Qr−1%W−5%M
o−4%Si−1,5%Bなる成分組成の合金粉末とを
、後者が30%となるように均一に混合し、その混合粉
末を、実施例1と同様にレーザを熱源としてA1合金か
らなる金属基体上に溶着して形成した溶着層、すなわち
この発明の耐摩耗性Cu基合金層の組織を第3図に示す
。ここで溶着条件は、レーザ出力4.2kW、レーザビ
ーム径3.0.、。
レーザ照射のパワー密度600W/rR#11エネルギ
密度60J/7、オシレート周波数200Hz、走査速
度B0.rntn / mvとし、また粉末粒径は80
〜280メツシユとした。
この実施例2により形成された耐摩耗性Cu基合金層は
、第3図に示すように、実施例1の場合と同様な0.1
〜20IJln程度の微細なCrの珪化物や硼化物がC
u−Ni基合金マトリックス中に均一に分散した組織を
呈していた。なおこの合金層の全体としての成分組成は
、CLJ−28,5%Ni−3,3%5i−1,5%B
−12%Cr−0.3%W−1,5%MOとなっている
ことが確認された。
[実施例3] Cu−30%Ni−3%Si−3%B−10%Cr−4
%Fe−0,4%W−0,2%MOからなる成分組成の
合金粉末(粒径80〜280メツシユ)に、WC粉末(
粒径−350メツシユ)を重量比で10%均一に混合し
、この混合粉末を、実施例1と同様にレーザを熱源とし
てA1合金からなる金属基材上に溶着して形成した溶着
層、すなわちこの発明の耐摩耗性Cu基合金層の組織を
第4図に示す。
なお溶着条件は実施例1の場合と同様とした。
この実施例3により形成された耐摩耗性Cu基合金は、
第4図に示すように、Cu−Ni基合金マトリックス中
に、0.1〜20伽程度の微細なCrの珪化物や硼化物
が均一に分散するとともに、5〜30.cm程度の炭化
物WCがほぼ均一に分散している組織を呈していた。こ
こでWCはマトリックスとほとんど反応せず、処理中に
レーザにより攪拌されたまま凝固し、はぼ均一に分散し
たものである。なお合金層全体としての成分組成は、C
u−27%Ni−2,7%Si−2,7%B−9%Cr
−3,6%l”e−0,36%W(但しWCとなッテイ
ないもの)−0,18%M O−10%WCであること
が確認された。
[実施例4] Cu −15%Ni−3%5i−1,5%Bからなる成
分組成の合金粉末(粒径80〜280メツシユ)とNi
−30%Cr−5%Fe−2%Si−3%Bからなる成
分組成の合金粉末(粒径80〜280メツシユ)とを後
者が20%となるように混合し、さらに重量比で5%の
TaCを添加して均一に混合し、その混合粉末を実施例
1と同様にレーザを熱源としてへ1合金基材上に溶着し
て形成した溶着層、すなわちこの発明の耐摩耗性Cu基
合金層の組織を第5図に示す。なお溶着条件は*圧倒1
と同様とした。
この実施例4により形成された耐摩耗性CLJ基合金層
は、第5図に示すように、Cu−Ni基合金マトリック
ス中に、0.1〜20IJJn程度のCrの珪化物や硼
化物が微細に分散しており、かつ3〜30翔程度の炭化
物TaCが均一に分散し5た組織を呈している。この場
合もTaCはマトリックスとなんら反応しておらず、均
一分散を呈している。なお合金層全体としての成分組成
は、Cu−23,2%N i −2,65%Si−1,
73%B−6%Cr−1%Fe−5%TaCとなってい
ることが確認された。
以上の実施例1〜4により青られた耐摩耗性Cu基合金
層について、摺動摩耗性能を調べるため、空温J3よび
400℃において大成式摩耗試験機により摩耗試験を行
なった。この試験は、第6図に示すようにロータ10を
金属基体1上の分散合金層8に押し付けつつロータ10
を回転させ、摩耗痕の幅2を調べたものであり、条件と
しては、すべり速度0.3m/5eczすべり距離10
0Tn、、最終荷fi10/(gどじ、また相手材であ
るロータ10としては、空温の試験では5KD11の焼
入材、400℃の試験ではステライトN0. ’1合金
を用いた。なお400″Gの試験では、試験片全体が雰
囲気温度となるように20分間保持後、試験を実施した
以上の摩耗試験の結果を、従来の耐摩耗材料として知ら
れる(:、 u −15%Ni−3%5i−1,5%B
合金材およびベリリウム鋼材(いずれも通常の方法で作
成したもの)について調べた結果および前述の特願昭6
1−303176号によるCu基合金の肉盛層(比較量
)について調べた結果と併せて、第7図および第8図に
示す。なおここで特願昭61−303176号によるC
u基合金の肉盛層(比較量)は、Cu −15%Ni−
3,0%5i−1,5%B−s%l”e−0,7%Ti
なる成分組成の合金粉末を、レーザ光を熱源としてへβ
合金基材上に溶着して形成したものであり、溶着条件は
、レーザ出力3.21wqレーザビーム径3.0111
#I、レーザ照射パワー密度450w/md、オシレー
ト幅61RInzオシレート周波数200Hz、走査速
度750mm/馳とし、粉末粒径は〜100〜+280
メツシュとした。
第7図、第8図に示すように、この発明の実施例1〜4
のCu1合金は、いずれも摺動摩擦に対する耐摩耗性が
優れ、特に高温における耐摩耗性が著しく優れているこ
とが明らかである。特に炭化物を添加した実施例3.4
のCu基合金では高温での耐摩耗性が著しく優れている
ことが明らかである。
発明の効果 この発明のCu基分散強化合金は、優れた耐摩耗性を有
しており、特に高温での耐摩耗性能が著しく優れており
、したがって高温で使用されかつ耐摩耗性が要求される
部材に使用して好適であり、また高温強度も高いととも
にC(J基で熱伝導性も良いところから500’QJ:
J、下での耐熱・耐摩耗材として極めて有効である。そ
してこの発明のCu基分散強化合金は、溶着によってA
1基合金やFe基合金、Cu基合金等の種々の金属基体
上へ形成することができるため、大物部品、小物部品を
問わず各種■械部品等における耐摩耗性が必要な部位の
みにこの発明合金の溶着層を形成して、部材全体の他の
性能を損なうことなく、必要な部位に必要な耐摩耗性を
任意に与えることかできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はレーザを用いてこの発明のCu基分散強化合金
を金属基体上へ溶着させる方法の一例を示す略解的な斜
視図、第2図は実施例1による耐摩耗性Cu基合金合金
層面組織写真(倍率200倍)、第3図は実施例2によ
る耐摩耗性Cu基合金層の断面組織写真(倍率200倍
)、第4図は実施例3による耐摩耗性Cu基合金層の断
面組織写真(倍率200倍)、第5図は実施例4による
耐摩耗性Cu基合金層の断面組織写真(倍率200倍〉
、第6図は大成式摩耗試験の状況を模式的に示す略解図
、第7図は空温での摩耗試験結果を示すグラフ、第8図
は400℃での摩耗試験結果を示すグラフである。 出願人  トヨタ自動車株式会社 代理人  弁理士 豊 1)武久 (ばか1名) 第1図 第2図      第3図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)Ni10〜40%(重量%、以下同じ)、Si1
    〜7%、B0.5〜5%、Cr1〜20%、残部がCu
    および不可避的不純物よりなり、Cu−Ni基マトリッ
    クス中に0.1〜50μmの大きさのCrの硼化物およ
    び/または珪化物が均一に分散している組織を有するこ
    とを特徴とするCu基合金。
  2. (2)Ni10〜40%、Si1〜1〜7%、B0.5
    〜5%、Cr1〜20%を含有し、さらにW0.1〜5
    %、Mo0.1〜5%、Fe1〜20%のうちの1種ま
    たは2種以上を含有し、残部がCuおよび不可避的不純
    物よりなり、Cu−Ni基マトリックス中に0.1〜5
    0μmの大きさのCrの硼化物および/または珪化物が
    均一に分散している組織を有することを特徴とするCu
    基合金。
  3. (3)Ni10〜40%、Si1〜1〜7%、B0.5
    〜5%、Cr1〜20%を含有し、さらに高融点炭化物
    を1〜20%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物
    よりなり、Cu−Ni基マトリックス中に0.1〜50
    μmの大きさのCrの硼化物および/または珪化物と、
    前記高融点炭化物とが均一に分散している組織を有する
    ことを特徴とするCu基合金。
  4. (4)Ni10〜40%、Si1〜1〜7%、B0.5
    〜5%、Cr1〜20%を含有し、さらにW0.1〜5
    %、Mo0.1〜5%、Fe1〜20%のうちの1種ま
    たは2種以上を含有し、かつ高融点炭化物を1〜20%
    含有し、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、C
    u−Ni基マトリックス中に0.1〜50μmの大きさ
    のCrの硼化物および/または珪化物と、前記高融点炭
    化物とが均一に分散している組織を有することを特徴と
    するCu基合金。
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