JPH0115014Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は回転駆動装置に係り、特にフロツピー
デイスク等の被回転体を吸着しながら回転駆動さ
せる回転駆動装置の改良に関する。

(ロ) 従来技術 被回転体、例えば３〜４インチのフロツピーデ
イスク７を吸着支持しながら回転駆動させる回転
駆動装置としては、第１図に示すようなものがあ
る。

すなわち、モータのロータ軸に連結された回転
軸１の一端部にフランジ状の支持板２を取付け、
この支持板２にゴム等の弾性体からなるマグネツ
ト３を取付け、支持板２およびマグネツト３を貫
通する貫通孔４を形成し、支持板２の下面に板ば
ね５を取りつけるとともに、この板ばね５に設け
たピン６を貫通孔４から突出させた構成を有して
いる。

このような回転駆動装置は、第２図に示すよう
なフロツピーデイスク７の中央部８に形成した回
転中心孔９を、第１図に示すように、回転軸１に
嵌め込む一方、支持板２の回転によりピン６をフ
ロツピーデイスク７の中央部８に設けた係止孔１
０に係止させ、中央部８を、マグネツト３に吸着
させてフロツピーデイスク７を回転駆動させるも
のである。

しかしながら、このように構成された回転駆動
装置は、支持板２が回転してピン６がフロツピー
デイスク７の係止孔１０に嵌る際、そのピン６が
斜めに傾いた状態で係止する。

その場合、貫通孔４においてピン６はマグネツ
ト３の端部に当接するが加工が容易で安価である
という観点からマグネツト３にゴム等の弾性体を
用いるため、ピンの傾く角度が一定しにくい。

そのため、フロツピーデイスク７との情報のや
りとりを行うヘツドの位置が相対的に変化しやす
く、情報の正確な読取りや書込みが困難となり易
い難点がある。

また、マグネツト３を支持する支持板２として
は、精密な加工が容易であるという観点から真鍮
等を用いる傾向にあるが、真鍮は強磁性体ではな
いので、マグネツト３からの磁束の漏れが生じて
ノイズが発生し易くなるうえ、マグネツト３の着
磁強度を増加しないと、フロツピーデイスク７を
確実に吸着して正確な回転駆動を図り難い欠点も
ある。

(ハ) 考案の目的 本考案はこのような従来の欠点を解決するため
になされたもので、被回転体を吸着保持して回転
駆動する際、その被回転体の保持位置を正確に規
制することが可能であり、その被回転体の吸着保
持も確実な回転駆動装置の提供を目的とする。

(ニ) 考案の構成 本考案はこのような目的を達成するために、回
転軸の外周に支持部材を取付け、この支持部材の
片側に弾性体製マグネツトを取付け、前記支持部
材および前記マグネツトを貫通する貫通部を形成
し、前記支持部材の前記マグネツトと反対側に板
ばねを取りつけ、この板ばねに設けられたピンを
前記貫通部を介して突出させ、前記マグネツトに
被回転体を吸着させるとともに前記ピンを前記被
回転体に係止させて前記被回転体を回転させる回
転駆動装置において、前記支持部材と前記マグネ
ツトの間に、前記ピンに当接可能な強磁性体製金
属板からなるガイド板を、前記貫通部に突出する
ように配置したものである。

(ホ) 実施例 以下本考案の詳細を説明する。

第３図および第４図は本考案の回転駆動装置の
一実施例を示す斜視図および断面図である。な
お、本考案の基本的構造は第１図と略同様である
ので、第１図も参照して説明する。

モータのロータ軸に連結された回転軸１の一端
には、支持部材としての支持板２が取りつけられ
ており、この支持板２の上面には、ゴム等の弾性
体からなる偏平なリング状のマグネツト３が取る
つけられている。

支持板２およびマグネツト３には、これらを貫
通する貫通孔４が形成されている。

支持板２におけるマグネツト３と反対側（図中
下面）には、ピン６を有する板ばね５がねじ止め
されピン６が貫通孔を介して突出している。

支持板２とマグネツト３の間には、第５図Ａお
よびＢに示すように、一部を切欠いたリング状の
ガイド板１１が配置されている。このガイド板１
１は鉄等の強磁性体からなり、切欠部１２の端部
が折り曲げられて、立上片１３が形成されてい
る。その立上片１３は、第４図に示すように、貫
通孔４の内壁に沿つて配置されている。

従つて、マグネツト３の貫通孔４に面する端面
に沿つて立上片１３が立ち上がつている。

このような回転駆動装置において、フロツピー
デイスク７を回転駆動させるには、フロツピーデ
イスク７の回転中心孔９を回転軸１に嵌め込むと
ともに、支持板２を回転させてピン６を係止孔１
０に係止させ、中央部８をマグネツト３に吸着さ
せて行う。

その際、ピン６は斜めに傾きながら係止孔１０
に係止されるが、ピン６がガイド板１１の立上片
１３に当接するので、ピン６の傾き角度が常に一
定となり、フロツピーデイスク７の保持位置が安
定する。

なお、本考案の回転駆動装置においては、ガイ
ド板１１は、上述したようにリング状である必要
はなく、貫通孔４の近傍に少なくとも貫通孔４に
臨むように配置されればピン６の傾き角度を一定
に保つことが可能である。従つて、立上片１３は
必須のものではない。またガイド板１１の材質も
鉄に限らず、強磁性体であれば本考案の目的達成
が可能である。

もつとも、マグネツト３に下面全体にガイド板
１１を配置すればマグネツト３の磁束がガイド板
１１によつて集中するので、外部への磁束の漏れ
が少なくなつてノイズが減少するうえ、フロツピ
ーデイスク７７の吸着強度も向上し、マグネツト
３の着磁強度を高めたりマグネツト３を大型化す
る必要がなくなる。

(ヘ) 考案の効果 以上説明したように本考案の回転駆動装置は、
回転軸１の外周に取り付けられた支持部材２と、
この支持部材２に取りつけられた弾性体からなる
マグネツト３との間に、ピン６に当接可能な強磁
性体製金属板からなるガイド板１１が、貫通孔４
に突出するように配置されてなるので、ピン６が
ガイド板１１に当接して傾く角度が一定となり、
被回転体７を決まつた位置で位置規制することが
可能となる。

従つて、被回転体例えばフロツピーデイスク７
にあつては、フロツピーデイスク７を回転駆動さ
せる場合にヘツドとの位置関係が正確となり、誤
動作を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転駆動装置を示す断面図、第
２図は被回転体を示す斜視図、第３図および第４
図は本考案の回転駆動装置の一実施例を示す斜視
図および断面図、第５図ＡおよびＢは本考案の回
転駆動装置に用いるガイド板の一実施例を示す正
面図および側面図である。 １……回転軸、２……支持板、３……マグネツ
ト、４……貫通部（貫通孔）、５……板ばね、６
……ピン、７……被回転体（フロツピーデイス
ク）、１１……ガイド板、１２……切欠部、１３
……立上片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 回転軸の外周に支持部材を取付け、この支持
   部材の片側に弾性体製マグネツトを取付け前記
   支持部材および前記マグネツトを貫通する貫通
   部を形成し、前記支持部材の前記マグネツトと
   反対側に板ばねを取付け、この板ばねに設けら
   れたピンを前記貫通部を介して突出させ、前記
   マグネツトに被回転体を吸着させるとともに前
   記ピンを前記被回転体に係止させて前記回転体
   を回転させる回転駆動装置において、前記支持
   部材と前記マグネツトの間に、前記ピンに当接
   可能な強磁性体製金属板からなるガイド板を、
   前記貫通部に突出するように配置したことを特
   徴とする回転駆動装置。 (2) ガイド板が貫通部に添つて立上る立上片を有
   してなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   回転駆動装置。