JPH0114848Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は暖房用吹出し空気流と、その上層部
を通る、より低温の吹出し空気流とを上下２層状
に形成させ、室内暖房が広範囲にわたつて均一に
行われるようにした温風暖房機に関するものであ
る。

〔従来技術〕

第１図は特開昭52−152644号公報に示された従
来の温風暖房で、図において１は床置形温風暖房
機の筐体、２はこの筐体の上面に設けた室内空気
の吸込口、３は上記筐体１内に設けた送風機、４
はその直下に設けた熱交換器、５はこの熱交換器
４を通過した加熱空気を吹出す下部吹出口、６は
熱交換器４を通過しないで途中で吸込み空気を室
内に吹出す上部吹出口、７は床である。

従来の温風暖房機は以上のように送風機３およ
び熱交換器４の運転により、吸込口２より吸い込
まれた室内空気の一部は、そのまま加熱されない
で上部吹出口６から室内に吹出され、他の吸い込
み空気は熱交換器４を通過して、高温の空気とな
り下部吹出口５より吹出される。

このようにして上部吹出口６より吹出される比
較的低温の空気流が、下部吹出口５から吹出され
る高温の吹出し空気流の上昇を抑え、高温風を床
面に沿つて遠くまで到達させるようにしている
が、これがため室内には温度差の大きな２つの空
気流が生じて不快感を起させる欠点があつた。

〔考案の概要〕

この考案は上記従来のものの欠点を解消するよ
うに、上部吹出口から吹出される空気流と下部吹
出し口から吹出される暖房用の高温風とを、燃焼
器を有する筐体内で高熱伝導性仕切り板を介して
熱交換するように通して、双方の温度差を縮少さ
せて、この温度差に基づく不快感をなくしなが
ら、かつ下部吹出口より吹出される高温風の上昇
を、上部吹出口から吹出される低温風により抑制
して、高温風を床面に沿つて遠くまで到達させる
と共に、さらに燃焼器の燃焼量の強弱切替に対応
して上記各吹出し空気流の送風機をそれぞれ個別
に高速、低速回転に制御できるようにしたもので
ある。

〔考案の実施例〕

以下この考案の一実施例を第２図および第３図
によつて説明する。すなわち図において１は上記
同様の筐体、２はこの筐体１の背面に設けた室内
空気の吸込口、３は上記筐体１の背面に設けた暖
房用吹出し空気流の循環用主送風機、７は床、８
は上記主送風機３に対向するよう筐体１の前面に
設けた下部吹出口、９は筐体１の前面でかつ下部
吹出口８の上部に設けられ、補助送風機１０の駆
動により筐体１の背面吸込口１１より吸い込まれ
た室内空気を、斜め下方に吹出す上部吹出口、１
２は下部吹出口８を通る空気流と、上部吹出口９
を通る空気流とに筐体１内を仕切る高熱伝導性仕
切り板、１３はこの仕切り板１２によつて筐体１
内の上部に形成された送風ダクト、１４は同じく
上記仕切り板１２によつて筐体１内の下部に形成
された加熱室、１５はこの加熱室内に設けた石油
燃焼器、１６はその燃焼空気供給用送風機、第３
図の１７は燃料ポンプ、１８および１９は上記補
助送風機１０および主送風機３に直列に設けたそ
れぞれの常開接点、２０は暖房運転スイツチ、２
１は石油燃焼器１５の燃焼状態切替スイツチ、２
２は電源である。

上記構成の本案温風暖房機において、その暖房
運転に際しては、暖房運転スイツチ２０をONす
ると共に、燃焼状態切替スイツチ２１を強に切替
え、燃料ポンプ１７を高速回転させると、同時
に、高速回転した燃焼空気供給用送風機１６によ
り取り入れられた室内空気により、燃焼器１５が
強燃焼状態となる。この燃焼により加熱室１４内
の空気は加熱され、そしてこの燃焼器１５の温度
が所定値以上になると、これに取付けられた温度
センサー（図示せず）からの所定信号により、他
方の常開接点１９が閉じ、主送風機３が高速回転
し、筐体１の吸込口２より吸い込まれた室内空気
は燃焼器１５で加熱され、下部吸込口８より床７
に向けて斜め前下方に吹出す。一方これと同時に
上記常開接点１８が閉じ、補助送風機１０が高速
回転する。この補助送風機１０の回転により、吸
込口１１より吸い込まれた室内空気は、筐体１内
の高熱伝導性仕切り板１２を介して若干加熱さ
れ、低温の温風となつて上部吹出口９より床７に
向けて上記同様に斜め前下方に吹出す。

これがため上部吹出口９より吹出される高速運
転状態下にこの低温の吹出し空気流により、下部
吹出口８より吹出された暖房用吹出し空気流の上
昇が抑えられるので、高温風は床面に沿つて遠く
まで到達することができると共に、上下の吹出し
空気流は筐体内の高熱伝導性仕切り板１２を介し
て熱交換されるので、室内えの吐出状態で双方の
温度差が縮少され、この温度差に基づく不快感が
低減され快適な暖房環境が得られる。

次に燃焼状態切替スイツチ２１を弱に切替える
と、燃料ポンプ１７が低速回転すると共に、低速
回転した燃焼空気供給用送風機１６により、取り
入れられた室内空気により燃焼器１５が弱燃焼
し、所定温度で常開接点１９が閉じると、主送風
機３が低速回転し、筐体１の吸込口２より吸い込
まれた室内空気は燃焼器１５で加熱され、下部吹
出口８より床７に向けて斜め前方に吹出す。一方
これと同時に常開接点１８が閉じ、補助送風機１
０が低速回転を開始し、この補助送風機１０の回
転により、吸込口１１より吸い込まれた室内空気
は上記仕切り板１２を介して若干加熱され、低温
の温風として下部吹出口９より床７に向けて斜め
前下方に吹出す。

この時下部吹出口８より吹出す温風は弱燃焼低
速運転状態下での高温風なので、上部吹出口９よ
り吹出される低速運転状態下の温度の低い吹出し
空気流でも、充分この暖房用吹出し空気流の上昇
を抑えることができ、温風を充分遠くまで到達さ
せることができると共に、この場合においても双
方の吹出し空気流の温度差はほゞ同様に縮少され
るので、この温度差に基づく不快感の少ない快適
な暖房環境を同様に得ることができる。その他室
内温度に応じて上記各常開接点１８，１９の操作
で補助送風機１０および主送風機３を個々に運転
させ所望の暖房環境を得ることができることもち
ろんである。

上記実施例では床置形のものについて説明した
が、壁掛形や窓掛形などでもよく、また燃焼空気
供給用送風機と燃料ポンプを同一電動機で駆動し
てもよいし、その他その時の室内温度並びに所望
の暖房環境に応じて主送風機および補助送風機を
個々に運転してもよい。

〔考案の効果〕 この考案の温風暖房機は以上のように構成して
いるので、下部吹出口から吹出す暖房用吹出し空
気流の上昇を、これと熱交換され若干温度上昇さ
れた上層の吹出し空気流で抑えて遠くまで到達さ
せることができると共に、強弱燃焼状態のいずれ
の場合においても、双方の吹出し空気流の温度差
の縮少により不快感をなくし、かつ主送風機およ
び補助送風機の回転数を使用燃焼器の燃焼量の強
弱に対応して共に高速・低速回転に制御できるよ
うに構成しているので、燃焼器での燃焼量の変化
に係りなく、常に温度差の少い上下吹出し空気流
で不快感を伴うことなく広範囲の均一な室内暖房
が得られるという利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の床置形温風暖房機を示す断面
図、第２図この考案の温風暖房機の一実施例を示
す断面図、第３図はその電気回路図である。 なお図中、１は筐体、３は主送風機、１０は補
助送風機、１２は高熱伝導性仕切り板、１５は燃
焼器、２１は燃焼状態切替スイツチである。その
他図中同一符号は同一または相当部分を示すもの
とする。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 暖房用吹出し空気流と、その上層部にこの空気
   流の上昇を抑制するように、より低温の吹出し空
   気流とを上下２層状に形成させたものにおいて、
   上記暖房用吹出し空気流とその上層の低温吹出し
   空気流とを、燃焼器を設けた筐体内を高熱伝導性
   仕切り板を介して熱交換関係に通すと共に、暖房
   用吹出し空気流の循環用送風機および低温吹出し
   空気流の送風用補助送風機とを、暖房運転時の上
   記燃焼器の燃焼量の強弱切替に対応してそれぞれ
   個別に高速・低速回転に制御し得るようにしたこ
   とを特徴とする温風暖房機。