JPS5816574Y2 - 温風暖房機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は温風暖房機に係り、例えば温水が供給される熱
交換器にて加熱した空気をファンを用いて室内へ送風す
るようにした温風暖房機に関するものである。

一般に使用されるセントラルヒーテング方式では例えば
ボイラーにて供給される温水をポンプにて各室内の温風
暖房機（ファンコンベクター）に送り、該暖房機内の熱
交換器にて室内空気を加熱し、これをファンを用いて送
風するこてにより暖房運転を行なうようにしている。

このような温風暖房機は筐体内部を仕切板にて熱交換室
と電装室とに仕切り、熱交換室に熱交換器とファンを設
置すると共に電装室にはファンを駆動する電動機やスイ
ッチ等の電装部品が収納されている。

ところが筺体内部は熱交換器に８０℃前後の温度の温水
が供給されているために温度が高く、電装室内の電動機
は自己の発熱も加わって異常に温度が高くなり、特に軸
受部等を損傷して寿命が短かくなる虞れを有していた。

そこで従来は暖房機のファンの運転により筐体の前面板
の開口（空気吸込口）から熱交換器の吸込み面に向かう
室内空気の流れの一部を電装室に供給したり、電動機に
外扇を設けたりして電動機を強制的に冷却させるように
したものがあったが、前者の場合吐出空気風量が減少し
て暖房能力が低下する欠点を有し、後者の場合大型の電
動機を必要としてコストが高くなる欠点を有していた。

本考案は上述の事実に鑑みてなされたものであり、ファ
ン、駆動用の電動機や電装部品の冷却が安価で且つ暖房
能力を低下することなく行なえるようにした温風暖房機
を提供することを目的とする。

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明すると、温風
暖房機は第１図太び第２図に示すように前面板１、側板
２，２等からなる筐体３内部が仕切り板４にて熱交換室
５と電装室６とに仕切られ熱交換室５の上方側に上端が
後方へ傾斜しボイラー（図示せず）から送られてくる温
水が供給される熱交換器７と、熱交換器７の下方に位置
するクロスフローファン８とが配設され、電装室６には
ファン８駆動用の電動機９や前面板１の操作摘み１ｏ、
ｉｉにて操作されるスイッチ類等の電装部品（図示せず
）が収納されるようにしている。

そして前面板１には熱交換器７の空気吸込み傾斜面７ａ
に対向する位置に開口した吸込みグリル１２と、その下
方に独立してファン８の空気吐出部８ａと電動機９とに
対向する如く熱交換室５から電装室６に股がるように延
設して開口した吹出しグリル１３とが設けられている。

又仕切板４の上方前面板１寄りには電装室６と熱交換器
７の空気吸込み傾斜面７ａとを連絡する如く透孔１４゜
１４．１４が設けられている。

今熱交換器７に温水が供給されていて、操作摘みｉｏ、
ｉｌを調整して運転を開始すると、電動機９の運転によ
りファン８が回転する。

このため室内空気は吸込みグリル１２を介して熱交換室
５に入り、熱交換器７の空気吸込み傾斜面７ａから熱交
換器７内を通過する際に加熱され、ファン８に吸収され
たあと、ブアン８の空気吐出部８ａから吹出しグリル１
３を介して室内へ循環され、これを繰返すことにより室
内は加温される。

この時吹出しグリル１３の右端、すなわち電動機９に対
向する部分１３ａからは送風がなく、負圧となるので、
ここから矢印の如く室内空気が流入して電動機９やその
他の電装部品を冷却する。

そして加温された空気は電装室６上部に立上り、この部
分の圧力が高められると共に熱交換器７の空気吸込み傾
斜面７ａが負圧となっているため、透孔１４，１４，１
４を介して熱交換室５に入り、熱交換器７の空気吸込み
傾斜面７ａに吸収された後、前述と同様な径路で更に加
熱されて室内へ排出される。

このようにして吸込みグリル１２から吸入された空気が
透孔１４を介して電装室６に逆流する虞れはなく、吹出
しグリル１３の電動機冷却風取入口となる部分１３ａか
ら流入する空気だけ、吐出風量が増加するので、暖房能
力は低下することなく寧ろ増大が期待できることになる
。

尚、上述の実施例に於いて吹出しグリル１３の一部分１
３ａを電動機９と対向させ、ここを電動機冷却風取入口
として使用したが、吹出しグリルと別個に筐体３の電装
室６と対向する位置に開口部を設けて電動機冷却風取入
口となしても良い。

又、セントラルヒーティングのファンコンベクターとし
て使用される温風暖房機に限定されず、暖房機能を有す
る空気調和機や名の他の温風暖房機に適用することもで
きる。

本考案は上述の如く、前面板、側板等からなる筐体内部
を仕切板にて仕切り、熱交換室の上方側には上端を後方
に傾斜させて熱交換器を設置すると共に下方側には温風
吹出し用のファンを設置し、該ファン１駆動用の電動機
を設置した前記電装室の下方側と前記熱交換器の空名吸
込み傾斜面とに対向する前記前面板の位置に各々開口部
を設け、前記仕切板の上方側には前記電装室と前記熱交
換器の空気吸込み傾斜面とを連絡する透孔を設けるよう
にしたので、電装室と対向した筐体の開口部から空気が
流入し電動機やその他の電装部品を冷却したのち仕切板
の透孔を介して負圧となっている熱交換器の空気吸込み
面に吸収されるようにできると共に、熱交換室内で熱交
換器を後方に傾斜させて前面板との間に形成した空気吸
込空間と面する仕切板の壁に透孔を設けたので、加温空
気を効率良く熱交換器の空気吸込み傾斜面に直接導くこ
とができる。

従って、従来の如く、ファンにて直接吸入した室内空気
の一部を電装室に導くものに比べて暖房能力の低下がな
く寧ろ増大が期待でき、外扇を備えた大型の電動機を用
いるものに比べてコストが低いなどの効果を有し、電装
室と対向する開口部がファンの空気吐出部に対向する開
口と一体に設けることが可能であるなど実用的効果の高
い温風暖房機を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す温風暖房機の正面図、
第２図は内部を開示した同斜視図である。 １・・・・・・前面板、２・・・・・・側板、３・・・
・・・筐体、４・・・・・・仕切板、５・・・・・・熱
交換室、６・・・・・・電装室、７・・・・・・熱交換
器、８・・・・・・ファン、９・・・・・・電動機、１
２・・・・・・吸込みグリル、１３・・・・・・吹出し
グリル、１４・・・・・・透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面板、側板等からなる筐体内部を前後方向に跨って配
   設した仕切板にて左右に熱交換室と電装室とに仕切り１
   ．熱交換室の上方側には上端を後方に傾斜させて熱交換
   器を設置すると共に下方側には温風吹出し用のファンを
   設置し、該ファン駆動用の電動機を設置した前記電装室
   の下方側と前記熱交換器の空気吸込み傾斜面とに対向す
   る前記前面板の位置に各々開口部を設け、前記仕切板の
   上方側には前記電装室と前記熱交換器の空気吸込み傾斜
   面とを連絡する透孔が設けられていることを特徴とする
   温風暖房機。