JPH0114635Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主として、クーラー、照明器具等の
室内機器をマンシヨン等の各室内壁面や天井面に
据え付ける場合において、その室内機器を所定据
え付け箇所にまで搬送しかつ揚重する場合に用い
られる簡易な可搬型リフターに関し、詳しくは、
移動車輪を有する台枠に荷載置部を駆動昇降自在
に装備してあるとともに、前記台枠側に立設の支
柱に沿つて上下に摺動自在な縦姿勢の可動ガイド
レールを設け、かつ、前記荷載置部をこの可動ガ
イドレールに沿つて一定範囲内で上下に摺動自在
に支持させて、さらに、前記荷載置部に一端が係
止連結された索状体を、前記可動ガイドレールの
上下両端部に軸支された輪体及び前記支柱の上端
部に軸支された輪体に順次巻掛け経由した状態で
前記支柱又は前記台枠に固設の駆動回転体に巻取
り可能に張設して、前記台枠に対して前記荷載置
部を駆動昇降自在にする昇降駆動機構を構成して
ある可搬型リフターに関する。

〔従来の技術〕

この種の可搬型リフターとしては、従来より、
例えば特開昭49−10435号公報に開示された構造
のものが知られている。そして、この種の可搬型
リフターでは、荷載置部の地上高を高くするに際
して、先に荷載置部を可動ガイドレールの上位が
わに上昇させた後、可動ガイドレールを支柱の上
位がわに上昇させ、荷載置部の地上高を低くする
に際しては前記と逆の順序で行つて、可動ガイド
レールが上昇状態にある時間をできる限り少なく
することが、昇降駆動機構への負荷をできる限り
小さくする点や、荷載置部をさほど高くしない場
合における作業性を良くする点等から望ましいも
のである。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、荷載置部に一端が係止連結され
た索状体を駆動回転体によつて巻取つて、荷載置
部及び可動ガイドレールを揚重する時の作用力は
共に等しく、そのために、可動ガイドレールと荷
載置部との間の摩擦係数が、可動ガイドレールと
支柱との間の摩擦係数よりも大きい場合等には、
索状体の巻取りによつて、荷載置部よりも先に可
動ガイドレールが上昇したり、荷載置部が先に上
昇したとしても、途中で荷載置部が上昇せずに可
動ガイドレールが上昇しはじめたりして、天井の
低い箇所での揚上作業が困難となつたり、危険を
伴う等の虞れがあつた。

そこで、可動ガイドレールが荷載置部より先に
上昇したり、あるいは荷載置部と連れもつて上昇
しないようにするため、可動ガイドレールを、荷
載置部と連れもつて上昇しない程度に重くするこ
とが考えられるが、そうすると、リフター全体の
重量が大となり、簡易なリフターとしての軽量小
型化や移動し易さが損なわれるという欠点があ
る。

本考案は、簡易なリフターとしての軽量小型で
あるという性能を損なうことのない簡単な改良に
よつて確実に荷載置部を、可動ガイドレールに先
行して上昇させ得るようにすることを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の可搬型リフターの特徴構成は、移動車
輪を有する台枠に荷載置部を駆動昇降自在に装備
してあるとともに、前記台枠側に立設の支柱に沿
つて上下に摺動自在な縦姿勢の可動ガイドレール
を設け、かつ、前記荷載置部をこの可動ガイドレ
ールに沿つて一定範囲内で上下に摺動自在に支持
させて、さらに、前記荷載置部に一端が係止連結
された索状体を、前記可動ガイドレールの上下両
端部に軸支された輪体及び前記支柱の上端部に軸
支された輪体に順次巻掛け経由した状態で前記支
柱又は前記台枠に固設の駆動回転体に巻取り可能
に張設して、前記台枠に対して前記荷載置部を駆
動昇降自在にする昇降駆動機構を構成してある可
搬型リフターにおいて、前記可動ガイドレールに
対して下向きに一定の付勢力を与える定トルクバ
ネを、前記支柱又は台枠と前記可動ガイドレール
とにわたつて設けてある点にある。

〔作用〕 つまり、可動ガイドレールと比べてきわめて軽
量な定トルクバネによつて、可動ガイドレールに
下向きに一定の付勢力を与えてあるために、たと
え可動ガイドレールと荷載置部との間の摩擦係数
が、可動ガイドレールと支柱との間の摩擦係数よ
りも大きい場合であつても、可動ガイドレールは
常に一定の力で下方に引つ張られることにより、
索状体の駆動回転体による巻取り作動に伴なつ
て、荷載置部が必ず可動ガイドレールよりも先行
して上昇するようにできるとともに、そのように
することでリフター重量がきわめて大となる等リ
フターの軽量小型な点は損なわれることもない。

そして、荷載置部が可動ガイドレールの上端部
まで上昇した後、可動ガイドレールが支柱に対し
て上昇し始め、その上昇の途中においても、付勢
機構によつて、常に可動ガイドレールには下向き
の付勢力が一定量与えられる。

〔考案の効果〕

従つて、本考案にかかる可搬型リフターは、荷
載置部が必ず可搬ガイドレールよりも先行して上
昇するために、天井の低い箇所等での揚上作業を
安全にしかも能率良く行えると共に、簡易に用い
られる可搬型リフターとして、軽量小型な性能を
性能を備えていて、扱い易い等の効果を奏する。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、移動車輪１…
が付設された台枠２上に支柱５を立設させると共
に、その支柱５に沿つて上下に摺動自在に縦姿勢
の可動ガイドレール６を設け、更に、その可動ガ
イドレール６に沿つて昇降するフオークから成る
荷載置部３を設けてあり、前記荷載置部３後端部
に一端が係止連結されたワイヤ等からなる索状体
７を、前記可動ガイドレール６の上下両端部に軸
支された輪体８ａ，８ｂ及び前記支柱５の上端部
に軸支された輪体８ｃに順次巻掛け経由した状態
で前記支柱５に固設の駆動回転体９に巻取り可能
に張設して荷載置部３の昇降駆動機構４を構成し
ている。

更に、支柱５の上部に取付けた遊転軸１１に渦
巻ばねを装着し、その一端を可動ガイドレール６
の上部にわたつて延設して係止連結し、可動ガイ
ドレール６に対して下向きに一定の付勢力を与え
る付勢機構としての定トルクバネ１０を形成して
ある。

そして、駆動回転体９の巻取り作動に伴なつ
て、被揚重物Ｏを載置した荷載置部３が可動ガイ
ドレール６に対して上昇する間、定トルクバネ１
０によつて可動ガイドレール６が下方に付勢さ
れ、可動ガイドレール６に先立つて上昇するのを
抑制している。

また、荷載置部３が可動ガイドレール６の上端
部に達すると第２図で示すように、駆動回転体９
の索状体７の巻取り作動に伴なつた回転駆動力に
より、定トルクバネ１０の一端を延ばしながら可
動ガイドレール６を上昇させ、この時の駆動力
は、被揚重物Ｏ、荷載置部３、並びに可動ガイド
レール６の総重力の他には定トルクバネ１０が与
える一定の付勢力に対抗して揚重する力だけがあ
れば十分であり、この渦巻ばねから成る定トルク
バネ１０自体も軽量であるために、可搬型リフタ
ー全体の重量もほとんど変わらない。

尚、本考案でいう定トルクバネ１０とは、例え
ば巻尺などで用いられているように、その有効作
用範囲内で、バネの伸びに対するトルクの変化が
殆どないものを指称するものである。

〔別実施例〕

尚、別実施例として (イ) 可搬型リフターは、ハンドルを付設して手押
し移動式のものや、駆動車輪による自走式のも
のであつても良い。

(ロ) 駆動回転体９をモータの駆動力によるものの
他に、人力によつて回転させる手巻きウインチ
から構成しても良い。

(ハ) 駆動回転体９は支柱５の他に台枠２に取付け
ても良い。

(ニ) 定トルクバネ１０は、一端を可動ガイドレー
ル６の下端に取付け、他端を支柱５の下端又は
台枠２に取付けても良い。

(ホ) 索状体７はワイヤの他に鎖であつても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る可搬型リフターの実施例を
示し、第１図は全体概略側面図、第２図は上昇状
態を示す側面図である。 １……移動車輪、２……台枠、３……荷載置
部、４……昇降駆動機構、５……支柱、６……可
動ガイドレール、７……索状体、８ａ，８ｂ，８
ｃ……輪体、９……駆動回転体、１０……定トル
クバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 移動車輪１を有する台枠２に荷載置部３を駆動
   昇降自在に装備してあるとともに、前記台枠２側
   に立設の支柱５に沿つて上下に摺動自在な縦姿勢
   の可動ガイドレール６を設け、かつ、前記荷載置
   部３をこの可動ガイドレール６に沿つて一定範囲
   内で上下に摺動自在に支持させて、さらに、前記
   荷載置部３に一端が係止連結された索状体７を、
   前記可動ガイドレール６の上下両端部に軸支され
   た輪体８ａ，８ｂ及び前記支柱５の上端部に軸支
   された輪体８ｃに順次巻掛け経由した状態で前記
   支柱５又は前記台枠２に固設の駆動回転体９に巻
   取り可能に張設して、前記台枠２に対して前記荷
   載置部３を駆動昇降自在にする昇降駆動機構４を
   構成してある可搬型リフターにおいて、前記可動
   ガイドレール６に対して下向きに一定の付勢力を
   与える定トルクバネ１０を、前記支柱５又は台枠
   ２と前記可動ガイドレール６とにわたつて設けて
   あることを特徴とする可搬型リフター。