JPH0114470B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、支持リングにより支持され軸方向に
間隔をおいて配置されるパツキングリングを用い
た、特に弁ハウジングに対して弁ピストンをパツ
キングするためのパツキング装置に関する。

例えば、弁ハウジングから弁ピストンをパツキ
ングするには、例えばＴ―リングのような内接形
のパツキングリングが用いられる。しばしばその
ような弁においては、複数のパツキングまたはパ
ツキングリングが必要であり、これらは軸方向に
互いに間隔をおいて配置する必要がある。これら
パツキングを取り付けまた支持するためには、ス
ペースリングと同様に支持リングが必要で、それ
は、一方においては許容できない変形に対してパ
ツキングリングを保護でき、また他方においては
予め与えた軸方向間隔でそれをすえつけそしてそ
れを保持することができるようになつていなけれ
ばならない。

周知のパツキング装置は、多数の部品で構成さ
れた内側にパツキング作用をもつパツキングリン
グを用いているために、その組立と分解に非常に
時間がかかるとともに必要な仕事が多い。

本発明は上記の課題を基礎とし、それ自体これ
までよりも簡単かつ迅速に組立及び分解が可能で
あり、手軽に交換可能であると同時に異つた長さ
の弁ピストンにも適用可能なようになつた上述の
ようなパツキング装置にある。

本発明は、弁ハウジングとの間をシールする外
側のパツキングリング相互、及び弁ピストンとの
間をシールする内側のパツキングリング相互が複
数の支持リングによつて軸方向に間隔をおいて配
置されるパツキング装置において、次のように構
成したことを特徴とする。

すなわち、本発明においては、各支持リング
は、その一方の端面に、軸方向に突出して弾発性
を有する少なくとも１個の爪部を、他方の側に少
なくとも１個の、上記爪部と同一方向に突出する
係止突部を有し、複数の支持リング全体は、隣接
する一方の支持リングの爪部を他方の支持リング
の係止突部に着脱自在に係止することによつて互
いに端面を接合させて一体的に連結され、隣接す
る支持リングの端面間に前記内外両側のパツキン
グリングが支持される。

このような構造によると、支持リング相互は、
一方の支持リングの爪部を他方の支持リングの係
止突部に係止させることによつて着脱自在に接合
され、そして両者の端面間に内外両側のパツキン
グリングを支持する。従つて、同じ複数の支持リ
ングと隣接する支持リングの間の内外のパツキン
グリングとで、一つの統一連結されたパツキング
エレメントを簡単に手早く組立完成することがで
きるとともに、このように組み立てた状態で一度
に容易に交換でき、また弁ハウジングの外方で全
体を簡単に組立・分解できる。また、支持リング
の数と内外のパツキングリングとの数を変えるこ
とにより、異なつた長さの弁ピストンまたは異な
つた弁に簡単に対応できる。同じ複数の支持リン
グを使用するため、その製造費が割安になるとと
もに、部品交換も容易である。さらに、支持リン
グは、一方側に弾発性を有する爪部、他方側に係
止突部を同一方向に突出しているため、それら相
互の接合及び分離が容易であるとともに、方向を
間違えて接合するようなことがない。

各支持リングに、前記爪部と前記係止突部とを
対向させて２対設けると、その係止が安定する。

好ましくは、支持リングが、爪部を有するリン
グ状部分と、係止突部を有するリング状部分と、
軸方向に延びてこれらリング状部分を接続する２
個のブリツジとからなり、これらブリツジは、支
持リングの周辺部であつて爪部または係止突部が
形成される領域の外側に対向配置される。

さらに好ましくは、隣接する一方の支持リング
の係止突部を有するリング状部分が、その２個の
係止突部の間に、他方の支持リングの爪部を挿通
させる軸方向の一対の孔を有する。

本発明のパツキング装置は、全体としては、連
結された支持リングの両端にそれぞれ１個のエン
ドリングが配置され、その一方の端面に軸方向に
突出する爪部が設けてあり、これが隣接する支持
リングの係止突部に着脱自在に係止される。

また、全体構成として好ましくは、複数の支持
リングが軸線と交差する平面に対して全体として
実質的に対称する向きに連結される。この場合、
好適には、前記対称する支持リングの間に１個の
接続リングが介在され、この接続リングの両面に
は軸方向に互いに内側に向き合う係止突部が形成
され、該係止突部に支持リングの爪部が着脱自在
に係止される。

接合構造において好ましくは、各支持リング及
び各エンドリングには軸方向に環状継手が形成さ
れ、これが隣接する支持リングの環状溝と同心的
に嵌合される。

パツキングリングとして好ましくは、前記各環
状継手の外側に１個のＯ―リング、内側に１個の
Ｔ―リングが配置され、これらリングが環状継手
に内周面または外周面を支えられる。

支持リング相互間、支持リングとエンドリング
との間、及び支持リングと接続リングとの間の軸
方向の距離は前記環状継手によつて決定される。

材質については、支持リング、エンドリング及
び接続リングは弾性を有する人造材料で構成され
る。

第１図はパツキング装置またはパツキングセツ
トを縦断面で示しており、これは、複数の支持リ
ング１６と２個のエンドリング１８と１湖の接続
リング２０とから組み立てられている。それぞれ
のリングは後述するようにスナツプ接続嵌合され
て第１図に示すように配列統一され、そしてこれ
ら支持リングとエンドリングと接続リングとは、
付属のパツキングリング、すなわちＯ―リング１
２とＴ―リング１４とともに一体的に集積され、
全体として弁ハウジング内に配置できるようにな
つている。換言すれば、支持リングとエンドリン
グと接続リングとパツキングリングとが第１図に
示すように一つの完全なパツキング組立体をつく
り、これが全体として弁ハウジング内に配置さ
れ、この組立体内に弁ピストンが配置される。

第１４図において、第１，２図のパツキング装
置１０が、弁ハウジング４６内において、それと
軸方向に可動の弁ピストン４８との間に配置され
ている。この弁ハウジング４６はキヤツプ５０に
よつて両側を閉じられ、また、圧力媒体用の複数
の接続口５２を形成していて、これら接続口は図
示のようにＯ―リングとＴ―リングにより構成さ
れるパツキング群により互いに密に保たれる。

第４図は支持リング１６の縦断面図である。こ
れは特に第６図に示すようにリング状部分３４，
３６からなる。これら両部分は、２個の対向配置
された軸方向のブリツジ３２により互いに接続さ
れている。例えば第２，５図に示すように、これ
らブリツジ３２は支持リング１６の周辺部にあつ
て、それぞれ略三角形となつており、この三角形
の一辺が支持リングの外周をなすようになつてい
る。

支持リング１６の部分３６は軸方向の環状継手
３０を有し、この継手３０からは、２対の対称配
置された弾発性を有する爪部２２が特に第４図に
示すように軸方向に延びている。各対の爪部２２
は円周方向に互いに離れて並列していて、例えば
くさび形の先端部を有する。

第４図を見れば判るように、リング状部分３４
の内側面２８の対向位置から２対の係止突部２６
が軸方向に突出している。図示のように、これら
係止突部２６は、爪部２２と同じ軸方向に延び
て、それと実質的に適宜の間隔をおいて位置して
いる。

支持リング１６のリング状部分３４の下面また
は底には、その全周にわたる浅い溝３８が形成さ
れている。この溝３８の目的は後述する。さら
に、リング状部分３４の周りには、各対の係止突
部２６の間にそれぞれ軸方向の孔４０が設けてあ
り、これが隣接する支持リングの爪部２２を貫入
係止して支持リングの結合を行う。第６図は支持
リング１６の縦断面で、第４図に対し90゜回転さ
せて示してある。

第７図はエンドリング１８の縦断面で、このエ
ンドリングは第１図のパツキング装置の両端を閉
じるものである。これは、支持リング１６と同様
に、軸方向に延びる継手３０、及びこの継手の一
側面から軸方向に延びる２対の爪部２２を有す
る。第９図は、第７図のエンドリング１８を90゜
回転させて示した縦断面図である。

第１０，１１は接続リングを示す。

パツキング装置１０は、必要ならば、多数の支
持リング１６とそれに付属するパツキングリング
で組立てることができるが、第１図の構造は好適
例で、このパツキング装置は線２―２に対して対
称になつている。このように組立てられた装置１
０の内側の両支持リング１６は、接続リング２０
を介して互いに接続されている。これら内側の支
持リング１６に対して外側の支持リング１６が配
置され、さらにエンドリング１８が続いて両端に
配置されてパツキング装置１０が組立てられる。

第１０図は接続リング２０の縦断面図である。

第１１図は第１０図に対して90゜回転させたこ
のリングの縦断面図である。第１２図はこの接続
リング２０の正面図である。

接続リング２０は、支持リングと同様に、２個
のリング状部分５４，５６を有し、これらは、２
個の対向するブリツジ３２により互いに接続され
ている。これらブリツジ３２は、支持リング１６
のブリツジ３２と同様な構成になつている。これ
らは、互いに対向して位置し、接続リングの周辺
部であつて係止突部２６が形成される領域の外側
に配置されている。支持リング１６のブリツジ３
２も同様に、係止突部２６あるいは爪部２２が形
成される領域の外側に配置されている。

２個のリング状部分５４と５６のそれぞれは、
他方のリング状部分に対向する面に、軸方向に向
い合う２対の係止突部２６を備えている。

これら係止部２６は、第１１及び１０図に示す
ように互いに内側に向いている。これらは、軸方
向に互いに間隔をおいて対向し、第１図に示すよ
うに隣接する支持リングの爪部２２が、それを越
えてそれに係止されるのを可能にする。この係止
突部２６から円周方向に90゜ずれた位置にブリツ
ジ３２が配置されており、同様に支持リング１６
においても、そのブリツジ３２から90゜ずれた位
置に係止突部２６または爪部２２が配置されてい
る。接続リングの両外側面のそれぞれには、第１
０図に示すように、その全周にわたる浅い中空部
あるいは溝３８が形成されている。リング状部分
５４と５６は、その周辺部であつて各対の係止部
２６間に軸方向の孔４０を有し、これが後述する
ように隣接する支持リング１６の突部２２を貫入
係止する。

第１３図は２個の互いに接続した支持リング１
６の一部分の拡大図であり、第１３図には示さな
いが、爪部２２と係止突部２６の間でスナツプ接
続がなされている。

前述のように、一方の支持リング１６の環状継
手３０を他方の環状溝３８に嵌めると、継手３０
の端面が溝３８の底に当たり、また継手３０の円
筒形の外面５８が溝３８の円筒形の内面に接し、
これにより他方の支持リング１６は溝３８と同心
になつて組合せられる。

一方の支持リング１６の継手３０を、他方の支
持リング１６の溝３８へ嵌め込むことにより、こ
れら２つのリングは相対的に同心とされる。継手
３０の軸方向の高さあるいは長さにより２つのリ
ング１６の軸方向間隔が決まり、それ故異つた長
さの継手３０を選ぶことにより、異つたパツキン
グリング１２，１４を用いることができる。

第１３図に示すように、継手３０の外径は、支
持リング１６の外径より小さくなつていて、周辺
溝６２が形成され、そこにＯ―リング１２が配置
され、その内側が、継手３０の円筒形の外面に５
８に支えられている。

内接形のＴ―リング１４は、その外側を、継手
３０の円筒形の内面によつて支えられ、両支持リ
ングのフランジ６４，６６間に保持せられる。Ｔ
―リング１４は、フランジ６４，６６の環状の舌
部６８，７０によつて内周面を支えられる。

継手３０によつて、Ｏ―リング１２の内側とＴ
―リング１４の外側が支えられるともに、２つの
リング１６間の軸方向間隔が決定され、そしてま
たこれら両支持リングが同心とされる。

このリングは次のようにして一つに結合され
る。

１個の支持リング１６には、第１３図に示すよ
うに１個のＯ―リング１２と１個のＴ―リング１
４が嵌合され、Ｏ―リングは継手３０の外周に、
またＴ―リング１４は継手３０の内側に配置され
る。しかるのち、その支持リング１６に、予め用
意された支持リング１６が軸方向に結合される。
それは、２対の爪部２２が、他方の支持リングの
２つの係止突部２６間を通じて孔４０に押し込ま
れることにより行われ、第１図に示すように、一
方の支持リング１６の爪部２２の頭部あるいは先
端部が他方の支持リング１６の係止突部２６には
さまれて係止される。爪部２２を孔４０に差し込
むことにより、両爪部２２は少しく互いに締め付
けられ、係止突部２６間を自由に進んでそれの外
側に達し、すなわち互いに通過し、元の状態に復
帰し、同時に係止突部との係止を生じる。このよ
うなことを行うために、支持リングは、エンドリ
ング、接続リング、その他と同様に、充分な弾性
を有する適当な人造材料にて構成し、充分な弾性
力をもたせる。

エンドリング１８と支持リング１６との接続
も、同様に、エンドリング１８の爪部２２を隣接
する支持リング１８の孔４０に差し込んで係止す
ることにより行われる。

上述のことは、支持リング１６またはエンドリ
ング１８と、接続リング２０との接続においても
同様である。ここに、接続リング２０の両面に、
やはり両支持リング１６が押し付けられ、そのと
き支持リングの継手３０に対しそれに合致するＯ
―リングとＴ―リングとが配置される。他方、両
支持リング１６のそれぞれ爪部２２は、接続リン
グ２０の孔４０に一致させて差し込まれて第１図
に示すように接続リング２０の係止突部２６に係
止される。これら両支持リングの爪部は、このと
き、第１図に示すようにパツキング装置１０が対
称構造になるように互いに対向せられる。

このようにして組立てられ結合されたパツキン
グ装置１０は、すべてのエレメントが互いに接続
されてなり、取扱いが容易でストツクの可能な単
一体をつくるものである。これは全体として縮少
及び拡張でき、そしてまた交換することが可能で
ある。さらに、任意の数の支持リングとパツキン
グリングの使用により、これは種種の長さの種々
の弁または種々の数の接続流路に適用可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は複数の支持リングとパツキングリング
からなるパツキング装置の縦断面図、第２図は第
１図の―線における断面図、第３図は第１図
の断面図を90゜回転させて示した第１図と同様の
図、第４図は支持リングの縦断面図、第５図は第
４図の支持リングの平面図、第６図は第４図の支
持リングを90゜回転させて示した断面図、第７図
はエンドリングの断面図、第８図は第７図のエン
ドリングの平面図、第９図は第７図の断面図を
90゜回転させて示した断面図、第１０図は接続リ
ングの断面図、第１１図は第１０図の接続リング
を90゜回転させて示した断面図、第１２図は第１
０図の接続リングの平面図、第１３図はＯ―リン
グとＴ―リングの拡大部分断面図、第１４図は第
３図のパツキング装置の使用状態図である。 １０……パツキング装置、１２，１４……パツ
キングリングであるＯ―リング及びＴ―リング、
１６……支持リング、１８……エンドリング、２
０……接続リング、２２……爪部、２６……係止
突部、３０……継手、３２……ブリツジ、３４，
３６……リング状部分、３８……溝、４０……
孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 弁ハウジングとの間をシールする外側のパツ
   キングリング１２相互、及び弁ピストンとの間を
   シールする内側のパツキングリング１４相互が複
   数の支持リングによつて軸方向に間隔をおいて配
   置されるパツキング装置において、前記各支持リ
   ング１６は、その一方の端面に、軸方向に突出し
   て弾発性を有する少なくとも１個の爪部２２を、
   他方の側に少なくとも１個の、上記爪部２２と同
   一方向に突出する係止突部２６を有し、複数の支
   持リング１６全体は、隣接する一方の支持リング
   １６の爪部２２を他方の支持リング１６の係止突
   部２６に着脱自在に係止することによつて互いに
   端面を接合させて一体的に連結され、隣接する支
   持リング１６の端面間に前記パツキングリング１
   ２，１４を支持したことを特徴とするパツキング
   装置。 ２ 前記各支持リング１６に、前記爪部２２と前
   記係止突部２６とを対向させて２対設けたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のパツキ
   ング装置。 ３ 支持リング１６が、爪部２２を有するリング
   状部分３６と、係止突部２６を有するリング状部
   分３４と、軸方向に延びてこれらリング状部分３
   ４，３６を接続する２個のブリツジ３２とからな
   り、これらブリツジ３２は、支持リング１６の周
   辺部であつて爪部２２または係止突部２６が形成
   される領域の外側に対向配置されていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項または第２項に記
   載のパツキング装置。 ４ 隣接する一方の支持リング１６の係止突部２
   ６を有するリング状部分３４が、その２個の係止
   突部２６の間に、他方の支持リング１６の爪部２
   ２を挿通させる軸方向の一対の孔４０を有するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第２項に記載のパ
   ツキング装置。 ５ 連結された支持リング１６の両端にそれぞれ
   １個のエンドリング１８が配置され、その一方の
   端面に軸方向に突出する爪部２２が設けてあり、
   これが隣接する支持リング１６の係止突部２６に
   着脱自在に係止されるようになつていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項ないし第４項のい
   ずれかに記載のパツキング装置。 ６ 複数の支持リング１６が軸線と交差する平面
   に対して全体として実質的に対称する向きに連結
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項に記載のパツキング装置。 ７ 前記対称する支持リング１６の間に１個の接
   続リング２０が介在され、この接続リング２０の
   両面には軸方向に互いに内側に向き合う係止突部
   ２６が形成され、該係止突部２６に支持リング１
   ６の爪部２２が着脱自在に係止されることを特徴
   とする特許請求の範囲第６項に記載のパツキング
   装置。 ８ 各支持リング１６及び各エンドリング１８に
   は軸方向に環状継手３０が形成され、これが隣接
   する支持リング１６の環状溝３８と同心的に嵌合
   していることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   ないし第７項のいずれかに記載のパツキング装
   置。 ９ 前記各環状継手３０の外側に１個のＯ―リン
   グ１２、内側に１個のＴ―リング１４が配置さ
   れ、これらリングが環状継手３０に内周面または
   外周面を支えられることを特徴とする特許請求の
   範囲第８項に記載のパツキング装置。 １０ 支持リング１６相互間、支持リング１６と
   エンドリング１８との間、及び支持リング１６と
   接続リング２０との間の軸方向の距離が前記環状
   継手３０によつて決定されることを特徴とする特
   許請求の範囲第８項または第９項に記載のパツキ
   ング装置。 １１ 支持リング１６、エンドリング１８及び接
   続リング２０が弾性を有する人造材料で構成され
   ている特許請求の範囲第１項ないし第１０項に記
   載のパツキング装置。