JPH0113804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はエンジンの清浄な空気を供給するため
のエアクリーナに関するもので、該エアクリーナ
に内蔵され塵芥等を過するためのエレメントの
取付構造に係るものである。

（従来技術およびその問題点） 従来のエアクリーナエレメントは、第１図に示
すように、クリーナケースにホルダープレートを
介して取付けている。同図により詳細に説明する
と次のとおりである。

１はクリーナケースで、空気取入口２が一体に
形成されている。該クリーナケース１には、エア
クリーナエレメント３を保持するためのホルダー
プレート４が気化器に連なるダクト６とともにビ
ス５，５にて締着されている。このホルダープレ
ート４とビス５，５とは、溶接により一体に固着
されている。上記エアクリーナエレメント３は、
一次エレメント７、二次エレメント８およびエレ
メントホルダー９からなり、スペーサ１０を介し
てボルト１１にてホルダープレート４に固着され
ている。エレメントホルダー９は、その平面図で
ある第２図に示す如き形状をしており、第２図中
−線における断面図が第１図に示すものであ
る。

また一次エレメント７および２次エレメント８
の先端７ａ，８ａは、第１図に示すようにエレメ
ントホルダー９をまき込むようにしてホルダープ
レート４に押しつけられている。

そして、ホルダープレート４とダクト６との気
密性は、ダクト６側に形成された環状の突起６ａ
にて、保持される。

（実開昭57−101362号第１図参照） ところで、上記の如き構成の場合、次のような
欠点がある。即ち、ホルダープレート４は必要不
可欠の部品であり、それにともなうビス５，５、
ボルト１１等の部品が多数必要で、取付作業・メ
ンテナンスの点で甚だ手間がかかるものであつ
た。またエアクリーナエレメント３は、ホルダー
プレート４を介してクリーナケース１にボルト１
１のみ取付けているので、剛性が低く、エアクリ
ーナエレメント３をクリーナケース１に押える力
は弱いので、エンジンの振動、特に自動二輪車等
に採用した場合、走行時の路面より受ける振動の
為にシール性が不確実となり、エンジンへ塵芥等
を混入させ、出力低下を招くという結果となつ
た。

更にダクト６（通常ゴム・合成樹脂等で形成さ
れている。）あるいはエレメント７，８が経年変
化により劣化し、また上記の振動により、ホルダ
ープレート４とダクト６との間あるいはホルダー
プレート４とエレメント７，８との間に間隙が生
じ、上記と同様の影響が生じていた。

（考案の目的） 本考案は、上記種々の欠点を解消すべくなされ
たもので、ホルダープレートをなくし、エレメン
トホルダーに、エレメントの保持とともにクリー
ナケースへの取着の両機能をもたせ、剛性のあ
る。耐振性のよい、しかもシール性のよいエアク
リーナエレメントの取付構造を提供しようとする
ものである。

（考案の構成） エレメントで外包されるエレメントホルダーの
周方向数個所に筒状の取着部を一体に設け、この
取着部内の一端の大径部に長目のナツトを嵌合
し、この長目のナツトにクリーナケース外側およ
びエレメント側の両側からビスを螺着して、エア
クリーナエレメントをクリーナケースに取付けた
ことを特徴とする。

（実施例） 本考案によるエアクリーナエレメントの取付構
造を第３図により説明する。第１図と同じ符号の
ものは同一物を示し詳細な説明は省略する。同図
において２０は一次エレメント７および二次エレ
メント８とで外包されるエレメントホルダーで、
第４図に平面図にて詳細に示すような形状をして
いる。第３図に示す断面は、第４図中−線に
おける断面図である。２１はエレメントホルダー
２０の周方向に一体に設けた筒状の取着部で、第
４図に示すように本実施例では上下に２個所形成
している。２２は長目のナツトで、取着部２１と
別体に形成し、取着部２１内の一端の大径部（図
の右側）に嵌合するようにしたものである。

２３および２４はビスで、ビス２３にてクリー
ナケース１側から上記ナツト２２に螺着し、他方
ビス２４を筒状の取着部２１内に差込み先端部を
上記ナツト２２に螺着することにより、エアクリ
ーナエレメント３をクリーナケース１に取付け
る。２５は植毛部分、２６はクリーナケース１の
キヤツプでビス２７にてシール部材２８を介して
クリーナケース１に止着されている。２９はバン
ドクリーナケース１とダクト６とを固着するため
のものである。

（作用） 本考案は上記の如く構成されるもので、クリー
ナケース１の外側からビス２３を差込み、上記ナ
ツト２２に螺着した後エレメントホルダー２０を
二次エレメント８および一次エレメント７にて外
包の上、エレメントホルダー２０の取着部２１内
の一端の大径部をナツト２２に嵌合する。そして
エレメント７，８の上からビス２４を取着部２１
内に差込み、先端部を取着部２１の一端の大径部
に嵌合する長目のナツト２２に螺着し、一次エレ
メント７および二次エレメント８８を締付けてク
リーナケース１に当接し、エアークリーナエレメ
ント３を組付ける。

その後キヤツプ２６をクリーナケース１にビス
２７にて固着すれば、エアクリーナとして完成す
る。

エンジン（図示せず）が始動されると、それに
より生じる負圧により、空気が空気取入口２より
吸入され、第３図中矢印にて示すごとく、一次エ
レメント７および二次エレメント８の外周から、
該エレメント７，８にて塵芥等が過され、清浄
な空気のみが、ダクト６を通つて気化器（図示せ
ず）へと供給される。

（考案の効果） 以上のとおりであり、本考案のエアクリーナエ
レメントの取付構造によれば、ナツトの２本のビ
スで、エレメントおよびエレメントホルダーをと
もにクリーナケースに固着するようにしたので、
強固に固着することができるようになつた。

従つて、少ない部品でしかも剛性のある組付が
可能になり且つ製作組付およびメンテナンスが容
易になつた。

また、剛性が向上したことにより、エンジンの
振動等によりクリーナケースとの接触部で間隙が
生じにくくなり、エンジン内に常時清浄な空気を
供給できるようになつた。

なお、本実施例では取着部を２個所形成した
が、３個所あるいは４個所でもよく、２個所以上
であれば、何個所であつてもよい。

また、クリーナケースとダクトとは、バンドに
て固着しているが、第１図の従来例のようにクリ
ーナケースとエアクリーナエレメントの間に介装
して固着してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエアクリーナエレメントの取付
構造を示す縦断面図、第２図は第１図中のエレメ
ントホルダーを示す平面図、第３図は本考案によ
るエアクリーナエレメントの取付構造を示す縦断
面図、第４図は第３図中のエレメントホルダーを
示す平面図である。 １……クリーナケース、３……エアクリーナエ
レメント、７，８……エレメント（７……一次エ
レメント、８…二次エレメント）、２０……エレ
メントホルダー、２１……取着部、２２……ナツ
ト、２３，２４……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エレメントホルダーの周方向数個所に筒状の取
   着部を一体に設け、この取着部内の一端の大径部
   に長目のナツトを嵌合し、エレメントホルダーを
   エレメントで外包の上エレメント側からエレメン
   トホルダーの取着部内にビスを挿通して前記ナツ
   トの一側に螺着すると共にクリーナケースの外側
   から前記ナツトの他側にビスを螺着して、エアー
   クリーナエレメントをクリーナケースに取付けた
   ことを特徴とするエアークリーナエレメントの取
   付構造。