JPH0113382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案は、コイル、変成器などのドラム形コア
に係る。

技術の背景 近年の電子機器、通信機器の部品はすべて小型
化され、プリント板あるいはセラミツク基板に、
高密度に塔載される傾向にある。これに伴い変成
器、コイルなども小形化が要求され、これらのコ
アとして、比抵坑が高く、所望の透磁率が得ら
れ、高周波領域における損失も少なく、かつ焼結
することにより所望の形状のものが容易に得られ
る酸化物磁性材料例えばフエライトが広く使用さ
れている。

従来技術と問題点 第１図はこの種のコアが使用されたコイルのイ
は正面図、ロは側面図である。

同図において、１は巻線４が外周部に巻回され
る円柱状の胴部３の両端に円板状のフランジ２が
形成された所謂ドラム形の例えばフエライトより
なるコアである。それぞれのフランジ２の軸心部
にはリード端子６の端部が埋設され軸心方向に突
出し、Ｌ形に下方に折曲げられて、その先端部は
プリント板７のスルーホールに挿着されている。

巻線４の巻始り、巻終りの端末５は、巻線４か
らフランジ２の外周面を越えて引出され、それぞ
れのリード端子６の根本部分に巻回され半田付さ
れて、リード端子６を介してプリント板７の図示
してないパターンに接続されている。

このようなドラム形コアは巻線作業が容易であ
るというメリツトがあるので広く使用されてい
る。

しかし乍らリード端子６がプリント板７のスル
ーホールに挿着されて、リード端子６にて全重量
を支持して搭載されるので、振動などに対して不
安定なおそれがあり、またリード端子６の端部が
フランジ２の軸心に一致していないと、プリント
板７のスルーホールに挿入し難いという問題点が
ある。さらにまたリード端子６がフランジ２より
軸心方向に突出しているために、塔載面積が大と
なり、部品の高密度塔載を阻害するという問題点
もある。

考案の目的 本考案の目的は上記従来の問題点が除去された
ドラム形コアを堤供することにある。

考案の構成 この目的を達成するために本考案は、胴部の両
端のフランジのそれぞれの下部に形成されて幅方
向が該フランジより該胴部の軸心方向外側に延在
し下面が基板に固着される枕木状の固着部と、該
固着部の前記延在部上面に突出して形成され、巻
線の端末が巻着される突起と、該突起に対向して
前記フランジに設けられ、該巻線の端末が引出さ
れるスリツト状の引出口とが備えられたものであ
る。さらにまた基板上のパターンと該巻線端末と
を接続することが容易の如くに、前記突起および
突起の近傍の固着部面上に金属膜よりなる電極を
形成せしめたものである。

考案の実施例 以下図示実施例を参考して本考案について詳細
に説明する。

第２図は本考案の一実施例のドラム形コアを使
用したコイルのイは正面図、ロは側面図である。

同図において、８はフエライトが焼結されて形
成されたドラム形コアである。ドラム形コア８
は、巻線１５が外周部に巻回される円柱状の胴部
１０の両端に円板状のフランジ９が形成され、そ
れぞれのフランジ９の下部には、枕木状をなし幅
方向がフランジ９より胴部１０の軸心方向外側に
延在し下面がセラミツク基板１７に載置されて、
ドラム形コア８を支持する固着部１１が形成され
ている。それぞれの固着部１１は並行で下面が平
坦であるので、例えばセラミツク基板１７の所望
の導体パターン１８の所望の位置に、安定して載
置することが出来、セラミツク基板１７の所要部
に形成された予備半田層と下面とを半田にて固着
することが出来る。それぞれの固着部１１の前記
延在部上面の所望位置に巻線１５の巻始りおよび
巻終りの端末１６が巻着される突起１２が設けら
れている。突起１２と胴部１０とを結ぶ最短距離
となるフランジ９の外周部の部分には、スリツト
状に巻線端末１６が引出される引出口１３が設け
られている。

突起１２の全周面および突起１２と導体パター
ン１８を結ぶ固着部１１の表面には帯状に例えば
導電ペーストが塗布されてなる金属膜の電極１４
が形成されている。それぞれの電極１４と対応し
た導体パターンは半田付して接続することが容易
である。

なお、電極１４を設けずに、突起１２に巻線端
末１６を巻回して、係止したのちに、さらにその
末端を延伸して直接導体パターン１８に半田付し
て接続しても良い。

上述の如く構成されたドラム形コアは、巻線か
ら基板に至る線長が短くて、その線長が形成する
所定外のインダクタンスの小さいコイルとするこ
とが出来、また巻線端末は引出口内に挿入されて
いるので、巻線端末に他の物が引掛つて切断する
おそれもない。

図示実施例はコイルであるが変成器の場合のド
ラム形コアもほぼ同様の形状である。しかし一次
巻線、二次巻線の巻線端末用として突起および引
出口を４個設けるものである。

考案の効果 以上説明したように本考案は、プリント板、セ
ラミツク基板などの基板上に安定して容易に搭載
することが出来、かつデツトスペースが小さく、
然も、所定外のインダクタンスを小さくさせると
ともに他の物の引掛りによる巻線端末の断線のお
それをなくさせ、更には、変成器用にもなし得る
などといつた実用上ですぐれた効果のあるドラム
形コアである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドラム形コアを使用したコイル
のイは正面図、ロは側面図、第２図は本考案の一
実施例のドラム形コアを使用したコイルのイは正
面図、ロは側面図である。 図中１，８はドラム形コア、２，９はフラン
ジ、３，１０は胴部、４，１５は巻線、５，１６
は巻線端末、６はリード端子、７はプリント板、
１１は固着部、１２は突起、１３は引出口、１４
は電極、１７はセラミツク基板を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 絶縁抵抗の大なる磁性材の焼結体よりなり、
   巻線が巻回される胴部の両端のフランジのそれ
   ぞれの下部に形成されて幅方向が該フランジよ
   り該胴部の軸心方向外側に延在し下面が基板に
   固着される枕木状の固着部と、該固着部の前記
   延在部上面に突出して形成され前記巻線の端末
   が巻着される突起と、該突起に対向して該フラ
   ンジに設けられ該巻線の端末が引出されるスリ
   ツト状の引出口とを備えてなることを特徴とす
   るドラム形コア。 ２ 前記突起およびその近傍の前記固着部表面上
   に金属膜よりなる電極が形成されてなることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載のドラム形コア。