JPH0112672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、熱効率がよく、御飯が短時間でかつ
美味しく炊ける炊飯器に関し、特に熱交換器を用
いて御飯を炊く炊飯器に関する。

従来の技術 一般的には、電気又はガス炊飯器は炊飯器本体
の底部に設けられた熱板によつて内釜を介して御
飯を炊くようになつている。しかし、この構造の
ものでは、内釜の底部を中心として内釜の周辺か
ら熱が加わつて御飯を炊くようになつているの
で、どうしても熱が内釜の中心に加わりにくく、
御飯に均等な熱を与えることができず、炊き具合
にむらが生じるという問題点を有している。

これを解消するため、御飯を炊く際に内釜の中
央に熱伝導率のよい金属棒を配して、炊飯器本体
の熱板からの熱を前記金属棒に伝導させ、内釜の
中央からも熱が加わるようにしたものがある。

考案が解決しようとする問題点 しかし、単に熱伝導率のよい金属棒を用いた従
来の炊飯器は、それなりの効果はあつたが、極め
て短い時間で御飯を炊くには到らず、かつ炊き具
合もすこぶるよいものとはならないという問題点
を有していた。

本考案は、短時間で、しかも御飯の炊き具合が
極めてよい炊飯器を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点は、本考案によれば、熱伝導が瞬時
に行なえる熱交換器であるヒートパイプを内釜の
中央に配することによつて解決される。

実施例 以下、図面に示す実施例に基いて本考案を説明
する。

第１図は本考案に係る炊飯器１の一実施例を示
す縦断面図であり、該炊飯器１は炊飯器本体２
と、該炊飯器本体２内に収納する内釜３とからな
つている。前記炊飯器本体２の底部には、底板４
から一定間隔離して蔽熱材５を介して発熱体であ
る熱板６が設けられている。このように熱板６を
底板４から一定距離離すのは、熱板６により発生
する熱により火災が生じるのを防止するためであ
る。従つて、従来の炊飯器１は、熱板６から下が
必然的に嵩むこととなり、全体として大きな炊飯
器となつていた。

１０は前記熱板６から発生する熱を略そのまま
伝導させるヒートパイプであつて、第２図にその
構造を詳細に図示している。すなわち、ヒートパ
イプ１０は密閉状の中空体１１と、その内周面に
は伝熱面積を広くするため配された網体１２とか
らなり、該中空体の中空部には熱媒体としてフレ
オンガス１３が封入されているものである。前記
ヒートパイプ１０は、第１図に示されるように御
飯を炊く際、内釜３の略中央に立設するようにし
て用いる。従つて、熱板６からの熱を内釜３を介
してヒートパイプ１０の一端に伝導され、その熱
が瞬時にして他端側に伝導され、内釜３に入れら
れた米１４の内部からも加熱するものである。前
記ヒートパイプ１０の外周面にはテフロン（登録
商標）などの四弗化樹脂をコーテイングすること
により、ヒートパイプ１０の外周面に御飯粒がこ
びりついたり、周囲の御飯がこげついたりするの
を防止することができる。

第３図は他の実施例を示すものであつて、ヒー
トパイプ１０の上端部にフランジ板１５を取付け
た例を示している。１６はヒートパイプ１０から
の熱をフランジ板１５に熱蔽断するための絶縁体
である。ヒートパイプ１０はフランジ板１５の中
央から垂下するように前記絶縁体１６を介して取
付けられており、フランジ板１５はその周縁部に
おいて前記内釜３の上縁部と係止するようになつ
ている。従つて、ヒートパイプ１０は常に内釜３
の中央に位置せしめられるという効果を有する。

作 用 次に本考案の作用を説明すれば、研いだ米１４
を水と共に内釜３内に入れ、内釜３を炊飯器本体
２内の熱板６上に載置する。そしてヒートパイプ
１０を内釜３の中央となるように立設する。この
ようにして炊飯器１にスイツチを入れ、熱板６が
発熱すると、内釜３を介して熱がヒートパイプ１
０の下端（第１図）に伝えられ、その熱は略その
まま直ちに上端に伝導される。ヒートパイプ１０
は内釜３の中央に配置されているので、内釜３内
の米１４の中央部はヒートパイプ１０からの熱に
よつても加熱され、米１４は全体としてむらなく
加熱されるとともに、加熱時間が極めて少なくな
る。

なお上記実施例は、炊飯器にヒートパイプ１０
を応用した例を示しているが、ヒートパイプ１０
を電気湯沸器等に応用するようにしてもよい。

考案の効果 以上のように本考案によれば、内釜の中央にヒ
ートパイプを立脚するよう配設したので、該ヒー
トパイプは炊飯器本体の底部に設けられている熱
板からの熱を瞬時にして熱伝導され、内釜の中央
からも熱が加えられ、御飯が極めて短時間で炊け
る他、むらなく熱が加えられるので御飯が極めて
美味しく炊ける。またヒートパイプにより熱効率
が高いので、熱板と炊飯器本体の底板との間隔を
小とすることができ、炊飯器全体として小型化を
図れるという実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る炊飯器の一実施例を示
す縦断面図、第２図は、ヒートパイプの一部切欠
き斜視図、第３図は、本考案に係る炊飯器の他の
実施例を示す要部断面図である。 １：炊飯器、２：炊飯器本体、３：内釜、６：
熱板、１０：ヒートパイプ、１５：フランジ板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 〔１〕 炊飯器本体２と内釜３とからなる炊飯器
   １において、前記内釜３の中央にヒートパイプ
   １０を立脚するよう配設したことを特徴とする
   炊飯器。 〔２〕 前記ヒートパイプ１０の上端にフランジ
   板１５を取付け、該フランジ板１５が前記内釜
   ３に係止することを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の炊飯器。