JPH01126124A - 架空送電線の着氷雪防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、雪害対策の一環として、架空送電線に採用
する着氷雪防止装置に関する。

〔従来の技術〕

架空送電線における着氷雪、筒雪、落氷雪を無くすため
の１つの方法として、電線上に環状の低キユーリー材を
装着し、その材料がキューリー点以下の低温時に磁性体
になる性質と架空送電線に流れる電流とを利用して冬期
等には装着材料を鉄損により発熱させ、この熱で着雪を
防止し、かつ、融雪すると云う方法がある。

この方法は、キューリー点を越す夏期等の高温時には、
装着材料が排磁性体に近い性質に転じ、鉄損による発熱
量が小さくなるため、装着材料の過熱による電線の軟化
（強度低下）が少なく、断線対策面で有利な反面、解決
すべき下記の欠点を有している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

低キューリー材は、低温時の磁気特性が強磁性体に比べ
て劣るため、単位体積当りの大きな発熱量を期待できな
い、従って、これを用いた着氷雪防止装置の実用品は、
体積の大きなもの、換言すれば重量の重いものとなるこ
とを避けられない。

大きさを規制すると、効果のある気象条件が挟まり、寒
冷地等では能力不足を来たして落氷雪による被害や鉄塔
倒壊等の事故が懸念されるからであしかるに、重量のあ
る装置は、架空送電線への取付けが困難になる。また、
重い装置はど電線の弛度増を招き、安全管理の面で不利
になる。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、前途の問題点を無くすため、着氷雪防止装
置を、鉄損の大なる物質で形成される割リングと、常温
以下では形状記憶合金の記憶形状への変形力又はスナッ
プリングの締付力で前記割りリングを円環状に閉じて電
線上に装着し、常温以上では形状記憶合金の記憶形状へ
の変形力で前記割りリングを開いてそのリングの割り部
の少なくとも１個所に所定値以上の隙間を生じさせる割
りリング開閉手段とが組合されている構成となしたので
ある。

〔作用〕

常温以下で割りリングが閉じると、電線への通電によっ
てそのリングに生じる磁気回路の磁気抵抗が小さくなる
。従って、割りリングには大きな鉄損が発生し、その鉄
損による発熱で電線及び割すリングに付着した雪が溶け
る。

一方、常温を超す温度では、リングの割り部に生じる隙
間が上記回路の磁気抵抗を大きく高めるため、鉄損が小
さく抑えられ、電線の過熱による軟化が防止される。

また、この低温と高温時の切換えは、形状記憶合金の形
状記憶効果に基づく変形力或いはこれにスナップリング
の締付力を組合せた力を利用して行なうため、割りリン
グを低温時の磁気特性に優れる単位体積当りの発熱量の
大きい強磁性体で形成することが可能になる。

〔実施例〕

第１図乃至第３図に、この発明の第１実施例を示す。

図の１は、電線Ａ上に装着する割りリングであって、鉄
等の強磁性体で作られた半環状部材１ａ、１ｂの２個か
ら成る、２は周方向の一端側を一方の半環状部材に、他
端側を他方の半環状部材に各々密着させて割りリングの
内径穴部に挿入した断面Ｃ字形の形状記憶合金、３は割
りリング１の外周に装着したスナップリングであり、こ
の両者が割りリング１の開閉手段を構成している。

即ち、常温以下では、形状記憶合金２が第１図の形状を
保持して電ｍＡに密着する。従って、スナップリング３
による締付力はそのまま半環状部材１ａ、１ｂに伝わり
、この力で対向した部材１ａ、ｉｂが突き合わせ界面に
隙間の残らないように閉じられて両部材間の磁気抵抗が
微小になる。

一方、高温時には、形状記憶合金２がスナップリング３
の締付力に打ち勝って第３図のように変形し、部材１ａ
、１ｂ間に所定値以上（好ましくは３龍以上）の隙間ｇ
を生じさせる。このため、部材１ａ、１ｂ間の磁気抵抗
が非常に大きくなって割りリング１に発生する鉄損が減
少する。

なお、スナップリング３に代えて自己の形状記憶効果に
より常温以下では第１図のスナップリング形状に、常温
以上では第３図のスナップリング形状に各々変形する形
状記憶合金を用いた場合、或いは第４図に示すように、
割りリング１の両側に、形状記憶合金２′をねし止めす
る等しい取付け、これを同図のｆａｔ、（ｂｌの状態に
変形させる場合にも発明の目的が達成される。

次に、上述したこの発明の装置は常温以上の温度で割り
リングが開くため、そのリングで電線を挾み着ける方法
では電線上に定置させることができない、しかし、この
問題は、次のような定置構造によって解決することがで
きる。

その定置構造の１つは、第５図に示すように、定ピツチ
で配置した着氷雪防止装置１０を含めて電線Ａ上に線材
１１をスパイラル巻きし、この線材をバインダーとして
装置１０を電線上に固定するものである。また、２つ目
の構造は第６図に示すように、電線Ａ上にスパイラル巻
きした線材１１の両端を割りリング１の端面に接触させ
てスパイラル線をストッパーとして働かせるものである
。

これ等の構造は、線材１１に強磁性体く低キエーリー点
材料でもよい）を用いると、電線への通電によってその
線材にも磁束が発生し、鉄損による線材１１の発熱が起
こるため、装置、１０の取付は間隔を広げて径間での装
置１０の使用数を減らすことができ、電線の弛度増をよ
り一層減少させ得る。

このほか、装置１０の両側にアルミ材等を圧縮して固定
し、これをストッパとなす方法でも装置１０を定点に保
持することができる。

〔効果〕

以上述べたように、この発明によれば、形状記憶合金又
はこれとスナップリングとを組合せて構成される開閉手
段を用いて割りリングを開閉することにより、割りリン
グに生じる磁束を強弱制御して常温以下では割りリング
を大きく発熱させ、一方、常温以上ではその発熱を小さ
く抑えるようにしたものであるから、割りリングを強磁
性体で形成して底キューり点材料から成る装置と同じ性
能を小型、軽量の装置で得ることが可能であり、そのた
め、電線への装置装着作業が簡易化され、電線の弛度増
の問題も解消されると云う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の装置の一例を示す端面図、第２図は
その側面図、第３図は第２図の装置の高温時の状態を示
す端面図、第４図は他の実施例の低温時（同図（ａ））
と高温時（同図中））の端面図、第５図及び第６図は、
いずれも、装置の定置構造の一例を示す側面図である。 １・・・・・・割りリング、１ａ、１ｂ・・・・・・半
環状部材、２．２′・・・・・・形状記憶合金、３・・
・・・・スナップリング、１０・・・・・・着氷雪防止
装置、１１・・・・・・スパイラル巻き線材、ｇ・・・
・・・部材１ａ、１ｂ間の隙間、Ａ・・・・・・電線。 特許出願人　住友電気工業株式会社 同　代理人　　鎌　　　１）　　文　　　−第１図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 鉄損の大なる物質で形成される割リングと、常温以下で
   は形状記憶合金の記憶形状への変形力又はスナップリン
   グの締付力で前記割りリングを円環状に閉じて電線上に
   装着し、常温以上では形状記憶合金の記憶形状への変形
   力で前記割りリングを開いてそのリングの割り部の少な
   くとも１個所に所定値以上の隙間を生じさせる割りリン
   グ開閉手段とを組合せて構成される架空送電線の着氷雪
   防止装置。