JP2010183688A - 線材の巻付装置および巻付方法 - Google Patents

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Yuji Asano
祐二 浅野
Masanori Isozaki
正則 磯崎
Kazuyuki Tomonaga
和之 友永
Michio Aoki
三千夫 青木
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Abstract

【課題】架空送電線から生じる風騒音又は/及びコロナ騒音を防止し、かつ、放熱を抑制して融雪性能が高く、労力の低減が可能な線材(特に金属線材、架空送電線への融雪スパイラル)の巻付け装置および巻付け方法を提供する。
【解決手段】横断面の中心部に電線を配置し、電線の回りに、複数組のプレフォームコロを所定形状に配置し、複数組のプレフォームコロの各々にボビンから線材を送出し、複数組のプレフォームコロの各々によって、線材に予め所定の塑性変形を施し、次いで電線に巻付けるステップを備えた、線材の巻付け方法。
【選択図】図1

Description

この発明は、線材の巻付装置および巻付方法に関し、巻き付けた線材の端末を固定する部材を必要とせず、特に架空送電線からの風騒音防止技術、及び、コロナ騒音防止技術として、架空送電線に線材を巻付ける巻付装置および巻付方法に関する。また、冬季における架空送電線からの落雪防止技術として、架空送電線に着雪対策として融雪スパイラル(磁性線材)を巻付ける巻付装置および巻付方法に関する。
架空送電線からの風騒音は、風速や地形等がある条件になると発生し問題となる場合がある。
また、架空送電線からのコロナ騒音は、架空送電線の表面状態や降雨量等がある条件になると発生し問題となる場合がある。
架空送電線からの風騒音防止の対策としては、金属線をらせん状に巻付ける方法が一般に用いられている。例えば、予めらせん状に成形した任意の長さの金属線を、架空送電線の対象区間へ人力により取付けるものがある。
また、架空送電線からのコロナ騒音防止の対策としては、対象となる区間において架空送電線に金属線を巻付けると、見かけ上の外径が大きくなるので、巻付け方法によっては、同等の電線に比べて電位傾度を緩和することが可能であるのでコロナが発生し難くなる。
他のコロナ騒音防止の対策として、電線を太径化する、電線の表面を親水性にして水滴を平滑化する、又は、電線の表面をはっ水性とすることにより、水滴を付き難くして、コロナ発生をし難くするものがある。しかし、これらは電線の張替えを必要とする。
架空送電線からの風騒音防止の対策又は/及びコロナ騒音防止の対策として、例えば、図3(a)に示す線材の巻付け例のように、架空送電線12の最外層の金属と同種の金属(含む、合金)からなる線材13を、らせん状に所定のピッチで巻き付ける方法がある。
また、冬季における架空送電線への着雪や落雪は、線下の瓦屋根やビニールハウスなどの工作物に被害を及ぼす原因になる場合がある。
架空送電線の着雪対策としては融雪スパイラルを巻付ける方法が一般に用いられている。融雪スパイラルは、一般にFe−Ni合金の低キューリー材からなる線径φ2〜3mm程度の磁性線材であり、これを架空送電線に巻付ける。冬季の低温時には低キューリー材である融雪スパイラルが、強磁性を示し、電線に流れる電流によって発生する交番磁界によるジュール熱によって融雪スパイラルが発熱し、融雪する。図3(a)、(b)、(c)に融雪スパイラルの巻付け例を示す。図3(a)、(b)、(c)に示すように、架空送電線12の上に、線材13を融雪スパイラルとしたものが、らせん状に所定のピッチで巻き付けられている。
このような磁性材料を、架空送電線に緩み無く巻付ける必要があるため、専用のエンジン式巻付け装置によって融雪スパイラルを巻付け、融雪スパイラルの端末部を線径φ6mm程度のらせん状の金属線(端留ロッドと呼ばれる)で、長さ200mm以上、巻付けピッチ300mm程度でらせん状に巻きつけて、融雪スパイラルの端末部を架空送電線に固定していた。図4に端留ロッドの取り付け例を示す。図4に示すように、架空送電線12の上に融雪スパイラル13がらせん状に所定のピッチで巻き付けられ、融雪スパイラルの端末部には、線径の太く曲げ剛性の大きい端留ロッド14が巻き付けられて、融雪スパイラル13が架空送電線12に固定される(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、架空送電線に巻かれた風音防止スパイラルロッドの端末の浮上りを、自動的に巻き直しできる補修装置が示されている。
特開2003−134651号公報 特開平5−91612号公報
架空送電線へスパイラルロッド取付けは、宙乗機等により人が物品を運搬しつつ、乗り出して行き、対象区間へ実施するので、人の作業負担が大きい。
また、従来の端留ロッドによる融雪スパイラルの端末部の架空送電線への固定方法には下記の問題点があった。
端留ロッドは線径φ6mm程度と大きく、端留ロッドを取り付けた融雪スパイラルの部分は外径が太くなるため、降ってきた雪が衝突する面積が大きくなり、着雪しやすくなる。
更に、端留ロッドは融雪スパイラルに発生する熱を放散する放熱フィンの働きをするので、上述したように端留ロッドの線径φは6mm程度と大きく、端留ロッドを取り付けた融雪スパイラルの部分は外径が太くなり、表面積の増大により放熱性能が高まり、熱が逃げやすくなり、端留ロッドを巻付けた融雪スパイラルの融雪性能が低減する。
更に、端留ロッドは線径φが6mm程度と太く、曲げ剛性が大きいので、小さなピッチでは巻き付けにくいという施工上の制約があり、端留ロッドの取り付けには時間がかかり、多大な労力がかかる。
架空送電線の上に融雪スパイラルを巻付け、更に融雪スパイラルの端末部に端留ロッドを巻付けるので、線径の太い、曲げ剛性の大きい端留ロッドが更に必要なことから着雪に対する対策費が高価である。
従って、この発明の1つの目的は、金属線を塑性加工してらせん状に巻付けることにより、スパイラルロッド取付け作業の労力の低減が可能となる巻付装置および巻付方法を提供することにある。更にこの発明の他の1つの目的は、放熱を抑制して融雪性能が高く、着雪に対する対策費の低減、労力の低減が可能な線材(特に架空送電線への金属線巻付や、融雪スパイラル)の巻付け装置および巻付け方法を提供することにある。
発明者は従来の問題点を解決するため、鋭意研究を重ねた。その結果、中心部に電線(例えば架空送電線)を配置し、電線の回りに、複数組のプレフォームコロを配置し、複数組のプレフォームコロの各々にボビンから線材(例えば風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラル、融雪スパイラル、金属線材)を送出し、複数組のプレフォームコロの各々によって、線材に予め塑性変形を施し、次いで電線(架空送電線)に巻付けると、金属線材が電線から外れることがなく、端末部も端留ロッドで留める必要がない。また、風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルの端末部に端留ロッドを使用することなく、風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルの端末部がばらけることなく架空送電線に巻付けることができることが判明した。
即ち、上述した塑性変形を、線材が架空送電線の径よりも縮小された巻き径、または巻きぐせ径になるように行い、線材を架空送電線に巻付けたときに、線材が架空送電線を締め付ける状態であるようにすると、端留ロッドを使用することなく、線材の端末部がばらけることなく架空送電線に巻付けることができることが判明した。
この発明の線材の巻付け方法の第1の態様は、横断面の中心部に電線を配置し、前記電線の回りに、線材を巻付ける線材の巻付け方法であって、複数組のプレフォームコロを所定位置に配置し、前記複数組のプレフォームコロの各々にボビンから線材を送出し、前記複数組のプレフォームコロの各々によって、前記線材に予め所定の塑性変形を施し、次いで前記電線に巻付けるステップを備えた、線材の巻付け方法である。
この発明の線材の巻付け方法の第2の態様は、前記塑性変形を、前記線材が前記電線の径よりも縮小された径になるように行い、前記線材を前記電線に巻付けたときに、前記線材が前記電線を締め付ける状態であることを特徴とする線材の巻付け方法である。
この発明の線材の巻付け方法の第3の態様は、前記複数組のプレフォームコロの各組は、それぞれ前記線材をガイドするとともに、前記線材に予め所定の塑性変形を行う少なくとも2個のプレフォームコロと、それに引き続いて前記線材を前記電線に巻付ける少なくとも1個のプレフォームコロとからなっていることを特徴とする線材の巻付け方法である。
この発明の線材の巻付け方法の第4の態様は、前記電線が架空送電線からなり、前記線材が塑性変形を行うことができる材料、又は、複合材からなっていることを特徴とする線材の巻付け方法である。
この発明の線材の巻付け方法の第5の態様は、前記線材を塑性変形させることにより、前記電線に巻付けたとき端末部のばらけを防止し、前記端末部を固定する固定部材を省略できることを特徴とする線材の巻付け方法である。
この発明の線材の巻付け方法の第6の態様は、前記線材を前記架空送電線上に、太さ、断面形状、巻付けピッチを任意とした前記線材を巻付けることにより、前記架空送電線から生じる風騒音又は/及びコロナ騒音を防止することを特徴とする線材の巻付け方法である。
この発明の線材の巻付け方法の第7の態様は、前記電線が架空送電線の電力線からなり、前記線材が磁性線材からなり、前記電線への着氷雪を防止することを特徴とする線材の巻付け方法である。
この発明の線材の巻付け装置の第1の態様は、中心部に電線が配置される孔部を備え、前記孔部に配置された前記電線の回りに、線材に予め塑性変形を施した後に前記電線に巻付けるように所定形状に配置された複数組のプレフォームコロを備えたプレフォームコロ固定板材と、前記複数組のプレフォームコロによって前記所定の塑性変形を施して前記電線に巻き付けられる前記線材を送出し、前記電線の周囲を回転するボビンとを備えた線材の巻付け装置である。
この発明の線材の巻付け装置の第2の態様は、前記線材が前記電線の外径よりも縮小された径になるように前記塑性変形を行い、前記線材を前記電線に巻付けたときに、前記線材が前記電線を締め付けるように、前記複数組のプレフォームコロが配置されていることを特徴とする線材の巻付け装置である。
この発明の線材の巻付け装置の第3の態様は、前記複数組のプレフォームコロの各組は、それぞれ前記線材をガイドするとともに、前記線材に予め所定の塑性変形を行う少なくとも2個のプレフォームコロと、それに引き続いて前記線材を前記電線に巻付ける少なくとも1個のプレフォームコロとからなっていることを特徴とする線材の巻付け装置である。
この発明の線材の巻付け装置の第4の態様は、前記電線が架空送電線からなり、前記線材が塑性変形を行うことができる材料、又は、複合材を収容する前記ボビンと、該ボビンを交換できる機能を有することを特徴とする線材の巻付け装置。
この発明の線材の巻付け装置の第5の態様は、前記電線が架空送電線の電力線からなり、前記線材が磁性線材からなり、前記複数組のプレフォームコロが3組からなっており、各組がそれぞれ第1から第3の3個のプレフォームコロからなり、第1および第2プレフォームコロによって予め塑性変形を施し、第2および第3プレフォームコロによって前記送電線に前記磁性線材を巻付けることを特徴とする線材の巻付け装置である。
この発明によると、巻付装置および巻付方法により、架空送電線に金属線を塑性加工してらせん状に巻付けることにより、スパイラルロッド取付け作業の労力の低減が可能となる。さらに、端末部を留める端留ロッドを不要とすることができる。
また、この発明によると、架空送電線に巻付けた融雪スパイラルの端末部に端留ロッドを巻付けることが不要となるため、融雪スパイラルの端末部への着雪を最小限に抑えることができる。
架空送電線に巻付けた融雪スパイラルの端末部に端留ロッドを巻付けることが不要となるため、融雪スパイラルに発生した熱を放散する放熱フィンの機能がなくなり放熱が抑制されるので、融雪スパイラルの融雪効果を最大限発揮することができる。
線径が太く、曲げ剛性の大きい端留ロッドの取り付けが不要になり、架空送電線の着雪対策の工期の短縮、労力の削減が期待できる。架空送電線の上に融雪スパイラルを巻付けるだけで、その他に端留ロッドが不要となり対策費の低減が図れる。
架空送電線に巻付けた融雪スパイラルの端末部に端留ロッドを巻付けると、端留ロッドが巻き付けられた融雪スパイラルの端末部からはずれ、磁性線材がばらけて、他の電線に接触することによる停電がなくなる。
スパイラルロッドなど融雪スパイラル以外の線材をらせん状に巻付ける製品の巻付けに際しても、端留ロッドが不要になり、資材費、工事費の低減を図ることができる。
図1は、この発明の金属線材の巻付け方法を説明する図である。 図2はプレフォームコロの位置関係を説明する図である。 図3(a)は、金属線の巻付け例を示す。図3(b)は、融雪スパイラルの巻付け例を示す。図3(c)は、融雪スパイラルの巻付けの他の例を示す。 図4は、従来の端留ロッドの取り付け例を示す。 図5(a)は、巻付けする金属線材の例を示す。図5(b)は、巻付けする融雪スパイラルの例を示す。図5(c)は、巻付けする複合線材の例を示す。
この発明の線材の巻付け方法および線材の巻付け装置を、図面を参照しながら説明する。
この発明の線材の巻付け方法の1つの態様は、横断面の中心部に電線を配置し、電線の回りに、複数組のプレフォームコロを所定形状に配置し、複数組のプレフォームコロの各々にボビンから線材を送出し、複数組のプレフォームコロの各々によって、線材に予め所定の塑性変形を施し、次いで電線に巻付けるステップを備えた、線材の巻付け方法である。
上述した予め施す塑性変形を、線材が電線の径よりも縮小された径になるように行い、線材を電線に巻付けたときに、線材が電線を締め付ける状態である。即ち、線材に予め塑性変形を施し、縮径した状態で電線にそのまま巻付ける。
図1は、この発明の線材の巻付け方法を説明する図である。図1において符号1で示すのは、図示しないボビンから送られてくる線材(例えば、風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラル、融雪スパイラル)を予め塑性変形し、架空送電線に巻付ける複数のプレフォームコロを備えたプレフォームコロ固定板である。図1に示すように、プレフォームコロ固定板1の中央に架空送電線10を挿入する。プレフォームコロ固定板1の中央には架空送電線10の外径よりもやや大きい径の円形の孔部7が設けられている。
プレフォームコロ固定板には、複数のプレフォームコロが、縮径および巻き付けの機能を発揮することができるような所定形状に配置されている。即ち、図1に示す態様においては、3本の融雪スパイラル3を架空送電線10に同時に巻付けている。プレフォームコロ固定板には、3組のプレフォームコロ2が配置され、各組のプレフォームコロは、それぞれ3個のプレフォームコロ4、5、6からなっている。この態様においては、各組のプレフォームコロの数は、それぞれ3個からなっているが、3個に限定されることはない。風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルの本数も3本に限定されることはない。また、プレフォームコロの形状、大きさ、材質は任意に設計される。
プレフォームコロ固定板に設けられた複数のプレフォームコロは、ボビンから送られた線材を先ず塑性変形させる機能と、次いで塑性変形させた線材を架空送電線に巻付ける機能を備えていることが必要である。即ち、線材3−1を挟むように配置されたプレフォームコロ4−1、5−1によって、塑性変形によって形成された線材の径が、架空送電線の径よりも小さくなる(縮径)ように、プレフォームコロ4−1(第1)、5−1(第2)が配置されている。次いで、線材3−1を挟むように配置されたプレフォームコロ5−1(第2)、6−1(第3)によって、上述したように塑性変形された状態で、線材が架空送電線に巻き付けられる。
このように、第1および第2のプレフォームコロによって、架空送電線の径よりも小さい径になるように予め塑性変形を施し、塑性変形された線材を、第2および第3のプレフォームコロによって、塑性変形された状態のまま架空送電線に巻付けている。
図1に示す態様においては、3本の線材を、3組のプレフォームコロを使用して、同時に塑性変形させて径が縮小した状態で、引き続き架空送電線に巻付けている。巻付けの際は、線材が電線の径よりも縮小された径になるように塑性変形を行い、線材を電線に巻付けたときに、線材が電線を締め付ける状態である。
従って、アルミニウム合金線等の金属線材が電線から外れることがなく、端末部も端留ロッドで留める必要がない。また、従来のように風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルの端末部に、線径の太い曲げ剛性の大きい端留ロッドを使用しなくても、風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラル自体が架空送電線を締め付けるように巻き付けられる。融雪スパイラルの場合には、放熱フィンの働きをする端留ロッドによる放熱による温度低下を伴うことなく、融雪に必要な熱を保持しつつ放熱を抑制して、融雪スパイラルを架空送電線に締め付け状態で強固に固定することができる。
融雪スパイラルは、Fe−Ni合金等の低キューリー材からなる線径φ2〜3mmの線材である。低キューリー材のFe−Ni合金として、例えばニッケル(Ni)5%、クロム(Cr)10%、シリコン(Si)1%、残部Feからなる合金がある。
架空送電線は、例えばACSR(鋼心アルミニウム撚線)810mm2(外径38.4mm)であり、融雪スパイラルを巻付けたときの見かけ上の外径増分(投影面積)、電流値、気象条件(気温、降雪量等)と、融雪スパイラルの発熱量を検討して最適な巻付け量を算出する。
あるいは、電線サイズごとに一定量を巻付けてしても、冬季の低温時には、低キューリー材である融雪スパイラルが強磁性を示し、架空送電線に流れる電流によって強磁性体の融雪スパイラルに渦電流が発生し、この渦電流によるジュール熱によって融雪スパイラルが発熱し、融雪する。
以上説明した線材の巻付け方法に使用されるこの発明の線材の巻付け装置の1つの態様は、図1に示すように、中心部に架空送電線10が配置される孔部7を備え、孔部7に配置された架空送電線10の回りに、線材3に予め塑性変形を施した後に架空送電線10に巻付けるように所定形状に配置された複数組のプレフォームコロ4、5、6を備えたプレフォームコロ固定板材1と、複数組のプレフォームコロ4、5、6によって所定の塑性変形を施して架空送電線10に巻き付けられる線材3を送出し、架空送電線10の周囲を回転するボビンとを備えた線材の巻付け装置である。
本発明の線材の巻付け装置は、図1に示す紙面に垂直に移動し、電線10の回りに線材3を巻付ける。
なお、図1では、プレフォームコロ4、5、6が3組あるが、1組のみあるいは2組を巻付け時に使用してよく、他の様態は、プレフォームコロ固定板材1に1組のみとしたものとしてよい。
図2はプレフォームコロの位置関係を説明する図である。上述したように、各組の第1から第3プレフォームコロは、風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルに予め塑性変形を施し、径が縮小した状態で風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルを架空送電線に巻付けることができるように所定の形状に配置されている。ボビンに近い方から第1コロ、第2コロ、第3コロの順に配置されて、第1コロ、第2コロ、および、第2コロ、第3コロによって風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルが挟まれる。図2に示すように、架空送電線の中心と第1のコロの中心の間の距離をL1、架空送電線の中心と第2のコロの中心の間の距離をL2、架空送電線の中心と第3のコロの中心の間の距離をL3とすると、
L1>L3>L2
の関係が成り立つ。
架空送電線の中心と第1のコロの中心を結ぶ線を基準として、架空送電線の中心と第2のコロの中心を結ぶ線の角度をα1、架空送電線の中心と第3のコロの中心を結ぶ線の角度をα2とすると、
α2≧α1
の関係が成り立つ。
なお、上述した寸法の架空送電線、風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルを使用した場合の架空送電線の中心と第1のコロの中心の間の距離:L1、架空送電線の中心と第2のコロの中心の間の距離:L2、架空送電線の中心と第3のコロの中心の間の距離:L3を適当にすることで、塑性変形量又は/及び巻付け力を任意とすることができる。
また、L1,L2,L3は、L1=15〜65mm、L2=5〜45mm、L3=5〜45mm程度が好ましい。
架空送電線の中心と第1のコロの中心を結ぶ線を基準とする、架空送電線の中心と第2のコロの中心を結ぶ線の角度:α1、架空送電線の中心と第3のコロの中心を結ぶ線の角度:α2を適当にすることで、塑性変形量又は/及び巻付け力を任意とすることができる。
図2では、第1のコロ、第2のコロ、第3のコロの3つのコロを1組として、プレフォームコロ固定板1に3組が配置され、線材3が120°ずれて巻付けされるようになっている。これは、2組ある(主に、線材3を2本巻付ける)ときは180°、4組ある(主に、線材3を4本巻付ける)ときは90°ずれて巻付けされるようにすればよい。
また、α1,α2は、α1=0°〜20°、α2=10°〜60°程度が好ましい。
線材が複数のプレフォームコロによって予め塑性変形され、縮径された後の線材の内径をD2、架空送電線の外径をD1とすると、
D1>D2
である。
また、縮径されているかどうかは、例えば、電線又は円筒等に巻付けた後、静かに線材を外し、外径又は/及び内径をノギス等により測定し、その内径D2を、外径を測定した場合は線材の太さを考慮して求めればよい。
塑性変形によって縮径する率D2/D1は、上限は99%、下限は10%であり、好ましくは下記の通りである。
(D2/D1)×100=70%〜99%
また、巻付け試験には、例えば、対象の電線がACSR810mm2(外径38.4mm)であり、縮径する率が90%であるときは、D2が約34.6mmとなるように巻かれるので、標準的な電線のACSR610mm2(外径34.2mm)を用いて巻付けて状況を観察すればよい。当然に、適当な電線が無い場合は、適当なサイズのパイプや丸棒を用いればよく、適当なサイズが無い場合は、切削加工等によって作製すればよい。
上述したように、架空送電線の中心と第1のコロの中心の間の距離:L1、架空送電線の中心と第2のコロの中心の間の距離:L2、および、架空送電線の中心と第1のコロの中心を結ぶ線を基準とする、架空送電線の中心と第2のコロの中心を結ぶ線の角度:α1によって、線材に所望の塑性変形が行われる。次いで、架空送電線の中心と第2のコロの中心の間の距離:L2、架空送電線の中心と第3のコロの中心の間の距離:L3、および、架空送電線の中心と第3のコロの中心を結ぶ線の角度:α2によって、塑性変形された状態で巻き付けが行われる。
また、上述のようなコロの位置関係を調節すること又は/及び電線の長手方向のコロの位置関係を調節することと、コロの個数を可変すること、あるいは、コロの形状、大きさ、材質を任意に選択し、かつ、巻付け装置の走行速度を設定すること等によって、図3(a)のように1本あるいは3本の線材を巻付ける。また、図3(b)のように1本あるいは3本の線材を、略等間隔に間をあけて巻付ける。または、図3(c)のように3本の線材を、密着して巻付けすることができる。
また、図示しないボビンには線材が適量巻かれており、架空送電線の所定の巻付けピッチ(巻付け量)を巻付けたとき、ボビン内の線材が無くなる前、あるいは電線サイズと巻付け量から予め設計される長さを巻付けたときに、線材が巻かれた新しいボビンと交換できる機能を有している。例えば、ボルト締め等により線材の巻付け装置の所定箇所に固定される。
線材としては、図5(a)のアルミニウム合金線等の金属線材15、図5(b)の磁性材料の周囲を金属被覆した融雪スパイラル13、図5(c)の金属線18を樹脂19等で被覆した複合線材20でよく、塑性変形して縮径した状態で、巻付けるものであれば、それ以外の線材であってもよい。
上述したように、複数のプレフォームの相互の位置関係を規定することによって、線材を先ず予めその径が縮小するように塑性変形し、そのままの状態で線材を架空送電線に巻付けることができる。架空送電線の外径よりも線材の内径が小さいので、線材ルが架空送電線を締め付けるように巻き付けられる。
従って、予めらせん状に成形した任意の長さの金属線(スパイラルロッド)を架空送電線の対象区間へ人により取付けずとも、本発明の線材の巻付装置および巻付方法によれば、取り付け作業の労力を省略することができる。
また、従来のように特別な端留ロッドを用いる必要がなく、融雪スパイラルそのものによって強固に架空送電線に固定することができる。
上述したように、架空送電線に巻付けた風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルの端末部に端留ロッドを巻付ける必要がない。更に、融雪スパイラルを使用する場合には、融雪スパイラルに発生した熱を放散する放熱フィンの機能がなくなり放熱が抑制され、融雪スパイラルの融雪効果を最大限発揮することができる。
更に、線径が太く、曲げ剛性の大きい端留ロッドの取り付ける必要がないので、架空送電線の着雪対策の工期の短縮、労力の削減が期待できる。架空送電線の上に風音防止スパイラル、コロナ騒音防止スパイラルまたは融雪スパイラルを巻付けるだけで、その他に端留ロッドが不要となり対策費の低減が図れる。
また、複数巻付ける線材は、同種の線材(材料)であって、太さや断面形状が異なるものを用いてよい。
また、複数巻付ける線材は、異種の線材(材料)であって、例えば、図5(a)の金属線材15と(b)融雪スパイラル13とを巻付けしてよい。
1 プレフォームコロ固定板
2、2−1、2−2、2−3 プレフォームコロ
3、3−1、3−2、3−3 線材(融雪スパイラル等)
4、4−1、4−2、4−3 第1コロ
5、5−1、5−2、5−3 第2コロ
6、6−1、6−2、6−3 第3コロ
7 孔部
10 架空送電線

Claims (12)

  1. 横断面の中心部に電線を配置し、前記電線の回りに線材を巻付ける線材の巻付け方法であって、
    複数組のプレフォームコロを所定位置に配置し、
    前記複数組のプレフォームコロの各々にボビンから線材を送出し、
    前記複数組のプレフォームコロの各々によって、前記線材に予め所定の塑性変形を施し、次いで前記電線に巻付けるステップを備えた、線材の巻付け方法。
  2. 前記塑性変形を、前記線材が前記電線の外径よりも縮小された巻き径、または巻きぐせ径になるように行い、前記線材を前記電線に巻付けたときに、前記線材が前記電線を締め付ける状態であることを特徴とする請求項1に記載の線材の巻付け方法。
  3. 前記複数組のプレフォームコロの各組は、それぞれ前記線材をガイドするとともに、前記線材に予め所定の塑性変形を行う少なくとも2個のプレフォームコロと、それに引き続いて前記線材を前記電線に巻付ける少なくとも1個のプレフォームコロとからなっていることを特徴とする請求項2に記載の線材の巻付け方法。
  4. 前記電線が架空送電線からなり、前記線材が塑性変形を行うことができる材料、又は、複合材からなっていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の線材の巻付け方法。
  5. 前記塑性変形は、前記線材を前記電線に巻き付けたときに、端末部がばらけるのを防止することができるように行い、前記端末部を固定するステップを兼ねていることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の線材の巻付け方法。
  6. 所定の太さ、断面形状を有する前記線材を所定のピッチで前記架空送電線上に巻付けることにより、前記架空送電線から生じる風騒音又は/及びコロナ騒音を防止することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の線材の巻付け方法。
  7. 前記電線が架空送電線の電力線からなり、前記線材が磁性線材からなり、前記電線への着氷雪を防止することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の線材の巻付け方法。
  8. 中心部に電線が配置される孔部を備え、前記孔部に配置された前記電線の回りに、線材に予め塑性変形を施した後に前記電線に巻付けるように所定形状に配置された複数組のプレフォームコロを備えたプレフォームコロ固定板材と、
    前記複数組のプレフォームコロによって前記所定の塑性変形を施して前記電線に巻き付けられる前記線材を送出し、前記電線の周囲を回転するボビンとを備えた線材の巻付け装置。
  9. 前記線材が前記電線の外径よりも縮小された径になるように前記塑性変形を行い、前記線材を前記電線に巻付けたときに、前記線材が前記電線を締め付けるように、前記複数組のプレフォームコロが配置されていることを特徴とする請求項8に記載の線材の巻付け装置。
  10. 前記複数組のプレフォームコロの各組は、それぞれ前記線材をガイドするとともに、前記線材に予め所定の塑性変形を行う少なくとも2個のプレフォームコロと、それに引き続いて前記線材を前記電線に巻付ける少なくとも1個のプレフォームコロとからなっていることを特徴とする請求項9に記載の線材の巻付け装置。
  11. 前記電線が架空送電線からなり、前記線材が塑性変形を行うことができる材料、又は、複合材を収容する前記ボビンと、該ボビンを交換できる機能を有することを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の線材の巻付け装置。
  12. 前記電線が架空送電線の電力線からなり、前記線材が磁性線材からなり、前記複数組のプレフォームコロが3組からなっており、各組がそれぞれ第1から第3の3個のプレフォームコロからなり、第1および第2プレフォームコロによって予め塑性変形を施し、第2および第3プレフォームコロによって前記架空送電線に前記磁性線材を巻付けることを特徴とする請求項10から11の何れか1項に記載の線材の巻付け装置。
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