JPH01123794A - 昇華転写用被転写紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感熱式プリンタ等に用いられる昇華転写用被転
写紙に関する。

〔従来の技術〕

インク層を有するインクリボンにサーマルヘッドから熱
エネルギーを印加し、インク層に含有される染料を記録
紙に転写する技術は、いわゆる転写型感熱記録として知
られている。この転写型態、熱記録は、ワックスと混合
してインクリボンに塗布された染料が熱により溶融して
記録紙に転写される溶融転写法と、インクリボンに塗布
された昇華性染料が熱により気化して記録紙に転写され
る昇華転写法とに大別される。このうち、後者の昇華転
写法はフルカラー画像の形成が可能で、濃度階調を比較
的帯やすいという利点を有していることから、開発の進
められているものである。

昇華転写法において使用される被転写紙は、−般に天然
紙９合成紙、プラスチックフィルム等の基材の上に、ポ
リエステル等の樹脂を主体とする染料受容層が積層され
た構成を有する。この染料受容層には、サーマルヘッド
から熱エネルギーが印加された際にインクリボンと被転
写紙が融着するのを防ぐ等の目的で、通常シリコンオイ
ル、ワックス、脂肪酸アミド、リン酸エステル等の滑剤
が混入されている。

〔発明が解決しようとする問題点） ところが、従来のように滑剤が単に染料受容層に混入さ
れているだけでは、滑剤と染料受容層の樹脂との親和性
が不足するため、時間がたつと滑剤が染料受容層の表面
に浸出（ブリード）するという問題があった。被転写紙
が巻取られたりあるいは重ねられた状態で保存される間
にこのような浸出が起こると、滑剤が隣接する被転写紙
の裏面に移行して滑剤濃度が低下する。このように滑剤
濃度の低下した被転写紙を使用して昇華転写法による記
録を行うと、インクリボンと被転写紙の融着が起きたり
、サーマルヘッドから印加される熱により基材が変形し
て該サーマルヘッドとの摩擦が増加し正常な動作が妨げ
られる、いわゆるスティッキング等の問題が生ずる。

そこで本発明は、上述のような問題点を解決し、保存安
定性に優れ良好な記録品質を得ることのできる昇華転写
用被転写紙の提供を目的とする。

Ｃ問題点を解決するための手段〕 本発明は上述の問題点を解決するために提案されたもの
である。すなわち本発明にかかる昇華転写用被転写紙は
、基材の上に水酸基を有する樹脂を主体とする染料受容
層が積層され、上記染料受容層に含まれる樹脂とアルコ
ール変成シリコンオイルとが多官能イソシアナートによ
り架橋されていることを特徴とするものである。

上記染料受容層に用いられるアルコール変成シの重合体
（ｎは０〜１３程度）として表されるオルガノポリシロ
キサンを主体とするもので、その末端または側鎖に水酸
基を有するとともに、その他の部分には脂肪族もしくは
芳香族の炭化水素基が結合してなるものである。具体的
には、たとえばジメチルシリコンオイル、ジフェニルシ
リコンオイル等である。このアルコール変成シリコンオ
イルは、後述の水酸基を有する樹脂１００重量部に対し
て０．０５〜１０重量部の割合で添加することが望まし
い。

また、水酸基を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂
、ポリオール樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール等が挙げられる。これらは、
水酸基価が２〜５０であることが望ましい。ここで上記
水酸基価は、樹脂１ｇのケン化価Ｂ、およびこの樹脂１
ｇを無水酢酸等によりアセチル化物としたときのケン化
価Ａを測定し、次式によって求めた。

水酸基価−−Ｂ １−０．０００７５　Ａ さらに、これらのアルコール変成シリコンオイルおよび
水酸基を有する樹脂をウレタン結合を介して相互に結合
させるには、１分子中に少なくとも２個のイソシアン基
を有する多官能イソシアナートを用いることが必要であ
る。このような多官能イソシアナートとしては、テトラ
メチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシア
ナートキシリレンジイソシアナートジブエニルメタンジ
イソシアナート、イソプロピリデンシクロヘキシルイソ
シアナート、リジンイソシアナート、ト１）レンジイソ
シアナートとトリメチロールプロパンの付加物、トリレ
ンジイソシアナートとペンタエリスリトールの付加物、
トリレンジイソシアナートとポリエチレングリコールの
付加物、トリレンジイソシアナートとポリプロピレング
リコールの付加物、ヘキサメチレンジイソシアナートと
ポリエチレンアジペートのプレポリマー等が挙げられる
。これら多官能イソシアナートの使用量は、イソシアン
基の量が樹脂中の水酸基の量と等量ないし１．５倍程度
となるように選ぶのが良い。

なお、このときの反応には、ジメチル錫シラウリレート
等の通常の触媒が使用できる。

〔作用〕

本発明にかかる昇華転写用被転写紙においては、染料受
容層に含まれる樹脂の水酸基と、滑剤として添加される
アルコール変成シリコンオイルの水酸基とが、多官能イ
ソシアネートのイソシアン基とそれぞれウレタン結合を
形成することにより架橋される。このように、滑剤が染
料受容層を構成する材料に化学的に結合されていると、
滑剤が単に染料受容層中に分散されている場合と異なり
、滑剤が経時的に浸出を起こす等の問題がなくなり、昇
華転写用被転写紙の保存性、信輔性が向上する。

〔実施例〕

以下、本発明の好適な実施例について説明する。

実施例１ まず、以下の組成にしたがって昇華転写用被転写紙の染
料受容層塗料組成物を調製した。

ポリエステル樹脂 （バイロン１２００．　　東洋紡績社製）１００重量部
イソシアナート （コＵネー）　　Ｌ７５．　　　日本ポリウレタン社製
）　　　　　　　５重量部アルコール変成シリコンオイ
ル （ＳＦ８４２７．東しシリコーン社製）　　　　１重量
部メチルエチルケトン　　　　　　　　１００重量部ト
ルエン　　　　　　　　　　　　　２３０重量部上記染
料受容層塗料組成物を、合成紙（ユボＦＰＧ１５０、　
　玉子油化社製）の片面に乾燥時の膜厚が１５μｍとな
るように塗布し、昇華転写用被転写紙を作成した。

一方、以下の組成にしたがってインクリボンのインク層
塗料組成物を調製した。

昇華性染料 （スミブ９Ｘ）ｈＦ　　ＦＢ、　　住友化学工業社製）
　　　５重量部エチルセルロース （Ｎ−７，米国バーキュリーズ社製）　　　５重量部エ
タノール　　　　　　　　　　　　　６３重量部ブタノ
ール　　　　　　　　　　　　　２７重量部上記インク
層塗料組成物を６μｍ厚のポリエチレンテレフタレート
・フィルムの片面に乾燥時の膜厚が２μｍとなるように
グラビア印刷機で塗布し、熱転写インクリボンを作成し
た。

以上の昇華転写用被転写紙および熱転写インクリボンを
熱転写プリンタにセットし、８０　ｔ＊Ｊ／ｎｖ”の熱
エネルギーを印加して印字試験を行ったところ、融着は
見られず、良好な印字品質が得られた。

このときのマクベス反射濃度は１．８であった。

さらに、上記昇華転写用被転写紙をＡ４判に裁断して重
ねた状態、あるいはロール状に巻取った状態で温度４０
″Ｃ９相対湿度９０％の環境下に１週間放置した（エー
ジング）後に同様に印字試験を行ったところ、やはり融
着は見られず、良好な印字品質が得られた。

なお、上記染料受容層塗料組成物中におけるアルコール
変成シリコンオイル５Ｆ８４２７の含有量を０．１重量
部あるいは５重量部としても、同様に良好な結果が得ら
れた。

実施例２ 上述の実施例１において、染料受容層塗料組成物中のア
ルコール変成シリコンオイルを５Ｆ８４２７からＳ　Ｆ
８４２Ｂ　（東しシリコーン社製）に変えた以外は全く
同様にして熱転写用被転写紙を作成し、そのまま、ある
いはエージングを経て同様に印字試験を行った。その結
果、いずれの場合も融着は見られず良好な印字品質が得
られた。

実施例３ 上述の実施例１において、染料受容層塗料組成物中のア
ルコール変成シリコンオイルを５Ｆ８４２７からＫＦ８
５１（信越シリコーン社製）に変えた以外は全く同様に
して熱転写用被転写紙を作成し、そのまま、あるいはエ
ージングを経て同様に印字試験を行った。その結果、い
ずれの場合も融着は見られず良好な印字品質が得られた
。

さらに、上記昇華転写用被転写紙を上質紙で１０回こす
った後、同様に印字試験を行っても、やはり良好な印字
品質が得られた。

比較例１ 本比較例は、染料受容層塗料組成物中におけるアルコー
ル変成シリコンオイルの含ｆｆｆｉが本発明における至
適範囲より多い例である。

すなわち、第１の実施例における染料受容層塗料組成物
中のアルコール変成シリコンオイル５Ｆ８４２７の含有
量を２０重量部とした以外は全く同様にして熱転写用被
転写紙を作成し、同様に印字試験を行った。その結果、
マクベス反射濃度が１．６に低下し、また印字ムラも観
察された。これは、アルコール変成シリコンオイルの濃
度が高すぎたために、その一部がイソシアナートにより
樹脂と結合されない状態で染料受容層中に残存し、経時
的に浸出を起こしたためである。

比較例２ 本比較例は、アルコール変成シリコンオイルの代わりに
未変成シリコンオイルを使用した例である。

ここで、熱転写用被転写紙の染料受容層塗料組成物の組
成は以下のとおりとした。

ポリエステル樹脂 （バイロン１２００．　　東洋紡績社製）　　　２０重
量部イソシアナート （コ■ネー）　　Ｌ７５．　　　日本ポリウレタン社製
）　　　　　　　　２　重量部未変成シリコンオイル （ＳＦ８４１０．東しシリコーン社製）　　　　１重量
部メチルエチルケトン　　　　　　　　　４４重量部ト
ルエン　　　　　　　　　　　　　　４４重量部上記染
料受容層塗料組成物を使用して第１の実施例と同様に熱
転写用被転写紙を作成し、そのまま、あるいはエージン
グを経て同様に印字試験を行った。その結果、そのまま
印字試験を行った場合には良好な印字品質が得られたが
、エージングを経た場合には全面にわたって融着が観察
され、保存性に劣っていることがわかった。これは、未
変成シリコンオイルが水酸基を持たないために、イソシ
アナートによって基材となるポリエステル樹脂に結合さ
れることができず、保存中に浸出を起こしたためである
。

比較例３ 本比較例も、アルコール変成シリコンオイルの代わりに
未変成シリコンオイルを使用した例である。

゛　　ここで、上述の比較例１における染料受容層塗料
組成物中の未変成シリコンオイルを５Ｆ８４１０からメ
ガファックＦ１４４Ｄ　（大日本インキ社製）に・　　
変えた以外は全（同様にして熱転写用被転写紙を作成し
た。この昇華転写用被転写紙を上質紙で１０回こすった
後に同様に印字試験を行ったところ、部分的に融着が観
察され、やはり保存性が不十分であることが示された。

〔発明の効果〕　　、 以上の説明からも明らかなように、本発明にかかる昇華
転写用被転写紙においては、染料受容層中で滑剤が樹脂
に化学的に結合されているため、滑剤は長期にわたって
安定な状態で染料受容層中に存在することができる。し
たがって、従来のように浸出等の問題を生ずることがな
（、保存安定性に優れ、常に均一な印字品質の得られる
昇華転写用被転写紙の供給が可能となる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 基材の上に水酸基を有する樹脂を主体とする染料受容層
   が積層され、上記染料受容層に含まれる樹脂とアルコー
   ル変成シリコンオイルとが多官能イソシアナートにより
   架橋されていることを特徴とする昇華転写用被転写紙。