JP2999356B2 - 熱転写インクシート及びこれに用いる耐熱フィルム - Google Patents

熱転写インクシート及びこれに用いる耐熱フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写インクシート及び
その素材に関するものであり、更に詳しくはバックコー
ト材によって耐熱性を向上させた耐熱フィルムと該耐熱
フィルムに熱転写インク層を設けた熱転写インクシート
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
感熱転写方式のプリンターは小型軽量で安価な普及型プ
リンターとして広く利用されている。感熱転写媒体とし
ては、熱昇華性染料を支持体上に設けた転写シートと該
シート裏面からの熱印字によって熱昇華性染料画像を受
容する受容シートから熱昇華方式や、熱可融性物質と顔
料や染料の転写層を支持体に設けた転写シートと溶融さ
れた転写層を受容する受容シートを組み合わせた熱転写
方式がある。
【0003】熱昇華方式は熱転写方式よりも2〜3倍の
記録熱エネルギーを必要とすることより、現在熱転写方
式に用いられている汎用品のポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムをベースフィルムとして熱昇華方
式に適用すると、サーマルヘッドにフィルムが融着して
走行不可能になるスティック現象を示す。即ち、ベース
フィルムの耐熱性をいかに向上させるかという重要な課
題がある。
【0004】また、熱転写方式においてもプリンターの
応用分野が広がるにつれて、今までにない新たな要求が
発生してきた。その主なものは粗表面紙印字と高速印字
である。これらの要求への対応としてインクの改良と共
にプリンター自身の改良が幅広く行われてきた。特に大
きな改良点として、 1) サーマルヘッドの形状を突起型のものに変える、 2) プラテン圧(サーマルヘッド押し付け圧)を上げ
る、 3) 印字エネルギーを上げる といった点が挙げられる。その結果、印字条件が厳しく
なると共に印字品質は格段の進歩をなした反面、ベース
フィルム(主にPETフィルム)及び熱転写インクシー
トの耐熱性をいかに向上させるかという重要な課題が新
たに発生してきた。
【0005】このような課題に対して、特開昭55−7
467号公報にみられるようなシリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂
及びニトロセルロース樹脂等を用いての対処がなされた
が、これらの樹脂では耐熱性及び走行性が不足である。
また、著しくサーマルヘッドを汚染させることも分かっ
た。また、特開昭59−148697号公報にみられる
ようなシリコーンオイル、鉱物油、植物油、合成油等の
液状油を用いての対処では、液状油が経時的にインク側
に移行してしまい、長期間の保存の後では走行性が非常
に悪化する。
【0006】そこで特開昭60−137693号公報で
は耐熱性樹脂としてのポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂等と、潤滑
成分としてのシリコーンワックスを組み合わせている
が、耐熱性、走行性は十分とはいえず、また、サーマル
ヘッドの汚染防止も十分でない。即ち、まだ満足すべき
熱転写インクシート用耐熱フィルムはないのが現状であ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の如き課
題に鑑み鋭意研究の結果、シリコーン−ブチラール樹脂
と、アミノ変性シリコーンオイルと多官能イソシアネー
トの反応生成物との混合物を、フィルムの片面に塗布す
ることにより、熱転写インクシートの走行性、耐熱性、
サーマルヘッド非汚染性及び耐久性を改良し得ることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、ベースフィルム上に熱転
写インク層を設け、該ベースフィルム背面にバックコー
ト材皮膜を設けた熱転写インクシートにおいて、そのバ
ックコート材がシリコーン−ブチラール樹脂及びアミノ
変性シリコーンオイルと多官能イソシアネートとの反応
生成物を含有することを特徴とする熱転写インクシー
ト、及び該熱転写インクシートに用いられる耐熱フィル
ムであって、フィルムの片面にシリコーン−ブチラール
樹脂及びアミノ変性シリコーンオイルと多官能イソシア
ネートの反応生成物の混合物を塗布してなることを特徴
とする熱安定性を増大させた耐熱フィルムを提供するも
のである。
【0009】本発明に係わるシリコーン−ブチラール樹
脂は、ポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを反応
させて作ったブチラール樹脂とカルボキシル変性シリコ
ーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等の変性シ
リコーンを反応させて得られる。またブチラール樹脂と
多官能イソシアネートを反応させてイソシアネート変性
ブチラール樹脂を作り、それにアミノ変性シリコーンオ
イル、アルコール変性シリコーンオイル等の変性シリコ
ーンを反応させても得られる。あるいはブチラール樹脂
と少なくとも一個の遊離イソシアネート基を有するシリ
コーン変性剤と反応させて得られる。少なくとも1個の
遊離イソシアネート基を有するシリコーン変性剤は、反
応性有機官能基を有するシランカップリング剤と有機多
官能イソシアネートとの反応生成物であり、該生成物が
分子中に少なくとも一個の遊離イソシアネート基を有す
るもので、下記の一般式で表される。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R1は低級アルキル基、R2は低級ア
ルキル基又は低級アルコキシ基を、R3はC1〜C6のアルキ
ル基を表す。m=1〜3の整数、n=3−mを示す。)
本発明に係わるシリコーン−ブチラール樹脂は、環球法
(JIS K 2531-1960)で測定した軟化点が80℃以上、より
好ましくは 100℃以上の、常温で固体の樹脂である。軟
化点が80℃未満の場合にはバックコート材として使用し
た時にインク面とブロッキングしやすくなり、保存時や
使用時の安定性に欠ける。
【0012】シリコーン−ブチラール樹脂中に占めるシ
リコーン成分の重量比は特に規定はしないが、シリコー
ン成分はシリコーン−ブチラール樹脂中に5〜20%程度
含有させると有効な場合が多い。
【0013】このようなシリコーン−ブチラール樹脂と
しては、例えば大日精化工業(株)製の「ダイアロマー
SP−711」、「ダイアロマー SP−712」等
が挙げられる。
【0014】本発明に係わるシリコーン−ブチラール樹
脂を単独でバックコート材として使用した場合は樹脂自
体の耐熱性、潤滑性が不足しているためインク面とブロ
ッキングしやすいことが分かった。そこで本発明者はシ
リコーン−ブチラール樹脂の耐熱性と潤滑性を増すため
にシリコーン−ブチラール樹脂に相溶し、かつ柔軟で耐
熱性のある潤滑成分を検討し、アミノ変性シリコーンオ
イルと多官能イソシアネートの反応生成物が有効なこと
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】本発明に用いられるアミノ変性シリコーン
オイルとしては、分子内にアミノ基もしくはアミノ基を
有する化合物を導入したシリコーンオイルであれば何れ
でも良く、例えばジメチルポリシロキサンのメチル基の
一部にアミノ基もしくはアミノ基を有する有機基を導入
したシリコーンオイルがあるが、その構造の一例を下記
に示す。
【0016】
【化2】
【0017】また、本発明に係わるアミノ変性シリコー
ンオイルにはアルコール変性シリコーンオイル、カルボ
キシル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーン
オイル等のアミノ変性以外の変性シリコーンオイルの官
能基を利用して二次的にアミノ基を導入したアミノ基含
有シリコーンオイルも含まれる。考えられるアミノ基含
有シリコーンオイルの調製法の一例を以下に示す。
【0018】
【化3】
【0019】以上の如き反応性有機官能基を有するシリ
コーン化合物は、本発明において好ましいシリコーン化
合物の例示であって、本発明はこれらの例示に限定され
るものではなく、アミノ基を含有するシリコーンオイル
はいずれも本発明において使用できるものである。二種
以上のアミノ変性シリコーンオイルを混合使用できるこ
とは言うまでもない。
【0020】本発明で使用されるアミノ変性シリコーン
オイルのアミノ当量は 300〜20000の範囲が好ましく、
300未満では変性シリコーンオイルの添加量が少なすぎ
てバックコート材としての潤滑性が不足するし、 20000
を超えるとバックコート材の塗面にベタつきを生じイン
ク面の汚染が増加するので好ましくない。
【0021】ここに言うアミノ当量とは、1当量のアミ
ノ基を有する平均分子量を指す。
【0022】本発明で使用される多官能イソシアネート
類としては、脂肪族及び芳香族ジイソシアネート類、例
えば1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルジメチルメタンジイソシアネート、ジ−及びテトラ
アルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’
−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジ
イソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、塩素化イソシアネート
類、臭素化イソシアネート類、燐含有イソシアネート
類、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−
1,6−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート等が挙げられる。更にこれらのジイソシア
ネートと他の化合物との付加体、例えば下記構造式のも
のが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】本発明において、シリコーン−ブチラール
樹脂に対するアミノ変性シリコーンオイルと多官能イソ
シアネートの反応生成物の配合比率はシリコーン−ブチ
ラール樹脂 100重量部に対してアミノ変性シリコーンオ
イルと多官能イソシアネートの反応生成物を1〜1000重
量部添加するのが好ましい。アミノ変性シリコーンオイ
ルと多官能イソシアネートの反応生成物の添加量が1重
量部未満であると、シリコーンオイルの主機能である潤
滑性を十分に発揮することができない。また、当該添加
量が1000重量部を超えるときには、塗布後の塗面がベタ
つきインク面の汚染が増加するので好ましくない。
【0026】多官能イソシアネートとアミノ変性シリコ
ーンオイルの配合比率は次式の範囲であることが好まし
い。
【0027】
【数1】
【0028】* イソシアネート当量とは、1当量のイ
ソシアネート基を有する平均分子量 ** アミノ当量とは、1当量のアミノ基を有する平均分
子量 上式の配合比率が1未満のときは、未反応のアミノ変性
シリコーンオイルが残り、塗布後の塗面がベタつきイン
ク面の汚染が増加するので好ましくない。また、過剰の
イソシアネート基は残したままでも、その一部又は全部
をアミンやアルコールと反応させて失活させてもよい。
【0029】シリコーン−ブチラール樹脂及びアミノ変
性シリコーンオイルと多官能イソシアネートの反応生成
物の混合は最初からシリコーン−ブチラール樹脂と多官
能イソシアネートを混合しておき、そこへアミノ変性シ
リコーンオイルを滴下して反応(通常室温〜80℃)して
もよいし、多官能イソシアネートとアミノ変性シリコー
ンオイルの反応生成物を作ってからシリコーン−ブチラ
ール樹脂を配合してもよい。
【0030】また、本発明におけるバックコート材の塗
工量は0.05〜2.0g/m2(乾燥時)が適当である。この範囲
より少なくした場合には上記配合物のバックコート材と
しての機能が不十分となり、この範囲より多くした場合
にはサーマルヘッドからの熱の伝導が阻害され、インク
の転写不良を引き起こすおそれがある。
【0031】本発明においては上記のシリコーン−ブチ
ラール樹脂及びアミノ変性シリコーンオイルと多官能イ
ソシアネートの反応生成物に、他の耐熱性成分(例えば
シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ニトロセルロース樹
脂、ポリイミド樹脂、塩酢ビ樹脂、ウレタン樹脂等)あ
るいは他の潤滑付与成分(例えばシリコーンオイル、シ
リカ微粉末、アルキルリン酸エステル、フッ素系化合物
等)を目的に応じて添加することも可能である。また、
帯電防止あるいは機密漏洩防止のためにバックコート材
中にカーボンブラック等の顔料を添加することも可能で
ある。
【0032】本発明に用いられるフィルムとしては、耐
熱強度を有し、寸法安定性及び表面平滑性の高いフィル
ムが望ましく、具体的には、従来から熱転写インクシー
トのベースフィルムに主として使われているポリエチレ
ンテレフタレート(PET)のほかに、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポ
リイミド等の樹脂フィルムで、厚さが2〜20μmのもの
が好適に使用される。
【0033】本発明に用いられる熱転写インクは特に制
限されず、通常の熱転写インクシートに用いられるもの
がいずれも使用できる。
【0034】本発明の熱転写インクシートは、適当な幅
に裁断されてワードプロセッサやコンピュータのプリン
ター用のインクリボン等に使用される。
【0035】また、本発明の熱転写インクシートに用い
られる前記のバックコート材は磁気テープのバックコー
ト材としても使用でき、更に磁気カード、ICカード、
キャッシュカード、プリペードカード、磁気切符、加熱
記録紙等の表面を保護するためのコート材としても有用
である。
【0036】
【実施例】以下、参考例、実施例、比較例により本発明
を更に詳細に説明し、その優位性を示すが、勿論本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、例中
の「部」、「%」は特記しない限りは重量基準である。
【0037】参考例1 大日精化工業(株)製のシリコーン−ブチラール樹脂
「ダイアロマーSP−712」(固形分12.5%のメチル
エチルケトン溶液)100部に、トルエン/イソプロピルア
ルコール=8/2の混合溶剤 150部を加えて室温で攪拌
溶解した。得られたバックコート材溶液(S1)の固形分は
5.2%、溶液粘度は20℃で27cpsであった。
【0038】参考例2 参考例1で用いたシリコーン−ブチラール樹脂「ダイア
ロマーSP−712」100部に、日本ポリウレタン工業
(株)製の多官能イソシアネート「コロネート203
0」(トリレンジイソシアネート3モルのイソシアヌレ
ートタイプ、固形分50%の酢酸ブチル溶液)2.5部、トル
エン/イソプロピルアルコール=8/2の混合溶剤 170
部を加えて室温で攪拌溶解した。得られたバックコート
材溶液(S2)の固形分は 5.1%、溶液粘度は20℃で38cps
であった。またイソシアネート%は0.07%であった。
【0039】参考例3 参考例2で得られたバックコート材溶液(S2) 272.5部
に、トーレ・シリコーン(株)製のアミノ変性シリコー
ンオイル「SF8417」(アミノ当量1800) 0.43部を
トルエン/イソプロピルアルコール=8/2の混合溶剤
10部に溶かした溶液を室温で30分間滴下した。得られた
バックコート材溶液(S3)の固形分は 5.0%、溶液粘度は
20℃で49cpsであった。またイソシアネート%は0.06%
であった。
【0040】参考例4 参考例2で用いた多官能イソシアネート「コロネート2
030」 2.5部をメチルエチルケトン20部に溶かした溶
液に、参考例3で用いたアミノ変性シリコーンオイル
「SF8417」0.43部をトルエン/イソプロピルアル
コール=8/2の混合溶剤10部に溶かした溶液を室温で
30分間滴下した後に、バックコート材溶液(S1) 250部を
加えて室温で30分間攪拌した。得られたバックコート材
溶液(S4)の固形分は 5.0%、溶液粘度は20℃で45cpsで
あった。また、イソシアネート%は0.05%であった。
【0041】参考例5 参考例4で用いたバックコート材溶液(S1)の量を 100部
にした以外は参考例4と同様にしてバックコート材溶液
(S5)を得た。得られたバックコート材溶液(S5)の固形分
は 5.1%、溶液粘度は20℃で30cpsであった。また、イ
ソシアネート%は0.11%であった。
【0042】参考例6 参考例3で用いたアミノ変性シリコーンオイル「SF8
417」をトーレ・シリコーン(株)製のアルコール変
性シリコーンオイル「SF8427」に替えて使用した
以外は参考例3と同様にしてバックコート材溶液(S6)を
得た。得られたバックコート材溶液(S6)の固形分は 5.0
%、溶液粘度は20℃で48cpsであった。また、イソシア
ネート%は0.07%であった。
【0043】参考例7 参考例4で用いたバックコート材溶液(S1)の量を3部に
した以外は参考例4と同様にしてバックコート材溶液(S
7)を得た。得られたバックコート材溶液(S7)の固形分は
5.0%、溶液粘度は20℃で20cpsであった。また、
イソシアネート%は0.42%であった。
【0044】参考例8 参考例3で用いたアミノ変性シリコーンオイル「SF8
417」を東芝シリコーン(株)製のアミノ変性シリコ
ーンオイル「TSF4705」に替えて使用した以外は
参考例3と同様にしてバックコート材溶液(S8)を得た。
得られたバックコート材溶液(S8)の固形分は 5.1%、溶
液粘度は20℃で33cpsであった。また、イソシアネート
%は0.07%であった。
【0045】実施例1 参考例3で得られたバックコート材溶液(S3)を厚さ 3.5
μmのPETフィルムの片面に 0.3g/m2(乾燥時)の塗
工量で塗布して耐熱フィルムを得た。この耐熱フィルム
を用い、市販のパーソナルワープロ(松下電機製パナワ
ードU1PRO609)により実走試験を行った。
【0046】即ち、上記耐熱フィルムのバックコート材
を塗布した面の反対側にパラフィンワックス、カルナバ
ワックス、エチレン−酢酸ビニル樹脂、顔料等からなる
通常の熱転写インクを3μmの厚さに塗布して、これを
12.7mm幅に裁断し、ケーシングしてワープロ用インクリ
ボンを製造する。このインクリボンを用いて、バックコ
ート材を塗布した面からサーマルヘッドで最高エネルギ
ーレベルで黒ベタ印字させて、耐熱性(フィルムダメー
ジ)、走行性及びサーマルヘッドの非汚染性を評価し
た。またバックコート面とインクコート面を合わせ60℃
/500g/cm2/10時間の耐熱ブロッキング試験を行った。
【0047】その結果を表1に示すが、本実施例では耐
熱性(フィルムダメージ、耐熱ブロッキング性)、走行
性及びサーマルヘッドの非汚染性が極めて良好なバック
コート材を形成することが判明した。
【0048】<評価方法> ・走行性;インクリボンをワープロで2000m印字走行さ
せる。 ○:何の支障もなく2000m走行した ×:サーマルヘッドがフィルムに融着し走行しなかった ・フィルムダメージ;インクリボンでベタ印字を行った
後、フィルムを顕微鏡で観察評価した。 ○:フィルムに縮れや穴あき等の熱による変形がない △:フィルムに縮れや穴あき等の熱による変形が認めら
れる ×:フィルムに縮れや穴あき等の熱による変形が著しい ・サーマルヘッド非汚染性;インクリボンをワープロで
2000m印字走行させた後、ヘッドを顕微鏡で観察評価し
た。 ○:ヘッドの汚れが全くない △:ヘッドの汚れが認められる ×:ヘッドの汚れが大きい ・耐熱ブロッキング性;バックコート面とインクコート
面を合わせ60℃/500g/cm2/10時間の加熱加圧ブロッキン
グ試験を行った後、インク面をバックコート面から剥が
し、インクの取られを評価した。 ○:インクが全く取られない △:インクがピンホール状に取られる ×:インクが面状に取られる 実施例2 参考例4で得られたバックコート材溶液(S4)を用いた以
外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0049】実施例3 参考例5で得られたバックコート材溶液(S5)を用いた以
外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0050】比較例1 参考例1で得られたバックコート材溶液(S1)を用いた以
外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0051】比較例2 参考例2で得られたバックコート材溶液(S2)を用いた以
外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0052】比較例3 参考例6で得られたバックコート材溶液(S6)を用いた以
外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0053】比較例4 参考例7で得られたバックコート材溶液(S7)を用いた以
外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0054】比較例5 参考例8で得られたバックコート材溶液(S8)を用いた以
外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】実施例4 実施例1〜3及び比較例1、3、5で得られたインクリ
ボンについて、下記方法により長期保存安定性試験を行
った。結果を表2に示す。 <試験条件>インクリボンを巻物で45℃、80%湿度の部
屋に30日間放置した。その後、走行性、フィルムダメー
ジ及びサーマルヘッド非汚染性について実施例1と同様
の評価を行った。
【0057】
【表2】
【0058】長期保存安定性試験の結果、実施例1〜3
のインクリボンにおいてはいずれも走行性、フィルムダ
メージ、サーマルヘッド非汚染性は良好であった。しか
し比較例1、3、5のインクリボンは長期間の保存中に
シリコーンが移行したためかフィルムダメージが大きく
なった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルム上に熱転写インク層を設
    け、該ベースフィルム背面にバックコート材皮膜を設け
    た熱転写インクシートにおいて、そのバックコート材が
    シリコーン−ブチラール樹脂及びアミノ変性シリコーン
    オイルと多官能イソシアネートとの反応生成物を含有す
    ることを特徴とする熱転写インクシート。
  2. 【請求項2】 バックコート材が、シリコーン−ブチラ
    ール樹脂 100重量部に対してアミノ変性シリコーンオイ
    ルと多官能イソシアネートとの反応生成物を1〜1000重
    量部の範囲で用いて得られたものである請求項1記載の
    熱転写インクシート。
  3. 【請求項3】 アミノ変性シリコーンオイルのアミノ当
    量が 300〜20000 の範囲のものである請求項1又は2記
    載の熱転写インクシート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項記載の熱転写
    インクシートを裁断してなるインクリボン。
  5. 【請求項5】 フィルムの片面に、シリコーン−ブチラ
    ール樹脂及びアミノ変性シリコーンオイルと多官能イソ
    シアネートとの反応生成物の混合物を塗布してなること
    を特徴とする熱転写インクシート用耐熱フィルム。
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