JPH01118541A - 軟質眼用レンズ材料の加工方法 - Google Patents

軟質眼用レンズ材料の加工方法

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JPH01118541A
JPH01118541A JP27720887A JP27720887A JPH01118541A JP H01118541 A JPH01118541 A JP H01118541A JP 27720887 A JP27720887 A JP 27720887A JP 27720887 A JP27720887 A JP 27720887A JP H01118541 A JPH01118541 A JP H01118541A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は軟質眼用レンズ材料の加工方法に関する。さら
に詳しくは、本発明は眼科医療製品をはじめその他精密
加工を必要とする製品などの分野のなかでも、とりわけ
本質的または部分的に軟質材料からなる材料を厳格な規
格のもとに切削加工を施す必要のあるコンタクトレンズ
や眼内レンズなどの眼用ルンズの分野に好適に使用しう
る軟質眼用レンズ材料の加工方法に関する。
[従来の技術] 眼用レンズ材料として種々存在する材料のなかでも、主
にポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレートまたはポリ
N−ビニルピロリドンよりなる含水性軟質眼用レンズ材
料は水を吸収し、膨潤して軟化する性質を有するので、
装用感に優れ、また角膜になじみやすいため、近年脚光
を浴びるに至っている。
しかしながら、これら水により軟化する含水性軟質眼用
レンズ材料をたとえばソフトコンタクトレンズとして使
用するばあいには以下のような欠点を有する。
(イ)含水性を呈するため、材料の内部にまで涙液中の
排泄物などが蓄積されやす<、シばしば目に重篤な障害
を与える。
(ロ)細菌などがレンズに繁殖しやすく定期的な煮沸消
毒をはじめとする使用法、保存法に注意を払わなければ
なら′ないという煩わしさがある。
そこで、該分野では前記ソフトコンタクトレンズの欠点
を解消しかつ装用感を損なわないように非含水あるいは
、わずかの含水性しか示さないような軟質眼用レンズ材
料をソフトコンタクトレンズをはじめとする眼用レンズ
材料に応用することが提案されている。一般に水により
軟化する材料は未吸水状態ではガラス転移温度が比較的
高く、切削加工処理が可能な程度に剛いので未吸水状態
で所望の形状に切削加工してしかる後に水により軟化さ
せてコンタクトレンズをはじめとする眼用レンズをうる
方法がとられる。一方、非含水性あるいはわずかの含水
性しか示さないような軟質眼用レンズ材料はガラス転移
温度が低く、室温下では柔軟であるので切削加工処理を
施すことは困難、あるいは不可能であった。
このような軟質眼用レンズ材料を用いた、たとえばコン
タクトレンズなどの眼用レンズの製造方法としては、従
来より大きく分けてつぎの2つの方法の提案がなされて
いる。
(1)軟質眼用レンズ材料を冷却し、硬質化せしめたの
ち、切削加工する加工方法(特公昭56−13583号
公報および特公昭57−53569号公報)。
■軟質材料を与えるモノマーを成形型の中に注入し、重
合して成形品を作製する方法、またウレタン前駆体、シ
リコーン前駆体、液状ゴムなどのオリゴマーを成形型の
中に注入して硬化させて成形品を作製する方法などのモ
ールド成形方法。
前記(1)の加工方法では、軟質材料を冷却する際には
大がかりな設備が必要であるので、コストが大となり経
済的ではなく、また冷却すると軟質材料自体が脆くなり
、切削加工が困難となることがあるといった問題がある
また前記(2)のモールド成形方法として、モノマーを
成形型の中に注入し、重合して成形品を作製する方法を
採用し、かかる成形方法によって成形品を作製するばあ
い、重合させる際に収縮などが生じ、歪、重合むらなど
が多発しやすく所望の形状を有する成形品をうるのが困
難であり、また量産するためにはさまざまな規格からな
る数多くの成形型を必要とし、さらにはモノマーとして
揮発性のものを用いると重合中にモノマーの一部が蒸発
し、所望の形状を有する成形品をうろことができないと
いう問題がある。
また、オリゴマーを成形型の中に注入して硬化させて成
形品を作製する方法によって成形品を作製するばあい、
硬化の際には体積収縮などが生じるので、所望の形状を
有する成形品をうろことが困難であり、またえられた成
形品にはムラ、パリなどが生じることがあるので、たと
えばコンタクトレンズなどのように精密加工が必要とさ
れる分野に適用しにくく、さらには量産するためにはさ
まざまな規格からなる数多くの成形型を必要とするので
、経済的ではないなどの問題がある。また原料ゴムを押
し出し成形あるいはカレンダー加工を施したのち、加硫
成形する方法により成形品を作製するばあい、前記オリ
ゴマーから成形するばあいと同様にムラやパリが生じや
すく、またそれに加えて量産するためにはさまざまな規
格からなる数多くの成形型を必要となる。
そこで本発明者らは、前記した眼用レンズの加工上の問
題点に鑑みてかかる問題点を解決しうる方法を見出した
(特願昭81−121487号明細書参照)。すなわち
、前記方法は、軟質材料に硬質ポ′リマーをブレンドし
、該ブレンドに切削などの機械加工を施し、所望の形状
の成形品をえたのち、溶媒を用いて該硬質ポリマーを抽
出除去し、軟質材料よりなる所望の形状を有する眼用レ
ンズをうる方法であり、さらに具体的には、軟質材料に
硬質ポリマーを与えるモノマーを含浸させたのち、該モ
ノマーを重合させてボリマーブレンド物をうる方法であ
る。
かかる方法によれば、軟質材料に硬質ポリマーを与える
モノマーの含浸は、一般に軟質材料を過剰量の該モノマ
ー中に浸漬して膨潤させることによりなされ、該モノマ
ーの重合は適当な重合開始剤の存在下で行なわれる。こ
のばあい、前記モノマーおよび重合開始剤は、軟質材料
が等方向に膨潤し、膨潤が進行するに伴なって該軟質材
料の周縁部から内部へと浸入していく。
しかしながら、前記モノマーおよび重合開始剤を軟質材
料に含浸する際には、前記モノマーおよび重合開始剤が
軟質材料の内部に浸透して均一に軟質材料を膨潤する前
に、軟質材料の周縁部より前記モノマーの重合が開始さ
れ、硬質ポリマーが生成されるため、前記モノマーおよ
び重合開始剤の軟質材料への浸透が妨げられて軟質材料
の内部に前記モノマーおよび重合開始剤が浸透しにくく
なる。この間にも前記モノマーおよび重合開始剤の重合
は進行するため、さらに−層前記モツマ−および重合開
始剤の浸透が妨げられるという悪循環を繰り返し、前記
モノマーの重合が終了した時点では、軟質材料の周縁部
と中央部とでは、硬質ポリマーの分散状態が異なり、し
たがって硬質ポリマーのブレンドの割合が異なり、ばあ
いによっては軟質材料の中央部には硬質ポリマーがほと
んどブレンドされていない部分が生じることがある。
このように軟質材料中での硬質ポリマーの分散状態が異
なる部位が生じたばあい、均一な組成を有するポリマー
ブレンド物をうることができないことは勿論のこと、硬
質ポリマーのブレンドの割合が小さい部位では硬度が小
さく、切削加工を施すことが困難あるいは不可能となり
、目的とする成形品をうろことができなくなる。
そこで特願昭61−121487号明細書に記載された
方法では、特定の軟質材料および硬質ポリマーを与える
モノマーの組合せが使用され、前記モノマーの重合がか
なり進行する前にこの組合せにおいては前記軟質材料が
比較的すみやかに均一に膨潤されるため、ある程度硬質
ポリマーが均一に分散された軟質材料、すなわちブレン
ド物をうることができ、えられたブレンド物に切削加工
を施すことができるようになった。しかしながら、かか
る方法では、ブレンド物の周縁部および中央部における
硬質ポリマーの分散がより均一であるものをうるのは困
難であり、たとえば円柱形状のポリn−ブチルアクリレ
ートからなる軟質材料を円筒形状容器内でメチルメタク
リレート中に浸漬して膨潤させ、重合させてポリマーブ
レンド物をつくったばあい、ポリマーブレンド物の上部
、中央部および下部は硬質ポリマーの分散状態が少しづ
つ異なるため、該ポリマーブレンド物を切削し、ついで
機械加工を施しコンタクトレンズ形状のピースをつくり
、つぎに溶媒を用いて硬質ポリマーを抽出除去すること
によりえられる成形品の規格は、それぞれ各部位におい
て収縮率が異なるため一定せず、したがって規格に合致
しない形成品がつくられることがあり、良品率が低下す
ることがある。
硬質ポリマーを与えるモノマーが軟質材料中に含浸され
、膨潤状態が平衡に達するまでの時間(以下、平衡膨潤
時間という)は一般に軟質材料の容積に比例することが
知られており、平衡膨潤時間が短いばあいには、前記モ
ノマーの軟質材料内部への浸透は重合があまり進行しな
いうちにすみやかに行なわれる。そこで、平衡膨潤時間
を短くするために軟質材料の容積を小さくすればよく、
このばあい、ポリマーブレンド物内で硬質ポリマーがブ
レンドされない部位が生じるのを防ぐことができること
がある。しかしながら、このような円柱形状の軟質材料
を用いてたとえばコンタクトレンズに加工するばあいに
は、該軟質材料の直径は14〜15■以上であることが
必要であり、またその長さは生産性を考慮したばあい1
oco+程度以上であることが必要である。したがって
このような体積の大きい軟質材料を用いて硬質ポリマー
を与えるモノマーを含浸させて平衡膨潤状態とするため
には長時間を要し、そのために軟質材料内部で硬質ボリ
マーがあまりブレンドされていない部位が生じることが
ある。かくしてえられたポリマーブレンド物は前記した
ように切削加工を施すことが困難となるのみならず、た
とえ切削加工を施すことができたとしても溶媒を用いて
硬質ポリマーを抽出除去する際に、硬質ポリマーが均一
に軟質材料中で分散していないので部位によっては溶媒
による膨潤挙動が異なるため、膨潤時の応力に差異が生
じて溶媒に浸漬したときに破損することがある。
したがって軟質材料に硬質ポリマーを与えるモノマーを
含浸させて重合し、ポリマーブレンド物をうる方法にお
いて、ポリマーブレンド物中の硬質ポリマーの分布が均
一なものをうるためには軟質材料が前記モノマー中で完
全に平衡膨潤状態に達したのちに前記モノマーの重合が
各部位で均一に開始されるのが望ましい。かかる方法と
しては、(罰ラジカル重合法と(ロ)光紫外線または放
射線による重合法が考えられている。
前記(罰ラジカル重合法は、特願昭61−121487
号明細書や特願昭81−211874号明細書にみられ
るように硬質ポリマーを与えるモノマーとラジカル重合
開始剤をあらかじめ混合しておき、この中へ軟質材料を
浸漬してポリマーブレンド物をうる方法がある。しかし
ながら、この方法では、ラジカル重合開始剤を添加した
と同時に逐次、重合が開始されるため、重合の開始を遅
らせる目的で比較的低温の条件下で前記モノマーが含浸
されるが、重合が開始されるのを完全におさえるのは困
難である。したがって平衡膨潤時間が短かくてもよい軟
質材料と硬質ポリマーを与えるモノマーの組合せを用い
るばあい、あるいは体積の小さい軟質材料を使用するば
あいには採用することができるが、若干の収縮率の差異
がポリマーブレンド物的で生じるのは避けることはでき
ず、経済的に良品率の高い軟質成形品をうるのには適し
ていない。また、特願昭81−211874号明細書に
は、モノマー中に軟質材料を浸漬し、平衡膨潤に達した
後に該モノマーにラジカル重合開始剤を加える方法も開
示されているが、このばあいにもラジカル重合開始剤の
浸透が律速となり、周辺部から重合が開始されるので、
前記したような問題点を依然内存している。
前記(ロ)光、紫外線または放射線による重合法は、軟
質材料を硬質ポリマーを与えるモノマー中に浸漬し、前
記モノマーを軟質材料中で完全に平衡膨潤に達せしめた
のち、光、紫外線、放射線を照射することによりはじめ
て前記モノマーの重合が開始されるという点で理想的な
重合方法であるが、かかる重合方法に使用される照射装
置は一般に高価であり、しかも使用の際には多大な電力
を有するので経済面で問題がある。
上記のように従来技術では、あらゆる軟質材料に対して
硬質ポリマーを与えるモノマーを含浸、重合し、ポリマ
ーブレンド物をうる方法において、多大の設備をかけず
に容易に均一な硬質ポリマーの分布を有するポリマーブ
レンド物をうろことができ、しかもえられたポリマーブ
レンド物に切削加工を施すことができ、さらには溶媒に
より硬質ポリマーを抽出除去した軟質材料よりなる眼用
レンズが一定した規格形状を有し、良品率が高いものは
まだえられていない。
[発明が解決しようとする問題点コ そこで本発明者らは、上記のような従来の技術の問題点
を解決しうる軟質レンズ材料から多大の設備をかけず容
易にかつ良品率の高い所望の形状を有する成形品を製造
するべく鋭意研究を重ねた結果、かかる問題点をことご
とく解決しうる軟質眼用レンズ材料の加工方法を見出し
、本発明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は軟質材料および硬質ポリマーからな
るポリマーブレンド物を所望の形状に切削加工すること
によりえられた成形物から固定化されていない硬質ポリ
マーを除去する軟質眼用レンズ材料の加工方法であって
、硬質ポリマーを与えるモノマー、ラジカル重合開始剤
、連鎖移動剤および重合禁止剤からなるモノマー溶液を
軟質材料に含浸させた後に該硬質ポリマ−を与えるモノ
マーを重合させてポリマーブレンド物をうることを特徴
とする軟質眼用レンズ材料の加工方法に関する。
[作 用コ 通常、軟質眼用レンズ材料は、常温では切削加工は困難
であるが、本発明の軟質眼用レンズ材料の加工方法によ
れば、従来の軟質材料に加えて硬質ポリマーが用いられ
ているので、冷却しないで常温で容易に所望の形状に切
削加工を施すことができ、さらに切削加工を施したのち
に該成形品の材質中に含有された固定化されていない硬
質ポリマーを除去すれば従来の軟質眼用レンズ材料と同
程度の諸性質を有する軟質眼用レンズ材料よりなる成形
品かえられるのである。
また、本発明の方法には、ラジカル重合法が採用され、
しかも重合禁止剤が用いられるため、均一な硬質ポリマ
ーの分布を有するブレンド物を容易にうろことができる
。重合禁止剤はラジカル重合開始剤より分解、生成する
活性ラジカル種を失活させ、硬質ポリマーを与えるモノ
マーの重合の開始をなくする能力(以下、この能力を禁
止能力という)を有するものである。ラジカル重合開始
剤から9活性ラジ力ル種の発生は統計的なものであり、
重合禁止剤は逐次分解され生成する活性種をそのっど失
活させるのでその間の該モノマーの重合はほとんど開始
されない。重合禁止剤による活性ラジカル種の失活は一
種の化学反応であり、この反応は不可逆的である。した
がって失活作用に関与した重合禁止剤はその禁止能力を
再生せず、活性ラジカル種が失活するにつれて禁止剤濃
度は減じていくことになる。そこで、系内に存在する所
定量の重合禁止剤が消費されるとそののちに生じる活性
種はそこではじめて該モノマーの重合を開始させる。し
たがってこのような重合系においてはモノマーの重合が
ほとんど開始されない一定の誘導期間を設けることがで
き、その間に軟質材料を該モノマー中に完全に平衡膨潤
状態に達せしめることができるのである。そのため、モ
ノマーの重合が各部位で非常に均一に開始される。
したがって、本発明の方法によってえられたポリマーブ
レンド物は硬質ポリマーの分布が非常に均一であり、し
かも該ポリマーブレンド物を用いてえられた軟質成形品
は一定の規格形状を有し、良品率が高いのである。
[実施例] 本発明に用いられる軟質材料としてはたとえば共有結合
あるいはイオン結合などの化学的結合による架橋構造を
有し、かつかかる結合が本発明で用いられる溶媒、モノ
マーなどによって崩壊しない性質を有するものが使用さ
れるが、ここで使用する軟質材料とは、水あるいは他の
溶媒類、で膨潤していない状態で通常の環境・雰囲気下
での切削加工などの機械的な加工を施すことが困難ある
いは不可能であるようなものをいう。軟質材料のガラス
転移温度が40℃よりも高いばあい、水あるいは他の溶
媒類で膨潤していない状態では通常の環境・雰囲気下で
は硬く、切削加工などの機械的な加工を施すことが可能
となるので、該ガラス転移温度は40’C以下、とくに
30℃以下であるのが好ましい。
前記軟質材料を与えるモノマーの具体例としては、たと
えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソブチルアクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ
)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、
n−テトラデシル(メタ)アクリレート、シクロへキシ
ルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3
−エトキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチル
アクリレート、3−メトキシプロピルアクリレートなど
のアルキル、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート
類、メチルチオエチルアクリレート、エチルチオエチル
アクリレートなどのアルキルチオアルキルアクリレート
類、オルガノシロキシシリルアルキル(メタ)アクリレ
ート類、フルオロアルキル(メタ)アクリレート類など
の(メタ)アクリルエステル類:4−ドデシルスチレン
、4−へキシルスチレン、4−ノニルスチレン、4−オ
クチルスチレンなどのアルキルスチレン類、オルガノシ
ロキシシリル(アルキル)スチレン類、フルオロアルキ
ルスチレン類などのスチレン類;酢酸ビニル、酢酸シク
ロペンチルなどのビニルエステル類;クロロブレン、イ
ソプレン、ブタジェンなどのジエン類;エチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類
などの軟質材料を与えるモノマーなどがあげられるが、
これらのモノマーは単独で用いてもよく、また2種以上
を併用してもよい。
これらの軟質材料を与えるモノマーは他のモノマーと共
重合させてもよい。
前記他のモノマーとしては、たとえば親水性を付与せし
めるばあいには、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ
)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;2−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ブチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートなどの(アルキル)アミ
ノアルキル(メタ)アクリレート;N、N−ジメチル(
メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ポリグリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニ
ルピロリドン、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、
マレイン酸、アミノスチレン、ヒドロキシスチレンなど
が、また酸素透過性を付与せしめるばあいには、たとえ
ばトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ
)アクリレートなどのオルガノシロキシシリルアルキル
(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(
メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アク
リレートなどのフルオロアルキル(メタ)アクリレート
類などがあげられる。
また、これらの他のモノマー以外にさらに他の機能を付
与せしめるばあいには、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、クロロ酢酸ビニル、2−クロロエチルビニルエーテ
ルなどを用いてもよい。
前記他のモノマーは前記軟質材料を与えるモノマー10
0モル部に対して0.1〜100モル部、なかんづ<1
0〜50モル部添加して用いられる。
また軟質材料の硬度を調節する際には、たとえばメチル
メタクリレート、(−ブチルメタクリレート、スチレン
、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、(メタ)
アクリロニトリル、ビニルトルエン類などを前記軟質材
料を与えるモノマー100モル部に対して0.1〜10
0モル部、なかんづ<10〜100モル部添加される。
これら他のモノマーは必要に応じて前記軟質材料を与え
るモノマーに対して1種または2種以上を併用してもよ
い。
なお、これらの軟質材料を与えるモノマーあるいはそれ
らと他のモノマーよりなる混合物には必要に応じて架橋
剤が添加され架橋される。
前記架橋剤の具体例としては、たとえばエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、1.4−ブチレング
リコールジメタクリレート、l、3−ブチレングリコー
ルジメタクリレート、アリールジグリコールカーボネー
ト、トリアリールシアヌレート、ジアリールフタレート
、N、N’−メチレンビスアクリルアミド、N、N’−
メチレンビスメタクリルアミド、ジビニルベンゼンなど
があげられる。
前記架橋剤は、通常軟質材料を与えるモノマーあるいは
それらと他のモノマーよりなる混合物100モル部に対
して0.1〜10モル部、なかんづ<0.5〜4モル部
添加して用いられる。
また軟質材料には前記軟質材料を与えるモノマーあるい
はそれらと他のモノマー類よりなる軟質材料以外にもた
とえばポリエチレン、ポリイソブチレン、天然ゴム、乳
化重合スチレン・ブタジェンゴム、溶液重合スチレン・
ブタジェンゴム、フッ素ゴムなどのような材料を適当な
架橋剤または適当な架橋方法で架橋したポリマーを用い
ることもできる。
前記適当な架橋方法としては、たとえばイオウ、有機過
酸化物、放射線などを用いて架橋する方法などがあげら
れる。
たとえばn−ブチルアクリレート、2−クロロエチルビ
ニルエーテルよりなるコポリマーはイオウで架橋するこ
とが可能であり、このように架橋されたものをも本発明
においては使用することができる。
またさらには上記のほかに両末端ビニルポリジメチルシ
ロキサンとポリメチルヒドロシロキサンとの付加反応な
どによりえられるシリコーンラバーあるいはポリウレタ
ンなどを用いてもよい。
本発明に用いられる硬質ポリマーとしては架橋構造を含
まず、また架橋構造を形成しない線状重合体であって、
そのガラス転移温度が低くとも60℃、好ましくは90
℃以上である、室温下、通常の環境雰囲気下で充分な切
削加工性をポリマーブレンド物に付与する程度の硬度を
与えるような重合体を使用しつるが、本発明においては
重合禁止剤を用いたラジカル重合法が採用されるという
観点から、たとえばポリメチルメタクリレート、ポリt
−ブチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリα−メチ
ルスチレン、ポリt−ブチルスチレン、ポリメタクリル
酸およびこの塩類、ポリアクリルアミド、ポリ (メタ
)アクリロニトリル、ポリ2−クロロスチレン、ポリ3
−クロロスチレンなどのビニル系重合体などを用いるの
が好ましい。なお、これらのポリマーは単独で用いても
よく、また2種以上を混合して用いてもよい。
つぎに前記軟質材料中に硬質ポリマーを与えるモノマー
を含浸し重合することによりポリマーブレンド物かえら
れる。
前記軟質材料および硬質ポリマーのポリマーブレンド物
中に占める割合は、目的とするレンズ材料の硬度によっ
て異なるので一概に決定することはできないが、軟質材
料は20〜60%(重量%、以下同様)、硬質ポリマー
は80〜40%の範囲で含有されるのが好ましい。
まずポリマーブレンド物の作製方法について説明する。
軟質材料に硬質ポリマーを与えるモノマーを含浸させた
後に該モノマーを重合させることによりポリマーブレン
ド物を作製する方法において、軟質材料は架橋剤などで
架橋され、三次元不溶化されていることが必要である。
かかる架橋は、たとえば共有結合あるいはイオン結合な
どの化学的結合でなされているが、一連の工程で破壊さ
れていないことが必要である。
硬質ポリマーを与えるモノマーとしては軟質材料を膨潤
させる能力を有するもののなかでも重合後、原則的には
架橋構造を含まない線状重合体を形成するものがえらば
れる。前記硬質ポリマーを与えるモノマーとしては、メ
チルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、スチ
レン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、メタ
クリル酸およびこの塩類、ア〉リルアミド、(メタ)ア
クリロニトリル、2−クロロスチレン、3−クロロスチ
レンなどがあげられる。
軟質材料としてたとえばポリアクリレートエステルから
なるものを用いるばあいには、硬質ポリマーを与えるモ
ノマーとしては、たとえばメチルメタクリレート、t−
ブチルメタクリレートなどが好ましく用いられるが、本
発明においてはこれらのみに限定されず、他のものをも
使用することができる。
軟質材料に硬質ポリマーを与えるモノマーを含浸させた
後に該モノマーを重合させる方法としては、本発明にお
いては、重合禁止剤を用いることができ、しかも多大な
設備をかけずに常温、常圧下で重合することができると
いう観点から、ラジカル重合開始剤を用いたラジカル重
合法が採用される。
しかしながら、ラジカル重合法によりモノマーを重合す
るばあいには、重合開始剤ラジカルあるいは成長ラジカ
ルが軟質材料に連鎖移動するような副反応が発生したば
あい、硬質ポリマーと軟質材料とのあいだで化学的な結
合が形成され、後に溶媒を用いて硬質ポリマーを抽出す
る際には該硬質ポリマーが完全には抽出することができ
ずに残存することとなり、所望の形状あるいは弾性を有
する眼用レンズをうることができないことがある。
そこでかかる副反応が発生するのを抑制するために前記
モノマー中に連鎖移動剤あるいは連鎖移動しやすい化合
物を混合しておくのが望ましい。
前記連鎖移動剤あるいは連鎖移動しやすい化合物として
は、たとえばn−ブチルメルカプタン、ドデシルメルカ
プタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類;テト
ラアルキルチウラムジスルフィド、キサントゲン酸ジス
ルフィドなどのジスルフィド類;ジアゾチオエーテル、
2−プロパツール、クロロホルム、ブロモホルム、四塩
化炭素、四臭化炭素、アセトアルデヒド、ブチルアルデ
ヒドなどがあげられるが、これらの化合物は前記硬質ポ
リマーを与える七ツマー中で溶解あるいは乳化させて混
合するのが好ましい。前記連鎖移動剤は硬質ポリマーを
与えるモノマー100モル部に対して10モル部をこえ
ない範囲で用いるのが本発明においては好ましい。
なお、軟質材料の酸素透過性を損わずに機械的強度を大
幅に向上させた成形品をえたいばあいには、軟質材料と
任意の割合で硬質ポリマーの一部とを固定化すれば可能
であり、かかる調整は連鎖移動剤の添加量を前記範囲内
で調節することにより行なうことができる。なお、軟質
材料に固定化されていない硬質ポリマーは適当な溶媒を
用いることに容易に抽出除去される。
前記硬質ポリマーを重合せしめる際に使用される重合開
始剤としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、
2.2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル
) 、2.2’−アゾビス(4−メトキシ2.4−ジメ
チルバレロニトリル)などのアゾ系重合開始剤をはじめ
、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイドな
どの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ムなどがあげられ、かかる重合開始剤は通常該モノマー
100モル部に対して0.01〜0.5モル部の範囲内
で使用される。
本発明においては、前記重合開始剤および連鎖移動剤と
ともに重合禁止剤が用いられる。前記重合禁1ヒ剤はラ
ジカル重合開始剤より分解、生成する活性ラジカル種を
失活させ、硬質ポリマーを与えるモノマーの重合開始に
関与させない役割を有するものである。したがって活性
ラジカル種を失活させる能力の高いものが望ましい。か
かる重合禁止剤の具体例としては、たとえば1.1−ジ
フェニル−2−ピクリルヒドラジル(以下、DPPII
という) 、1.3.5−トリフェニルフェルダジル(
以下、VDZという) 、2.8−ジt−ブチル−α−
(3,5−ジt−ブチルー4−オキソ−2,5−シクロ
へキサジエン−1−イリデン−p−トリルオキシ) 、
2.2.6.8−テトラメチル−4−ピペリドン −1
−オキシル、N−(3−N−オキシアニリノ −1,3
−ジメチルブチリデン)−アニリンオキシドなどがあげ
られる。これらのなかでも容易に入手しうるという観点
からD P P IIとVDZがとくに好ましく用いら
れる。前記重合禁止剤の添加量は用いる軟質材料、硬質
ポリマーを与えるモノマー、ラジカル重合開始剤や連鎖
移動剤の種類およびその使用量によって異なるので一部
に決定することはできないが、重合禁止剤の濃度がラジ
カル重合開始剤の濃度よりも大きいばあい、系内に存在
するラジカル重合開始剤によって分解、生成する活性ラ
ジカル種のすべてが重合禁1に剤により失活されてモノ
マーの重合を開始させることが不可能となり、硬質ポリ
マーが生成されなくなるので好ましくない。たとえば直
径14〜15mm、長さ1Ocs程度の大きさの軟質材
料を使用するばあいには該七ツマー中に軟質材料を浸漬
してからおよそ2〜4日間で平衡膨潤状態に達するので
、このような誘導期間が設けられるように重合禁止剤の
添加量を調節するのが望ましい。−般には重合禁止剤の
使用量はラジカル重合開始剤1当二に対して0.015
〜0.05当量の範囲内で使用されるのが好ましい。該
重合禁止剤の使用量は0.015当量よりも少ないばあ
い、重合が開始されない誘導期間が充分でなくなり、膨
潤の途中で重合が開始され、また0、05当量よりも多
いと誘導期間が長くなり、ポリマーブレンド物を作製す
るのに膨大な時間がかかり経済的でないので好ましくな
い。したがって重合禁止剤の使用量は軟質材料が完全に
平衡膨潤に達するまでの時間をあらかじめ調べておき、
その時間に等しい誘導期間が与えられるようにあらかじ
め調整しておくのが好ましい。また、前記重合禁止剤の
なかには、連鎖移動剤によって該重合禁止剤がラジカル
重合開始剤を失活させるよりもはやく禁止能力が破壊さ
れるものがあるので、重合禁止剤の種類に応じて連鎖移
動剤を組み合わせて用いるのが好ましい。たとえば、前
記D P P I+の禁止能力はメルカプタンのような
連鎖移動剤により破壊されるので、他の連鎖移動剤、た
とえば四臭化炭素などを用いるのが好ましい。
これらラジカル重合開始剤、連鎖移動剤および重合禁止
剤は硬質モノマーを与えるモノマー中に軟質材料を浸漬
する前に該モノマー中にあらかじめ溶解あるいは乳化さ
せて均一に混合しておくのが望ましい。
また重合の際には、軟質材料の膨潤度を調節する目的で
不活性な溶媒類を適量混合してもよい。かかる不活性な
溶媒類としては、たとえばベンゼン、ジメチルスルホキ
シドなどがあげられ、これらの不活性な溶媒類は、硬質
ポリマーを与える七ツマー100ii部に対して30重
量部をこえない範囲で用いるのが好ましい。
なお、前記軟質材料および硬質ポリマーは相溶性を呈す
るものをえらんで用いるのが好ましいが、良好な相溶性
を呈さないものを組合せて用いるばあいには、相溶性を
向上させる目的で相溶化剤を前記硬質ポリマーを与える
モノマー中に軟質材料を浸漬するまえに該七ツマー中に
溶解させるかあるいは乳化して混合させるのが好ましい
本発明に使用しうる相溶化剤としては、たとえば軟質材
料もしくはそれと良好な相溶性を示す重合体成分を1成
分に持ち、そして硬質ポリマーもしくはそれと良好な相
溶性を示す重合体成分を1成分にもつようなブロックあ
るいはグラフト共重合体などがあげられる。これらの相
溶化剤は、ポリマーブレンド物100重量部に対して通
常1〜IQ重量部添加して用いられる。たとえばシリコ
ーン軟質材料をスチレンで硬化させるようなばあいには
、相溶性がわるく好ましいポリマーブレンド物をうろこ
とはできないが、相溶化剤としてたとえばポリ(スチレ
ン−b−ジメチルシロキサン)のブロック共重合体ある
いはポリ(スチレン−g−ジメチルシロキサン)のグラ
フト共重合体などを混合するのが好ましい。
上記のようにして重合硬化後、えられたポリマーブレン
ド物を通常の環境・雰囲気中で切削加工し、さらに必要
に応じて研磨加工を施すことによりポリマーブレンド物
の成形物かえられる。
ポリマーブレンド物の成形物は、軟質材料中に硬質ポリ
マーが含有され、軟質°材料が膨潤された状態で硬化さ
れたものであり、後で詳述する固定化されていない硬質
ポリマーを除去した際に収縮するので、あらかじめ成形
物の膨潤度を求め、その膨潤度にしたがって成形物を所
望の寸法、形状に切削加工を施すのが好ましい。
つぎに軟質材料中に含有された固定化されてイナい硬質
ポリマーを除去するために前記切削加工された成形物は
、適当な溶媒に浸漬される。
前記適当な溶媒とは、固定化されていない硬質ポリマー
あるいは残存している開始剤、連鎖移動剤などを溶解さ
せるとともに軟質材料を膨潤させる能力を有するもので
ある。かかる溶媒の具体例としては、たとえばクロロホ
ルム、塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル
などがあげられるが、本発明においては、上記例示した
溶媒のみならず他の溶媒をも使用することができる。
つぎに成形物から固定化されていない硬質ポリマーを充
分に除去したのち、該成形物を乾燥させることにより所
望の形状を有する眼用レンズが形成される。
つぎに本発明の軟質眼用レンズ材料の加工方法を実施例
に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限
定されるものではない。
実施例1 n−ブチルアクリレート98.1部(重量部、以下同様
)、エチレングリコールジメタクリレート1.8部、2
,2°−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.1部よりなる混合物を脱気し、チッ素置換したのち
、内径1564闘の円筒状のガラス容器に注入し、さら
にチッ素ガスをこのガラス容器に送入し、ついで該ガラ
ス容器の開口部に栓を設け、30℃で48時間、ついで
徐々に昇温し50℃で5時間、80℃で3時間、100
℃で2時間かけて重合して軟質材料をえた。えられた軟
質材料は室温中で弾力性に富み、透明なものであった。
つぎにメチルメタクリレ−) 97.654部、四臭化
炭素2.072部および2.2゛−アゾビス(イソブチ
ロニトリル’)  0.257部および1.1−ジフェ
ニル−2−ビクリルヒドラジル0.017部を均一に混
合せしめた溶液を脱気し、チッ素置換させ、内径25.
4+mの円筒状ガラス容器に注入したのち、上記でえら
れた円柱形状の軟質材料を長さが11cn+となるよう
に切り出した円柱形状物20部を溶液に浸漬させ、つい
でチッ素ガスを容器内に充填し、密栓をした。このとき
該混合溶液は濃紫色を呈していた。ついで該容器を30
℃の恒温水槽中に60時間放置した。そのときの溶液の
色は紫紅色を呈しており、かつ軟質材料は完全に平衡膨
潤状態に達していた。このときMMAモノマーの重合が
開始されている状態は認められなかった。その後、30
℃で3日間、ついで徐々に昇温し、40℃で24時間、
50℃で15時間、60℃で3時間、70℃で2時間、
80℃で1時間、100℃で30分間加熱して重合を完
結させた。えられたポリマーブレンド物は橙黄色を帯び
ており、わずかに白濁していた。
つぎにえられたポリマーブレンド物を室温、通常の環境
雰囲気下でコンタクトレンズ形状に切削し研磨したとこ
ろ、このポリマーブレンド物は硬いので、その切削およ
び研磨は容易であった。
えられた成形物をクロロホルム中に5日間浸漬し、膨潤
させ、硬質ポリマー成分であるポリメチルメタクリレー
トを除去し、乾燥したところ、表面が充分に研磨され、
原料であった軟質材料と同じ弾性力を有する無色透明な
コンタクトレンズかえられた。
つぎにえられたコンタクトレンズの収縮率を式: (硬質ポリマーを除去した後 (収縮11)−のコンタクトレンズの直径)X□。。(
%)(成形された当初のコンタク トレンズの直径) にしたがって測定したが、ポリマーブレンド物のどの部
分をとっても収縮率は6967%であり、一定した品質
を有するものであった。
なお、えられたコンタクトレンズの加工性、収縮率の均
一性、硬質ポリマーの除去性を下記方法に基づいて調べ
た。その結果を第1表に示す。
(加工性) ポリマーブレンド物を切削し研磨するときの作業性を調
べた。
○:加工性が良好 X:中心部の加工性がわるい。
(収縮率の均一性) ポリマーブレンド物の上部、中部、下部からえられたコ
ンタクトレンズの収縮率を測定し、これらの収縮率の差
を求めた。
◎:収縮率の差が± 0.2%以内にあるとき。
O:収縮率の差が± 0.3%以内にあるとき。
Δ:収縮率の差が±0.5%以内にあるとき。
X:収縮率の差が±0.5%をこえるとき。
(硬質ポリマーの除去性) ポリマーブレンド物から硬質ポリマーを除去したときの
外観を目視により観察した。
O:破損がなく、きわめて良好。
△:周辺部で破損箇所がみられる。
×:破損箇所が多い。
比較例1 実施例1で用いた1、1−ジフェニル−2−ピクリルヒ
ドラジルを除いたほかは実施例1と同様にしてポリマー
ブレンド物を作製し、ついでコンタクトレンズ形状に加
工を施したところ、切削加工性および研磨性はいずれも
良好であった。
しかしながら、硬質ポリマーを除去してえられたコンタ
クトレンズの収縮率はポリマーブレンド物の上部、中部
、下部でそれぞれ69.6%、70.4%、69.4%
であり、バラツキがみられ、好ましいものではなかった
実施例2〜5 軟質材料の原料モノマーならびに連鎖移動剤、重合禁止
剤および硬質ポリマーの抽出溶媒の種類を第1表に示す
ように変更したほかは、実施例1と同様の操作を行ない
、ポリマーブレンド物をつくり、ついでコンタクトレン
ズに加工した。そのときの加工性、収縮率の均一性およ
び硬質ポリマーを除去する際の除去性について調べた。
その結果を第1表に示す。なお、重合禁止剤としてVD
Zを用いたばあいには系内の色は誘導期間中では緑色で
、重合が進行するにつれ薄くなり、最終的には淡黄色と
なった。
比較例2〜5 実施例2〜5において重合禁止剤を使用しなかったほか
は、実施例2〜5と同様の操作を行ない、ポリマーブレ
ンド物をつくり、ついでコンタクトレンズに加工した。
そのときの加工性、収縮率の均一性および硬質ポリマー
を除去する際の除去性について調べた。その結果を第1
表に示す。
[以下余白コ [発明の効果] 以上説明したように本発明の加工方法によれば通常不可
能であった軟質材料の切削加工を多大な設備やコストを
要せず、容品に精度よく一定の規格形状、高い良品率を
有するように作製することができる。
また、非常に小さい成形品をえたいばあいなど、膨潤し
た大きさの状態で加工できるので精度よく行なうことが
可能である。
また、たとえば、コンタクトレンズ分野において通常ハ
ードコンタクトレンズの原料として知られているポリメ
チルメタクリレートなどのプラスチックを切削加工する
とき、プラスチック特有の脆さのために加工する際に材
料が欠けたり、割れたりすることがあるが、本発明より
えられるブレンド物は軟質材料で補強されたプラスチッ
クとしての性質をも兼備しているので、すぐれた耐衝撃
性を有しておりプラスチック特有の脆さを解消すること
も可能である。そのため切削加工時における欠けや割れ
などの発生がない。また、他の分野において均一なポリ
マーブレンド物を用いることが必要なばあいにも本発明
によりえられるブレンド物を好ましく適用することがで
きる。
さらには本発明の加工方法によれば、コンタクトレンズ
分野で知られている中央ハード、周辺ソフトの複合型コ
ンタクトレンズを容易に加工することもできる。
特許出願人  トーメー産業株式会社

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 軟質材料および硬質ポリマーからなるポリマーブレ
    ンド物を所望の形状に切削加工することによりえられた
    成形物から固定化されていない硬質ポリマーを除去する
    軟質眼用レンズ材料の加工方法であって、硬質ポリマー
    を与えるモノマー、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤お
    よび重合禁止剤からなるモノマー溶液を軟質材料に含浸
    させた後に該硬質ポリマーを与えるモノマーを重合させ
    てポリマーブレンド物をうることを特徴とする軟質眼用
    レンズ材料の加工方法。
JP27720887A 1987-10-30 1987-10-30 軟質眼用レンズ材料の加工方法 Expired - Lifetime JPH0730190B2 (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0622990U (ja) * 1992-07-07 1994-03-25 株式会社精工舎 時計機械体
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