JPH0111812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は洗浄タンクを便器本体後部に固定す
るための接続構造に関する。

（従来の技術及び考案が解決しようとする課題） この種密結式便器における洗浄タンクと便器本
体との接続構造は、従来、タンク底部に接続のた
めのボルトを挿入する孔を複数個形成し、該孔に
合致する孔を便器本体のタンク載置部に形成し、
タンク内部より上記両方に孔が合致した状態でボ
ルトを挿入し、便器本体の孔の裏面よりナツトで
ボルト先端を受け螺合固定するものであつた。従
つて、ボルト締め作業はタンク内から行わなけれ
ばならず手間のかかる作業であるとともに、水を
貯溜するためのタンク底部に孔を複数個開穿する
ため、該孔より漏水事故も少なくなく、また漏水
事故を防ぐためボルトを締め過ぎると、陶器によ
り形成されたタンクが破損することがあつた。

（課題を解決するための手段） 本考案はこのような課題を解決するためになさ
れたものであり、その要旨は、洗浄タンク内部に
配されるフロート弁座の裏面側に中空円筒状且つ
外周に雄ねじ部を有する螺合部を下向きに突出形
成する一方、便器本体後部のタンク載置部に形成
した洗浄水流入穴部の周壁部に複数の係止部を一
体的に設け、該係止部への係止端部と中央部に洗
浄水通過孔を有し且つその周壁部に雌ねじ部が刻
設された螺合部とを有する取付部材を該係止部に
係止した状態において、前記フロート弁座の螺合
部を該洗浄タンクの底部の排出孔より便器本体側
に突出させて前記取付部材の螺合部に嵌め合せ、
該フロート弁座の裏面が該タンクの底部に着座す
るまで該フロート弁座の螺合部をねじ込むことに
より、便器と洗浄タンクとを密着状態に固定する
ようにしたことにある。

（作用） 本考案によれば、洗浄タンク内部に挿入したフ
ロート弁座を回転させて、裏面側に突出形成した
螺合部を取付部材の螺合部にねじ込むだけで洗浄
タンクを便器本体に固定できるから、作業は極め
て簡単であり、また両者を固定するために用いる
孔はタンクの排出孔であつて別途の固定用孔を設
ける必要がないから、それらの孔における漏水の
問題も解決される。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説
明する。

第１図及び第２図において、１は密結式便器Ａ
における便器本体で、後方部にタンク載置部２が
形成されている。タンク載置部２には洗浄水流入
穴部２０が形成されており、洗浄タンクＢからの
洗浄水がこの流入穴部２０の内部に流入し、そし
て流入孔１６を経てリム通水路１７へと導かれる
ようになつている。

流入穴部２０の周壁部には、断面コ字形状又は
矩形状の係合凹所２１を有する複数の係止部４，
４が一体的に形成されており、ここに取付部材８
が係止させられるようになつている。取付部材８
は、係止端部５と、中央部に円筒形状の螺合部２
２とを有している。そして螺合部２２の中空穴部
は洗浄水の通過孔６とされている。また上部の内
周壁部には雌ねじ部７が刻設されている。

一方洗浄タンクＢの内部には、フロート弁座１
１が配されている。フロート弁座１１の裏面１２
はタンク底部９に着座させられるようになつてお
り、またその裏面側には、外周部に雄ねじ部１３
が刻設された円筒形状の螺合部１４が下向きに突
出形成されている。

而してこのような本例の接続構造においては、
取付部材８を係止部４に係止させ、且つ便器Ａと
洗浄タンクＢとの間にパツキン１５を介在させた
状態において、フロート弁座１１の螺合部１４を
タンク底部９の排出孔１０に挿入して取付部材８
の螺合部２２に嵌め込み、裏面１２がタンク底部
９に着座するまでフロート弁座１１を回してねじ
込むと、その締付力により便器Ａと洗浄タンクＢ
とがパツキン１５を介して互いに密着状態に固定
される。

このように本例の接続構造によれば、便器Ａと
洗浄タンクＢとの接続作業が簡単であり、またボ
ルト、ナツトによる固定と異なつて、ボルト穴部
から洗浄タンク内の洗浄水が漏出したり、ボルト
の締付け過ぎによるタンクの破損等の問題も生じ
ない。

尚上例では、係止部４の一方が上方、側方、下
方への係止壁を有する構造となつていて、取付部
材８の仮支持が可能である。

また上例では係止部４が互いに対向位置に形成
されているが、係止部４の形成位置はこれに限定
されるものではなく、他の位置に形成することも
可能である。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案によれば洗浄タン
クと便器との接続作業を極めて簡単に為し得ると
ともに、漏水事故がなくなる等の効果が生ずる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであり、第１
図は便器本体のタンク載置部の斜視図であり、第
２図はタンクと便器との接続構造を示す部分断面
図である。 Ａ……便器、Ｂ……タンク、１……便器本体、
２……載置部、４……係止部、５……係止端部、
６……通過孔、７……雌ねじ部、８……取付部
材、９……タンク底部、１０……排出孔、１１…
…フロート弁座、１３……雄ねじ部、１４，２２
……螺合部、２０……流入穴部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗浄タンク内部に配されるフロート弁座の裏面
   側に中空円筒状且つ外周に雄ねじ部を有する螺合
   部を下向きに突出形成する一方、便器本体後部の
   タンク載置部に形成した洗浄水流入穴部の周壁部
   に複数の係止部を一体的に設け、該係止部への係
   止端部と中央部に洗浄水通過孔を有し且つその周
   壁部に雌ねじ部が刻設された螺合部とを有する取
   付部材を該係止部に係止した状態において、前記
   フロート弁座の螺合部を該洗浄タンクの底部の排
   出孔より便器本体側に突出させて前記取付部材の
   螺合部に嵌め合せ、該フロート弁座の裏面が該タ
   ンクの底部に着座するまで該フロート弁座の螺合
   部をねじ込むことにより、便器と洗浄タンクとを
   密着状態に固定するようにしたことを特徴とする
   洗浄タンクと便器との接続構造。