JPH0111525Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、車両用空気調和装置のユニツトケー
スの連結構造に関する。

（従来の技術） 最近の車両用空気調和装置は、車室内空間を確
保するために一部のユニツトをエンジンルームに
設置しているものがある。

例えば、第１図に示すものは、エンジンルーム
Ｅと車室Ｒとを仕切るダツシユパネル１をはさん
で、クーリングユニツト２をエンジンルームＥ側
に、ヒータユニツト３を車室Ｒ側に配置し、この
両ユニツト２，３を、前記ダツシユパネル１に設
けた開口４を挿通した連通管５によつて連結して
いる（実開昭57−12309号公報）。

そして、前記クーリングユニツト２のケース６
は、鋼板または耐熱性の合成樹脂板からなり、上
ケース６ａと下ケース６ｂをいわば菓子の最中の
皮を合せるように組合せている。（以下最中合せ
と称する）。

なお、図中、７は断熱材、８はフード、９はカ
ウルトツプ、１０はダツシユアツパーパネル、１
１はフロントガラス、１２はインストルメントパ
ネル、１３はドレンホース、１４はエンジンであ
る。

さらに詳述すれば、従来のクーリングユニツト
ケース６は、第２図に示すように上ケース６ａと
下ケース６ｂとを有し、車両組立上の問題から、
エンジンルームＥ内に下ケース６ｂを設置した後
に、この下ケース６ｂの上に上ケース６ａを載置
し、ビス１５を用いて両ケース６ａ，６ｂを連結
する構造になつている。

（考案が解決しようとする課題） ところが、このユニツトケース６を設置するエ
ンジンルームＥには、エンジン１４をはじめ多数
の部品が詰納されているので、このユニツトケー
ス６とエンジン１４との〓間Ｓは狭小になり、前
述したビス１５を側方より締付けることは、きわ
めて行いにくいのが実情である。

本考案は、このような従来の欠点に着目してな
されたもので、ユニツトケースと周辺部材との間
に〓間が小さくても上ケースと下ケースとの連結
は確実かつ簡単に行うことができるようにした車
両用空気調和装置のユニツトケース連結構造を提
供するものとを目的とする。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案は、上ケース
と下ケースとを最中合せにすることにより構成し
てなる車両用空気調和装置のユニツトケースにお
いて、上ケースに固着した第１支持部材と、下ケ
ースに固着した第２支持部材と、この両支持部材
を連結するもので、一端部にはいずれか一方の支
持部材に係合する係合部を、他端部には他方の支
持部材と連結するボルトが螺合するねじ部を形成
した連結部材とを有し、前記ボルトを上方より締
付けるようにしたことを特徴とする車両用空気調
和装置のユニツトケース連結構造である。

（作用） このようにすれば、第１支持部材及び第２支持
部材部材が固着された上ケースと下ケースとをエ
ンジンルーム等の狭少なスペース内で最中合せ
し、一方の支持部材に連結部材の一端を係合さ
せ、他端を他方の支持部材との間で所定のクリア
ランスが生じるようにした状態で、このクリアラ
ンスを狭めるようにボルトにより前記他方の支持
部材と連結部材とを連結すれば、上ケースと下ケ
ースとを確実に連結することができ、この締付作
業も作業の簡単な上方からの締付方式となる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面につき詳細に説
明する。

第３図は、本考案の一例を示すクーリングユニ
ツトの縦断面図であり、第１，２図に示す部材と
同一部材には同一符号を付してある。

このクーリングユニツト２０の締付具Ｍは、ク
ーリングユニツトケース６の上ケース６ａに固着
した第１支持部材２１と、下ケース６ｂに固着し
た第２支持部材部材２２と、この両支持部材２
１，２２間に連結部材２３とからなつている。

前記第１支持部材２１は、第４図に示すよう
に、上ケース６ａに固着する立片２４と、この立
片２４より水平方向に突出する突片２５とを有
し、この立片２４には後述のボルト３２が挿通す
る通孔２６が開設されている。

第２支持部材２２は、下ケース６ｂに固着する
立片２７と、この立片２７より上方に向つて伸延
する勾状片２８とからなつている。

前記連結部材２３は、下端部に前記勾状片２８
と係合する係合孔２９を有し、上端部に前記突片
２５と対設する突片３０を形成したもので、この
突片３０には前記通孔２６と同芯的にねじ孔３１
が設けられている。

このねじ孔３１には、前記第１支持部材２１の
通孔２６を挿通したボルト３２が螺合するように
なつており、このボルト３２を上方より六角スパ
ナ等を用いて締付ければ、上ケース６ａと下ケー
ス６ｂとを確実に連結することができるようにし
ている。

次に作用を説明する。

それぞれ第１支持部材２１及び第２支持部材部
材２２が固着されたクーリングユニツト２０をエ
ンジンルームＥに設置した後に最中合せする。

この状態で、第２支持部材２２の勾状片２８
に、前記連結部材２３の係合孔２９を嵌合すると
ともに連結部材２３の突片３０と第１支持部材２
１の立片２４との間には所定のクリアランスｃが
生じるようにしておく。

そして、前記立片２４の通孔２６に上方からボ
ルト３２を挿通するとともにこのボルト３２の下
端を突片３０のねじ孔３１に螺合し、六角スパナ
等を用いて締付ける。

この締付けにより前記クリアランスｃが狭めら
れ、両ケース６ａ，６ｂ相互に〓間が生じないよ
うに締付けられる。

したがつて、狭少なスペースでも前記ボルト３
２は、簡単に回すことができ、上ケース６ａと下
ケース６ｂとを確実に連結することができること
になる。

第５図は、本考案の他の実施例を示すもので、
それぞれ締付け後の状態を示している。

左端に示す締付具M₁は、第４図に示す締付具
Ｍの連結部材２３の係合孔２９が上方位置に、突
片３０が下方位置になるように配置したものであ
るが、締付は六角スパナ等を上方よりボルト３２
に係合して行なうようになつている。

このようにすれば、ボルト３２の位置を両ケー
ス６ａ，６ｂの接合面より下方にできる。

また、図の中央に示す締付具M₂は、中間の連
結部材２３を長尺なものにし、第１支持部材２１
をクーリングユニツトケース６の最上部に位置さ
せ、締付作業を容易にしたものである。

図の右端に示す締付具M₃は、中間の連結部材
２３を折曲させ、第１支持部材２１の位置が第２
支持部材２２の位置から少し変位させたものであ
る。

なお、本実施例にあつては、連結部材２３の突
片３０と第１支持部材２１の立片２４との螺合し
て、上ケース６ａとを連結したとき、突片３０と
立片２４との間にクリアランスが出来ているが、
寸法誤差又は鈎状片２８等の弾性力によつては、
クリアランスが生じないこともある。

［考案の効果］ 以上の説明より明らかなように、本考案によれ
ば、両ケースを最中合せにした後のボルトの締付
け作業を上方締付けにしたため、狭小で、しかも
各種部品が詰納されたエンジンルーム内であつて
も、容易に上ケースと下ケースの連結を迅速かつ
確実にでき、また第１支持部材と第２支持部材と
を中間連結部材を介して連結するようにしたた
め、ボルトの締付位置を最も作業し易い所に適宜
調整することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の車両用空気調和装置のユニツ
トケースを示す断面図、第２図は同ユニツトケー
スの斜視図、第３図は本考案の一実施例を示す要
部拡大断面図、第４図は同実施例に用いる締付具
の斜視図、第５図は本考案の種々の変形例を一括
して示す側面図である。 ６……ユニツトケース、６ａ……上ケース、６
ｂ……下ケース、２０……クーリングユニツト、
２１……第１支持部材、２２……第２支持部材、
２３……連結部材、２９……係合用の通孔、３１
……ねじ孔、３２……ボルト、ｃ……クリアラン
ス、Ｒ……車室、Ｅ……エンジンルーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上ケース６ａと下ケース６ｂとを最中合せにす
   ることにより構成してなる車両用空気調和装置の
   ユニツトケースにおいて、 上ケース６ａに固着した第１支持部材２１と、 下ケース６ｂに固着した第２支持部材２２と、 この両支持部材２１，２２を連結するもので、
   一端部には前記両支持部材の内いずれか一方の支
   持部材に係合する係合部２９を、他端部には他方
   の支持部材と連結するボルト３２が螺合するねじ
   部３１を形成した連結部材２３とを有し、 この連結部材２３と前記他方の支持部材との間
   に形成した所定のクリアランスｃを狭めるように
   前記ボルト３２を上方より締付けるようにしたこ
   とを特徴とする車両用空気中和装置のユニツトケ
   ース連結構造。