JP7846510B2 - 繊維用抗ウイルス剤組成物 - Google Patents
繊維用抗ウイルス剤組成物Info
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Description
新型コロナウイルスなどが衣類に付着した場合、抗ウイルス加工を行っていない衣類などの繊維製品に付着したウイルスは通常数時間~3日間生存し、その間、ウイルスの脅威に曝される。このことからウイルスを減少させる効果のある抗ウイルス剤を繊維製品に付与することが望まれている。
この「抗ウイルス加工」を商業洗濯規模で実施する手段としては、労働力不足や安全性の面から、抗ウイルス剤を自動投入器から洗濯機の槽内に添加して処理することが多い。
また、特許文献2には、ジアルキルジメチルアンモニウム塩及びアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩から選ばれる1種以上の第4級アンモニウム塩を0.05vol%以上、0.5vol%以下で含有し、ベンジルアルコールを0.5vol%以上、2vol%以下で含有する抗ウイルス剤組成物が開示されている。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
第4級アンモニウム塩Aは、
R1が炭素数10~16のアルキル基、または炭素数10~16のアルケニル基であり、
R2が炭素数1~16のアルキル基、または炭素数2~16のアルケニル基であり、
R3が、ベンジル基、炭素数1~3のアルキル基あるいは炭素数1~4のアルキル基を有するベンジル基、グリシジル基、または一般式(6)で表される1価の有機基であり、
R4が、ベンジル基、炭素数1~3のアルキル基あるいは炭素数1~4のアルキル基を有するベンジル基、グリシジル基、または一般式(6)で表される1価の有機基である、
前記繊維用抗ウイルス剤組成物。
R5―O―(CH2CH2O)nH (2)
(式中、nは0~2の数である。R5は、下記一般式(3)、下記一般式(4)または下記一般式(5)で表される1価の基である。)
CH3CH2CH2CH2- (3)
CH3C(OCH3)(CH3)(CH2CH2)- (4)
CH3C(CH3)2(CH2CH2)- (5)
-(AO)m-H (6)
(式中、AOは炭素数1~4の直鎖アルキレンオキシ基、または炭素数1~4の分岐アルキレンオキシ基であり、mは繰り返し単位AOの平均繰り返し数を表す1~3の数である。)
2.第4級アンモニウム塩Aは、
R1、R2が、それぞれ独立して、炭素数13~14のアルキル基、または炭素数13~14のアルケニル基であり、
R3、R4が、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基である、
上記1記載の繊維用抗ウイルス剤組成物。
3.第4級アンモニウム塩Aは、
R1、R2が、それぞれ独立して、炭素数10~12のアルキル基、または炭素数10~12のアルケニル基であり、
R3、R4が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、または一般式(6)で表される1価の有機基である、
上記1記載の繊維用抗ウイルス剤組成物。
-(AO)m-H (6)
(式中、AOは炭素数1~4の直鎖アルキレンオキシ基、または炭素数1~4の分岐アルキレンオキシ基であり、mは繰り返し単位AOの平均繰り返し数を表す1~3の数である。)
4.上記1~3の何れかに記載の繊維用抗ウイルス剤組成物を用いて繊維素材を処理する、繊維の抗ウイルス化処理方法。
本発明の繊維用抗ウイルス剤組成物は、一般式(1)で表される化合物第4級アンモニウム塩Aと、一般式(2)で表される化合物水溶性溶剤Bと、水とを含有する。
・本発明の繊維用抗ウイルス剤組成物は、低温での高粘度化、分離、沈殿等が生じず保管安定性に優れることから、洗濯機に装備された自動投入器を用いた自動投入が可能であり、繊維への抗ウイルス剤の付着量にばらつきが少なく、安定した抗ウイルス性を付与することができる。
本発明の繊維用抗ウイルス剤組成物が処理対象とする繊維素材としては、特に限定はないが、綿、麻、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ウール、シルク、レーヨン、アセテート、ポリウレタン等が挙げられる。
上記の中でも、水系処理で繊維が受けるダメージを少なくする観点からは、綿、麻、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタンが好ましく、綿、ポリエステルがより好ましい。
一般的にポリエステル繊維は抗ウイルス効果が出にくいとされているが、本発明の繊維用抗ウイルス剤組成物は、ポリエステル繊維に対してさえも、優れた抗ウイルス効果を付与することができる、
第4級アンモニウム塩Aについて説明する。
第4級アンモニウム塩Aは、下記の化学式(1)に示された化学構造を有する化合物である。
第4級アンモニウム塩Aは、1種の第4級アンモニウム塩、または2種以上の第4級アンモニウム塩の混合物であってもよい。
R3、R4は、それぞれ独立して、ベンジル基、炭素数1~3のアルキル基あるいは炭素数1~4のアルキル基を有するベンジル基、グリシジル基、または一般式(6)で表される1価の有機基であることが好ましい。
-(AO)m-H (6)
(式中、AOは炭素数1~4の直鎖アルキレンオキシ基、または炭素数1~4の分岐アルキレンオキシ基であり、mは繰り返し単位AOの平均繰り返し数を表す1~3の数である。)
次に水溶性溶剤Bについて説明する。
水溶性溶剤Bは、一般式(2)で表される溶剤である。
R5―O―(CH2CH2O)nH (2)
上記の式中のR5は、下記一般式(3)、下記一般式(4)または下記一般式(5)で表わされる一価の基であり、nは0~2の数である。
CH3CH2CH2CH2- (3)
CH3C(OCH3)(CH3)(CH2CH2)- (4)
CH3C(CH3)2(CH2CH2)- (5)
上記の中でも、製品安定性の観点からは、3-メチル-3-メトキシ-ブタノール、エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノノルマルブチルエーテルが好ましく、人体への安全性やコストの観点からは、3-メチル-3-メトキシ-ブタノールがより好ましい。
次に、繊維用抗ウイルス剤組成物に含有される水について説明する。
水としては、特に限定しないが、蒸留水、イオン交換水、水道水が挙げられる。
次に繊維用抗ウイルス剤組成物の各成分の濃度について説明する。
第4級アンモニウム塩Aの濃度は、低温における粘度を低くする観点から、全繊維用抗ウイルス剤組成物中に、0.1~70質量%が好ましく、1~70質量%がより好ましく、10~60質量%がさらに好ましい。
水溶性溶剤Bの濃度は、全繊維用抗ウイルス剤組成物中に、5~89.9質量%が好ましく、10~80質量%がより好ましく、15~60質量%がさらに好ましい。
水は、全繊維用抗ウイルス剤組成物中に、10~94.9質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましく、25~65質量%がさらに好ましい。
本発明の繊維用抗ウイルス剤組成物を用いて繊維素材を抗ウイルス化処理する抗ウイルス化処理方法は、処理対象の繊維素材の表面に、本発明の繊維用抗ウイルス剤組成物、または本発明の繊維用抗ウイルス剤組成物を水で希釈して調製した繊維用抗ウイルス化処理液を接触させることにより行われる。
上記の繊維用抗ウイルス処理方法の中でも、処理効率や繊維製品全体への均一性や浸透性の観点から、浸漬処理、または浸漬撹拌処理が好ましい。
ここで、第4級アンモニウム塩Aの繊維素材に対する付着量(%o.w.f.)は、浸漬処理または浸漬撹拌処理の場合に、下記式にて算出される。
スプレー噴霧処理も場合も同様であり、「浸漬液」を「スプレー液」に、「浸漬前」を「スプレー前」に、「脱水後」を「スプレー後」に置き換えればよい。
付着量(%o.w.f.)=C1×絞り率/100
C1:浸漬液中の第4級アンモニウム塩Aの質量%
絞り率は下記式で表される。
絞り率(%)=(W2-W1)/W1×100
W1:浸漬前の繊維素材の質量。
W2:脱水後の繊維素材の質量。
浸漬液:繊維用抗ウイルス剤組成物、または繊維用抗ウイルス化処理液。
しかしながら、該付着量が高くなることによって繊維素材が黄変したりするなどの悪影響が生じるおそれがあることから、繊維素材への第4級アンモニウム化合物Aの付着量を適正な範囲にすることが好ましい。
付着量が上記範囲よりも少ないと十分な抗ウイルス効果が得られない恐れがあり、付着量が上記範囲よりも多いと加工した繊維の変色や風合い変化、皮膚への刺激の恐れがある。
[第4級アンモニウム塩A]
第4級アンモニウム塩Aである第4級アンモニウム塩A-1~9を、公知の方法を用いて合成、または市販品を購入して準備した。溶剤が含まれている場合は溶剤を加熱除去して用いた。
・A-1:メチル硫酸ジデシルジメチルアンモニウム(自社合成)
・A-2:エチル硫酸ジデシルメチルエチルアンモニウム(自社合成)
・A-3:ブチルリン酸ジデシルメチルヒドロキシエチルアンモニウム(自社合成)
・A-4:塩化ジドデシルジメチルアンモニウム(ライオン(株)社製、商品名「リポカード2C-75」)
・A-5:ブチルリン酸ジドデシルメチルヒドロキシエチルアンモニウム(自社合成)
・A-6:塩化ジテトラデシルジメチルアンモニウム(花王(株)社製、商品名「コータミンD-2345P」)
・A-7:塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム(自社合成)
・A-8:ブチルリン酸ドデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(自社合成)
・A-9:エチル硫酸ヘキサデシルジメチルエチルアンモニウム(第一工業(株)社製、商品名「カチオーゲンES-P」)
第4級アンモニウム塩Aに該当しない、比較品である第4級アンモニウム塩a-1~5を、公知の方法を用いて合成、または市販品を購入して準備した。
・a-1:ブチルリン酸ジオクチルジヒドロキシエチルアンモニウム(自社合成)
・a-2:塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム(ライオン(株)社製、商品名「リポカード2HP-75」)
・a-3:塩化ジオクタデセンジメチルアンモニウム(ライオン(株)社製、商品名「リポカード2O-75I」)
・a-4:キシレンスルホン酸ジオクタデセンメチルヒドロキシエチルアンモニウム(自社合成)
・a-5:塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム(日油(株)社製、商品名「ニッサンカチオンAB-600」)
環流コンデンサー付きの4つ口フラスコに、ジデシルメチルアミンを1モル当量と、それと同質量部の3-メチル-3-メトキシ-ブタノールを仕込み、80~90℃にて1モル当量のジメチル硫酸を滴下した。
滴下終了後、1時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させて、第4級アンモニウム塩(A-1)を得た。
環流コンデンサー付きの4つ口フラスコに、ジデシルメチルアミンを1モル当量と、それと同質量部の3-メチル-3-メトキシ-ブタノールを仕込み、90~100℃にて1モル当量のジエチル硫酸を滴下した。
滴下終了後、2時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ、第4級アンモニウム塩(A-2)を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)に、ジデシルメチルアミンを1モル当量と、それと同質量部の蒸留水及び同質量部の3-メチル-3-メトキシ-ブタノールを仕込み、1モル当量のブチルリン酸エステルを混合して中和した。
窒素置換後、85~95℃にて1.1モル当量のエチレンオキシドを吹き込み、熟成を4時間行って4級化反応を行い、第4級アンモニウム塩(A-3)を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)に、ジドデシルメチルアミンを1モル当量とそれと同質量部の蒸留水及び同質量部の3-メチル-3-メトキシ-ブタノールを仕込み、1モル当量のブチルリン酸エステルを混合し、中和した。
窒素置換後、85~95℃にてエチレンオキシド1.1モル当量を吹き込み、熟成を4時間行って4級化反応を行い、第4級アンモニウム塩(A-5)を得た。
環流コンデンサー付きの4つ口フラスコに、ドデシルジメチルアミンを1モル当量と、それと2倍質量部の蒸留水を仕込み、85~95℃にて1.1モル当量の塩化ベンジルを滴下した。
滴下終了後、熟成を4時間行って4級化反応を行い、第4級アンモニウム塩(A-7)を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)に、ドデシルジメチルアミンを1モル当量と、それと同質量部の蒸留水、同質量部の3-メチル-3-メトキシ-ブタノールを仕込み、1モル当量のブチルリン酸エステルを混合し中和した。
窒素置換後、85~95℃にて1.1モル当量のエチレンオキシドを吹き込み、熟成を4時間行って4級化反応を行い、第4級アンモニウム塩(A-8)を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)に、ジオクチルアミンを1モル当量仕込み窒素置換後、120~130℃にて1モル当量のエチレンオキシド吹き込み熟成を4時間行って、ジオクチルアミンのエチレンオキシド1モル付加物である中間体化合物を得た。
上記で得た中間体化合物に、該中間体化合物と同質量部の蒸留水を添加し、さらに1モル当量のブチルリン酸エステルを混合し中和した。
窒素置換後、これに再度85~95℃にて1.1モル当量のエチレンオキシドを吹き込み、熟成を4時間行って4級化反応を行い、第4級アンモニウム塩(a-1)を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)に、ジオクタデセンメチルアミンを1モル当量と、それの20%質量部の蒸留水、同40%質量部の3-メチル-3-メトキシ-ブタノールを仕込み、1モル当量のキシレンスルホン酸を混合し中和した。
窒素置換後、90~100℃にて1.1モル当量のエチレンオキシドを吹き込み、熟成を4時間行って4級化反応を行い、第4級アンモニウム塩(a-4)を得た。
水溶性溶剤Bである水溶性溶剤B-1~3を、公知の方法を用いて合成、または市販品を購入して準備した。
・B-1:3-メチル-3-メトキシ-ブタノール((株)クラレ社製、商品名「ソルフィット」)
・B-2:エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル(日本乳化剤(株)社製、商品名「BG」)
・B-3:ジエチレングリコールモノノルマルブチルエーテル(日本乳化剤(株)社製、商品名「BDG」)
水溶性溶剤Bに該当しない、比較品である水溶性溶剤b-1~10は市販品を購入して準備した。
・b-1:ジエチレングリコールモノエチルエーテル(三協化学(株)社製、商品名「エチルカルビトール」)
・b-2:エチレングリコールモノノルマルヘキシルエーテル(日本乳化剤(株)社製、商品名「HeG」)
・b-3:ジエチレングリコールモノノルマルヘキシルエーテル(日本乳化剤(株)社製、商品名「HeDG」)
・b-4:エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤(株)社製、商品名「EHG」)
・b-5:ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤(株)社製、商品名「EHDG」)
・b-6:モノエチレングリコール(丸善石油化学(株)社製、商品名「MEG」)
・b-7:ジエチレングリコール(丸善石油化学(株)社製、商品名「DEG」)
・b-8:プロピレングリコール((株)ADEKA社製、商品名「食品添加物プロピレングリコール」)
・b-9:ジプロピレングリコール(社製、商品名「DPG」)
・b-10:グリセリン(日油(株)社製、商品名「DG」)
水として、イオン交換水を用いた。
[実施例1]
下記の原料を、下記質量%比になるように配合して混合し、均一な溶液である、繊維用抗ウイルス剤組成物1を得た。そして、各種評価を実施した。
第4級アンモニウム塩(A-1)不揮発分 50質量%
水溶性溶剤(B-1) 15質量%
イオン交換水 35質量%
表1~4に示した配合に従って、実施例1と同様に操作して、繊維用抗ウイルス剤組成物を得て、同様に評価した。
〈繊維用抗ウイルス剤組成物外観〉
繊維用抗ウイルス剤組成物を20℃及び-5℃で1週間静置したのち、外観を目視にて評価した。表中の記号の意味は下記の通り。〇を合格とした。
〇:透明に溶解。合格。
×:濁り、分離、固化が生じた。不合格。
繊維用抗ウイルス剤組成物の20℃及び-5℃の温度における粘度を、B型粘度計を用いて、1号ローター、60rpmの条件で測定した。但し、粘度が100mPa・sを超える場合には、回転数を30rpmとして測定した。
表中の記号の意味は下記の通り。
◎: 50mPa・s未満。合格。
〇: 50mPa・s以上、100mPa・s未満。合格。
△:100mPa・s以上、150mPa・s未満。合格。
×:150mPa・s以上、または組成物外観が不合格。不合格。
(加工処理布の作製)
下記の加工処理によって、繊維素材から加工処理布を作製した。
先ず、得られた繊維用抗ウイルス剤組成物を、第4級アンモニウム塩の濃度が0.1質量%になるように、イオン交換水を用いて希釈して、繊維用抗ウイルス化処理液を調製した。
次いで、10×10cmに裁断した綿メリヤス白布、または、ポリエステルポンジ白布からなる繊維素材を、浴比1:3で上記繊維用抗ウイルス化処理液に浸漬し、常温で5分撹拌した。
尚、浴比とは、繊維素材質量:繊維用抗ウイルス化処理液質量の比である。
撹拌終了後に布を取り出し、遠心脱水により絞り率100%になるように調整し、次いで80℃×1時間静置乾燥して、加工処理布を得た。
付着量(%o.w.f.)=C1×絞り率/100
C1:繊維用抗ウイルス化処理液中の第4級アンモニウム塩Aの質量%。
繊維用抗ウイルス化処理液中に含まれる第4級アンモニウム塩の濃度が0.1質量%になるようにイオン交換水を希釈して調製した繊維用抗ウイルス化処理液に繊維素材を浸漬させ、その後脱水した際に、上記式で示される絞り率を100%になるように調整している場合には、第4級アンモニウム塩の浸漬前の繊維素材に対する付着量(%o.w.f.)は、0.1%o.w.f.となる。
同様に、繊維用抗ウイルス化処理液中に含まれる第4級アンモニウム塩の濃度が0.02、0.05、0.2、1、5質量%の場合には、第4級アンモニウム塩の浸漬前の繊維素材に対する付着量(%o.w.f.)は、それぞれ、0.02、0.05、0.2、1、5%o.w.f.なる。
上記の加工処理布の抗ウイルス性を、「JIS L1922(2016年) 繊維製品の抗ウイルス性試験方法 (プラーク測定法)」に準拠して評価した。対象ウイルスには「A型インフルエンザウイルス(H3N2):ATCC VR-1679」を用いた。表中の記号の意味は下記の通り。
◎:抗ウイルス活性値が2.5以上。合格。
〇:抗ウイルス活性値が2.0以上、2.5未満。合格。
△:抗ウイルス活性値が1.5以上、2.0未満。合格。
×:抗ウイルス活性値が1.5未満。不合格。
上記で得た加工処理布の色彩値(L*値、a*値、b*値)を、色彩色差計CR-200(コニカミノルタ(株)社製)を用いて、JIS Z8781-4の規定に準拠して測定した。浸漬前の繊維素材の色彩値も同様に測定し、下記式によるΔE値を算出した。ここで、ΔEが小さいほど加工処理前後での色目変化が小さいことを示す。
ΔL*=L*(浸漬前の繊維素材)-L*(加工処理布)
Δa*=a*(浸漬前の繊維素材)-a*(加工処理布)
Δb*=b*(浸漬前の繊維素材)-b*(加工処理布)
ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb2)1/2
表中の記号の意味は下記の通り。
◎:ΔE値が1.0未満。合格。
〇:ΔE値が1.0以上、2.0未満。合格。
△:ΔE値が2.0以上、3.0未満。合格。
×:ΔE値が3.0以上。不合格。
上記で得た加工処理布の風合い変化を、5人のパネラーのそれぞれが官能評価を行って下記の基準に従って数値化した。数値化は、各人が3回行って、全員の平均値を算出した。
2:浸漬前の繊維素材と比較してほとんど変わらない。
1:浸漬前の繊維素材と比較してやや軋みや硬さを感じる。
0:浸漬前の繊維素材と比較して明らかに軋みや硬さを感じる。
表中の記号の意味は下記の通り。
○:平均値が1.0以上。合格。
△:平均値が0.5以上、1.0未満。合格。
×:平均値が0.5未満。不合格。
とした。
本発明の繊維用抗ウイルス剤組成物は、良好な低温安定性(外観、粘度)、及び抗ウイルス性を示し、一般には抗ウイルス効果が出にくいとされているポリエステル繊維に対してさえも、優れた抗ウイルス効果を付与することができた。
さらに、加工処理布中の第4級アンモニウム塩Aの付着量を1質量%以下、好ましくは0.2質量%以下にすることで、生地変色及び風合いについても、良好な結果を得ることができた。
一方、第4級アンモニウム塩A以外の第4級アンモニウム塩、または水溶性溶剤B以外の水溶性溶剤を含有する比較例の組成物と、4級アンモニウム塩A、水溶性溶剤B、水の何れかを含有しない比較例の組成物は、組成物粘度または抗ウイルス性が劣った結果を示した。
Claims (2)
- 一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩Aと、一般式(2)で表される水溶性溶剤Bと、水とを含有する繊維用抗ウイルス剤組成物であって、
第4級アンモニウム塩Aは、
R1、R2が、それぞれ独立して、炭素数13~14のアルキル基または炭素数13~14のアルケニル基であり、R3、R4が、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基である化合物、
R1、R2が、それぞれ独立して、炭素数10~12のアルキル基、または炭素数10~12のアルケニル基であり、R3、R4が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、または一般式(6)で表される1価の有機基である化合物、及び
R1が炭素数10~16のアルキル基、または炭素数10~16のアルケニル基であり、R2、R3が、メチル基であり、R4がベンジル基である化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種である、
前記繊維用抗ウイルス剤組成物。
(式中、Xp-はハロゲンイオン以外のアニオンであり、p-はアニオンの価数を表し、pは1~3の数である。)
R5-O-(CH2CH2O)nH (2)
(式中、nは0~2の数である。R5は、下記一般式(3)、下記一般式(4)または下記一般式(5)で表される1価の基である。)
CH3CH2CH2CH2- (3)
CH3C(OCH3)(CH3)(CH2CH2)- (4)
CH3C(CH3)2(CH2CH2)- (5)
-(AO)m-H (6)
(式中、AOは炭素数1~4の直鎖アルキレンオキシ基、または炭素数1~4の分岐アルキレンオキシ基であり、mは繰り返し単位AOの平均繰り返し数を表す1~3の数である。) - 請求項1に記載の繊維用抗ウイルス剤組成物を用いて繊維素材を処理する、繊維の抗ウイルス化処理方法。
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