JP2018016910A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維製品に対する優れた帯電防止効果と、凍結復元性とを兼ね備えている液体柔軟剤組成物を提供する。
【解決手段】液体柔軟剤組成物であって、下記(A)成分、(B)成分、及び、(C)成分を含有する、液体柔軟剤組成物。(A)エステル基及び/又はアミド基で分断されている、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)一般式(B1)で表される、ポリオキシアルキレン基含有アミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
Figure 2018016910

(C)ノニオン界面活性剤及び/又は水溶性溶剤
【選択図】なし

Description

本発明は、液体柔軟剤組成物に関する。詳細には、本発明は、繊維製品に対する優れた帯電防止効果と凍結復元性とを兼ね備えている液体柔軟剤組成物に関する。
近年、ファッションの多様化に伴い、様々な新素材を用いた繊維製品が登場してきている。これらの新素材の大半は、繊維断面を異形化することで新しい風合いを演出しようとするものである。新素材を構成する繊維としては、加工のし易さからポリエステルやナイロンといった合成繊維が用いられている。しかし、これらの合成繊維を用いた繊維製品(特に衣類)の欠点として、帯電し易いことが知られている。衣類の帯電を防止する手段としては、古くからジ長鎖4級アンモニウム塩を主基材とした帯電防止剤組成物が知られている(特許文献1〜3)。
また、近年、香りの良さや香りの持続性を求める消費者が増えており、液体柔軟剤組成物への香料の配合量は増加傾向にある。香料の配合量によっては、液体柔軟剤組成物の保存安定性が損なわれること(特に、凍結復元後に粘度が上昇すること)が知られている。そして、液体柔軟剤組成物の保存安定性を改善する技術が知られている(特許文献4〜8)。
特開平10−88113号公報 特開2005−154645号公報 特開2007−169840号公報 特開平7−18577号公報 特開平7−18575号公報 特開2010−47851 特開2015−34371号公報 国際公開第2015/073223号
しかしながら、優れた帯電防止効果と優れた凍結復元性(凍結復元後の粘度上昇が抑制されている)とを兼ね備えた液体柔軟剤組成物は存在していなかった。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、特定種類の柔軟基剤と、特定種類のポリオキシアルキレン基含有アミン化合物と、ノニオン界面活性剤及び/又は水溶性溶剤とを組み合わせると、繊維製品(特に合成繊維製の衣類)の帯電防止効果が高く、かつ、凍結復元後の粘度上昇が抑制された液体柔軟剤組成物が得られることを見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、以下に関するものである。
〔1〕液体柔軟剤組成物であって、
下記(A)成分、(B)成分、及び、(C)成分:
(A)エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されている、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)一般式(B1)で表される、ポリオキシアルキレン基含有アミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
Figure 2018016910
(式中、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を表し、
3は、メチル基又はエチル基を表し、
nは、2又は3であり、
mは、1〜20の整数であり、
-は、無機若しくは有機酸の一価の陰イオン又は当量の多価イオンである。)及び、
(C)ノニオン界面活性剤及び/又は水溶性溶剤
を含有する、液体柔軟剤組成物。

〔2〕(C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))が0.01〜10である、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。

〔3〕(B)成分に対する(A)成分の質量比((A)/(B))が1〜200である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の液体柔軟剤組成物。

〔4〕(A)成分が、下記一般式(A1−3)〜(A1−5)で表されるアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
Figure 2018016910
〔(A1−3)〜(A1−5)の各式中、R9及びR10はそれぞれ独立に、炭素数7〜21の炭化水素基である。〕

〔5〕(B)成分が、一般式(B1)中、R1及びR2がいずれもデシル基であり、R3がメチル基であり、nが2であり、mが1〜5であり、X-がCH3CH2COO-である化合物である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。

〔6〕(C)成分が、一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物及びラウリン酸の平均EO20モル付加物からなる群より選ばれる1種以上のノニオン界面活性剤である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。

〔7〕(C)成分が、エチレングリコール及びグリセリンからなる群より選ばれる1種以上の水溶性溶剤である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。

〔8〕(B)成分と(C)成分の和に対する(A)成分の質量比((A)/((B)+(C)))が0.1〜100である、前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
後述の実施例で示されるように、本発明の液体柔軟剤組成物は、繊維製品の帯電を防止する効果に優れ、かつ、凍結復元性にも優れている。
したがって、本発明は従来の液体柔軟剤組成物にはない付加価値を有する液体柔軟剤組成物として有用である。
本発明の液体柔軟剤組成物は、下記(A)〜(C)成分を含有する。

(A)エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されている、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物

(B)一般式(B1)で表される、ポリオキシアルキレン基含有アミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
Figure 2018016910
(式中、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を表し、
3は、メチル基又はエチル基を表し、
nは、2又は3であり、
mは、1〜20の整数であり、
-は、無機若しくは有機酸の一価の陰イオン又は当量の多価イオンである。)

(C)ノニオン界面活性剤及び/又は水溶性溶剤
[(A)成分]
(A)成分は、「エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されている、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物」である、カチオン界面活性剤である。
(A)成分は、繊維製品へ柔軟性(風合い)を付与する効果(すなわち、柔軟剤本来の機能)を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
炭素数10〜26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)の炭素数は10〜26であり、17〜26が好ましく、19〜24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性付与効果が良好であり、26以下であると液体柔軟剤組成物のハンドリング性が良好である。
長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央値を中心に分布していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても、構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)からなる群から選択される少なくとも1種の分断基を有する。該分断基を有すると、生分解性が向上する等の点から好ましい。
1つの長鎖炭化水素基が有する分断基の数は1つであっても2つ以上であってもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、分断基によって1ヶ所が分断されていてもよく、2ヶ所以上が分断されていてもよい。分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、長鎖炭化水素基がその炭素鎖中に分断基を有する場合、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
アミン化合物としては、2級アミン化合物(長鎖炭化水素基の数が2個)又は3級アミン化合物(長鎖炭化水素基の数が3個)が好ましく、3級アミン化合物がより好ましい。
アミン化合物としては、下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018016910
[式中、R1〜R3はそれぞれ独立に、−CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子又はCH3であり、R4は炭素数7〜21の炭化水素基である。)、−(CH2nNHCOR5(nは2又は3であり、R5は炭素数7〜21の炭化水素基である。)、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、−(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、
1〜R3のうちの少なくとも1つは、−CH2CH(Y)OCOR4、又は−(CH2nNHCOR5である。]
−CH2CH(Y)OCOR4中、Yは水素原子又はCH3であり、水素原子が特に好ましい。R4は炭素数7〜21の炭化水素基、好ましくは炭素数15〜19、より好ましくは炭素数15〜17の炭化水素基である。炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
4の炭化水素基は、炭素数8〜22の脂肪酸(R4COOH)からカルボキシ基を除いた残基(脂肪酸残基)であり、R4のもととなる脂肪酸(R4COOH)は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。なかでも、飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、R4のもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、90/10〜0/100が好ましく、80/20〜0/100より好ましい。
4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60〜100/0が好ましく、70/30〜90/10が特に好ましい。
4のもととなる脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。中でも、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびリノール酸から選ばれる2種以上を所定量ずつ組み合わせて、以下の条件(a)〜(c)を満たすように調整した脂肪酸組成物を用いることが好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10〜0/100、より好ましくは80/20〜0/100である。
(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60〜100/0、より好ましくは70/30〜90/10である。
(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21〜22の脂肪酸が1質量%未満である。
一般式(A1)における、基「−(CH2nNHCOR5」中、nは2又は3であり、3が特に好ましい。
5は炭素数7〜21の炭化水素基、好ましくは炭素数15〜19の炭化水素基である。一般式(A1)で表される化合物中にR5が複数存在するとき、該複数のR5は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
5としては、R4と同様のものが具体的に挙げられる。
一般式(A1)において、R1〜R3のうち、少なくとも1つ−CH2CH(Y)OCOR4、又は−(CH2nNHCOR5)であり、R1〜R3のうち2つが−CH2CH(Y)OCOR4、又は−(CH2nNHCOR5)であることが好ましい。
1〜R3のうち、1つ又は2つがCH2CH(Y)OCOR4、又は−(CH2nNHCOR5)の場合、残りの2つ又は1つは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH、又は−(CH2nNH2であり、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH、又は−(CH2nNH2であることが好ましい。ここで、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。−CH2CH(Y)OHにおけるYは、−CH2CH(Y)OCOR4中のYと同様である。−(CH2nNH2におけるnは、−(CH2nNHCOR5中のnと同様である。
一般式(A1)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(A1−1)〜(A1−7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018016910
〔(A1−1)〜(A1−7)の各式中、R9及びR10はそれぞれ独立に、炭素数7〜21、好ましくは炭素数15〜17の炭化水素基である。〕
9及びR10における炭素数7〜21の炭化水素基としては、前記一般式(A1)のR4における炭素数7〜21の炭化水素基と同様のものが挙げられる。なお、式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。
アミン化合物の塩は、該アミン化合物を酸で中和することにより得られる。アミン化合物の中和に用いる酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸や、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は、公知の方法により実施できる。
(A)成分は、アミン化合物の4級化物であってもよい。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキルや、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
(A)成分としては、
一般式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、
一般式(A1−1)〜(A1−7)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、
一般式(A1−1)〜(A1−5)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
特に、一般式(A1−1)で表される化合物の4級化物と(A1−2)で表される化合物の4級化物とを併用することや、一般式(A1−3)で表される化合物の4級化物と、(A1−4)で表される化合物の4級化物と、(A1−5)で表される化合物の4級化物とを併用することが好ましい。
一般式(A1)及び(A1−1)〜(A1−7)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
例えば、一般式(A1−1)で表される化合物(以下「化合物(A1−1)」という)と、一般式(A1−2)で表される化合物(以下「化合物(A1−2)」という)とを含む組成物は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物、又は該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物と、メチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性付与を良好にする観点から、「化合物(A1−1)/化合物(A1−2)」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性付与の観点から「化合物(A1−1)の4級化物/化合物(A1−2)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
一般式(A1−3)で表される化合物(以下「化合物(A1−3)」という)と、一般式(A1−4)で表される化合物(以下「化合物(A1−4)」という)と、一般式(A1−5)で表される化合物(以下「化合物(A1−5)」という)とを含む組成物は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物又は脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、化合物(A1−3)、(A1−4)及び(A1−5)の合計質量に対する個々の成分の含有比率は、柔軟性付与の観点から、化合物(A1−3)が1〜60質量%、化合物(A1−4)が5〜98質量%、化合物(A1−5)が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(A1−3)が30〜60質量%、化合物(A1−4)が10〜55質量%、化合物(A1−5)が5〜35質量%であることがより好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1−3)、(A1−4)及び(A1−5)の各4級化物の存在比率は、柔軟性付与の観点から質量比で、化合物(A1−3)の4級化物が1〜60質量%、化合物(A1−4)の4級化物が5〜98質量%、化合物(A1−5)の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(A1−3)の4級化物が30〜60質量%、化合物(A1−4)の4級化物が10〜55質量%、化合物(A1−5)の4級化物が5〜35質量%であることがより好ましい。
なお、化合物(A1−3)、(A1−4)及び(A1−5)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30〜99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
一般式(A1−6)で表される化合物(以下「化合物(A1−6)」という)及び一般式(A1−7)で表される化合物(以下「化合物(A1−7)」という)は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物と、N−メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物より、J.Org.Chem.,26,3409(1960)に記載の公知の方法で合成したN−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−1,3−プロピレンジアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、「化合物(A1−6)/化合物(A1−7)」で表される存在比率が質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
またその4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルを用いることが好ましく、「化合物(A1−6)の4級化物/化合物(A1−7)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
(A)成分は、1種類のアミン化合物、その塩又はその4級化物を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物、例えば、一般式(A1−3)〜(A1−5)で表される化合物の混合物として用いてもよい。
(A)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは8〜30質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。
[(B)成分]
(B)成分は、一般式(B1)で表されるポリオキシアルキレン基を含有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、カチオン界面活性剤である。
Figure 2018016910
(式中、
1及びR2は、それぞれ独立に、総炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を表し、
3は、メチル基又はエチル基を表し、
nは、2又は3であり、
mは、1〜20の整数であり、
-は、無機若しくは有機酸の一価の陰イオン又は当量の多価イオンである。)
(B)成分は、帯電防止効果及び凍結復元後の増粘を抑制する効果を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
1及びR2のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、帯電防止効果の観点から好ましくは6〜14であり、さらに好ましくは8〜12である。
mは、帯電防止効果の観点から好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜5である。
-の「無機若しくは有機酸の一価の陰イオン」としては、プロピオン酸イオン(CH3CH2COO-)等が挙げられる。

(B)成分の好ましい具体例としては、ロンザジャパン株式会社から商品名Bardap26として販売されているジデシルメチルポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート(一般式(B1)中、R1及びR2がいずれもデシル基(炭素数10)であり、R3がメチル基であり、nが2であり、mが1〜5であり、X-がCH3CH2COO-である化合物の混合物)が挙げられる。
(B)成分は、一般式(B1)で表されるアミン化合物の塩であってもよい。
アミン化合物の塩は、該アミン化合物を酸で中和することにより得られる。アミン化合物の中和に用いる酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸や、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は、公知の方法により実施できる。
(B)成分は、一般式(B1)で表されるアミン化合物の4級化物であってもよい。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキルや、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
(B)成分は、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(B)成分は、一般式(B1)で表されるアミン化合物、その塩又はその4級化物の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上の化合物からなる混合物として用いてもよい。
(B)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。配合量が0.01質量%以上であると、より優れた帯電防止効果を得ることができる。配合量が5質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の分離を生じさせることなく、より優れた配合効果を得ることができる。
本発明の液体柔軟剤組成物では、(B)成分に対する(A)成分の質量比((A)/(B))が1〜200であることが好ましく、より好ましくは5〜150、さらに好ましくは10〜100、特に好ましくは20〜40である。(A)/(B)を1〜200とすると、より良好な凍結復元性を維持しつつ、より優れた帯電防止効果を得ることができる。
[(C)成分]
(C)成分は、ノニオン界面活性剤(以下、(C−1)成分ともいう)及び水溶性溶剤(以下、(C−2成分)ともいう)である。
(C)成分は、(B)成分と併用することで液体柔軟剤組成物に高い凍結復元性を与えるために用いられる。
[(C−1)成分]
C−1成分はノニオン界面活性剤である。
本発明で用いるノニオン界面活性剤としては、液体柔軟剤組成物に一般的に使用されているものを特に制限なく使用することができる。例えば、アルコール又は脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物を用いることができる。アルコール及び脂肪酸の各炭素鎖部分は、分岐していても直鎖でもよく、不飽和基を含んでいてもよい。また、炭素鎖に分布があってもよい。炭素鎖の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは8〜18である。炭素鎖が直鎖である場合には、その炭素数は好ましくは6〜14、より好ましくは8〜12、最も好ましくは10〜12である。炭素鎖が分岐鎖である場合には、その炭素数は好ましくは6〜18、より好ましくは9〜18、最も好ましくは13である。
ノニオン界面活性剤の原料としては、エクソンモービル社製エクサール、BASF社製LUTENSOL(ルテンゾール)シリーズ、協和発酵工業製オキソコールや、Shell社製DOBANOLシリーズなどを使用することができる。
ノニオン界面活性剤がアルコールのアルキレンオキシド付加物である場合には、1級アルコール及び2級アルコールのいずれも使用することができる。炭素数13のアルコールは、例えばドデセンを原料として製造されるが、その出発原料としてはブチレンでもプロピレンでもよい。
アルコール及び脂肪酸の炭素鎖が不飽和基を含む場合、その炭素数は18であるものが特に好ましい。不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよいが、特にシス体/トランス体の比率が25/75〜100/0(質量比)であることが好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)が好ましいが、EOとともにプロピレンオキサイド(PO)又はブチレンオキサイド(BO)を付加したものであってもよい。EOの平均付加モル数としては10〜100モルが好適であり、より好ましくは20〜80モル、特に好ましくは40〜70モルである。また、EOとともに付加するPO又はBOの平均付加モル数としては1〜5が好適であり、より好ましくは1〜3モルである。この際、EOを付加した後、PO又はBOを付加しても、あるいはPO又はBOを付加した後、EOを付加してもよい。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、ノニルアルコールの平均EO9PO1付加物、一級イソノニルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、ラウリルアルコールの平均EO20モル付加物、一級イソへキサデシルアルコールの平均EO60モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物、トリデシルアルコールの平均EO50モル付加物や、ラウリン酸の平均EO20モル付加物などが挙げられる。市販品としては、日本エマルジョン製エマレックスシリーズ、三洋化成製エマルミンシリーズ、ライオン化学製TDAシリーズ、日本触媒製ソフタノールシリーズや、BASF社製LUTESOLシリーズなどを使用することができる。
[(C−2)成分]
C−2成分は水溶性溶剤である。本発明で用いる水溶性溶剤としては、液体柔軟剤組成物に一般的に使用されているものを特に制限なく使用することができる。尚、「水溶性溶剤」とは任意の比率で水と透明に混ざるものを指す。具体的には、イソプロパノールなどの炭素数2〜3の1級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの炭素数2〜6のグリコール類;及びグリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数3〜8の多価アルコール類等が挙げられる。凍結復元性の観点及び価格の点から、エチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコールが好ましく、エチレングリコール及びグリセリンが特に好ましい。
(C)成分は、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(C)成分は、(C−1)成分又は(C−2)成分のいずれか一方を単独で用いてもよく、(C−1)成分と(C−2)成分とを併用してもよい。
また、(C−1)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上の化合物からなる混合物として用いてもよい。(C−2)成分も、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上の化合物からなる混合物として用いてもよい。
(C)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、特に好ましくは1〜3質量%である。配合量が0.1質量%以上であると、より優れた凍結復元性を得ることができる。配合量が10質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の分離を生じさせることなく、より優れた配合効果を得ることができる。
本発明の液体柔軟剤組成物では、(C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))が0.01〜10であることが好ましく、より好ましくは0.05〜5、さらに好ましくは0.05〜1、特に好ましくは0.05〜0.5である。(B)/(C)を0.01〜10とすると、より良好な凍結復元性を維持しつつ、より優れた帯電防止効果を得ることができる。
本発明の液体柔軟剤組成物では、(B)成分と(C)成分の和に対する(A)成分の質量比((A)/((B)+(C)))が0.1〜100であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50、さらに好ましく1〜20、特に好ましくは2〜8である。(A)/((B)+(C))が100以下であると、より優れた凍結復元性を得ることができる。(A)/((B)+(C))が0.1以上であると、液体柔軟剤組成物の分離を生じさせることなく、より優れた配合効果を得ることができる。
[任意成分]
本発明の液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(C)の必須成分以外の任意成分を配合してもよい。
任意成分としては、液体柔軟剤組成物に一般的に配合される成分をあげることができる。具体例としては、香料、水溶性塩類、染料、防腐剤や水などが挙げられる。
以下、いくつかの任意成分について詳細に説明する。
[香料(以下、(D)成分ともいう)]
香料としては当該技術分野で汎用の香料を使用可能であり特に限定されないが、使用できる香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に記載されている。
香料は、1種類の香料を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
香料の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1〜3%質量%であり、より好ましくは0.5〜2質量%、更に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
[水溶性塩類](以下、(E)成分ともいう)
水溶性塩類は、液体柔軟剤組成物の粘度をコントロールする目的で配合することができる。水溶性塩類としては、無機塩及び有機塩のいずれも使用可能である。具体的には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム等を用いることができるが、中でも塩化カルシウム、塩化マグネシウムが好ましい。
水溶性塩類は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
水溶性塩類の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01〜1質量%である。なお、水溶性塩類は、液体柔軟剤組成物製造のどの工程で配合しても構わない。
[染料及び/又は顔料]
染料及び顔料は、それぞれ液体柔軟剤組成物の外観を向上するために配合され得る。
染料及び顔料共に、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。また、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報や特開2001−348784号公報などに記載されている染料も用いることができる。
好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料又は反応性染料が好ましい。
染料及び顔料のそれぞれについて、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。また、染料と顔料とを併用してもよい。
[防腐剤]
防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合され得る。
防腐剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001〜1質量%である。0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
[水]
本発明の液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、精製水、純水、蒸留水、イオン交換水など、いずれも用いることができる。なかでもイオン交換水が好適である。
水の配合量は特に限定されず、所望の成分組成を達成するために適宜配合することができる。
[液体柔軟剤組成物のpH]
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の分子中に含まれるエステル基の加水分解を抑制する目的で、25℃におけるpHを1〜6の範囲に調整することが好ましく、2〜4の範囲であることがより好ましい。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、短鎖アミン化合物(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミンや、N−メチルジエタノールアミン)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム)、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
[液体柔軟剤組成物の粘度]
本発明の液体柔軟剤組成物の粘度は、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、25℃における粘度が1000mPa・s未満であることが好ましい。保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の液体柔軟剤組成物の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、400mPa・s未満であるのがさらに好ましい。このような範囲にあると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。
なお、液体柔軟剤組成物の粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製 BL粘度計)を用いて測定することができる。
本発明の液体柔軟剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体柔軟剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。
例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分を含む油相と、防腐剤や色素等を含む水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後、得られた乳化物に必要に応じて、(E)成分などの他の成分を添加、混合することにより製造することができる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分と必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
尚、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分は、上記記載の添加方法に限定されない。すなわち、(B)成分、(C)成分、(D)成分は、乳化物が得られた後、添加、混合することにより製造することができ、それぞれ単独で添加することもでき、かつ(B)成分、(C)成分、(D)成分をプレミックスした後、油相又は乳化物に添加することが可能である。また(E)成分は、水相に添加することも可能である。
[液体柔軟剤組成物の使用方法]
本発明の液体柔軟剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の液体柔軟剤組成物と同様の方法で使用することができる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水へ本発明の液体柔軟剤組成物を溶解させて被洗物を柔軟処理する方法や、本発明の液体柔軟剤組成物をたらいのような容器中の水に溶解させ、更に被洗物を入れて浸漬処理する方法がある。
本発明の液体柔軟剤組成物は、新しい風合いをもたらすことを目的として繊維断面が異形化された合成繊維(特に、アクリル、ポリエステルやナイロン)や、これらを含む混紡繊維からなる繊維製品(特に、衣類)に対して特に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において、各成分の配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
実施例及び比較例の液体柔軟剤組成物の製造に用いた成分及び製造方法を以下に示す。
[(A)成分]
下記のA−1〜A−3を使用した。

A−1:カチオン界面活性剤(特開2003−12471の実施例4に記載の化合物)。A−1は、一般式(A1−3)、(A1−4)及び(A1−5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15〜17のアルキル基又はアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。

A−2:カチオン界面活性剤(Stepan製、商品名:Stepantex SE-88)。A−2は、一般式(A1−3)、(A1−4)及び(A1−5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15〜17のアルキル基又はアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物であった。

A−3:カチオン界面活性剤(脂肪酸とメチルジエタノールアミンとのモル比1.5:1での反応生成物を塩化メチルで四級化して得られる、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロライドとN−(ステアロイル−オキシ−エチル)N−ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロライドとの1:1モル混合物)。A−3は、一般式(A1−1)及び(A1−2)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15〜17のアルキル基及びアルケニル基である)を塩化メチルで4級化したものを含む組成物であった。
[(B)成分]
下記のB−1〜B−2を使用した。

B−1:ジデシルメチルポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート(ロンザジャパン株式会社、商品名Bardap26)。B−1は、一般式(B1)(式中、R1及びR2がいずれもデシル基(炭素数10)であり、R3がメチル基であり、nが2であり、mが1〜5であり、X-がCH3CH2COO-である)で表される化合物の混合物であった。

B−2:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社、商品名リポカード210-80E)。B−2は、一般式(B1)で表される化合物ではなかった。
[(C)成分]
下記のC−1〜C−4を使用した。

C−1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(BASF社製ルテンゾールTO3にエチレンオキサイド(EO)を60モル付加させたもの(一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物に相当)

C−2:ポリオキシエチレンラウリルエーテルEO20モル(日本エマルジョン社製、商品名エマレックス720。ラウリルアルコールの平均20モル付加物)(ラウリン酸の平均EO20モル付加物に相当)

C−3:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(Exxon Mobil社製Exxal13にエチレンオキサイド(EO)を60モル付加させたもの)(一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物に相当)

C−4:グリセリン特級(関東化学株式会社製)

上記のEO付加モル数は平均EO付加モル数である。
[(D)成分]
(D)成分として、表1−1〜1−3に記載の香料組成物(D−1)〜(D−3)を使用した。
Figure 2018016910
Figure 2018016910
Figure 2018016910
[(E)成分]
(E)成分として、塩化カルシウム(和光純薬株式会社製)を用いた。各液体柔軟剤組成物における(E)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.3質量%であった。
また、任意成分として、表2記載の共通成分1を使用した。
Figure 2018016910
柔軟剤組成物の調製方法
[柔軟剤組成物の調製方法]
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、下記表3に記載の通り調整して、次の手順により液体柔軟剤組成物及びベース組成物を調製した。まず、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、共通成分1をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから、油相混合物及び(E)成分の合計量を差し引いた残部に相当した。次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,500rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。しかる後、(E)成分を添加した。尚、(E)成分は添加前にイオン交換水に溶解し、30%wt水溶液として用いた。また必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、又は水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の柔軟剤組成物(実施例1〜14及び比較例1〜3)を得た。

表3中、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の各成分の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する配合量(質量%)である。
表3中、「A/B」は、(B)成分に対する(A)成分の質量比を示す。
表3中、「B/C」は、(C)成分に対する(B)成分の質量比を示す。
表3中、「A/(B+C)」は、(B)成分と(C)成分の和に対する(A)成分の質量比を示す。
表3中、「初期粘度」は、製造直後の液体柔軟剤組成物の25℃における粘度(B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定)を示す。
液体柔軟剤組成物の評価方法
得られた液体柔軟剤組成物について、以下の手順により「帯電防止性」及び「凍結復元性」の評価を行った。
(評価用布の前処理)
市販のアクリルジャージ(染色試材(株)谷頭商店)を、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で、二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、以下の前処理を3回行った。
前処理:洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水での洗浄10分間と、続く注水すすぎ10分間とのサイクルを2回。
(洗濯時すすぎ工程における液体柔軟剤組成物による処理)
前処理洗浄したアクリルジャージ(染色試材(株)谷頭商店)1.0kgを、二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で10分間洗浄し(標準使用量、標準コース、浴比30倍、25℃の水道水使用)、その後、1分間の脱水を行い、次いで1回目のすすぎを3分間行った。1回目のすすぎの後、1分間の脱水を行い、次いでに続いて2回目のすすぎを3分間行った。この2回目のすすぎの開始時に、上記の各例で得た液体柔軟剤組成物を添加して、3分間の柔軟処理(仕上げ剤6.67mL、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。柔軟処理後、脱水を1分間行った。
処理後、二槽式洗濯機からアクリルジャージを取出し、20℃、30%RHの恒温恒湿条件下で18時間乾燥させ、下記に示す評価に供した。
<帯電防止性の評価>
評価用布(上記処理後のアクリルジャージ)を、調温調湿(20℃、30%RH)条件下に24時間置いた。次に、JIS-L-1094Aに規定される方法に従い、評価用布を帯電させ、帯電圧の半減期を測定した。測定値に基づき、以下に示す評価基準に従って分類した。評価結果を、表3の「帯電防止性」欄に示す。商品価値上、○及び◎を合格であると判定した。

<評価基準>
×:5分以上
△:3分以上5分未満
○:2分以上3分未満
◎:2分未満
<凍結復元性の評価>
各液体柔軟剤組成物を軽量PSガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に90mL入れて密栓したものを評価用サンプルとした。
各サンプルを、凍結溶解処理(−15℃で40時間の凍結処理と、続く25℃で8時間の溶解処理で1サイクル)に付した後、各液体柔軟剤組成物の粘度を、B型粘度計(TOKIMEC社製 BL粘度計)により測定した。本実験では、回転数30回転/分で10回転目の値を粘度測定値とした。
なお、測定する組成物の粘度が1000mPa・s 以下の場合はNo.2 ローター、1000mPa・sを越える場合はNo.3 ローターを使用した。
測定された粘度を表3の「凍結復元性」の欄に示す。測定された粘度を下記の基準で分類し、○及び◎を商品価値上合格であると判定した。

<評価基準>
×:1000mPa・s以上
△:800mPa・s以上1000mPa・s未満
○:400mPa・s以上800mPa・s未満
◎:400mPa・s未満
本発明は、繊維製品用の柔軟剤分野において利用可能である。

Figure 2018016910

Claims (8)

  1. 液体柔軟剤組成物であって、
    下記(A)成分、(B)成分、及び、(C)成分:
    (A)エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されている、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    (B)一般式(B1)で表される、ポリオキシアルキレン基含有アミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    Figure 2018016910
    (式中、
    1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を表し、
    3は、メチル基又はエチル基を表し、
    nは、2又は3であり、
    mは、1〜20の整数であり、
    -は、無機若しくは有機酸の一価の陰イオン又は当量の多価イオンである。)及び、
    (C)ノニオン界面活性剤及び/又は水溶性溶剤
    を含有する、液体柔軟剤組成物。
  2. (C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))が0.01〜10である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
  3. (B)成分に対する(A)成分の質量比((A)/(B))が1〜200である、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
  4. (A)成分が、下記一般式(A1−3)〜(A1−5)で表されるアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
    Figure 2018016910
    〔(A1−3)〜(A1−5)の各式中、R9及びR10はそれぞれ独立に、炭素数7〜21の炭化水素基である。〕
  5. (B)成分が、一般式(B1)中、R1及びR2がいずれもデシル基であり、R3がメチル基であり、nが2であり、mが1〜5であり、X-がCH3CH2COO-である化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  6. (C)成分が、一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物及びラウリン酸の平均EO20モル付加物からなる群より選ばれる1種以上のノニオン界面活性剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  7. (C)成分が、エチレングリコール及びグリセリンからなる群より選ばれる1種以上の水溶性溶剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  8. (B)成分と(C)成分の和に対する(A)成分の質量比((A)/((B)+(C)))が0.1〜100である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
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