以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[ショベルの概要]
図1を参照して、本実施形態に係るショベルの概要について説明する。
図1は、ショベルの一例を示す外観図(左側面図)である。以下、図1に示すように、ショベルを真上から見たときにブーム4(アタッチメント)が延びだす方向を"前"として、"前"、"後"、"左"、"右"、"上"、及び"下"の方向を規定し説明を行う。
図1に示すように、ショベルは、下部走行体1と、旋回機構2を介して旋回自在に下部走行体1に搭載される上部旋回体3と、アタッチメントATと、キャビン10とを含む。また、ショベルは、エンジン11と、コントローラ30とを含む。
下部走行体1は、左右一対のクローラを含み、左右のクローラのそれぞれに搭載される走行用の油圧モータで油圧駆動されることにより、ショベルを走行させる。
上部旋回体3は、旋回機構2が旋回用の油圧モータにより油圧駆動されることにより、下部走行体1に対して旋回する。
アタッチメントATは、ブーム4、アーム5、及びバケット6を含む。
ブーム4は、上部旋回体3の前部の左右方向の中央に俯仰可能に取り付けられ、ブーム4の先端には、アーム5が左右方向の軸を中心に回転可能に取り付けられ、アーム5の先端には、バケット6が左右方向の軸を中心に回転可能に取り付けられる。
バケット6は、エンドアタッチメントの一例である。バケット6は、例えば、掘削作業等に用いられる。
また、アーム5の先端には、作業内容等に応じて、バケット6の代わりに、他のエンドアタッチメントが取り付けられてもよい。他のエンドアタッチメントは、例えば、大型バケット、法面用バケット、浚渫用バケット等の他の種類のバケットであってよい。また、他のエンドアタッチメントは、攪拌機、ブレーカ、グラップル等のバケット以外の種類のエンドアタッチメントであってもよい。また、アーム5と、エンドアタッチメントとの間には、例えば、クイックカップリングやチルトローテータ等の予備アタッチメントが介装されてもよい。
また、バケット6には、クレーン作業用のフックが取り付けられてもよい。フックは、基端が、アーム5とバケット6との間を連結するバケットピンに回動可能に連結される。これにより、フックは、掘削作業等のクレーン作業(吊り作業)以外の作業が行われる場合、2本のバケットリンクの間に形成される空間に収納される。
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、それぞれ、油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9により油圧駆動される。
キャビン10は、オペレータが搭乗する運転室である。キャビン10は、例えば、上部旋回体3の前部左側に搭載され、左側面に乗降口が設けられる。
エンジン11は、ショベルの原動機であり、ショベルの油圧源としての油圧ポンプを駆動する。エンジン11は、例えば、上部旋回体3の後部に搭載される。
コントローラ30は、ショベルに関する各種制御を行う。例えば、コントローラ30は、エンジン11や油圧ポンプを直接或いは間接的に駆動制御する。コントローラ30は、例えば、キャビン10の内部に搭載される。
尚、本実施形態に係るショベルにおいて、各種の油圧アクチュエータの一部又は全部が電動アクチュエータに置換されてもよい。また、本実施形態に係るショベルは、原動機として、エンジン11に代えて、或いは、加えて、他の種類の原動機(例えば、電動機等)を有していてもよい。つまり、本実施形態に係るショベルは、ハイブリッドショベルや電動ショベルであってもよい。
[キャビンの内部の構成]
次に、図2を参照して、キャビン10の内部の構成について説明する。
図2は、キャビン10の内部の構成の一例を示す平面図である。図中の白抜き矢印は、空調装置150から送出される空気の流れを表している。
キャビン10の内部の中央部には、運転席100が設置される。
運転席100は、オペレータが着座するための座面部102及び背もたれ部104を含む。運転席100は、スライド機構を有し、前後方向の位置を調整可能であると共に、リクライニング機構を有し、背もたれ部104の傾斜角度を調整可能である。
運転席100の後部の左側及び右側の相対的に高い位置には、運転席100に隣り合うように前後方向の延びるアームレスト106A,106Bが設けられる。アームレスト106A,106Bは、座面部102よりもある程度高い位置で、オペレータの下腕部を下から支えることが可能なように配置される。アームレスト106A,106Bは、例えば、運転席100の基台部に対して、直接或いは間接的に取り付けられ、後端部の左右方向の軸を中心として上下に回転可能に支持される。これにより、アームレスト106A,106Bの姿勢角度を変化させることができる。
また、運転席100の左側及び右側には、運転席100の設けられる前後方向の範囲に亘って前後方向に延びるコンソール120A,120Bが設けられる。
コンソール120A,120Bの前端部の上面には、それぞれ、操作レバー26A,26Bが設けられる。これにより、オペレータは、例えば、運転席100に着座し、操作レバー26A,26Bを操作することにより、ブーム4(ブームシリンダ7)の操作、アーム5(アームシリンダ8)の操作、バケット6(バケットシリンダ9)の操作、及び上部旋回体3(旋回用の油圧モータ)の操作を行うことができる。操作レバー26A,26Bの基部には、カバー27が取り付けられる。
キャビン10の内部の前部、即ち、運転席100の前方のフロアには、走行ペダル26C,26D、及び走行レバー26E,26Fが設けられる。これにより、オペレータは、例えば、運転席100に着座し、走行ペダル26C,26Dや走行レバー26E,26Fを操作することにより、下部走行体1、即ち、左右一対のクローラ(走行用の油圧モータ)の操作を行うことができる。
また、上述の如く、運転席100は、前後にスライド可能である。これにより、オペレータは、例えば、走行ペダル26C,26Dや走行レバー26E,26Fを操作しやすい位置に運転席100を固定することができる。また、例えば、コンソール120A,120Bは、キャビン10に固定され、コンソール120A,120Bに対して、運転席100が前後にスライド可能であってよい。これにより、オペレータは、例えば、操作レバー26A,26Bを操作しやすい位置に運転席100を固定することができる。また、運転席100は、コンソール120A,120Bと共に、前後にスライド可能であってもよい。この場合、コンソール120A,120Bの運転席100に対する前後位置を調整可能な機構が別途設けられてよい。これにより、オペレータは、例えば、操作レバー26A,26Bを操作しやすい位置にコンソール120A,120Bを固定することができる。
左側のコンソール120Aの前端部の前面には、ゲートバー140が取り付けられる。
ゲートバー140は、コンソール120Aに設けられるゲートレバー(不図示)の操作状態と連動して動作する。ゲートバー140は、上端部の左右方向の軸を中心として、起伏可能にコンソール120Aの内部のフレームに取り付けられる。
ゲートレバーは、ショベルの起動、及び操作レバー26A,26Bや走行ペダル26C,26Dや走行レバー26E,26Fによるショベルの操作が可能な状態とショベルの起動及び操作が不可能な状態とを切り換えるための機械的な入力部(操作部)である。具体的には、コントローラ30は、ゲートレバーの操作状態に応じて、エンジン11の始動を含むショベルの起動の許否を制御する。また、ゲートレバーの操作状態に応じて、油圧ポンプから各種油圧機器に向かう油圧ラインの連通及び非連通が切り換えられることで、ショベルの操作が可能な状態と不可能な状態とが切り換えられる。
ゲートレバーがショベルの操作可能な状態にある場合、ゲートバー140は、運転席100とキャビン10の乗降口との間の左右の移動を遮断するように前方に起きた状態(図2の状態)にある。一方、ゲートレバーがショベルの操作不可能な状態にある場合、ゲートバー140は、運転席100とキャビン10の乗降口との間の左右の移動を許容するように、下方に伏せられた状態でコンソール120Aの内部に収容される。これにより、ゲートバーを操作に応じて、ゲートバー140が前方に飛び出した状態でない限り、オペレータは、ショベルの起動や操作を行うことができず、ショベルの安全性を向上させることができる。
コンソール120Bにおいて、操作レバー26Bの後方且つアームレスト106Bの前方には、スイッチパネル41が設けられる。スイッチパネル41は、ダイヤル32と、各種のスイッチ群41aとを含む。
ダイヤル32は、エンジン11の回転数を調整するために用いられる。ダイヤル32の上面には、出力特性切換スイッチ35が設けられる。例えば、出力特性切換スイッチ35が押下されることによって、ショベルの出力特性が切り換えられる。ショベルの出力特性には、例えば、操作レバー26A,26Bや走行ペダル26C,26Dや走行レバー26E,26Fの操作に対する油圧アクチュエータの加速特性や減速特性等が含まれる。
スイッチ群41aは、例えば、走行速度切換スイッチ、予備回路切換スイッチ、クレーンモード切換スイッチ、作業灯スイッチ、ワイパスイッチ、ウォッシャスイッチ等を含む。走行速度切換スイッチは、例えば、ショベルの走行速度を2段階で切り換えるために用いられる。予備回路切換スイッチは、予備アタッチメントを作動させるための予備回路の作動(オン)・停止(オフ)や予備回路の作動油が流れ(一方向・双方向)を切り換えるために用いられる。クレーンモード切換スイッチは、クレーン作業を行うためのクレーンモードの作動(オン)・停止(オフ)を切り換えるために用いられる。作業灯スイッチは、上部旋回体3の前部に設置される照明(作業灯)の点灯(オン)・消灯(オフ)を切り換えるために用いられる。ワイパスイッチは、キャビン10の前面のウィンドウのためのワイパの作動(オン)・停止(オフ)を切り換えるために用いられる。ウォッシャスイッチは、キャビン10の前面にウォッシャ液を吹きかける機能を作動させるために用いられる。
コンソール120Bの右側には、キャビン10の内部の左側の側面に沿って、前後方向に延びるコンソール120Cが設けられる。
コンソール120Cにおいて、運転席100の右側の部分には、イグニッションスイッチ42、ラジオ43、及びロッカースイッチ44が前後方向に並べて配置される。
ロッカースイッチ44は、相対的に使用頻度が高い予備的な機能に関するオペレータからの入力を受け付け可能に構成される。例えば、ロッカースイッチ44には、グラップルやリフティングマグネット等の予備アタッチメントで利用される予備回路の切り換え機能、上述の作業灯を点灯させる機能、走行アラームを出力させる機能等が割り当てられてよい。
コンソール120Cの前端部、即ち、キャビン10の内部の前部右隅には、表示装置33が設けられる。これにより、オペレータは、表示装置33に表示される各種の情報画像を確認しながら、ショベルの操作を行うことができる。表示装置33には、表示装置33に関する入力を受け付けるためのスイッチ群34が設けられる。
運転席100の後方のキャビン10の内部の左右の両端部に亘る範囲には、トリム部130が設けられる。トリム部130は、キャビン10の後部に搭載される各種機器を覆う機能を有すると共に、オペレータの荷物等を収容するための収容スペースとしての機能を有する。
運転席100の後方のトリム部130の内側(下)には、空調装置150が設けられる。
空調装置150は、キャビン10の内部の空気の温度や湿度等を調整する。具体的には、空調装置150は、キャビン10の内部の空気或いはキャビン10の外部の空気を吸い込み、冷熱源及び高熱源のそれぞれとの間での熱交換によって生成される空気を混合することにより空気の温度や湿度等を調整する。空調装置150によって、温度や湿度等が調整された空気は、空調ダクト155を通じて、キャビン10の前部及び後部や収容庫160の内部に送られる。
空調ダクト155は、空調ダクト155A~155Cを含む。
空調ダクト155Aは、空調装置150から前方に向かって延び出し、トリム部130及びコンソール120Cの内側(下)に配置される。空調ダクト155Aの先端は、コンソール120Cの前端部に設けられる吹出口121F1,121F2に接続される。これにより、空調装置150によって温度や湿度等が調整された空気をキャビン10内の前部に供給することができる。空調ダクト155Bは、空調装置150から後方に向かって延びだし、トリム部130の内側(下)に配置される。そして、空調ダクト155Bは、空調ダクト155BL,155BRに分岐し、それぞれの先端がキャビン10の内部の左側の吹出口131BL及び右側の吹出口131BRに接続される。これにより、空調装置150によって温度や湿度等が調整された空気をキャビン10内の後部に供給することができる。空調ダクト155Cは、空調装置150から右方に延びだし、トリム部130の内側(下)に配置される。空調ダクト155Cの先端は、収容庫160に接続される。これにより、空調装置150によって温度や湿度が調整された空気を収容庫160の内部に供給することができる。
空調ダクト155A~155Cには、温度や湿度等の同じ条件の空気が通過する態様であってもよいし、その中の少なくとも一部に温度や湿度等の異なる条件の空気が通過する態様であってもよい。例えば、空調ダクト155Cを通じて収容庫160に供給される空気の温度等の条件は、空調ダクト155A,155Bを通じてキャビン10の内部に供給される空気の温度等の条件と異なっていてもよい。
尚、空調ダクト155A,155Bを通じて、キャビン10の内部に供給される空気の風量や温度等の条件は、所定の入力部(例えば、スイッチ群34やスイッチ群41a等に含まれるスイッチ)を通じて、オペレータによる設定が可能である。また、空調ダクト155Cを通じて収容庫160に供給される風量や温度等の条件は、所定の入力部(例えば、スイッチ群34やスイッチ群41aに含まれるスイッチ)を通じて、空調ダクト155A,155Bを通じてキャビン10の内部に供給される空気とは独立して、オペレータによる設定が可能であってもよい。例えば、空調装置150から収容庫160への空調ダクト155Cを通じた空気の流入及び遮断の切り換えや風量の調整を行うための機構が設けられ、オペレータによって当該機構の操作が可能な態様であってよい。具体的には、レバー等によって物理的に空気の流出及び遮断の切り換えや風量の調整の操作が可能であってもよいし、スイッチ群34やスイッチ群41aに含まれるスイッチによって、空気の流出及び遮断の切り換えや風量の調整の操作が可能であってもよい。
トリム部130の前部右隅には、収容庫160が設けられる。
収容庫160は、内部に収容される収容物の保冷及び保温を行う機能を有する。具体的には、収容庫160は、空調ダクト155Cを通じて供給される、空調装置150により温度が調整された空気によって、収容物の保冷や保温を行う。収容物は、例えば、ペットボトル等の飲料が入った容器や弁当箱等が含まれうる。
収容庫160は、キャビン10の右側面のウィンドウ10WR(図4参照)の内側に前後方向で沿うように設けられる。本例では、収容庫160は、前後方向において、その大部分が運転席100よりも後方にあり、且つ、幅方向(左右方向)において、その全体が運転席100よりも外側(右側)にあるように、運転席の右斜め後ろに配置される。これにより、例えば、収容庫160が運転席の後方に配置される場合等に比して、オペレータが手を伸ばしてアクセスしやすくなることから、オペレータの利便性を向上させることができる。
尚、収容庫160は、その一部が運転席100よりも幅方向の外側に配置されてもよい。また、収容庫160は、その一部又は全体が運転席100よりも左側にあるように配置されてもよい。また、収容庫160は、前後方向において、その全体が運転席100よりも後方に配置されてもよいし、運転席が配置される範囲と重複するように配置されてもよい。また、収容庫160は、空調装置150からの温度等が調整された空気が供給されることに代えて、他の手段によって、収容物の保冷や保温の機能を実現してもよい。収容庫160は、例えば、ペルチェ素子を用いたヒートポンプ作用によって収容物を保冷したり保温したりしてもよい。また、収容庫160は、収容物の保冷及び保温のうちの何れか一方の機能のみを有していてもよい。
図2に示すように、キャビン10の平面視で、運転席100の後部右隅と収容庫160との間の対向する空間には、オペレータが操作を行うスイッチ等の入力部(操作部)が配置されていない。キャビン10の平面視で、運転席100の右下隅と収容庫160との間の対向する空間は、オペレータの手部及び腕部が収容庫160にアクセスするための動線に相当する。これにより、オペレータが収容庫160に手部及び腕部によってアクセスする際に、各種の入力部(操作部)を誤って操作してしまうような事態を抑制することができる。
尚、キャビン10の平面視で、運転席100の後部右隅と収容庫160との間の対向する空間の中で、右側のアームレスト106Bの下には、スイッチ等の入力部が配置されていてもよい。オペレータが収容庫160にアクセスする場合、アームレスト106Bは下げられた状態にある可能性が非常に高く、アームレスト106Bの下にスイッチ等の入力部が配置されていても、オペレータの手部や腕部が接触してしまう可能性がないからである。
[収容庫の構造]
次に、図3~図5を参照して、収容庫160の構造について説明する。
図3は、収容庫160の一例を示す斜視図である。具体的には、カバー部162が全開状態のときの収容庫160の一例を示す斜視図である。図4は、収容庫160の一例を示す正面図である。具体的には、図4は、カバー部162が全開状態のときの収容庫160の一例を示す正面図である。図5は、ストッパ163Eの構造の一例を示す図である。具体的には、図5は、開閉機構部163(ヒンジ163A)の回転軸に沿う方向から見て、カバー部162が全閉状態のときの収容庫160(図5A)、及びカバー部162が全開状態のときの収容庫160(図5B)を示す。
図3~図5に示すように、収容庫160は、収容部161と、カバー部162と、開閉機構部163と、固定機構部164とを含む。
収容部161は、上面部161Aと、左側面部161Bと、後面部161Cと、凹部161Dと、座面部161Eと、窪み部161Fと、窪み部161Gとを含む。
上面部161A(対向部の一例)は、収容庫160(カバー部162)の全閉状態において、カバー部162の裏面と対向する。上面部161Aには、開口部161A1が設けられる。
左側面部161Bは、左側のトリム部130と連続するように、上面部161Aの左端部から立ち下がる。左側面部161Bは、凹部161Dの左側を覆っている。
後面部161Cは、収容庫160の後方のトリム部130と連続するように上面部161Aの後端部から上方に立ち上がる。
凹部161Dは、上面部161Aの開口部161A1から下側に連続するように凹んでいる。これにより、オペレータは、凹部161Dに飲料の容器や弁当箱等を収容することができる。凹部161Dには、空調ダクト155Cの先端が接続され、空調ダクト155Bを通じて、空調装置150により温度が調整された空気が供給される。
座面部161Eは、上面部161Aの開口部161A1の右側に前後方向に並べて2つ設けられる。座面部161Eには、開閉機構部163(座面板163C)が取り付けられる。
窪み部161Fは、収容庫160(上面部161A)の前側に設けられる。具体的には、窪み部161Fは、上面部161Aと左側面部161Bとが接続する角部の前側に設けられる。窪み部161Fには、カバー部162が全閉状態でもオペレータの指先を差し込むことができる。これにより、オペレータは、窪み部161Fに指を差し込んでカバー部162を上に持ち上げて、カバー部162を開くことができる。
窪み部161Gは、上面部161Aと後面部161Cとの接続する角部の右側に設けられる。窪み部161Gの後側の最奥部には、ボルトBLT1の座面が設けられる。これにより、窪み部161Gを利用して、収容部161に相当するトリムをキャビン10の躯体に固定することができる。また、窪み部161Gは、全閉状態において、後述のカバー部162の壁部162Aと対向し、壁部162Aと上面部161Aの他の部分との間の隙間よりも大きい隙間を壁部162Aとの間に形成する。これにより、窪み部161Gは、空調装置150から凹部161Dに供給される空気の外部への逃げ道として機能する。そのため、凹部161Dの圧力が相対的に高くなり、凹部161Dに空調装置150からの空気が供給できなくなるような事態を防止することができる。
カバー部162は、収容部161の開口部161A1を開閉可能なように上方から覆う。カバー部162は、開閉機構部163によって、開口部161A1を覆うように伏せられた状態から幅方向の外側、即ち、右側に起き上がるように回転することで開く。
尚、カバー部162は、起き上がるように回転する態様に代えて、他の態様で、幅方向の外側に移動することにより、開いてもよい。例えば、カバー部162は、右側にスライドすることにより開き、左側にスライドすることにより閉じてもよい。
カバー部162の裏側には、壁部162Aが設けられる。
壁部162Aは、カバー部162の裏面から突出し、カバー部162の全閉状態において、開口部161A1の鉛直方向から見て開口部161A1の周りを包囲するように設けられる。壁部162Aのカバー部162からの突出量は、カバー部162の全閉状態において、上面部161Aと当接しない範囲で極力小さくなるように設定される。これにより、壁部162Aは、空調ダクト155Bを通じて、凹部161Dに供給される空気を外部に逃げにくくさせることができる。そのため、収容庫160による収容物の保冷性能や保温性能を向上させることができる。
開閉機構部163は、カバー部162を開閉可能なように支持する。開閉機構部163は、ヒンジ163Aと、座面板163B,163Cと、コイルばね163Dと、ストッパ163Eとを含む。
ヒンジ163Aは、開動作時にカバー部162が右側に回転しながら起き上がるように、一方の羽根板が座面板163Bを介してカバー部162の裏面に取り付けられると共に、他方の羽根板が座面板163Cを介して座面部161Eに取り付けられる。ヒンジ163Aは、前後に2つ設けられ、双方の回転軸が略同軸状になるように配置される。
尚、開閉機構部163は、回転しながら起き上がる形態とは異なる形態でカバー部162を開かせてもよい。例えば、開閉機構部163は、カバー部162を左右方向にスライドさせるスライド機構を含むように構成されてもよい。
座面板163Bは、例えば、金属製の板状部材や板状部材のプレス加工品であり、カバー部162の裏面に取り付けられ、ヒンジ163Aの一方の羽根板が固定される。
座面板163Cは、例えば、金属製の板状部材や板状部材のプレス加工品であり、座面部161Eの上面に取り付けられる。座面板163Cは、2つの座面部161Eに対応して、2つ設けられ、そのうちの前側の座面部161Eに取り付けられる座面板163Cは、座面部161Eの上面から前側に飛び出す凸部163C1を有する。
コイルばね163D(付勢部材の一例)は、ヒンジ163Aの回転軸部に組み込まれ、ヒンジ163Aをカバー部162が開く方向に付勢する。これにより、オペレータは、比較的小さい力で、容易にカバー部162を開くことができる。
尚、カバー部162が開く方向に付勢力を作用させることが可能であれば、コイルばね163Dに代えて、他の部材が任意に採用されてもよい。
ストッパ163E(制限部材の一例)は、座面板163Bの前端部に取り付けられ、カバー部162の開動作時の移動量(回転量)を規制する。具体的には、ストッパ163Eは、板状部材がL字に折り曲げられた形状を有し、一方の平板部が座面板163Bに取り付けられ、他方の平板部が座面板163Bに対して鉛直に飛び出すように、座面板163Cの凸部163C1と略同じ前後位置に設けられる。図5Aに示すように、カバー部162の全閉状態では、ストッパ163Eの他方の平板部は、座面板163Cの凸部163C1と離れた状態にある。一方、ヒンジ163Aがカバー部162の開く方向に回転すると、ストッパ163Eの他方の平板部は、凸部163C1に近づくように回転し、図5Bに示すように、カバー部162の全開状態で、座面板163Cの凸部163C1に当接する(図中の破線丸枠参照)。これにより、カバー部162が全開状態よりもオーバーストロークするような事態を抑制することができる。そのため、カバー部162がウィンドウ10WRに接触するような事態を抑制することができる。その結果、カバー部162やウィンドウ10WRの傷つきを抑制することができると共に、カバー部162とウィンドウ10WRとの接触による異音(オペレータにとっての不快な音)の発生を抑制することができる。
尚、カバー部162が開く際のオーバーストロークを抑制することが可能であれば、ストッパ163E及び座面板163Cの凸部163C1の組み合わせに代えて、他の部材が任意に採用されてもよい。
図4に示すように、全開状態のカバー部162とキャビン10の右側面のウィンドウ10WRの間には、隙間SP1が設けられる。これにより、ウィンドウ10WRとカバー部162との間にオペレータが手部(例えば、指)を差し込んで、全開状態のカバー部162を操作し、カバー部162を閉じることができる。
全開状態のカバー部162とウィンドウ10WRとの間の隙間SP1の幅方向(左右方向)の寸法は、オペレータが手部(指)を差し込んで、操作が可能な範囲で相対的に小さくなるように設定されてよい。例えば、隙間SP1(上端部)の幅方向の寸法は、全閉状態のカバー部162の左右方向の幅よりも十分に小さく設定される。また、例えば、隙間SP1(上端部)の幅方向の寸法は、開口部161A1とウィンドウ10WRとの間の左右方向の間隔よりも小さく設定される。また、例えば、隙間SP1(上端部)の幅方向の寸法は、座面部161Eの上面の左右方向(幅方向)の寸法よりも小さく設定される。これにより、カバー部162を相対的に大きく開くことができる。そのため、オペレータが開口部161A1(凹部161D)によりアクセスしやすくなる。
また、全開状態のカバー部162は、幅方向の内側、即ち、左側に傾いている。これにより、オペレータが全開状態からカバー部162を閉じやすくなり、オペレータの操作性が向上する。
固定機構部164は、ヒンジ163Aに組み込まれるコイルばね163Dに対抗する形で、カバー部162を全閉状態に固定(保持)する。固定機構部164は、マグネットキャッチ部164Aと、受板部164Bとを含む。
マグネットキャッチ部164Aは、カバー部162の裏面の前後方向の中央部且つ左端部(幅方向の内側の端部)に設けられる。
受板部164Bは、カバー部162の全閉状態において、マグネットキャッチ部164Aと対向する上面部161Aの箇所に取り付けられる。これにより、カバー部162の全閉状態において、マグネットキャッチ部164Aと受板部164Bとが磁気的に吸着し、カバー部162が固定される。マグネットキャッチ部164Aと受板部164Bとの間の吸着力は、例えば、ヒンジ163Aに組み込まれるコイルばね163Dによるカバー部162を開く方向に付勢する力より十分に大きく、且つ、オペレータが比較的小さい力で固定状態を解除できる程度に設定される。また、マグネットキャッチ部164Aと受板部164Bとの間の吸着力は、例えば、ショベル稼働時の振動でカバー部162が勝手に全開状態にならないように調整されている。
[作用]
次に、本実施形態に係るショベルの作用について説明する。
本実施形態では、ショベルは、下部走行体1と、下部走行体1に旋回自在に搭載される上部旋回体3と、上部旋回体3に搭載され、運転席100を有するキャビン10と、キャビン10の内部に設けられ、収容物の保冷及び保温の少なくとも一方の機能を有する収容庫160と、を備える。そして、収容庫160は、キャビン10の内部において、運転席100よりも幅方向で外側に配置される。
これにより、例えば、運転席100の真下に設けられる場合のように、オペレータは、収容庫160にアクセスする際に、運転席100から立ち上がったり前にかがんだりする必要がなくなる。また、例えば、運転席100の後方に設けられる場合のように、オペレータは、収容庫160にアクセスする際に、運転席100から立ち上がったり、座ったまま体をねじったりする必要がなくなる。そのため、収容庫160を利用するオペレータの利便性を向上させることができる。
また、本実施形態では、収容庫160は、開口部161A1と、開口部161A1を覆うカバー部162と、カバー部162を幅方向に開閉させる開閉機構部163と、を備えてもよい。
これにより、オペレータは、カバー部162を幅方向に移動させることにより、カバー部162(収容庫160)を開閉させることができる。そのため、運転席100に着座するオペレータから見て、例えば、前後方向にカバー部162を移動させる場合よりも、より容易にカバー部162を操作することができる。よって、オペレータの利便性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、キャビン10は、左側面に乗降口を有してもよい。そして、収容庫160は、運転席100よりも右側に配置され、開閉機構部163は、カバー部162を右側に開かせてもよい。
これにより、オペレータは、キャビン10の乗降口から見て幅方向で反対側(右側)に設けられる収容庫160(カバー部162)を幅方向の外側(右側)に操作し、収容庫160(カバー部162)を開かせることができる。そのため、例えば、オペレータは、幅方向の内側、即ち、オペレータから見て手前側に操作するよりも比較的容易に収容庫160を開かせることができる。よって、オペレータの利便性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、運転席100のオペレータの手部及び腕部が収容庫160にアクセスする動線には、オペレータが操作可能な入力部が配置されなくてもよい。
これにより、オペレータが収容庫160へのアクセス時に各種の入力部を誤って操作してしまうような事態を抑制することができる。
また、本実施形態では、開閉機構部163は、カバー部162を開く方向に付勢するコイルばね163Dと、カバー部162の開く方向への移動量を制限するストッパ163Eと、を備えてもよい。
これにより、比較的小さい力でカバー部162を開かせることができると共に、カバー部162が開く際のオーバーストロークを抑制することができる。そのため、例えば、カバー部162の移動方向の先にウィンドウ10WRが存在する場合に、カバー部162がウィンドウ10WRに接触するような事態を抑制することができる。その結果、カバー部162やウィンドウ10WRの傷つきを抑制することができると共に、カバー部162とウィンドウ10WRとの接触による異音(オペレータにとっての不快な音)の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、収容庫160は、キャビン10の側面のウィンドウ10WRに沿って配置されてもよい。
これにより、収容庫160は、キャビン10の最も外側に配置される。そのため、運転席100と収容庫160との間の幅方向のオフセットをより大きく確保することができ、その結果、オペレータが手部及び腕部を利用して収容庫160にアクセスしやすくなる。
また、本実施形態では、カバー部162は、開閉機構部163によって、幅方向の外側に向かって立ち上がるように回転することで開き、全開状態において、内側に向かって傾いている
これにより、オペレータがカバー部162を閉じる際に、幅方向の内側に傾いていることで、閉じる操作がし易くなる。具体的には、幅方向の内側に傾いていることで、オペレータがカバー部162の上端部を押し下げるだけで、容易にカバー部162を閉じることができる。そのため、オペレータの利便性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、カバー部162は、開閉機構部163によって、幅方向に立ち上がるように回転することで開いてもよい。そして、開口部161A1が設けられ、全閉状態のカバー部162と対向する上面部161Aには、全閉状態のカバー部162の下に手を差し込むための窪み部161Fが設けられてもよい。
これにより、オペレータは、窪み部161Fに手を差し込んで、カバー部162を下から持ち上げることができる。そのため、オペレータによるカバー部162の操作性を向上させることができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。