JP7783224B2 - 化粧材用インキ組成物および化粧材 - Google Patents
化粧材用インキ組成物および化粧材Info
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Description
基材上に、化粧材用インキ組成物を印刷方式により印刷して絵柄層を形成する工程を含み、
前記インキ組成物は、アクリルポリオールおよびポリイソシアネートを含み、前記アクリルポリオールの水酸基価は、10~120mgKOH/g、かつ、ガラス転移温度は、30~70℃であり、
前記インキ組成物からなる皮膜を形成し、硬化させた後の硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率が、1.0×105~1.2×109Paである、化粧材の製造方法に関する。
化粧材用インキ組成物は、アクリルポリオールの水酸基価が、10~120mgKOH/g、かつ、ガラス転移温度が、30~70℃であり、化粧材用インキ組成物により形成された皮膜を任意条件で硬化させた硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率が、10 5 ~10 9 Paであることで、要求される特性を満足することができる。これらの要件は化粧材用インキ組成物において一体的に作用するもので、上記構成の化粧材において基材密着性、耐候性、耐湿熱性等を満たす。
本発明における化粧材用インキは、アクリルポリオールをバインダー樹脂として使用する。バインダー樹脂とはインキにおける結着機能を担う有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂をいう。アクリルポリオール以外のバインダー樹脂としては、ウレタン樹脂やポリエステル樹脂、ニトロセルロース樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。本発明においては、耐候性や耐湿熱性といった耐久性の観点から、アクリルポリオールをメインバインダーとして使用するのが望ましい。また必要な物性を満たすためには、以下に示すアクリルポリオールの性状(水酸基価、ガラス転移温度、分子量等)の要件が性能に寄与する。
においてもインキ安定性が良好である。当該水酸基価は以下に記載のポリイソシアネートとで作用・硬化して特性向上を促す。
上記アクリルモノマーの例としては、水酸基含有(メタ)アクリルモノマー と、水酸基
を含有しない(メタ)アクリルモノマーとの共重合体が好ましく用いられる。水酸基含有(メタ)アクリルモノマーは、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基と1個以上の水酸基を含有するモノマーであればよい。
10~50質量%であることがなお好ましい。また、アクリルポリオールは、ブチルメタクリレート由来の構成単位を有することが好ましい。ブチルメタクリレート由来の構成単位の含有量はアクリルポリオール総質量中含有量30~70質量%であることが好ましい。
ポリイソシアネートは、本発明の化粧材用インキ組成物においてアクリルポリオールと作用し、基材層との密着性や耐候性、耐湿熱性付与のために必要である。ポリイソシアネートの配合形態は特段の制限はなく、化粧材用インキ組成物にあらかじめ配合されていてもよいし、絵柄層、表面保護層の積層過程において、絵柄層が、ポリイソシアネートを有する他の層と接触することでポリイソシアネートが供給されてもよく、結果としてイソシアネート基が水酸基と反応して硬化して絵柄層の貯蔵弾性率が上記貯蔵弾性率となり、同様の効果を有していればよい。
用いることがなお好ましい。
イソシアヌレート系ポリイソシアネートとはジイソシアネートが3量体となって環化した構造を有するポリイソシアネートをいう。アダクト系ポリイソシアネートとはエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの水酸基を有する化合物の水酸基にジイソシアネートが付加した構造を有するポリイソシアネートをいう。
当該ジイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシア
ネートメチル)シクロヘキサン等の脂肪族ジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソ
シアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p‐キシリレンジイソシアネート、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト化合物からなるアダクト系ポリイソシアネートから選ばれる少なくとも1種である。
化粧材用インキ組成物により形成された硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率を上記範囲とするためには、一実施形態においてアクリルポリオールの水酸基価が10~120mgKOH/g、好ましくは10~80mgKOH/gにおいて、アクリルポリオールとポリイソシアネート質量比率(アクリルポリオール:ポリイソシアネート)が100:5~100:80、好ましくは100:10~100:60での組み合わせとすることが好適である。またここで上記アクリルポリオールの水酸基価が20~70mgKOH/gであることも好ましく、また、アクリルポリオール/ポリイソシアネート比率が100:10~100:50での組み合わせで配合することもまた好ましい。
化粧材用インキ組成物により形成された硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率を上記範囲とするために、一実施形態では、上記に加え更に当該アクリルポリオールのガラス転移温度は30~70℃、好ましくは40~60℃とすれば好適であり、配合される下記顔料においては、質量比率(アクリルポリオール:顔料)が、100:20~100:250であることが好ましい。100:30~100:200であることがなお好ましい。
化粧材用インキは顔料を含むことが好ましい。着色剤として無機顔料、有機顔料いずれでも使用可能であり、特段限定されるものではないが、有機顔料の使用で良好な効果が得られる。有機顔料としては、以下の例には限定されないが、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
具体的にはC.I.ピグメントブラック1~34の黒色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である黒色顔料が好ましく、例えば
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20などが挙げられる。
<藍色顔料>
具体的にはC.I.ピグメントブルー1~80の藍色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である藍色顔料が好ましく、例えば
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。
<赤色顔料>
具体的にはC.I.ピグメントレッド1~279の赤色顔料のうち、有機化合物または有
機金属錯体である赤色顔料が好ましく、更に好ましくは、耐候性の観点から例えば
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド264などが挙げられる。
<黄色顔料>
具体的にはC.I.ピグメントイエロー1~219の黄色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である黄色顔料が好ましく、更に好ましくは、耐候性の観点から例えば
C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー120、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー173、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213などが挙げられる。
<紫色顔料>
具体的にはC.I.ピグメントバイオレット1~50の紫色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である紫色顔料が好ましく、更に好ましくは、耐候性の観点から例えば
C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29などが挙げられる。
<茶色顔料>
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
本発明の化粧材用インキは添加剤として公知のものを適宜含むことができ、インキ組成物の製造においては必要に応じて公知の添加剤、例えば顔料誘導体、体質顔料、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、シリカ粒子、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分、耐候剤、シランカップリング剤などを使用することができる。
本発明の化粧材用インキは、アクリルポリオール、顔料を有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、例えば有機顔料をアクリルポリオール、および必要に応じて前記分散剤を混合し、有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、更に、ポリイソシアネート、アクリルポリオール、有機溶剤、あるいは必要に応じて他の樹脂や添加剤などを配合することにより化粧材用インキを製造することができる。また、顔料分散体の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを好適に用いることができる。
前記方法で製造された化粧材用インキの粘度は、フレキソ印刷法やグラビア印刷法などでの高速印刷(50~300m/分)に対応させるため、B型粘度計での25℃における粘度が40~500cpsの粘度範囲であることが好ましい。より好ましくは50~400cpsである。この粘度範囲は、ザーンカップ#4での粘度が9秒~40秒程度に相当する。なお、化粧材用インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば有機顔料、アクリルポリオール、有機溶剤などの量を適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の有機顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
本発明に使用できる基材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系基材、ポリカーボネート系基材、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系基材、6-ナイロン、6,6-ナイロン等のポリアミド系基材、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース等の繊維素系基材、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系基材、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂ポリスチレン基材、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系基材等が挙げられ、フィルム状またはシート状であることが好ましい。基材層は、これらの熱可塑性樹脂から一種又は二種以上から選ばれた混合物を用いて得られる。基材層は、積層体であってもよい。また、コロナ処理などの表面処理が施されていても良い。また、上記熱可塑性樹脂に着色剤が混練された着色基材を用いても良い。当該着色剤は特に限定は無く、上記の有機顔料、無機顔料などを適宜使用できる。一実施形態において着色剤を含む基材である場合もまた好ましい。
絵柄層は、本発明の化粧材用インキ組成物を、上記基材上に、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式などの輪転印刷方式で絵柄層を形成することで得ることができる。例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで有機溶剤で希釈され、ポリイソシアネートを配合して、混合されて各印刷ユニットに供給され印刷される。印刷方式は特段限定されないが、スクリーン印刷方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、オフセット印刷方式、インクジェット印刷方式など好適に挙げられるが、なかでもグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式が好ましい。
また本発明の化粧材の製造において、絵柄層形成時、すなわち印刷工程においてポリイソシアネートが使用される。具体的には化粧材用インキ組成物の印刷時に所定量のポリイソシアネートを配合して印刷を行う。このとき、水酸基価10~120mgKOH/g、ガラス転移温度30~70℃であるアクリルポリオールを含有するインキ組成物と、印刷時に配合されるポリイソシアネートの硬化物を混合して塗工乾燥させ、硬化皮膜を作成し、
あらかじめ測定により140℃の貯蔵弾性率が1.0×105~1.0×109Paとなることを把握しておき、印刷において当該組み合わせを使用されることが好ましい。
すなわち、印刷時に使用される化粧材用インキ組成物により形成される硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率が、1.0×105~1.0×109Paとなるように組成を配合されていることが好ましい。
表面保護層は、上記した絵柄層上に、絵柄層の硬化工程前または後に形成される。当該表面保護層は化粧材に対して耐傷性、耐汚染性、耐薬品性、耐候性などの性能を付与するために形成され、上記表面物性を満たすために熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂などの硬化性樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとポリイソシアネートの混合物が好適である。電離放射線硬化性樹脂としては、多官能アクリレートモノマーの官能基数が2以上であれば特に制限はないが、密着性や耐傷性の観点からウレタンアクリレートその他の多官能アクリレートオリゴマーを併用するのが好ましい。
また、更なる耐候性や耐傷性等の付与のために、絵柄層と表面保護層との間に熱可塑性樹脂層が形成されてもよい。熱可塑性樹脂層には、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などを用いることができ、アクリル、スチレンその他のモノマー等と共重合されたものであっても良いし、種類の異なる樹脂が混合されたものであってもよい。これら熱可塑性樹脂は例えば、前記熱可塑性樹脂を溶融樹脂としてTダイからの押し出しラミネートにより形成する方法や、前記熱可塑性樹脂からなるフィルムまたはシートを上記絵柄層上に配置し、熱圧着することで得ることもできる。
水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を水酸化カリウムのmg数に換算した値であり、JISK0070による測定値である。
重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置(昭和電工社製「ShodexGPCSystem-21」)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。
以下に測定条件を示す。
カラム:下記の複数のカラムを直列に連結して使用。
東ソー株式会社製、TSKgel SuperAW2500、
東ソー株式会社製、TSKgel SuperAW3000、
東ソー株式会社製、TSKgel SuperAW4000、
東ソー株式会社製、TSKgel guardcolumn SuperAWH
検出器:RI(示差屈折計)、
測定条件:カラム温度40℃、
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
硬化皮膜について、0.5cm×2.5cmcmの大きさに切り出し、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製、機種名:DVA-200)を用いて140℃貯蔵弾性率を測定した。測定はクランプ間距離15mm、周波数10Hz、昇温速度4℃/分、測定開始温度30℃、測定終了温度150℃の条件下で行った。
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定測定(DSC)により求めた。なお、測定機は株式会社リガク製 DSC8231を使用し、測定温度範囲-70~250℃、昇温速度10℃/分、DSC曲線におけるガラス転移に基づく吸熱開始温度と終了温度との中点をガラス転移温度とした。
反応容器にメタクリル酸メチル(以下「MMA」)60部、メタクリル酸2―ヒドロキシエチル(以下「2-HEMA」)3部、メタクリル酸ブチル(以下「BMA」)36部、アクリル酸(以下「AA」)1部、酢酸エチル125部、メチルエチルケトン(以下「MEK」)125部及び0.4部のアゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」)を加えて混合し、窒素ガス雰囲気化、70℃で8時間重合し、アクリルポリオールAP1を得た。得られた樹脂溶液の固形分は40%、水酸基価は13mgKOH/g、ガラス転移温度は68℃、重量平均分子量は78000であった。
表1記載の原料を使用する以外は、合成例1と同様の方法によりアクリルポリオールAP2~AP6を得た。なお、重量平均分子量の調整にあたり適宜AIBNの添加量を調整した。
表2記載の原料を使用する以外は、合成例1と同様の方法により、アクリルポリオールAP7~AP10を得た。なお、重量平均分子量の調整にあたり適宜AIBNの添加量を調整した。
アクリルポリオールAP1(固形分40%)を60部、C.I.ピグメントイエロー110(BASF社製、イルガジンイエローL2060)を10部、酢酸エチル/MEK=50/50の溶液30部を混合し、アイガーミルで30分間分散し、化粧材用インキを得た。
またポリイソシアネートとしてタケネートD-170N(三井化学社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物)1.6部とタケネートD-110N(三井化学社製、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト化合物)0.4部を混合し化粧材用インキ組成物S1とした。
表3記載の原料を使用する以外は、実施例1と同様の方法により混合し、化粧材用インキ組成物S2~S12を得た。
タケネートD-160N:三井化学社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト化合物
タケネートD-165N:三井化学社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット化合物
表4記載の原料を使用する以外は、上記実施例1~12と同様の方法にて化粧材用インキセットT1~T5を得た。
上記で得られた化粧材用インキ組成物S1を、乾燥後の膜厚が50μmになるようシャーレ上に化粧材用インキの層形成後、加熱乾燥することで皮膜を得た。なお、貯蔵弾性率の評価は当該皮膜を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行った。
化粧材用インキ組成物S2~S12を使用した以外は、上記S1の硬化皮膜の作製方法と同様の方法により、化粧材用インキ組成物S2~S12それぞれの皮膜を得た。なお、貯蔵弾性率の評価は当該皮膜を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行い、結果を表3に示した。
化粧材用インキ組成物T1~T5を使用した以外は、上記S1の硬化皮膜の作製方法と同様の方法により、化粧材用インキ組成物T1~T5それぞれの皮膜を得た。なお、貯蔵弾性率の評価は当該皮膜を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行い、結果を表4に示した。
上記で得られた化粧材用インキ組成物S1を、混合溶剤(酢酸エチル/MEK=50/50)により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈混合し、ヘリオ175線(版式コンプレスト、100%~3%のグラデーション柄)を用いて厚さ60μmのポリプロピレン樹脂基材(フタムラ化学社製、品名:FOS)のコロナ処理面に印刷速度150m/分で印刷し、化粧材用インキ組成物S1の印刷物を得た。耐ブロッキング性・基材密着性の評価は印刷物を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に後に行った。
表面保護ワニス(東洋インキ社製、YL454UR、アクリル樹脂系ワニス)100部に対してタケネートD-170Nを10部配合後、混合溶剤(酢酸エチル/MEK=50/50)により、粘度が10秒(25℃、ザーンカップNo.4)となるように希釈混合し、上記において得られた印刷物(化粧材用インキ組成物S1の印刷物)の印刷層上に、グラビア印刷方式で乾燥後の膜厚が6μmとなるように印刷速度80m/分で印刷し、化粧材を得た。なお、耐候性・耐湿熱性の評価は化粧材を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に後に行った。なお、「ワニス」とは樹脂溶液を意味する。
上記で得られた化粧材用インキ組成物S2~S12を用いて、S1を使用した印刷物・化粧材と同様の方法で、印刷物C2~C9、化粧材D2~D9を得た。なお、耐ブロッキン
グ性・基材密着性の評価は印刷物を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に後に行った。耐候性・耐湿熱性の評価は化粧材を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行った。
上記で得られた化粧材用インキ組成物T1~T5を用いて、上記と同様の方法で、それぞれに対応する印刷物および化粧材を得た。なお、耐ブロッキング性・基材密着性の評価は印刷物を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に後に行った。耐候性・耐湿熱性の評価は化粧材を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行った。
化粧材用インキ組成物S1~S12(実施例)、T1~T5(比較例)について、混合溶剤(酢酸エチル/MEK=50/50)により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈混合後、25℃で24時間保存を行った。その後、粘度を測定して保存前との粘度変化を評価した。なお粘度の測定は25℃でザーンカップNo.3の流出秒数にて行った。
A.粘度差が0秒~5秒未満である(優)
B.粘度差が5秒を超え10秒未満である(良)
C.粘度差が10秒を超え15秒未満である(可)
D.粘度差が15秒を超え20秒未満である(不可)
E.粘度差が20秒を超えるまたはゲル化する(劣)
なお、A、B、Cは実用上問題がない範囲である
上記印刷物について、4cm×4cmの大きさに切り、同じ大きさに切った上記ポリプロピレン樹脂基材を重ね合わせ5kg/cm2荷重をかけ、40℃、湿度80%RHの雰囲気下で24時間静置後、印刷面とフィルムを引きはがし、インキ皮膜の取られ具合を目視で判定した。
A.インキ皮膜が全く剥離しないもの(優)
B.インキ皮膜が0%以上~5%未満剥離するもの(良)
C.インキ皮膜が5%以上~10%未満剥離するもの(可)
D.インキ皮膜が10%以上~30%未満剥離するもの(不可)
E.インキ皮膜が30%以上剥離する、あるいは全面密着して剥がせないもの(劣)
なお、A、B、Cは実用上問題がない範囲である。
上記印刷物について、印刷面にセロハンテープを貼り付け、すばやく剥がした。テープを貼り付けた面積と、インキがフィルムから剥離した面積との比較から、インキのフィルムに対する接着性を評価した。
A.インキ皮膜が全く剥離しないもの(優)
B.インキ皮膜がフィルムから剥離した面積がテープ接着面積の0%以上~10%未満剥離するもの(良)
C.インキ皮膜がフィルムから剥離した面積がテープ接着面積の10%以上~30%未満剥離するもの(可)
D.インキ皮膜がフィルムから剥離した面積がテープ接着面積の30%以上~50%未満剥離するもの(不可)
E.インキ皮膜がフィルムから剥離した面積がテープ接着面積の50%以上剥離するもの
(劣)
なお、A、B、Cは実用上問題がない範囲である。
上記化粧材について、促進耐候試験機(ダイプラウィンテス社製、機種名:KW-R6TP-A)を用いて、照射20時間(ブラックパネル温度53℃、50%RH、照度70W/
m2)、休止4時間(槽内温度35度、98%RH)、シャワー30秒を1サイクルとして20サイクル促進試験を実施後、密着性と色変化を評価した。密着性については上記基材密着性と同様の評価方法、評価基準により判定した。色変化は、分光測色計を用いて、D50光源、視野角度2°、ステータスEの条件にて測定した。
A.ΔEが1.0未満であるもの(優)
B.ΔEが1.0以上2.0未満であるもの(良)
C.ΔEが2.0以上4.0未満であるもの(可)
D.ΔEが4.0以上6.0未満であるもの(不可)
E.ΔEが6.0以上であるもの(劣)
なお、A、B、Cは実用上問題がない範囲である。
上記化粧材について、85℃、85%RHで1か月保管後、密着性と色変化を評価した。密着性、色変化とも上記耐候性の評価と同様の方法、評価基準により判定した。
、耐ブロッキング性を兼ね備える化粧材用インキ組成物、化粧材及び化粧材製造方法であることがわかった。
Claims (5)
- 基材、絵柄層および表面保護層をこの順に有する化粧材の製造方法であって、
基材上に、化粧材用インキ組成物を印刷方式により印刷して絵柄層を形成する工程を含み、
前記インキ組成物は、アクリルポリオールおよびポリイソシアネートを含み、前記アクリルポリオールの水酸基価は、10~120mgKOH/g、かつ、ガラス転移温度は、30~70℃であり、
前記インキ組成物からなる皮膜を形成し、硬化させた後の硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率が、1.0×105~1.2×109Paである、化粧材の製造方法。 - ポリイソシアネートは、イソシアヌレート系ポリイソシアネートおよび/またはアダクト系ポリイソシアネートを含む、請求項1に記載の化粧材の製造方法。
- アクリルポリオールの重量平均分子量は、30000~150000である、請求項1または2に記載の化粧材の製造方法。
- アクリルポリオールとポリイソシアネートとの質量比は、100:5~100:80である、請求項1~3いずれかに記載の化粧材の製造方法。
- 更に、前記絵柄層上に、熱硬化性樹脂及び/又は電離放射線硬化性樹脂を印刷方式により印刷して表面保護層を形成する工程を含む、請求項1~4いずれかに記載の化粧材の製造方法。
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