JP7783224B2 - 化粧材用インキ組成物および化粧材 - Google Patents

化粧材用インキ組成物および化粧材

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Description

本発明は、化粧材用インキ組成物、および化粧材に関する。
化粧材は、木質基材や鋼鈑等の基材上に、印刷インキ等により木目柄等の絵柄を形成することにより作成され、建築物や外壁等に用いられる。その実施形態によって化粧シート、化粧板とも称される。
化粧材は長期にわたり使用されることが多いことから、絵柄層を構成するインキまたは当該絵柄層において、初期の基材密着性やインキ印刷適性等の物性に加えて、耐光性、耐候性、耐湿熱性等の様々な耐久性が求められる。特に、適度に外光や外気に晒されるような準外装用途や、屋外で使用される外装用途で用いられる場合、より長期にわたって太陽光下、高温・高湿度環境下に晒されるため、印刷インキから構成される絵柄層の耐候性や耐湿熱性が不十分であると、化粧シートや化粧板において剥離による不良が発生するおそれがある。
上記課題を解決するために、例えば特許文献1では耐湿熱性を付与するためにインキとしてアクリルポリオールとポリプロピレン系エマルションを併用した例が検討されているが、ポリプロピレンは光により分解されやすいため、耐光性が不十分であった。特許文献2では基材密着性と耐候性を両立させるためにインキとしてポリカーボネート系ウレタンとアクリルポリオールの共重合体及びポリエステル系ウレタンを併用しているが、ポリエステル系ウレタンは加水分解されやすいため、耐候性や耐湿熱性に懸念があった。
特開2014-080010号公報 特開2010-82905号公報
本発明は、優れた基材密着性に加えて、優れた耐候性、耐湿熱性といった耐久性を兼ね備える化粧材用インキ組成物及び化粧材製造方法を提供するものである。
本発明者は前記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、以下に記載の化粧材用インキ組成物及び化粧材製造方法を用いることで解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材、絵柄層および表面保護層をこの順に有する化粧材の製造方法であって、
基材上に、化粧材用インキ組成物を印刷方式により印刷して絵柄層を形成する工程を含み、
前記インキ組成物は、アクリルポリオールおよびポリイソシアネートを含み、前記アクリルポリオールの水酸基価は、10~120mgKOH/g、かつ、ガラス転移温度は、30~70℃であり、
前記インキ組成物からなる皮膜を形成し、硬化させた後の硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率が、1.0×101.2×10Paである、化粧材の製造方法に関する。
また、本発明は、ポリイソシアネートは、イソシアヌレート系ポリイソシアネートおよび/またはアダクト系ポリイソシアネートを含む、上記化粧材の製造方法に関する。
また、本発明は、アクリルポリオールの重量平均分子量は、30000~150000である、上記化粧材の製造方法に関する。
また、本発明は、アクリルポリオールとポリイソシアネートとの質量比は、100:5~100:80である、上記化粧材の製造方法に関する。
また、本発明は、更に、前記絵柄層上に、熱硬化性樹脂及び/又は電離放射線硬化性樹脂を印刷方式により印刷して表面保護層を形成する工程を含む、上記化粧材の製造方法に関する。
本発明により、優れた密着性、耐候性、耐湿熱性を兼ね備え化粧材用インキ組成物、化粧材及び化粧材製造方法を提供することができるようになった。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本発明は、基材、絵柄層、表面保護層をこの順に有する化粧材の、絵柄層を構成するための化粧材用インキ組成物に関するものであり、当該インキ組成物は特定のアクリルポリオールとポリイソシアネートを含むものである。
化粧材用インキ組成物は、アクリルポリオールの水酸基価が、10~120mgKOH/g、かつ、ガラス転移温度が、30~70℃であり、化粧材用インキ組成物により形成された皮膜を任意条件で硬化させた硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率が、10 ~10 Paであることで、要求される特性を満足することができる。これらの要件は化粧材用インキ組成物において一体的に作用するもので、上記構成の化粧材において基材密着性、耐候性、耐湿熱性等を満たす。
以下の説明において「化粧材用インキ組成物」は「化粧材用インキ」または「インキ組成物」と略記する場合があるが同義である。また、「(メタ)アクリル」とは「メタクリル」と「アクリル」を表し、「(メタ)アクリレート」とは、「メタクリレート」と「アクリレート」を表す。
<アクリルポリオール>
本発明における化粧材用インキは、アクリルポリオールをバインダー樹脂として使用する。バインダー樹脂とはインキにおける結着機能を担う有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂をいう。アクリルポリオール以外のバインダー樹脂としては、ウレタン樹脂やポリエステル樹脂、ニトロセルロース樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。本発明においては、耐候性や耐湿熱性といった耐久性の観点から、アクリルポリオールをメインバインダーとして使用するのが望ましい。また必要な物性を満たすためには、以下に示すアクリルポリオールの性状(水酸基価、ガラス転移温度、分子量等)の要件が性能に寄与する。
アクリルポリオールの水酸基価は、10~120mgKOH/gであり、15~100mgKOH/gであることが好ましく、20~80mgKOH/gであることがなお好ましい。水酸基価が10mgKOH/g以上であると、基材密着性や耐候性、耐湿熱性が良好であり、水酸基価が120mgKOH/g以下であるとポリイソシアネートと配合した際
においてもインキ安定性が良好である。当該水酸基価は以下に記載のポリイソシアネートとで作用・硬化して特性向上を促す。
またアクリルポリオールは、ガラス転移温度が30~70℃であり、好ましくは40~60℃である。ガラス転移温度が30℃以上であると耐候性、耐湿熱性、耐ブロッキング性が良好であり、70℃以下であると基材密着性が良好である。
またアクリルポリオールの重量平均分子量は30000~150000であり、好ましくは50000~100000である。重量平均分子量が30000以上であると基材密着性や耐候性、耐湿熱性が良好であり、重量平均分子量が150000以下であるとポリイソシアネート系硬化剤と配合した際のインキ安定性が良好である。なお、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による測定値をいう。
アクリルポリオールの合成方法としては特に制限はなく、有機溶剤の存在下でのアニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、ラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。
アクリルポリオールを構成するアクリルモノマーとしては特に限定は無く、上記水酸基価10~120mgKOH/g、かつガラス転移温度が30℃~70℃を満足するものであればよい。なお、本発明においてガラス転移温度とは、示差走査熱量計(DSC)による測定値をいい、DSC測定におけるベースラインシフトの変曲点における温度がガラス転移温度である。
上記アクリルモノマーの例としては、水酸基含有(メタ)アクリルモノマー と、水酸基
を含有しない(メタ)アクリルモノマーとの共重合体が好ましく用いられる。水酸基含有(メタ)アクリルモノマーは、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基と1個以上の水酸基を含有するモノマーであればよい。
水酸基を含有するアクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのグリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。アクリルポリオールは、水酸基含アクリルモノマー由来の構成単位をアクリルポリオール総質量中1~30質量%含有することが好ましい。
水酸基を含有しないアクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。アクリルポリオールは、メチルメタクリレート由来の構成単位を含むことが好ましい。メチルメタクリレート由来の構成単位の含有量はアクリルポリオール総質量中5~60質量%であることが好ましく、
10~50質量%であることがなお好ましい。また、アクリルポリオールは、ブチルメタクリレート由来の構成単位を有することが好ましい。ブチルメタクリレート由来の構成単位の含有量はアクリルポリオール総質量中含有量30~70質量%であることが好ましい。
アクリルモノマーは、他にカルボキシル基含有アクリルモノマー、アミド結合基含有アクリルモノマー、アミノ基含有アクリルモノマー、アルキレンオキサイド基含有アクリルモノマー、エポキシ基含有アクリルモノマーなどを含有しても良い。
カルボキシル基含有アクリルモノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、p-カルボキシベンジル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性(付加モル数:2~18)フタル酸(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸β-カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2-(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)エチルなどが挙げられる。
アミド結合基含有アクリルモノマーとして、例えば、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
アミノ基含有アクリルモノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどが挙げられる。
アルキレンオキサイド基含有アクリルモノマーとして、例えば、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸2-エトキシエチル、アクリル酸2-フェノキシエチル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
エポキシ基含有アクリルモノマーとして、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α-メチルグリシジルアクリレート、α-メチルグリシジルメタクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどが挙げられる。
<ポリイソシアネート>
ポリイソシアネートは、本発明の化粧材用インキ組成物においてアクリルポリオールと作用し、基材層との密着性や耐候性、耐湿熱性付与のために必要である。ポリイソシアネートの配合形態は特段の制限はなく、化粧材用インキ組成物にあらかじめ配合されていてもよいし、絵柄層、表面保護層の積層過程において、絵柄層が、ポリイソシアネートを有する他の層と接触することでポリイソシアネートが供給されてもよく、結果としてイソシアネート基が水酸基と反応して硬化して絵柄層の貯蔵弾性率が上記貯蔵弾性率となり、同様の効果を有していればよい。
ポリイソシアネートには、イソシアヌレート系ポリイソシアネート、アダクト系ポリイソシアネート、ビューレット系ポリイソシアネート、アロファネート系ポリイソシアネートなどが好適に挙げられるが、本発明においては基材密着性や耐候性、耐湿熱性の観点からイソシアヌレート系ポリイソシアネートおよび/またはアダクト系ポリイソシアネートを
用いることがなお好ましい。
イソシアヌレート系ポリイソシアネートとはジイソシアネートが3量体となって環化した構造を有するポリイソシアネートをいう。アダクト系ポリイソシアネートとはエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの水酸基を有する化合物の水酸基にジイソシアネートが付加した構造を有するポリイソシアネートをいう。
当該ジイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシア
ネートメチル)シクロヘキサン等の脂肪族ジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソ
シアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p‐キシリレンジイソシアネート、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト化合物からなるアダクト系ポリイソシアネートから選ばれる少なくとも1種である。
本発明の化粧材用インキ組成物は、上記アクリルポリオールと上記ポリイソシアネート系硬化剤の質量比(アクリルポリオール:ポリイソシアネート系硬化剤)が100:5~100:80であり、好ましくは100:10~100:60である。上記アクリルポリオールと上記ポリイソシアネート系硬化剤の質量比が100:5~100:80であれば、基材密着性や耐候性、耐湿熱性、更にインキ安定性、耐ブロッキング性が良好となる。
本発明において効果を奏するために、アクリルポリオールとポリイソシアネートを含む化粧材用インキ組成物からなる皮膜を形成し、当該皮膜を硬化させてなる硬化皮膜は、140℃における貯蔵弾性率が1.0×101.0×10Paとなるようにすることが必要である。1.0×10Pa以上であれば耐候性、耐湿熱性が良好で、1.0×10以下であれば基材密着性が良好となる。当該貯蔵弾性率は1.0×10~1.0×10Paであることが好ましく、1.0×10~1.0×10Paであることがなお好ましい。ここでいう硬化皮膜とは、皮膜中のポリイソシアネートの反応がおよそ完了した状態であり、硬化皮膜の貯蔵弾性率(140℃)が変化なく一定になっている状態であれば足り、実際の硬化条件は、特に限定はないが、本明細書においては貯蔵弾性率を測定する場合には、40℃、48時間の硬化条件を用いた。
化粧材用インキ組成物により形成された硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率を上記範囲とするためには、一実施形態においてアクリルポリオールの水酸基価が10~120mgKOH/g、好ましくは10~80mgKOH/gにおいて、アクリルポリオールとポリイソシアネート質量比率(アクリルポリオール:ポリイソシアネート)が100:5~100:80、好ましくは100:10~100:60での組み合わせとすることが好適である。またここで上記アクリルポリオールの水酸基価が20~70mgKOH/gであることも好ましく、また、アクリルポリオール/ポリイソシアネート比率が100:10~100:50での組み合わせで配合することもまた好ましい。
化粧材用インキ組成物により形成された硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率を上記範囲とするために、一実施形態では、上記に加え更に当該アクリルポリオールのガラス転移温度は30~70℃、好ましくは40~60℃とすれば好適であり、配合される下記顔料においては、質量比率(アクリルポリオール:顔料)が、100:20~100:250であることが好ましい。100:30~100:200であることがなお好ましい。
<顔料>
化粧材用インキは顔料を含むことが好ましい。着色剤として無機顔料、有機顔料いずれでも使用可能であり、特段限定されるものではないが、有機顔料の使用で良好な効果が得られる。有機顔料としては、以下の例には限定されないが、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例をカラーインデックスのジェネリックネームで示す。以下に示す黒色顔料、藍色顔料、赤色顔料、紫色顔料、黄色顔料、茶色顔料からなる群より選ばれる少なくとも一種または二種以上が好ましい。
<黒色顔料>
具体的にはC.I.ピグメントブラック1~34の黒色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である黒色顔料が好ましく、例えば
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20などが挙げられる。
<藍色顔料>
具体的にはC.I.ピグメントブルー1~80の藍色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である藍色顔料が好ましく、例えば
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。
<赤色顔料>
具体的にはC.I.ピグメントレッド1~279の赤色顔料のうち、有機化合物または有
機金属錯体である赤色顔料が好ましく、更に好ましくは、耐候性の観点から例えば
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド264などが挙げられる。
<黄色顔料>
具体的にはC.I.ピグメントイエロー1~219の黄色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である黄色顔料が好ましく、更に好ましくは、耐候性の観点から例えば
C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー120、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー173、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213などが挙げられる。
<紫色顔料>
具体的にはC.I.ピグメントバイオレット1~50の紫色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である紫色顔料が好ましく、更に好ましくは、耐候性の観点から例えば
C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29などが挙げられる。
<茶色顔料>
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
一方、無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカなどの白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアルミナ処理を施されているものが好ましい。
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化亜鉛等が挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
前記顔料は、化粧材用インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ組成物の総質量に対して1~50質量%、インキ組成物中の固形分質量比では10~90質量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
<添加剤>
本発明の化粧材用インキは添加剤として公知のものを適宜含むことができ、インキ組成物の製造においては必要に応じて公知の添加剤、例えば顔料誘導体、体質顔料、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、シリカ粒子、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分、耐候剤、シランカップリング剤などを使用することができる。
前記顔料を安定に分散させるため前記分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキ組成物中に0.1~10.0質量%でインキ中に含まれることが好ましい。
<化粧材用インキ組成物の製造>
本発明の化粧材用インキは、アクリルポリオール、顔料を有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、例えば有機顔料をアクリルポリオール、および必要に応じて前記分散剤を混合し、有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、更に、ポリイソシアネート、アクリルポリオール、有機溶剤、あるいは必要に応じて他の樹脂や添加剤などを配合することにより化粧材用インキを製造することができる。また、顔料分散体の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを好適に用いることができる。
<粘度>
前記方法で製造された化粧材用インキの粘度は、フレキソ印刷法やグラビア印刷法などでの高速印刷(50~300m/分)に対応させるため、B型粘度計での25℃における粘度が40~500cpsの粘度範囲であることが好ましい。より好ましくは50~400cpsである。この粘度範囲は、ザーンカップ#4での粘度が9秒~40秒程度に相当する。なお、化粧材用インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば有機顔料、アクリルポリオール、有機溶剤などの量を適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の有機顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
以下、本発明の化粧材について製造方法も併せて説明する。化粧材は基材、絵柄層、および表面保護層をこの順に有する層構成からなる積層体である。基材、絵柄層、および表面保護層はこの順に有していればよく、他の層を有していてもよい。他の層としては、基材裏面のプライマー層、絵柄層と表面保護層との間の熱可塑性樹脂層、アンカーコート層、等が挙げられる。
<基材層>
本発明に使用できる基材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系基材、ポリカーボネート系基材、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系基材、6-ナイロン、6,6-ナイロン等のポリアミド系基材、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース等の繊維素系基材、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系基材、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂ポリスチレン基材、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系基材等が挙げられ、フィルム状またはシート状であることが好ましい。基材層は、これらの熱可塑性樹脂から一種又は二種以上から選ばれた混合物を用いて得られる。基材層は、積層体であってもよい。また、コロナ処理などの表面処理が施されていても良い。また、上記熱可塑性樹脂に着色剤が混練された着色基材を用いても良い。当該着色剤は特に限定は無く、上記の有機顔料、無機顔料などを適宜使用できる。一実施形態において着色剤を含む基材である場合もまた好ましい。
<絵柄層>
絵柄層は、本発明の化粧材用インキ組成物を、上記基材上に、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式などの輪転印刷方式で絵柄層を形成することで得ることができる。例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで有機溶剤で希釈され、ポリイソシアネートを配合して、混合されて各印刷ユニットに供給され印刷される。印刷方式は特段限定されないが、スクリーン印刷方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、オフセット印刷方式、インクジェット印刷方式など好適に挙げられるが、なかでもグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式が好ましい。
また本発明の化粧材の製造において、絵柄層形成時、すなわち印刷工程においてポリイソシアネートが使用される。具体的には化粧材用インキ組成物の印刷時に所定量のポリイソシアネートを配合して印刷を行う。このとき、水酸基価10~120mgKOH/g、ガラス転移温度30~70℃であるアクリルポリオールを含有するインキ組成物と、印刷時に配合されるポリイソシアネートの硬化物を混合して塗工乾燥させ、硬化皮膜を作成し、
あらかじめ測定により140℃の貯蔵弾性率が1.0×101.0×10Paとなることを把握しておき、印刷において当該組み合わせを使用されることが好ましい。
すなわち、印刷時に使用される化粧材用インキ組成物により形成される硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率が、1.0×101.0×10Paとなるように組成を配合されていることが好ましい。

<表面保護層>
表面保護層は、上記した絵柄層上に、絵柄層の硬化工程前または後に形成される。当該表面保護層は化粧材に対して耐傷性、耐汚染性、耐薬品性、耐候性などの性能を付与するために形成され、上記表面物性を満たすために熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂などの硬化性樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとポリイソシアネートの混合物が好適である。電離放射線硬化性樹脂としては、多官能アクリレートモノマーの官能基数が2以上であれば特に制限はないが、密着性や耐傷性の観点からウレタンアクリレートその他の多官能アクリレートオリゴマーを併用するのが好ましい。
また、更なる耐候性や耐傷性等の付与のために、絵柄層と表面保護層との間に熱可塑性樹脂層が形成されてもよい。熱可塑性樹脂層には、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などを用いることができ、アクリル、スチレンその他のモノマー等と共重合されたものであっても良いし、種類の異なる樹脂が混合されたものであってもよい。これら熱可塑性樹脂は例えば、前記熱可塑性樹脂を溶融樹脂としてTダイからの押し出しラミネートにより形成する方法や、前記熱可塑性樹脂からなるフィルムまたはシートを上記絵柄層上に配置し、熱圧着することで得ることもできる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、質量部および質量%を表わす。また基材上に、本発明の化粧材用インキ組成物により形成される絵柄層を印刷し、表面保護層を形成する前のものを印刷物と略称する。
(水酸基価)
水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を水酸化カリウムのmg数に換算した値であり、JISK0070による測定値である。
(重量平均分子量)
重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置(昭和電工社製「ShodexGPCSystem-21」)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。
以下に測定条件を示す。
カラム:下記の複数のカラムを直列に連結して使用。
東ソー株式会社製、TSKgel SuperAW2500、
東ソー株式会社製、TSKgel SuperAW3000、
東ソー株式会社製、TSKgel SuperAW4000、
東ソー株式会社製、TSKgel guardcolumn SuperAWH
検出器:RI(示差屈折計)、
測定条件:カラム温度40℃、
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
(貯蔵弾性率)
硬化皮膜について、0.5cm×2.5cmcmの大きさに切り出し、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製、機種名:DVA-200)を用いて140℃貯蔵弾性率を測定した。測定はクランプ間距離15mm、周波数10Hz、昇温速度4℃/分、測定開始温度30℃、測定終了温度150℃の条件下で行った。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定測定(DSC)により求めた。なお、測定機は株式会社リガク製 DSC8231を使用し、測定温度範囲-70~250℃、昇温速度10℃/分、DSC曲線におけるガラス転移に基づく吸熱開始温度と終了温度との中点をガラス転移温度とした。
(合成例1)[アクリルポリオールAP1]
反応容器にメタクリル酸メチル(以下「MMA」)60部、メタクリル酸2―ヒドロキシエチル(以下「2-HEMA」)3部、メタクリル酸ブチル(以下「BMA」)36部、アクリル酸(以下「AA」)1部、酢酸エチル125部、メチルエチルケトン(以下「MEK」)125部及び0.4部のアゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」)を加えて混合し、窒素ガス雰囲気化、70℃で8時間重合し、アクリルポリオールAP1を得た。得られた樹脂溶液の固形分は40%、水酸基価は13mgKOH/g、ガラス転移温度は68℃、重量平均分子量は78000であった。
(合成例2~8)[アクリルポリオールAP2~AP6]
表1記載の原料を使用する以外は、合成例1と同様の方法によりアクリルポリオールAP2~AP6を得た。なお、重量平均分子量の調整にあたり適宜AIBNの添加量を調整した。
(比較合成例1~4)[アクリルポリオールAP7~AP10]
表2記載の原料を使用する以外は、合成例1と同様の方法により、アクリルポリオールAP7~AP10を得た。なお、重量平均分子量の調整にあたり適宜AIBNの添加量を調整した。
(実施例1)[化粧材用インキ組成物S1の作製]
アクリルポリオールAP1(固形分40%)を60部、C.I.ピグメントイエロー110(BASF社製、イルガジンイエローL2060)を10部、酢酸エチル/MEK=50/50の溶液30部を混合し、アイガーミルで30分間分散し、化粧材用インキを得た。
またポリイソシアネートとしてタケネートD-170N(三井化学社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物)1.6部とタケネートD-110N(三井化学社製、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト化合物)0.4部を混合し化粧材用インキ組成物S1とした。
(実施例2~12)[化粧材用インキ組成物S2~S12の作製]
表3記載の原料を使用する以外は、実施例1と同様の方法により混合し、化粧材用インキ組成物S2~S12を得た。
タケネートD-160N:三井化学社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト化合物
タケネートD-165N:三井化学社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット化合物
(比較例1~5)[化粧材用インキ組成物T1~T5の作製]
表4記載の原料を使用する以外は、上記実施例1~12と同様の方法にて化粧材用インキセットT1~T5を得た。
(実施例1)[化粧材用インキ組成物S1の硬化皮膜の作製]
上記で得られた化粧材用インキ組成物S1を、乾燥後の膜厚が50μmになるようシャーレ上に化粧材用インキの層形成後、加熱乾燥することで皮膜を得た。なお、貯蔵弾性率の評価は当該皮膜を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行った。
(実施例2~12)[化粧材用インキ組成物S2~S12の硬化皮膜の作製]
化粧材用インキ組成物S2~S12を使用した以外は、上記S1の硬化皮膜の作製方法と同様の方法により、化粧材用インキ組成物S2~S12それぞれの皮膜を得た。なお、貯蔵弾性率の評価は当該皮膜を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行い、結果を表3に示した。
[化粧材用インキ組成物T1~T5の硬化皮膜の作製]
化粧材用インキ組成物T1~T5を使用した以外は、上記S1の硬化皮膜の作製方法と同様の方法により、化粧材用インキ組成物T1~T5それぞれの皮膜を得た。なお、貯蔵弾性率の評価は当該皮膜を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行い、結果を表4に示した。
[化粧材用インキ組成物S1を使用した印刷物および化粧材]
上記で得られた化粧材用インキ組成物S1を、混合溶剤(酢酸エチル/MEK=50/50)により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈混合し、ヘリオ175線(版式コンプレスト、100%~3%のグラデーション柄)を用いて厚さ60μmのポリプロピレン樹脂基材(フタムラ化学社製、品名:FOS)のコロナ処理面に印刷速度150m/分で印刷し、化粧材用インキ組成物S1の印刷物を得た。耐ブロッキング性・基材密着性の評価は印刷物を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に後に行った。
<表面保護層の印刷>
表面保護ワニス(東洋インキ社製、YL454UR、アクリル樹脂系ワニス)100部に対してタケネートD-170Nを10部配合後、混合溶剤(酢酸エチル/MEK=50/50)により、粘度が10秒(25℃、ザーンカップNo.4)となるように希釈混合し、上記において得られた印刷物(化粧材用インキ組成物S1の印刷物)の印刷層上に、グラビア印刷方式で乾燥後の膜厚が6μmとなるように印刷速度80m/分で印刷し、化粧材を得た。なお、耐候性・耐湿熱性の評価は化粧材を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に後に行った。なお、「ワニス」とは樹脂溶液を意味する。
[化粧材用インキ組成物S2~S12及び表面保護層の印刷]
上記で得られた化粧材用インキ組成物S2~S12を用いて、S1を使用した印刷物・化粧材と同様の方法で、印刷物C2~C9、化粧材D2~D9を得た。なお、耐ブロッキン
グ性・基材密着性の評価は印刷物を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に後に行った。耐候性・耐湿熱性の評価は化粧材を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行った。
[化粧材用インキ組成物T1~T5及び表面保護層の印刷物および化粧材]
上記で得られた化粧材用インキ組成物T1~T5を用いて、上記と同様の方法で、それぞれに対応する印刷物および化粧材を得た。なお、耐ブロッキング性・基材密着性の評価は印刷物を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に後に行った。耐候性・耐湿熱性の評価は化粧材を40℃、48時間保持して硬化皮膜形成後に行った。
上記にて得られた化粧材用インキ組成物、化粧材用インキ組成物からなる硬化皮膜、印刷物および化粧材について下記評価を行い、表3および表4に結果を示した。
<インキ安定性>
化粧材用インキ組成物S1~S12(実施例)、T1~T5(比較例)について、混合溶剤(酢酸エチル/MEK=50/50)により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈混合後、25℃で24時間保存を行った。その後、粘度を測定して保存前との粘度変化を評価した。なお粘度の測定は25℃でザーンカップNo.3の流出秒数にて行った。
A.粘度差が0秒~5秒未満である(優)
B.粘度差が5秒を超え10秒未満である(良)
C.粘度差が10秒を超え15秒未満である(可)
D.粘度差が15秒を超え20秒未満である(不可)
E.粘度差が20秒を超えるまたはゲル化する(劣)
なお、A、B、Cは実用上問題がない範囲である
<耐ブロッキング性>
上記印刷物について、4cm×4cmの大きさに切り、同じ大きさに切った上記ポリプロピレン樹脂基材を重ね合わせ5kg/cm荷重をかけ、40℃、湿度80%RHの雰囲気下で24時間静置後、印刷面とフィルムを引きはがし、インキ皮膜の取られ具合を目視で判定した。
A.インキ皮膜が全く剥離しないもの(優)
B.インキ皮膜が0%以上~5%未満剥離するもの(良)
C.インキ皮膜が5%以上~10%未満剥離するもの(可)
D.インキ皮膜が10%以上~30%未満剥離するもの(不可)
E.インキ皮膜が30%以上剥離する、あるいは全面密着して剥がせないもの(劣)
なお、A、B、Cは実用上問題がない範囲である。
<基材密着性>
上記印刷物について、印刷面にセロハンテープを貼り付け、すばやく剥がした。テープを貼り付けた面積と、インキがフィルムから剥離した面積との比較から、インキのフィルムに対する接着性を評価した。
A.インキ皮膜が全く剥離しないもの(優)
B.インキ皮膜がフィルムから剥離した面積がテープ接着面積の0%以上~10%未満剥離するもの(良)
C.インキ皮膜がフィルムから剥離した面積がテープ接着面積の10%以上~30%未満剥離するもの(可)
D.インキ皮膜がフィルムから剥離した面積がテープ接着面積の30%以上~50%未満剥離するもの(不可)
E.インキ皮膜がフィルムから剥離した面積がテープ接着面積の50%以上剥離するもの
(劣)
なお、A、B、Cは実用上問題がない範囲である。
<耐候性>
上記化粧材について、促進耐候試験機(ダイプラウィンテス社製、機種名:KW-R6TP-A)を用いて、照射20時間(ブラックパネル温度53℃、50%RH、照度70W/
)、休止4時間(槽内温度35度、98%RH)、シャワー30秒を1サイクルとして20サイクル促進試験を実施後、密着性と色変化を評価した。密着性については上記基材密着性と同様の評価方法、評価基準により判定した。色変化は、分光測色計を用いて、D50光源、視野角度2°、ステータスEの条件にて測定した。
A.ΔEが1.0未満であるもの(優)
B.ΔEが1.0以上2.0未満であるもの(良)
C.ΔEが2.0以上4.0未満であるもの(可)
D.ΔEが4.0以上6.0未満であるもの(不可)
E.ΔEが6.0以上であるもの(劣)
なお、A、B、Cは実用上問題がない範囲である。
<耐湿熱性>
上記化粧材について、85℃、85%RHで1か月保管後、密着性と色変化を評価した。密着性、色変化とも上記耐候性の評価と同様の方法、評価基準により判定した。
評価結果から、本発明は優れた基材密着性や耐候性、耐湿熱性有し、良好なインキ安定性
、耐ブロッキング性を兼ね備える化粧材用インキ組成物、化粧材及び化粧材製造方法であることがわかった。

Claims (5)

  1. 基材、絵柄層および表面保護層をこの順に有する化粧材の製造方法であって、
    基材上に、化粧材用インキ組成物を印刷方式により印刷して絵柄層を形成する工程を含み、
    前記インキ組成物は、アクリルポリオールおよびポリイソシアネートを含み、前記アクリルポリオールの水酸基価は、10~120mgKOH/g、かつ、ガラス転移温度は、30~70℃であり、
    前記インキ組成物からなる皮膜を形成し、硬化させた後の硬化皮膜の、140℃における貯蔵弾性率が、1.0×101.2×10Paである、化粧材の製造方法。
  2. ポリイソシアネートは、イソシアヌレート系ポリイソシアネートおよび/またはアダクト系ポリイソシアネートを含む、請求項1に記載の化粧材の製造方法。
  3. アクリルポリオールの重量平均分子量は、30000~150000である、請求項1または2に記載の化粧材の製造方法。
  4. アクリルポリオールとポリイソシアネートとの質量比は、100:5~100:80である、請求項1~3いずれかに記載の化粧材の製造方法。
  5. 更に、前記絵柄層上に、熱硬化性樹脂及び/又は電離放射線硬化性樹脂を印刷方式により印刷して表面保護層を形成する工程を含む、請求項1~4いずれかに記載の化粧材の製造方法。
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