JP7761007B2 - 光学素子 - Google Patents
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Description
基材20は、透光性の部材である。ここでの透光性とは、光Lを透過可能であることを指す。基材20は、例えば光学素子10が可視光用途に用いられる場合には、波長400nm以上800nm以下の光の平均透過率が、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、基材20は、例えば光学素子10が赤外光用途に用いられる場合には、波長0.8μm以上1.2μm以下の光の平均透過率(基材厚み0.5mm、内部透過率の値)が、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。透過率がこの範囲となることで、光学素子10として適切に機能を発揮できる。透過率は、例えば紫外可視分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ社製(U-4150形))を用いて、分光透過率曲線を測定することにより、測定できる。なお、ここでの透過率は、内部透過率を指してよい。また、平均透過率とは、その波長帯域(ここでは400nmから800nmや、0.8μmから1.2μm)の、それぞれの波長の光に対する透過率の平均値である。
レンズ30は、受光面34から光Lが入射して、光Lを中心軸AX(光軸)側に向けて径方向内側に集光させつつ、受光面34と反対側から出射するレンズである。レンズ30は、例えば光学素子10が可視光用途に用いられる場合には、波長400nm以上800nm以下の光の平均透過率(基材厚み0.5mm、内部透過率の値)が、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、レンズ30は、例えば光学素子10が赤外光用途に用いられる場合には、波長0.8μm以上1.2μm以下の光の平均透過率が、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。透過率がこの範囲となることで、光学素子10として適切に機能を発揮できる。このように、レンズ30は、光Lを中心軸AXに集光する凸レンズであるが、それに限られず、例えば、光Lを径方向外側に屈折させる凹レンズであってもよい。また、レンズ30は、受光面34が球面状の球面レンズであるが、それに限られず、受光面34が非球面状の非球面レンズであってもよい。
レンズ30は、受光面34と反対側の面が、基材20の支持面22に対して固定されている。図2に示すように、レンズ30は、方向Zから見た場合に、基材20の支持面22の領域内に収まるように、支持面22上に配置されることが好ましい。すなわち、レンズ30は、方向Zから見た場合に、支持面22から径方向外側にはみ出していない。また、図2の例においては、レンズ30は、カット面32Aが支持面22の長辺22Aに沿うように、支持面22上に配置されている。一方、レンズ30の外周部32Bは、支持面22の短辺22Bよりも、径方向内側に位置している。レンズ30と基材20の支持面22との位置関係が以上のようになることで、レンズ30が基材20に適切に支持されて、レンズ30の変形が抑制される。ただし、レンズ30と基材20の支持面22との位置関係は、上記に限られず任意であってよい。
光学素子10は、リタデーション値(位相差)が50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましい。光学素子10は、リタデーション値がこの範囲となることで、位相ずれを抑制して、光学性能の低下を抑制できる。リタデーション値は、フォトニックラティス社製の、WPA-200-Lによって測定可能である。なお、外周にカット面を有するレンズは、剛性が不足して、外力を受けた場合に変形しやすいため、変形により内部応力が発生し、複屈折の度合いが高くなるおそれがある。それに対し、本実施形態に係る光学素子10は、基材20でレンズ30を支持することで、剛性を担保して複屈折を抑制できる。また、射出成形等の成形法では、製法上、レンズ外周部に、樹脂の長分子配向に伴う複屈折が発生しやすい。そのため、これらの成形法で外周カット形状のレンズを成形した場合、レンズ内のリタデーションが小さい部分を使用するため不要な部分を切断する工程が必要になったり、あらかじめリタデーション値が大きな部分を除くために素子を小さく作製できなかったりする。それに対し、本実施形態の例のように、例えばエネルギー硬化樹脂を用いることで、切断工程などを不要としつつ、リタデーションが小さい光学素子を形成できる。
次に、以上のような構成となる光学素子10の製造方法について説明する。本製造方法においては、外周32にカット面32Aが形成される樹脂製のレンズ30を、ヤング率がレンズ30より高い透光性の基材20上に形成することで、光学素子10を製造する。図4は、本実施形態に係る光学素子の製造方法を説明する模式図である。図4に示すように、本製造方法においては、ステップS10に示すように、基材20の支持面22上を、型M1で覆い、型M1内に、未硬化の樹脂30Xを充填する。樹脂30Xは、硬化することでレンズ30となる樹脂であり、本実施形態では、電磁波Laが照射されることで、硬化する。電磁波Laは、本実施形態では、紫外線であるが、樹脂30Xを硬化可能な電磁波であれば、紫外線に限られない。また、型M1の形状は任意であるが、本実施形態では、内部の空間が円形レンズに相当する形状となっている。
以下に、本実施形態の他の例を説明する。以上の説明では、レンズ30のカット面32Aの数は、2つであったが、カット面32Aの数は任意であってよい。図5から図7は、光学素子の他の例を示す模式図である。
図8は、光学素子の他の例を示す模式図である。以上の説明では、基材20の支持面22上に、レンズ30が直接支持されており、基材20とレンズ30とが接していたが、それに限られない。例えば、図8に示すように、基材20とレンズ30との間に、中間層40が設けられていてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る光学素子10は、外周32にカット面32Aが形成される樹脂製のレンズ30と、レンズ30を支持し、ヤング率がレンズ30より高い透光性の基材20と、を有する。レンズ30のカット面32Aと外周部32B(外周32のカット面32A以外の部分)との接続部32CがZ方向(レンズ30の光軸方向)から見て、角状となっており、レンズ30の中心からカット面32Aまでの最短距離A2は、レンズ30の中心から外周部32Bまでの最短距離A1よりも、短い。
次に、実施例について説明する。実施例においては、シミュレーションで、レンズに荷重を与えた場合の変形量を評価した。シミュレーションソフトとしては、Dassault Systemes SolidWorks Corporation製のSolidworks Simulationを使用した。
図9は、例1及び例2のモデルの模式図である。例1として、カット面を有する凸レンズの底面に基材を貼り付けたモデルを準備した。図9のM1が例1のレンズのモデルの例であり、図9のM2が例1の基材のモデルの例である。
例1においては、レンズの高さ(最厚部の厚み)を0.35mmとし、レンズの直径を6mmとし、レンズの中心からカット面までの最短距離(本実施形態の最短距離A2に相当)を2mmとし、レンズの曲率をR13mmとした。レンズのヤング率は、2.1GPa、3.0GPaの2条件とした。
基材は、上面視でレンズと同じ形状とした。基材の厚みは、0.1mm、0.12mm、0.14mm、0.16mm、0.18mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.5mm、0.75mm、1mm、3.5mmの12条件とした。また、基材のヤング率は、30GPa、50GPa、70GPa、100GPa、210GPa、300GPaの6条件とした。
例2として、カット面を有する凸レンズの底面に基材を設けないモデルを準備した。図9のM1aが例2のレンズのモデルの例を示している。例2においては、例1のレンズの底面側を0.5mm延ばしたモデルを準備した。すなわち、例2のモデルは、例1のレンズの底面側にレンズと同じ材料の厚み0.5mmの部材が取り付けられたものといえる。
評価としては、準備したモデルに対し、シミュレーション上で、レンズのカット面以外の側面(本実施形態の外周部32Bに相当)に、合計の力が1Nとなるように圧力を加えて、Z方向(レンズの光軸方向)における変位を算出させた。
図10から図13は、評価結果を示すグラフである。
図10は、レンズのヤング率を2.1GPaとして基材のヤング率を70GPaとした場合の、基材の厚み毎の変形量をプロットしたグラフである。図10の横軸は、レンズの厚みに対する基材の相対厚みであり、図10の縦軸は、例2のモデルのZ方向の変位量に対する、例1のモデルのZ方向の相対変位量を指す。すなわち縦軸が1の場合には、例2のモデルと変形量が同じことを意味する。図10のプロットP1が、実施例である例1の結果を示し、プロットP2が比較例である例2の結果を示している。また、図11は、レンズのヤング率を3.0GPaとした場合の、基材の厚み毎の変形量をプロットしたグラフである。
図10及び図11に示すように、基材を設けることで、Z方向における変位量が少なくなり、レンズの変形を抑制できることが分かる。また、レンズの厚みに対して基材の厚みを40%以上とすることで、レンズの変位量を例2に比べて10%以下にまで低減できるため好ましく、レンズの厚みに対して基材の厚みを80%以上とすることで、レンズの変位量を例2に比べて1%程度にまで低減できるためより好ましいことが分かる。
図12及び図13に示すように、レンズよりもヤング率が高い基材を設けることで、Z方向における変位量が少なくなり、レンズの変形を抑制できることが分かる。さらに、レンズのヤング率に対して基材のヤング率を10倍以上とすることで、基材の相対厚みが29%と薄くても、例2と同等の変形量に抑えることができるため、好ましい。
20 基材
22 支持面
30 レンズ
32 外周
32A カット面
32B 外周部
32C 接続部
Claims (13)
- 外周にカット面が形成される樹脂製の光学機能部と、
前記光学機能部を支持し、ヤング率が前記光学機能部より大きい透光性の基材と、
を有し、
前記光学機能部のカット面と前記光学機能部の外周のカット面以外の部分との接続部は、前記光学機能部の光軸方向から見て、エッジ状、面取りが形成された形状、およびRが形成された形状の少なくとも1つを含む形状となっており、前記光学機能部の中心から前記カット面までの最短距離は、前記光学機能部の中心から前記光学機能部の外周のカット面以外の部分までの最短距離よりも、短く、
前記光軸方向から見て、前記光学機能部のカット面は、前記基材の前記光学機能部を支持する支持面の端辺に沿い、前記光学機能部の外周の前記カット面以外の部分は、前記基材の前記支持面の端辺よりも、径方向内側に位置している、
光学素子。 - 前記光学機能部は、前記光学機能部の光軸方向から見て、円形から前記カット面の部分が欠けた形状となっている、請求項1に記載の光学素子。
- 前記カット面は、前記光学機能部の光軸方向の法線方向から見て、平面状である、請求項1又は請求項2に記載の光学素子。
- 前記光学機能部は、前記光学機能部の光軸方向から見て、前記基材の前記光学機能部を支持する支持面の領域内に収まっている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記基材の前記支持面の外周縁上の2点を結ぶ直線のうちで最長の長さが、前記光学機能部の外周縁上の2点を結ぶ直線のうちで最長の長さよりも、長い、請求項4に記載の光学素子。
- 前記基材のヤング率は、前記光学機能部のヤング率に対して、10倍以上100倍以下である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記基材の厚みは、0.1mm以上5.0mm以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記基材の前記光学機能部を支持する支持面は、前記光学機能部の光軸方向から見て、矩形である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記基材の前記光学機能部を支持する支持面は、平面状である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記基材は、入射した光の特性を変化させる光学特性を有する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記光学機能部は樹脂レンズであり、前記基材は透明ガラス基材である、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光学素子。
- リタデーション値が、50nm以下である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の光学素子。
- リタデーション値の最大値と最小値との差分が、30nm以下である、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の光学素子。
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