核酸(例えば、RNAi)治療は高い選択率と特異性を誇る標的療法である。しかしながら、いくつかの例では、核酸治療も、脆弱な細胞内取り込み、限定的な血液安定性、および非特異的な免疫刺激によって妨害される。こうした諸問題に対応するために、核酸組成物の様々な修飾、例えば、より優れた安定化および/またはより低い毒性のための新規なリンカー、増加した標的特異性および/または標的送達用の結合部分の最適化、ならびに、安定性の増加および/または的外れの効果の減少のための核酸ポリマー修飾などが探求されている。
いくつかの実施形態において、核酸組成物を構成する様々な成分の構成または順序はさらに、細胞内取り込み、安定性、毒性、有効性、および/または非特異的な免疫刺激をもたらす。例えば、核酸成分が結合部分、ポリマー、およびポリ核酸分子(あるいは、ポリヌクレオチド)を含む場合、結合部分、ポリマー、および/または、ポリ核酸分子(あるいは、ポリヌクレオチド)の順序または構成)(例えば、結合部分ポリ核酸分子ポリマー、結合部分ポリマーポリ核酸分子、あるいはポリマー結合部分ポリ核酸分子)はさらに、細胞内取り込み、安定性、毒性、有効性、および/または非特異的な免疫刺激をもたらす。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される核酸成分の構成の分子は、細胞内取り込み、安定性、毒性、有効性、および/または非特異的な免疫刺激をもたらす。いくつかの例では、分子はポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む。いくつかの実施形態において、分子は式(I):A-X-B-Y-C;の分子を含み、式中、Aは結合部分であり、Bは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであり、Cはポリマーであり、Xは単結合または第1のリンカーであり、および、Yは単結合または第2のリンカーである。いくつかの例では、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含む。いくつかの例では、式(I)の分子は、D、エンドソーム溶解性部分を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む分子は、細胞内取り込み、安定性、および/または有効性を増強する。いくつかの例では、本明細書に記載されるように配されたポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む分子は、毒性および/または非特異的な免疫刺激を減少させる。場合によっては、分子は式(I):A-X-B-Y-C;の分子を含み、式中、Aは結合部分であり、Bは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであり、Cはポリマーであり、Xは単結合または第1のリンカーであり、および、Yは単結合または第2のリンカーである。いくつかの例では、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含む。いくつかの例では、式(I)の分子は、D、エンドソーム溶解性部分を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される分子はさらに、疾患または疾病を処置するために使用される。いくつかの例では、疾患または疾病の処置のための分子は、式(I):A-X-B-Y-C;の分子であり、式中、Aは結合部分であり、Bは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであり、Cはポリマーであり、Xは単結合または第1のリンカーであり、および、Yは単結合または第2のリンカーである。いくつかの例では、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含む。いくつかの例では、式(I)の分子は、D、エンドソーム溶解性部分を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される分子はさらに、患者の初代細胞中の標的遺伝子の発現を阻害するために使用される。そのような例では、そのような使用のための分子は、式(I):A-X-B-Y-C;の分子であり、式中、Aは結合部分であり、Bは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであり、Cはポリマーであり、Xは単結合または第1のリンカーであり、および、Yは単結合または第2のリンカーである。いくつかの例では、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチド、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合、あるいは少なくとも1つの逆脱塩基部分を含む。いくつかの例では、式(I)の分子は、D、エンドソーム溶解性部分を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された分子はさらに、疾患または疾病の処置のための免疫腫瘍学的治療として使用される。いくつかの例において、分子は式(I):A-X-B-Y-C;の分子であり、式中、Aは結合部分であり、Bは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであり、Cはポリマーであり、Xは単結合または第1のリンカーであり、および、Yは単結合または第2のリンカーである。いくつかの例では、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチド、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合、あるいは少なくとも1つの逆脱塩基部分を含む。いくつかの例では、式(I)の分子は、D、エンドソーム溶解性部分を含む。
追加の実施形態において、本明細書に記載される分子の1つ以上を含むキットが本明細書に記載される。
治療用分子プラットフォーム
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された分子(例えば、治療用分子)は、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドおよびポリマーを含むポリ核酸分子に結合した結合部分を含む。いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、式(I):
A-X-B-Y-C
式I
の分子を含み、
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Cはポリマーであり;
Xは単結合または第1のリンカーであり;および、
Yは単結合または第2のリンカーであり;および、
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含む。
いくつかの例では、式(I)の分子は、D、エンドソーム溶解性部分を含む。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのAおよび/または少なくとも1つのCは、Bの5’末端、Bの3’末端、Bの内部部位、あるいはこれらの任意の組み合わせに結合する。いくつかの例では、少なくとも1つのAはBの1つの末端で結合し、その一方で、少なくとも1つのCはBの反対側の末端で結合する。いくつかの例では、Aの少なくとも1つは、Bの1つの末端で結合し、その一方で、Cの少なくとも1つはBの内部部位で結合する。
場合によっては、AとCは同じ末端でBに結合(conjugatedあるいはattached)しない。場合によっては、AはBの第1の末端でBに結合する。場合によっては、CはBの第2の末端でBに結合し、および、Bの第2の末端は第1の末端とは異なる。場合によっては、AはBの5’末端でBに結合し、および、CはBの3’末端でBに結合する。他の場合には、AはBの3’末端でBに結合し、および、CはBの5’末端でBに結合する。
いくつかの実施形態では、Aは抗体またはその結合フラグメントである。場合によっては、Cはポリマーである。場合によっては、AとCは同じ末端でBに結合しない。場合によっては、AはBの第1の末端でBに結合する。場合によっては、CはBの第2の末端でBに結合し、および、Bの第2の末端は第1の末端とは異なる。場合によっては、AはBの5’末端でBに結合し、および、CはBの3’末端でBに結合する。他の場合には、AはBの3’末端でBに結合し、および、CはBの5’末端でBに結合する。場合によっては、AをBに結合するXは単結合あるいは非ポリマーリンカーである。場合によっては、Xが非ペプチドリンカー(あるいはアミノ酸残基を含まないリンカー)である。場合によっては、BをCに結合するYは単結合あるいは第2のリンカーである。いくつかの例では、XはBの5’末端にAを結合し、YはBの3’末端にCを結合する。他の例では、XはBの3’末端にAを結合し、YはBの5’末端にCを結合する。
いくつかの実施形態において、X-Bは、AのN末端、C末端、定常領域、ヒンジ領域、あるいはFc領域に結合する。いくつかの例では、X-BはAのN末端に結合する。いくつかの例では、X-BはAのC末端に結合する。いくつかの例では、X-BはAのヒンジ領域に結合する。いくつかの例では、X-BはAの定常領域に結合する。いくつかの例では、X-BはAのFc領域に結合する。
いくつかの例では、少なくとも1つのBおよび/または少なくとも1つのC、ならびに随意に少なくとも1つのDは、第1のAに結合する。いくつかの例では、少なくとも1つのBは、第1のAに末端(例えば、5’末端あるいは3’末端)で結合し、あるいは第1のAに内部部位を介して結合する。場合によっては、少なくとも1つのCは、第1のAに直接的に、あるいは2以上のBを介して間接的に結合する。2以上のBを介して間接的に結合する場合、2以上のCは、B上の第1のAと同じ末端で、第1のAから反対側の末端で、あるいは、独立して内部部位で結合する。いくつかの例では、少なくとも1つの追加のAはさらに、第1のA、B、あるいはCに結合する。さらなる例では、少なくとも1つのDは随意に、第1のA、少なくとも1つのB、あるいは少なくとも1つのCに、直接的あるいは間接的に結合する。直接的に第1のAに結合する場合、少なくとも1つのDもA-D-B抱合体を形成するために少なくとも1つのBに随意に結合し、あるいは、A-D-B-C抱合体を形成するために少なくとも1つのBと少なくとも1つのCに随意に結合する。場合によっては、少なくとも1つの追加のAは第1のAとは異なる。
場合によっては、2以上のBおよび/または2以上のCは、第1のAに結合する。いくつかの例では、2以上のBは、第1のAに末端(例えば、5’末端あるいは3’末端)で結合し、あるいは第1のAに内部部位を介して結合する。いくつかの例では、2以上のCは、第1のAに直接的に、あるいは2以上のBを介して間接的に結合する。2以上のBを介して間接的に結合する場合、2以上のCは、B上の第1のAと同じ末端で、第1のAから反対側の末端で、あるいは、独立して内部部位で結合する。いくつかの例では、少なくとも1つの追加のAはさらに、第1のA、2以上のB、あるいは2以上のCに結合する。さらなる例では、少なくとも1つのDは随意に、第1のA、2以上のB、あるいは2以上のCに、直接的あるいは間接的に結合する。第1のAに間接的に結合する場合、少なくとも1つのDは、A-B-C-D型抱合体を形成するために、2以上のBによって、2以上のCによって、B-C配向によって、あるいはA-C-B-D型の抱合体を形成するために、C-B配向によって、第1のAに結合する。場合によっては、少なくとも1つの追加のAは第1のAとは異なる。場合によっては、2以上のBが異なる。他の場合には、2つ以上のBが同じである。いくつかの例では、2以上のCが異なる。他の例では、2つ以上のCが同じである。さらなる例では、2つ以上のDが異なる。さらなる例では、2つ以上のDが同じである。
他の場合には、2以上のBおよび/または2以上のD、随意に2以上のCは第1のAに結合する。いくつかの例では、2以上のBは、第1のAに末端(例えば、5’末端あるいは3’末端)で結合し、あるいは第1のAに内部部位を介して結合する。いくつかの例では、2以上のDは、第1のAに直接的に、あるいは2以上のBを介して間接的に結合する。2以上のBを介して間接的に結合する場合、2以上のDは、B上の第1のAと同じ末端で、第1のAから反対側の末端で、あるいは、独立して内部部位で結合する。いくつかの例では、少なくとも1つの追加のAはさらに、第1のA、2以上のB、あるいは2以上のDに結合する。さらなる例では、2以上のCは随意に、第1のA、2以上のB、あるいは2以上のDに、直接的あるいは間接的に結合する。場合によっては、少なくとも1つの追加のAは第1のAとは異なる。場合によっては、2以上のBが異なる。他の場合には、2つ以上のBが同じである。いくつかの例では、2以上のCが異なる。他の例では、2つ以上のCが同じである。さらなる例では、2つ以上のDが異なる。さらなる例では、2つ以上のDが同じである。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される分子(例えば、治療用分子)は、式(II)に係る分子を含み:
(A-X-B-Y-Cc)-L-D
式II
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Cはポリマーであり;
Xは単結合または第1のリンカーであり;
Yは単結合または第2のリンカーであり;
Lは単結合または第3のリンカーであり;
Dはエンドソーム溶解性部分であり;および、
cは0と1の間の整数であり;および、
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含み;および、Dは、A、B、またはCの任意の場所に結合する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される分子(例えば、治療用分子)は、式(III)に係る分子を含み:
Aa-X-Bb-Y-Cc-L-Dn
式III
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Cはポリマーであり;
Dはエンドソーム溶解性部分であり;
Xは単結合または第1のリンカーであり;
Yは単結合または第2のリンカーであり;
Lは単結合または第3のリンカーであり;
aとbは独立して1-3の間の整数であり;
cは0と3の間の整数であり;および、
nは0と10の間の整数であり;および、
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含み;Aは、B、C、あるいはD上の任意の場所で結合し;Bは、A、C、あるいはD上の任意の場所で結合し;Cは、A、B、あるいはD上の任意の場所で結合し;および、Dは、A、B、またはCの任意の場所に結合する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される分子(例えば、治療用分子)は、式(IIIa):A-X-B-L-D-Y-Cに係る分子を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される分子(例えば、治療用分子)は、式(IIIb):Aa-X-Bb-L-Dnに係る分子を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される分子(例えば、治療用分子)は、式(IV)に係る分子を含み:
A-X-(Bb-Y-Cc-L-Dn)m
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Cはポリマーであり;
Dはエンドソーム溶解性部分であり;
Xは単結合または第1のリンカーであり;
Yは単結合または第2のリンカーであり;
Lは単結合または第3のリンカーであり;
aとbは独立して1-3の間の整数であり;
cは0と3の間の整数であり;
nは0と10の間の整数であり;および、
mは1-3の間の整数であり;および、
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含み;CはBあるいはD上の任意の場所で結合し;および、DはBあるいはCの任意の場所に結合する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される分子(例えば、治療用分子)は、式(IVa):A-X-(Bb-L-Dn-Y-Cc)mに係る分子を含む。
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
いくつかの実施形態において、分子(例えば、治療用分子)は、例示されるような分子である:
は、例示目的のために過ぎず、ヒト化抗体またはその結合フラグメント、キメラ抗体またはその結合フラグメント、モノクローナル抗体またはその結合フラグメント、一価Fab’、二価Fab2、一本鎖可変フラグメント(scFv)、ダイアボディ、ミニボディ(minibody)、ナノボディ、単一ドメイン抗体(sdAb)、あるいは、ラクダ抗体またはその結合フラグメントを包含する。
ポリ核酸分子標的
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、癌遺伝子上の標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子(あるいはポリヌクレオチド)である。いくつかの例では、癌遺伝子は、いくつかのカテゴリー:成長因子または分裂促進因子、受容体チロシンキナーゼ、細胞質チロシンキナーゼ、細胞質セリン/トレオニンキナーゼ、制御性GTPアーゼ、および転写因子にさらに分類される。例示的な成長因子はc-Sisを含む。例示的な受容体チロシンキナーゼは、上皮増殖因子受容体(EGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、およびHER2/neuを含む。例示的な細胞質チロシンキナーゼは、Srcファミリーチロシンキナーゼ、チロシンキナーゼのSyk-ZAP-70ファミリー、チロシンキナーゼのBTKファミリー、および、CMLにおけるAbl遺伝子を含む。例示的な細胞質セリン/トレオニンキナーゼはRafキナーゼおよびサイクリン依存性キナーゼを含む。例示的な制御性GTPアーゼは、KRASなどのタンパク質のRasファミリーを含む。例示的な転写因子はMYC遺伝子を含む。いくつかの例では、本明細書に記載された癌遺伝子は、成長因子または分裂促進因子、受容体チロシンキナーゼ、細胞質チロシンキナーゼ、細胞質セリン/トレオニンキナーゼ、制御性GTPアーゼ、あるいは転写因子から選択された癌遺伝子を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、成長因子または分裂促進因子、受容体チロシンキナーゼ、細胞質チロシンキナーゼ、細胞質セリン/トレオニンキナーゼ、制御性GTPアーゼ、あるいは転写因子から選択された癌遺伝子の標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された癌遺伝子は、Abl、AKT-2、ALK、AML1(または、RUNX1)、AR、AXL、BCL-2、3、6、BRAF、c-MYC、EGFR、ErbB-2(Her2、Neu)、Fms、FOS、GLI1、HPRT1、IL-3、INTS2、JUN、KIT、KS3、K-sam、LBC(AKAP13)、LCK、LMO1、LMO2、LYL1、MAS1、MDM2、MET、MLL(KMT2A)、MOS、MYB、MYH11/CBFB、NOTCH1(TAN1)、NTRK1(TRK)、OST(SLC51B)、PAX5、PIM1、PRAD-1、RAF、RAR/PML、HRAS、KRAS、NRAS、REL/NRG、RET、ROS、SKI、SRC、TIAM1、あるいはTSC2を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、Abl、AKT-2、ALK、AML1(または、RUNX1)、AR、AXL、BCL-2、3、6、BRAF、c-MYC、EGFR、ErbB-2(Her2、Neu)、Fms、FOS、GLI1、HPRT1、IL-3、INTS2、JUN、KIT、KS3、K-sam、LBC(AKAP13)、LCK、LMO1、LMO2、LYL1、MAS1、MDM2、MET、MLL(KMT2A)、MOS、MYB、MYH11/CBFB、NOTCH1(TAN1)、NTRK1(TRK)、OST(SLC51B)、PAX5、PIM1、PRAD-1、RAF、RAR/PML、HRAS、KRAS、NRAS、REL/NRG、RET、ROS、SKI、SRC、TIAM1、あるいはTSC2の標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された癌遺伝子は、KRAS、EGFR、AR、HPRT1、CNNTB1(β-カテニン)、あるいはβ-カテニン関連遺伝子を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、KRAS、EGFR、AR、HPRT1、CNNTB1(β-カテニン)、あるいはβ-カテニン関連遺伝子の標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、KRASの標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、EGFRの標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、ARの標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、CNNTB1(β-カテニン)の標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、CNNTB1(β-カテニン)関連遺伝子の標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。いくつかの例では、β-カテニン関連遺伝子はPIK3CA、PIK3CB、およびMycを含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子Bは、HPRT1の標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。
カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(KRAS)を標的とするポリ核酸分子
カーステンラット肉腫ウイルスの癌遺伝子ホモログ(GTPアーゼKRas、∨-Ki-rasカーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ、あるいはKRASとしても知られている)は、細胞分裂の調節に関与する。K-Rasタンパク質はRasスーパーファミリーに属するGTPアーゼである。いくつかの例では、K-Rasは細胞周期進行を調節し、様々な環境トリガー(例えば、細胞ストレス、紫外線、熱ショック、あるいはイオン化放射線照射)の下で、成長停止、アポトーシス、および複製老化を誘導する。場合によっては、野生型KRAS遺伝子は様々なタイプの癌における腫瘍進行中に頻繁に失われることが示されているが、KRAS遺伝子の突然変異は癌の発生に関連している。いくつかの例では、KRASの増幅も、癌の発生に関与している(例えば、Valtorta et al. “KRAS gene amplification in colorectal cancer and impact on response to EGFR-targeted therapy,” Int. J. Cancer 133: 1259-1266(2013)を参照)。そのような場合、癌は、患者が特定の阻害剤あるいは阻害剤のクラスに対して耐性を獲得した難治性の癌に関連する。
いくつかの実施形態において、KRAS遺伝子は野生型であるか、あるいは突然変異を含む。いくつかの例では、KRAS mRNAは野生型であるか、あるいは突然変異を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、野生型のKRAS DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、突然変異(例えば、置換、欠失、あるいは追加)を含む、KRAS DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。
いくつかの実施形態において、KRAS DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、KRAS DNAあるいはRNAは、エクソン1のコドン12あるいは13で1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、KRAS DNAあるいはRNAは、コドン61、63、117、119、あるいは146において1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、KRAS DNAあるいはRNAは、KRASポリペプチドのアミノ酸残基12、13、18、19、20、22、24、26、36、59、61、63、64、68、110、116、117、119、146、147、158、164、176、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、KRAS DNAあるいはRNAは、KRASポリペプチドのG12V、G12D、G12C、G12A、G12S、G12F、G13C、G13D、G13V、A18D、L19F、T20R、Q22K、I24N、N26K、I36L、I36M、A59G、A59E、Q61K、Q61H、Q61L、Q61R、E63K、Y64D、Y64N、R68S、P110S、K117N、C118S、A146T、A146P、A146V、K147N、T158A、R164Q、K176Q、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸残基に対応する位置に1つ以上の突然変異を含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、1つ以上の突然変異を含むKRAS DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン1中のコドン12あるいは13の1つ以上の突然変異を含むKRAS DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、コドン61、63、117、119、あるいは146の1つ以上の突然変異を含むKRAS DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、KRASポリペプチドのアミノ酸残基12、13、18、19、20、22、24、26、36、59、61、63、64、68、110、116、117、119、146、147、158、164、176、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置に1つ以上の突然変異を含むKRAS DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、KRASポリペプチドのG12V、G12D、G12C、G12A、G12S、G12F、G13C、G13D、G13V、A18D、L19F、T20R、Q22K、I24N,N26K、I36L、I36M、A59G、A59E、Q61K、Q61H、Q61L、Q61R、E63K、Y64D、Y64N、R68S、P110S、K117N、C118S、A146T、A146P、A146V、K147N、T158A、R164Q、K176Q、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸残基に対応するに1つ以上の突然変異を含むKRAS DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
上皮増殖因子受容体(EGFR)を標的とするポリ核酸分子
上皮増殖因子受容体(EGFR、ErbB-1、あるいはHER1)は、膜貫通チロシンキナーゼ受容体および受容体のErbBファミリーのメンバーであり、これはさらにHER2/c-neu(ErbB-2)、Her3(ErbB-3)、およびHer4(ErbB-4)を含む。いくつかの例では、EGFR突然変異は、RAS/RAF/MAPK、PI3K/AKT、および/またはJAK/STAT経路の下流の活性化を駆り立てて、有糸分裂、細胞増殖、アポトーシスの抑制を引き起こす。加えて、野生型のEGFR遺伝子の増幅は、などの癌の発生に巻き込まれた、膠芽腫および非小細胞肺癌などの癌の発生に関与している(Talasila,et al.,“EGFR Wild-type Amplification and Activation Promote Invasion and Development of Glioblastoma Independent of Angiogenesis,” Acta Neuropathol. 125(5): 683-698(2013); Bell et al.,“Epidermal Growth Factor Receptor Mutations and Gene Amplification in Non-Small-Cell Lung Cancer: Molecular Analysis of the IDEAL/INTACT Gefitinib Trials,” J. Clinical Oncology 23(31): 8081-8092(2005))
いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、野生型EGFR、あるいは突然変異を含むEGFRである。いくつかの例では、EGFRは野生型EGFRである。いくつかの例では、EGFR DNAあるいはRNAは突然変異を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、野生型EGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、突然変異(例えば、置換、欠失、あるいは追加)を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
いくつかの例では、EGFR DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、1つ以上のエクソン内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、1つ以上のエクソンは、エクソン18、エクソン19、エクソン20、エクソン21、あるいはエクソン22を含む。いくつかの例では、EGFR DNAあるいはRNAは、エクソン18、エクソン19、エクソン20、エクソン21、エクソン22、あるいはこれらの組み合わせにおいて1つ以上の突然変異を含む。
いくつかの例では、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基34、38、45、62、63、77、78、108、114、120、140、148、149、160、177、178、189、191、198、220、222、223、229、237、240、244、252、254、255、256、263、270、273、276、282、288、289、301、303、304、309、314、326、331、354、363、373、337、380、384、393、427、428、437、441、447、465、475、515、526、527、531、536、541、546、571、588、589、596、596、598、602、614、620、628、636、641、645、651、671、689、694、700、709、712、714、715、716、719、720、721、731、733、739-744、742、746-750、746-752、746、747、747-749、747-751、747-753、751、752、754、752-759、750、761-762、761、763、765、767-768、767-769、768、769、769-770、770-771、772、773-774、773、774、774-775、776、779、783、784、786、790、792、794、798、803、805、807、810、826、827、831、832、833、835、837、838、839、842、843、847、850、851、853、854、856、858、861、863、894、917、967、1006、1019、1042、1100、1129、1141、1153、1164、1167、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置における1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基747、761、790、854、858、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基761、790、858、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基747に対応する位置で突然変異を含む。いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基761に対応する位置で突然変異を含む。いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基790に対応する位置で突然変異を含む。いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基854に対応する位置で突然変異を含む。いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基858に対応する位置で突然変異を含む。
いくつかの実施形態において、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのT34M、L38V、E45Q、L62R、G63R、G63K、S77F、F78L、R108K、R108G、E114K、A120P、L140V、V148M、R149W、E160K、S177P、M178I、K189T、D191N、S198R、S220P、R222L、R222C、S223Y、S229C、A237Y、C240Y、R244G、R252C、R252P、F254I、R255(ナンセンス突然変異)、D256Y、T263P、Y270C、T273A、Q276(ナンセンス)、E282K、G288(フレームシフト)、A289D、A289V、A289T、A289N、A289D、V301(欠失)、D303H、H304Y、R309Q、D314N、C326R、G331R、T354M、T363I、P373Q、R337S、S380(フレームシフト)、T384S、D393Y、R427L、G428S、S437Y、V441I、S447Y、G465R、I475V、C515S、C526S、R527L、R531(ナンセンス)、V536M、L541I、P546Q、C571S、G588S、P589L、P596L、P596S、P596R、P596L、G598V、G598A、E602G、G614D、C620Y、C620W、C628Y、C628F、C636Y、T638M、P641H、S645C、V651M、R671C、V689M、P694S、N700D、E709A、E709K、E709Q、E709K、F712L、K714N、I715S、K716R、G719A、G719C、G719D、G719S、S720C、S720F、G721V、W731Stop、P733L、K739-I744(挿入)、V742I、V742A、E746-A750(欠失)、E746K、L747S、L747-E749(欠失)、L747-T751(欠失)、L747-P753(欠失)、G746-S752(欠失)、T751I、S752Y、K754(欠失)、S752-I759(欠失)、A750P、D761-E762(例えば、残基EAFQ挿入(SEQ ID NO: 2110))、D761N、D761Y、A763V、V765A、A767-S768(例えば、残基TLA挿入)、A767-V769(例えば、残基ASV挿入)、S768I、S768T、V769L、V769M、V769-D770(例えば、残基Y挿入)、770-771(例えば、残基GL挿入)、770-771(例えば、残基G挿入)、770-771(例えば、残基CV挿入)、770-771(例えば、残基SVD挿入)、P772R、773-774(例えば、残基NPH挿入)、H773R、H773L、V774M、774-775(例えば、残基HV挿入)、R776H、R776C、G779F、T783A、T784F、T854A、V786L、T790M、L792P、P794H、L798F、R803W、H805R、D807H、G810S、N826S、Y827(ナンセンス)、R831H、R832C、R832H、L833F、L833V、H835L、D837V、L838M、L838P、A839V、N842H、V843L、T847K、T847I、H850N、V851A、I853T、F856L、L858R、L858M、L861Q、L861R、G863D、Q894L、G917A、E967A、D1006Y、P1019L、S1042N、R1100S、H1129Y、T1141S、S1153I、Q1164R、L1167M、あるいはこれらの組み合わせから選択された1つ以上の突然変異を含む。
いくつかの例では、ポリ核酸分子は、1つ以上の突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン18、エクソン19、エクソン20、エクソン21、エクソン22、あるいはこれらの組み合わせ中の1つ以上の突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基34、38、45、62、63、77、78、108、114、120、140、148、149、160、177、178、189、191、198、220、222、223、229、237、240、244、252、254、255、256、263、270、273、276、282、288、289、301、303、304、309、314、326、331、354、363、373、337、380、384、393、427、428、437、441、447、465、475、515、526、527、531、536、541、546、571、588、589、596、596、598、602、614、620、628、636、641、645、651、671、689、694、700、709、712、714、715、716、719、720、721、731、733、739-744、742、746-750、746-752、746、747、747-749、747-751、747-753、751、752、754、752-759、750、761-762、761、763、765、767-768、767-769、768、769、769-770、770-771、772、773-774、773、774、774-775、776、779、783、784、786、790、792、794、798、803、805、807、810、826、827、831、832、833、835、837、838、839、842、843、847、850、851、853、854、856、858、861、863、894、917、967、1006、1019、1042、1100、1129、1141、1153、1164、1167、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置に1つ以上の突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基747、761、790、854、858、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFR DNAあるいはRNAは、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基、761、790、858、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基747に対応する位置で突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基761に対応する位置で突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基790に対応する位置で突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基854に対応する位置で突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドのアミノ酸残基858に対応する位置で突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドのT34M、L38V、E45Q、L62R、G63R、G63K、S77F、F78L、R108K、R108G、E114K、A120P、L140V、V148M、R149W、E160K、S177P、M178I、K189T、D191N、S198R、S220P、R222L、R222C、S223Y、S229C、A237Y、C240Y、R244G、R252C、R252P、F254I、R255(ナンセンス突然変異)、D256Y、T263P、Y270C、T273A、Q276(ナンセンス)、E282K、G288(フレームシフト)、A289D、A289V、A289T、A289N、A289D、V301(欠失)、D303H、H304Y、R309Q、D314N、C326R、G331R、T354M、T363I、P373Q、R337S、S380(フレームシフト)、T384S、D393Y、R427L、G428S、S437Y、V441I、S447Y、G465R、I475V、C515S、C526S、R527L、R531(ナンセンス)、V536M、L541I、P546Q、C571S、G588S、P589L、P596L、P596S、P596R、P596L、G598V、G598A、E602G、G614D、C620Y、C620W、C628Y、C628F、C636Y、T638M、P641H、S645C、V651M、R671C、V689M、P694S、N700D、E709A、E709K、E709Q、E709K、F712L、K714N、I715S、K716R、G719A、G719C、G719D、G719S、S720C、S720F、G721V、W731Stop、P733L、K739-I744(挿入)、V742I、V742A、E746-A750(欠失)、E746K、L747S、L747-E749(欠失)、L747-T751(欠失)、L747-P753(欠失)、G746-S752(欠失)、T751I、S752Y、K754(欠失)、S752-I759(欠失)、A750P、D761-E762(例えば、残基EAFQ挿入(SEQ ID NO: 2110))、D761N、D761Y、A763V、V765A、A767-S768(例えば、残基TLA挿入)、A767-V769(例えば、残基ASV挿入)、S768I、S768T、V769L、V769M、V769-D770(例えば、残基Y挿入)、770-771(例えば、残基GL挿入)、770-771(例えば、残基G挿入)、770-771(例えば、残基CV挿入)、770-771(例えば、残基SVD挿入)、P772R、773-774(例えば、残基NPH挿入)、H773R、H773L、V774M、774-775(例えば、残基HV挿入)、R776H、R776C、G779F、T783A、T784F、T854A、V786L、T790M、L792P、P794H、L798F、R803W、H805R、D807H、G810S、N826S、Y827(ナンセンス)、R831H、R832C、R832H、L833F、L833V、H835L、D837V、L838M、L838P、A839V、N842H、V843L、T847K、T847I、H850N、V851A、I853T、F856L、L858R、L858M、L861Q、L861R、G863D、Q894L、G917A、E967A、D1006Y、P1019L、S1042N、R1100S、H1129Y、T1141S、S1153I、Q1164R、L1167M、あるいはこれらの組み合わせから選択された1つ以上の突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドのL747S、D761Y、T790M、T854A、L858R、あるいはこれらの組み合わせから選択された1つ以上の突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドのD761Y、T790M、L858R、あるいはこれらの組み合わせから選択された1つ以上の突然変異を含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドの突然変異L747Sを含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドの突然変異D761Yを含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドの突然変異T790Mを含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドの突然変異T854Aを含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、EGFRポリペプチドの突然変異L858Rを含むEGFR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
アンドロゲン受容体(Ar)を標的とするポリ核酸分子
アンドロゲン受容体(AR)(NR3C4、核受容体サブファミリー3、群C、遺伝子4としても知られている)は、関連するメンバー:エストロゲン受容体(ER)、グルココルチコイド受容体(GR)、プロゲステロン受容体(PR)、およびミネラルコルチコイド受容体(MR)と共に、核受容体スーパーファミリーのステロイドホルモン群に属する。アンドロゲンあるいはステロイドホルモンは、アンドロゲン受容体によってタンパク質合成と組織リモデリングを調節する。ARタンパク質は、標的遺伝子発現を調節するリガンド誘導可能なジンクフィンガー転写因子である。AR遺伝子中の突然変異の存在は、いくつかのタイプの癌(例えば、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、あるいは食道癌)で観察され、いくつかの例では、転移の進行に関与していた。
いくつかの実施形態において、AR DNAあるいはRNAは野生型であるか、あるいは、1つ以上の突然変異および/またはスプライス変異体を含む。いくつかの例では、AR DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、AR DNAあるいはRNAは、限定されないが、AR1/2/2b、ARV2、ARV3、ARV4、AR1/2/3/2b、ARV5、ARV6、ARV7、ARV9、ARV10、ARV11、ARV12、ARV13、ARV14、ARV15、ARV16、およびARV(v567es)を含むARスプライス変異体から選択された1つ以上のスプライス変異体を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、突然変異(例えば、置換、欠失、あるいは追加)あるいはスプライス変異体を含む、AR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、AR DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、AR DNAあるいはRNAは、1つ以上のエクソン内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、1つ以上のエクソンは、エクソン1、エクソン2、エクソン3、エクソン4、エクソン5、エクソン6、エクソン7、あるいはエクソン8を含む。いくつかの実施形態において、AR DNAあるいはRNAは、エクソン1、エクソン2、エクソン3、エクソン4、エクソン5、エクソン6、エクソン7、エクソン8、あるいはこれらの組み合わせ内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、AR DNAあるいはRNAは、ARポリペプチドのアミノ酸残基2、14、16、29、45、54、57、64、106、112、176、180、184、194、198、204、214、221、222、233、243、252、255、266、269、287、288、334、335、340、363、368、369、390、403、443、491、505、513、524、524、528、533、547、548、564、567、568、574、547、559、568、571、573、575、576、577、578、579、580、581、582、585、586、587、596、597、599、601、604、607、608、609、610、611、615、616、617、619、622、629、630、638、645、647、653、662、664、670、671、672、674、677、681、682、683、684、687、688、689、690、695、700、701、702、703、705、706、707、708、710、711、712、715、717、720、721、722、723、724、725、726、727、728、730、732、733、737、739、741、742、743、744、745、746、748、749、750、751、752、754、755、756、757、758、759、762、763、764、765、766、767、768、771、772、774、777、779、786、795、780、782、784、787、788、790、791、793、794、798、802、803、804、806、807、812、813、814、819、820、821、824、827、828、830、831、834、840、841、842、846、854、855、856、863、864、866、869、870、871、874、875、877、879、880、881、886、888、889、891、892、895、896、897、898、902、903、904、907、909、910、911、913、916、919、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、AR DNAあるいはRNAは、ARポリペプチドのE2K、P14Q、K16N、V29M、S45T、L54S、L57Q、Q64R、Y106C、Q112H、S176S、K180R、L184P、Q194R、E198G、G204S、G214R、K221N、N222D、D233K、S243L、A252V、L255P、M266T、P269S、A287D、E288K、S334P、S335T、P340L、Y363N、L368V、A369P、P390R、P390S、P390L、A403V、Q443R、G491S、G505D、P513S、G524D、G524S、D528G、P533S、L547F、P548S、D564Y、S567F、G568W、L574P、L547F、C559Y、G568W、G568V、Y571C、Y571H、A573D、T575A、C576R、C576F、G577R、S578T、C579Y、C579F、K580R、V581F、F582Y、F582S、R585K、A586V、A587S、A596T、A596S、S597G、S597I、N599Y、C601F、D604Y、R607Q、R608K、K609N、D610T、C611Y、R615H、R615P、R615G、R616C、L616R、L616P、R617P、C619Y、A622V、R629W、R629Q、K630T、L638M、A645D、S647N、E653K、S662(ナンセンス)、I664N、Q670L、Q670R、P671H、I672T、L674P、L677P、E681L、P682T、G683A、V684I、V684A、A687V、G688Q、H689P、D690V、D695N、D695V、D695H、L700M、L701P、L701I、H701H、S702A、S703G、N705S、N705Y、E706(ナンセンス)、L707R、G708A、R710T、Q711E、L712F、V715M、K717Q、K720E、A721T、L722F、P723S、G724S、G724D、G724N、F725L、R726L、N727K、L728S、L728I、V730M、D732N、D732Y、D732E、Q733H、I737T、Y739D、W741R、M742V、M742I、G743R、G743V、L744F、M745T、V746M、A748D、A748V、A748T、M749V、M749I、G750S、G750D、W751R、R752Q、F754V、F754L、T755A、N756S、N756D、V757A、N758T、S759F、S759P、L762F、Y763H、Y763C、F764L、A765T、A765V、P766A、P766S、D767E、L768P、L768M、N771H、E772G、E772A、R774H、R774C、K777T、R779W、R786Q、G795V、M780I、S782N、C784Y、M787V、R788S、L790F、S791P、E793D、F794S、Q798E、Q802R、G803L、F804L、C806Y、M807V、M807R、M807I、L812P、F813V、S814N、N819Q、G820A、L821V、Q824L、Q824R、F827L、F827V、D828H、L830V、L830P、R831Q、R831L、Y834C、R840C、R840H、I841S、I842T、R846G、R854K、R855C、R855H、F856L、L863R、D864N、D864E、D864G、V866L、V866M、V866E、I869M、A870G、A870V、R871G、H874Y、H874R、Q875K、T877S、T877A、D879T、D879G、L880Q、L881V、M886V、S888L、V889M、F891L、P892L、M895T、A896T、E897D、I898T、Q902R、V903M、P904S、P904H、L907F、G909R、G909E、K910R、V911L、P913S、F916L、Q919R、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸残基に対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、1つ以上の突然変異を含むAR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸は、1つ以上のARスプライス変異体にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸は、限定されないが、AR1/2/2b、ARV2、ARV3、ARV4、AR1/2/3/2b、ARV5、ARV6、ARV7、ARV9、ARV10、ARV11、ARV12、ARV13、ARV14、ARV15、ARV16、およびARV(v567es)を含む1つ以上のスプライス変異体を含むAR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン1、エクソン2、エクソン3、エクソン4、エクソン5、エクソン6、エクソン7、エクソン8、あるいはこれらの組み合わせ内に1つ以上の突然変異を含むAR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、アミノ酸残基2、14、16、29、45、54、57、64、106、112、176、180、184、194、198、204、214、221、222、233、243、252、255、266、269、287、288、334、335、340、363、368、369、390、403、443、491、505、513、524、524、528、533、547、548、564、567、568、574、547、559、568、571、573、575、576、577、578、579、580、581、582、585、586、587、596、597、599、601、604、607、608、609、610、611、615、616、617、619、622、629、630、638、645、647、653、662、664、670、671、672、674、677、681、682、683、684、687、688、689、690、695、700、701、702、703、705、706、707、708、710、711、712、715、717、720、721、722、723、724、725、726、727、728、730、732、733、737、739、741、742、743、744、745、746、748、749、750、751、752、754、755、756、757、758、759、762、763、764、765、766、767、768、771、772、774、777、779、786、795、780、782、784、787、788、790、791、793、794、798、802、803、804、806、807、812、813、814、819、820、821、824、827、828、830、831、834、840、841、842、846、854、855、856、863、864、866、869、870、871、874、875、877、879、880、881、886、888、889、891、892、895、896、897、898、902、903、904、907、909、910、911、913、916、919、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含むAR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、ARポリペプチドのE2K、P14Q、K16N、V29M、S45T、L54S、L57Q、Q64R、Y106C、Q112H、S176S、K180R、L184P、Q194R、E198G、G204S、G214R、K221N、N222D、D233K、S243L、A252V、L255P、M266T、P269S、A287D、E288K、S334P、S335T、P340L、Y363N、L368V、A369P、P390R、P390S、P390L、A403V、Q443R、G491S、G505D、P513S、G524D、G524S、D528G、P533S、L547F、P548S、D564Y、S567F、G568W、L574P、L547F、C559Y、G568W、G568V、Y571C、Y571H、A573D、T575A、C576R、C576F、G577R、S578T、C579Y、C579F、K580R、V581F、F582Y、F582S、R585K、A586V、A587S、A596T、A596S、S597G、S597I、N599Y、C601F、D604Y、R607Q、R608K、K609N、D610T、C611Y、R615H、R615P、R615G、R616C、L616R、L616P、R617P、C619Y、A622V、R629W、R629Q、K630T、L638M、A645D、S647N、E653K、S662(ナンセンス)、I664N、Q670L、Q670R、P671H、I672T、L674P、L677P、E681L、P682T、G683A、V684I、V684A、A687V、G688Q、H689P、D690V、D695N、D695V、D695H、L700M、L701P、L701I、H701H、S702A、S703G、N705S、N705Y、E706(ナンセンス)、L707R、G708A、R710T、Q711E、L712F、V715M、K717Q、K720E、A721T、L722F、P723S、G724S、G724D、G724N、F725L、R726L、N727K、L728S、L728I、V730M、D732N、D732Y、D732E、Q733H、I737T、Y739D、W741R、M742V、M742I、G743R、G743V、L744F、M745T、V746M、A748D、A748V、A748T、M749V、M749I、G750S、G750D、W751R、R752Q、F754V、F754L、T755A、N756S、N756D、V757A、N758T、S759F、S759P、L762F、Y763H、Y763C、F764L、A765T、A765V、P766A、P766S、D767E、L768P、L768M、N771H、E772G、E772A、R774H、R774C、K777T、R779W、R786Q、G795V、M780I、S782N、C784Y、M787V、R788S、L790F、S791P、E793D、F794S、Q798E、Q802R、G803L、F804L、C806Y、M807V、M807R、M807I、L812P、F813V、S814N、N819Q、G820A、L821V、Q824L、Q824R、F827L、F827V、D828H、L830V、L830P、R831Q、R831L、Y834C、R840C、R840H、I841S、I842T、R846G、R854K、R855C、R855H、F856L、L863R、D864N、D864E、D864G、V866L、V866M、V866E、I869M、A870G、A870V、R871G、H874Y、H874R、Q875K、T877S、T877A、D879T、D879G、L880Q、L881V、M886V、S888L、V889M、F891L、P892L、M895T、A896T、E897D、I898T、Q902R、V903M、P904S、P904H、L907F、G909R、G909E、K910R、V911L、P913S、F916L、Q919R、あるいはこれらの組み合わせから選択された1つ以上の突然変異を含むAR DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
Β-カテニンおよびΒ-カテニン関連遺伝子を標的とするポリ核酸分子
カテニンβ-1(CTNNB1、β-カテニンあるいはベータ-カテニンとしても知られている)は、カテニンタンパク質ファミリーのメンバーである。ヒトでは、それはCTNNB1遺伝子によってコードされ、その二元機能-細胞間癒着と遺伝子転写-が知られている。ベータ-カテニンはカドヘリンベースの接着結合の不可欠な構造成分であり、細胞間の細胞成長と接着を調節し、アクチン細胞骨格を固定する。いくつかの例において、ベータ-カテニンは、上皮のシートが完成すると細胞に分割を停止させる接触阻害シグナルを送信することに関与する。ベータ-カテニンはWntシグナル伝達経路の鍵となる核エフェクターでもある。いくつかの例では、ベータ-カテニンの構造的なシグナル伝達特性の不均衡は、様々な疾患と、癌などの悪性病変に関係する無秩序な成長を引き起こす。例えば、ベータ-カテニンの過剰発現は、胃癌などの癌に関連している(Suriano,et al.,“Beta-catenin(CTNNB1) gene amplification: a new mechanism of protein overexpression in cancer,” Genes Chromosomes Cancer 42(3): 238-246(2005))。場合によっては、CTNNB1遺伝子中の突然変異は、癌の発生(例えば、結腸癌、黒色腫、肝細胞癌、卵巣癌、子宮内膜癌、髄芽腫毛母腫、あるいは前立腺癌)に関与しており、いくつかの例では、転移の進行に関与している。さらなる場合には、CTNNB1遺伝子中の突然変異は、外部刺激なくベータ-カテニンを核に移動させ、その標的遺伝子の転写を連続的に駆動させる。場合によっては、影響を受けた細胞の以前の上皮表現型を、浸潤性の間葉様のタイプに変化させるベータ-カテニンの可能性は、転移形成に寄与する。
いくつかの実施形態において、CTNNB1遺伝子は、野生型CTNNB1、あるいは1つ以上の突然変異を含むCTNNB1である。いくつかの例では、CTNNB1は野生型CTNNB1である。いくつかの例では、CTNNB1は1つ以上の突然変異を含むCTNNB1である。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、野生型のCTNNB1の標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、突然変異(例えば、置換、欠失、あるいは追加)を含む、CTNNB1の標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。
いくつかの実施形態において、CTNNB1 DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、CTNNB1 DNAあるいはRNAは、1つ以上のエクソン内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例において、1つ以上のエクソンはエクソン3を含む。いくつかの例では、CTNNB1 DNAあるいはRNAは、コドン32、33、34、37、41、45、183、245、287、あるいはこれらの組み合わせで1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、CTNNB1 DNAあるいはRNAは、CTNNB1ポリペプチドのアミノ酸残基25、31、32、33、34、35、36、37、41、45、140、162、170、199、213、215、257、303、322、334、354、367、373、383、387、402、426、453、474、486、515、517、535、553、555、582、587、619、623、641、646、688、703、710、712、714、724、738、777、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、CTNNB1 DNAあるいはRNAは、CTNNB1ポリペプチドのW25(ナンセンス突然変異)、L31M、D32A、D32N、D32Y、D32G、D32H、S33C、S33Y、S33F、S33P、G34R、G34E、G34V、I35S、H36Y、S37F、S37P、S37C、S37A、T41N、T41A、T41I、S45Y、S45F、S45C、I140T、D162E、K170M、V199I、C213F、A215T、T257I、I303M、Q322K、E334K、K354T、G367V、P373S、W383G、N387K、L402F、N426D、R453L、R453Q、R474(ナンセンス突然変異)、R486C、R515Q、L517F、R535(ナンセンス突然変異)、R535Q、M553V、G555A、R582Q、R587Q、C619Y、Q623E、T641(フレームシフト)、S646F、M688T、Q703H、R710H、D712N、P714R、Y724H、E738K、F777S、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸に対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、1つ以上の突然変異を含むCTNNB1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン3内の1つ以上の突然変異を含むCTNNB1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、コドン32、33、34、37、41、45、183、245、287、あるいはこれらの組み合わせで1つ以上の突然変異を含むCTNNB1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ポリ核酸分子は、CTNNB1 DNAあるいはRNAは、CTNNB1ポリペプチドのアミノ酸残基25、31、32、33、34、35、36、37、41、45、140、162、170、199、213、215、257、303、322、334、354、367、373、383、387、402、426、453、474、486、515、517、535、553、555、582、587、619、623、641、646、688、703、710、712、714、724、738、777、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含むCTNNB1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、CTNNB1ポリペプチドのW25(ナンセンス突然変異)、L31M、D32A、D32N、D32Y、D32G、D32H、S33C、S33Y、S33F、S33P、G34R、G34E、G34V、I35S、H36Y、S37F、S37P、S37C、S37A、T41N、T41A、T41I、S45Y、S45F、S45C、I140T、D162E、K170M、V199I、C213F、A215T、T257I、I303M、Q322K、E334K、K354T、G367V、P373S、W383G、N387K、L402F、N426D、R453L、R453Q、R474(ナンセンス突然変異)、R486C、R515Q、L517F、R535(ナンセンス突然変異)、R535Q、M553V、G555A、R582Q、R587Q、C619Y、Q623E、T641(フレームシフト)、S646F、M688T、Q703H、R710H、D712N、P714R、Y724H、E738K、F777S、あるいはこれらの組み合わせから選択された1つ以上の突然変異を含むCTNNB1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、ベータ-カテニン関連遺伝子はさらに、PIK3CA、PIK3CB、およびMYCを含む。いくつかの実施形態において、ベータ-カテニン関連遺伝子はさらに、PIK3CA DNAあるいはRNAを含む。PIK3CA(ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ、触媒サブユニットαあるいはp110αタンパク質)は、ホスファチジルイノシトールをリン酸化するためにATPを使用するクラスiのPI3キナーゼ触媒サブユニットである。いくつかの実施形態において、PIK3CA遺伝子は野生型PIK3CA、あるいは1つ以上の突然変異を含むPIK3CAである。いくつかの例では、PIK3CA DNAあるいはRNAは、野生型PIK3CAである。いくつかの例では、PIK3CA DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、野生型PIK3CA DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、突然変異(例えば、置換、欠失、あるいは追加)を含むPIK3CA DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、PIK3CA DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、PIK3CA DNAあるいはRNAは、1つ以上のエクソン内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、PIK3CA DNAあるいはRNAは、エクソン9および/または20内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、PIK3CA DNAあるいはRNAは、PIK3CAポリペプチドのアミノ酸残基1、4、10-16、11-18、11、12、38、39、65、72、75、79、81、83、88、90、93、102、103、103-104、103-106、104、105-108、106、106-107、106-108、107、108、109-112、110、111、113、115、137、170、258、272、279、320、328、335、342、344、345、350、357、359、363、364、365、366、378、398、401、417、420、447-455、449、449-457、451、453、454、455、455-460、463-465、471、495、522、538、539、542、545、546、547、576、604、614、617、629、643、663、682、725、726、777、791、818、866、901、909、939、951、958、970、971、975、992、1004、1007、1016、1017、1021、1025、1029、1037、1040、1043、1044、1045、1047、1048、1049、1052、1065、1069、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、PIK3CA DNAあるいはRNAは、PIK3CAポリペプチドのM1V、R4(ナンセンス突然変異)、L10-M16(欠失)、W11-P18(欠失)、W11L、G12D、R38L、R38H、R38C、R38S、E39K、E39G、E65K、S72G、Q75E、R79M、E81K、E81(欠失)、F83Y、R88Q、C90Y、C90G、R93Q、R93W、I102(欠失)、E103G、E103-P104(欠失)、E103-G106(欠失)、P104L、V105-R108(欠失)、G106V、G106-N107(欠失)、G106-R108(欠失)、G106R、N107S、R108L、R108H、E109-I112(欠失)、E110(欠失)、K111E、K111R、K111N、K111(欠失)、L113(欠失)、R115L、Q137L、N170S、D258N、Y272(ナンセンス突然変異)、L279I、G320V、W328S、R335G、T342S、V344G、V344M、V344A、N345K、N345I、N345T、D350N、D350G、R357Q、G359R、G363A、G364R、E365K、E365V、P366R、C378R、C378Y、R398H、R401Q、E417K、C420R、C420G、P447-L455(欠失)、P449L、P449-N457(欠失)、G451R、G451V、E453K、E453Q、E453D、D454Y、L455(frame shift insertion)、L455-G460(欠失)、G463-N465(欠失)、P471L、P471A、H495L、H495Y、E522A、D538N、P539R、E542K、E542V、E542G、E542Q、E542A、E545K、E545A、E545G、E545Q、E545D、Q546K、Q546R、Q546P、E547D、S576Y、C604R、F614I、A617W、S629C、Q643H、I663S、Q682(欠失)、D725N、W726K、R777M、E791Q、R818C、L866W、C901F、F909L、D939G、R951C、Q958R、E970K、C971R、R975S、R992P、M1004I、G1007R、F1016C、D1017H、Y1021H、Y1021C、T1025A、T1025S、D1029H、E1037K、M1040V、M1043V、M1043I、N1044K、N1044Y、D1045V、H1047R、H1047L、H1047Y、H1047Q、H1048R、G1049R、T1052K、H1065L、1069W(ノンストップ変異)、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸残基に対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、1つ以上の突然変異を含むPIK3CA DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン内の1つ以上の突然変異を含むPIK3CA DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン9またはエクソン20内の1つ以上の突然変異を含むPIK3CA DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ポリ核酸分子は、PIK3CAポリペプチドのアミノ酸残基1、4、10-16、11-18、11、12、38、39、65、72、75、79、81、83、88、90、93、102、103、103-104、103-106、104、105-108、106、106-107、106-108、107、108、109-112、110、111、113、115、137、170、258、272、279、320、328、335、342、344、345、350、357、359、363、364、365、366、378、398、401、417、420、447-455、449、449-457、451、453、454、455、455-460、463-465、471、495、522、538、539、542、545、546、547、576、604、614、617、629、643、663、682、725、726、777、791、818、866、901、909、939、951、958、970、971、975、992、1004、1007、1016、1017、1021、1025、1029、1037、1040、1043、1044、1045、1047、1048、1049、1052、1065、1069、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含むPIK3CA DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、PIK3CAポリペプチドのM1V、R4(ナンセンス突然変異)、L10-M16(欠失)、W11-P18(欠失)、W11L、G12D、R38L、R38H、R38C、R38S、E39K、E39G、E65K、S72G、Q75E、R79M、E81K、E81(欠失)、F83Y、R88Q、C90Y、C90G、R93Q、R93W、I102(欠失)、E103G、E103-P104(欠失)、E103-G106(欠失)、P104L、V105-R108(欠失)、G106V、G106-N107(欠失)、G106-R108(欠失)、G106R、N107S、R108L、R108H、E109-I112(欠失)、E110(欠失)、K111E、K111R、K111N、K111(欠失)、L113(欠失)、R115L、Q137L、N170S、D258N、Y272(ナンセンス突然変異)、L279I、G320V、W328S、R335G、T342S、V344G、V344M、V344A、N345K、N345I、N345T、D350N、D350G、R357Q、G359R、G363A、G364R、E365K、E365V、P366R、C378R、C378Y、R398H、R401Q、E417K、C420R、C420G、P447-L455(欠失)、P449L、P449-N457(欠失)、G451R、G451V、E453K、E453Q、E453D、D454Y、L455(frame shift insertion)、L455-G460(欠失)、G463-N465(欠失)、P471L、P471A、H495L、H495Y、E522A、D538N、P539R、E542K、E542V、E542G、E542Q、E542A、E545K、E545A、E545G、E545Q、E545D、Q546K、Q546R、Q546P、E547D、S576Y、C604R、F614I、A617W、S629C、Q643H、I663S、Q682(欠失)、D725N、W726K、R777M、E791Q、R818C、L866W、C901F、F909L、D939G、R951C、Q958R、E970K、C971R、R975S、R992P、M1004I、G1007R、F1016C、D1017H、Y1021H、Y1021C、T1025A、T1025S、D1029H、E1037K、M1040V、M1043V、M1043I、N1044K、N1044Y、D1045V、H1047R、H1047L、H1047Y、H1047Q、H1048R、G1049R、T1052K、H1065L、1069W(ノンストップ変異)、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸残基に対応する位置で1つ以上の突然変異を含むPIK3CA DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。
いくつかの実施形態において、ベータ-カテニン関連遺伝子はさらにPIK3CBを含む。いくつかの実施形態において、PIK3CB遺伝子は野生型であるか、あるいは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、PIK3CB DNAあるいはRNAは野生型PIK3CB DNAあるいはRNAである。いくつかの例では、PIK3CB DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、野生型PIK3CB DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、突然変異(例えば、置換、欠失、あるいは追加)を含むPIK3CB DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、PIK3CB DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、PIK3CB DNAあるいはRNAは、1つ以上のエクソン内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、PIK3CB DNAあるいはRNAは、PIK3CBポリペプチドのアミノ酸残基18、19、21、28、50、61、68、103、135、140、167、252、270、290、301、304、321、369、417、442、470、497、507、512、540、551、552、554、562、567、593、595、619、628、668、768、805、824、830、887、967、992、1005、1020、1036、1046、1047、1048、1049、1051、1055、1067、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、PIK3CB DNAあるいはRNAは、PIK3CBポリペプチドのW18(ナンセンス突然変異)、A19V、D21H、G28S、A50P、K61T、M68I、R103K、H135N、L140S、S167C、G252W、R270W、K290N、E301V、I304R、R321Q、V369I、T417M、N442K、E470K、E497D、P507S、I512M、E540(ナンセンス突然変異)、C551R、E552K、E554K、R562(ナンセンス突然変異)、E567D、A593V、L595P、V619A、R628(ナンセンス突然変異)、R668W、L768F、K805E、D824E、A830T、E887(ナンセンス突然変異)、V967A、I992T、A1005V、D1020H、E1036K、D1046N、E1047K、A1048V、L1049R、E1051K、T1055A、D1067V、D1067A、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸残基に対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、1つ以上の突然変異を含むPIK3CB DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン内の1つ以上の突然変異を含むPIK3CB DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、PIK3CBポリペプチドのアミノ酸残基18、19、21、28、50、61、68、103、135、140、167、252、270、290、301、304、321、369、417、442、470、497、507、512、540、551、552、554、562、567、593、595、619、628、668、768、805、824、830、887、967、992、1005、1020、1036、1046、1047、1048、1049、1051、1055、1067、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含むPIK3CB DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、PIK3CBポリペプチドのW18(ナンセンス突然変異)、A19V、D21H、G28S、A50P、K61T、M68I、R103K、H135N、L140S、S167C、G252W、R270W、K290N、E301V、I304R、R321Q、V369I、T417M、N442K、E470K、E497D、P507S、I512M、E540(ナンセンス突然変異)、C551R、E552K、E554K、R562(ナンセンス突然変異)、E567D、A593V、L595P、V619A、R628(ナンセンス突然変異)、R668W、L768F、K805E、D824E、A830T、E887(ナンセンス突然変異)、V967A、I992T、A1005V、D1020H、E1036K、D1046N、E1047K、A1048V、L1049R、E1051K、T1055A、D1067V、D1067A、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸残基に対応する位置で1つ以上の突然変異を含むPIK3CB DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、ベータ-カテニン関連遺伝子はさらにMYCを含む。いくつかの実施形態において、MYC遺伝子は野生型MYC、あるいは1つ以上の突然変異を含むMYCである。いくつかの例では、MYCは野生型MYC DNAあるいはRNAである。いくつかの例では、MYC DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、野生型MYC DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、突然変異(例えば、置換、欠失、あるいは追加)を含む、MYC DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズするポリ核酸分子である。
いくつかの実施形態において、MYC DNAあるいはRNAは1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、MYC DNAあるいはRNAは、1つ以上のエクソン内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、MYC DNAあるいはRNAは、エクソン2またはエクソン3内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、MYC DNAあるいはRNAは、MYCポリペプチドのアミノ酸残基2、7、17、20、32、44、58、59、76、115、138、141、145、146、169、175、188、200、202、203、248、251、298、321、340、369、373、374、389、395、404、419、431、439、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、MYC DNAあるいはRNAは、P2L、F7L、D17N、Q20E、Y32N、A44V、A44T、T58I、P59L、A76V、F115L、F138S、A141S、V145I、S146L、S169C、S175N、C188F、N200S、S202N、S203T、T248S、D251E、S298Y、Q321E、V340D、V369D、T373K、H374R、F389L、Q395H、K404N、L419M、E431K、R439Q、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸残基に対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、1つ以上の突然変異を含むMYC DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン内の1つ以上の突然変異を含むMYC DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン2またはエクソン3内に1つ以上の突然変異を含むMYC DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、MYCポリペプチドのアミノ酸残基2、7、17、20、32、44、58、59、76、115、138、141、145、146、169、175、188、200、202、203、248、251、298、321、340、369、373、374、389、395、404、419、431、439、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含むMYC DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、MYCポリペプチドのP2L、F7L、D17N、Q20E、Y32N、A44V、A44T、T58I、P59L、A76V、F115L、F138S、A141S、V145I、S146L、S169C、S175N、C188F、N200S、S202N、S203T、T248S、D251E、S298Y、Q321E、V340D、V369D、T373K、H374R、F389L、Q395H、K404N、L419M、E431K、R439Q、あるいはこれらの組み合わせから選択されたアミノ酸残基に対応する位置で1つ以上の突然変異を含むMYC DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1(HPRT1)を標的とするポリ核酸分子
ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)は、ヒポキサンチンのイノシン一リン酸への、および、グアニンのグアノシン一リン酸への転換を触媒するトランスフェラーゼである。HGPRTはヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1(HPRT1)遺伝子によってコードされる。
いくつかの実施形態において、HPRT1 DNAあるいはRNAは野生型であるか、あるいは、1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、HPRT1 DNAあるいはRNAは、1つ以上のエクソン内に1つ以上の突然変異を含む。いくつかの例では、1つ以上のエクソンは、エクソン2、エクソン3、エクソン4、エクソン6、エクソン8、あるいはエクソン9を含む。いくつかの例では、HPRT1 DNAあるいはRNAは、HPRT1ポリペプチドのアミノ酸残基35、48、56、74、87、129、154、162、195、200、210、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、HPRT1ポリペプチドのV35M、R48H、E56D、F74L、R87I、N129(スプライス部位突然変異)、N154H、S162(スプライス部位突然変異)、Y195C、Y195N、R200M、E210K、あるいはこれらの組み合わせから選択された1つ以上の突然変異を含むHPRT1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、1つ以上の突然変異を含むHPRT1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、エクソン2、エクソン3、エクソン4、エクソン6、エクソン8、あるいはエクソン9内の1つ以上の突然変異を含むHPRT1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、HPRT1ポリペプチドのアミノ酸残基35、48、56、74、87、129、154、162、195、200、210、あるいはこれらの組み合わせに対応する位置で1つ以上の突然変異を含むHPRT1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、HPRT1ポリペプチドのV35M、R48H、E56D、F74L、R87I、N129(スプライス部位突然変異)、N154H、S162(スプライス部位突然変異)、Y195C、Y195N、R200M、E210K、あるいはこれらの組み合わせから選択された1つ以上の突然変異を含むHPRT1 DNAあるいはRNAの標的領域にハイブリダイズする。
ポリ核酸分子配列
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、表1、3、5、6、あるいは7に例示される標的配列にハイブリダイズする配列を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子はBである。いくつかの例では、ポリ核酸分子Bは、表1に例示される標的配列(KRAS標的配列)にハイブリダイズする配列を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子Bは、表3に例示される標的配列(EGFR標的配列)にハイブリダイズする配列を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子Bは、表5に例示される標的配列(AR標的配列)にハイブリダイズする配列を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子Bは、表6に例示される標的配列(β-カテニン標的配列)にハイブリダイズする配列を含む。追加の例では、ポリ核酸分子Bは、表7に例示される標的配列(PIK3CAとPIK3CBの標的配列)にハイブリダイズする配列を含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、表2で列挙される配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:165-45に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも50%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも60%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも75%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも96%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも97%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも98%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45からなる。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドを含む。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する第1のポリヌクレオチドと、SEQ ID NO:16-45に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する第2のポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、表4で列挙される配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも50%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも60%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも75%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも96%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも97%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも98%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173からなる。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドを含む。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する第1のポリヌクレオチドと、SEQ ID NO:422-1173に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する第2のポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、表8で列挙される配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも50%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも60%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも75%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも96%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも97%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも98%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214からなる。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドを含む。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列に相補的である配列を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する第1のポリヌクレオチドと、SEQ ID NO:1195-1214に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列に相補的である第2のポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは、表9で列挙される配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも50%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも60%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも75%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも96%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも97%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも98%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242からなる。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子Bは第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドを含む。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する第1のポリヌクレオチドと、SEQ ID NO:1215-1242に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する第2のポリヌクレオチドを含む。
ポリ核酸分子
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリ核酸分子はRNAまたはDNAを含む。場合によっては、ポリ核酸分子はRNAを含む。いくつかの例では、RNAは低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、またはヘテロ核RNA(hnRNA)を含む。いくつかの例では、RNAはshRNAを含む。いくつかの例では、RNAはmiRNAを含む。いくつかの例では、RNAはdsRNAを含む。いくつかの例では、RNAはtRNAを含む。いくつかの例では、RNAはrRNAを含む。いくつかの例では、RNAはhnRNAを含む。いくつかの例では、RNAはsiRNAを含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子はsiRNAを含む。場合によっては、BはsiRNAを含む。
いくつかの実施形態では、核酸ポリマーは、約10から約50ヌクレオチド長さである。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、約10から約30、約15から約30、約18から約25、約18から約24、約19から約23、あるいは約20から約22ヌクレオチド長さである。
いくつかの実施形態では、ポリ核酸分子は、約50ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約45ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約40ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約35ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約30ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約25ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約20ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約19ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約18ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約17ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約16ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約15ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約14ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約13ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約12ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約11ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約10ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約10から約50ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約10から約45ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約10から約40ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約10から約35ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約10から約30ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約10から約25ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約10から約20ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約15から約25ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約15から約30ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、約12から約30ヌクレオチド長さである。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は第1のポリヌクレオチドを含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は第2のポリヌクレオチドを含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドを含む。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドはセンス鎖またはパッセンジャー鎖である。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドはアンチセンス鎖またはガイド鎖である。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は第1のポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、約10から約50ヌクレオチド長さである。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、約10から約30、約15から約30、約18から約25、約18から約24、約19から約23、あるいは約20から約22ヌクレオチド長さである。
いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約45ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約40ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約35ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約30ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約25ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約20ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約19ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約18ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約17ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約16ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約15ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約14ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約13ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約12ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約11ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約10ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約10から約50ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約10から約45ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約10から約40ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約10から約35ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約10から約30ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約10から約25ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約10から約20ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約15から約25ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約15から約30ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約12から約30ヌクレオチド長さである。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は第2のポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、約10から約50ヌクレオチド長さである。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、約10から約30、約15から約30、約18から約25、約18から約24、約19から約23、あるいは約20から約22ヌクレオチド長さである。
いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約45ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約40ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約35ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約30ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約25ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約20ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約19ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約18ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約17ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約16ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約15ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約14ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約13ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約12ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約11ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約10ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約10から約50ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約10から約45ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約10から約40ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約10から約35ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約10から約30ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約10から約25ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは、約10から約20ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約15から約25ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約15から約30ヌクレオチド長さである。いくつかの例では、第1のポリヌクレオチドは、約12から約30ヌクレオチド長さである。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドを含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子はさらに平滑末端、オーバーハングあるいはその組み合わせを含む。いくつかの例では、平滑末端は、5’平滑末端、3’平滑末端、あるいはその両方である。場合によっては、オーバーハングは5’オーバーハング、3’オーバーハング、またはその両方である。場合によっては、オーバーハングは1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10の非塩基対ヌクレオチドを含む。場合によっては、オーバーハングは1、2、3、4、5、あるいは6の非塩基対ヌクレオチドを含む。場合によっては、オーバーハングは1、2、3、あるいは4の非塩基対ヌクレオチドを含む。場合によっては、オーバーハングは1つの非塩基対ヌクレオチドを含む。場合によっては、オーバーハングは2つの非塩基対ヌクレオチドを含む。場合によっては、オーバーハングは3つの非塩基対ヌクレオチドを含む。場合によっては、オーバーハングは4つの非塩基対ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は、本明細書に記載された標的配列に対して、少なくとも40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、あるいは99.5%相補的である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に少なくとも50%相補的である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に少なくとも60%相補的である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に少なくとも70%相補的である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に少なくとも80%相補的である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に少なくとも90%相補的である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に少なくとも95%相補的である。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に少なくとも99%相補的である。いくつかの例では、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に100%相補的である。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に対して5つ以下のミスマッチを有する。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に対して4つ以下のミスマッチを有する。場合によっては、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に対して3つ以下のミスマッチを有し得る。場合によっては、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に対して2つ以下のミスマッチを有し得る。場合によっては、ポリ核酸分子の配列は本明細書に記載された標的配列に対して1つ以下のミスマッチを有し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された標的配列にハイブリダイズするポリ核酸分子の特異性は、標的配列に対するポリ核酸分子の95%、98%、99%、99.5%、あるいは100%の配列相補性である。いくつかの例では、ハイブリダイゼーションは高いストリンジェントなハイブリダイゼーション状態である。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、あるいはそれ以上の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも8つの隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも9つの隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも10の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも11の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも12の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも13の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも14の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも15の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも16の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも17の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも18の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも19の隣接する塩基にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、本明細書に記載される標的配列の少なくとも20の隣接する塩基にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子はオフターゲット効果を減少させた。いくつかの例において、「オフターゲット」あるいは「オフターゲット効果」とは、所定の標的に対するポリ核酸ポリマーが、別のmRNA配列、DNA配列、あるいは細胞タンパク質またはその他の部分を直接的あるいは間接的に相互作用することによって意図しない効果を引き起こすあらゆる例を指す。いくつかの例では、その他の転写産物とポリ核酸分子のセンスおよび/またはアンチセンス鎖との間の部分的な相同性あるいは相補性によって他の転写産物の同時の分解がある場合に、「オフターゲット効果」が生じる。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、天然、合成、または人工ヌクレオチドアナログまたは塩基を含む。場合によっては、ポリ核酸分子は、DNA、RNA、および/またはヌクレオチドアナログの組み合わせを含む。いくつかの例では、合成または人工ヌクレオチドアナログまたは塩基は、リボース部分、リン酸塩部分、ヌクレオシド部分、あるいはその組み合わせの1つ以上で修飾を含む。
いくつかの実施形態において、上記のヌクレオチドアナログあるいは人工のヌクレオチド塩基は、リボース部分の5’ヒドロキシル基における修飾を有する5’-ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド核酸を含む。いくつかの実施形態において、5’-ビニルホスホネート修飾ヌクレオチドは、以下から提供されたヌクレオチドから選択される。
いくつかの実施形態では、2’ヒドロキシル基の修飾は、プロピルリンカーを含む伸長したアミン基がアミン基を2’酸素に結合させる、2’-O-アミノプロピル修飾である。いくつかの例では、この修飾は、1糖当たりアミン基から1つの正電荷を導入することによってオリゴヌクレオチド分子のリン酸塩由来の全体的な負電荷を中和し、それによって、その双性イオン特性による細胞取り込み特性を改善する。
いくつかの例では、5’-ビニルホスホネートはロックドまたは架橋リボース修飾(例えば、ロックド核酸またはLNA)でさらに修飾され、ここで、2’炭素で結合された酸素分子はメチレン基によって4’炭素に結合され、それにより、2’-C、4’-C-オキシ-メチレン結合二環式リボヌクレオチド単量体を形成する。5’-ビニルホスホネート修飾されたLNAの化学構造の例示的な表現が以下に例示され、ここで、Jはヌクレオチド間結合である。
いくつかの実施形態では、2’ヒドロキシル基での追加の修飾は、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)を含む。
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドアナログは、修飾塩基、例えば、限定されないが、5-プロピニルウリジン、5-プロピニルシチジン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、N,N,-ジメチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-プロピルグアニン、2-アミノアデニン、1-メチルイノシン、3-メチルウリジン、5-メチルシチジン、5-メチルウリジン、および、5位置に修飾を有する他のヌクレオチド、5-(2-アミノ)プロピルウリジン、5-ハロシチジン、5-ハロウリジン、4-アセチルシチジン、1-メチルアデノシン、2-メチルアデノシン、3-メチルシチジン、6-メチルウリジン、2-メチルグアノシン、7-メチルグアノシン、2,2-ジメチルグアノシン、5-メチルアミノエチルウリジン、5-メトキシウリジン、デアザヌクレオチド(7-デアザ-アデノシン、6-アゾウリジン、6-アゾシチジン、あるいは6-アゾチミジンなど)、5-メチル-2-チオウリジン、他のチオ塩基(2-チオウリジン、4-チオウリジン、および2-チオシチジンなど)、ジヒドロウリジン、プソイドウリジン、キューオシン、アルカエオシン、ナフチルおよび置換されたナフチル基、O-およびN-アルキル化プリンおよびピリミジン、例えば、N6-メチルアデノシン、5-メチルカルボニルメチルウリジン、ウリジン、5-オキシ酢酸、ピリジン-4-オン、ピリジン-2-オン、フェニルおよび修飾フェニル基、例えば、アミノフェノールまたは2,4,6-トリメトキシベンゼン、Gクランプヌクレオチドとして作用する修飾されたシトシン、8-置換されたアデニンおよびグアニン、5-置換されたウラシルおよびチミン、アザピリミジン、カルボキシヒドロキシアルキルヌクレオチド、カルボキシアルキルアミノアルキルヌクレオチド、および、アルキルカルボニルアルキル化ヌクレオチドを含む。5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドはさらに、リボシルではない糖あるいはそのアナログを有する5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドと同様に、糖部に対して修飾されるこれらヌクレオチドを含む。例えば、場合によっては、糖部は、マンノース、アラビノース、グルコピラノース、ガラクトピラノース、4’-チオリボース、および、その他の糖類、複素環、あるいは炭素環であるか、または、これらがベースである。ヌクレオチドとの用語はさらに、普遍的な塩基として当技術分野で知られているものを含む。一例として、普遍的な塩基は、限定されないが、3-ニトロピロール、5-ニトロインドール、またはネブラリンを含む。
いくつかの実施形態において、5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドアナログはさらに、モルホリノ、ペプチド核酸(PNA)、メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、2’-フルオロN3-P5’ホスホラミダイト、あるいは1’,5’-アンヒドロヘキシトール核酸(HNA)を含む。モルホリノまたはホスホロジアミデートモルホリノオリゴ(PMO)は合成分子を含み、その構造は、天然の核酸構造を模倣しているが、正常な糖とリン酸塩の構造からは逸脱している。いくつかの例では、5員のリボース環は、4つの炭素、1つの窒素、および1つの酸素を含有している6員のモルホリノ環で置換される。いくつかの場合では、リボース単量体は、リン酸基の代わりにホスホロジアミデート基によって結合される。場合によっては、骨格の変質は、荷電オリゴヌクレオチドによって使用されるような細胞送達剤(cellular delivery agents)の助けを借りることなく細胞膜を横断することができるモルホリノ中性分子を作るすべての正および負の電荷を除去する。5’-ビニルホスホネート修飾されたモルホリノオリゴヌクレオチドの非限定的な例が以下に例示される。
いくつかの実施形態において、上に記載された5’-ビニルホスホネート修飾されたモルホリノまたはPMOは、正電荷またはカチオン電荷を含むPMOである。いくつかの例では、PMOはPMOplus(Sarepta)である。PMOplusは、任意の数の(1-ピペラジノ)ホスフィニリデンデオキシ(phosphinylideneoxy)、(1-(4-(オメガ-グアニジノ-アルカノイル))-ピペラジノ)ホスフィニリデンデオキシ結合(例えば、PCT国際公開第WO2008/036127に記載されるものなど)を含むホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーを指す。いくつかの例では、PMOは、米国特許第7943762号に記載されるPMOである。
いくつかの実施形態において、上に記載されたモルホリノまたはPMOはPMO-X(Sarepta)である。場合によっては、PMO-Xは、PCT国際公開第WO2011/150408と米国公報2012/0065169に記載されるものなどの、開示された末端修飾の少なくとも1つの結合あるいは少なくとも1つを含むホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーを指す。
いくつかの実施形態において、上に記載されたモルホリノまたはPMOは、米国公開公報2014/0296321号の表5に記載されるようなPMOである。
5’-ビニルホスホネート修飾された核酸の化学構造の例示的な表現が以下に例示され、ここで、Jはヌクレオチド間結合である。
いくつかの実施形態において、ペプチド核酸(PNA)は、糖骨格環もリン酸塩結合を含まず、塩基は結合し、オリゴグリシン様分子によって適切に間隔を置かれ、ゆえに、骨格電荷を除去する。
いくつかの実施形態において、5’-ビニルホスホネート修飾されたオリゴヌクレオチドの1つ以上の修飾は、ヌクレオチド間結合で随意に生じる。いくつかの例では、修飾されたヌクレオチド間結合は、限定されないが、ホスホロチオエート;ホスホロジチオエート;メチルホスホネート;5’-アルキレンホスホネート;5’-メチルホスホネート;3’-アルキレンホスホネート;三フッ化ホウ素;3’-5’結合あるいは2’-5’結合のボラノリン酸エステルとセレノホスフェート;ホスホトリエステル;チオノアルキルホスホトリエステル;水素ホスホネート結合;アルキルホスホネート;アルキルホスホノチオエート;アリールホスホノチオエート;ホスホロセレノアート;ホスホロジセレノアート;ホスフィネート;ホスホルアミデート;3’-アルキルホスホルアミデート;アミノアルキルホスホルアミデート;チオノホスホルアミデート;ホスホロピペラジデート;ホスホロアニロチオエート;ホスホロアニリデート;ケトン;スルホン;スルホンアミド;カーボネート;カルバマート;メチレンヒドラゾ;メチレンジメチルヒドラゾ;ホルムアセタール;チオホルムアセタール;オキシム;メチレンイミノ;メチレンメチルイミノ;チオアミデート;リボアセチル基との結合;アミノエチルグリシン;シリルまたはシロキサン結合;例えば、飽和あるいは不飽和であり、および/またはヘテロ原子を含有している、1~10の炭素のヘテロ原子を用いるあるいは用いないアルキルまたはシクロアルキル結合;塩基が骨格のアザ窒素に直接的あるいは間接的に結合しているモルホリノ構造、アミド、またはポリアミドとの結合;および、これらの組み合わせを含む。
いくつかの例では、修飾は、メチルホスホネートあるいはチオールホスホネート修飾などのメチルまたはチオール修飾である。典型的なチオールホスホネートヌクレオチド(左)、ホスホロジチオエート(中)、およびメチルホスホネートヌクレオチド(右)が、以下に例証される。
いくつかの例では、5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドは、限定されないが、以下として例示されるホスホラミダイトを含む。
いくつかの例では、修飾されたヌクレオチド間結合はホスホロジアミデート結合である。モルホリノ系を用いるホスホロジアミデート結合の非限定的な例が以下に示される。
いくつかの例では、修飾されたヌクレオチド間結合はメチルホスホネート結合である。メチルホスホネート結合の非限定的な例が以下に示される。
いくつかの例では、修飾されたヌクレオチド間結合はアミド結合である。アミド結合の非限定的な例が以下に示される。
いくつかの例では、5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドは、限定されないが、以下に例示される修飾された核酸を含む。
いくつかの実施形態において、1つ以上の修飾は、修飾が中性または無荷電の骨格を生成する、修飾されたホスフェート骨格を含む。いくつかの例では、ホスフェート骨格は、無荷電または中性のホスフェート骨格を生成するアルキル化によって修飾される。本明細書で使用されるように、アルキル化は、メチル化、エチル化、およびプロピル化を含む。場合によっては、アルキル基は、アルキル化の文脈において本明細書で使用されるように、1~6の炭素原子を含有している直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を指す。いくつかの例では、例示的なアルキル基としては、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3.3-ジメチルブチル、および2-エチルブチルの基が挙げられる。場合によっては、修飾されたホスフェートは、米国特許第9481905号に記載されるホスフェート基である。
いくつかの実施形態において、追加の修飾されたホスフェート骨格は、メチルホスホネート、エチルホスホネート、メチルチオホスホネート、あるいはメトキシホスホネートを含む。場合によっては、修飾されたホスフェートはメチルホスホネートである。場合によっては、修飾されたホスフェートはエチルホスホネートである。場合によっては、修飾されたホスフェートはメチルチオホスホネートである。場合によっては、修飾されたホスフェートはメトキシホスホネートである。
いくつかの実施形態において、1つ以上の修飾はさらに、リボース部分、ホスフェート骨格、およびヌクレオシドの修飾、あるいは3’または5’末端のヌクレオチドアナログの修飾を含む。例えば、3’末端は随意に3’カチオン基を含み、あるいは、3’-3’結合を含む3’-末端でヌクレオシドを反転させる。別の代替物では、3’-末端は随意に、アミノアルキル基、例えば、3’C5-アミノアルキルdTと結合する。追加の代替物では、3’-末端は随意に、脱塩基部位、例えば、アプリン酸またはアピリミジン酸部位と結合する。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、1つ以上の本明細書に記載された人工ヌクレオチドアナログを含む。いくつかの例では、5’-ビニルホスホネート修飾されたポリ核酸分子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、25、あるいはそれ以上の本明細書に記載される5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドアナログを含む。いくつかの実施形態において、人工的な5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドアナログは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾されたLNA、ENA、PNA、HNA、モルホリノ、メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、2’-フルオロN3-P5’ホスホラミダイト、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、5’-ビニルホスホネートは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾されたLNA、ENA、PNA、HNA、モルホリノ、メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、2’-フルオロN3-P5’ホスホラミダイト、あるいはこれらの組み合わせから選択された、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、17、18、20、25、あるいはそれ以上の人工ヌクレオチドアナログを含む。いくつかの実施形態では、5’-ビニルホスホネート修飾されたポリ核酸分子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、25、あるいはそれ以上の2’-O-メチル修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、5’-ビニルホスホネート修飾されたポリ核酸分子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、25、あるいはそれ以上の2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの例では、5’-ビニルホスホネート修飾されたポリ核酸分子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、25、あるいはそれ以上のチオールホスホネートヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、5’-ビニルホスホネート修飾されたポリ核酸分子は、少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、またはそれ以上の修飾を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45、422-1173、1195-1214、あるいは1215-1242のポリ核酸分子である。
いくつかの例では、5’-ビニルホスホネート修飾されたポリ核酸分子は、少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、またはそれ以上の修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45、422-1173、1195-1214、あるいは1215-1242のポリ核酸分子である。
いくつかの例では、5’-ビニルホスホネート修飾されたポリ核酸分子は、以下の少なくとも1つを含む:約5%から約100%の修飾、約10%から約100%の修飾、約20%から約100%の修飾、約30%から約100%の修飾、約40%から約100%の修飾、約50%から約100%の修飾、約60%から約100%の修飾、約70%から約100%の修飾、約80%から約100%の修飾、および、約90%から約100%の修飾。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45、422-1173、1195-1214、あるいは1215-1242のポリ核酸分子である。
いくつかの例では、5’-ビニルホスホネート修飾されたポリ核酸分子の約5から約100%は、本明細書に記載された人工ヌクレオチドアナログを含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、本明細書に記載される人工ヌクレオチドアナログを含む。いくつかの例では、SEQ ID NO:16-45、422-1173、1195-1214、あるいは1215-1242のポリ核酸分子の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、本明細書に記載される人工ヌクレオチドアナログを含む。いくつかの例では、SEQ ID NO:16-45のポリ核酸分子の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、本明細書に記載される人工ヌクレオチドアナログを含む。いくつかの例では、SEQ ID NO:422-1173のポリ核酸分子の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、本明細書に記載される人工ヌクレオチドアナログを含む。いくつかの例では、SEQ ID NO:1195-1214のポリ核酸分子の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、本明細書に記載される人工ヌクレオチドアナログを含む。いくつかの例では、SEQ ID NO:1215-1242のポリ核酸分子の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、本明細書に記載される人工ヌクレオチドアナログを含む。いくつかの実施形態では、人工ヌクレオチドアナログは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、あるいは、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾されたLNA、ENA、PNA、HNA、モルホリノ、-メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、2’-フルオロN3-P5’-ホスホラミダイト、あるいはこれらの組み合わせを含む。
場合によっては、本明細書に記載される人工の5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドアナログの1つ以上は、天然のポリ核酸分子と比較して、例えば、RNaseHなどのリボヌクレアーゼ、DNaseなどのデオキシリボヌクレアーゼ、または、5’-3’エキソヌクレアーゼや3’-5’エキソヌクレアーゼなどのエキソヌクレアーゼなどのヌクレアーゼに対する耐性を有する。いくつかの例では、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、あるいは、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾されたLNA、ENA、PNA、HNA、モルホリノ、-メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、2’-フルオロN3-P5’-ホスホラミダイト、あるいは、これらの組み合わせを含む人工ヌクレオチドアナログは、RNaseHなどのリボヌクレアーゼ、DNaseなどのデオキシリボヌクレアーゼ、または、5’-3’エキソヌクレアーゼや3’-5’エキソヌクレアーゼなどのエキソヌクレアーゼなどのヌクレアーゼに対する耐性を有する。いくつかの例では、2’-O-メチル修飾されたポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、2’O-メトキシエチル(2’-O-MOE)修飾されたポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、2’-O-アミノプロピル修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、2’-デオキシ修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、T-デオキシ-2’-O-フルオロ修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、LNA-修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、ENA-修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、HNA-修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。モルホリノは、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、PNA-修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼに対する耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、メチルホスホネートヌクレオチド修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、チオホスホネートヌクレオチド修飾ポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、2’-フルオロN3-P5’-ホスホラミダイトを含むポリ核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性(例えば、RNaseH、DNase、5’-3’エキソヌクレアーゼ、あるいは3’-5’エキソヌクレアーゼ耐性)を有する。いくつかの例では、本明細書に記載された5’抱合体は5’-3’エキソヌクレアーゼ切断を阻害する。いくつかの例では、本明細書に記載された3’抱合体は3’-5’エキソヌクレアーゼ切断を阻害する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された人工の5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドアナログの1つ以上は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾されたLNA、ENA、PNA、HNA、モルホリノ、メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、2’-フルオロN3-P5’ホスホラミダイト、あるいはこれらの組み合わせを含む人工ヌクレオチドアナログの1つ以上は、同等の天然のポリ核酸分子と比較してそのmRNAへの増大した結合親和性を有することができる。いくつかの例では、2’-O-メチル修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、2’-O-アミノプロピル修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、2’-デオキシ修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、T-デオキシ-2’-フルオロ修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、LNA-修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、ENA-修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、PNA-修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、HNA-修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、モルホリノ-修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、メチルホスホネートヌクレオチド修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、チオールホスホネートヌクレオチド修飾ポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。いくつかの例では、2’-フルオロN3-P5’-ホスホラミダイトを含むポリ核酸分子は、同等の天然のポリ核酸分子と比較して、そのmRNA標的に対する結合親和性を増大させた。場合によっては、増加した親和性は、低Kd、高融解温度(Tm)、あるいはその組み合わせで例証される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された5’-ビニルホスホネート修飾されたポリ核酸分子は、キラル純粋(あるいはステレオ純粋)なポリ核酸分子、あるいは単一のエナンチオマーを含むポリ核酸分子である。いくつかの例では、ポリ核酸分子はL-ヌクレオチドを含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子はD-ヌクレオチドを含む。いくつかの例において、ポリ核酸分子組成物は、その鏡像異性体の30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下を含む。場合によっては、ポリ核酸分子組成物は、ラセミ混合物の30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、米国特許出願公開第:2014/194610号と2015/211006号;WO2015107425に記載されるポリ核酸分子である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されたポリ核酸分子は、アプタマー結合部分を含めるようにさらに修飾される。いくつかの例では、アプタマー結合部分はDNAアプタマー結合部分である。いくつかの例では、アプタマー結合部分は、Alphamer(Centauri Therapeutics)であり、これは、特定の細胞表面標的を認識するアプタマー部分と、循環抗体に結合するための特定のエピトープを示す部分とを含んでいる。いくつかの例において、本明細書に記載されつポリ核酸分子は、米国特許第8,604,184号、第8,591,910号、および第7,850,975号に記載されるようなアプタマー結合部分を含めるようにさらに修飾される。
追加の実施形態では、本明細書に記載されるポリ核酸分子はその安定性を増大させるために修飾される。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子はRNA(例えば、siRNA)であり、ポリ核酸分子はその安定性を増大させるために修飾される。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、その安定性を増大させるために上に記載された修飾の1つ以上によって修飾されている。場合によっては、ポリ核酸分子は、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾、あるいは、ロックドまたは架橋リボース構造(例えば、LNAまたはENA)によるなどして、2ヒドロキシル位置で修飾される。場合によっては、ポリ核酸分子は2’-O-メチルおよび/または2’-O-メトキシエチルリボースによって修飾される。場合によっては、ポリ核酸分子はさらに、その安定性を増大させるために、モルホリノ、PNA、HNA、メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、および/または2’-フルオロN3-P5’-ホスホラミダイトを含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子はキラル純粋な(あるいはステレオ純粋な)ポリ核酸分子である。いくつかの例では、キラル純粋な(あるいはステレオ純粋な)ポリ核酸分子はその安定性を増大させるために修飾されている。送達の安定性を増大させるためのRNAの適切な修飾は当業者には明らかである。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリ核酸分子は、上記の遺伝子によってコードされたRNAの発現を調節するRNAi活性を有する。いくつかの例では、本明細書にされるポリ核酸分子は遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖siRNA分子であり、ここで、二本鎖siRNA分子の鎖の1つは、遺伝子、または遺伝子あるいはその一部によってコードされたRNAのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、および、二本鎖siRNA分子の第2の鎖は、遺伝子、または遺伝子あるいはその一部によってコードされたRNAのヌクレオチド配列に実質的に似ているヌクレオチド配列を含む。場合によっては、本明細書にされるポリ核酸分子は遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖siRNA分子であり、ここで、siRNA分子のそれぞれの鎖は、約15~25、18~24、あるいは19~約23のヌクレオチドを含み、および、それぞれの鎖は、別の鎖のヌクレオチドに相補的な少なくとも約14、17、あるいは19のヌクレオチドを含む。場合によっては、本明細書にされるポリ核酸分子は遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖siRNA分子であり、ここで、siRNA分子のそれぞれの鎖は約19~約23のヌクレオチドを含み、および、それぞれの鎖は、別の鎖のヌクレオチドに相補的な少なくとも約19のヌクレオチドを含む。いくつかの例では、遺伝子は、KRAS、EGFR、AR、HPRT1、CNNTB1(β-カテニン)、あるいはβ-カテニン関連遺伝子である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリ核酸分子は、当該技術分野で知られている手順を用いて、化学合成および/または酵素ライゲーション反応を用いて構築される。例えば、ポリ核酸分子は、自然発生のヌクレオチドを使用して、あるいは、分子の生体安定性を増大させるために、または、ポリ核酸分子と標的核酸との間で形成された二重鎖の物理安定度を増大させるために設計されたさまざまな修飾ヌクレオチドを用いて、化学合成される。例示的な方法は、以下に記載されるものを含む:米国特許第5,142,047号;第5,185,444号;第5,889,136号;第6,008,400号;および、第6,111,086号;PCT国際公開第WO2009099942号;あるいは、欧州特許公開第1579015号。追加の例示的な方法は、以下に記載されるものを含む:Griffey et al.,“2’-O-aminopropyl ribonucleotides: a zwitterionic modification that enhances the exonuclease resistance and biological activity of antisense oligonucleotides,” J. Med. Chem. 39(26):5100-5109(1997)); Obika, et al. “Synthesis of 2’-O,4’-C-methyleneuridine and -cytidine. Novel bicyclic nucleosides having a fixed C3, -endo sugar puckering”. Tetrahedron Letters 38(50): 8735 1997; Koizumi, M. “ENA oligonucleotides as therapeutics”. Current opinion in molecular therapeutics 8(2): 144-149(2006); and Abramova et al., “Novel oligonucleotide analogues based on morpholino nucleoside subunits-antisense technologies: new chemical possibilities,” Indian Journal of Chemistry 48B:1721-1726(2009)。代替的に、ポリ核酸分子は、ポリ核酸分子がアンチセンス配向にサブクローン化された発現ベクターを用いて生物学的に生成される(つまり、挿入されたポリ核酸分子の転写されたRNAは所望の標的ポリ核酸分子に対してアンチセンス配向になる)。
1つの実施形態は、式(I):
A-X-B-Y-C
式I
の分子を提供し、
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Cはポリマーであり;
Xは単結合あるいは第1の非ポリマーリンカーであり;および、
Yは単結合または第2のリンカーであり;
ここで、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然ヌクレオチドを含み;および、AとCは同じ末端でBに結合しない。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:ここで、ポリヌクレオチドは随意に、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合、あるいは少なくとも1つの逆脱塩基部分を含む。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの5’-末端に位置する。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、ポリヌクレオチドのヌクレオチド間結合に位置する。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、2’-位置でさらに修飾される。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:2’-修飾は、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2-O-NMA)修飾されたヌクレオチドから選択される。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分である。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;
R1、R2、およびR3は、水素、ハロゲン、アルキル、あるいはアルコキシから独立して選択され;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;
R4およびR5は、水素、ハロゲン、アルキル、あるいはアルコキシから独立して選択され;および、Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;
R6は、水素、ハロゲン、アルキル、あるいはアシルから選択され;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA)またはエチレン核酸(ENA)から選択される。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下であり:
Bは複素環式塩基部分であり;
R6は、水素、ハロゲン、アルキル、あるいはアシルから選択され;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロジアミデート結合、メチルホスホネート結合、あるいはアミド結合を含む。
別の実施形態は、式(I)の分子を提供し:少なくとも1つの逆脱塩基部分は少なくとも1つの末端である。
1つの実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、ここで、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然ヌクレオチドを含む。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、ここで、オリゴヌクレオチドはさらに、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合、あるいは少なくとも1つの逆脱塩基部分を含む。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの5’-末端に位置する。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、ポリヌクレオチドのヌクレオチド間結合に位置する。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、2’-位置でさらに修飾される。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、2’-修飾は、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2-O-NMA)修飾されたヌクレオチドから選択される。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分である。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;
R1、R2、およびR3は、水素、ハロゲン、アルキル、あるいはアルコキシから独立して選択され;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;
R4およびR5は、水素、ハロゲン、アルキル、あるいはアルコキシから独立して選択され;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;
R6は、水素、ハロゲン、アルキル、あるいはアシルから選択され;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA)またはエチレン核酸(ENA)から選択される。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下から選択され:
Bは複素環式塩基部分であり;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾された非天然のヌクレオチドは、以下からされ:
Bは複素環式塩基部分であり;
R6は、水素、ハロゲン、アルキル、あるいはアシルから選択され;および、
Jは、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドに結合するヌクレオチド間結合基である。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロジアミデート結合、メチルホスホネート結合、あるいはアミド結合を含む。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの逆脱塩基部分は少なくとも1つの末端である。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは単鎖である。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは二本鎖である。
別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約100残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約90残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約80残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約70残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約60残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約50残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約40残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約30残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約20残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは2~約10残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは8~約30残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは10~約30残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは14~約30残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは18~約30残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは22~約30残基長さである。別の実施形態は、式(II)のオリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドは26~約30残基長さである。
1つの実施形態は、以下の群から選択されたオリゴヌクレオチドの合成に適している化合物を提供し:
Bは複素環式塩基部分である。
結合化学
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は結合部分に結合する。いくつかの例では、結合部分はアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、抗原、毒素、ホルモン、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖類、炭水化物、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールなどのポリマー、同様に、これらのクラスの物質のすべてのアナログあるいは誘導体を含む。結合部分の追加の例はさらに、コレステロール、リン脂質、ジアシルグリセロールおよびトリアシルグリセロール、脂肪酸、炭化水素(例えば、飽和、不飽和、または、置換を含む)、酵素基質、ビオチン、ジゴキシゲニン、および多糖類などのステロイドを含む。いくつかの例では、結合部分は、抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、ポリ核酸分子はさらにポリマーに結合し、随意にエンドソーム溶解性部分に結合する。
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は化学的なライゲーションプロセスによって結合部分に結合する。いくつかの例では、ポリ核酸分子は天然のライゲーションによって結合部分に結合する。いくつかの例では、結合は、Dawson,et al.“Synthesis of proteins by native chemical ligation,” Science 1994, 266, 776-779; Dawson, et al. ”Modulation of Reactivity in Native Chemical Ligation through the Use of Thiol Additives,” J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 4325-4329; Hackeng, et al. ”Protein synthesis by native chemical ligation: Expanded scope by using straightforward methodology.,” Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96, 10068-10073; or Wu, et al. ”Building complex glycopeptides: Development of a cysteine-free native chemical ligation protocol,” Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 4116-4125.に記載されるとおりである。いくつかの例では、結合は米国特許第8,936,910号に記載されるとおりである。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、天然のライゲーション化学を介して、結合部分に部位特異的あるいは非特異的に結合する。
いくつかの例では、ポリ核酸分子は、「トレースレス(traceless)」カップリング技術(PhiloChem)を利用する部位指定的な方法によって結合部分に結合する。いくつかの例では、「トレースレス」カップリング技術は、アルデヒド基を含むポリ核酸分子とその後結合される結合部分のN末端 1,2-アミノチオール基を利用する。(Casi et al.,“Site-specific traceless coupling of potent cytotoxic drugs to recombinant antibodies for pharmacodelivery,”JACS 134(13):5887-5892(2012)を参照)
いくつかの例では、ポリ核酸分子は、結合部分に導入された非天然のアミノ酸を利用する部位指定的な方法によって結合部分に結合する。いくつかの例では、非天然アミノ酸はp-アセチルフェニルアラニン(pAcPhe)を含む。いくつかの例では、pAcPheのケト基は、オキシム結合を形成するために、アルコキシ-アミン由来の結合部分に選択的に結合される。(Axup et al.,“Synthesis of site-specific antibody-drug conjugates using unnatural amino acids,” PNAS 109(40): 16101-16106(2012)を参照)。
いくつかの例では、ポリ核酸分子は、酵素触媒プロセスを利用する部位指定的な方法によって結合部分に結合する。いくつかの例では、部位指定的な方法はSMARTag(商標)技術(Redwood)を利用する。いくつかの例では、SMARTag(商標)技術は、アルデヒドタグの存在下での酸化プロセスを介するホルミルグリシン生成酵素(FGE)によるシステインからのホルミルグリシン(FGly)残留物の生成、および、ヒドラジノ-Pictet-Spengler(HIPS)ライゲーションを介するアルキルヒドラジン機能化ポリ核酸分子へのFGlyのその後の結合を含む。(Wu et al.,“Site-specific chemical modification of recombinant proteins produced in mammalian cells by using the genetically encoded aldehyde tag,” PNAS 106(9): 3000-3005(2009); Agarwal, et al.,“A Pictet-Spengler ligation for protein chemical modification,” PNAS 110(1): 46-51(2013)を参照)
いくつかの例では、酵素触媒プロセスは、微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、微生物トランスグルタミナーゼ触媒プロセスを用いて結合部分に結合されるいくつかの例では、mTGは、認識配列内のグルタミンのアミド側鎖と機能化されたポリ核酸分子の一級アミンとの間の共有結合の形成を触媒する。いくつかの例では、mTGはストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobarensis)から産生される。(Strop et al., “Location matters: site of conjugation modulates stability and pharmacokinetics of antibody drug conjugates,”Chemistry and Biology 20(2) 161-167(2013)を参照)
いくつかの例では、ポリ核酸分子は、配列特異的なトランスペプチダーゼを利用するPCT国際公開公報第WO2014/140317号に記載されるような方法によって結合部分に結合する。
いくつかの例では、ポリ核酸分子は、米国特許公開公報第2015/0105539号および第2015/0105540号に記載されるような方法によって結合部分に結合する。
結合部分
いくつかの実施形態において、結合部分Aはポリペプチドである。いくつかの例では、ポリペプチドは、抗体またはそのそのフラグメントである。場合によっては、フラグメントは結合フラグメントである。いくつかの例では、抗体またはその結合フラグメントは、ヒト化抗体またはその結合フラグメント、マウス抗体またはその結合フラグメント、キメラ抗体またはその結合フラグメント、モノクローナル抗体またはその結合フラグメント、一価Fab’、二価Fab2、F(ab)’3フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、三重特異性抗体、四重特異性抗体、ジスルフィド安定化Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、Ig NAR、ラクダ科抗体またはその結合フラグメント、二重特異性抗体またはその結合フラグメント、あるいはその化学修飾された誘導体を含む。
いくつかの例では、Aは抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、Aは、ヒト化抗体またはその結合フラグメント、マウス抗体またはその結合フラグメント、キメラ抗体またはその結合フラグメント、モノクローナル抗体またはその結合フラグメント、一価Fab’、二価Fab2、F(ab)’3フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、三重特異性抗体、四重特異性抗体、ジスルフィド安定化Fvタンパク質(「dsFv」)、単一ドメイン抗体(sdAb)、Ig NAR、ラクダ科抗体またはその結合フラグメント、二重特異性抗体またはその結合フラグメント、あるいはその化学修飾された誘導体である。いくつかの例では、Aはヒト化抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、Aはマウス抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、Aはキメラ抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、Aはモノクローナル抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、Aは一価Fab’である。いくつかの例では、Aは二価Fab2である。いくつかの例では、Aは単鎖可変フラグメント(scFv)である。
いくつかの実施形態では、結合部分Aは、二重特異性抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、二重特異性抗体は三機能性抗体あるいは二重特異性ミニ抗体である。場合によっては、二重特異性抗体は三機能性抗体である。いくつかの例では、三機能性抗体は、2つの異なる抗原のための結合部位を含む完全長のモノクローナル抗体である。例示的な三機能性抗体は、カツマキソマブ(EpCAMとCD3を標的とする;Fresenius Biotech/Trion Pharma)、エルツマキソマブ(HER2/neu/CD3を標的とする;Fresenius Biotech/Trion Pharm)、リンフォムン(lymphomun)FBTA05(CD20/CD3を標的とする;Fresenius Biotech/Trion Pharm)、RG7221(RO5520985;アンジオポエチン2/VEGFを標的とする;Roche)、RG7597(Her1/Her3を標的とする;Genentech/Roche)、MM141(IGF1R/Her3を標的とする;Merrimack)、ABT122(TNFα/IL17を標的とする;Abbvie)、ABT981(IL1α/IL1βを標的とする;Abbott)、LY3164530(Her1/cMETを標的とする;Eli Lilly)、および、TRBS07(エクトマブ(Ektomab);GD2/CD3を標的とする;Trion Research Gmbh)を含む。さらなる例示的な三機能性抗体は、F-star Biotechnology Ltd.からのmAb2を含む。いくつかの例では、Aは二重特異性三機能性抗体である。いくつかの実施形態において、Aは以下から選択された二重特異性三機能性抗体である:カツマキソマブ(EpCAMとCD3を標的とする;Fresenius Biotech/Trion Pharma)、エルツマキソマブ(HER2/neu/CD3を標的とする;Fresenius Biotech/Trion Pharm)、リンフォムン(lymphomun)FBTA05(CD20/CD3を標的とする;Fresenius Biotech/Trion Pharm)、RG7221(RO5520985;アンジオポエチン 2/VEGFを標的とする;Roche)、RG7597(Her1/Her3を標的とする;Genentech/Roche)、MM141(IGF1R/Her3を標的とする;Merrimack)、ABT122(TNFα/IL17を標的とする;Abbvie)、ABT981(IL1α/IL1βを標的とする;Abbott)、LY3164530(Her1/cMETを標的とする;Eli Lilly)、TRBS07(エクトマブ(Ektomab);GD2/CD3を標的とする;Trion Research Gmbh)、および、F-star Biotechnology Ltd.からのmAb2。
場合によっては、二重特異性抗体は二重特異性ミニ抗体である。いくつかの例では、二重特異性ミニ抗体は、二価Fab2、F(ab)’3フラグメント、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、三重特異性抗体、四重特異性抗体、あるいは二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE)を含む。いくつかの実施形態において、二重特異性T細胞エンゲージャーは、2つのscFvsが2つの異なる抗原のエピトープを標的とする2つの単鎖可変フラグメント(scFvs)を含む融合タンパク質である。例示的な二重特異性ミニ抗体は、限定されないが、以下を含む:DART(二重親和性再標的プラットフォーム;MacroGenics)、ブリナツモマブ(MT103あるいはAMG103;CD19/CD3を標的とする;Micromet)、MT111(CEA/CD3を標的とする;Micromet/Amegen)、MT112(BAY2010112;PSMA/CD3を標的とする;Micromet/Bayer)、MT110(AMG 110;EPCAM/CD3を標的とする;Amgen/Micromet)、MGD006(CD123/CD3を標的とする;MacroGenics)、MGD007(GPA33/CD3を標的とする;MacroGenics)、BI1034020(β-アミロイド上の2つの異なるエピトープを標的とする;Ablynx)、ALX0761(IL17A/IL17Fを標的とする;Ablynx)、TF2(CEA/ヘプテンを標的とする;Immunomedics)、IL-17/IL-34 biAb(BMS)、AFM13(CD30/CD16を標的とする;Affimed)、AFM11(CD19/CD3を標的とする;Affimed)、およびドメイン抗体(Domantis/GSKからのdAbs)。
いくつかの実施形態において、結合部分Aは二重特異性ミニ抗体である。いくつかの例では、Aは二重特異性Fab2である。いくつかの例では、Aは二重特異性F(ab)’3フラグメントである。場合によっては、Aは二重特異性ビス-scFvである。場合によっては、Aは二重特異性(scFv)であるいくつかの実施形態では、Aは二重特異性ダイアボディである。いくつかの実施形態では、Aは二重特異性ミニボディである。いくつかの実施形態では、Aは二重特異性の三重特異性抗体である。他の実施形態では、Aは二重特異性の四重特異性抗体である。他の実施形態では、Aは二重特異性のT細胞エンゲージャー(BiTE)である。さらなる実施形態において、Aは以下から選択された二重特異性ミニ抗体である:DART(二重親和性再標的プラットフォーム;MacroGenics)、ブリナツモマブ(MT103あるいはAMG103;CD19/CD3を標的とする;Micromet)、MT111(CEA/CD3を標的とする;Micromet/Amegen)、MT112(BAY2010112;PSMA/CD3を標的とする;Micromet/Bayer)、MT110(AMG 110;EPCAM/CD3を標的とする;Amgen/Micromet)、MGD006(CD123/CD3を標的とする;MacroGenics)、MGD007(GPA33/CD3を標的とする;MacroGenics)、BI1034020(β-アミロイド上の2つの異なるエピトープを標的とする;Ablynx)、ALX0761(IL17A/IL17Fを標的とする;Ablynx)、TF2(CEA/ヘプテンを標的とする;Immunomedics)、IL-17/IL-34 biAb(BMS)、AFM13(CD30/CD16を標的とする;Affimed)、AFM11(CD19/CD3を標的とする;Affimed)、およびドメイン抗体(Domantis/GSKからのdAbs)。
いくつかの実施形態において、結合部分Aは三重特異性抗体である。いくつかの例では、三重特異性抗体はF(ab)’3フラグメントあるいは三重特異性抗体を含む。いくつかの例では、Aは三重特異性F(ab)’3フラグメントである。場合によっては、Aは三重特異性抗体である。いくつかの実施形態において、Aは、Dimas、et al.,“Development of a trispecific antibody designed to simultaneously and efficiently target three different antigens on tumor cells,” Mol. Pharmaceutics,12(9): 3490-3501(2015)に記載されるような三重特異性抗体である。
いくつかの実施形態において、結合部分Aは、細胞表面タンパク質を認識する抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、細胞表面タンパク質は癌細胞によって発現される抗原である。例示的な癌抗原は、限定されないが、アルファフェトプロテイン、ASLG659、B7-H3、BAFF-R、ブレビカン、CA125(MUC16)、CA15-3、CA19-9、癌胎児抗原(CEA)、CA242、CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌由来成長因子)、CTLA-4、CXCR5、E16(LAT1、SLC7A5)、FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C)、上皮成長因子、ETBR、Fc受容体様タンパク質(FCRH1)、GEDA、HLA-DOB(MHCクラスII分子(Ia抗原)のβサブユニット)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ICOS、IL-2受容体、IL20Rα、免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転座関連2(IRTA2)、L6、Lewis Y、Lewis X、MAGE-1、MAGE-2、MAGE-3、MAGE 4、MART1、メソテリン、MDP、MPF(SMR、MSLN)、MCP1(CCL2)、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)、MPG、MSG783、ムチン、MUC1-KLH、Napi3b(SLC34A2)、ネクチン-4、Neu癌遺伝子産物、NCA、胎盤アルカリホスファターゼ、前立腺特異的膜抗原(PMSA)、前立腺酸性フォスファターゼ、PSCA hlg、p97、プリン受容体P2Xリガンド開口型イオンチャネル5(P2X5)、LY64(リンパ球抗原96(RP105)、gp100、P21、前立腺の6つの膜貫通上皮抗原(STEAP1)、STEAP2、Sema 5b、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG-72)、TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容体電位陽イオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4)などを含む。
いくつかの例では、細胞表面タンパク質は、分化(CD)細胞表面マーカーのクラスタを含む。例示的なCD細胞表面マーカーは限定されないが、CD1、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD9、CD10、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDw12、CD13、CD14、CD15、CD15s、CD16、CDw17、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD27、CD28、CD29、CD30、CD31、CD32、CD33、CD34、CD35、CD36、CD37、CD38、CD39、CD40、CD41、CD42、CD43、CD44、CD45、CD45RO、CD45RA、CD45RB、CD46、CD47、CD48、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、CD50、CD51、CD52、CD53、CD54、CD55、CD56、CD57、CD58、CD59、CDw60、CD61、CD62E、CD62L(L-セレクチン)、CD62P、CD63、CD64、CD65、CD66a、CD66b、CD66c、CD66d、CD66e、CD79(例えば、CD79a、CD79b)、CD90、CD95(Fas)、CD103、CD104、CD125(IL5RA)、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD152(CTLA-4)、CD221、CD274、CD279(PD-1)、CD319(SLAMF7)、CD326(EpCAM)などを含む。
いくつかの例では、結合部分Aは、癌抗原を認識する抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、結合部分Aは、アルファフェトプロテイン、ASLG659、B7-H3、BAFF-R、ブレビカン、CA125(MUC16)、CA15-3、CA19-9、癌胎児抗原(CEA)、CA242、CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌由来成長因子)、CTLA-4、CXCR5、E16(LAT1、SLC7A5)、FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C)、上皮成長因子、ETBR、Fc受容体様タンパク質(FCRH1)、GEDA、HLA-DOB(MHCクラスII分子(Ia抗原)のβサブユニット)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ICOS、IL-2受容体、IL20Rα、免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転座関連2(IRTA2)、L6、Lewis Y、Lewis X、MAGE-1、MAGE-2、MAGE-3、MAGE 4、MART1、メソテリン、MCP1(CCL2)、MDP、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)、MPF(SMR、MSLN)、MPG、MSG783、ムチン、MUC1-KLH、Napi3b(SLC34A2)、ネクチン-4、Neu癌遺伝子産物、NCA、胎盤アルカリホスファターゼ、前立腺特異的膜抗原PMSA)、前立腺酸性フォスファターゼ、PSCA hlg、p97、プリン受容体P2Xリガンド開口型イオンチャネル5(P2X5)、LY64(リンパ球抗原96(RP105)、gp100、P21、前立腺の6つの膜貫通上皮抗原(STEAP1)、STEAP2、Sema 5b、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG-72)、TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容体電位陽イオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4)、あるいはこれらの組み合わせを認識する、抗体またはその結合フラグメントである。
いくつかの例では、結合部分Aは、CD細胞表面マーカーを認識する、抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、結合部分Aは、CD1、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD9、CD10、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDw12、CD13、CD14、CD15、CD15s、CD16、CDw17、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD27、CD28、CD29、CD30、CD31、CD32、CD33、CD34、CD35、CD36、CD37、CD38、CD39、CD40、CD41、CD42、CD43、CD44、CD45、CD45RO、CD45RA、CD45RB、CD46、CD47、CD48、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、CD50、CD51、CD52、CD53、CD54、CD55、CD56、CD57、CD58、CD59、CDw60、CD61、CD62E、CD62L(L-セレクチン)、CD62P、CD63、CD64、CD65、CD66a、CD66b、CD66c、CD66d、CD66e、CD79(例えば、CD79a、CD79b)、CD90、CD95(Fas)、CD103、CD104、CD125(IL5RA)、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD152(CTLA-4)、CD221、CD274、CD279(PD-1)、CD319(SLAMF7)、CD326(EpCAM)、またはこれらの組み合わせを認識する、抗体またはその結合フラグメントである、
いくつかの実施形態において、それの抗体または結合フラグメントは、ザルツムマブ(HuMax-EFGr、Genmab)、アバゴボマブ(Menarini)、アビツズマ(Merck)、アデカツムマブ(MT201)、アラシズマブペゴール、アレムツズマブ(Campath(登録商標)、MabCampathあるいはCampath-1H;Leukosite)、AlloMune(BioTransplant)、アマツキシマブ(Morphotek Inc.)、抗VEGF(Genetech)、アナツモマブマフェナトックス、apolizumab(hu1D10)、アスクリンバクマブ(Pfizer Inc.)、アテゾリズマブ(MPDL3280A; Genentech/Roche)、B43.13(OvaRex、AltaRex Corporation)、バシリキシマブ(Simulect(登録商標)、Novartis)、ベリムマブ(Benlysta(登録商標)、GlaxoSmithKline)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標)、Genentech)、ブリナツモマブ(Blincyto、AMG103; Amgen)、BEC2(ImGlone Systems Inc.)、カルルマブ(Janssen Biotech)、カツマキソマブ(Removab、Trion Pharma)、CEAcide(Immunomedics)、セツキシマブ(Erbitux(登録商標)、ImClone)、シタツズマブ・ボガトクス(VB6-845)、シズツムマブ(IMC-A12、ImClone Systems Inc.)、コナツムマブ(AMG 655、Amgen)、ダセツズマブ(SGN-40、huS2C6;Seattle Genetics,Inc.)、ダラツムマブ(Darzalex(登録商標)、Janssen Biotech)、デツモマブ、ドロジツマブ(Genentech)、デュルバルマブ(MedImmune)、デュシギツマブ(dusigitumab)(MedImmune)、エドレコロマブ(MAb171A、Panorex、Glaxo Wellcome)、エロツズマブ(Empliciti(商標)、Bristol-Myers Squibb)、エミベツズマブ(Eli Lilly)、エナバツズマブ(Facet Biotech Corp.)、エンフォルツマブベドチン(Seattle Genetics,Inc.)、エノブリツズマブ(MGA271、MacroGenics,Inc.)、エンシツズマブ(ensituxumab)(Neogenix Oncology, Inc.)、エプラツズマブ(LymphoCide、Immunomedics,Inc.)、エルツマキソマブ(Rexomun(登録商標)、Trion Pharma)、エタラシズマブ(Abegrin、MedImmune)、ファーレツズマブ(MORAb-003、Morphotek Inc.)、FBTA05(Lymphomun、Trion Pharma)、フィクラツズマブ(AVEO Pharmaceuticals)、フィギツムマブ(CP-751871、Pfizer)、フランボツマブ(ImClone Systems)、フレゾリムマブ(GC1008、Aanofi-Aventis)、フツキシマブ、グラキシマブ(glaximab)、ガニツマブ(Amgen)、ジレンツキシマブ(Rencarex(登録商標)、Wilex AG)、IMAB362(Claudiximab、Ganymed Pharmaceuticals AG)、イマルマブ(Baxalta)、IMC-1C11(ImClone Systems)、IMC-C225(ImClone Systems Inc.)、イムガツズマブ(Genentech/Roche)、インテツムマブ(Centocor社)、イピリムマブ(Yervoy(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、イラツムマブ(Medarex,Inc.)、イサツキシマブ(SAR650984、Sanofi-Aventis)、ラベツズマブ(CEA-CIDE、Immunomedics)、レクサツムマブ(ETR2-ST01、Cambridge Antibody Technology)、リンツズマブ(SGN-33、Seattle Genetics)、lucatumumab(Novartis)、ルミリキシマブ、マパツズマブ(HGS-ETR1、Human Genome Sciences)、マツズマブ(EMD 72000、Merck)、ミラツズマブ(hLL1、Immunomedics,Inc.)、ミツモマブ(BEC-2、ImClone Systems)、ナルナツマブ(narnatumab)(ImClone Systems)、ネシツムマブ(Portrazza(商標)、Eli Lilly)、ネスバクマブ(Regeneron Pharmaceuticals)、nimotuzumab(h-R3、BIOMAb EGFR、TheraCIM、Theraloc、あるいはCIMAher; Biotech Pharmaceutical Co.)、ニボルマブ(Opdivo(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、オビヌツズマブ(GazyvaまたはGazyvaro;Hoffmann-La Roche)、オカラツズマブ(AME-133v、LY2469298;Mentrik Biotech,LLC)、オファツムマブ(Arzerra(登録商標)、Genmab)、オナルツズマブ(Genentech)、オンツキシズマブ(Ontuxizumab)(Morphotek Inc.)、オレゴボマブ(OvaRex(登録商標)(AltaRex,Corp.)、オトレルツズマブ(otlertuzumab)(Emergent BioSolutions)、パニツムマブ(ABX-EGF、Amgen)、パンコマブ(pankomab)(Glycotope GMBH)、パルサツズマブ(parsatuzumab)(Genentech)、パトリツマブ、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標)、Merck)、ペムツモマブ(pemtumomab)(Theragyn、Antisoma)、ペルツズマブ(Perjeta、Genentech)、ピディリズマブ(CT-011、Medivation)、ポラツズマブベドチン(Genentech/Roche)、プリツムマブ、ラコツモマブ(Vaxira(登録商標)、Recombio)、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標)、ImClone Systems Inc.)、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、Genentech)、ロバツムマブ(Schering-Plough)、セリバントマブ(Sanofi/Merrimack Pharmaceuticals,Inc.)、シブロツズマブ(sibrotuzumab)、シルツキシマブ(Sylvant(商標)、Janssen Biotech)、Smart MI95(Protein Design Labs, Inc.)、Smart ID10(Protein Design Labs, Inc.)、タバルマブ(LY2127399、Eli Lilly)、タプリツモマブペプトクス、テナツモマブ(tenatumomab)、テプロツムマブ(Roche)、テツロマブ(tetulomab)、TGN1412(CD28-SuperMABあるいはTAB08)、ティガツズマブ(CD-1008、Daiichi Sankyo)、トシツモマブ、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、トレメリムマブ(CP-672,206;Pfizer)、ツコツズマブセルモロイキン(EMD Pharmaceuticals)、ウブリツキシマブ、ウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb)、ボロシキシマブ(M200、Biogen Idec)、ザツキシマブ(zatuximab)などを含む。
いくつかの実施形態において、結合部分Aは、ザルツムマブ(HuMax-EFGr、Genmab)、アバゴボマブ(Menarini)、アビツズマ(Merck)、アデカツムマブ(MT201)、アラシズマブペゴール、アレムツズマブ(Campath(登録商標)、MabCampathあるいはCampath-1H;Leukosite)、AlloMune(BioTransplant)、アマツキシマブ(Morphotek Inc.)、抗VEGF(Genetech)、アナツモマブマフェナトックス、apolizumab(hu1D10)、アスクリンバクマブ(Pfizer Inc.)、アテゾリズマブ(MPDL3280A; Genentech/Roche)、B43.13(OvaRex、AltaRex Corporation)、バシリキシマブ(Simulect(登録商標)、Novartis)、ベリムマブ(Benlysta(登録商標)、GlaxoSmithKline)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標)、Genentech)、ブリナツモマブ(Blincyto、AMG103; Amgen)、BEC2(ImGlone Systems Inc.)、カルルマブ(Janssen Biotech)、カツマキソマブ(Removab、Trion Pharma)、CEAcide(Immunomedics)、セツキシマブ(Erbitux(登録商標)、ImClone)、シタツズマブ・ボガトクス(VB6-845)、シズツムマブ(IMC-A12、ImClone Systems Inc.)、コナツムマブ(AMG 655、Amgen)、ダセツズマブ(SGN-40、huS2C6;Seattle Genetics,Inc.)、ダラツムマブ(Darzalex(登録商標)、Janssen Biotech)、デツモマブ、ドロジツマブ(Genentech)、デュルバルマブ(MedImmune)、デュシギツマブ(dusigitumab)(MedImmune)、エドレコロマブ(MAb171A、Panorex、Glaxo Wellcome)、エロツズマブ(Empliciti(商標)、Bristol-Myers Squibb)、エミベツズマブ(Eli Lilly)、エナバツズマブ(Facet Biotech Corp.)、エンフォルツマブベドチン(Seattle Genetics,Inc.)、エノブリツズマブ(MGA271、MacroGenics,Inc.)、エンシツズマブ(ensituxumab)(Neogenix Oncology, Inc.)、エプラツズマブ(LymphoCide、Immunomedics,Inc.)、エルツマキソマブ(Rexomun(登録商標)、Trion Pharma)、エタラシズマブ(Abegrin、MedImmune)、ファーレツズマブ(MORAb-003、Morphotek Inc.)、FBTA05(Lymphomun、Trion Pharma)、フィクラツズマブ(AVEO Pharmaceuticals)、フィギツムマブ(CP-751871、Pfizer)、フランボツマブ(ImClone Systems)、フレゾリムマブ(GC1008、Aanofi-Aventis)、フツキシマブ、グラキシマブ(glaximab)、ガニツマブ(Amgen)、ジレンツキシマブ(Rencarex(登録商標)、Wilex AG)、IMAB362(Claudiximab、Ganymed Pharmaceuticals AG)、イマルマブ(Baxalta)、IMC-1C11(ImClone Systems)、IMC-C225(ImClone Systems Inc.)、イムガツズマブ(Genentech/Roche)、インテツムマブ(Centocor社)、イピリムマブ(Yervoy(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、イラツムマブ(Medarex,Inc.)、イサツキシマブ(SAR650984、Sanofi-Aventis)、ラベツズマブ(CEA-CIDE、Immunomedics)、レクサツムマブ(ETR2-ST01、Cambridge Antibody Technology)、リンツズマブ(SGN-33、Seattle Genetics)、lucatumumab(Novartis)、ルミリキシマブ、マパツズマブ(HGS-ETR1、Human Genome Sciences)、マツズマブ(EMD 72000、Merck)、ミラツズマブ(hLL1、Immunomedics,Inc.)、ミツモマブ(BEC-2、ImClone Systems)、ナルナツマブ(narnatumab)(ImClone Systems)、ネシツムマブ(Portrazza(商標)、Eli Lilly)、ネスバクマブ(Regeneron Pharmaceuticals)、nimotuzumab(h-R3、BIOMAb EGFR、TheraCIM、Theraloc、あるいはCIMAher; Biotech Pharmaceutical Co.)、ニボルマブ(Opdivo(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、オビヌツズマブ(GazyvaまたはGazyvaro;Hoffmann-La Roche)、オカラツズマブ(AME-133v、LY2469298;Mentrik Biotech,LLC)、オファツムマブ(Arzerra(登録商標)、Genmab)、オナルツズマブ(Genentech)、オンツキシズマブ(Ontuxizumab)(Morphotek Inc.)、オレゴボマブ(OvaRex(登録商標)(AltaRex,Corp.)、オトレルツズマブ(otlertuzumab)(Emergent BioSolutions)、パニツムマブ(ABX-EGF、Amgen)、パンコマブ(pankomab)(Glycotope GMBH)、パルサツズマブ(parsatuzumab)(Genentech)、パトリツマブ、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標)、Merck)、ペムツモマブ(pemtumomab)(Theragyn、Antisoma)、ペルツズマブ(Perjeta、Genentech)、ピディリズマブ(CT-011、Medivation)、ポラツズマブベドチン(Genentech/Roche)、プリツムマブ、ラコツモマブ(Vaxira(登録商標)、Recombio)、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標)、ImClone Systems Inc.)、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、Genentech)、ロバツムマブ(Schering-Plough)、セリバントマブ(Sanofi/Merrimack Pharmaceuticals,Inc.)、シブロツズマブ(sibrotuzumab)、シルツキシマブ(Sylvant(商標)、Janssen Biotech)、Smart MI95(Protein Design Labs, Inc.)、Smart ID10(Protein Design Labs, Inc.)、タバルマブ(LY2127399、Eli Lilly)、タプリツモマブペプトクス、テナツモマブ(tenatumomab)、テプロツムマブ(Roche)、テツロマブ(tetulomab)、TGN1412(CD28-SuperMABあるいはTAB08)、ティガツズマブ(CD-1008、Daiichi Sankyo)、トシツモマブ、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、トレメリムマブ(CP-672,206;Pfizer)、ツコツズマブセルモロイキン(EMD Pharmaceuticals)、ウブリツキシマブ、ウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb)、ボロシキシマブ(M200、Biogen Idec)、あるいはザツキシマブ(zatuximab)を含む。いくつかの実施形態において、結合部分Aはザルツムマブ(GenmabによるHuMax-EFGr)である。
いくつかの実施形態において、結合部分Aは、式(I)に従ってポリ核酸分子(B)に、およびポリマー(C)に、ならびに、随意に、本明細書に記載される式(II)に従って、エンドソーム溶解性部分(D)に結合する。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、表2、4、8、あるいは9で列挙される配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45、422-1173、1195-1214、あるいは1215-1242に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子は、SEQ ID NO:16-45、422-1173、1195-1214、あるいは1215-1242から選択された配列を有する。いくつかの例では、ポリマーCはポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレングリコール)を含む。いくつかの実施形態において、エンドソーム溶解性部分Dは、INF7またはメリチン、あるいはそれぞれの誘導体を含む。
いくつかの実施形態において、結合部分Aは、ポリ核酸分子(B)およびポリマー(C)に、ならびに、随意にエンドソーム溶解性部分(D)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、抗体またはその結合フラグメントである。
いくつかの実施形態において、結合部分Aは、ポリ核酸分子(B)に非特異的に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、非部位特異的なやり方で、リシン残基またはシステイン残基を介してポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、非部位特異的なやり方で、リシン残基を介してポリ核酸分子(B)に結合する。場合によっては、結合部分Aは、非部位特異的なやり方で、システイン残基を介してポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、抗体またはその結合フラグメントである。
いくつかの実施形態において、結合部分Aは、非部位特異的なやり方で、ポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、部位特異的なやり方で、リシン残基、システイン残基を介して、5’-末端で、3’-末端で、非天然アミノ酸、あるいは酵素修飾または酵素触媒された残留物で、ポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、部位特異的なやり方で、リシン残基を介してポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、部位特異的なやり方で、システイン残基を介してポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、部位特異的なやり方で、5’末端でポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、部位特異的なやり方で、3’末端でポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、部位特異的なやり方で、非天然アミノ酸を介してポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、部位特異的なやり方で酵素修飾または酵素触媒された残留物を介してポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aは、抗体またはその結合フラグメントである。
いくつかの実施形態において、結合部分A(例えば、抗体またはその結合フラグメント)の1つ以上の領域は、ポリ核酸分子(B)に結合する。いくつかの例では、結合部分Aの1つ以上の領域は、結合部分Aの定常領域内、ヒンジ領域、あるいはFc領域に、N末端、C末端を含む。いくつかの例では、ポリ核酸分子(B)は、結合部分AのN末端(例えば、抗体またはその結合フラグメントのN末端)に結合する。いくつかの例では、ポリ核酸分子(B)は、結合部分AのC末端(例えば、抗体またはその結合フラグメントのN末端)に結合する。いくつかの例では、ポリ核酸分子(B)は、結合部分Aの定常領域(例えば、抗体またはその結合フラグメントの定常領域)に結合する。いくつかの例では、ポリ核酸分子(B)は、結合部分Aのヒンジ領域(例えば、抗体またはその結合フラグメントの定常領域)に結合する。いくつかの例では、ポリ核酸分子(B)は、結合部分AのFc領域(例えば、抗体またはその結合フラグメントの定常領域)に結合する。
いくつかの実施形態において、1つ以上のポリ核酸分子(B)は結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、またはそれ以上のポリ核酸分子は、1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約1のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約2のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約3のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約4のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約5のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約6のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約7のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約8のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約9のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約10のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約11のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約12のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約13のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約14のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約15のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。いくつかの例では、約16のポリ核酸分子が1つの結合部分Aに結合する。場合によっては、1つ以上のポリ核酸分子が同じである。他の例では、1つ以上のポリ核酸分子が異なる。いくつかの例では、結合部分Aは、抗体またはその結合フラグメントである。
いくつかの実施形態において、結合部分A(例えば、抗体またはその結合フラグメント)に結合するポリ核酸分子(B)の数は、ある比率を形成する。いくつかの例では、比率はDAR(薬物対抗体の)比率と呼ばれ、本明細書で言及されるような薬物はポリ核酸分子(B)である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、またはそれ以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約1以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約2以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約3以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約4以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約5以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約6以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約7以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約8以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約9以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約10以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約11以上である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約12以上である。
いくつかの例では、結合部分A(例えば、抗体またはその結合フラグメント)に対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約1である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約2である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約3である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約4である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約5である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約6である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約7である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約8である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約9である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約10である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約11である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約12である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約13である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約14である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約15である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、約16である。
いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、1である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、2である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、4である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、6である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、8である。いくつかの例では、結合部分Aに対するポリ核酸分子(B)のDAR比率は、12である。
いくつかの実施形態において、抗体またはその結合フラグメントは、単独であるいは組み合わせて、当該技術分野で知られている従来の技術を使用して、例えば、アミノ酸の欠失、挿入、置換、追加を用いることによって、および/または、組換え、ならびに/あるいは、当該技術分野で知られている他の修飾(例えば、グリコシル化とリン酸化などの翻訳後および化学的な修飾)によって、さらに修飾される。いくつかの例では、修飾は、Fc受容体との相互作用を調節するための修飾をさらに含む。いくつかの例では、1つ以上の修飾は、例えば、国際公開第WO97/34631に記載されるものを含み、当該文献はFcドメインとFcRn受容体との間の相互作用に関与するアミノ酸残基を開示している。抗体またはその結合フラグメントのアミノ酸配列の基礎となる核酸配列にそのような修飾を導入する方法は、当業者に周知である。
いくつかの例では、抗体結合フラグメントはさらにその誘導体を包含し、少なくとも1つのCDRを含むポリペプチド配列を含んでいる。
いくつかの例では、本明細書に記載されるような「単鎖」との用語は、二重特異性の単鎖構築物の第1と第2のドメインが、好ましくは、単一核酸分子によってコードすることができる共線状アミノ酸配列(co-linear amino acid sequence)の形態で共有結合されるということを意味する。
いくつかの例では、二重特異性単鎖抗体構築物は、2つの抗体由来の結合ドメインを含む構築物に関する。そのような実施形態では、二重特異性の単鎖抗体構築物はタンデムbi-scFvあるいはダイアボディである。いくつかの例では、scFvは、リンカーペプチドによって接続されたVHとVLのドメインを含む。いくつかの例では、リンカーは、第1と第2のドメインのそれぞれが、互いから独立して、その差次的な結合特異性を保持することができる十分な長さと配列である。
いくつかの実施形態において、本明細書で使用されるように、~との結合または~による相互作用とは、互いに少なくとも2つの抗原相互作用部位の結合/相互作用を定義する。いくつかの例では、抗原相互作用部位は、特異性抗原または抗原の特異的な群との特定の相互作用の能力を示すポリペプチドのモチーフを定義する。場合によっては、結合/相互作用は特定の認識を定義するとも理解される。そのような場合、特定の認識は、抗体あるいはその結合フラグメントが、標的分子の各々の少なくとも2つのアミノ酸に特異的に相互作用および/または結合することができるということを指す。例えば、特定の認識は、抗体分子の特異性、あるいは標的分子の特定の範囲を区別するその能力に関する。追加の例では、抗原相互作用部位のその特異性抗原との特定の相互作用は、例えば、抗原の立体配座の変化、抗原のオリゴマー化などの誘導による、シグナルの開始をもたらす。さらなる実施形態では、結合は「鍵と鍵穴の原則(key-lock-principle)」の特異性によって例証される。したがって、いくつかの例では、抗原相互作用部位および抗原のアミノ酸配列における特定のモチーフは、上記構造の第2の修飾の結果と同様に、その1次、2次、または3次構造の結果として互いに結合する。そのような場合、抗原相互作用部位のその特異性抗原との特定の相互作用は、その部位の抗原への簡単な結合をもたらす。
いくつかの例では、特異的な相互作用はさらに、抗体またはその結合フラグメントの減少した交差反応性、あるいは減少したオフターゲット効果を指す。例えば、所望のポリペプチド/タンパク質に結合するが、他のポリペプチドのいずれにも本質的には結合しない抗体あるいはその結合フラグメントは、所望のポリペプチド/タンパク質に対して特異的であるとみなされる。抗原相互作用部位の特異性抗原との特定の相互作用の例は、リガンドのその受容体との特異性、例えば、抗原決定基群(エピトープ)の、抗体の抗原結合部位との相互作用を含む。
追加の結合部分
いくつかの実施形態において、結合部分Aは血漿タンパク質である。いくつかの例では、血漿タンパク質はアルブミンを含む。いくつかの例では、結合部分Aはアルブミンである。いくつかの例では、アルブミンは、本明細書に記載される結合化学の1つ以上によって、ポリ核酸分子に変化する。いくつかの例では、アルブミンは、天然のライゲーション化学によってポリ核酸分子に結合する。いくつかの例では、アルブミンは、リジン結合によってポリ核酸分子に結合する。
いくつかの例では、結合部分Aはステロイドである。例示的なステロイドは、コレステロール、リン脂質、ジアシルグリセロールおよびトリアシルグリセロール、脂肪酸、飽和であり、不飽和であり、置換を含む炭化水素、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、ステロイドはコレステロールである。いくつかの例では、結合部分はコレステロールである。いくつかの例では、コレステロールは、本明細書に記載される結合化学の1つ以上によってポリ核酸分子に結合する。いくつかの例では、コレステロールは、天然のライゲーション化学によってポリ核酸分子に結合する。いくつかの例では、コレステロールは、リジン結合によってポリ核酸分子に結合する。
いくつかの例では、結合部分は、限定されないが、細胞上の特定の表面マーカーに結合するポリ核酸分子アプタマーを含むポリマーである。この例では、結合部分は、標的遺伝子またはmRNAにハイブリダイズしないが、その代わりに、細胞表面マーカーのその特定のエピトープに結合する抗体に類似する細胞表面マーカーに選択的に結合することができるポリ核酸である。
いくつかの例では、結合部分Aはペプチドである。場合によっては、ペプチドは約1~約3kDaを含む。場合によっては、ペプチドは約1.2~約2.8kDa、約1.5~約2.5kDa、あるいは約1.5~約2kDaを含む。いくつかの例では、ペプチドは二環式ペプチドである。場合によっては、二環式ペプチドは抑制された二環式ペプチドである。いくつかの例では、結合部分は二環式ペプチド(例えば、Bicycle Therapeuticsからの二環)である。
さらなる場合には、結合部分は小分子である。いくつかの例では、小分子は抗体補充小分子である。場合によっては、抗体補充小分子は、標的結合末端および抗体結合末端を含み、ここで、標的結合末端は細胞表面受容体を認識して細胞表面受容体と相互作用することができる。例えば、いくつかの例では、グルタミン酸塩尿素化合物を含む標的結合末端は、PSMAとの相互作用を可能にし、それによって、PSMAを発現する細胞(例えば、癌細胞)との抗体相互作用を増強する。いくつかの例では、結合部分は、Zhang et al., “A remote arene-binding site on prostate specific membrane antigen revealed by antibody-recruiting small molecules,” J Am Chem Soc. 132(36): 12711-12716(2010);、あるいはMcEnaney, et al., “Antibody-recruiting molecules: an emerging paradigm for engaging immune function in treating human disease,”ACS Chem Biol. 7(7): 1139-1151(2012)に記載される小分子である。
抗体あるいはその結合フラグメントの産生
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、抗体とその結合フラグメント)は、とりわけ、化学合成によって、あるいは組換え発現によって、ポリペプチド(例えば、抗体)の合成に役立つように、当該技術分野で知られている任意の方法を使用して生成され、および、好ましくは組換え発現技術によって生成される。
いくつかの例では、抗体あるいはその結合フラグメントは組換え発現され、抗体またはその結合フラグメントをコードする核酸は、化学的に合成されたオリゴヌクレオチド(例えば、Kutmeier et al., 1994, BioTechniques 17:242に記載されるような)から組み立てられ、これは、抗体をコードする配列の一部を含有する重複するオリゴヌクレオチドの合成、オリゴヌクレオチドのアニーリングとライゲーション、および、その後のPCRによるライゲートされたオリゴヌクレオチドの増幅を含む。
代替的に、抗体をコードする核酸分子は、配列の3’と5’の末端へハイブリダイズすることができる合成プライマーを使用するPCR増幅によって、あるいは特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを使用してクローンを作ることによって、適切なソース(例えば、抗体cDNAライブラリ、あるいは免疫グロブリンを発現する任意の組織あるいは細胞から生成されたcDNAライブラリ)から随意に生成される。
いくつかの例では、抗体またはその結合は、ポリクローナル抗体を生成するためにウサギなどの動物を免疫化することにより、あるいは、より好ましくは、例えば、KohlerおよびMilstein(1975, Nature 256:495-497)によって記載されるように、あるいは、Kozborら(1983,Immunology Today 4:72)またはColeら(1985 in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc.,pp.77-96)によって記載されるように、モノクローナル抗体を生成することによって、随意に生成される。代替的に、少なくとも抗体のFab部分をコードするクローンは、特異性抗原に結合するFAbフラグメントのクローンのためにFab発現ライブラリ(例えば、Huse et al., 1989, Science 246:1275-1281に記載されるように)をスクリーニングすることにより、あるいは抗体ライブラリ(Clackson et al., 1991, Nature 352:624; Hane et al., 1997 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4937を参照)をスクリーニングにより、随意に得られる。
いくつかの実施形態において、適切な生物学的活性のヒト抗体分子からの遺伝子と一緒に、適切な抗原特異性のマウス抗体分子からの遺伝子をスプライシングすることにより、「キメラ抗体」(Morrison et al.,1984,Proc. Natl. Acad. Sci. 81:851-855;Neuberger et al.,1984,Nature 312:604-608;Takeda et al.,1985,Nature 314:452-454)の産生のために開発された技術が使用される。キメラ抗体は、異なる部分が、マウスのモノクローナル抗体に由来する可変領域、およびヒト免疫グロブリン定常領域(例えば、ヒト化抗体)を有する動物種などの様々な動物種に由来する分子である。
いくつかの実施形態において、単鎖抗体の産生について記載された技術(U.S.Pat.No.4,694,778;Bird, 1988, Science 242:423-42;Huston et al.,1988, Proc. Natl. Acad.Sci.USA 85:5879-5883; and Ward et al.,1989,Nature 334:544-54)は、単鎖抗体を産生するのに適している。単鎖抗体は、アミノ酸ブリッジによってFv領域の重鎖または軽鎖のフラグメントを結合することによって形成され、単鎖ポリペプチドを生じさせる。大腸菌中の機能的なFvフラグメントの組み立てのための技術も随意に使用される(Skerra et al., 1988, Science 242:1038-1041)。
いくつかの実施形態において、抗体のヌクレオチド配列を含む発現ベクターあるいは抗体のヌクレオチド配列は、従来の技術(例えば、エレクトロポレーション、リポソームトランスフェクション、および、リン酸カルシウム沈澱反応)によって宿主細胞に導入され、トランスフェクトされた細胞はその後、抗体を生成するために従来の技術によって培養される。特定の実施形態では、抗体の発現は、構成的、誘導可能、あるいは組織特異的なプロモーターによって調節される。
いくつかの実施形態において、様々な宿主発現ベクター系は、本明細書に記載される抗体またはその結合フラグメントを発現するために利用される。そのような宿主発現系は、抗体のコード配列が生成され、その後精製されるビヒクルを表すが、適切なヌクレオチドコード配列で変形されるかトランスフェクトされるときに、抗体またはその結合フラグメントをインサイチュで発現する細胞を表す。これらは、限定されないが、組み換え体バクテリオファージDNA、プラスミドDNA、あるいは抗体またはその結合フラグメントコード配列を含むコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌(例えば、大腸菌と枯草菌)などの微生物;抗体あるいはその結合フラグメントコード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、サッカロミケス・ピキア);抗体あるいはその結合フラグメントコード配列を含む組替えウイルス発現ベクターに感染した昆虫細胞系(例えばバキュロウィルス);組替えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)およびタバコモザイクウイルス(TMV))に感染した、または、抗体あるいはその結合フラグメントコード配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系;あるいは、哺乳動物細胞(例えば、メタロチオネイン・プロモーター)のゲノム、あるいは、哺乳動物ウイルス(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)に由来するプロモーターを含む組換え発現構築物を保護する哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BH、293、293T、3T3細胞)を含む。
組換えタンパク質の長期的かつ高収率の生成のためには、安定した発現が好ましい。いくつかの例では、安定して抗体を発現する細胞株が随意に任意に操作される。ウイルスの複製開始点を含む発現ベクターを使用するのではなく、宿主細胞は、適切な発現制御要素(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)と選択可能なマーカーによって制御されたDNAで形質転換される。外来性DNAの導入後に、細胞を操作して栄養強化培地で1-2日間成長させ、その後、選択培地に切り替える。組換えプラスミド中の選択可能なマーカーは、選択に対する耐性を与え、細胞に、プラスミドをその染色体へと安定的に統合させ、クローン化されて細胞株へと拡張するフォーカスを形成するように成長させる。この方法は、抗体またはその結合フラグメントを有利に発現する細胞株を操作するために有利に使用可能である。
いくつかの例では、限定されないが、それぞれtk-、hgprt-、あるいはaprt-細胞で採用される単純疱疹ウイルス・チミジンキナーゼ(Wigler et al.,1977,Cell 11:223)、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski,192,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:202)、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al.,1980,Cell 22:817)遺伝子を含む、多くの選択系が使用される。同様に、代謝拮抗薬の耐性は、以下の遺伝子のための選定基準として使用される:メトトレキサートに対する耐性を与えるdhfr(Wigler et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:357; O’Hare et al., 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1527);ミコフェノール酸に対する耐性を与えるgpt(Mulligan & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2072);アミノグリコシドG-418に対する耐性を与えるneo(Clinical Pharmacy 12:488-505; Wu and Wu, 1991, Biotherapy 3:87-95; Tolstoshev, 1993, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 32:573-596; Mulligan, 1993, Science 260:926-932; and Morgan and Anderson, 1993, Ann. Rev. Biochem. 62:191-217; May, 1993, TIB TECH 11(5):155-215)、および、ヒグロマイシンに対する耐性を与えるhygro(Santerre et al.,1984,Gene 30:147)。使用可能な組換えDNA技術の当該技術分野で知られている既知の方法は一般に、Ausubel et al.(eds., 1993, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NY; Kriegler, 1990, Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, Stockton Press, NY; and in Chapters 12 and 13, Dracopoli et al.(eds), 1994, Current Protocols in Human Genetics, John Wiley & Sons, NY.; Colberre-Garapin et al., 1981, J. Mol. Biol. 150:1)に記載される。
いくつかの例では、抗体の発現レベルは、ベクター増幅によって増大する(検討のために、Bebbington and Hentschel, The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning, Vol.3.(Academic Press, New York,1987を参照)。抗体を発現するベクター系中のマーカーが増幅可能であるとき、宿主細胞の培養物中に存在する阻害剤のレベルの増大は、標識遺伝子のコピーの数を増大させる。増幅された領域が抗体のヌクレオチド配列に関連しているため、抗体の産生も増加する(Crouse et al.,1983, Mol.Cell Biol.3:257)。
いくつかの例では、抗体の精製のための当該技術分野で知られている任意の方法が、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、とりわけ、プロテインAの後の特異性抗原への親和性、および、サイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、差次的溶解性、あるいはタンパク質の精製のための他の標準的な技術によって使用される。
ポリマー結合部分
いくつかの実施形態において、ポリマー部分Cはさらに、本明細書に記載されるポリ核酸分子、本明細書に記載される結合部分、あるいはこれらの組み合わせに結合する。いくつかの例では、ポリマー部分Cはポリ核酸分子に結合する。場合によっては、ポリマー部分Cは結合部分に結合する。他の場合には、ポリマー部分Cはポリ核酸分子結合部分分子に結合する。さらなる場合には、ポリマー部分Cは結合し、および、治療用分子プラットフォームの段落で議論されたとおりである。
いくつかの例では、ポリマー部分Cは分枝したあるいは分枝していない単量体、および/または、二次元または三次元の単量体の架橋したネットワークの長鎖からなる、天然または合成のポリマーである。いくつかの例では、ポリマー部分Cは多糖、リグニン、ゴム、あるいはポリアルキルエンオキシド(例えば、ポリエチレングリコール)を含む。いくつかの例では、少なくとも1つのポリマー部分Cは、限定されないが、アルファ、オメガ-ジヒドロキシルポリエチレングリコール、生物分解性ラクトンベースのポリマー、例えば、ポリアクリル酸、ポリラクチド酸(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリシアノアクリレート、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET、PETG)、ポリエチレン・テレフタレート(PETE)、ポリテトラメチレン・グリコール(PTG)、あるいはポリウレタン、およびこれらの混合物を含む。本明細書で使用されるように、混合物は、ブロックコポリマーに関連する場合と同様に、同じ化合物内の様々なポリマーの使用を指す。場合によっては、ブロックコポリマーは、ポリマーの少なくとも1つの部分が別のポリマーの単量体から構築されるポリマーである。いくつかの例では、ポリマー部分Cはポリアルキレンオキシドを含む。いくつかの例では、ポリマー部分CはPEGを含む。いくつかの例では、ポリマー部分Cはポリエチレン・イミド(PEI)またはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む。
いくつかの例では、CはPEG部分である。いくつかの例では、PEG部分はポリ核酸分子の5’末端で結合するが、結合部分はポリ核酸分子の3’末端で結合する。いくつかの例では、PEG部分はポリ核酸分子の3’末端で結合するが、結合部分はポリ核酸分子の5’末端で結合する。いくつかの例では、PEG部分はポリ核酸分子の内部部位に結合する。いくつかの例では、PEG部分、結合部分、あるいはその組み合わせは、ポリ核酸分子の内部部位に結合する。いくつかの例において、抱合体は直接抱合体である。いくつかの例では、結合は天然のライゲーションを介するものである。
いくつかの実施形態において、ポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)は多分散または単分散の化合物である。いくつかの例では、多分散材料は、平均重量(重量平均)サイズおよび分散度を特徴とする、異なる分子量の材料の分散した分布を含む。いくつかの例では、単分散のPEGは1つのサイズの分子を含む。いくつかの実施形態において、Cは多分散または単分散のポリアルキレンオキシド(例えばPEG)であり、示された分子量は、ポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)分子の分子量の平均を表わす。
いくつかの実施形態において、ポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)の分子量は、約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1450、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3250、3350、3500、3750、4000、4250、4500、4600、4750、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、10,000、12,000、20,000、35,000、40,000、50,000、60,000、または100,000Daである。
いくつかの実施形態において、Cはポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)であり、約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1450、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3250、3350、3500、3750、4000、4250、4500、4600、4750、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、10,000、12,000、20,000、35,000、40,000、50,000、60,000、または100,000Daの分子量を有する。いくつかの実施形態において、CはPEGであり、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1450、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3250、3350、3500、3750、4000、4250、4500、4600、4750、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、10,000、12,000、20,000、35,000、40,000、50,000、60,000、または100,000 Daの分子量を有する。いくつかの例では、Cの分子量は約200Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約300Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約400Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約500Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約600Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約700Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約800Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約900Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1100Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1200Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1300Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1400Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1450Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1500Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1600Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1700Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1800Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約1900Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2100Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2200Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2300Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2400Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2500Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2600Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2700Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2800Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約2900Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約3000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約3250Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約3350Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約3500Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約3750Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約4000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約4250Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約4500Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約4600Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約4750Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約5000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約5500Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約6000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約6500Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約7000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約7500Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約8000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約10000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約12000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約20000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約35000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約40000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約50000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約60000Daである。いくつかの例では、Cの分子量は約100000Daである。
いくつかの実施形態において、ポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)は、分散PEGであり、分散PEGは、1を超える繰り返しエチレンオキシド単位以上を含むポリマーPEGである。いくつかの例では、分散PEG(dPEG)は、2~60、2~50、あるいは2~48の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、26、28、30、35、40、42、48、50、またはそれ以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約2以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約3以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約4以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約5以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約6以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約7以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約8以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約9以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約10以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約11以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約12以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約13以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約14以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約15以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約16以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約17以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約18以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約19以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約20以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約22以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約24以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約26以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約28以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約30以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約35以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約40以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約42以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約48以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。いくつかの例では、dPEGは約50以上の繰り返しエチレンオキシド単位を含む。場合によっては、dPEGは、段階的なやりかたで純粋な(例えば、約95%、98%、99%、あるいは99.5%)出発材料から単一の分子量化合物として合成される。場合によっては、dPEGは平均分子量よりもむしろ特定分子量を有する。場合によっては、本明細書に記載されるdPEGは、Quanta Biodesign, LMDからのdPEGである。
いくつかの実施形態において、ポリマー部分Cはカチオン性ムチン酸ベースのポリマー(cMAP)を含む。いくつかの例では、cMPAは少なくとも1つの繰り返しサブユニットの1つ以上のサブユニットを含み、サブユニット構造は式(III)として表され:
ここで、mは、各出現時、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、好ましくは、4-6、または5であり;および、nは、各出現時、独立して、0、1、2、3、4、または5である。いくつかの実施形態において、mとnは、例えば、約10である。
いくつかの例では、cMAPはさらにPEG部分に結合し、cMAP-PEGコポリマー、mPEG-cMAP-PEGmトリブロックポリマー、あるいはcMAP-PEG-cMAPトリブロックポリマーを生成する。いくつかの例では、PEG部分は約500Da~約50,000Daまでの範囲である。いくつかの例では、PEG部分は、約500Daから約1000Da、1000Da以上~約5000Da、5000Da以上~約10,000Da、10,000以上~約25,000Da、25,000Da以上~約50,000Da、あるいはこれらの範囲の2以上の任意の組み合わせである。
いくつかの例では、ポリマー部分Cは、cMAP-PEGコポリマー、mPEG-cMAP-PEGmトリブロックポリマー、あるいはcMAP-PEG-cMAPトリブロックポリマーである。場合によっては、ポリマー部分CはcMAP-PEGコポリマーである。他の場合には、ポリマー部分CはmPEG-cMAP-PEGmトリブロックポリマーである。さらなる場合には、ポリマー部分CはcMAP-PEG-cMAPトリブロックポリマーである。
いくつかの実施形態において、ポリマー部分Cは、ポリ核酸分子、結合部分、および、随意にエンドソーム溶解性部分に結合する。
エンドソーム溶解性部分
いくつかの実施形態において、式(I)の分子、A-X-B-Y-Cはさらに、追加の結合部分を含む。いくつかの例では、追加の結合部分はエンドソーム溶解性部分である。場合によっては、エンドソーム溶解性部分は、エンドソーム、リソソーム、小胞体(ER)、ゴルジ体、微小管、ペルオキシソーム、あるいは細胞を有する他の小胞体などの、当該技術分野で知られている細胞の区分のいずれかから放出することができる化合物などの細胞区画放出成分である。場合によっては、エンドソーム溶解性部分は、エンドソーム溶解性ポリペプチド、エンドソーム溶解性ポリマー、エンドソーム溶解性脂質、あるいはエンドソーム溶解性小分子を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリペプチドを含む。他の場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリマーを含む。
エンドソーム溶解性ポリペプチド
いくつかの実施形態において、式(I):A-X-B-Y-Cの分子はさらに、エンドソーム溶解性ポリペプチドに結合する。場合によっては、エンドソーム溶解性ポリペプチドはpH依存性膜活性ペプチドである。場合によっては、エンドソーム溶解性ポリペプチドは両親媒性ポリペプチドである。追加の場合には、エンドソーム溶解性ポリペプチドはペプチド模倣薬である。いくつかの例では、エンドソーム溶解性ポリペプチドは、INF、メリチン、ムチン(meucin)、あるいはそのそれぞれの誘導体を含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性ポリペプチドはINFまたはそのそれぞれの誘導体を含む。他の場合には、エンドソーム溶解性ポリペプチドはメリチンまたはそのそれぞれの誘導体を含む。さらなる場合には、エンドソーム溶解性ポリペプチドはムチンまたはそのそれぞれの誘導体を含む。
いくつかの例では、INF7は24残基ポリペプチドであり、これらの配列は、CGIFGEIEELIEEGLENLIDWGNA(SEQ ID NO:1243)、あるいはGLFEAIEGFIENGWEGMIDGWYGC(SEQ ID NO:1244)を含む。いくつかの例では、INF7またはその誘導体は、以下の配列を含む:GLFEAIEGFIENGWEGMIWDYGSGSCG(SEQ ID NO:1245)、GLFEAIEGFIENGWEGMIDG WYG-(PEG)6-NH2(SEQ ID NO:1246)、または、GLFEAIEGFIENGWEGMIWDYG-SGSC-K(GalNAc)2(SEQ ID NO:1247)。
場合によっては、メリチンは26残基ポリペプチドであり、この配列は、CLIGAILKVLATGLPTLISWIKNKRKQ(SEQ ID NO:1248)、あるいは、GIGAVLKVLTTGLPALISWIKRKRQQ(SEQ ID NO:1249)を含む。いくつかの例では、メリチンは米国特許第8,501,930号に記載されるポリペプチド配列を含む。
いくつかの例では、ムチンは、サソリ(Mesobuthus eupeus)の毒液腺に由来する抗菌ペプチド(AMP)である。いくつかの例では、ムチンはムチン-13から構成され、これらの配列は、IFGAIAGLLKNIF-NH2(SEQ ID NO:1250)を含み、ムチン-18配列は、FFGHLFKLATKIIPSLFQ(SEQ ID NO:1251)を含む。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性ポリペプチドは、その配列がINF7あるいはその誘導体、メリチンあるいはその誘導体、または、ムチンあるいはその誘導体に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%の配列同一性であるポリペプチドを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、INF7またはその誘導体、メリチンまたはその誘導体、あるいはムチンまたはその誘導体を含む。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はINF7またはその誘導体である。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1243-1247に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1243に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1244-1247に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1244-1247を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243からなる。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1244-1247からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はメリチンまたはその誘導体である。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1248または1249に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1248に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1249に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1249を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248からなる。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1249からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はムチンまたはその誘導体である。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1250または1251に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1250に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1251に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1250を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1251を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1250からなる。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1251からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は表10で例証されるような配列を含む。
場合によっては、エンドソーム溶解性部分は、Bcl-2および/またはBcl-xLなどの抑制因子標的の拮抗を介してアポトーシスを誘発するBak BH3ポリペプチドを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、Albarran, et al., ”Efficient intracellular delivery of a pro-apoptotic peptide with a pH-responsive carrier,” Reactive & Functional Polymers 71: 261-265(2011)に記載されるBak BH3ポリペプチドを含む。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、PCT国際公開第WO2013/166155号またはWO2015/069587号に記載されるようなポリペプチド(例えば、細胞透過性ポリペプチド)を含む。
エンドソーム溶解性ポリマー
いくつかの実施形態において、式(I):A-X-B-Y-Cの分子は、さらにエンドソーム溶解性ポリマーと結合する。本明細書で使用されるように、エンドソーム溶解性ポリマーは、線形、分岐ネットワーク、星形、くし型、あるいはハシゴ型のポリマーを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性ポリマーは、ホモポリマー、あるいは2以上の異なるタイプの単量体を含むコポリマーである。場合によっては、エンドソーム溶解性ポリマーはポリカチオンポリマーである。その他の場合において、エンドソーム溶解性ポリマーはポリアニオンポリマーである。
いくつかの例では、ポリカチオンポリマーは、電荷が正、電荷が中性、または電荷が負であるモノマー単位からなり、正味の電荷は正である。その他の場合において、ポリカチオンポリマーは、2つ以上の正電荷を含有する、非ポリマー分子を含む。例示的なカチオンポリマーとしては、限定されないが、ポリ(L-リジン)(PLL)、ポリ(L-アルギニン)(PLA)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリ[α-(4-アミノブチル)-L-グリコール酸](PAGA)、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAEMA)、あるいはN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)が挙げられる。
場合によっては、ポリアニオンポリマーは、電荷が正、電荷が中性、または電荷が負であるモノマー単位からなり、正味の電荷は負である。その他の場合において、ポリアニオンポリマーは、2つ以上の負電荷を含有する、非ポリマー分子を含む。例示的なアニオンポリマーは、p(アルキルアクリレート)(例えば、ポリ(プロピルアクリル酸)(PPAA))あるいはポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(NIPAM)を含む。追加の例としては、Khormaee, et al., “Edosomolytic anionic polymer for the cytoplasmic delivery of siRNAs in localized in vivo applications,” Advanced Functional Materials 23: 565-574(2013)に記載されるPP75、L-フェニルアラニン-ポリ(L-リジンイソフタルアミド)ポリマーが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるエンドソーム溶解性ポリマーは、pH反応性のエンドソーム溶解性ポリマーである。pH反応性のポリマーは、サイズを増大させる(膨潤させる)か、環境のpHに依存して崩壊する、ポリマーを含む。ポリアクリル酸とキトサンはpH反応性のポリマーの例である。
いくつかの例では、本明細書に記載されるエンドソーム溶解性部分は、膜破壊的なポリマーである。場合によっては、膜破壊的なポリマーは、カチオンポリマー、中性または疎水性のポリマー、あるいはアニオンポリマーを含む。いくつかの事例では、膜破壊的なポリマーは親水性ポリマーである。
いくつかの例では、本明細書に記載されるエンドソーム溶解性部分は、膜破壊的なポリマーである。例示的なpH反応性の膜破壊的なポリマーは、p(アルキルアクリル酸)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(NIPAM)コポリマー、スクシニル化p(グリシドール)、およびp(β-リンゴ酸)ポリマーを含む。
いくつかの例では、p(アルキルアクリル酸)は、ポリ(プロピルアクリル酸(polyPAA)、ポリ(メタクリル酸(PMAA))、ポリ(エチルアクリル酸(PEAA)、および、ポリ(プロピルアクリル酸)(PPAA)を含む。いくつかの例では、p(アルキルアクリル酸)は、Jones, et al., Biochemistry Journal 372: 65-75(2003)に記載されるp(アルキルアクリル酸)を含む。
いくつかの実施形態において、pH反応性の膜破壊的なポリマーは、p(ブチルアクリレート-co-メタクリル酸)を含む。(Bulmus, et al., Journal of Controlled Release 93: 105-120(2003); and Yessine, et al., Biochimica et Biophysica Acta 1613: 28-38(2003)を参照)
いくつかの実施形態において、pH反応性の膜破壊的なポリマーは、p(スチレン-alt-無水マレイン酸)を含む。(例えば、Henry, et al., Biomacromolecules 7: 2407-2414(2006)を参照)
いくつかの実施形態において、pH反応性の膜破壊性ポリマーは、ポリ(MAA-co-PDSA)、ポリ(EAA-co-PDSA)、ポリ(PAA-co-PDSA)、ポリ(MAA-co-BA-co-PDSA)、ポリ(EAA-co-BA-co-PDSA)、あるいはポリ(PAA-co-BA-co-PDSA)ポリマーなどのピリジルジスルフィドアクリレート(PDSA)ポリマーを含む( El-Sayed, et al., “Rational design of composition and activity correlations for pH-responsive and glutathione-reactive polymer therapeutics,” Journal of Controlled Release 104: 417-427(2005); or Flanary et al., “Antigen delivery with poly(propylacrylic acid) conjugation enhanced MHC-1 presentation and T-cell activation,” Bioconjugate Chem. 20: 241-248(2009)を参照)
いくつかの実施形態において、pH反応性の膜破壊性ポリマーは、以下の塩基構造を含む細胞溶解のポリマーを含む:
いくつかの例では、本明細書に記載されるエンドソーム溶解性部分はさらに、追加の抱合体例えば、ポリマー(例えば、PEG)、あるいは修飾されたポリマー(例えば、コレステロール修飾されたポリマー)に結合する。
いくつかの例では、追加の抱合体は界面活性剤(例えば、トリトンX-100)を含む。いくつかの例では、本明細書に記載されるエンドソーム溶解性部分は、界面活性剤(例えば、トリトンX-100)と結合したポリマー(例えば、ポリ(アミドアミン))を含む。いくつかの例では、本明細書に記載されるエンドソーム溶解性部分は、ポリ(アミドアミン)-トリトンX-100を含む(Duncan, et al.,“A polymer-Triton X-100 conjugate capable of pH-dependent red blood cell lysis: a model system illustrating the possibility of drug delivery within acidic intracellular compartments,”Journal of Drug Targeting 2: 341-347(1994))。
エンドソーム溶解性脂質
いくつかの実施形態において、エンドソーム溶解性部分は脂質(例えば、融合性脂質)である。いくつかの実施形態において、式(I):A-X-B-Y-Cの分子はさらに、エンドソーム溶解性脂質(例えば、融合性脂質)と結合する。例示的な融合性脂質は、1,2-ジレオイル(dileoyl)-sn-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、(6Z,9Z,28Z,31Z)-ヘプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン-19-オール(ジ-Lin)、N-メチル(2,2-ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル)-1,3-ジオキソラン-4-イル)メタンアミン(DLin-k-DMA)、および、N-メチル-2-(2,2-ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル)-1,3-ジオキソラン-4-イル)エタンアミン(XTC)を含む。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、PCT国際公開第WO09/126,933に記載される脂質(例えば、融合性脂質)である。
エンドソーム溶解性小分子
いくつかの実施形態では、エンドソーム溶解性部分は小分子である。いくつかの実施形態において、式(I):A-X-B-Y-Cの分子はさらにエンドソーム溶解性小分子と結合する。エンドソーム溶解性部分として適切な例示的な小分子は、限定されないが、キニーネ、クロロキン、水酸化クロロキン、アモジアキン(カルノキン(carnoquines))、アモピロキン、プリマキン、メフロキン、ニバキン(nivaquines)、ハロファントリン、キノンイミン、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、キノリンエンドソーム溶解性部分は、限定されないが、7-クロロ-4-(4-ジエチルアミノ-1-メチルブチル-アミノ)キノリン(クロロキン);7-クロロ-4-(4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-メチルブチル-アミノ)キノリン(ヒドロキシクロロキン);7-フルオロ-4-(4-ジエチルアミノ-1-メチルブチル-アミノ)キノリン;4-(4-ジエチルアミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;7-ヒドロキシ-4-(4-ジエチル-アミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;7-クロロ-4-(4-ジエチルアミノ-1-ブチルアミノ)キノリン(デスメチルクロロキン);7-フルオロ-4-(4-ジエチルアミノ-1-ブチルアミノ)キノリン);4-(4-ジエチル-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;7-ヒドロキシ-4-(4-ジエチルアミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;7-クロロ-4-(1-カルボキシ-4-ジエチルアミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;7-フルオロ-4-(1-カルボキシ-4-ジエチル-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;4-(1-カルボキシ-4-ジエチルアミノ-1-ブチルアミノキノリン;7-ヒドロキシ-4-(1-カルボキシ-4-ジエチルアミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;7-クロロ-4-(1-カルボキシ-4-ジエチルアミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;7-フルオロ-4-(1-カルボキシ-4-ジエチル-アミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;4-(1-カルボキシ-4-ジエチルアミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;7-ヒドロキシ-4-(1-カルボキシ-4-ジエチルアミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;7-フルオロ-4-(4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;4-(4-エチル-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ-1-メチルブチルアミノ-)キノリン;7-ヒドロキシ-4-(4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;ヒドロキシクロロキンホスフェート;7-クロロ-4-(4-エチル-(2-ヒドロキシエチル-1)-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン((デスメチルヒドロキシクロロキン);7-フルオロ-4-(4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;4-(4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;7-ヒドロキシ-4-(4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;7-クロロ-4-(1-カルボキシ-4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;7-フルオロ-4-(1-カルボキシ-4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;4-(1-カルボキシ-4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;7-ヒドロキシ-4-(1-カルボキシ-4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-ブチルアミノ)キノリン;7-クロロ-4-(1-カルボキシ-4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;7-フルオロ-4-(1-カルボキシ-4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;4-(1-カルボキシ-4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;7-ヒドロキシ-4-(1-カルボキシ-4-エチル-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-1-メチルブチルアミノ)キノリン;8-[(4-アミノペンチル)アミノ-6-メトキシジヒドロクロリドキノリン;1-アセチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン;8-[(4-アミノペンチル)アミノ]-6-メトキシキノリンジヒドロクロリド;1-ブチリル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン;3-クロロ-4-(4-ヒドロキシ-アルファ,アルファ’-ビス(2-メチル-1-ピロリジニル)-2,5-キシリジノキノリン、4-[(4-ジエチル-アミノ)-1-メチルブチル-アミノ]-6-メトキシキノリン;3-フルオロ-4-(4-ヒドロキシ-アルファ,αアルファ’-ビス(2-メチル-1-ピロリジニル)-2,5-キシリジノキノリン、4-[(4-ジエチルアミノ)-1-メチルブチル-アミノ]-6-メトキシキノリン;4-(4-ヒドロキシ-アルファ、アルファ’-ビス(2-メチル-1-ピロリジニル)-2,5-キシリジノキノリン;4-[(4-ジエチルアミノ)-1-メチルブチル-アミノ]-6-メトキシキノリン;3,4-ジヒドロ-1-(2H)-キノリンカルボキシアルデヒド;1、1’-ペンタメチレンジキノリニウムヨージド(diquinoleinium diiodide);8-キノリノールスルフェート、および、アミノ、アルデヒド、カルボン酸、ヒドロキシル、ハロゲン、ケト、スルフヒドリル、およびビニル誘導体またはそのアナログを含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、Naisbittら(1997, J Pharmacol Exp Therapy 280:884-893)と米国特許第5,736,557号に記載される小分子である。
式(I)分子-エンドソーム溶解性部分抱合体
いくつかの実施形態において、1つ以上のエンドソーム溶解性部分は、少なくとも1つの結合部分、少なくとも1つのポリヌクレオチド、少なくとも1つのポリマー、あるいはこれらの任意の組み合わせを含む分子に結合する。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、式(II):
(A-X-B-Y-Cc)-L-D
式II
に結合し、
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Cはポリマーであり;
Xは単結合または第1のリンカーであり;
Yは単結合または第2のリンカーであり;
Lは単結合または第3のリンカーであり;
Dはエンドソーム溶解部分であり;および、
cは0と1の間の整数であり;および、
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含み;および、Dは、A、B、またはCの任意の場所に結合する。
いくつかの実施形態では、AとCは同じ末端でBに結合しない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの例では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA)あるいはエチレン核酸(ENA)を含む。場合によっては、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合あるいはホスホロジチオエート結合を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリ核酸分子を形成するために、第1のポリヌクレオチドと、第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズされた第2のポリヌクレオチドとを含む。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは少なくとも1つの修飾を含む。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはRNA分子である。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはsiRNA分子である。いくつかの実施形態において、X、Y、およびLは、独立して単結合あるいは非ポリマーリンカー基である。いくつかの例では、Aは抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、抗体またはその結合フラグメントは、ヒト化抗体またはその結合フラグメント、キメラ抗体またはその結合フラグメント、モノクローナル抗体またはその結合フラグメント、一価Fab’、二価Fab2、一本鎖可変フラグメント(scFv)、ダイアボディ、ミニボディ(minibody)、ナノボディ、単一ドメイン抗体(sdAb)、またはラクダ抗体、あるいはその結合フラグメントを含む。場合によっては、Cはポリエチレングリコールである。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、ポリペプチド、ポリマー、脂質、あるいは小分子を含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリペプチドである。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリマーである。他の場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性脂質である。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性小分子である。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はINF7またはその誘導体である。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1243に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はメリチンまたはその誘導体である。場合によっては、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1248に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は表10で例証されるような配列である。
さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、例えば、pH反応性のエンドソーム溶解性ポリマー、膜破壊的なポリマー、ポリカチオンポリマー、ポリアニオンポリマー、pH反応性の膜破壊的なポリマー、あるいはこれらの組み合わせなどのエンドソーム溶解性ポリマーである。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、p(アルキルアクリル酸)ポリマー、p(ブチルアクリレート-co-メタクリル酸)ポリマー、p(スチレン-アルト-無水マレイン酸)ポリマー、ピリジルジスルフィドアクリレート(PDSA)ポリマー、ポリマー-PEG抱合体、ポリマー-界面活性剤抱合体、あるいはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、エンドソーム溶解性部分抱合体は、
式(IIa)によるものであり:
D-L-A-X-B-Y-Cc
式IIa
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Cはポリマーであり;
Xは単結合または第1のリンカーであり;
Yは単結合または第2のリンカーであり;
Lは単結合または第3のリンカーであり;
Dはエンドソーム溶解部分であり;および、
cは1の整数であり;および、
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、AとCは同じ末端でBに結合しない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの例では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA)あるいはエチレン核酸(ENA)を含む。場合によっては、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合あるいはホスホロジチオエート結合を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリ核酸分子を形成するために、第1のポリヌクレオチドと、第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズされた第2のポリヌクレオチドとを含む。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは少なくとも1つの修飾を含む。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはRNA分子である。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはsiRNA分子である。いくつかの実施形態において、X、Y、およびLは、独立して単結合あるいは非ポリマーリンカー基である。いくつかの例では、Aは抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、抗体またはその結合フラグメントは、ヒト化抗体またはその結合フラグメント、キメラ抗体またはその結合フラグメント、モノクローナル抗体またはその結合フラグメント、一価Fab’、二価Fab2、一本鎖可変フラグメント(scFv)、ダイアボディ、ミニボディ(minibody)、ナノボディ、単一ドメイン抗体(sdAb)、またはラクダ抗体、あるいはその結合フラグメントを含む。場合によっては、Cはポリエチレングリコールである。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、ポリペプチド、ポリマー、脂質、あるいは小分子を含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリペプチドである。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリマーである。他の場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性脂質である。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性小分子である。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はINF7またはその誘導体である。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1243に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はメリチンまたはその誘導体である。場合によっては、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1248に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は表10で例証されるような配列である。
さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、例えば、pH反応性のエンドソーム溶解性ポリマー、膜破壊的なポリマー、ポリカチオンポリマー、ポリアニオンポリマー、pH反応性の膜破壊的なポリマー、あるいはこれらの組み合わせなどのエンドソーム溶解性ポリマーである。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、p(アルキルアクリル酸)ポリマー、p(ブチルアクリレート-co-メタクリル酸)ポリマー、p(スチレン-アルト-無水マレイン酸)ポリマー、ピリジルジスルフィドアクリレート(PDSA)ポリマー、ポリマー-PEG抱合体、ポリマー-界面活性剤抱合体、あるいはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分抱合体は、式(IIb)によるものであり:
A-X-B-L-D
式IIb
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Xは単結合または第1のリンカーであり;
Lは単結合または第3のリンカーであり;および、
Dはエンドソーム溶解性部分であり;および、
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、AとCは同じ末端でBに結合しない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの例では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA)あるいはエチレン核酸(ENA)を含む。場合によっては、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合あるいはホスホロジチオエート結合を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリ核酸分子を形成するために、第1のポリヌクレオチドと、第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズされた第2のポリヌクレオチドとを含む。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは少なくとも1つの修飾を含む。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはRNA分子である。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはsiRNA分子である。いくつかの実施形態において、XおよびLは、独立して単結合あるいは非ポリマーリンカー基である。いくつかの例では、Aは抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、抗体またはその結合フラグメントは、ヒト化抗体またはその結合フラグメント、キメラ抗体またはその結合フラグメント、モノクローナル抗体またはその結合フラグメント、一価Fab’、二価Fab2、一本鎖可変フラグメント(scFv)、ダイアボディ、ミニボディ(minibody)、ナノボディ、単一ドメイン抗体(sdAb)、またはラクダ抗体、あるいはその結合フラグメントを含む。場合によっては、Cはポリエチレングリコールである。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、ポリペプチド、ポリマー、脂質、あるいは小分子を含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリペプチドである。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリマーである。他の場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性脂質である。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性小分子である。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はINF7またはその誘導体である。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1243に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はメリチンまたはその誘導体である。場合によっては、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1248に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は表10で例証されるような配列である。
さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、例えば、pH反応性のエンドソーム溶解性ポリマー、膜破壊的なポリマー、ポリカチオンポリマー、ポリアニオンポリマー、pH反応性の膜破壊的なポリマー、あるいはこれらの組み合わせなどのエンドソーム溶解性ポリマーである。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、p(アルキルアクリル酸)ポリマー、p(ブチルアクリレート-co-メタクリル酸)ポリマー、p(スチレン-アルト-無水マレイン酸)ポリマー、ピリジルジスルフィドアクリレート(PDSA)ポリマー、ポリマー-PEG抱合体、ポリマー-界面活性剤抱合体、あるいはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分抱合体は、式(IIc)によるものであり:
A-X-B-Y-Cc-L-D
式IIc
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Cはポリマーであり;
Xは単結合または第1のリンカーであり;
Yは単結合または第2のリンカーであり;
Lは単結合または第3のリンカーであり;
Dはエンドソーム溶解部分であり;および、
cは1の整数であり;および、
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、AとCは同じ末端でBに結合しない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの例では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA)あるいはエチレン核酸(ENA)を含む。場合によっては、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合あるいはホスホロジチオエート結合を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリ核酸分子を形成するために、第1のポリヌクレオチドと、第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズされた第2のポリヌクレオチドとを含む。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは少なくとも1つの修飾を含む。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはRNA分子である。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはsiRNA分子である。いくつかの実施形態において、X、Y、およびLは、独立して単結合あるいは非ポリマーリンカー基である。いくつかの例では、Aは抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、抗体またはその結合フラグメントは、ヒト化抗体またはその結合フラグメント、キメラ抗体またはその結合フラグメント、モノクローナル抗体またはその結合フラグメント、一価Fab’、二価Fab2、一本鎖可変フラグメント(scFv)、ダイアボディ、ミニボディ(minibody)、ナノボディ、単一ドメイン抗体(sdAb)、またはラクダ抗体、あるいはその結合フラグメントを含む。場合によっては、Cはポリエチレングリコールである。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、ポリペプチド、ポリマー、脂質、あるいは小分子を含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリペプチドである。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリマーである。他の場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性脂質である。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性小分子である。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はINF7またはその誘導体である。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1243に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はメリチンまたはその誘導体である。場合によっては、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1248に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は表10で例証されるような配列である。
さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、例えば、pH反応性のエンドソーム溶解性ポリマー、膜破壊的なポリマー、ポリカチオンポリマー、ポリアニオンポリマー、pH反応性の膜破壊的なポリマー、あるいはこれらの組み合わせなどのエンドソーム溶解性ポリマーである。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、p(アルキルアクリル酸)ポリマー、p(ブチルアクリレート-co-メタクリル酸)ポリマー、p(スチレン-アルト-無水マレイン酸)ポリマー、ピリジルジスルフィドアクリレート(PDSA)ポリマー、ポリマー-PEG抱合体、ポリマー-界面活性剤抱合体、あるいはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分抱合体は、式(IId)によるものであり:
A-L-D-X-B-Y-Cc
式IId
式中、
Aは結合部分であり;
Bはポリヌクレオチドであり;
Cはポリマーであり;
Xは単結合または第1のリンカーであり;
Yは単結合または第2のリンカーであり;
Lは単結合または第3のリンカーであり;
Dはエンドソーム溶解部分であり;および、
cは1の整数であり;および、
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’-ビニルホスホネート修飾されたヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、AとCは同じ末端でBに結合しない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの例では、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA)あるいはエチレン核酸(ENA)を含む。場合によっては、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合あるいはホスホロジチオエート結合を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリ核酸分子を形成するために、第1のポリヌクレオチドと、第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズされた第2のポリヌクレオチドとを含む。いくつかの例では、第2のポリヌクレオチドは少なくとも1つの修飾を含む。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはRNA分子である。場合によっては、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドはsiRNA分子である。いくつかの実施形態において、X、Y、およびLは、独立して単結合あるいは非ポリマーリンカー基である。いくつかの例では、Aは抗体またはその結合フラグメントである。いくつかの例では、抗体またはその結合フラグメントは、ヒト化抗体またはその結合フラグメント、キメラ抗体またはその結合フラグメント、モノクローナル抗体またはその結合フラグメント、一価Fab’、二価Fab2、一本鎖可変フラグメント(scFv)、ダイアボディ、ミニボディ(minibody)、ナノボディ、単一ドメイン抗体(sdAb)、またはラクダ抗体、あるいはその結合フラグメントを含む。場合によっては、Cはポリエチレングリコールである。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、ポリペプチド、ポリマー、脂質、あるいは小分子を含む。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリペプチドである。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性ポリマーである。他の場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性脂質である。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分はエンドソーム溶解性小分子である。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はINF7またはその誘導体である。いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1243に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1243からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分はメリチンまたはその誘導体である。場合によっては、エンドソーム溶解性部分は、SEQ ID NO:1248に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248を含む。場合によっては、エンドソーム溶解性部分はSEQ ID NO:1248からなる。
いくつかの例では、エンドソーム溶解性部分は表10で例証されるような配列である。
さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、例えば、pH反応性のエンドソーム溶解性ポリマー、膜破壊的なポリマー、ポリカチオンポリマー、ポリアニオンポリマー、pH反応性の膜破壊的なポリマー、あるいはこれらの組み合わせなどのエンドソーム溶解性ポリマーである。さらなる場合には、エンドソーム溶解性部分は、p(アルキルアクリル酸)ポリマー、p(ブチルアクリレート-co-メタクリル酸)ポリマー、p(スチレン-アルト-無水マレイン酸)ポリマー、ピリジルジスルフィドアクリレート(PDSA)ポリマー、ポリマー-PEG抱合体、ポリマー-界面活性剤抱合体、あるいはこれらの組み合わせを含む。
リンカー
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるリンカーは、切断可能なリンカーまたは切断不可能なリンカーである。いくつかの例では、リンカーは切断可能なリンカーである。いくつかの例では、リンカーは酸切断可能なリンカーである。いくつかの例では、リンカーは切断不可能なリンカーである。いくつかの例では、リンカーはC1-C6アルキル基(例えば、C5、C4、C3、C2、あるいはC1アルキル基)を含む。いくつかの例では、リンカーはホモ二機能性架橋リンカー、ヘテロ二機能性架橋リンカーなどを含む。いくつかの例では、リンカーはトレースレスリンカー(あるいは、長さがゼロのリンカー)である。いくつかの例では、リンカーは非ポリマーリンカーである。場合によっては、リンカーは非ペプチドリンカーあるいはアミノ酸残基を含まないリンカーである。
いくつかの例では、リンカーはホモ二機能性リンカーを含む。例示的なホモ二機能性リンカーは、限定されないが、Lomantの試薬ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)DSP、3’3’-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロプリオネート(DTSSP)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ジスクシンイミジルタルトレート(DST)、ジスルホスクシンイミジルタルトレート(スルホDST)、エチレングリコビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、ジスクシンイミジルグルタレート(DSG)、N、N’-ジスクシンイミジルカーボネート(DSC)、ジメチルアジプイミデート(DMA)、ジメチルピメリミデートピメリミデート(DMP)、ジメチルスベリミデート(DMS)、ジメチル-3,3’-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)、1,4-ジ-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン、1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼンなどのハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、o-トルイジン、3,3’-ジメチルベンジジン、ベンジジン、α,α’-p-ジアミノジフェニル、ジヨード-p-キシレンスルホン酸、N,N’-エチレン-ビス(ヨードアセトアミド)、あるいは、N,N’-ヘキサメチレン-ビス(ヨードアセトアミド)を含む。
いくつかの実施形態では、リンカーはヘテロ二機能性リンカーを含む。例示的なヘテロ二機能性リンカーは、限定されないが、アミン反応的およびスルフヒドリル架橋リンカー、例えば、N-スクシンイミジル 3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(sPDP)、長鎖N-スクシンイミジル 3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(LC-sPDP)、水溶性の長鎖N-スクシンイミジル 3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(スルホ-LC-sPDP)、スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(sMPT)、スルホスクシンイミジル-6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサノエート(スルホLC-sMPT)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sMCC)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-sMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBs)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MB)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(sIAB)、スルホスクシンイミジル(4-iodoacteyl)アミノベンゾエート(スルホ-sIAB)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(sMPB)、スルホスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ-sMPB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMB)、スクシンイミジル 6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノエート(sIAX)、スクシンイミジル 6-[6-(((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサノエート(sIAXX)、スクシンイミジル 4-(((ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sIAC)、スクシンイミジル 6-((((4-ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボニル)アミノ)ヘキサノエート(sIACX)、p-ニトロフェニルヨードアセテート(NPIA)、4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-ヒドラジド-8(M2C2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(PDPH)などのカルボニル反応的およびスルフヒドリル反応的な架橋リンカー、アミン反応的および光反応性の架橋リンカー、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(NH-AsA)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(スルホ-NH-AsA)、スルホスクシンイミジル-(4-アジドサリチルアミド)ヘキサノエート(スルホ-NH-LC-AsA)、スルホスクシンイミジル--2-(ρ-アジドサリチルアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAsD)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(HsAB)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート(スルホ-HsAB)、N-スクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(sANPAH)、スルホスクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(スルホ-sANPAH)、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(ANB-NOs)、スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAND)、N-スクシンイミジル-4(4-アジドフェニル)1,3’-ジチオプロピオネート(sADP)、N-スルホスクシンイミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオネート(スルホ-sADP)、スルホスクシンイミジル 4-(ρ-アジドフェニル)ブチレート(スルホ-sAPB)、スルホスクシンイミジル 2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAED)、スルホスクシンイミジル 7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセテート(スルホ-sAMCA)、ρ-ニトロフェニル・ジアゾピルバート(ρNPDP)、ρ-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオネート(PNP-DTP)、スルフヒドリル反応的および光反応性の架橋リンカー、例えば、1-(ρ-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン(AsIB)、N-[4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチル]-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、ベンゾフェノン-4-ヨードアセトアミド、ベンゾフェノン-4-マレイミドカルボニル反応的および光反応性の架橋リンカー、例えば、ρ-アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)、カルボキシレート反応的および光反応性の架橋リンカー、例えば、4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(AsBA)、および、アルギニン反応的および光反応性の架橋リンカー、例えば、ρ-アジドフェニルグリオキサール(APG)を含む。
いくつかの例では、リンカーは反応性官能基を含む。場合によっては、反応性官能基は、結合部分に存在する求電子基に反応的な求核基を含む。例示的な求電子基は、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アミド、エノン、ハロゲン化アシル、または酸無水物などのカルボニル基を含む。いくつかの実施形態において、反応性官能基はアルデヒドである。例示的な求核基は、ヒドラジド、オキシム、アミノ、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、およびアリールヒドラジドを含む。
いくつかの実施形態では、リンカーはマレイミド基を含む。いくつかの例では、マレイミド基はマレイミドスペーサーとも呼ばれる。いくつかの例では、マレイミド基はさらにカプロン酸を包含し、マレイミドカプロイル(mc)を形成する。場合によっては、リンカーはマレイミドカプロイル(mc)を含む。場合によっては、リンカーはマレイミドカプロイル(mc)である。他の例では、マレイミド基は、上に記載されたスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sMCC)、あるいは、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-sMCC)などのマレイミドメチル基を含む。
いくつかの実施形態において、マレイミド基は自己安定化マレイミドである。いくつかの例では、自己安定化マレイミドは、チオスクシンイミド環加水分解の分子内の触媒作用をもたらすために、マレイミドに隣接する塩基性アミノ基を取り込むべくジアミノプロピオン酸(DPR)を利用し、それによって、マレイミドがレトロマイケル反応による脱離反応を経験することのないようにする。いくつかの例では、自己安定化マレイミドは、Lyon, et al., “Self-hydrolyzing maleimides improve the stability and pharmacological properties of antibody-drug conjugates,” Nat. Biotechnol. 32(10):1059-1062(2014)に記載されるマレイミド基である。いくつかの例では、リンカーは自己安定化マレイミドを含む。いくつかの例では、リンカーは自己安定化マレイミドである。
いくつかの実施形態では、リンカーはペプチド部分を含む。いくつかの例では、ペプチドは少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のアミノ酸残基を。いくつかの例では、ペプチド部分は切断可能なペプチド部分(例えば、酵素的または化学的に)である。いくつかの例では、ペプチド部分は切断不可能なペプチド部分である。いくつかの例では、ペプチド部分は、Val-Cit(バリン-シトルリン)、Gly-Gly-Phe-Gly(SEQ ID NO:2111)、Phe-Lys、Val-Lys、Gly-Phe-Lys、Phe-Phe-Lys、Ala-Lys、Val-Arg、Phe-Cit、Phe-Arg、Leu-Cit、Ile-Cit、Trp-Cit、Phe-Ala、Ala-Leu-Ala-Leu(SEQ ID NO:2112)、またはGly-Phe-Leu-Gly(SEQ ID NO:2113)を含む。いくつかの例では、リンカーは、などのペプチド部分を含む:Val-Cit(バリン-シトルリン)、Gly-Gly-Phe-Gly(SEQ ID NO:2111)、Phe-Lys、Val-Lys、Gly-Phe-Lys、Phe-Phe-Lys、Ala-Lys、Val-Arg、Phe-Cit、Phe-Arg、Leu-Cit、Ile-Cit、Trp-Cit、Phe-Ala、Ala-Leu-Ala-Leu(SEQ ID NO:2112)、またはGly-Phe-Leu-Gly(SEQ ID NO:2113)。場合によっては、リンカーはVal-Citを含む。場合によっては、リンカーはVal-Citである。
いくつかの実施形態において、リンカーは安息香酸基あるいはその誘導体を含む。いくつかの例では、安息香酸基あるいはその誘導体はパラアミノ安息香酸(PABA)を含む。いくつかの例では、安息香酸基あるいはその誘導体はγ-アミノ酪酸(GABA)を含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは、任意の組み合わせにおける、マレイミド基、ペプチド部分、および/または、安息香酸基の1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、マレイミド基、ペプチド部分、および/または、安息香酸基の組み合わせを含む。いくつかの例では、マレイミド基はマレイミドカプロイル(mc)である。いくつかの例では、ペプチド基はval-citである。いくつかの例では、安息香酸基はPABAである。いくつかの例では、リンカーはmc-val-cit基を含む。場合によっては、リンカーはval-cit-PABA基を含む。さらなる場合には、リンカーはmc-val-cit-PABA基を含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは自壊性リンカーあるいは自己排除リンカーである。場合によっては、リンカーは自壊性リンカーである。他の場合には、リンカーは自己排除リンカー(例えば環化自己排除リンカー)である。いくつかの例では、リンカーは、米国特許第9,089,614号あるいはPCT国際公開第WO2015038426に記載されるリンカーを含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは樹状型リンカーである。いくつかの例では、樹状型リンカーは分岐した多機能リンカー部分を含む。いくつかの例では、樹状型リンカーはポリヌクレオチドB対結合部分Aのモル比を増加させるために使用される。いくつかの例では、樹状型リンカーはPAMAMデンドリマーを含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは、トレースレスリンカーであるか、または、切断後に、結合部分A、ポリヌクレオチドB、ポリマーC、あるいはエンドソーム溶解性部分Dに対するリンカー部分(例えば、原子あるいはリンカー基)を残さないリンカーである。例示的なトレースレスリンカーは、限定されないが、ゲルマニウムリンカー、ケイ素リンカー、硫黄リンカー、セレンリンカー、窒素リンカー、リンリンカー、ホウ素リンカー、クロムリンカー、あるいはフェニルヒドラジドリンカーを含む。場合によっては、リンカーは、Hejesen, et al.,“A traceless aryl-triazene linker for DNA-directed chemistry,” Org Biomol Chem 11(15): 2493-2497(2013)に記載されるようなトレースレスアリール-トリアゼンリンカーである。いくつかの例では、リンカーは、Blaney,et al.,“Traceless solid-phase organic synthesis,” Chem.Rev.102:2607-2024(2002)に記載されるトレースレスリンカーである。いくつかの例では、リンカーは米国特許第6,821,783号に記載されるトレースレスリンカーである。
いくつかの例では、リンカーは、リンカーと抱合部分(例えば、本明細書に記載されるA、B、C、あるいはD)の結合部位で立体障害(steric hinderance)を及ぼす官能基を含む。いくつかの例では、立体障害はジスルフィド結合のまわりの立体障害である。立体障害を示す例示的なリンカーは、上に記載されるヘテロ二官能性リンカーなどのヘテロ二官能性リンカーを含む。場合によっては、立体障害を示すリンカーはSMCCおよびSPDBを含む。
いくつかの例では、リンカーは酸切断可能リンカーである。いくつかの例では、酸切断可能リンカーは、加水切断を受けやすいヒドラゾン結合を含む。場合によっては、酸切断可能リンカーは、チオマレアミド酸(thiomaleamic acid)リンカーを含む。場合によっては、酸切断可能リンカーは、“Acid-cleavable thiomaleamic acid linker for homogeneous antibody-drug conjugation,” Chem. Commun. 49: 8187-8189 (2013)に記載されるチオマレアミド酸リンカーである。
いくつかの例では、リンカーは、米国特許第6,884,869号;第7,498,298号;第8,288,352号;第8,609,105号;あるいは、第8,697,688号;米国特許公開第2014/0127239号;第2013/028919号;第2014/286970号;第2013/0309256号;第2015/037360号;あるいは、第2014/0294851号;あるいはPCT公開公報WO2015057699;WO2014080251;WO2014197854;WO2014145090;あるいは、WO2014177042に記載されるリンカーである。
いくつかの実施形態において、X、Y、およびLは独立して単結合またはリンカーである。いくつかの例では、X、Y、およびLは独立して単結合である。場合によっては、X、Y、およびLは独立してリンカーである。
いくつかの例では、Xは単結合またはリンカーである。いくつかの例では、Xは単結合である。いくつかの例では、Xはリンカーである。いくつかの例では、リンカーはC1-C6アルキル基である。場合によっては、Xは、例えば、C5、C4、C3、C2、あるいはC1アルキル基などのC1-C6アルキル基である。場合によっては、C1-C6アルキル基は非置換のC1-C6アルキル基である。リンカーの文脈において、とりわけ、Xの文脈において使用されるように、アルキルは最大で6つの炭素原子を含む飽和した直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルを意味する。いくつかの例では、Xは非ポリマーリンカーである。いくつかの例では、Xは上に記載されるホモ二官能性リンカーあるいはヘテロ二官能性リンカーを含む。場合によっては、Xはヘテロ二官能性リンカーを含む。場合によっては、XはsMCCを含む。他の例では、Xは、C1-C6アルキル基に随意に結合したヘテロ二官能性リンカーを含む。他の例では、XはC1-C6アルキル基に随意に結合したsMCCを含む。さらなる例では、Xは、上に記載されるホモ二官能性リンカーあるいはヘテロ二官能性リンカーを含まない。
いくつかの例では、Yは単結合またはリンカーである。いくつかの例では、Yは単結合である。他の場合には、Yはリンカーである。いくつかの実施形態において、YはC1-C6アルキル基である。いくつかの例では、Yは上に記載されるホモ二官能性あるいはヘテロ二官能性リンカーである。いくつかの例では、Yは上に記載されるホモ二官能性リンカーである。いくつかの例では、Yは上に記載されるヘテロ二官能性リンカーである。いくつかの例では、Yは、上に記載されるマレイミドカプロイル(mc)などのマレイミド基、あるいは自己安定化マレイミド基を含む。いくつかの例では、YはVal-Citなどのペプチド部分を含む。いくつかの例では、YはPABAなどの安息香酸基を含む。さらなる例では、Yは、マレイミド基、ペプチド部分、および/または、安息香酸基の組み合わせを含む。追加の例では、Yはmc基を含む。追加の例では、Yはmc-val-cit基を含む。追加の例では、Yはval-cit-PABA基を含む。追加の例では、Yはmc-val-cit-PABA基を含む。
いくつかの例では、Lは単結合またはリンカーである。場合によっては、Lは単結合である。場合によっては、Lはリンカーである。いくつかの実施形態では、LはC1-C6アルキル基である。いくつかの例では、Lは上に記載されるホモ二官能性あるいはヘテロ二官能性リンカーである。いくつかの例では、Lは上に記載されるホモ二官能性リンカーである。いくつかの例では、Lは上に記載されるヘテロ二官能性リンカーである。いくつかの例では、Lは、上に記載されるマレイミドカプロイル(mc)などのマレイミド基、あるいは自己安定化マレイミド基を含む。いくつかの例では、LはVal-Citなどのペプチド部分を含む。いくつかの例では、LはPABAなどの安息香酸基を含む。さらなる例では、Lは、マレイミド基、ペプチド部分、および/または、安息香酸基の組み合わせを含む。追加の例では、Lはmc基を含む。追加の例では、Lはmc-val-cit基を含む。追加の例では、Lはval-cit-PABA基を含む。追加の例では、Lはmc-val-cit-PABA基を含む。
使用の方法
いくつかの実施形態において、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む、本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、疾患または疾病の処置に使用される。幾つかの例では、疾患または疾病は癌である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物または医薬製剤は、疾患または疾病の処置のための免疫療法として使用される。いくつかの例では、免疫療法はがん免疫療法である。
癌
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物または医薬製剤は、癌の処置に使用される。いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍である。いくつかの例では、癌は血液悪性腫瘍である。幾つかの例において、癌は再発性あるいは難治性の癌、または転移性癌である。いくつかの例では、固形腫瘍は、再発性あるいは難治性の固形腫瘍、あるいは転移性の固形腫瘍である。場合によっては、血液悪性腫瘍は、再発性あるいは難治性の血液系悪性腫瘍、あるいは転移性の血液悪性腫瘍である。
いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍である。例示的な固形腫瘍としては、限定されないが、肛門癌、虫垂癌、胆管癌(すなわち、肝内胆管癌)、膀胱癌、脳腫瘍、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、原発不明癌(CUP)、食道癌、眼癌、ファロピウス管癌、消化器癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、髄芽腫、黒色腫、口腔癌、卵巣癌、膵臓癌、副甲状腺疾患、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、直腸癌、皮膚癌、胃癌、睾丸癌、喉頭癌、甲状腺癌、子宮癌、膣癌、あるいは外陰癌が挙げられる。
いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、固形腫瘍の処置に使用される。いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、肛門癌、虫垂癌、胆管癌(すなわち、肝内胆管癌)、膀胱癌、脳腫瘍、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、原発不明癌(CUP)、食道癌、眼癌、ファロピウス管癌、消化器癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、髄芽腫、黒色腫、口腔癌、卵巣癌、膵臓癌、副甲状腺疾患、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、直腸癌、皮膚癌、胃癌、睾丸癌、喉頭癌、甲状腺癌、子宮癌、膣癌、あるいは外陰癌の処置に使用される。いくつかの例では、固形腫瘍は、再発性あるいは難治性の固形腫瘍、または転移性の固形腫瘍である。
いくつかの例では、癌は血液悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、白血病、リンパ腫、骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、あるいはホジキンリンパ腫である。幾つかの例において、血液悪性腫瘍は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ハイリスクのCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、多発性骨髄腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高度B細胞リンパ腫、原発性縦隔洞B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔洞(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、あるいはリンパ腫様肉芽腫症を含む。
いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、血液悪性腫瘍の処置に使用される。いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、白血病、リンパ腫、骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、またはホジキンリンパ腫の処置に使用される。幾つかの例において、血液悪性腫瘍は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ハイリスクのCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、多発性骨髄腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高度B細胞リンパ腫、原発性縦隔洞B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔洞(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、あるいはリンパ腫様肉芽腫症を含む。場合によっては、血液悪性腫瘍は、再発性あるいは難治性の血液系悪性腫瘍、あるいは転移性の血液悪性腫瘍である。
いくつかの例では、癌は、KRAS関連、EGFR関連、AR関連の癌、HPRT1関連癌あるいはβ-カテニン関連癌である。いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、KRAS関連、EGFR関連、AR関連の癌、HPRT1関連癌あるいはβ-カテニン関連癌の処置に使用される。いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、KRAS関連癌の処置に使用される。いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、EGFR関連癌の処置に使用される。いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、AR関連癌の処置に使用される。いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、HPRT1関連癌の処置に使用される。いくつかの例では、ポリ核酸分子およびポリマーに結合した結合部分を含む本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、β-カテニン関連癌の処置に使用される。いくつかの例では、癌は固形腫瘍である。いくつかの例では、癌は血液悪性腫瘍である。いくつかの例では、固形腫瘍は、再発性あるいは難治性の固形腫瘍、または転移性の固形腫瘍である。場合によっては、血液悪性腫瘍は、再発性あるいは難治性の血液系悪性腫瘍、または転移性の血液悪性腫瘍である。いくつかの例では、癌は、膀胱癌、乳癌、大腸癌、子宮内膜癌、食道癌、多形神経膠芽腫、頭頚部癌、腎癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、急性骨髄性白血病、CLL、DLBCL、あるいは多発性骨髄腫を含む。いくつかの例では、β-カテニン関連癌は、PIK3C関連癌および/またはMYC関連の癌をさらに含む。
免疫療法
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、疾患または疾病の処置のための免疫療法として使用される。いくつかの例では、免疫療法はがん免疫療法である。いくつかの例では、がん免疫療法は、能動的、受動的、あるいは組み合わせ(能動および受動)方法に分類される。能動がん免疫療法では、例えば、腫瘍関連抗原(TAA)が免疫系に提示され、これらのTAAを提示する癌細胞への攻撃を引き起こす。いくつかの例では、能動がん免疫療法は、腫瘍標的化および/または免疫標的化剤(例えば、モノクローナル抗体などのチェックポイント阻害剤)、および/または、ワクチン、例えば、インサイチュワクチン接種および/または細胞ベースあるいは非細胞ベース(例えば、樹状細胞ベース、腫瘍細胞ベース、抗原、抗イディオタイプ、DNA、あるいはベクターベース)のワクチンを含む。いくつかの例では、細胞ベースのワクチンは、患者自身の免疫系から得られ、その後、患者自身の癌によって活性化される、活性化免疫細胞を使用して生成されるワクチンである。いくつかの例では、能動がん免疫療法は、非特異的能動免疫療法および特異的能動免疫療法にさらに細分化される。いくつかの例では、非特異的能動免疫療法は、一般的な免疫系応答を誘発するために、サイトカインおよび/または他の細胞シグナル伝達成分を利用する。場合によっては、特異的能動免疫療法は、免疫応答を誘発するために特定のTAAを利用する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物または医薬製剤は、疾患あるいは疾病(例えば、癌)の処置のための能動がん免疫療法として使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物または医薬製剤は腫瘍標的化剤を含む。いくつかの例では、腫瘍標的化剤は結合部分Aによって包含される。他の例では、腫瘍標的化剤は、式(I)の分子と組み合わせて使用される追加の薬剤である。いくつかの例では、腫瘍標的化剤は、腫瘍指向性ポリペプチド(例えば、腫瘍指向性抗体)である。いくつかの例では、腫瘍標的化剤は、直接殺傷(例えば、シグナル伝達誘導性アポトーシス)、補体依存細胞毒性(CDC)、および/または抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)などのメカニズムにより、その抗腫瘍活性を発揮する腫瘍指向性抗体である。さらなる例では、腫瘍標的化剤は、抗腫瘍T細胞を誘導して、適応免疫反応を誘発する。
いくつかの実施形態において、結合部分Aは、腫瘍指向性ポリペプチド(例えば、腫瘍指向性抗体)である。いくつかの例では、結合部分Aは、直接殺傷(例えば、シグナル伝達誘導性アポトーシス)、補体依存細胞毒性(CDC)、および/または抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)などのメカニズムによりその抗腫瘍活性を発揮する腫瘍指向性抗体である。さらなる例では、結合部分Aは、抗腫瘍T細胞を誘導して、適応免疫反応を誘発する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物または医薬製剤は、免疫標的化剤を含む。いくつかの例では、免疫標的化剤は結合部分Aによって包含される。他の例では、免疫標的化剤は、式(I)の分子と組み合わせて使用される追加の薬剤である。いくつかの例では、免疫標的化剤は、サイトカイン、チェックポイント阻害剤、あるいはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、免疫標的化剤はチェックポイント阻害剤である。場合によっては、免疫チェックポイント分子は、CD4および/またはCD8T細胞の細胞表面上で提示される分子である。例示的な免疫チェックポイント分子としては、限定されないが、プログラム死-リガンド1(PD-L1、さらにB7-H1、CD274として知られる)、プログラム死1(PD-1)、CTLA-4、B7H1、B7H4、OX-40、CD137、CD40、2B4、IDO1、IDO2、VISTA、CD27、CD28、PD-L2(B7-DC、CD273)、LAG3、CD80、CD86、PDL2、B7H3、HVEM、BTLA、KIR、GAL9、TIM3、A2aR、MARCO(コラーゲン構造を有するマクロファージ受容体)、PS(ホスファチジルセリン)、ICOS(誘発性T細胞補助刺激分子)、HAVCR2、CD276、VTCN1、CD70、およびCD160が挙げられる。
いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイント分子の活性を調節あるいは阻害する任意の分子を指す。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗体、抗体誘導体(例えば、FAbフラグメント、scFvs、ミニボディ(minobodies)、ダイアボディ、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、アプタマー、あるいはペプチドを含む。いくつかの実施形態では 免疫チェックポイント阻害剤が、プログラム死-リガンド1(PD-L、さらにB7-H1、CD274として知られる)、プログラム死1(PD-1)、CTLA-4、PD-L2(B7-DC、CD273)、LAG3、TIM3、2B4、A2aR、B7H1、B7H3、B7H4、BTLA、CD2、CD27、CD28、CD30、CD40、CD70、CD80、CD86、CD137、CD160、 CD226、CD276、DR3、GAL9、GITR、HAVCR2、HVEM、IDO1、IDO2、ICOS(誘発性T細胞補助刺激分子)、KIR、LAIR1、LIGHT、MARCO(コラーゲン構造を有するマクロファージ受容体)、PS(ホスファチジルセリン)、OX-40、SLAM、TIGHT、VISTA、VTCN1、またはそれらの任意の組み合わせの阻害剤である。
いくつかの実施形態において、例示的なチェックポイント阻害剤は以下ものを含む:
PD-L1阻害剤、例えば、GenentechのMPDL3280A(RG7446)、BioXcellの抗マウスPD-L1抗体クローン10F.9G2(Cat# BE0101)、Bristol-Myers Squibbの抗-PD-L1モノクローナル抗体MDX-1105(BMS-936559)およびBMS-935559、MSB0010718C、マウス抗-PD-L1クローン29E.2A3およびAstraZenecaのMEDI4736;
PD-L2阻害剤、例えば、GlaxoSmithKlineのAMP-224(Amplimmune)、およびrHIgM12B7;
PD-1阻害剤、例えば、BioXcellの抗マウスPD-1抗体クローンJ43(Cat# BE0033-2)、BioXcellの抗マウスPD-1抗体クローンRMP1-14(Cat# BE0146)、マウス抗-PD-1抗体クローンEH12、MerckのMK-3475抗マウスPD-1抗体(キイトルーダ、ペンブロリズマブ、ランブロリズマブ)、ANB011として知られるAnaptysBioの抗-PD-1抗体、抗体MDX-1 106(ONO-4538)、Bristol-Myers SquibbのヒトIgG4モノクローナル抗体ニボルマブ(Opdivo(登録商標)、BMS-936558、MDX1106、AstraZenecaのAMP-514およびAMP-224、ならびにCureTech Ltdのピディリズマブ(CT-011);
CTLA-4阻害剤、例えば、Bristol Meyers Squibbの抗-CTLA-4抗体イピリムマブ(Yervoy(登録商標)、MDX-010、BMS-734016およびMDX-101としても知られる)、抗CTLA4抗体、Milliporeのクローン9H10、Pfizerのトレメリムマブ(CP-675,206、チシリムマブ)、ならびにAbcamの抗CTLA4抗体クローンBNI3;
LAG3阻害剤、例えば、eBioscienceの抗-Lag-3抗体クローンeBioC9B7W(C9B7W)、LifeSpan Biosciencesの抗-Lag3抗体LS-B2237、ImmutepのIMP321(ImmuFact)、抗-Lag3抗体BMS-986016およびLAG-3キメラ抗体A9H12;
B7-H3阻害剤、例えば、MGA271;
KIR阻害剤、例えば、Lirilumab(IPH2101);
CD137(41BB)阻害剤、例えば、ウレルマブ(urelumab)(BMS-663513Bristol-Myers Squibb)、PF-05082566(抗4-1BB、PF-2566、Pfizer)、またはXmAb-5592(Xencor);
PS阻害剤、例えば、Bavituximab;
ならびに、阻害剤、例えば、抗体あるいはその断片(例えば、モノクローナル抗体、ヒト、ヒト化あるいはキメラ抗体)、RNAi分子、またはTIM3、CD52、CD30、CD20、CD33、CD27、OX40(CD134)、GITR、イコサ、BTLA(CD272)、CD160、2B4、LAIR1、TIGHT、LIGHT、DR3、CD226、CD2、あるいはSLAMに対する小分子。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤を含む結合部分Aは、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。いくつかの例では、結合部分Aは、免疫チェックポイント阻害剤を含む二重特異性抗体あるいはその結合フラグメントである。いくつかの例では、プログラム死-リガンド1(PD-L1、さらにB7-H1、CD274として知られる)、プログラム死1(PD-1)、CTLA-4、PD-L2(B7-DC、CD273)、LAG3、TIM3、2B4、A2aR、B7H1、B7H3、B7H4、BTLA、CD2、CD27、CD28、CD30、CD40、CD70、CD80、CD86、CD137、CD160、CD226、CD276、DR3、GAL9、GITR、HAVCR2、HVEM、IDO1、IDO2、ICOS(誘発性T細胞補助刺激分子)、KIR、LAIR1、LIGHT、MARCO(コラーゲン構造を有するマクロファージ受容体)、PS(ホスファチジルセリン)、OX-40、SLAM、TIGHT、VISTA、VTCN1、またはそれらの任意の組み合わせの阻害剤を含む結合部分Aは、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせた式(I)の分子は、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤は、プログラム死-リガンド1(PD-L1、さらにB7-H1、CD274として知られる)、プログラム死1(PD-1)、CTLA-4、PD-L2(B7-DC、CD273)、LAG3、TIM3、2B4、A2aR、B7H1、B7H3、B7H4、BTLA、CD2、CD27、CD28、CD30、CD40、CD70、CD80、CD86、CD137、CD160、CD226、CD276、DR3、GAL9、GITR、HAVCR2、HVEM、IDO1、IDO2、ICOS(誘発性T細胞補助刺激分子)、KIR、LAIR1、LIGHT、MARCO(コラーゲン構造を有するマクロファージ受容体)、PS(ホスファチジルセリン)、OX-40、SLAM、TIGHT、VISTA、VTCN1、またはそれらの任意の組み合わせの阻害剤を含む。場合によっては、式(I)の分子は、疾患または疾病(例えば、癌)の処置のために、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ (pemrolizumab)、ピディリズマブ、MPDL3280A、MEDI4736、MSB0010718C、MK-3475、あるいはBMS-936559と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態において、免疫標的化剤はサイトカインである。場合によっては、サイトカインが、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、および腫瘍壊死因子へと、さらに小群に分けられる。いくつかの実施形態において、ケモカインは、細胞の遊走を導く化学誘引剤としての役割を果たし、4つのサブファミリー:CXC、CC、CX3C、およびXCに分類される。例示的なケモカインは、CCサブファミリー:CCL1、CCL2(MCP-1)、CCL3、CCL4、CCL5(RANTES)、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9(あるいはCCL10)、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、およびCCL28;CXCサブファミリー:CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16とCXCL17;XCサブファミリー:XCL1およびXCL2;ならびにCX3CサブファミリーCX3CL1のケモカインを含む。
インターフェロン(IFN)は、I型インターフェロン(例えば、IFN-α、IFN-β、IFN-ε、IFN-κ、およびIFN-ω)、II型インターフェロン(例えばIFN-γ)、ならびにIII型インターフェロンを含む。いくつかの実施形態において、IFN-αは、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17、およびIFNA21を含む、約13のサブタイプにさらに分類される。
インターロイキンは、白血球または白血球細胞によって発現され、TおよびBリンパ球および造血細胞の発生および分化を促進する。例示的なインターロイキンは、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8(CXCL8)、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL14、IL15、IL-16、IL-17、IL-18、IL-19、IL-20、IL-21、IL-22、IL-23、IL-24、IL-25、IL-26、IL-27、IL-28、IL-29、IL-30、IL-31、IL-32、IL-33、IL-35、およびIL-36を含む。
腫瘍壊死因子(TNF)はアポトーシスを調節するサイトカインの群である。いくつかの例では、TNFファミリー内に約19のメンバーがあり、制限されないが、TNFα、リンフォトキシン-α(LT-α)およびリンフォトキシン-β(LT-β)T細胞抗原 gp39(CD40L)、CD27L、CD30L、FASL、4-1BBL、OX40L、および腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)を含む。
いくつかの実施形態において、サイトカインと組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。場合によっては、ケモカインと組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。場合によっては、インターフェロンと組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。場合によっては、インターロイキンと組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。場合によっては、腫瘍壊死因子と組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば癌)の処置に使用される。いくつかの例では、IL-1β、IL-2、IL-7、IL-8、IL15、MCP-1(CCL2)、MIP-1α、RANTES、MCP-3、MIP5、CCL19、CCL21、CXCL2、CXCL9、CXCL10、あるいはCXCL11と組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物または医薬製剤はワクチンを含む。いくつかの例では、ワクチンはインサイチュのワクチン接種である。いくつかの例では、ワクチンは細胞ベースのワクチンである。いくつかの例では、ワクチンは非細胞ベースのワクチンである。いくつかの例では、樹状細胞ベースのワクチンと組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。いくつかの例では、腫瘍細胞ベースのワクチンと組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。いくつかの例では、抗原ワクチンと組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。いくつかの例では、抗イディオタイプワクチンと組み合わせた式(I)の分子は、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。いくつかの例では、DNAワクチンと組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。いくつかの例では、ベクターベースのワクチンと組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物または医薬製剤は、疾患あるいは疾病(例えば、癌)の処置のための受動がん免疫療法として使用される。いくつかの例では、受動方法は、適応免疫系成分、例えば、T細胞(ナチュラルキラー(NK)T細胞)、および/または外因的に生成されたキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を利用して癌細胞を攻撃する。
いくつかの実施形態において、T細胞ベースの治療剤と組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。場合によっては、T細胞ベースの治療剤は、上に記載されるCD細胞表面マーカーの1つ以上を認識する活性化T細胞剤である。いくつかの例では、T細胞ベースの治療剤は、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD27、CD28、CD80、CD134、CD137、CD152、CD154、CD160、CD200R、CD223、CD226、CD244、CD258、CD267、CD272、CD274、CD278、CD279、あるいはCD357の1つ以上を認識する活性化T細胞剤を含む。いくつかの例では、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD27、CD28、CD80、CD134、CD137、CD152、CD154、CD160、CD200R、CD223、CD226、CD244、CD258、CD267、CD272、CD274、CD278、CD279、あるいはCD357の1つ以上を認識する活性化T細胞剤と組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。
いくつかの実施形態において、ナチュラルキラー(NK)のT細胞ベースの治療剤と組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。いくつかの例では、NKベースの治療剤は、上に記載されるCD細胞表面マーカーの1つ以上を認識する活性化NK剤である。場合によっては、NKベースの治療剤が、CD2、CD11a、CD11b、CD16、CD56、CD58、Cd62L、CD85j、CD158a/b、CD158c、CD158e/f/k、CD158h/j、CD159a、CD162、CD226、CD314、CD335、CD337、CD244、あるいはCD319の1つ以上を認識する活性化NK剤である。いくつかの例では、CD2、CD11a、CD11b、CD16、CD56、CD58、Cd62L、CD85j、CD158a/b、CD158c、CD158e/f/k、CD158h/j、CD159a、CD162、CD226、CD314、CD335、CD337、CD244、あるいはCD319の1つ以上を認識する活性化NK剤と組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。
いくつかの実施形態において、CAR-T細胞ベースの治療剤と組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。
いくつかの実施形態において、エンドソーム膜を不安定にする(あるいは、エンドソーム-リソソームの膜輸送を妨害する)追加の薬剤と組み合わせた式(I)の分子が、疾患または疾病(例えば、癌)の処置に使用される。いくつかの実施形態において、追加の薬剤は有糸分裂阻害剤を含む。例示的な有糸分裂阻害剤としては、限定されないが、パクリタキセルおよびドセタキセルなどのタキサン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンなどのビンカアルカロイド;カバジタキセル;コルヒチン;エリブリン;エストラムスチン;エトポシド;イキサベピロン;ポドフィロトキシン;テニポシド;あるいは、グリセオフルビンが挙げられる。いくつかの例では、追加の薬剤は、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビノレルビン、カバジタキセル、コルヒチン、エリブリン、エストラムスチン、エトポシド、イクサベピロン、ポドフィロトキシン、テニポシド、あるいはグリセオフルビンを含む。いくつかの例では、追加の薬剤はタキソールを含む。いくつかの例では、追加の薬剤はパクリタキセルを含む。いくつかの例では、追加の薬剤はエトポシドを含む。他の例では、追加の薬剤はビタミンK3を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物あるいは医薬製剤は、疾患または疾病(例えば、癌)の処置における組み合わせ方法(能動および受動の両方の方法を含む)として使用される。
医薬製剤
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬製剤は、限定されないが、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、経口、鼻腔内、頬側、直腸、または経皮の投与経路を含む、複数の投与経路によって被験体に投与される。幾つかの例において、本明細書に記載される医薬組成物は、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)投与のために製剤化される。他の例において、本明細書に記載される医薬組成物は、経口投与のために製剤化される。また他の例において、本明細書に記載される医薬組成物は、経鼻投与のために製剤化される。
いくつかの実施形態において、医薬組成物としては、限定されないが、水性分散液、自己乳化分散液、固溶体、リポソーム分散液、エアロゾル、固形剤形、粉末、即時放性製剤、制御放出製剤、速溶製剤、錠剤、カプセル、丸剤、遅延放出製剤、拡張放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤(例えば、ナノ粒子製剤)、および、即時放出と制御放出の混合製剤が挙げられる。
いくつかの例では、医薬製剤は多粒子製剤を含む。いくつかの例では、医薬製剤はナノ粒子製剤を含む。いくつかの例では、ナノ粒子は、cMAP、シクロデキストリン、あるいは脂質を含む。場合によっては、ナノ粒子は、固体脂質ナノ粒子、ポリマーナノ粒子、自己乳化ナノ粒子、リポソーム、マイクロエマルジョン、あるいはミセル溶液を含む。さらなる例示的なナノ粒子は、限定されないが、常磁性ナノ粒子、超常磁性ナノ粒子、金属ナノ粒子、フラーレン様材料、無機ナノチューブ、デンドリマー(共有結合した金属キレートを有するものなど)、ナノファイバー、ナノホーン、ナノオニオン、ナノロッド、ナノロープ、および量子ドットを含む。いくつかの例では、ナノ粒子は、金属ナノ粒子、例えば、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、ガドリニウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛、ビスマス、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ホウ素、シリコン、リン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、およびこれらの組み合わせ、その合金またはオキシドのナノ粒子である。
いくつかの例では、ナノ粒子は、コア、あるいは、コアシェルナノ粒子のようなコアとシェルを含む。
いくつかの例では、ナノ粒子は、機能要素の結合のために分子(例えば、本明細書に記載されたポリ核酸分子または結合部分の1つ以上)でさらにコーティングされる。いくつかの例では、コーティングは、硫酸コンドロイチン、硫酸デキストラン、カルボキシメチルデキストラン、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、フコイダン、アガロペクチン、ポルフィラン、カラヤゴム、ジェランゴム、キサンタンゴム、ヒアルロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、キチン(あるいはキトサン)、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、リゾチーム、チトクロムC、リボヌクレアーゼ、トリプシノゲン、キモトリプシノーゲン、α-キモトリプシン、ポリリシン、ポリアルギニン、ヒストン、プロタミン、オバルブミン、デキストリン、あるいはシクロデキストリンを含む。いくつかの例では、ナノ粒子は、グラフェンでコーティングされたナノ粒子を含む。
場合によっては、ナノ粒子は、約500nm、400nm、300nm、200nm、あるいは100nm未満の少なくとも1つの寸法を有する。
いくつかの例では、ナノ粒子製剤は、常磁性ナノ粒子、超常磁性ナノ粒子、金属ナノ粒子、フラーレン様材料、無機ナノチューブ、デンドリマー(共有結合した金属キレートを有するものなど)、ナノファイバー、ナノホーン、ナノオニオン、ナノロッド、ナノロープ、または量子ドットを含む。いくつかの例では、本明細書に記載されるポリ核酸分子あるいは結合部分は、ナノ粒子に直接的あるいは間接的に結合する。いくつかの例では、本明細書に記載される少なくとも1、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、あるいは100以上のポリ核酸分子あるいは結合部分は、ナノ粒子に直接的あるいは間接的に結合する。
いくつかの実施形態では、医薬製剤は、本明細書に開示される組成物との互換性および所望の剤形の放出プロファイル特質に基づいて選択される、担体またはキャリア材料を含む。模範的な担体材料としては、例えば、結合剤、懸濁剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、加湿剤、希釈剤などが挙げられる。薬学的に適合可能な担体材料は、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コレステロール、コレステロールエステル、カゼイン酸ナトリウム、大豆レシチン、タウロコール酸、ホスファチジルコリン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、セルロースおよびセルロース抱合体、糖ステアロイル乳酸ナトリウム(sugars sodium stearoyl lactylate)、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、α化デンプンなどを含むが、これらに限定されない。例えば、 Remington:The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed(Easton,Pa.: Mack Publishing Company, 1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York,N.Y.,1980;および、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)を参照。
いくつかの例では、医薬製剤は、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、および、塩酸などの酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、およびトリスヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基、ならびに、クエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウム、および塩化アンモニウムなどの緩衝剤を含むpH調節剤または緩衝剤をさらに含む。このような酸、塩基、および緩衝液は、組成物のpHを許容可能な範囲で維持するのに必要な量で含まれる。
いくつかの例では、医薬製剤は、組成物の浸透圧を許容可能な範囲にするのに必要な量の1つ以上の塩を含む。こうした塩は、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムのカチオン、ならびに塩化物、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、または重亜硫酸塩のアニオンを含み、適切な塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、および、硫酸アンモニウムを含む。
いくつかの例では、希釈液がより安定した環境を提供することができることから、医薬製剤は、化合物を安定化させるために使用される希釈液をさらに含む。緩衝液(pHの制御または維持をもたらし得る)中に溶解した塩は、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩溶液を含む当該技術分野の希釈剤として利用される。ある例では、希釈液は、組成物の容積を増大させて、圧縮を促進するか、あるいはカプセル剤充填のための均質ブレンドに十分な容積を作り出す。そのような化合物は、例えば、ラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、Avicel(登録商標)などの微結晶性セルロース;リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム二水和物;リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム;無水乳糖、噴霧乾燥したラクトース;α化デンプン、Di-Pac(登録商標)(Amstar)などの圧縮可能な糖;マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース・アセタート・ステアラート、スクロース系の希釈剤、粉砂糖;一塩基の硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物;乳酸カルシウム三水和物、デキストラート(dextrates);加水分解したシリアル固形物、アミロース;粉末セルロース、炭酸カルシウム;グリシン、カオリン;マンニトール、塩化ナトリウム;イノシトール、ベントナイトなどを含むことができる。
場合によっては、医薬製剤は、物質の分解または崩壊を促進する崩壊剤(disintegration agents or disintegrants)を含む。用語「分解する」は、胃腸液と接触した際の剤形の溶解と分散の両方を含む。崩壊剤の例は、デンプン、例えば天然のデンプン、例えばトウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプン、α化デンプン、例えばNational 1551またはAmijel(登録商標)、またはナトリウムデンプングリコラート、例えばPromogel(登録商標)またはExplotab(登録商標)、セルロース、例えば木製品、メチル結晶セルロース、例えばAvicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Min Tia(登録商標)、およびSolka-Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標))などの架橋セルロース、架橋カルボキシメチルセルロース、または架橋クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドンなどの架橋ポリマー、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸などのアルギン酸塩またはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸の塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)などの粘土、ゴム(寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、またはトラガカントなど)、ナトリウムデンプングリコラート、ベントナイト、天然のスポンジ、界面活性剤、陽イオン交換樹脂などの樹脂、柑橘類のパルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンを組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなど、を含む。
いくつかの例では、医薬製剤は、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストラート、デキストラン、デンプン、α化デンプン、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどの充填剤を含む。
潤滑剤と滑剤も、材料の癒着あるいは摩擦を防ぐか、減少させるか、あるいは阻害するために、本明細書に記載される医薬製剤に随意に含まれる。例示的な潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、ステアリルフマル酸ナトリウム、鉱油などの炭化水素、または水素化大豆油(Sterotex(登録商標))などの水素化植物油、高級脂肪酸およびそれらのアルカリ金属ならびにアルミニウムなどのアルカリ土類金属塩、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール、タルク、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール(例えば、PEG-4000)またはCarbowax(商標)などのメトキシポリエチレングリコール、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、マグネシウムまたはラウリル硫酸ナトリウム、Syloid(商標)、キャブ-O-Sil(登録商標)などのコロイダル-シリカ、トウモロコシデンプンなどのデンプン、シリコーン油、サーファクタントなどが挙げられる。
可塑剤は、マイクロカプセル化材料またはフィルムコーティングを軟化することでそれらの脆性を抑えるために使用される化合物を含む。適切な可塑剤は、例えば、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、およびPEG800などのポリエチレングリコール、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、トリエチルセルロース、トリアセチンを含む。可塑剤は、分散剤または湿潤剤としてさらに機能し得る。
可溶化剤は、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、ビタミンE TPGS、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、n-ブタノール、イソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁塩、ポリエチレングリコール200-600、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドなどの化合物を含む。
安定化剤は、任意の抗酸化剤、緩衝剤、酸、防腐剤などの混合物を含む。
懸濁化剤は、例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30などのポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S630)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは約300~約6000、約3350~約4000、または約7000~約5400の分子量を有する)、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース酢酸ステアリン酸、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、例えばトラガカントゴムおよびアラビアゴムなどのゴム、グアーゴム、キサンタンガムを含むキサンタン、糖類、例えばカルボキシルメチルセルロースナトリウムなどのセルロース化合物、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシポリエトキシ化ソルビタンモノラウラート、ヒドロキシポリエトキシ化ソルビタンモノラウラート、ポビドンなどの化合物を含む。
サーファクタントは、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクセートナトリウム、またはTween 60または80、トリアセチン、ビタミンE TPGS、ソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(polyoxyethylene sorbitan monooleate)、ポリソルベート、ポロクサマー(polaxomers)、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリン、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー(例えば、Pluronic(登録商標))(BASF)などの化合物を含む。付加的な界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油(例えば、ポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油);および、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40などを含む。しばしば、界面活性剤は、物理的安定性を高めるために、または他の目的のために含まれる。
粘度増強剤は、例えば、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、アカシア、キトサン、およびこれらの組み合わせを含む。
湿潤剤は、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ドクサートナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュセートナトリウム、トリアセチン、Tween80、ビタミンE TPGS、アンモニウム塩などの化合物を含む。
治療レジメン
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は治療用途のために投与される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1日に一回、1日に2回、1日に3回、またはそれ以上投与される。医薬組成物は、毎日、1日おき、週5日、週1日、1週おき、月2週間、月3週間、月1回、月2回、月3回、またはそれ以上投与される。医薬組成物は、少なくとも1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、18か月、2年、3年、またはそれ以上の間投与される。
いくつかの実施形態では、1以上の医薬組成物は、同時に、連続して、またはある時間間隔で投与される。いくつかの実施形態では、1以上の医薬組成物は同時に投与される。場合によっては、1つ以上の医薬組成物は連続して投与される。さらなる場合には、1以上の医薬組成物は、ある時間間隔で投与される(例えば、第1の医薬組成物の第1の投与は1日目であり、その後、少なくとも第2の医薬組成物の投与前に少なくとも1、2、3、4、5日またはそれ以上の間隔を空ける)。
いくつかの実施形態において、2つ以上の様々な医薬組成物は同時投与される。いくつかの例では、2以上の異なる医薬組成物が同時に投与される。場合によっては、2つ以上の異なる医薬組成物が、投与間の間隔なしに連続して同時投与される。他の場合には、2つ以上の異なる医薬組成物は、投与間に約0.5時間、1時間、2時間、3時間、12時間、1日、2日の間隔をおいて連続して投与される。
患者の状態が改善する場合、医者の裁量により組成物の投与が継続的に行われ;代替的に、投与されている組成物の用量は、一時的に減少されるか、または特定の期間一時的に中断される(つまり、「休薬期間」)。いくつかの例では、休薬期間の長さは、ほんの一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、または365日を含む、2日~1年の間で変わる。休薬日中の投与量の減少は、ほんの一例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、あるいは100%を含む、10%~100%である。
いったん患者の状態が改善すると、必要に応じて維持量が投与される。その後、投与量または投与頻度、あるいはその両方は、症状に応じて、改善された疾患、疾病、または病気が保持されるレベルにまで随意に減少可能である。
いくつかの実施形態では、そのような量に相当する所定の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の重症度、処置を必要としている被験体または宿主の性質(例えば、体重)などの要因に左右されるが、それにもかかわらず、例えば、投与されている特定の薬剤、投与経路、および処置されている被験体または宿主を含む、症例を取り巻く特定の環境に従って、当該技術分野で既知の方法で日常的に判定される。いくつかの例では、所望の投与量は一回量で、あるいは、例えば、1日当たり2、3、あるいは4以上の下位用量として、同時に(または短時間にわたって)あるいは適切なインターバルを置いて投与された分割量として都合よく提示される。
個々の処置レジメンに関する変数の数が大きいため、前述の範囲は単なる示唆的なものに過ぎず、これらの推奨値からかなり逸脱することは珍しいことではない。そのような投与量は、限定されないが、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与の様式、個々の被験体の必要条件、処置されている疾患または疾病の重症度、および医師の判断を含む、多くの変数に依存して変更される。
いくつかの実施形態では、こうした治療レジメンの毒性と治療の有効性は、限定されないが、LD50(集団の50%までの致死投与量)と、ED50(集団の50%に治療上有効な投与量)の決定を含む、細胞培養または実験動物における標準的な製薬手順によって決定される。毒性と治療効果との間の用量比が治療指数であり、これは、LD50とED50との間の比率として表される。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイと動物研究から得られたデータは、ヒトで使用される一連の投与量を製剤するのに使用される。こうした化合物の投与量は、最小限の毒性を備えるED50を含む一連の循環濃度内に位置するのが好ましい。投与量は、使用される剤形と利用される投与経路に応じて、この範囲内で変わる。
キット/製品
ある実施形態において、本明細書に記載される1つ以上の組成物および方法とともに使用されるキットおよび製品が本明細書で開示される。このようなキットは、バイアル、チューブなどの1つ以上の容器を収容するために仕切られた運搬装置、包装または容器を含み、各容器は、本明細書中に記載されている方法を使用するための別個の要素の1つを備える。適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管を含む。一実施形態において、容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成される。
本明細書で提供される製品は包装材料を含む。製薬用包装材料の例としては、限定されないが、ブリスターパック、瓶、チューブ、バッグ、容器、瓶、および選択された製剤と意図した投与および処置のモードに適する任意の包装材料が挙げられる。
例えば、容器は、本明細書に開示されるエンドソーム溶解性部分Dに随意に結合する、式(I):A-X-B-Y-Cの分子を含む。そのようなキットは、識別用の記載またはラベル、あるいは本明細書に記載される方法における使用に関する説明書を随意に含む。
キットは典型的には、内容物および/または使用説明書を列挙するラベルと、使用説明書を備えた添付文書とを含んでいる。1セットの説明書も典型的に含まれる。
一実施形態において、ラベルが容器上にあるか容器に付随する。一実施形態において、ラベルを形成する文字、数字、または他の表示が、容器自体に貼り付けられるか、成形されるか、あるいは刻まれている場合は、ラベルは容器上に取付けられる。ラベルは、例えば、添付文書として容器を保持するレセプタクルまたは運搬装置内に存在するとき、容器に付随する。一実施形態において、ラベルは、内容物が特定の治療用途に用いられるべきものであるということを示すために使用される。ラベルは、例えば、本明細書に記載の方法で、内容物の使用方法も示している。
ある実施形態では、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物を含む1以上の単位剤形を含有するパックまたはディスペンサーデバイスで提示される。例えば、パックは、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックホイルを含む。一実施形態において、パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための説明書が添付してある。一実施形態において、パックまたはディスペンサーには、医薬品の製造、使用または販売を制御する政府機関によって規定された形態の容器に付属の通知書が添付してあり、この通知書は、ヒトまたは動物の投与のための薬物の形態についての、政府機関の承認を反映するものである。このような通知書は、例えば、処方薬または承認された添付文書に関して、米国食品医薬品局により承認されたラベルである。一実施形態において、適合する製薬担体で製剤化される本明細書で提供される化合物を含む組成物も調製され、適切な容器に入れられ、示された疾病の処置のためにラベル付けされる。
特定の用語
別段の定めのない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はすべて、主題が属する当該技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。前述の一般的な記載および以下の詳細な記載が典型的かつ説明的なものに過ぎず、いかなる本願の主題を限定するものではないことが理解されよう。本出願では、単数の使用は、特別に別記しない限り複数を含む。明細書および添付の請求項内で用いられる場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、その文脈が明確に他のことを定めていない限り、複数の指示対象を含む。本出願において、「または」の使用は特に明記しない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、限定的なものではない。
本明細書で使用される場合、範囲および量は、「約」特定の値または範囲として表現可能である。「約」は正確な量も含んでいる。したがって、「約5μL」は、「約5μL」と「5μL」も意味する。一般に、用語「約」は、実験誤差内にあると予想される量を含んでいる。
本明細書に使用される段落の見出しは、組織化するためのものに過ぎず、記載される主題を制限するものと解釈されてはならない。
本明細書で使用される場合、用語「個体」、「被験体」、および「患者」は、任意の哺乳動物を意味する。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物は非ヒトである。いかなる用語も、保健従事者(例えば、医者、正看護師、臨床看護師、医師助手、看護助手、あるいはホスピスの職員)の監督(例えば、常時または断続的)を特徴とする状況に制限されない。
これらの実施例は説明目的のみのために提供され、請求項の範囲を制限するものではない。
化学合成の実施例
実施例1.化合物1-3、および5-8の調製
あるいは以下の通りである:
化合物2、3、および5-8を実施例1で例示される手順に従って調製した。
実施例2:化合物4の調製
あるいは以下の通りである::
実施例3:化合物9の調製
あるいは以下の通りである:
実施例4:化合物10の調製
あるいは以下の通りである:
実施例5.化合物11の調製
あるいは以下の通りである:
実施例6.化合物12の調製
あるいは以下の通りである:
実施例7.化合物14の調製
あるいは以下の通りである:
実施例8:化合物15の調製
実施例9.化合物16の調製
実施例10.化合物17の調製
実施例11.化合物18の調製
実施例12.化合物19の調製
実施例13.化合物20の調製
実施例14.化合物21の調製
実施例15.化合物22の調製
実施例16.化合物23の調製
実施例17.化合物24の調製
実施例18.化合物25の調製
実施例19.化合物26の調製
化合物26の調製のための合成手順
化合物26-2
Py(3500mL)中の化合物の26-1(500g、2.05mol、1.00eq)の溶液に、DMTrCl(763g、2.25mol、1.10eq)を加えた。混合物を25°Cで2時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1、化合物26-2:Rf=0.60)は、化合物26-1が完全に消費されたことを示した。反応混合物をDCM(5.000L)で希釈し、NaHCO3(2.00Lx2)で洗浄した。組み合わせた有機質層を、ブライン(2.00L)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル/TEA=50/1/0.5%~0/1/0.5%)によって精製した。白色固形物として化合物26-2(700g、56.3%の収率、90.0%の純度)を得た。1H NMR:400 MHz, DMSO-d6 δ ppm 11.35 (s, 1 H), 7.72 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.36-7.41 (m, 2H), 7.32 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.20-7.28 (m, 5H), 6.90 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 5.48 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.09 (q, J = 5.4 Hz, 2H), 3.92-3.99 (m, 1H), 3.70-3.78 (m, 6H), 3.18-3.30 (m, 2H).
化合物26-3
ジオキサン(2500mL)中の化合物26-2(250g、457mmol、1.00eq)溶液に、飽和NaIO4(103g、484mmol、4.85mL、1.06eq)溶液を加えた。混合物を25°Cで2時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1、化合物26-3:Rf=0.49)は、化合物26-2が完全に消費されたことを示した。反応混合物を濾過した。無色の油として粗製生成物化合物26-3(250g)を得て、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
化合物26-4
ジオキサン(3000mL)中の化合物26-3(250g、459mmol、1.00eq)の溶液に、NaBH4(17.3g、459mmol、1.00eq)を加えた。混合物を25°Cで0.3時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1、化合物26-4:Rf=0.41)は、化合物26-3が完全に消費されたことを示した。アセトンを用いて反応混合物をクエンチし、20%の酢酸で中和し、濃縮して、減圧下で残留物を得た。残留物をDCM(2.00L)で希釈し、H2O(2.00L)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、残留物を得た。生成物を、さらに精製することなく次の工程で使用した。無色の油として化合物26-4(250g)を得た。1H NMR:400 MHz, DMSO-d6 δ ppm 11.35 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.28-7.33 (m, 4H), 7.17-7.21 (m, 5H), 6.86 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 5.83 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.13 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.75 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 3.76 (s, 6H), 3.68-3.73 (m, 1H), 3.60-3.64 (m, 2H), 3.42 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 2.96-3.02 (m, 2H)
化合物26-5
トルエン(2500mL)中の化合物26-4(50.0g、91.1mmol、1.00eq)の溶液に、べンゾイルベンゾエート(30.9g、136mmol、25.7mL、1.50eq)およびlipozyme TL IM(30.0g、29.2mmol)を25°Cで加えた。混合物を40°Cで4時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=20/1、化合物26-5:Rf=0.58)は、化合物26-4が完全に消費されたことを示した。反応混合物を濾過し、メタノール(250mL)の添加によってクエンチし、減圧下で濃縮することで、残留物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル/TEA=10/1/0.5%~1/2/0.5%)により精製した。白色固形物として化合物26-5(37.5g、63.0%の収率)を得た。
化合物26-6
Py(1700mL)中の化合物26-5(340g、520mmol、1.00eq)の溶液に、TBSCl(157g、1.04mol、127mL、2.00eq)を25°C以下で加えた。混合物を25°Cで19時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=20/1、化合物26-6:Rf=0.37)は、化合物26-5が完全に消費されたことを示した。水(340mL)を反応混合物に加えた。ヌクレオシドを含有する結果として生じる混合物を、MeOH(1.00L)に溶解し、その後、0°CでMeOH(1.00L、pH=10)中のNaOHを滴下で加え、次に、0°Cで2.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。飽和水性NH4Cl(1.00L)を混合物に加え、10分間撹拌した。水(1.00L)を加えて、混合物をDCM(1.00L)で抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮することで残留物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル/TEA=10/1/0.5%~0/1/0.5%)により精製した。白色固形物として化合物26-6(250g、339mmol、65.2%の収率、90.0%の純度)を得た。1H NMR:400 MHz, DMSO-d6 δ ppm 11.35 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.24-7.33 (m, 4H), 7.14-7.22 (m, 5H), 6.82-6.88 (m, 4H), 5.83 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 5.47-5.57 (m, 1H), 5.11 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 3.72 (d, J = 0.8 Hz, 6H), 3.57-3.67 (m, 4H), 3.46-3.55 (m, 1H), 2.94-3.00 (m, 2H), 0.72-0.78 (m, 9H), -0.04 (d, J = 8.2 Hz, 5H)
化合物26-7
DMF(500mL)中の化合物26-6(50.0g、75.4mmol、1.00eq)の溶液に、NaH(9.96g、248.mmol、1.81uL、60%の純度、3.30eq)を-20°Cで加え、-20°Cで0.5時間撹拌した。その後、アルコキシブロミド(15.7g、113.mmol、10.6mL、1.50eq)を反応物に加えた。混合物を0°Cで1.5時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/2、化合物7:Rf=0.43)は、化合物26-6が完全に消費されたことを示した。反応混合物を25°CのNH4Cl(1.00Lx2)の添加によってクエンチし、その後、酢酸エチル(500mL)で希釈し、水(500mL)で洗浄した。組み合わせた有機質層を、ブライン(500mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル/TEA=10/1/0.5%~0/1/0.5%)により精製した。無色の油として、化合物26-7(34.0g、47.1mmol、62.5%の収率)を得た。1H NMR:400 MHz DMSO-d6 δ ppm 11.40 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.24-7.33 (m, 5H), 7.14-7.22 (m, 5H), 6.81-6.88 (m, 4H), 5.96-6.02 (m, 1H), 5.55 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 3.73 (d, J = 0.8 Hz, 6H), 3.70 (dd, J = 6.0., 2.2 Hz, 2H), 3.62-3.66 (m, 2H), 3.53-3.57 (m, 2H), 3.50-3.53 (m, 1H), 3.38-3.42 (m, 2H), 3.20-3.22 (m, 3H), 2.94-3.00 (m, 2H), 0.72-0.82 (m, 9H), -0.04 (d, J = 7.4 Hz, 5H)
化合物26-8
DCM(468mL)中の化合物26-7(46.8g、64.9mmol、1.00eq)の溶液に、TFA(43.1g、378mmol、28.0mL、5.83eq)およびEt3SiH(15.1g、129mmol、20.7mL、2.00eq)を加えた。混合物を25°Cで1時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=0/1、化合物26-8:Rf=0.43)は、化合物26-7が完全に消費されたことを示した。反応混合物をDCM(500mL)で希釈し、H2O(500mL)で洗浄した。組み合わせた有機質層を、NaHCO3(1500mLx3)およびブライン(500mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~0/1)により精製した。無色の油として化合物26-8(17.0g、36.5mmol、56.3%の収率、90.0%の純度)を得た。1H NMR:400 MHz, DMSO-d6 δ ppm 11.87 (s, 1H), 8.17 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.75-7.87 (m, 4H), 7.63-7.74 (m, 5H), 7.36 (dd, J = 9.0, 2.6 Hz, 4H), 6.34 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 6.05 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.62 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.24 (s, 6H), 4.09-4.20 (m, 4H), 4.02 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 3.83 (s, 1H), 2.95-3.09 (m, 4H), 1.28 (s, 9H), 0.48 (d, J = 8.2 Hz, 6H).
化合物26-9
ACN(170mL)中の化合物26-8(17.0g、40.6mmol、1.00eq)の溶液に、IBX(17.1g、60.9mmol、1.50eq)を加えた。混合物を80°Cで1時間撹拌した。LC-MSは、化合物26-8が完全に消費されたことを示した。反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。無色の油として粗生成物化合物26-9(17.0g、粗製)を得て、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
化合物26-10
THF(100mL)中の化合物テトラメチル メチレンジホスホネート(15.1g、65.3mmol、1.60eq)の溶液に、t-BuOK(6.87g、61.2mmol、1.50eq)を0°Cで滴下で加え、混合物を25°Cで0.5時間撹拌した。その後、混合物をTHF(70.0mL)中の化合物26-9(17.0g、40.8mmol、1.00eq)に滴下で加え、0°Cで1時間撹拌し、25°Cに到達させ、25°Cで1時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=0/1、化合物10:Rf=0.07)は、化合物26-9が完全に消費されたことを示した。反応混合物を、NH4Cl(500mL)の添加によってクエンチし、その後、酢酸エチル(200mL)で希釈し、抽出した。組み合わせた有機質層を、ブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~0/1)により精製した。白色固形物として化合物26-10(11.4g、16.3mmol、40.1%の収率、75.0%の純度)を得た。1H NMR:400 MHz, CDCl3 δ ppm 9.19 (s, 1H), 7.43 (d, J = 8.16 Hz, 1H), 6.51-6.67 (m, 1H), 6.13 (t, J = 4.78 Hz, 1H), 5.82-5.95 (m, 1H), 5.72 (dd, J = 8.04, 1.88 Hz, 1H), 4.20 (s, 1H), 3.63-3.78 (m, 12H), 3.45-3.54 (m, 2H), 3.31-3.37 (m, 3H), 0.82-0.94 (m, 9H), 0.00-0.10 (m, 6H).
化合物26-11
メタノール(114mL)中の化合物26-10(11.4g、21.mmol、1.00eq)の溶液に、NH4F(6.46g、174mmol、8.00eq)を加えた。混合物を65°Cで16時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=20/1、化合物10:Rf=0.28)は、化合物26-10が完全に消費されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル/MeOH=100/1~10/1)により精製した。無色の油として化合物26-11(5.90g、13.0mmol、59.6%の収率、90.0%の純度)を得た。1H NMR:400 MHz DMSO-d6, δ ppm 11.29 (s, 1H) 7.74 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 6.42-6.62 (m, 1H) 5.90-5.98 (m, 2H) 5.62 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H) 5.01 (t, J = 5.6 Hz, 1H) 4.18 (d, J = 1.6 Hz, 1H) 4.10 (q, J = 5.2 Hz, 1H) 3.70-3.76 (m, 2H) 3.50-3.58 (m, 8H) 3.43-3.49 (m, 1H) 3.36-3.41 (m, 2H) 3.21 (s, 3H) 3.17 (d, J = 5.2 Hz, 2H) 1.91 (s, 1H)
化合物26
DCM(49.0mL)中の化合物26-11(4.90g、12.0mmol、1.00eq)の溶液に、DCI(2.27g、19.2mmol、1.60eq)および2-シアノエチルN,N,N’,N-テトライソプロピルホスホロジアミダイト(tetraisopropylphosphorodiamidite)(6.51g、21.6mmol、6.86mL、1.80eq)を0°Cで加えた。混合物を25°Cで3時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1、化合物26:Rf=0.58)は、化合物26-11が完全に消費されたことを示した。反応混合物をDCM(50.0mL)で希釈し、水性NaHCO3(50.0mLx2)で洗浄した。組み合わせた有機質層を、ブライン(50.0mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル/TEA=100/1/0.5%~0/1/0.5%)により精製した。無色の油として化合物26(5.40g、8.52mmol、70.9%の収率、96.0%の純度)を得た。
31P decoupled 1H NMR:(400MHz, CD3CN): δ 7.42-7.45(dd, J =8Hz,1H), δ 6.42-6.47(dd, J=17.2 Hz, 1H), 5.97-5.84(m, 2H), 5.54-5.52(d, J=8Hz, 1H), 4.27-4.23(m, 1H), 3.75-3.50(br, 12 H), 3.36-3.30(br, 2H), 3.18(s, 3H), 2.60-2.57(m, 2H), 1.10-1.09(d, 12H) 31P NMR (400 MHz, CD3CN) δ148.6, 148.4, 19.24, 19.22 MS (ESI) calculated for C24H42N4O10P2 (M-H)- m/z = 607.2, found 607.2
実施例20.化合物27の調製
実施例21.化合物28の調製
実施例22.化合物29の調製
実施例23.化合物30の調製
実施例24.化合物31の調製
実施例25.化合物32の調製
実施例26.分析データ
本明細書に記載される様々な化合物の31P decoupled 1H NMR、31P NMRおよびMS(ESI)データが以下に示される:
分子生物学の実施例
実施例1.配列
表1、3、5、6、および7は、本明細書に記載される標的配列を示す。表2、4、8、および9は、本明細書に記載されるポリ核酸分子配列を示す。
実施例2.一般的な実験プロトコル
siRNAの定量化のためのステムループqPCRアッセイ
血漿サンプルをTE緩衝液において直接希釈する。50mgの組織断片を、FastPrep-24組織ホモジナイザー(MP Biomedicals)を使用して、1mLのTrizolにおいて均質化し、その後、TE緩衝液で希釈した。未処置の動物の血漿あるいは均質化された組織へとsiRNAをスパイクし、その後、連続的にTE緩衝液で希釈することによって、標準曲線を生成する。siRNAのアンチセンス鎖を、25nMの配列に特異的なステム-ループRTプライマーを用いるTaqMan MicroRNA逆転写キットを使用して、逆転写した。RT工程からのcDNAを、1.5μMのフォワードプライマー、0.75μMのリバースプライマー、および0.2μMのプローブを有するTaqMan Fast Advanced Master Mix(Applied Biosystems)を使用したリアルタイムPCRに利用する。ViiA 7リアルタイムPCRシステム(Life Technologies)で標準的サイクリング条件を使用して、定量的PCR反応を実施する。標準曲線から導出された一次方程式を使用して、Ct値を血漿または組織中濃度に変換する。
mRNAノックダウンの決定のための比較qPCRアッセイ
組織サンプルを上に記載されるようにTrizolにおいて均質化する。RNeasy RNA単離96ウェルプレート(Qiagen)を使用して全RNAを単離し、その後、High Capacity RNA to cDNA kit(ThermoFisher)を用いて500ngのRNAを逆転写する。ViiA 7リアルタイムPCRシステムを用いて実行されたTaqMan qPCR分析によって、KRAS、EGFR、CTNNB1、およびPPIBのmRNAの量を定量化する。EGFRおよびCTNNB1のTaqManプライマーならびにプローブを、事前検証済みの遺伝子発現アッセイとしてApplied Biosystemsから購入する。PPIB(ハウスキーピング遺伝子)を内部RNAローディングコントロールとして使用し、PPIBのためのすべてのTaqManプライマーおよびプローブは、事前検証済みの遺伝子発現アッセイとしてApplied Biosystemsから購入した。比較Ct方法によって結果を計算し、ここで、標的遺伝子(KRAS、CTNNB1、あるいはEGFR)のCt値とPPIBのCt値(ΔCt)の間の差を計算し、その後、第2の差(ΔΔCt)をとることによって、PBS対照群に対してさらに正規化する。
動物
動物研究は、USDA Animal Welfare Actならびに“Guide for the Care and Use of Laboratory Animals”で概説された規則を厳守する、Explora BioLabsのInstitutional Animal Care and Use Committee(IACUC)に基づくプロトコルに従って行われた。マウスはすべてCharles River LaboratoriesまたはHarlan Laboratoriesのいずれかから入手した。
H358、HCC827、およびHep-3B2の1-7の皮下側腹部腫瘍モデル
H358皮下側腹部腫瘍モデルについては、腫瘍細胞を接種させ、腫瘍を以下の方法に従って確立する。雌のNCr nu/nuマウスを細胞注射の前日に耳標によって識別する。接種前にマウスの体重を測る。H358細胞を10%のFBS/RPMI培地を用いて培養し、0.05%のトリプシンおよびCell Stripper(MediaTech)で収集した。Matrigel(1:1)を有する0.05mlのハンクス液(HBSS)中の500万のH358細胞を、各マウスの右上腹部に皮下注射する(SC)。接種後7日目から開始して、平均腫瘍体積が>100&≧300mm3に達するまで週2回、デジタルキャリパーを使用した腫瘍体積測定によって、腫瘍成長をモニタリングする。腫瘍が所望の体積(平均100~300mm3)になると、動物を無作為化し、非常に大きいまたは小さい腫瘍を有するマウスを選別する。マウスを必要な群に分けて、腫瘍体積によって無作為化する。その後、個々の実験で記載されるようにマウスを処置する。
Hep3Bの直交異方性肝腫瘍モデルについては、腫瘍細胞を接種させ、腫瘍を以下の方法で確立する。前日に雌のNCr nu/nuマウスを耳標によって識別し、イソフルランを用いて麻酔をかける。その後、マウスを、体温を維持するために水循環加熱パッド上に置いた。胸骨下に小さな横切開を行い、肝臓を露出させる。28のゲージ針を使用して、肝臓の左上葉に癌細胞をゆっくり注入する。細胞を30度の角度で肝臓に注入し、それにより、細胞の透明な水疱を肝臓カプセルを通して見ることができる。冷たいPBS(0.1-5x106細胞)を懸濁し、希釈したマトリゲル(PBS中30x)と混合することにより、Hep3B2.1 7細胞を調製する。30-50ulの細胞/マトリゲルを接種させる。注射後、滅菌ガーゼの小さな1片を注入箇所に置き、出血を防ぐために1分間軽く圧を加えた。その後、腹部を6-0絹縫合で閉じる。腫瘍細胞の移植後に、動物を暖かいケージに入れ、1~2時間観察し、麻酔から完全に回復した後に動物飼育室に戻す。腫瘍移植の7-10日後に動物を無作為化し、必要な群に分け、その後、個々の実験で記載されるように処置した。
LNCapの皮下側腹部腫瘍モデル
LNCaP細胞(ATCC(登録商標)CRL-1740(商標))を、約80%の培養密度まで、非必須アミノ酸およびピルビン酸ナトリウムで捕捉されたRPMI+10%のFBSにおいて成長させる。細胞をマトリゲルと1:1で混合し、5-7*106細胞を雄のSCIDマウス(6-8週齢)に皮下注射した。腫瘍は、通常、3-5週間内に100-350mm3のサイズに成長する。この範囲内の腫瘍を有する動物を無作為化し、尾静脈への注射によりASCで処置する。PD試験のために、動物を注射の96時間後に屠殺し、臓器の断片を収集して、重さを測り、液体窒素で冷凍する。RNA単離のために、臓器サンプルをTrizolにおいて均質化し、メーカーの説明書に従って、Qiagen RNeasy 96 Plus kitを使用してRNAを調製する。RNA濃度を分光学的に決定する。ΔΔCT方法および検証済みTaqmanアッセイ(Thermofisher)を使用したqPCRによって定量化された特異的標的の逆転写および発現により、RNAをcDNAに変換する。サンプルを、PPIBの発現レベルに標準化する。
ペプチド合成
標準Fmoc化学を使用して、ペプチドを固体相上で合成する。両方のペプチドはN末端にシステインを有しており、および、切断されたペプチドをHPLCにより精製し、質量分析法で確認する。INF7ペプチドは、SEQ ID NO:2055に示される通りである。メリチンペプチドは、SEQ ID NO:2060に示される通りである。
抗EGFR抗体
抗EGFR抗体は、ヒト表皮成長因子受容体(EGFR)に対する完全なヒトIgG1κモノクローナル抗体である。これは、チャイニーズハムスター卵巣細胞株DJT33において産出され、ハイブリドーマ細胞株(2F8)を産出するヒト抗EGFR抗体由来の抗体遺伝子を運ぶGSベクターでのトランスフェクションによって、CHO細胞株CHO-K1SVから導かれたものである。標準の哺乳動物細胞の培養および精製の技術が、抗EGFR抗体の製造に利用される。
グリカンのない抗EGFR抗体の理論上の分子量(MW)は146.6kDaである。上記抗体の主要なグリコシル化されたアイソフォームの実験的なMWは、質量分析法によって判定されるように149kDaである。還元条件下でSDS-PAGEを使用することにより、軽鎖のMWがおよそ25kDaであり、重鎖のMWがおよそ50kDaであることが分かった。重鎖は2つの鎖間のジスルフィド結合によって互いに結合され、1つの軽鎖は単一の鎖間のジスルフィド結合によって各重鎖に付けられる。軽鎖には2つの鎖間のジスルフィド結合があり、重鎖には4つの鎖間のジスルフィド結合がある。上記抗体は、N-アセチル-グルコサミン、マンノース、フコース、およびガラクトースから成るグリカンを有する重鎖のAsn305にて、N-結合されてグリコシル化される。存在する主なグリカンは、末端ガラクトース残基を1つも含まないか、あるいは1つを含んでいる、フコシル化された二分岐の構造である。
IgG1κ抗体の荷電されたアイソフォームパターンを、画像化されたキャピラリーIEF、アガロースIEF、および分析的陽イオン交換HPLCを使用して調べた。多数の荷電されたアイソフォームが見られ、主なアイソフォームはおよそ8.7の等電点を持つ。
抗EGFR抗体の作用の主要機構は、A431癌細胞における、EGFで誘導されたEGFRリン酸化の濃縮依存性阻害である。加えて、低い抗体濃度での抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)の誘導を、前臨床的細胞のインビトロでの研究において観察した。
実施例3:抗体-PEG-EGFRおよび抗体-EGFR抱合体の合成、精製、ならびに分析。
工程1:マレイミド-PEG-NHSとの抗体結合、その後の、SH-EGFRとの抗体結合
抗EGFR抗体(EGFR-Ab)を、1Xリン酸緩衝液(pH7.4)と交換し、最大で5mg/mlの濃度にする。この溶液に、2当量のSMCCリンカーあるいはマレイミド-PEGxkDa-NHS(x=1、5、10、20)を加え、室温で4時間回転させる。未反応のマレイミド-PEGを、50kDa MWCO AmiconスピンフィルターおよびPBS pH7.4を使用する回転濾過によって除去する。抗体-PEGMal抱合体を集めて、反応容器に移す。SH-C6-EGFR(2当量)をPBS中の抗体-PEGマレイミドに室温で加え、夜通し回転させた。反応混合物を分析的SAXカラムクロマトグラフィーにより分析し、未反応の抗体およびsiRNAと共に抱合体が見られる。
工程2:精製
粗製反応混合物を、陰イオン交換クロマトグラフィー法-1を使用するAKTA explorer FPLCによって精製する。抗体-PEG-EGFR抱合体を含む画分をプールし、濃縮し、PBS(pH7.4)と緩衝液交換する。SMCCリンカー、PEG1kDa、PEG5kDa、およびPEG10kDaを含む抗体siRNA抱合体を、siRNA負荷に基づいて分離する。
工程3:精製された抱合体の分析。単離した抱合体を、質量スペクトルまたはSDS-PAGEのいずれかによって特徴付ける。抱合体の純度を、陰イオン交換クロマトグラフィー法-2または陰イオン交換クロマトグラフィー法-3の何れかを使用する分析的HPLCによって評価する。
陰イオン交換クロマトグラフィー法-1。
1. カラム:Tosoh Bioscience,TSKGel SuperQ-5PW, 21.5mm ID X 15cm,13um
2. 溶媒A:20mMのTRIS緩衝液、pH8.0;溶媒B:20mMのTRIS、1.5MのNaCl、pH8.0;流速:6.0ml/分
3. 勾配:
a. %A %B カラム体積
b. 100 0 1.00
c. 60 40 18.00
d. 40 60 2.00
e. 40 60 5.00
f. 0 100 2.00
g. 100 0 2.00
陰イオン交換クロマトグラフィー法-2
1. カラム:Thermo Scientific,ProPac(商標) SAX-10, Bio LC(商標),4 X 250mm
2. 溶媒A:80%、10mMのTRIS、pH8、20%のエタノール;溶媒B:80%、10mMのTRIS、ph8、20%のエタノール、1.5MのNaCl;流速:1.0ml/分
3. 勾配:
a. 時間 %A %B
b. 0.0 90 10
c. 3.00 90 10
d. 11.00 40 60
e. 13.00 40 60
f. 15.00 90 10
g. 20.00 90 10
陰イオン交換クロマトグラフィー法-3
1. カラム:Thermo Scientific, ProPac(商標) SAX-10, Bio LC(商標), 4 X 250 mm
2. 溶媒A:80%、10mMのTRIS、pH8、20%のエタノール;溶媒B:80%、10mMのTRIS、pH8、20%のエタノール、1.5MのNaCl
3. 流速:0.75ml/分
4. 勾配:
a. 時間 %A %B
b. 0.0 90 10
c. 3.00 90 10
d. 11.00 40 60
e. 23.00 40 60
f. 25.00 90 10
g. 30.00 90 10
実施例4:抗体-siRNA-PEG抱合体の合成、精製、および分析
工程1:SMCCリンカーとの、その後のSH-KRAS-PEG5kDaとの抗体抱合
抗EGFR抗体を1Xリン酸緩衝液(pH7.4)と交換し、最大で5mg/mlの濃度にする。この溶液に、2当量のSMCCリンカー(スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルキシレート)を加え、室温で4時間回転させる。未反応のSMCCリンカーを、50kDa MWCO AmiconスピンフィルターおよびPBS緩衝液(pH7.4)を使用する回転濾過によって除去する。残余分を集めて、2当量のSH-C6-KRAS-PEG5kDaを室温で加え、夜通し回転させる。反応混合物を分析的SAXカラムクロマトグラフィーによって分析する。
工程2:精製
粗製反応混合物を、陰イオン交換クロマトグラフィー法-1を使用するAKTA explorer FPLCによって精製する。抗体-KRAS-PEG抱合体を含む画分をプールし、濃縮し、PBS(pH7.4)と緩衝液交換した。
工程3:精製された抱合体の分析
単離した抱合体を、質量スペクトルまたはSDS-PAGEのいずれかによって特徴付ける。抱合体の純度を、陰イオン交換クロマトグラフィー法-3(実施例1に記載される)を使用する分析的HPLCによって評価する。
実施例5:抗体-S-S-siRNA-PEG抱合体の合成、精製、および分析
工程1:SPDPリンカーとの、その後のSH-siRNA-PEG5kDaとの抗体抱合
抗EGFR抗体を1Xリン酸緩衝液(pH7.4)と交換し、最大で5mg/mlの濃度にする。この溶液に、2当量のSPDPリンカー(スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオナート)を加え、室温で4時間回転させる。未反応のSPDPリンカーを、50kDaのMWCO AmiconスピンフィルターおよびpH7.4のPBS緩衝液を使用する回転濾過によって除去する。残余分を集めて、2当量のSH-C6-siRNA-PEG5kDaを室温で加え、夜通し回転させる。反応混合物を分析的SAXカラムクロマトグラフィーによって分析し、未反応の抗体と共に結合することが判定された。
工程2:精製
粗製反応混合物を、陰イオン交換クロマトグラフィー法-1を使用するAKTA explorer FPLCによって精製する。抗体-PEG-siRNA抱合体を含む画分をプールし、濃縮し、PBS(pH7.4)と緩衝液交換する。
工程3:精製された抱合体の分析
単離した抱合体を、質量スペクトルまたはSDS-PAGEのいずれかによって特徴付ける。抱合体の純度を、陰イオン交換クロマトグラフィー法-2を使用する分析的HPLCによって評価する。
実施例6:抗体-SMCC-エンドソームエスケープペプチド抱合体の合成、精製、および分析
工程1:SMCCリンカーあるいはマレイミド-PEG-NHSとの、その後のSH-Cys-ペプチド-CONH2との抗体結合
抗EGFR抗体を1Xリン酸緩衝液(pH7.4)と交換し、最大で10mg/mlの濃度にする。この溶液に、3当量のSMCCリンカー(スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート)あるいはマレイミド-PEG1kDa-NHSを加え、室温で1.5時間回転させる。未反応のSMCCリンカーあるいはPEGリンカーを、50kDa MWCO AmiconスピンフィルターおよびpH7.4のPBS緩衝液(メリチン抱合体の場合、25mMのMES pH=6.1)を使用して、回転濾過によって除去する。残余分を集めて、3当量のSH-Cys-ペプチド-CONH2を室温で加え、夜通し回転させる。その後、反応混合物をHICクロマトグラフィーあるいは陽イオン交換クロマトグラフィーのいずれかによって精製して、抗EGFR抗体ペプチドあるいは抗EGFR抗体PEG1kペプチドを単離する。
工程2:精製
粗製反応混合物を、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)法-1あるいは陽イオン交換クロマトグラフィー法-1のいずれかを使用したAKTA explorer FPLCにより精製する。抗体ペプチド抱合体を含有している画分をプールし、濃縮し、およびpH7.4のPBS(メリチン抱合体の10mMのアセテートの場合、pH=6.0)と緩衝液交換する。
工程3:精製された抱合体の分析
単離した抱合体を、質量スペクトルまたはSDS-PAGEのいずれかによって特徴付ける。純度およびペプチド負荷を、HIC法-2あるいは陽イオン交換クロマトグラフィー法-2のいずれかを使用した分析的HPLCによって評価する。
陽イオン交換クロマトグラフィー法-1
1. カラム:GE Healthcare HiPrep SP HP 16/10
2. 溶媒A:50mM MES pH=6.0;溶媒B:50mMのMES+0.5MのNaCl pH=6.0;流速:2.0ml/分
3. 勾配:
a. %A %B カラム体積
b. 100 0 0.1
c. 100 0 Flush loop 12ml
d. 100 0 2.5
e. 0 100 15
f. 0 100 5
g. 100 0 0.5
h. 100 0 5
陽イオン交換クロマトグラフィー法-2
1. カラム:Thermo Scientific, MAbPac(商標) SCX-10, Bio LC(商標), 4 X 250 mm (製品#074625)
2. 溶媒A:20mMのMES pH=5.5;溶媒B:20mMのMES+0.3MのNaCl pH=5.5;流速:0.5ml/分
3. 勾配:
a. 時間 %A %B
b. 0.0 100 0
c. 5 100 0
d. 50 0 100
e. 80 0 100
f. 85 100 0
g. 90 100 0
疎水性相互作用クロマトグラフィー法-1(HIC法-1)
1. カラム:GE Healthcare Butyl Sepharose High Performance (17-5432-02) 200ml
2. 溶媒A:50mMのリン酸ナトリウム+0.8Mの硫酸アンモニウム(pH=7.0);溶媒B:80%、50mMのリン酸ナトリウム(pH=7.0)、20%のIPA;流速:3.0ml/分
3. 勾配:
a. %A %B カラム体積
b. 100 0 0.1
c. 0 100 3
d. 0 100 1.35
e. 100 0 0.1
f. 100 0 0.5
疎水性相互作用クロマトグラフィー法-2(HIC方法-2)
1. カラム:Tosoh Bioscience TSKgel Butyl-NPR 4.6mm ID x 10cm 2.5 μm
2. 溶媒A:100mMのリン酸ナトリウム+1.8Mの硫酸アンモニウム(pH=7.0);溶媒B:80%、100mMのリン酸ナトリウム(pH=7.0)、20%のIPA;流速:0.5ml/分
3. 勾配:
a. 時間 %A %B
b. 0 100 0
c. 3 50 50
d. 21 0 100
e. 23 0 100
f. 25 100 0
実施例7:EEP-抗体-siRNA-PEG抱合体の合成、精製、および分析。
工程1:PEG24リンカーの結合と、その後のSH-Cys-ペプチド-CONH2のEGFR-Ab-siRNA-PEGへの結合
siRNAローディングが1のEGFR-Ab-siRNA-PEG抱合体は、pH7.4のPBS緩衝液中の4当量のPEG1kリンカー(スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート)と結合し、室温で1.5時間回転させる。未反応のPEG1kリンカーを、50kDa MWCO AmiconスピンフィルターおよびpH7.4のPBS緩衝液を使用する回転濾過によって除去する。残余分を集めて、4当量のSH-Cys-ペプチド-CONH2を室温で加え、夜通し回転させる。
工程2:精製
その後、HPLCによってモニタリングされるように、未反応のペプチドが除去されるまで、pH7.4のPBS緩衝液および50のkDa Amiconスピンフィルターを使用する回転濾過を繰り返すことによって、反応混合物を精製する。生成物は、0、1、2、3、あるいはそれ以上のペプチドが抗体骨格と結合した抱合体の混合物を含有する。
工程3:精製された抱合体の分析
単離した抱合体を、質量スペクトルまたはSDS-PAGEのいずれかによって特徴付ける。抱合体の純度およびペプチド負荷を、HIC法-2あるいは陽イオン交換クロマトグラフィー法-2のいずれかを使用した分析的HPLCによって評価する。
実施例8.腫瘍のPK/PD研究
皮下側腹部H358腫瘍を有するメスのNCr nu/nuマウスに、0.5mg/kgでEGFR抗体-siRNA-EEPの抱合体を投与する(siRNAに基づく)。多数のEEP(エンドモリティック部分)を使用して、最適なエンドソームエスケープを示すペプチド配列を判定し、それにより、対照に比べて最良の標的遺伝子のノックダウンがもたらされる。
実施例9:ナノ粒子でのABC抱合体の製剤
典型的なABC抱合体を、シクロデキストリンポリマー(10kDa)、および過剰の抱合されていないsiRNA(ED40-60nm、PDI0.1-0.2)を使用して、自己組織化したナノ粒子に包装する。これら粒子において、典型的なABC抱合体は、抗体標的と相互に作用する自身の能力を維持する。インビボでの循環における粒子の安定性および標的結合能力を、包装siRNAの修飾により調節する。
ナノ粒子の形成
ナノ粒子を、1.6mg/mLの最終のsiRNA濃度で調製する。1:20の比率でCY5-siRNAを含むsiRNAを、水中で2xの最終濃度へと最初に希釈する。シクロデキストリンポリマー(CDP)を、中性のpHの10mMのリン酸緩衝液において3:1の窒素対リンの比率(N:P)を達成するのに必要な2xの最終濃度に希釈する。CDPをsiRNAに素早く加え、ピペッティングによって更に混合する。投与または分析の前に、粒子を少なくとも15分間インキュベートする。
インビトロのEGFR結合
様々な量の典型的なABC抱合体を含むナノ粒子を、10nMの最終濃度に達するまでウシ胎仔血清に希釈し、150nMの精製されたEGFR-Fcタンパク質(Sino Biological)を充填したプロテインG Dynabeads(Thermofisher)を用いて室温で1時間インキュベートする。ビーズに結合されたナノ粒子を、0.01%のTween20および100ug/mlのヘパリンを含む水で分裂する前に、0.01%のTween20および0.05%のBSAを含むPBSでビーズを2回洗浄する。インプット(input)、結合されていない分画、洗浄剤、およびビーズ溶出液に含まれるCY5-siRNAの量を、TECAN Infinite M200 Pro(励起635nm;発光675nm)を使用した蛍光によって定量化する。
実施例10:siRNA合成
siRNA一本鎖を全て、標準のホスホロアミダイト(phospharamidite)化学を使用して固相上で完全に組み立てて、HPLCを用いて精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。
例11-15で使用されたビニルホスホネート修飾ヌクレオチド(化合物3、15、26、27および28)は以下の表に示される。
比較目的のために、化合物3を基準として使用した。
化合物15、26、27、28、30および32は、個々のガイド鎖に組み込まれた。
化合物28は、ジヌクレオチドとして固相合成中にパッセンジャーの5’末端に組み込まれた。
siRNAパッセンジャー鎖はすべて、5’末端上にC6-NH2結合ハンドルを含んでいた。
19塩基の相補性および3’ジヌクレオチドオーバーハングを有する21量体の二本鎖の場合、結合ハンドルは、逆脱塩基ホスホジエステルを介してsiRNAパッセンジャー鎖に結合された(図1Aを参照)。
19塩基の相補性および1つの3’ジヌクレオチドオーバーハングを有する平滑末端二本鎖の場合、結合ハンドルは、末端塩基上のホスホジエステルを介してsiRNAパッセンジャー鎖に結合された(図1Bを参照)。
精製された一本鎖を二重にし、二本鎖siRNAを得た。
実施例11.HCT116細胞におけるビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造のインビトロの活性
siRNAの設計および合成:21量体のHPRTガイド鎖はマウスHPRTに対して設計された。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAAAAUCUACAGUCAUAGUUであった。
ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造(化合物3、15と27)を組み込む3つのバージョンを調製した。ガイド鎖および完全に相補的な0RNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製した一本鎖を二重にし、図1Bに記載される二本鎖のsiRNAを得た。
インビトロの試験:様々なsiRNAを、100nM、10nM、1nM、0.1nM、0.01nM、0.001nM、および0.0001nMの最終濃度で、ヒト結腸直腸癌HCT116細胞にトランスフェクトした。メーカーの「フォワードトランスフェクション(forward transfection)」の説明書に従って、siRNAを市販のトランスフェクション試薬、Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies)を用いて製剤化した。トランスフェクションの24時間前に、細胞を、1つのウェル当たり50000の細胞で24のウェル組織培養プレート上に3回繰り返し蒔いた。トランスフェクションの48時間後に、細胞をPBSで洗浄し、TRIzol(登録商標)試薬(Life Technologies)を用いて収集した。メーカーの説明に従って、RNAをDirect-zol-96 RNA Kit(Zymo Research)を使用して単離した。メーカーの説明に従って、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems)を使用して、10μlのRNAをcDNAに逆転写した。cDNAサンプルを、TaqMan(登録商標) Fast Advanced Master Mix(Applied Biosystems)を使用して、HPRT特異的およびPPIB特異的なTaqMan遺伝子発現プローブ(Thermo Fisher)を用いるqPCRによって評価した。HPRT値を、各サンプル内でPPIB遺伝子発現に正規化した。HPRTダウンレギュレーションの定量化を基準2-ΔΔCt方法を使用して実施した。全ての実験を3回繰り返して実行した。
図2は、二本鎖のインビトロのトランスフェクション後の、HPRT siRNAのガイド鎖の上の新規なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造をRISCにロードし、標的のHPRT遺伝子の配列特異的ダウンレギュレーションを媒介することができることを実証する、用量反応曲線を示す。アナログ(化合物15および27)の活性は、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド(化合物3)に匹敵した。
実施例12.横紋筋肉腫細胞におけるビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造のインビトロの活性
siRNAの設計および合成:21量体のミオスタチン(MSTN)ガイド鎖をヒトMSTNに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAUUAUUUGUUCUUUGCCUUであった。様々な構造(化合物3、15、26、27および28)を組み込む5つのバージョンを調製した。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製した一本鎖を二重にし、図1Aに記載される二本鎖のsiRNAを得た。
インビトロの試験:siRNAの活性を、トランスフェクトされたヒト横紋筋肉腫細胞(SJCRH30、ATCC CRL-2061)において評価した。10%の熱不活性化FBS(Gibco)および10mMのHEPESならびに1mMのピルビン酸ナトリウムで補充したRPMI-1640において、細胞を成長させた。siRNAトランスフェクションについては、24ウェルプレート上に20.000の細胞/ウェルの密度で細胞を蒔き、および、メーカーの「フォワードトランスフェクション(forward transfection)」の説明に従って、Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies)を使用して、様々な濃度のsiRNA(0.0001-100nMの最終濃度)でトランスフェクトした。トランスフェクションの72時間後に細胞をPBSで洗浄し、300の□l/ウェルのTRIzol(登録商標)試薬(Life Technologies)を用いて収集した。メーカーの説明に従って、Direct-zol-96 RNA Kit(Zymo Research)を使用してRNAを単離した。メーカーの説明に従って、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems)を使用して、10μlのRNAをcDNAに逆転写した。cDNAサンプルを、TaqMan(登録商標) Fast Advanced Master Mix(Applied Biosystems)およびΔΔCt方法を使用して、MSTN特異的およびPPIB特異的なTaqMan遺伝子発現プローブ(Thermo Fisher)を用いるqPCRによって評価した。個々の実験を2回あるいは3回実施した。
下記の表は、アナログ(化合物15、26、27および28)の最大阻害濃度の半分、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチドと比較して達成される最大ノックダウンを示す(化合物3)。
図3は、二本鎖のインビトロのトランスフェクション後の、MSTN siRNAのガイド鎖の上の新規なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造が、RISCにロードし、標的のMSTN遺伝子の配列特異的ダウンレギュレーションを媒介することができることを示す用量反応曲線を示す。アナログ(化合物15、26、27および28)の活性は、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド(化合物3)に匹敵した。
実施例13.2017-PK-407-WT:siRNAのインビボのトランスフェリンmAb抱合体送達
群1-4については、21量体のHPRTガイド鎖をマウスHPRTに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAAAAUCUACAGUCAUAGUUであった。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、上記の二本鎖siRNAを得た。ガイド鎖は、化合物3ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を利用した。パッセンジャー鎖は、逆脱塩基ホスホジエステル結合を介して5’末端上に結合ハンドルを有していた(図1Aを参照)。
群5-8については、21量体のHPRTガイド鎖をマウスHPRTに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAAAAUCUACAGUCAUAGUUであった。ガイドおよび完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製した一本鎖を二重にし、図Cに記載される二本鎖のsiRNAを得た。ガイド鎖は、化合物15ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を利用した。パッセンジャー鎖は、末端塩基上のホスホジエステル結合を介して5’末端上に結合ハンドルを有していた(図1Bを参照)。
群9-12については、21量体のHPRTガイド鎖をマウスHPRTに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAAAAUCUACAGUCAUAGUUであった。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、二本鎖siRNAを得た。ガイド鎖は、化合物27ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を利用した。パッセンジャー鎖は、末端塩基上のホスホジエステル結合を介して5’末端上に結合ハンドルを有していた(図1Bを参照)。
群13-16については、21量体のMSTNガイド鎖をヒトMSTNに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAUUAUUUGUUCUUUGCCUUであった。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、二本鎖siRNAを得た。ガイド鎖は、化合物28ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を利用した。パッセンジャー鎖は、逆脱塩基ホスホジエステル結合を介して5’末端上に結合ハンドルを有していた(図1Aを参照)。
群17-20については、21量体のMSTNガイド鎖をヒトMSTNに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAUUAUUUGUUCUUUGCCUUであった。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、二本鎖siRNAを得た。ガイド鎖は、化合物3ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を利用した。パッセンジャー鎖は、逆脱塩基ホスホジエステル結合を介して5’末端上に結合ハンドルを有していた(図1Aを参照)。
ビスマレイミド(BisMal)リンカーを使用する抗体siRNA抱合体の合成
工程1:TCEPでの抗体の還元
抗体を、1mMのDTPAを有する25mMのホウ酸塩緩衝液(pH8)で緩衝液交換し、最大10mg/mlの濃度にした。この溶液に、同じホウ酸塩緩衝液中の4当量のTCEPを加え、37°Cで2時間インキュベートした。結果として生じた反応混合物を、室温でpH6.0の10mMの酢酸緩衝液中のBisMal-siRNA(1.25当量)の溶液と組み合わせて、4°Cで夜通し維持した。分析的SAXカラムクロマトグラフィーによる反応混合物の分析は、未反応の抗体およびsiRNAと共に抗体siRNA抱合体を示した。反応混合物を、10EQのN-エチルマレイミド(10mg/mLのDMSO中)で処理して、あらゆる残っている遊離システイン残基をキャップする。
工程2:精製
粗製反応混合物を、陰イオン交換クロマトグラフィー(SAX)法-1を使用するAKTA Pure FPLCによって精製した。DAR21およびDAR2 Fab-siRNAの抱合体を含む分画を単離し、濃縮し、pH7.4のPBSで緩衝液交換した。
陰イオン交換クロマトグラフィー(SAX)法-1
1. カラム:Tosoh Bioscience,TSKGel SuperQ-5PW, 21.5mm ID X 15cm,13um
2. 溶媒A:20mMのTRIS緩衝液、pH8.0;溶媒B:20mMのTRIS、1.5MのNaCl、pH8.0;流速:6.0ml/分
3. 勾配:
a. %A %B カラム体積
b. 100 0 1
c. 81 19 0.5
d. 50 50 13
e. 40 60 0.5
f. 0 100 0.5
g. 100 0 2
陰イオン交換クロマトグラフィー(SAX)法-2
1. カラム:Thermo Scientific,ProPac(商標) SAX-10,Bio LC(商標),4 X 250mm
2. 溶媒A:80%、10mMのTRIS、pH8、20%のエタノール;溶媒B:80%、10mMのTRIS、ph8、20%のエタノール、1.5MのNaCl;流速:0.75ml/分
3. 勾配:
a. 時間 %A %B
b. 0.0 90 10
c. 3.00 90 10
d. 11.00 40 60
e. 14.00 40 60
f. 15.00 20 80
g. 16.00 90 10
h. 20.00 90 10
工程3:精製された抱合体の分析
抱合体の純度を、陰イオン交換クロマトグラフィー法-2を使用する分析的HPLCによって評価した。
インビボの試験
インビボの実験(野生型CD-1マウス)で、骨格筋におけるミオスタチン(MSTN)およびHPRTのmRNAダウンレギュレーションを媒介する能力について抱合体を評価した。PBSビヒクル対照および示されたASCならびに用量を、静脈内(iv)注射によりマウスに投与した(下記の表を参照)。168時間後、腓腹筋(gastroc)組織を採取し、液体窒素中で急速冷凍した。比較qPCRアッセイを使用して、標的組織におけるmRNAノックダウンを決定した。総RNAを組織から抽出し、逆転写して、mRNAのレベルを、適切に設計されたプライマーおよびプローブを用いるTaqMan qPCRを使用して定量化した。PPIB(ハウスキーピング遺伝子)を内部RNAローディングコントロールとして使用して、比較Ct方法により結果を算出し、ここで、標的遺伝子Ct値とPPIB Ct値(ΔCt)との間の差を算出し、その後、第2の差(ΔΔCt)を得ることによってPBSの対照群に対して更に正規化する。
図4は、トランスフェリン受容体を標的とする抗TfR mAbに結合した時に、siRNAガイド鎖上のビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造が腓腹筋における標的遺伝子の用量依存的ダウンレギュレーションを示したことを示す。アナログの活性は、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造に匹敵した。
実施例14.2017-PK-421-WT:siRNAのインビボのトランスフェリンmAb抱合体送達
群1-12については、21量体のMSTNガイド鎖をヒト/マウスMSTNに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAUUAUUUGUUCUUUGCCUUであった。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、二本鎖siRNAを得た。3つのガイド鎖を5’末端(化合物3、15および26)において3つの様々なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造で生成した。パッセンジャー鎖は、逆脱塩基ホスホジエステル結合を介して5’末端上に結合ハンドルを有していた。
以下に記載されるように抗TfR1 mAb-MSTN DAR1抱合体を合成した:
工程1:TCEPでの抗体の還元
抗体を、1mMのDTPAを有する25mMのホウ酸塩緩衝液(pH8)で緩衝液交換し、最大10mg/mlの濃度にした。この溶液に、同じホウ酸塩緩衝液中の4当量のTCEPを加え、37°Cで2時間インキュベートした。結果として生じた反応混合物を、室温での10mMの酢酸緩衝液(pH6)中のBisMal-siRNA(1.25当量)の溶液と組み合わせて、4°Cで夜通し維持した。分析的SAXカラムクロマトグラフィーによる反応混合物の分析は、未反応の抗体およびsiRNAと共に抗体siRNA抱合体を示した。反応混合物を、10EQのN-エチルマレイミド(10mg/mLのDMSO中)で処理して、あらゆる残っている遊離システイン残基をキャップした。
工程2:精製
粗製反応混合物を、陰イオン交換クロマトグラフィー(SAX)法-1を使用するAKTA Pure FPLCによって精製した。DAR21およびDAR2 Fab-siRNAの抱合体を含む分画を単離し、濃縮し、pH7.4のPBSで緩衝液交換した。
陰イオン交換クロマトグラフィー(SAX)法-1
1. カラム:Tosoh Bioscience,TSKGel SuperQ-5PW, 21.5mm ID X 15cm,13um
2. 溶媒A:20mMのTRIS緩衝液、pH8.0;溶媒B:20mMのTRIS、1.5MのNaCl、pH8.0;流速:6.0ml/分
3. 勾配:
a. %A %B カラム体積
b. 100 0 1
c. 81 19 0.5
d. 50 50 13
e. 40 60 0.5
f. 0 100 0.5
g. 100 0 2
陰イオン交換クロマトグラフィー(SAX)法-2
1. カラム:Thermo Scientific, ProPac(商標) SAX-10, Bio LC(商標),4 X 250mm
2. 溶媒A:80%、10mMのTRIS、pH8、20%のエタノール;溶媒B:80%、10mMのTRIS、ph8、20%のエタノール、1.5MのNaCl;流速:0.75ml/分
3. 勾配:
a. 時間 %A %B
b. 0.0 90 10
c. 3.00 90 10
d. 11.00 40 60
e. 14.00 40 60
f. 15.00 20 80
g. 16.00 90 10
h. 20.00 90 10
工程3:精製された抱合体の分析抱合体の純度を、陰イオン交換クロマトグラフィー法-2を使用する分析的HPLCによって評価した。
インビボの試験
インビボの実験(野生型CD-1マウス)で、骨格筋におけるミオスタチン(MSTN)のmRNAダウンレギュレーションを媒介する能力について抱合体を評価した。下記の表に記載されるように、PBSビヒクル対照および示されたASCならびに用量を、静脈内(iv)注射によりマウスに投与した。168時間後、腓腹筋(gastroc)、大腿四頭筋(quad)および心筋の組織を、液体窒素中で収集し、急速冷凍した。標的組織中のmRNAのノックダウンを、方法のセクションに記載されるように比較qPCRアッセイを使用して判定した。総RNAを組織から抽出し、逆転写して、mRNAのレベルを、適切に設計されたプライマーおよびプローブを用いるTaqMan qPCRを使用して定量化した。PPIB(ハウスキーピング遺伝子)を内部RNAローディングコントロールとして使用して、比較Ct方法により結果を算出し、ここで、標的遺伝子Ct値とPPIB Ct値(ΔCt)との間の差を算出し、その後、第2の差(ΔΔCt)を得ることによってPBSの対照群に対して更に正規化する。
図5は、ガイド鎖の5’末端上に様々なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を含有している抗体siRNA抱合体を用いた腓腹筋(gastroc)、大腿四頭筋(quad)および心筋の組織腓腹筋、大腿四頭筋および心筋の組織におけるMSTN mRNAダウンレギュレーションを実証する。アナログの活性は、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造に匹敵した。
実施例15.2017-PK-422-WT:siRNAのインビボのトランスフェリンmAb抱合体送達
群1-4および9-12については、21量体のHPRTガイド鎖をマウスHPRTに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAAAAUCUACAGUCAUAGUUであった。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、二本鎖siRNAを得た。ガイド鎖を5’末端において化合物3ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造で生成した。パッセンジャー鎖は、ホスホロチオエート逆脱塩基ホスホジエステルリンカーを介して、5’末端上に結合ハンドルを有していた(図1Aを参照)。
群5-8および13-16aについては、21量体のHPRTガイド鎖をマウスHPRTに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAAAAUCUACAGUCAUAGUUであった。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、二本鎖siRNAを得た。ガイド鎖を5’末端において化合物26ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造で生成した。パッセンジャー鎖は、末端ホスホロチオエート介して、5’末端上に結合ハンドルを有していた(図1Bを参照)。
以下に記載されるように抗TfR1 mAb-HPRT DAR1抱合体を合成した:
工程1:TCEPでの抗体の還元
抗体を、1mMのDTPAを有する25mMのホウ酸塩緩衝液(pH8)で緩衝液交換し、最大10mg/mlの濃度にした。この溶液に、同じホウ酸塩緩衝液中の4当量のTCEPを加え、37°Cで2時間インキュベートした。結果として生じる反応混合物を、室温での10mMの酢酸緩衝液(pH6)中のBisMal-siRNA(1.25当量)の溶液と組み合わせて、4°Cで夜通し維持した。分析的SAXカラムクロマトグラフィーによる反応混合物の分析は、未反応の抗体およびsiRNAと共に抗体siRNA抱合体を示した。10EQのN-エチルマレイミド(10mg/mLのDMSO中)で反応混合物を処理して、あらゆる残っている遊離システイン残基をキャップする。
工程2:精製
粗製反応混合物を、陰イオン交換クロマトグラフィー(SAX)法-1を使用するAKTA Pure FPLCによって精製した。DAR21およびDAR2 Fab-siRNAの抱合体を含む分画を単離し、濃縮し、pH7.4のPBSで緩衝液交換した。陰イオン交換クロマトグラフィー(SAX)法-1
1. カラム:Tosoh Bioscience,TSKGel SuperQ-5PW, 21.5mm ID X 15cm,13um
2. 溶媒A:20mMのTRIS緩衝液、pH8.0;溶媒B:20mMのTRIS、1.5MのNaCl、pH8.0;流速:6.0ml/分
3. 勾配:
a. %A %B カラム体積
b. 100 0 1
c. 81 19 0.5
d. 50 50 13
e. 40 60 0.5
f. 0 100 0.5
g. 100 0 2
陰イオン交換クロマトグラフィー(SAX)法-2
1. カラム:Thermo Scientific,ProPac(商標) SAX-10, Bio LC(商標),4 X 250mm
2. 溶媒A:80%、10mMのTRIS、pH8、20%のエタノール;溶媒B:80%、10mMのTRIS、ph8、20%のエタノール、1.5MのNaCl;流速:0.75ml/分
3. 勾配:
a. 時間 %A %B
b. 0.0 90 10
c. 3.00 90 10
d. 11.00 40 60
e. 14.00 40 60
f. 15.00 20 80
g. 16.00 90 10
h. 20.00 90 10
工程3:精製された抱合体の分析
抱合体の純度を、陰イオン交換クロマトグラフィー法-2を使用する分析的HPLCによって評価した。
インビボの試験
インビボの実験(野生型CD-1マウス)で、筋肉および肝臓におけるHPRTのmRNAダウンレギュレーションを媒介する能力について抱合体を評価した。下記の表に記載される、PBSビヒクル対照および示されたASCならびに用量を、静脈内(iv)注射によりマウスに投与した。168時間後、腓腹筋(gastroc)組織および肝組織を採取し、液体窒素中で急速冷凍した。標的組織中のmRNAのノックダウンを、方法のセクションに記載されるように比較qPCRアッセイを使用して判定した。総RNAを組織から抽出し、逆転写して、適切に設計されたプライマーおよびプローブを用いるTaqMan qPCRを使用して、mRNAのレベルを定量化した。PPIB(ハウスキーピング遺伝子)を内部RNAローディングコントロールとして使用して、比較Ct方法により結果を算出し、ここで、標的遺伝子Ct値とPPIB Ct値(ΔCt)との間の差を算出し、その後、第2の差(ΔΔCt)を得ることによってPBSの対照群に対して更に正規化する。
図6は、siRNAガイド鎖上の修飾されたビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造が、マウスへのIV投与後に、マウスの肝臓および腓腹筋においてHPRT標的遺伝子の用量依存的なダウンレギュレーションを媒介することができたことを示す。筋肉のトランスフェリン受容体を標的とする抗TfR mAbに結合すると、siRNAは、筋肉におけるHPRTダウンレギュレーションを媒介することができた。肝臓肝細胞のASGR受容体を標的とする抗ASGR mAbに結合すると、siRNAは、肝臓においてHPRTダウンレギュレーションを媒介することができた。
実施例16.HCT116細胞におけるビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造のインビトロの活性
siRNAの設計および合成:21量体のSSBガイド鎖をマウスSSBに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUACAUUAAAGUCUGUUGUUUであった。ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造(化合物3、30および32)を組み込む3つのバージョンを作った。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を、図A3に記載されるアミダイトを使用して組み込んだ。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、上記の二本鎖siRNAを得た。
インビトロの試験:様々なsiRNAを、100nM、10nM、1nM、0.1nM、0.01nM、0.001nM、および0.0001nMの最終濃度で、ヒト結腸直腸癌HCT116細胞にトランスフェクトした。メーカーの「フォワードトランスフェクション(forward transfection)」の説明書に従って、siRNAsを市販のトランスフェクション試薬、Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies)を用いて製剤化した。トランスフェクションの24時間前に、細胞を、1つのウェル当たり50000の細胞で24のウェル組織培養プレート上に3回繰り返し蒔いた。トランスフェクションの48時間後に、細胞をPBSで洗浄し、TRIzol(登録商標)試薬(Life Technologies)を用いて収集した。メーカーの説明に従って、RNAをDirect-zol-96 RNA Kit(Zymo Research)を使用して単離した。メーカーの説明に従って、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems)を使用して、10μlのRNAをcDNAに逆転写した。cDNAサンプルを、TaqMan(登録商標) Fast Advanced Master Mix(Applied Biosystems)を使用して、HPRT特異的およびPPIB特異的なTaqMan遺伝子発現プローブ(Thermo Fisher)を用いるqPCRによって評価した。HPRT値を、各サンプル内でPPIB遺伝子発現に正規化した。HPRTダウンレギュレーションの定量化を基準2-ΔΔCt方法を使用して実施した。全ての実験を3回繰り返して実行した。
EC50値は以下の通りであった:
図7は、二本鎖のインビトロのトランスフェクション後の、SSB siRNAのガイド鎖の5’末端上の新規なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造が、RISCにロードし、標的のSSB遺伝子の配列特異的ダウンレギュレーションを媒介することができることを実証する、用量反応曲線を示す。アナログ(化合物30および32)の活性は、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造(化合物3)に匹敵した。
実施例17.横紋筋肉腫細胞におけるビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造のインビトロの活性
siRNAの設計および合成:21量体のミオスタチン(MSTN)ガイド鎖をマウスおよびヒトMSTNに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAUUAUUUGUUCUUUGCCUUであった。様々な構造(化合物3、26、30および32)を組み込む4つのバージョンを調製した。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLCを用いて精製した。ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を、上記のようにアミダイトを使用して組み込んだ。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、上記の二本鎖siRNAを得た。
さらに、21量体のSSBガイド鎖をマウスSSBに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUACAUUAAAGUCUGUUGUUUであった。異なるビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造(化合物3、30および32)で3つのバージョンを作った。ガイドおよび完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を、本明細書に記載されるアミダイトを使用して組み込んだ。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、上記の二本鎖siRNAを得た。
インビトロの試験:siRNAの活性を、トランスフェクトされたヒト横紋筋肉腫細胞(SJCRH30、ATCC CRL-2061)において評価した。10%の熱不活性化FBS(Gibco)および10mMのHEPESならびに1mMのピルビン酸ナトリウムで補充したRPMI-1640において、細胞を成長させた。siRNAトランスフェクションについては、細胞を24ウェルプレート上に20.000の細胞/ウェルの密度で蒔き、および、メーカーの「フォワードトランスフェクション(forward transfection)」の説明に従って、Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies)を使用して、様々な濃度のsiRNA(0.0001-100nMの最終濃度)でトランスフェクトした。トランスフェクションの72時間後に細胞をPBSで洗浄し、300ul/ウェルのTRIzol(登録商標)試薬(Life Technologies)を用いて収集した。メーカーの説明に従って、RNAをDirect-zol-96 RNA Kit(Zymo Research)を使用して単離した。メーカーの説明に従って、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems)を使用して、10μlのRNAをcDNAに逆転写した。cDNAサンプルを、TaqMan(登録商標) Fast Advanced Master Mix(Applied Biosystems)およびΔΔCt方法を使用して、MSTN特異的およびPPIB特異的なTaqMan遺伝子発現プローブ(Thermo Fisher)を用いるqPCRによって評価した。個々の実験を2回あるいは3回実施した。
図8Aは、二本鎖のインビトロのトランスフェクション後の、MSTN siRNAのガイド鎖の上の新規なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造が、RISCにロードし、標的のMSTN遺伝子の配列特異的ダウンレギュレーションを媒介することができることを実証する、用量反応曲線を示す。アナログ(化合物26、30および32)の活性は、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド(化合物3)に匹敵した。
図8Bは、二本鎖のインビトロのトランスフェクション後の、SSB siRNAのガイド鎖の上の新規なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造が、RISCにロードし、標的のSSB遺伝子の配列特異的ダウンレギュレーションを媒介することができることを示す、用量反応曲線を示す。アナログ(30および32)の活性は、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド(化合物3)に匹敵した。
実施例18.ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造のインビトロの活性を、明らかに健康なヒト由来の不死化骨格筋筋芽細胞(MB):
siRNAの設計および合成:21量体のミオスタチン(MSTN)ガイド鎖をマウスおよびヒトMSTNに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUAUUAUUUGUUCUUUGCCUUであった。様々なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造(化合物3、26、30および32)を組み込む4つのバージョンを調製した。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLCを用いて精製した。ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を、本明細書に記載されるアミダイトを使用して組み込んだ。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、上記の二本鎖siRNAを得た。
さらに、21量体のSSBガイド鎖をマウスSSBに対して設計した。ガイド/アンチセンス鎖の配列(5’~3’)は、UUACAUUAAAGUCUGUUGUUUであった。異なるビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造(化合物3、30および32)を組み込む3つのバージョンを調製した。ガイド鎖および完全に相補的なRNAパッセンジャー鎖を、標準のホスホロアミダイト化学を使用して固体相上で組み立て、HPLC上で精製した。ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造を、本明細書に記載されるアミダイトを使用して組み込んだ。RNAiの分野で十分に説明されている塩基、糖、およびホスフェートの修飾を使用して、二本鎖の潜在能を最適化し、免疫原性を減らした。精製された一本鎖を二重にし、上記の二本鎖siRNAを得た。
インビトロの試験:siRNAの活性を、明らかに健康なヒト由来の不死化骨格筋筋芽細胞(MB)(Denis Furling, Institut de Myologie, Franceから入手)において評価した。MB細胞を完全な骨格筋細胞増殖培地(PromoCell)中で成長させた。トランスフェクションの24時間前に、細胞を、1つのウェル当たり4000(MB)の細胞で96のウェル組織培養プレート上に3回繰り返し蒔いた。siRNAを、50nM、5.5556nM、0.6173nM、0.0686nM、0.0076nM、0.0008nM、および0.0001nMの最終濃度で、細胞にトランスフェクトした。メーカーの「フォワードトランスフェクション」のプロトコルの説明に従って、siRNAを市販のトランスフェクション試薬、Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies)を用いて製剤化した。トランスフェクションの48時間後に、細胞をPBSで洗浄し、TRIzol(登録商標)試薬(Life Technologies)を用いて収集した。メーカーの説明に従って、RNAをDirect-zol-96 RNA Kit(Zymo Research)を使用して単離した。メーカーの説明に従って、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems)を使用して、10μlのRNAをcDNAに逆転写した。cDNAサンプルを、TaqMan(登録商標) Fast Advanced Master Mix(Applied Biosystems)を使用して、SSB特異的、MSTN特異的、およびPPIB特異的なTaqMan遺伝子発現プローブ(Thermo Fisher)を用いるqPCRによって評価した。SSBおよびMSTNの発現値を、各サンプル内でPPIB遺伝子発現に正規化した。SSBおよびMSTNダウンレギュレーションの定量化を、基準2-ΔΔCt法を使用して実施した。全ての実験を3回繰り返して実行した。
図9Aは、二本鎖のインビトロのトランスフェクション後の、MSTN siRNAのガイド鎖の上の新規なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造が、RISCにロードし、標的のMSTN遺伝子の配列特異的ダウンレギュレーションを媒介することができることを実証する、用量反応曲線を示す。アナログ(化合物26、30および32)の活性は、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド(化合物3)に匹敵した。
図9Bは、二本鎖のインビトロのトランスフェクション後の、SSB siRNAのガイド鎖の上の新規なビニルホスホネート修飾ヌクレオチド構造が、RISCにロードし、標的のSSB遺伝子の配列特異的ダウンレギュレーションを媒介することができることを実証する、用量反応曲線を示す。アナログ(30および32)の活性は、標準ビニルホスホネート修飾ヌクレオチド(化合物3)に匹敵した。
本開示の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないということは、当業者に明らかであろう。多くの変形、変更、および置き換えは、本開示から逸脱することなく、当業者によって想到されるものである。本明細書に記載される開示の実施形態の様々な代案が、本開示の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本開示の範囲を定義するものであり、ならびに、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法および構造はそれによって包含されることが、意図されている。