JP7686820B1 - 画像形成システム、画像形成装置及びサーバ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】画像形成装置の動作履歴に関するデータの収集レベルを調整して、画像形成装置の動作履歴などに応じた適切な分析精度を効率よく得ることを可能とする。
【解決手段】画像形成装置ＰＲと、サーバ装置ＳＶと、を有する画像形成システム１００が提供される。画像形成装置ＰＲは、データの収集に関する設定である収集データ設定に基づいて画像形成装置ＰＲの動作履歴に関する動作履歴データを収集し、収集した動作履歴データをサーバ装置ＳＶに伝達する収集手段ＥＣＴＬ０５、ＥＣＴＬ０６を備える。サーバ装置ＳＶは、動作履歴データを分析する分析手段ＳＣＴＬ０１、ＳＣＴＬ０２と、分析手段ＳＣＴＬ０１、ＳＣＴＬ０２の分析結果に基づいて、収集データ設定が変更されるように画像形成装置ＰＲへ通知を行う収集データ設定手段ＳＣＴＬ０５と、を備える。
【選択図】図４

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、又はこれらの機能のうち複数の機能を備えた複合機などの画像形成装置から画像形成装置の動作履歴に関するデータをサーバ装置に伝達する画像形成システム、画像形成装置及びサーバ装置に関するものである。

従来、複写機やプリンタなどの画像形成装置に関して、その動作履歴をサーバ上で分析し、ユーザやディーラに予防保守及び緊急保守の必要性を通知するシステムが提案されている。

特許文献１では、次のような仕組みが提案されている。サーバ上に実装した分析プログラムで画像形成装置の動作履歴を分析し、ユーザやディーラに給紙ローラや定着装置などの交換タイミングを通知する。その上で、保守内容の妥当性を判断し、分析プログラムの精度を改善する。

特開２０２１－７１６５７号公報

上述のようなシステムは、予め定められたデータを画像形成装置から収集し、クラウドサービスで分析する形態をとることが一般的である。クラウドサービスは、一般的に、サーバリソース（ストレージ、メモリ、実行時間）に応じた従量課金制が採用されている。そのため、分析精度を保ちつつ運用コストを抑えることが可能なシステムであることが重要である。

従来のシステムは、画像形成装置から収集される予め定められたデータが、所定の分析精度を保つための必要最低限のデータとなるように設計されている。しかし、画像形成装置の動作履歴などに応じた求められる分析精度の変更（変化）などに柔軟に対応できる仕組みが求められている。

そこで、本発明の目的は、画像形成装置の動作履歴に関するデータの収集レベルを調整して、画像形成装置の動作履歴などに応じた適切な分析精度を効率よく得ることを可能とすることである。

上記目的は本発明に係る画像形成システム、画像形成装置及びサーバ装置にて達成される。要約すれば、本発明の一態様によると、画像形成装置と、前記画像形成装置の動作に関連する不良の程度を決定する１つ以上のサーバ装置と、を備え、前記画像形成装置は、前記不良の程度の決定に用いられるデータを前記１つ以上のサーバ装置に送信し、前記不良の程度が第１の程度である場合、前記１つ以上のサーバ装置は、前記画像形成装置が第１のデータ量の前記データを前記１つ以上のサーバ装置へ送信するよう前記画像形成装置へ通知し、前記不良の程度が前記第１の程度より悪い第２の程度である場合、前記１つ以上のサーバ装置は、前記画像形成装置が第２のデータ量の前記データを前記１つ以上のサーバ装置へ送信するよう前記画像形成装置へ通知し、前記第２のデータ量は、前記第１のデータ量より多い、ことを特徴とする画像形成システムが提供される。

本発明の他の態様によると、画像形成装置であって、前記画像形成装置の動作に関連する不良の程度を決定する１つ以上のサーバ装置に、前記不良の程度の決定に用いられるデータを送信するように構成されており、前記不良の程度が第１の程度である場合に前記１つ以上のサーバ装置が前記画像形成装置に対して行う通知に基づいて、第１のデータ量の前記データを前記１つ以上のサーバ装置へ送信し、前記不良の程度が前記第１の程度より悪い第２の程度である場合に前記１つ以上のサーバ装置が前記画像形成装置に対して行う通知に基づいて、第２のデータ量の前記データを前記１つ以上のサーバ装置へ送信し、前記第２のデータ量は、前記第１のデータ量より多い、ことを特徴とする画像形成装置が提供される。

本発明の他の態様によると、画像形成装置の動作に関連する不良の程度を決定するサーバ装置であって、前記画像形成装置から送信される前記不良の程度の決定に用いられるデータを受信するように構成されており、前記不良の程度が第１の程度である場合、第１のデータ量の前記データを送信するよう前記画像形成装置へ通知し、前記不良の程度が前記第１の程度より悪い第２の程度である場合、第２のデータ量の前記データを送信するよう前記画像形成装置へ通知し、前記第２のデータ量は、前記第１のデータ量より多い、ことを特徴とするサーバ装置が提供される。

本発明によれば、画像形成装置の動作履歴に関するデータの収集レベルを調整して、画像形成装置の動作履歴などに応じた適切な分析精度を効率よく得ることが可能となる。

画像形成装置の概略断面図である。 画像形成システムのハードウェア構成を示す模式図である。 画像情報分析処理を説明するための模式図である。 実施例１の画像形成システムの機能ブロックを示す模式図である。 両面搬送制御を説明するための模式図である。 実施例１の制御を説明するためのフローチャート図である。 実施例２の画像形成システムの機能ブロックを示す模式図である。 実施例２における契約プラン設定画面の一例を示す模式図である。 実施例２の制御を説明するためのフローチャート図である。 実施例３の画像形成システムの機能ブロックを示す模式図である。 実施例３における保守情報収集画面の一例を示す模式図である。 実施例３における制御を説明するためのフローチャート図である。

以下、本発明に係る画像形成システム、画像形成装置及びサーバ装置を図面に則して更に詳しく説明する。

［実施例１］
＜画像形成装置の説明：図１＞
本実施例の画像形成装置の概略構成について説明する。本実施例の画像形成装置は、電子写真方式を用いてシート状の記録材Ｓにフルカラー画像を形成することが可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のカラーレーザプリンタである。図１は、本実施例のプリンタＰＲの概略断面図である。なお、プリンタＰＲでは、記録材Ｓとして主に紙が用いられるため、記録材Ｓのことを紙ということがあるが、記録材Ｓは紙に限定されるものではない。記録材Ｓとしては、例えば、合成樹脂を主体とする材料で構成された合成紙やフィルム、金属層を有する蒸着紙などの特殊紙などの、紙以外の材料又は紙以外の材料を含む材料で構成されたものを用いることもできる。

プリンタＰＲは、複数の画像形成部として、それぞれイエロー（Ｙ）、マゼンダ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、ブラック（Ｋ）の各色のトナー像を形成する４つの画像形成部ＰＹ、ＰＭ、ＰＣ、ＰＫを有する。これらの画像形成部ＰＹ、ＰＭ、ＰＣ、ＰＫは、後述する中間転写ベルト１１の略水平に配置される画像転写面の移動方向に沿って並んで配置されている。プリンタＰＲは、各画像形成部ＰＹ、ＰＭ、ＰＣ、ＰＫにより形成される４色のトナー像を重ね合わせることでカラー画像を出力できるように構成されている。なお、各色用に設けられた同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のＹ、Ｍ、Ｃ、Ｋを省略して総括的に説明することがある。

本実施例では、画像形成部Ｐは、後述する感光ドラム１、帯電ローラ２、露光装置３、現像装置４、クリーニング装置６などを有して構成されている。また、本実施例では、各画像形成部Ｐにおいて、感光ドラム１と、感光ドラム１に作用するプロセス手段としての帯電ローラ２、現像装置４及びクリーニング装置６とは、一体的に装置本体９に対して着脱可能なプロセスカートリッジ５を構成している。そして、プロセスカートリッジ５の下方に、露光装置（レーザユニット）３が配置されている。本実施例では、プリンタＰＲの装置本体９とは、プリンタＰＲの各プロセスカートリッジ５Ｙ、５Ｍ、５Ｃ、５Ｋを除いた部分である。

像担持体としての回転可能なドラム型の電子写真感光体（感光体）である感光ドラム１は、駆動手段としてのドラム駆動モータ（図示せず）から駆動力が伝達されることで、図中矢印Ｒ１方向（時計回り方向）に回転駆動される。回転する感光ドラム１の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ２によって、所定の極性（本実施例では負極性）の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電処理時に、帯電ローラ２には、帯電電圧印加手段としての帯電電源（図示せず）によって、感光ドラム１の帯電極性と同極性（本実施例では負極性）の所定の帯電電圧（帯電バイアス）が印加される。帯電処理された感光ドラム１の表面は、露光手段としての露光装置３によって画像信号に基づいて走査露光され、感光ドラム１上に静電潜像（静電像）が形成される。感光ドラム１上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置４によって現像剤としてのトナーが供給されて現像（可視化）され、感光ドラム１上にトナー像（トナー画像、現像剤像）が形成される。現像装置４は、現像剤担持体（現像部材）としての現像ローラ４１と、トナーを収容する現像容器４２と、を有する。現像ローラ４１は、駆動手段としてのドラム駆動モータ（図示せず）から駆動力が伝達されることで回転駆動される。現像ローラ４１は、現像容器４２内のトナーを担持して感光ドラム１との対向部（当接部）である現像部へと搬送し、感光ドラム１上の静電潜像に応じてトナーを感光ドラム１上に付着させる。現像時に、現像ローラ４１には、現像電圧印加手段としての現像電源（図示せず）によって、感光ドラム１の帯電極性と同極性（本実施例では負極性）の所定の現像電圧（現像バイアス）が印加される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム１上の露光部（イメージ部）に、感光ドラム１の帯電極性（本実施例では負極性）と同極性に帯電したトナーが付着する（反転現像方式）。本実施例では、現像時のトナーの主要な帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。

４つの感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋに対向するように、中間転写ユニット７が配置されている。中間転写ユニット７は、中間転写ベルト１１、３つの張架ローラ１２、１３、１４、４つの１次転写ローラ１０Ｙ、１０Ｍ、１０Ｃ、１０Ｋなどを有して構成されている。中間転写体としての回転可能な無端状のベルトで構成された中間転写ベルト１１は、４つの感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋに対向するように配置されている。中間転写ベルト１１は、複数の張架ローラとしてのテンションローラ１２、駆動ローラ１３及び２次転写対向ローラ１４に掛け渡されて所定の張力で張架されている。駆動ローラ１３は、駆動手段としてのベルト駆動モータ（図示せず）から駆動力が伝達されることで回転駆動される。中間転写ベルト１１は、駆動ローラ１３から駆動力が伝達されることで、図中矢印Ｒ２方向（反時計回り方向）に回転（周回移動）する。中間転写ベルト１１の内周面側には、各感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋに対応して、１次転写手段としてのローラ型の１次転写部材である１次転写ローラ１０が配置されている。１次転写ローラ１０は、感光ドラム１に向けて押圧され、中間転写ベルト１１を介して感光ドラム１に当接して、感光ドラム１と中間転写ベルト１１との接触部である１次転写部（１次転写ニップ部）Ｎ１を形成する。感光ドラム１上に形成されたトナー像は、１次転写部Ｎ１において、１次転写ローラ１０の作用によって、回転している中間転写ベルト１１上に転写（１次転写）される。１次転写時に、１次転写ローラ１０には、１次転写電圧印加手段としての１次転写電源（図示せず）によって、トナーの正規の帯電極性とは逆極性（本実施例では正極性）の所定の１次転写電圧（１次転写バイアス）が印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム１上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト１１上に重ね合わせられるようにして順次転写される。これにより、４色のトナー像が中間転写ベルト１１上に重なった状態で後述する２次転写部Ｎ２まで搬送される。

中間転写ベルト１１の外周面側において、２次転写対向ローラ（２次転写内ローラ）１４に対向する位置には、２次転写手段としてのローラ型の２次転写部材である２次転写ローラ（２次転写外ローラ）１５が配置されている。２次転写ローラ１５は、２次転写対向ローラ１４に向けて押圧され、中間転写ベルト１１を介して２次転写対向ローラ１４に当接して、中間転写ベルト１１と２次転写ローラ１５との接触部である２次転写部（２次転写ニップ部）Ｎ２を形成する。中間転写ベルト１１上に形成されたトナー像は、２次転写部Ｎ２において、２次転写ローラ１５の作用によって、中間転写ベルト１１と２次転写ローラ１５とに挟持されて搬送されている記録材Ｓ上に転写（２次転写）される。２次転写時に、２次転写ローラ１５には、２次転写電圧印加手段としての２次転写電源（図示せず）によって、トナーの正規の帯電極性とは逆極性（本実施例では正極性）の所定の２次転写電圧（２次転写バイアス）が印加される。記録用紙などの記録材（転写材、記録媒体、シート）Ｓは、給紙部２０から２次転写部Ｎ２へと搬送されてくる。給紙部２０は、記録材収納部としての給紙カセット２１と、給紙部材としての給紙ローラ２２と、搬送部材としての搬送ローラ２３と、分離搬送部材としての分離ローラ２４と、を有する。給紙カセット２１内に収納された記録材Ｓは、給紙ローラ２２によって給紙カセット２１から送り出される。給紙ローラ２２によって給紙された記録材Ｓは、搬送ローラ２３及び分離ローラ２４によって１枚ずつ分離搬送される。そして、給紙部２０から搬送された記録材Ｓは、同期搬送部材としてのレジストローラ対２５によって、中間転写ベルト１１上のトナー像とタイミングが合わせられて２次転写部Ｎ２へと搬送される。

トナー像が転写された記録材Ｓは、定着手段としての定着装置３０へと搬送される。定着装置３０は、熱源が内周面側に設けられた定着回転体としての定着フィルム３１と、加圧回転体としての加圧ローラ３２と、を有する。未定着のトナー像を担持した記録材Ｓは、定着フィルム３１と加圧ローラ３２とに挟持されて搬送される過程で加熱及び加圧されて、その表面にトナー像が定着（溶融、固着）される。片面プリントの場合、トナー像が定着された記録材Ｓは、排出部材としての排出ローラ対３３によって、装置本体９の外部（機外）に排出（出力）され、装置本体９の上面に設けられた排出部としてのトレイ８上に積載される。

また、１次転写後に感光ドラム１上に残留したトナー（１次転写残トナー）は、クリーニング手段としてのクリーニング装置６によって感光ドラム１上から除去されて回収される。クリーニング装置６は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード６１と、トナーを収容する廃トナー容器６２と、を有する。クリーニング装置６は、クリーニングブレード６１によって、回転する感光ドラム１の表面から１次転写残トナーを掻き取って、廃トナー容器６２内に回収する。また、２次転写後に中間転写ベルト１１上に残留したトナー（２次転写残トナー）などの付着物は、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置１６によって中間転写ベルト１１上から除去されて回収される。

なお、レジストローラ対２５から２次転写部Ｎ２への記録材Ｓの搬送路に、記録材検知手段としての搬送路センサ２７が配置されている。搬送路センサ２７は、早着や遅延などの搬送異常に起因するジャムの発生を判断するためのセンサである。プリンタＰＲは、ジャムが発生したと判断した場合、プリンタＰＲに設けられた操作表示部ＰＲ０２（図２）にジャムが発生した旨を表示する。また、プリンタＰＲは、必要に応じてジャムを解消するための手段に関する情報を操作表示部ＰＲ０２に表示する。

また、プリンタＰＲは、両面プリント（自動両面プリント）を行うことができるように構成されている。両面プリントの場合、定着装置３０を通過した第１面（１面目）に画像が形成された記録材Ｓは、機外に排出されず、その第２面（２面目）に対する画像形成が行われる。つまり、定着装置３０を通過した第１面に画像が形成された記録材Ｓは、反転ポイント２０１に向かう方向に搬送される。両面フラッパ５５は、記録材Ｓの搬送方向を排出方向と反転部方向とに切り替えることが可能である。両面プリントを行う場合は、第１面に画像形成済みの記録材Ｓの搬送方向の先端が両面フラッパ５５に到着する前に、両面フラッパ５５が記録材Ｓの搬送方向を反転部方向に切り替える。記録材Ｓは、反転ポイント２０１を通過した後、反転ローラ対５０によって機外に排出される方向に搬送される。この記録材Ｓの搬送方向の後端が反転ポイント２０１を通過し、反転ローラ対５０の位置にこの記録材Ｓが存在する間に、反転ローラ対５０が一旦停止する。そして、反転ローラ対５０がそれまでとは逆回転方向に回転することにより、この記録材Ｓは両面搬送路５２に向かう方向に搬送される。この記録材Ｓは、両面搬送路５２内で、両面搬送ローラ対５１及び再給紙ローラ対５３によって、再給紙待機ポイント２０２、合流ポイント２００へと順次搬送される。反転ローラ対５０、両面搬送ローラ対５１及び再給紙ローラ対５３は、駆動手段としての両面搬送モータ９２（図２）から駆動力が伝達されて回転する。両面搬送路５２は、合流ポイント２００において、搬送ローラ２３とレジストローラ対２５との間の記録材Ｓの搬送路に合流する。両面搬送路５２を通過して表裏を反転された記録材Ｓは、レジストローラ対２５によって２次転写部Ｎ２へと搬送される。そして、この記録材Ｓの第２面に中間転写ベルト１１上のトナー像が転写される。記録材Ｓの第２面に転写されたトナー像は、定着装置３０によって記録材Ｓ上に定着される。また、両面フラッパ５５が記録材Ｓの搬送方向を排出方向に切り替えることにより、両面に画像が形成された記録材Ｓは機外に排出される。

また、本実施例では、両面搬送路５２に検知手段としての画像読み取り部９０が設置されている。画像読み取り部９０は、画像読み取り手段としてのＣＩＳ（Ｃｏｎｔａｃｔ Ｉｍａｇｅ Ｓｅｎｓｏｒ：コンタクトイメージセンサ）９３、発光素子（図示せず）などを有して構成されている。画像読み取り部９０は、両面搬送路５２内を搬送される記録材Ｓやその記録材Ｓ上の画像の読み取りを所定のタイミングで開始する。画像読み取り部９０は、読み取った画像を、時系列のデジタル画素信号に変換して、メモリ（図示せず）にスキャン画像データとして蓄積する。

＜ハードウェア構成の説明：図２＞
図２は、本実施例における画像形成システム１００のハードウェア構成を説明するための模式図である。本実施例では、画像形成システム１００は、プリンタＰＲと、サーバＳＶと、モニタリングツールＭＴと、を有する。

プリンタＰＲは、ビデオコントローラＰＲ０１と、操作表示部ＰＲ０２と、プリンタエンジンＰＲ０３と、を有する。ここで、プリンタＰＲが有する操作表示部ＰＲ０２は、図示しないオペレーションパネルや操作ボタンなどを有して構成されている。オペレーションパネルは、情報を表示する表示部及び情報を入力する入力部の機能を有するものであってよい。操作ボタンは、情報を入力する入力部として機能する。ビデオコントローラＰＲ０１は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータ（外部装置）から送信されたプリントデータ（画像情報）やプリント指示をプリンタエンジンＰＲ０３に送信する。プリンタエンジンＰＲ０３は、演算処理部としてのＣＰＵ８０、記憶部としてのＲＯＭ８１及びＲＡＭ８２を備えたエンジン制御部ＥＣＴＬと、システムバスＰＲ０４と、ＩＯポートＰＲ０５と、を有する。また、記録材Ｓに画像を形成する前述のプロセスを実行するための各装置、例えば、各画像形成部Ｐ、中間転写ユニット７、２次転写ローラ１５、定着装置３０、各種駆動部、各種電源は、プリンタエンジンＰＲ０３を構成する。ＣＰＵ８０は、ＲＯＭ８１に記憶されているプログラム及び各種データをＲＡＭ８２にロードし、ＲＡＭ８２を作業領域とすることでプログラムを実行する。エンジン制御部ＥＣＴＬは、双方向にアクセス可能なシステムバスＰＲ０４を介して、ＩＯポートＰＲ０５と接続されている。これにより、エンジン制御部ＥＣＴＬとＩＯポートＰＲ０５とは、双方向にアクセス可能である。ＩＯポートＰＲ０５には、搬送路センサ２７、両面搬送モータ９２及びＣＩＳ９３などのプリンタＰＲの各装置が接続されている。ＣＰＵ８０は、ＩＯポートＰＲ０５を介してプリンタＰＲの各装置を制御する。これにより、エンジン制御部ＥＣＴＬは、プリンタＰＲに画像形成などの種々の動作を実行させる。なお、図２では、ＩＯポートＰＲ０５を介してエンジン制御部ＥＣＴＬに接続される装置の例として、本実施例との関係で特に注目する搬送路センサ２７、両面搬送モータ９２及びＣＩＳ９３が示されている。ただし、ＩＯポートＰＲ０５を介してエンジン制御部ＥＣＴＬに接続される装置はこれらに限定されるものではない。

サーバＳＶは、演算装置８５及び記憶装置８６を備えたサーバ制御部ＳＣＴＬを有する。サーバＳＶは、プリンタＰＲ及びモニタリングツールＭＴのそれぞれと、双方向にアクセス可能なネットワークで接続されている。これにより、サーバＳＶと、プリンタＰＲ及びモニタリングツールＭＴのそれぞれとは、双方向にアクセス可能である。演算装置８５は、記憶装置８６に保存されたプログラムの実行や、各種データの読み書きを行う。演算装置８５にはＣＰＵ、ＧＰＵなどを、また記憶装置８６にはＲＡＭ、ＨＤＤ、ＳＳＤなどを直接割り当ててもよいし、仮想マシンなどの仮想環境を割り当ててもよい。サーバＳＶのサーバ制御部ＳＣＴＬは、プリンタＰＲのビデオコントローラＰＲ０１を経由することで、プリンタＰＲのエンジン制御部ＥＣＴＬとの間での情報の受け渡しを行うことが可能である。また、サーバＳＶのサーバ制御部ＳＣＴＬは、インターネットなどのネットワークを通じて、モニタリングツールＭＴのモニタリングツール制御部ＭＣＴＬとの間での情報の受け渡しを行うことが可能である。

モニタリングツールＭＴは、サーバ制御部ＳＣＴＬからの情報を受信するためのモニタリングツール制御部ＭＣＴＬと、受信した情報を表示するための操作表示部ＭＤＳＰと、を有する。モニタリングツールＭＴは、例えば、パーソナルコンピュータで構成される。ここで、モニタリングツールＭＴが有する操作表示部ＭＤＳＰは、図示しないディスプレイ、キーボード、マウスなどを有して構成されている。具体的には、モニタリングツールＭＴの機能は、例えば、パーソナルコンピュータにインストールされたソフトウェアをパーソナルコンピュータが実行することで実現される。なお、モニタリングツールＭＴの形態は、パーソナルコンピュータやサーバに限らず、仮想マシンなどの仮想環境や、タブレット端末、専用デバイスであってもよい。これらは、それぞれ情報処理装置の例であるといえる。

＜画像情報分析処理の説明：図３、表１＞
本実施例では、エンジン制御部ＥＣＴＬ及びサーバ制御部ＳＣＴＬにおいて、記録材Ｓに本来の画像ではないスジ状のトナー像が形成されてしまう「縦スジ」と呼ばれる画像不良を検知する。具体的な検知アルゴリズムについて図３（ａ）を用いて説明する。図３（ａ）は、本実施例における縦スジの検知アルゴリズムを説明するための模式図である。

まず、記録材Ｓに形成したい元画像情報と、画像読み取り部９０で読み取った実画像情報と、を取得する。元画像情報は、例えばエンジン制御部ＥＣＴＬのメモリ（ＲＡＭ８２など）から取得することができ、実画像情報は、例えば画像読み取り部９０のメモリ（図示せず）から取得することができる。そして、２つの画像の位置合わせを行うために、２つの画像の差分が最も小さくなる位置を求める。画像の位置合わせは、例えば公知の方法などの任意の方法を用いて行うことができる。位置合わせを行った後、実画像と元画像との差分を取ることで得られた画像を分析対象画像とする。次に、分析対象画像に対して縦方向のエッジを強調するフィルタ、例えばＳｏｂｅｌフィルタを適用し、エッジ強調後の画像データに対して縦方向の画像濃度のバラつきを「特徴量」とする。縦方向の画像濃度のバラつきは、例えば斯界にて周知の偏差を求める方法などの任意の方法を用いて求めることができる。そして、例えば、予め決められた閾値以上の特徴量がある場合に画像不良ありと判断することができる。ここで、縦方向は、記録材Ｓの搬送方向（感光ドラム１の表面の移動方向、副走査方向）と略平行な方向であり、横方向は、感光ドラム１の回転軸線方向（主走査方向）と略平行な方向である。また、画像濃度は、０～２５５の２５６段階の濃度レベルで表される。

本実施例では、縦スジは、定着装置３０の汚れ（例えば、定着フィルム３１の表面へのトナーの固着）を起因とするものを想定している。

なお、本実施例では、上記アルゴリズムによる縦スジの検知を、表１に示すいくつかの検知形態で行う。「タイプ１」は、エンジン制御部ＥＣＴＬで算出した特徴量をサーバ制御部ＳＣＴＬに送信するため、送信するデータ量やサーバ制御部ＳＣＴＬで実行する計算量が小さいが、分析精度は低い。一方、「タイプ２」及び「タイプ３」は、エンジン制御部ＥＣＴＬで検知した画像データをサーバ制御部ＳＣＴＬに送信し、サーバ制御部ＳＣＴＬで特徴量を算出するため、送信するデータ量やサーバ制御部ＳＣＴＬで実行する計算量が大きくなるが、分析精度を高めることができる。タイプ２については、エンジン制御部ＥＣＴＬとサーバ制御部ＳＣＴＬとの両方で特徴量の算出を行う。つまり、画像の全領域の特徴量をエンジン制御部ＥＣＴＬで算出して、その特徴量をサーバ制御部ＳＣＴＬに送信すると共に、画像の一部領域の画像データをサーバ制御部ＳＣＴＬに送信して、サーバ制御部ＳＣＴＬでその一部領域の特徴量を算出する。このように、タイプ２では、画像の一部領域の詳細な分析をサーバ制御部ＳＣＴＬで行うことで、タイプ１における分析精度の低さを補っている。図３（ｂ）は、特徴量の算出を行う画像領域を説明するための模式図である。表１に示す「画像領域」は、図３（ｂ）に示すような特徴量の算出を行う画像領域を示し、画像の全領域を用いた分析の方が、画像の一部領域を用いた分析よりも、分析精度の向上につながる。また、表１に示す「分解能」は、上述の画像処理を施す単位を示し、値が小さい場合の方が、値が大きい場合よりも、分析精度の向上につながる。画像の一部領域は、所望の分析精度などに応じて適宜選択することができるが、図３（ｂ）に示す例では、縦方向における画像の１／４程度の領域である。

＜機能ブロックの説明：図４、図５、表２～表７＞
本実施例におけるエンジン制御部ＥＣＴＬ、ビデオコントローラＰＲ０１、サーバ制御部ＳＣＴＬ及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの機能について図４を用いて説明する。図４は、エンジン制御部ＥＣＴＬ、ビデオコントローラＰＲ０１、サーバ制御部ＳＣＴＬ及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの機能ブロックを示す模式図である。

エンジン制御部ＥＣＴＬの機能は、例えば、ＣＰＵ８０がＲＯＭ８１に記憶されているプログラムやＲＡＭ８２に記憶されているデータに基づいて処理を実行することで実現される。ビデオコントローラＰＲ０１の機能は、例えば、ビデオコントローラＰＲ０１において演算処理部としてのＣＰＵ（図示せず）が記憶部としてのＲＯＭやＲＡＭ（図示せず）に記憶されたプログラムやデータに基づいて処理を実行することで実現される。サーバ制御部ＳＣＴＬの機能は、例えば、演算装置８５が記憶装置８６に記憶されているプログラムやデータに基づいて処理を実行することで実現される。また、モニタリングツール制御部ＭＣＴＬの機能は、例えば、モニタリングツールＭＴにおいて演算処理部としてのＣＰＵ（図示せず）が記憶部としてのＲＯＭやＲＡＭ（図示せず）に記憶されたプログラムやデータに基づいて処理を実行することで実現される。ただし、これらの機能の全部又は一部がＡＳＩＣ（特定用途集積回路）やＦＰＧＡ（フィールドプログラマブルアレイ）などのハードウェア回路により実現されてもよい。

エンジン制御部ＥＣＴＬは、両面搬送制御を行う機能、画像情報を分析する機能、動作履歴に関する基礎データを収集する機能、動作履歴に関する拡張データを収集する機能、及び収集レベルを管理する機能を有する。

サーバ制御部ＳＣＴＬは、基礎データから画像不良を分析する機能、拡張データから画像不良を分析する機能、対策内容を決定する機能、対策内容を送信する機能、収集レベルを決定する機能、及び収集レベルを送信する機能を有する。

モニタリングツール制御部ＭＣＴＬは、対策内容を表示する機能を有する。

次に、それぞれの機能について順に説明する。

・両面搬送制御を行う機能
エンジン制御部ＥＣＴＬは、両面搬送制御を行う機能ブロックとして、両面搬送制御手段としての両面搬送制御部ＥＣＴＬ０１と、駆動制御手段としての駆動制御部ＥＣＴＬ０２と、を有する。両面搬送制御部ＥＣＴＬ０１は、次の順序で両面搬送制御を行う。図５は、両面搬送制御を説明するための、プリンタＰＲにおける両面搬送路５２の付近の概略断面図である。
１．両面フラッパ５５を制御して、第１面に画像が形成された１枚目の記録材Ｓ１を、反転ポイント２０１に向かう方向に搬送する。（図５（ａ））
２．駆動制御部ＥＣＴＬ０２に両面搬送モータ９２の駆動を指示し、１枚目の記録材Ｓ１を、両面搬送路５２を通して、再給紙待機ポイント２０２に向かう方向に搬送する。また、２枚目の記録材Ｓ２を、第１面に画像形成するために２次転写部Ｎ２へと搬送する。（図５（ｂ））
３．駆動制御部ＥＣＴＬ０２に両面搬送モータ９２の駆動を指示し、１枚目の記録材Ｓ１を再給紙待機ポイント２０２で待機させる。その間に、第１面に画像が形成された２枚目の記録材Ｓ２を、反転ポイント２０１に向かう方向に搬送する。（図５（ｃ））
４．駆動制御部ＥＣＴＬ０２に両面搬送モータ９２の駆動を指示し、１枚目の記録材Ｓ１を、再給紙ローラ対５３によりレジストローラ対２５へと再給紙し、第２面に対する画像の形成（２次転写）を開始する。（図５（ｄ））
５．両面フラッパ５５を制御して、第２面に画像が形成された１枚目の記録材Ｓ１を、排紙ローラ対３３に向かう方向に搬送し、機外へ排出する。また、駆動制御部ＥＣＴＬ０２に両面搬送モータ９２の駆動を指示し、２枚目の記録材Ｓ２を、両面搬送路５２を通して、合流ポイント２００に向かう方向に搬送する。そして、第２面に画像を形成するために２枚目の記録材Ｓ２を２次転写部Ｎ２へと搬送する。その後、３枚目の記録材Ｓ３を、第１面に画像を形成するために２次転写部Ｎ２へと搬送する（図５（ｅ））。

・画像情報を分析する機能
エンジン制御部ＥＣＴＬは、画像情報を分析する機能ブロックとして、画像分析手段としての画像分析部ＥＣＴＬ０３と、検知制御手段としての検知制御部ＥＣＴＬ０４と、を有する。検知制御部ＥＣＴＬ０４は、両面搬送制御部ＥＣＴＬ０１による制御によって両面搬送路５２を搬送される記録材Ｓの搬送方向の先端が画像読み取り部９０に到達すると、ＣＩＳ９３を用いて画像の読み取りを実行する。そして、検知制御部ＥＣＴＬ０４は、スキャン画像データを画像分析部ＥＣＴＬ０３に受け渡す。画像分析部ＥＣＴＬ０３は、検知制御部ＥＣＴＬ０４から受け渡された画像データを画像読み取り日時と関係づけてＲＡＭ８２に保存すると共に、表１に示したタイプ１の検知形態で特徴量を算出する処理を行い、その結果をＲＡＭ８２に保存する。特徴量（基礎データ）は、画像形成装置の動作履歴に関するデータ（動作履歴データ）の一例である。以下、スキャン画像データのサイズは、縦（副走査方向）ｈピクセル×横（主走査方向）ｗピクセルを前提として説明する。

・基礎データを収集する機能
エンジン制御部ＥＣＴＬは、基礎データを収集する機能ブロックとして、基礎データ収集手段としての基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５を有する。基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５は、画像分析部ＥＣＴＬ０３が保存した特徴量（基礎データ）を、ビデオコントローラＰＲ０１が有する通信手段としての通信部ＰＣＴＬ０１に伝達する。ただし、伝達の可否設定は、後述する収集レベル設定反映部ＥＣＴＬ０８が行い、伝達が「無効」と指定された場合は、基礎データの伝達処理を行わない。また、通信部ＰＣＴＬ０１は、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５から特徴量が伝達されると、画像読み取り日時及び特徴量をサーバ制御部ＳＣＴＬに通知する。サーバ制御部ＳＣＴＬは、受信した画像読み取り日時及び特徴量を記憶装置８６に保存する。基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５は、ビデオコントローラＰＲ０１が有する通信部ＰＣＴＬ０１を経由して、後述するサーバ制御部ＳＣＴＬの基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１に直接的に画像読み取り日時及び特徴量を伝達してもよい。なお、保存された基礎データの例を表２に示す。表２に示す「ｎ」は、ｗ÷１０（表１に示す分解能１０ピクセルに相当する）の整数部分である。

・拡張データを収集する機能
エンジン制御部ＥＣＴＬは、拡張データを収集する機能ブロックとして、拡張データ収集手段としての拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６を有する。拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６は、画像分析部ＥＣＴＬ０３が保存した画像データから指定された領域の画像データ（拡張データ）を抽出し、ビデオコントローラＰＲ０１が有する通信部ＰＣＴＬ０１に伝達する。ただし、領域指定は後述する収集レベル設定反映部ＥＣＴＬ０８が行い、指定された領域が「０（なし）」の場合は、拡張データの伝達処理を行わない。また、通信部ＰＣＴＬ０１は、拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６から拡張データが伝達されると、画像読み取り日時及び画像データをサーバ制御部ＳＣＴＬに通知する。指定された領域の画像データ（拡張データ）は、画像形成装置の動作履歴に関するデータ（動作履歴データ）の一例である。サーバ制御部ＳＣＴＬは、受信した画像読み取り日時及び画像データを記憶装置８６に保存する。拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６は、ビデオコントローラＰＲ０１が有する通信部ＰＣＴＬ０１を経由して、後述するサーバ制御部ＳＣＴＬの拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２に直接的に画像読み取り日時及び画像データを伝達してもよい。なお、保存された拡張データの例を表３に示す。

・収集レベルを管理する機能
エンジン制御部ＥＣＴＬは、動作履歴データの収集レベルを管理する機能ブロックとして、収集レベル設定受信手段としての収集レベル設定受信部ＥＣＴＬ０７と、収集レベル設定反映手段としての収集レベル設定反映部ＥＣＴＬ０８と、を有する。収集レベル設定受信部ＥＣＴＬ０７は、後述するサーバ制御部ＳＣＴＬが有する収集レベル設定送信部ＳＣＴＬ０６から収集レベル設定を受信する。本実施例における収集レベル設定は、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５と拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６とに、基礎データ収集の可否と拡張データ収集の領域とをそれぞれ指示することであり、エンジン制御部ＥＣＴＬへのコマンドとして表現される。収集レベル設定反映部ＥＣＴＬ０８は、収集レベル設定受信部ＥＣＴＬ０７が収集レベル設定を指示するコマンドを受信した場合、基礎データの収集レベルと拡張データの収集レベルとを表４に示すように設定（変更）する。収集レベル設定は、「レベル１」が最も分析精度が低く、「レベル２」の分析精度は「レベル１」よりも高く、「レベル３」が最も分析精度が高い。一方、分析精度のより高い収集レベル設定は、より多くのシステムのリソースを使用し、運用コストがかかる傾向がある。

・基礎データから画像不良を分析する機能
サーバ制御部ＳＣＴＬは、基礎データから画像不良を分析する機能ブロックとして、基礎データ分析手段としての基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１を有する。基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１は、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５から受信した（記憶装置８６に保存された）特徴量に対し、直近Ｘ枚分の平均Ａｉ（ｉ＝１～ｎ）を算出する。本実施例では、Ｘ＝１００とし、データ数がＸに満たない場合はＡｉを未算出とする。また、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１は、Ｖｉ＝ｍａｘ（Ａｉ）－ｍｉｎ（Ａｉ）を計算し、Ｖｍａｘ＝ｍａｘ（Ｖｉ）に対して、表５に示す基準に基づいて縦スジによる画像不良の分析を行い、分析結果を画像読み取り日時に紐づけて記憶装置８６に保存する。

・拡張データから画像不良を分析する機能
サーバ制御部ＳＣＴＬは、拡張データから画像不良を分析する機能ブロックとして、拡張データ分析手段としての拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２を有する。拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２は、拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６から受信した（記憶装置８６に保存された）画像データからピクセル毎に特徴量を算出し、直近Ｘ枚分の平均Ａｊ（ｊ＝１～ｗ）を算出する。本実施例では、Ｘ＝１００とし、データ数がＸに満たない場合はＡｊを未算出とする。また、拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２は、Ｗｊ＝ｍａｘ（Ａｊ）－ｍｉｎ（Ａｊ）を計算し、Ｗｍａｘ＝ｍａｘ（Ｖｊ）に対して、表５に示す基準に基づいて縦スジによる画像不良の分析を行い、分析結果を画像読み取り日時に紐づけて記憶装置８６に保存する。

・対策内容を決定する機能
サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容を決定する機能ブロックとして、対策内容決定手段としての対策内容決定部ＳＣＴＬ０３を有する。対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１及び拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２の分析結果に基づいて、対策内容を決定する。本実施例では、画像不良の発生しているユニットの例を定着装置３０としており、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、表６に示す基準に従い、対策内容を決定する。対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、決定した対策内容をモニタリングツールＭＴに通知する。表６に示すように、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１の分析結果と拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２の分析結果とを統合する。そして、いずれかの分析結果において「注意」と判断された場合には「定着装置の交換推奨」コマンドを通知し、両方の分析結果において「注意」と判断された場合には「定着装置の交換を強く推奨」コマンドを通知する。

・対策内容を送信する機能
サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容を送信する機能ブロックとして、対策内容送信手段（通知手段）としての対策内容送信部ＳＣＴＬ０４を有する。対策内容送信部ＳＣＴＬ０４は、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３が決定した対策内容を、ネットワークを経由して、後述するモニタリング制御部ＭＣＴＬが有する対策内容受信部ＭＣＴＬ０１に伝達する。モニタリングツールＭＴは、サーバ制御部ＳＣＴＬから受信した対策内容をモニタリングツールＭＴの記憶部に一旦保存してもよい。本実施例では、上述の対策内容は、通知クライアント装置としてのモニタリングツールＭＴへのコマンドとして伝達する。

・対策内容を表示する機能
モニタリングツール制御部ＭＣＴＬは、対策内容を表示する機能ブロックとして、対策内容受信手段としての対策内容受信部ＭＣＴＬ０１と、対策内容反映手段としての対策内容反映部ＭＣＴＬ０２と、表示制御手段としての表示制御部ＭＣＴＬ０３と、を有する。本実施例では、画像不良の状態、具体的には前述の基礎データ及び拡張データの分析結果に基づいて、モニタリングツールＭＴの操作表示部ＭＤＳＰの表示内容を変更する。対策内容受信部ＭＣＴＬ０１は、サーバ制御部ＳＣＴＬが有する対策内容送信部ＳＣＴＬ０４から対策内容を受信する（あるいはモニタリングツールＭＴの記憶部から取得する）。本実施例では、対策内容として、「定着装置の交換推奨」や「定着装置の交換を強く推奨」のようなディーラへの指示をモニタリングツールＭＴの操作表示部ＭＤＳＰに表示する。対策内容反映部ＭＣＴＬ０２は、対策内容受信部ＭＣＴＬ０１が「定着装置の交換推奨」コマンドを受信した場合、対策内容として「定着装置の交換推奨」を示す情報を操作表示部ＭＤＳＰに表示するように表示制御部ＭＣＴＬ０３に指示する。表示制御部ＭＣＴＬ０３は、例えば、単に定着装置３０の交換が推奨される旨を表示するか、これに加えて又は代えて、交換用の定着装置３０の発注などの準備指示を操作表示部ＭＤＳＰに表示する。また、対策内容反映部ＭＣＴＬ０２は、対策内容受信部ＭＣＴＬ０１が「定着装置の交換を強く推奨」コマンドを受信した場合、対策内容として「定着装置の交換を強く推奨」を示す情報を操作表示部ＭＤＳＰに表示するように表示制御部ＭＣＴＬ０３に指示する。表示制御部ＭＣＴＬ０３は、例えば、単に定着装置３０の交換が強く推奨される旨を表示するか、これに加えて又は代えて、サービス出動及び定着装置３０の交換の指示を操作表示部ＭＤＳＰに表示する。これにより、ディーラは、操作表示部ＭＤＳＰの表示から必要な対策を確認することが可能になる。

・収集レベル設定を決定する機能
サーバ制御部ＳＣＴＬは、収集レベル設定を決定する機能ブロックとして、収集レベル設定決定手段（収集データ設定手段）としての収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５を有する。収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１及び拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２の分析結果に基づいて、収集レベル設定を決定する。本実施例では、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、表７に示す基準に従い、収集レベル設定を決定する。表７に示すように、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１の分析結果と拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２の分析結果とを統合する。そして、「注意」と判断された数に応じて収集レベル設定を上げる。

・収集レベル設定を送信する機能
サーバ制御部ＳＣＴＬは、収集レベル設定を送信する機能ブロックとして、収集レベル設定送信手段としての収集レベル設定送信部ＳＣＴＬ０６を有する。収集レベル設定送信部ＳＣＴＬ０６は、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５が決定した収集レベル設定を、ビデオコントローラＰＲ０１が有する通信部ＰＣＴＬ０１を経由して、エンジン制御部ＥＣＴＬが有する収集レベル設定受信部ＥＣＴＬ０７に伝達する。

このように、サーバＳＶの収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、収集レベル設定送信部ＳＣＴＬ０６を介して、プリンタＰＲに、基礎データ及び拡張データの分析結果に基づいて決定した収集レベル設定を通知する。これにより、プリンタＰＲの基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５及び拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６は、収集レベル設定受信部ＥＣＴＬ０７及び収集レベル設定反映部ＥＣＴＬ０８を介して、データの収集に関する設定である収集レベル設定が変更される。そして、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５及び拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６は、この収集レベル設定に基づいて動作履歴データを収集し、収集した動作履歴データをサーバＳＶに伝達する。

＜制御部の動作の説明：図６＞
本実施例におけるエンジン制御部ＥＣＴＬ、サーバ制御部ＳＣＴＬ、及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの動作について図６を用いて説明する。図６は、本実施例におけるエンジン制御部ＥＣＴＬ、サーバ制御部ＳＣＴＬ、及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの動作を説明するためのフローチャートである。

図６のフローチャートの手順は、エンジン制御部ＥＣＴＬ（プリンタエンジンＰＲ０３）がプリント指示を受けると開始される。エンジン制御部ＥＣＴＬは、プリント指示を受けると、記録材Ｓの第１面に対して前述の画像形成プロセスにより画像を形成するようにプリンタＰＲの各装置を制御する（Ｓ００１）。次に、エンジン制御部ＥＣＴＬは、１枚目の記録材Ｓ１を、反転ローラ対５０に向かう方向に案内するよう両面フラッパ５５に指示し、両面搬送路５２へと搬送する（Ｓ００２）。次に、エンジン制御部ＥＣＴＬは、記録材Ｓ１の搬送方向の先端が画像読み取り部９０に到達すると、ＣＩＳ９３を用いて画像読み取りを実行する（Ｓ００３）。次に、エンジン制御部ＥＣＴＬは、画像分析部ＥＣＴＬ０３において、読み取られた画像データと算出した特徴量をＲＡＭ８２に保存する（Ｓ００４）。その後、エンジン制御部ＥＣＴＬは、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５、拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６において、収集レベル設定に応じて（Ｓ００５）、特徴量及び画像データのうちの少なくとも一方をサーバ制御部ＳＣＴＬに通知する（Ｓ００６Ｌ１、Ｓ００６Ｌ２、Ｓ００６Ｌ３）。つまり、収集レベル設定がレベル１の場合は、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５が特徴量をサーバ制御部ＳＣＴＬに通知する（Ｓ００６Ｌ１）。また、収集レベル設定がレベル２の場合は、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５が特徴量を、また拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６が画像データをそれぞれサーバ制御部ＳＣＴＬに通知する（Ｓ００６Ｌ２）。また、収集レベル設定がレベル３の場合は、拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６が画像データをサーバ制御部ＳＣＴＬに通知する（Ｓ００６Ｌ３）。次に、サーバ制御部ＳＣＴＬは、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１、拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２において、受信した特徴量及び画像データに基づいて、画像不良の分析を行う（Ｓ００７）。つまり、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１は、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５から受信した特徴量に基づいて、画像不良の分析を行う。また、拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２は、拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６から受信した画像データに基づいて画像不良の分析を行う。

次に、サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３において、基礎データ及び拡張データの分析結果に基づいて対策内容を決定し、モニタリングツール制御部ＭＣＴＬに送信する（Ｓ００８）。本実施例では、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、表６に示す基準に従って対策内容を決定する。次に、モニタリングツール制御部ＭＣＴＬは、対策内容受信部ＭＣＴＬ０１において、対策内容を受信する。すると、モニタリングツール制御部ＭＣＴＬは、対策内容反映部ＭＣＴＬ０２において、受信した対策内容を表示制御部ＭＣＴＬ０３による操作表示部ＭＤＳＰの制御に反映する（Ｓ００９）。本実施例では、「定着装置の交換推奨」や「定着装置の交換を強く推奨」のような対策内容を示すコマンドに従って、表示制御部ＭＣＴＬ０３がディーラへの指示を操作表示部ＭＤＳＰに表示する。

次に、サーバ制御部ＳＣＴＬは、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５において、基礎データ及び拡張データの分析結果に基づいて収集レベル設定を決定し、エンジン制御部ＥＣＴＬに送信する（Ｓ０１０）。本実施例では、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、表７に示す基準に従って収集レベル設定を決定する。次に、エンジン制御部ＥＣＴＬは、収集レベル設定受信部ＥＣＴＬ０７において、収集レベル設定を受信する。すると、エンジン制御部ＥＣＴＬは、収集レベル設定反映部ＥＣＴＬ０８において、受信した収集レベル設定を、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５及び拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６のそれぞれによる制御（基礎データ収集の可否の設定、拡張データ収集の領域の設定）に反映する（Ｓ０１１）。

なお、説明の便宜上、Ｓ００８～Ｓ００９の手順と、Ｓ０１０～Ｓ０１１の手順と、を直列的に記載しているが、これらの手順は上記とは逆の順番で実行されてもよいし、実質的に同時に実行されてもよい。

次に、エンジン制御部ＥＣＴＬは、記録材Ｓの第２面に対して前述の画像形成プロセスにより画像を形成し、機外へ排出するように、プリンタＰＲの各装置を制御する（Ｓ０２０）。

その後、エンジン制御部ＥＣＴＬは、次の記録材Ｓに対するプリント指示があれば（Ｓ０２１）、再び記録材Ｓの第１面に対する画像形成に戻り（Ｓ００１）、そうでなければ制御を終了する。

このように、本実施例では、画像形成システム１００は、動作履歴データの分析結果に基づいて、収集レベル設定を動的に調整する。具体的には、本実施例では、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１の分析結果と拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２の分析結果とに基づいて、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５の基礎データ収集の可否の設定及び拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６拡張データ収集の領域の設定を動的に調整する。これにより、動作履歴などに応じた求められる分析精度の変更（変化）などに柔軟に対応しながら、運用コストを最適化することができる。

［実施例２］
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成システム及び画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例１の画像形成システム及び画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成システム及び画像形成装置において、実施例１のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例１と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。

本実施例では、画像形成システム１００は、動作履歴データの分析結果と、動作履歴データの収集レベル（収集レベル設定）の調整パターンを指定する情報としての契約プラン情報と、に基づいて、収集レベル設定を決定する。

＜機能ブロックの説明：図７＞
図７は、本実施例におけるエンジン制御部ＥＣＴＬ、サーバ制御部ＳＣＴＬ及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの機能ブロックを示す模式図である。本実施例は、主に、画像形成システム１００が契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４を使用して収集レベル設定を決定する点が実施例１と異なる。

本実施例では、モニタリングツール制御部ＭＣＴＬは、収集レベル設定の調整パターンを指定する情報を取得する機能ブロックとして、契約プラン設定手段（調整パターン指定手段）としての契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４を有する。契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４は、保守設定情報収集手段としての保守設定情報収集部ＭＣＴＬ０６を構成する。収集レベル設定の調整パターンとは、動作履歴データの分析結果と収集レベル設定との関係を示す情報である。言い換えると、収集レベル設定の調整パターンとは、動作履歴データの分析結果に応じて収集レベル設定を調整するルールを示す情報である。実施例１では、画像形成システム１００には、収集レベル設定の調整パターンは１種類のみ設けられていたが、本実施例では、収集レベル設定の調整パターンが複数設けられており、契約プランに応じて選択されて用いられる。

本実施例では、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４（モニタリングツールＭＴの記憶部）には、収集レベル設定の調整パターンを指定する情報として、ディーラとユーザとが結んでいる契約プラン（契約内容）を示す契約プラン情報が格納されている。契約プラン情報は、予め設定された画像形成装置の保守に関する条件に関する情報である保守設定情報の一例である。契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４に格納された契約プラン情報は、ネットワークを経由して、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５へ送信される。また、本実施例では、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５（サーバ制御部ＳＣＴＬの記憶装置８６）には、契約プラン毎の収集レベル設定の調整パターンが格納されている。そして、本実施例では、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、基礎データ及び拡張データの分析結果と共に、契約プラン情報に応じて選択された収集レベル設定の調整パターンを用いて、収集レベル設定を判断（決定）する。

本実施例における収集レベル設定は、実施例１における表４に示すものと同様である。つまり、収集レベル設定は、「レベル１」が最も分析精度が低く、「レベル２」の分析精度は「レベル１」よりも高く、「レベル３」が最も分析精度が高い。一方、より高い分析精度の収集レベル設定は、より多くのシステムのリソースを使用し、運用コストがかかる傾向がある。そのため、典型的には、ディーラは、より高い分析精度の収集レベル設定をより多く用いる調整パターンに関しては、より高額の契約プランをユーザと結び、サービスを提供する。

表８に、基礎データ及び拡張データの分析結果と契約プランとに応じた収集レベル設定の調整パターンを示す。本実施例における基礎データ及び拡張データの分析結果（不明・良好・通常・注意）に基づく収集レベル設定の判断方法は、実施例１と同様である。また、本実施例では、契約プランＡ～契約プランＥの５段階の契約プランがあり、契約プランＡが最も低料金、プランＥが最も高額な契約である。

図８は、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４において契約プランを設定する操作画面の例を示す。モニタリングツールＭＴの機能は、例えば、パーソナルコンピュータにインストールされたソフトウェアをパーソナルコンピュータが実行することで実現される。例えば、操作者は、操作画面ＭＤＳＰに表示されたＵＩ（ユーザインターフェース）画面をキーボードやマウスなどを使って操作することで、モニタリングツールＭＴにおける情報の入力を行うことができる。図８の例では、各契約プランのカラムにチェックボックスがあり、いずれかのチェックボックスを選択することで、対象となるユーザのプリンタＰＲにおいて適用すべき収集レベル設定の調整パターンを設定することができる。図８は、一例として、プランＢを選択した状態を示している。

なお、本実施例では、モニタリングツールＭＴがパーソナルコンピュータで構成される例を示したが、モニタリングツールＭＴは、例えば操作画面を有する専用デバイスであっても構わない。

また、表８（及び図８）の例では、プランＡ及びプランＥでは、収集レベル設定は、動作履歴データの分析結果によらずに一定である。このように、予め設定された収集レベル設定の複数の調整パターンには、動作履歴データの分析結果に基づいて収集レベル設定が動的に調整されない調整パターンが含まれていてもよい。

＜制御部の動作の説明：図９＞
本実施例におけるエンジン制御部ＥＣＴＬ、サーバ制御部ＳＣＴＬ、及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの動作について図９を用いて説明する。図９は、本実施例におけるエンジン制御部ＥＣＴＬ、サーバ制御部ＳＣＴＬ、及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの動作を説明するためのフローチャートである。

図９（ａ）のフローチャートの手順は、例えばプリンタＰＲの設置時に、モニタリングツール制御部ＭＣＴＬ（モニタリングツールＭＴ）において開始される、契約プラン情報を設定する手順である。具体的には、例えばディーラの操作者によるモニタリングツールＭＴにおける操作に基づいて、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４が、ディーラとユーザとが結んでいる契約プラン（契約内容）に応じて選択された契約プラン情報を設定する（Ｓ１０１）。

図９（ｂ）のフローチャートの手順は、図６のフローチャートの手順と同様の、エンジン制御部ＥＣＴＬ（プリンタエンジンＰＲ０３）がプリント指示を受けると開始される手順である。図９（ｂ）のフローチャートにおいて、実施例１で説明した図６のフローチャートの処理と同一又は対応する処理には同一のステップ番号を付して、適宜説明を省略する。本実施例では、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５が契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４から契約プラン情報を取得する手順（Ｓ１０２）が追加されている点が実施例１と異なる。また、本実施例では、Ｓ００７の処理において、取得された契約プラン情報の分析が行われる点が実施例１と異なる。

具体的には、サーバ制御部ＳＣＴＬは、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１、拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２において、収集レベル設定に応じて、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５、拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６から特徴量、画像データをそれぞれ取得する（Ｓ００５、Ｓ００６Ｌ１～Ｓ００６Ｌ３）。また、サーバ制御部ＳＣＴＬは、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５において、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４から契約プラン情報を取得する（Ｓ１０２）。次に、サーバ制御部ＳＣＴＬは、実施例１と同様に、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１、拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２において、受信した特徴量及び画像データに基づいて、画像不良の分析を行う（Ｓ００７）。また、サーバ制御部ＳＣＴＬは、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５において、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４から取得された契約プラン情報を分析して、収集レベル設定の調整パターンを判断（決定）する（Ｓ００７）。

そして、サーバ制御部ＳＣＴＬは、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５において、基礎データ及び拡張データの分析結果と、契約プラン情報に応じて選択された収集レベル設定の調整パターンと、に基づいて、収集レベル設定を決定し、エンジン制御部ＥＣＴＬに送信する（Ｓ０１０）。本実施例では、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、表８に示す基準に従って収集レベル設定を決定する。Ｓ００８、Ｓ００９、Ｓ０２０、Ｓ０２１の処理は実施例１と同様である。

なお、説明の便宜上、Ｓ００８～Ｓ００９の手順と、Ｓ０１０～Ｓ０１１の手順と、を直列的に記載しているが、これらの手順は上記とは逆の順番で実行されてもよいし、実質的に同時に実行されてもよい。

このように、本実施例では、動作履歴データの分析結果と、収集レベル設定の調整パターンを指定する情報（本実施例では、保守設定情報としての契約プラン情報により予め設定された条件）と、に基づいて、収集レベル設定を動的に調整する。これにより、動作履歴などに応じた求められる分析精度の変更（変化）などに柔軟に対応しながら、個々のユーザの要望に合わせて、運用コストを最適化することができる。

なお、本実施例では、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４は、モニタリングツールＭＴに設けられていたが、これに限られるものではなく、例えば、エンジン制御部ＥＣＴＬに設けられていてもよい。この場合、モニタリングツールＭＴからではなく、プリンタＰＲの操作表示部ＰＲ０２から契約プラン情報を設定することができる。また、例えば、画像形成システム１００は、別のクラウドシステム（契約システム）と連携する形で、契約プラン情報を取得してもよい。

［実施例３］
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成システム及び画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例１、２の画像形成システム及び画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成システム及び画像形成装置において、実施例１、２のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例１、２と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。

本実施例では、画像形成システム１００は、動作履歴データの分析結果と、対策内容を通知する通知先となる通知クライアント装置を指定する情報としてのサービスマンの出動可否情報と、に基づいて、適切な通知クライアント装置を決定する。また、本実施例では、画像形成システム１００は、決定された通知クライアント装置に応じて、対策内容を変更する。更に、本実施例では、決定された通知クライアント装置に応じて、収集レベル設定を変更する。

＜機能ブロックの説明：図１０＞
図１０は、本実施例におけるエンジン制御部ＥＣＴＬ、サーバ制御部ＳＣＴＬ及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの機能ブロックを示す模式図である。本実施例は、主に、次の３点が実施例２と異なる。まず、画像形成システム１００が、出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５を使用して、保守設定情報としての、サービスマンがすぐに対応できるか否かといったサービスマンの出動可否情報を取得する点である。次に、画像形成システム１００が、対策内容決定部（通知先決定部）ＳＣＴＬ０３において、保守設定情報としての契約プラン情報及び出動可否情報を受信し、分析する点である。最後に、画像形成システム１００が、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５において、保守設定情報としての契約プラン情報及び出動可否情報を受信し、分析する点である。

本実施例では、モニタリングツール制御部ＭＣＴＬは、収集レベル設定の調整パターンを指定する情報を取得する機能ブロックとして、契約プラン設定手段としての契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４を有する。また、本実施例では、モニタリングツール制御部ＭＣＴＬは、対策内容の通知クライアント装置を指定する情報を取得する機能ブロックとして、出動可否情報設定手段（通知先指定手段）としての出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５を有する。契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４及び出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５は、保守設定情報収集手段としての保守設定情報収集部ＭＣＴＬ０６を構成する。このように、本実施例では、保守設定情報収集部ＭＣＴＬ０６は、実施例２で説明した契約プラン情報を契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４で収集することに加え、出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５で出動可否情報を収集する。契約プラン情報、出動可否情報は、それぞれ予め設定された画像形成装置の保守に関する条件に関する情報である保守設定情報の一例である。

本実施例では、出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５は、サービスマンが出動可能なタイミングに関する情報としての曜日と時間帯に関する情報を取得する。例えば、プリンタＰＲの設置時に、ディーラの操作者が、モニタリングツールＭＴにおける操作に基づいて、サービスマンが出動可能な曜日と時間帯に関する情報を設定する。図１１は、サービスマンが出動可能な曜日と時間帯に関する情報を設定する操作画面の例を示す。図１１の例では、各曜日に対するチェックボックスがあり、いずれかのチェックボックスを選択することで、対象となるユーザのプリンタＰＲにおいて適用すべきサービスマンが出動可能な曜日を設定することができる。また、各曜日に対して時間帯を選択する欄があり、いずれかの時間帯（図示の例では１時間毎）を選択することで、対象となるユーザのプリンタＰＲにおいて適用すべきサービスマンが出動可能な時間帯を設定することができる。図１１は、月曜日から金曜日のＡＭ１０：００～ＰＭ５：００の間にサービスマンが出動可能と設定した状態を示している。

サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３において、出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５から受信した出動可否情報（曜日、時間帯）と、現在日時（曜日、時刻）と、に基づいて、「保守状態」を決定する。本実施例では、現在日時がサービスマンの出動可能な曜日及び時間帯に該当する場合、保守状態を「出動可能」とする。一方、現在日時がサービスマンの出動可能な曜日及び時間帯に該当しない場合、保守状態を「出動不可」とする。

また、本実施例では、サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３において、基礎データ及び拡張データの分析結果と、上記保守状態と、に基づいて、対策内容及び通知クライアント装置を決定する。このように、本実施例では、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、対策内容決定手段としての機能を有すると共に、通知先決定手段としての機能を有する。本実施例では、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、表９に示す基準に従い、対策内容及び通知クライアント装置を決定する。保守状態が「出動可能」の場合は、画像不良の状態、具体的には実施例１、２で説明した基礎データ及び拡張データの分析結果に応じて、「定着装置の交換推奨」や「定着装置の交換を強く推奨」コマンドをモニタリングツールＭＴに送信する。つまり、この場合は、通知クライアント装置としてのモニタリングツールＭＴへ対策内容を示すコマンドが伝達される。一方、保守状態が「出動不可」の場合は、画像不良の状態、具体的には実施例１、２で説明した基礎データ及び拡張データの分析結果に応じて、定着装置クリーニング操作案内表示コマンドをプリンタＰＲに送信する。つまり、この場合は、通知クライアント装置としてのプリンタＰＲへ対策内容を示すコマンドが伝達される。

本実施例では、「出動可能」の場合は、サーバ制御部ＳＣＴＬは、実施例１、２と同様にして、ネットワークを経由して、モニタリング制御部ＭＣＴＬが有する対策内容受信部ＭＣＴＬ０１に対策内容を送信する。一方、本実施例では、「出動不可」の場合は、サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容送信部ＳＣＴＬ０４によりエンジン制御部ＥＣＴＬへ対策内容を送信する。つまり、この場合、対策内容送信部ＳＣＴＬ０４は、ビデオコントローラＰＲ０１が有する通信部ＰＣＴＬ０１を経由して、エンジン制御部ＥＣＴＬが有する対策内容受信手段としての対策内容受信部ＥＣＴＬ０９へ対策内容を送信する。対策内容受信部ＥＣＴＬ０９は、受信した対策内容を、エンジン制御部ＥＣＴＬが有する対策内容反映手段としての対策内容反映部ＥＣＴＬ１０へ送信する。対策内容反映部ＥＣＴＬ１０は、受信した対策内容に基づいて、プリンタＰＲの操作表示部ＰＲ０２に対策内容を表示してユーザに通知するように制御する。

「出動不可」の場合の対策内容としては、例えば、画像不良の解消又は低減のための処置を、典型的にはユーザの操作に基づいて実行することが挙げられる。具体的には、例えば、対策内容の表示において、プリンタＰＲに予め備わっている定着装置３０のクリーニング操作（クリーニングモード）の実行をユーザに促すことができる。この場合、例えば、対策内容反映部ＥＣＴＬ１０は、定着装置３０のクリーニング操作を実行するためのガイダンスを操作表示部ＰＲ０２に表示するコマンドを、操作表示部ＰＲ０２に送信する。定着装置３０のクリーニング操作の具体的な方法としては、画像印字率（画像比率）の高い画像（ベタ黒画像）を両面プリントにより記録材Ｓの両面に形成するといった方法が挙げられる。

これにより、サービスマンが出動できない曜日、時間帯など、その他の事情によりサービスマンがすぐに出動できない状況下においても、画像不良の発生レベルを緩和することができる。また、これにより、サービス出動が要請される可能性を抑えることも期待できる。

なお、本実施例では、定着装置３０のクリーニングを行う方法としてユーザの操作を伴う方法を例として挙げたが、ユーザの操作を伴わない他の方法で画像不良の解消又は低減を図っても構わない。具体的には、画像不良が目立たなくなるようにエンジン制御部ＥＣＴＬが画像濃度の微調整を行うことなどが例として挙げられる。

また、本実施例では、サーバ制御部ＳＣＴＬは、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５において、対策内容が通知される通知クライアント装置に応じて、収集レベル設定を変更する。本実施例では、保守状態が「出動可能」であり、対策内容をモニタリングツールＭＴへ送信する場合は、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、実施例２と同様に表８に示す基準に従って収集レベル設定を決定する。一方、本実施例では、保守状態が「出動不可」であり、対策指示をプリンタＰＲに送信する場合は、表１０に示す基準に従って収集レベル設定を決定する。表１０に示す収集レベル設定は、表８に示すものに比べると、一部の収集レベルの値が高く設定されている。これにより、プリンタＰＲに備えられた検知手段により取得したデータを用いて本システムによって自律的に対策を行うにあたって、より精度の高いデータを取得し、分析手段による判断の正確性を高めることができる。また、分析精度を高めると、画像不良の状態の判断結果が良化する傾向がある場合には、分析精度を高めることでサービス出動が要請される可能性を抑えることも期待できる。

＜制御部の動作の説明：図１２＞
本実施例におけるエンジン制御部ＥＣＴＬ、サーバ制御部ＳＣＴＬ、及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの動作について図１２を用いて説明する。図１２は、本実施例におけるエンジン制御部ＥＣＴＬ、サーバ制御部ＳＣＴＬ、及びモニタリングツール制御部ＭＣＴＬの動作を説明するためのフローチャートである。

図１２（ａ）のフローチャートの手順は、例えばプリンタＰＲの設置時に、モニタリングツール制御部ＭＣＴＬ（モニタリングツールＭＴ）において開始される、保守設定情報（契約プラン情報、出動可否情報）を設定する手順である。具体的には、例えばディーラの操作者によるモニタリングツールＭＴにおける操作に基づいて、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４は、契約プラン情報を設定すると共に、出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５が出動可否情報を設定する（Ｓ２０１）。

図１２（ｂ）のフローチャートの手順は、図６、図９（ｂ）のフローチャートと同様の、エンジン制御部ＥＣＴＬ（プリンタエンジンＰＲ０３）がプリント指示を受けると開始される手順である。図１２（ｂ）のフローチャートにおいて、実施例１、２でそれぞれ説明した図６、図９（ｂ）のフローチャートの処理と同一又は対応する処理には同一のステップ番号を付して、適宜説明を省略する。本実施例では、対策内容決定部ＳＣＴＬ、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５が保守設定情報（契約プラン情報、出動可否情報）を取得する手順（Ｓ２０２）が追加されている点が実施例１、２と異なる。また、本実施例では、Ｓ００７の処理において、取得された保守設定情報（契約プラン情報、出動可否情報）の分析が行われる点が実施例１、２と異なる。また、本実施例では、対策内容（通知先）決定部ＳＣＴＬ０３が出動可否情報に基づいて通知クライアント装置を決定する手順（Ｓ２０３）が追加されている点が実施例１、２と異なる。また、本実施例では、通知クライアント装置に応じて対策内容を決定して送信する手順（Ｓ００８Ｐ、Ｓ００８Ｐ、Ｓ００８Ｍ、Ｓ００９Ｍ）が実施例１、２と異なる。また、本実施例では、Ｓ０１０の処理において、通知クライアント装置に応じて収集レベル設定が決定される点が実施例１、２と異なる。

具体的には、サーバ制御部ＳＣＴＬは、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１、拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２において、収集レベル設定に応じて、基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５、拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６から特徴量、画像データをそれぞれ取得する（Ｓ００５、Ｓ００６Ｌ１～Ｓ００６Ｌ３）。また、サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５において、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４及び出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５から、契約プラン情報及び出動可否情報を取得する（Ｓ２０２）。次に、サーバ制御部ＳＣＴＬは、実施例１、２と同様に、基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１、拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２において、受信した特徴量及び画像データに基づいて、画像不良の分析を行う（Ｓ００７）。また、サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３において、出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５から取得された手動可否情報を分析して、保守状態を判断（決定）する（Ｓ００７）。更に、サーバ制御部ＳＣＴＬは、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５において、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４から取得された契約プラン情報を分析して、収集レベル設定の調整パターンを判断（決定）する（Ｓ００７）。

また、サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３において、出動可否情報の分析結果である保守状態に応じて、通知クライアント装置をプリンタＰＲとするかモニタリングツールＭＴとするかを選択（決定）する（Ｓ２０３）。対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、保守状態が「出動可能」である場合は、対策内容を通知する通知先となる通知クラインと装置としてモニタリングツールＭＴを選択する。そして、サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容送信部ＳＣＴＬ０４において、対策内容としてサービスマンが実行すべき対策の指示をモニタリングツールＭＴへ通知する（Ｓ００８Ｍ）。これにより、モニタリングツールＭＴは、対策内容受信部ＭＣＴＬ０１において、対策内容を受信する（Ｓ００９Ｍ）。また、モニタリングツールＭＴは、対策内容反映部ＭＣＴＬ０２、表示制御部ＭＣＴＬ０３において、実施例１、２と同様にして、対策内容をモニタリングツールＭＴの操作表示部ＭＤＳＰに表示するように処理を行う（Ｓ００９Ｍ）。一方、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、保守状態が「出動不可」である場合は、対策内容を通知する通知先となる通知クライアント装置としてプリンタＰＲを選択する。そして、サーバ制御部ＳＣＴＬは、対策内容送信部ＳＣＴＬ０４において、対策内容としてユーザが実行すべき対策の指示をプリンタＰＲへ通知する（Ｓ００８Ｐ）。これにより、プリンタＰＲは、対策内容受信部ＥＣＴＬ０９において、対策内容を受信する（Ｓ００９Ｐ）。また、プリンタＰＲは、対策内容反映部ＥＣＴＬ１０において、対策内容をプリンタＰＲの操作表示部ＰＲ０２に表示するように処理を行う（Ｓ００９Ｍ）。この場合、対策内容反映部ＥＣＴＬ１０は、例えば、定着装置３０のクリーニングの操作方法をユーザに行わせるためのガイダンスを操作表示部ＰＲ０２に表示するように制御する。本実施例では、対策内容決定部ＳＣＴＬ０３は、表９に示す基準に従って対策内容と通知クライアント装置を決定する。

また、サーバ制御部ＳＣＴＬは、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５において、保守状態（通知クライアント装置）と、基礎データ及び拡張データの分析結果と、契約プラン情報と、に基づいて、収集レベル設定を決定する（Ｓ０１０）。本実施例では、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、保守状態が「出動可能」であり通知クライアント装置がモニタリングツールＭＴである場合は、実施例２と同様に表８に示す基準に従って収集レベル設定を決定する。また、本実施例では、収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５は、保守状態が「出動不可」であり通知クライアント装置がプリンタＰＲである場合は、表１０に示す基準に従って収集レベル設定を決定する。Ｓ０１１、Ｓ０１２，Ｓ０２０、Ｓ０２１の処理は実施例２と同様である。

なお、説明の便宜上、Ｓ２０３～Ｓ００９Ｐ、Ｓ００９Ｍの手順と、Ｓ０１０～Ｓ０１１の手順と、を直列的に記載しているが、これらの手順は上記とは逆の順番で実行されてもよいし、実質的に同時に実行されてもよい。

このように、本実施例では、動作履歴データの分析結果と、対策内容の通知クライアント装置を指定する情報（本実施例では、保守設定情報としての出動可否情報により予め設定された条件）と、に基づいて、対策内容及び通知クライアント装置を決定する。つまり、本実施例では、サービスマンの予定を考慮したうえで、適切な対策内容及び通知クライアント装置を決定することができる。これにより、サービスマンが出動できない状況下においても、画像不良の解消又は低減のための処置をユーザ自身で行うことが可能となる。更に、サービス出動が要請される可能性を抑えられるため、ディーラのサービスコストを抑制することも期待できる。その際に、サービスマンが出動できない状況下で対策を行う場合は動作履歴データの収集レベルを上げて、判断の正確性を高めることができる。

なお、本実施例では、サービスマンが出動可能な曜日と時間帯とを固定的に設定した例を示したが、サーバとモニタリングツールの対話（通信）によりリアルタイムにサービスマンの出動可否状態を更新してもよい。

また、本実施例では、契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４、出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５は、モニタリングツールＭＴに設けられていたが、これに限られるものではなく、例えば、エンジン制御部ＥＣＴＬに設けられていてもよい。この場合、モニタリングツールＭＴからではなく、プリンタＰＲの操作表示部ＰＲ０２から契約プラン情報、動作可否情報を設定することができる。また、例えば、画像形成システム１００は、別のクラウドシステム（契約システム）と連携する形で、契約プラン情報、動作可否情報を取得してもよい。

［その他］
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。

上述の実施例では、画像不良の分析結果に応じて収集レベル設定を決定したが、ジャム率などの給紙不良の分析結果に応じて収集レベル設定を決定してもよいし、定着装置や中間転写体などの交換部品状態の分析結果に応じて決定してもよい。ジャム率は、例えば、所定のプリント枚数におけるジャム（紙詰まり、早着、遅延など）の発生割合から求められる。交換部品状態は、例えば、交換部品の累積の使用量（回転時間などの駆動時間、回転回数などの駆動回数）から判断できる。また、収集レベル設定の具体的な内容は、上述の実施例に示したものに限らず、データ収集頻度や一度に取得するデータ長などの別のパラメータを調整してもよい。また、複数の分析結果を踏まえた収集レベル設定の決定を行ってもよい。

また、上述の実施例では、通知（報知）は表示により行うものとして説明したが、これに限らず、音声による通知、発光による通知であってもよい。

また、上述の実施例では、両面搬送路に画像読み取り部が設けられていたが、片面プリントの場合も画像を読み取ることができるように画像読み取り部が設けられていてもよい。

また、画像形成装置は電子写真方式のものに限らず、例えばインクジェット方式などの他の画像形成方式のものであってもよい。

また、上述の実施例でプリンタにおいて行うものとして説明した通知は、プリンタに接続されたパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータの表示部などにおいて行ってもよい。同様に、上述の実施例でプリンタにおいて行うものとして説明した情報の入力は、プリンタに接続されたパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータの操作部などにおいて行ってもよい。

また、画像形成システムは、サーバやモニタリングツールに対して複数のプリンタが通信可能に接続されていてもよい。この場合、サーバやモニタリングツールにおける情報処理を、プリンタの識別情報と関係づけて行うことで、それぞれのプリンタに関して上述の実施例と同様の制御を行うことができる。サーバやモニタリングツールも、それぞれ複数設けられていてもよい。

つまり、上述の実施例から次のような技術思想が導かれる。

本発明の一態様によると、画像形成装置（プリンタ）ＰＲと、画像形成装置ＰＲと通信可能なサーバ装置（サーバ）ＳＶと、を有する画像形成システム１００が提供される。画像形成装置ＰＲは、データの収集に関する設定である収集データ設定に基づいて画像形成装置ＰＲの動作履歴に関する動作履歴データ（基礎データ、拡張データ）を収集し、収集した動作履歴データをサーバ装置ＳＶに伝達する収集手段（基礎データ収集部ＥＣＴＬ０５、拡張データ収集部ＥＣＴＬ０６）を備える。サーバ装置ＳＶは、動作履歴データを分析する分析手段（基礎データ分析部ＳＣＴＬ０１、拡張データ分析部ＳＣＴＬ０２）と、分析手段ＳＣＴＬ０１、ＳＣＴＬ０２の分析結果に基づいて、収集データ設定が変更されるように画像形成装置ＰＲへ通知を行う収集データ設定手段（収集レベル設定決定部ＳＣＴＬ０５）と、を備える。

一実施例では、収集データ設定は、第１の収集データ設定と、第２の収集データ設定と、に変更可能である。また、動作履歴データは、該動作履歴データの取得タイミング（日時など）に関する情報と、該取得タイミングにおける画像形成装置の状態（画像不良の程度など）を示す情報と、を含む。そして、各取得タイミング又は所定期間あたりの動作履歴データのデータ量は、上記第１の収集データ設定（例えば、収集レベル設定のレベル１）の方が上記第２の収集データ設定（例えば、収集レベル設定のレベル２又はレベル３）よりも小さい。

また、一実施例では、画像形成装置ＰＲは、画像形成装置ＰＲにおける画像形成に供された記録材Ｓから画像データを取得することが可能な画像読み取り手段（ＣＩＳ９３）を有する。また、収集手段ＥＣＴＬ０５、ＥＣＴＬ０６は、上記第１の収集データ設定の場合は動作履歴データとして上記画像データに基づいて算出される特徴量を含むデータを収集してサーバ装置ＳＶに伝達し、上記第２の収集データ設定の場合は動作履歴データとして上記画像データの一部又は全部を含むデータを収集してサーバ装置ＳＶに伝達する。そして、分析手段ＳＣＴＬ０１、ＳＣＴＬ０２は、上記特徴量及び上記画像データの一部又は全部に基づいて画像不良の程度を示す分析結果を得る。例えば、収集データ設定手段ＳＣＴＬ０５は、上記分析結果が示す画像不良の程度が第１の程度である場合に収集データ設定が上記第１の収集データ設定（例えば、収集レベル設定のレベル１）とされるように画像形成装置ＰＲへ通知を行い、上記分析結果が示す画像不良の程度が上記第１の程度よりも悪い第２の程度である場合に収集データ設定が上記第２の収集データ設定（例えば、収集レベル設定のレベル２又はレベル３）とされるように画像形成装置ＰＲへ通知を行う。

また、一実施例では、画像形成システム１００は、収集データ設定手段ＳＣＴＬ０５に、収集データ設定の変更ルール（収集レベル設定の調整パターン）を指定する指定手段（契約プラン設定部ＭＣＴＬ０４）を更に有する。この指定手段は、サーバ装置ＳＶと通信可能な情報処理装置（モニタリングツールＭＴ）に設けられていてもよいし、画像形成装置ＰＲに設けられていてもよい。また、この変更ルールは、画像形成装置ＰＲのユーザと画像形成装置ＰＲの保守担当者（ディーラなど）との間の契約プラン設定に関する情報を含んでいてよい。

また、一実施例では、サーバ装置ＳＶは、分析手段ＳＣＴＬ０１、ＳＣＴＬ０２の分析結果に基づいて対策内容を決定する対策内容決定手段（対策内容決定部ＳＣＴＬ０３）と、対策内容を通知クライアント装置に通知する通知手段（対策内容送信部ＳＣＴＬ０４）と、を更に有する。ここで、対策内容は、画像形成装置ＰＲを構成する要素の交換（定着装置３０、中間転写ベルト１１、給紙ローラ２２などの交換）、画像形成装置ＰＲを構成する要素の清掃若しくは調整（定着装置３０、中間転写ベルト１１、給紙ローラ２２などの清掃や調整）、及び画像形成装置ＰＲにおける画像形成に関する動作設定の変更（画像濃度の調整など）のうちの少なくとも１つを含んでいてよい。また、通知クライアント装置は、サーバ装置ＳＶと通信可能な情報処理装置（モニタリングツールＭＴ）であってもよいし、画像形成装置ＰＲであってもよい。

また、一実施例では、サーバ装置ＳＶは、通知手段ＳＣＴＬ０４による対策内容の通知先となる通知クライアント装置を変更する通知先決定手段（通知先決定部の機能を備えた対策内容決定部ＳＣＴＬ０３）を更に有する。例えば、通知先決定手段ＳＣＴＬ０３は、対策内容の通知先となる通知クライアント装置を、サーバ装置ＳＶと通信可能な情報処理装置（モニタリングツールＭＴ）と、画像形成装置ＰＲと、に変更可能である。また、一実施例では、画像形成システム１００は、通知先決定手段ＳＣＴＬ０３に、対策内容の通知先となる通知クライアント装置の変更ルール（出動可否情報）を指定する指定手段（出動可否情報設定部ＭＣＴＬ０５）を更に有する。この指定手段は、サーバ装置ＳＶと通信可能な情報処理装置（モニタリングツールＭＴ）に設けられていてもよいし、画像形成装置ＰＲに設けられていてもよい。また、この変更ルールは、画像形成装置ＰＲの保守担当者（ディーラ）が画像形成装置ＰＲの保守操作を行うことが可能なタイミング（曜日、時間帯など）に関する情報を含んでいてよい。また、対策内容決定手段ＳＣＴＬ０３は、対策内容の通知先となる通知クライアントに応じて対策内容を変更することができる。また、収集データ設定手段ＳＣＴＬ０５は、対策内容の通知先となる通知クライアント装置に応じて収集データ設定が変更されるように画像形成装置ＰＲへ通知を行うことができる。

別の言い方をすると、画像形成システム１００は、予め設定された画像形成装置ＰＲの保守内容に関する保守設定情報を収集する保守設定情報収集手段（保守設定情報収集部ＭＣＴＬ０６）を更に有する。そして、通知先決定手段ＳＣＴＬ０３は、上記保守設定情報に基づいて対策内容の通知先となる通知クライアント装置を変更することができ、対策内容決定手段ＳＣＴＬ０３は、上記保守設定情報に基づいて対策内容を変更することができる。更に、収集データ設定手段ＳＣＴＬ０５が、上記保守設定情報に基づいて収集データ設定が変更されるように画像形成装置ＰＲへ通知を行ってもよい。この保守設定情報収集手段ＭＣＴＬ０６は、サーバ装置ＳＶと通信可能な情報処理装置（モニタリングツールＭＴ）に設けられていてもよいし、画像形成装置ＰＲに設けられていてもよい。

また、本発明の他の態様によると、サーバ装置ＳＶと通信可能な画像形成装置ＰＲが提供される。この画像形成装置ＰＲは、データの収集に関する設定である収集データ設定に基づいて画像形成装置ＰＲの動作履歴に関する動作履歴データを収集し、収集した動作履歴データをサーバ装置ＳＶに伝達する収集手段ＥＣＴＬ０５、ＥＣＴＬ０６を有する。この収集手段ＥＣＴＬ０５、ＥＣＴＬ０６は、収集手段ＥＣＴＬ０５、ＥＣＴＬ０６がサーバ装置ＳＶに動作履歴データを送信したことに応じて画像形成装置ＰＲがサーバ装置ＳＶから受信した通知に基づいて、収集データ設定が変更される。一実施例では、この収集データ設定は、第１の収集データ設定と、第２の収集データ設定と、に変更可能である。また、動作履歴データは、該動作履歴データの取得タイミングに関する情報と、該取得タイミングにおける画像形成装置ＰＲの状態を示す情報と、を含む。そして、各取得タイミング又は所定期間あたりの動作履歴データのデータ量は、上記第１の収集データ設定の方が上記第２の収集データ設定よりも小さい。

また、本発明の他の態様によると、画像形成装置ＰＲと通信可能なサーバ装置ＳＶが提供される。このサーバ装置ＳＶは、画像形成装置ＰＲにおいて、データの収集に関する設定である収集データ設定に基づいて収集された、画像形成装置ＰＲの動作履歴に関する動作履歴データを受信し、受信した動作履歴データを分析する分析手段ＳＣＴＬ０１、ＳＣＴＬ０２と、分析手段ＳＣＴＬ０１、ＳＣＴＬ０２の分析結果に基づいて、収集データ設定が変更されるように画像形成装置ＰＲへ通知を行う収集データ設定手段ＳＣＴＬ０５と、を有する。一実施例では、この収集データ設定は、第１の収集データ設定と、第２の収集データ設定と、に変更可能である。また、動作履歴データは、該動作履歴データの取得タイミングに関する情報と、該取得タイミングにおける画像形成装置ＰＲの状態を示す情報と、を含む。そして、各取得タイミング又は所定期間あたりの動作履歴データのデータ量は、上記第１の収集データ設定の方が上記第２の収集データ設定よりも小さい。

１００ 画像形成システム
ＳＶ サーバ
ＰＲ プリンタ
ＭＴ モニタリングツール
ＳＣＴＬ サーバ制御部
ＥＣＴＬ エンジン制御部
ＭＣＴＬ モニタリングツール制御部

Claims (15)

1. 画像形成装置と、
   前記画像形成装置の動作に関連する不良の程度を決定する１つ以上のサーバ装置と、
   を備え、
   前記画像形成装置は、前記不良の程度の決定に用いられるデータを前記１つ以上のサーバ装置に送信し、
   前記不良の程度が第１の程度である場合、前記１つ以上のサーバ装置は、前記画像形成装置が第１のデータ量の前記データを前記１つ以上のサーバ装置へ送信するよう前記画像形成装置へ通知し、
   前記不良の程度が前記第１の程度より悪い第２の程度である場合、前記１つ以上のサーバ装置は、前記画像形成装置が第２のデータ量の前記データを前記１つ以上のサーバ装置へ送信するよう前記画像形成装置へ通知し、
   前記第２のデータ量は、前記第１のデータ量より多い、
   ことを特徴とする画像形成システム。
2. 前記データは、前記データの取得タイミングに関するデータと、前記取得タイミングにおける前記画像形成装置の状態を示すデータと、を含むことを特徴とする請求項１に記載の画像形成システム。
3. 前記画像形成装置は、前記画像形成装置における画像形成に供された記録材から画像データを取得することが可能な画像読み取り手段を有し、
   前記不良は、画像不良であり、
   前記画像不良の程度が前記第１の程度である場合、前記１つ以上のサーバ装置は、前記画像形成装置が前記データとして前記画像データに基づいて算出される特徴量のデータを前記１つ以上のサーバ装置へ送信するよう前記画像形成装置へ通知し、
   前記画像不良の程度が前記第２の程度である場合、前記１つ以上のサーバ装置は、前記画像形成装置が前記データとして前記画像データの一部又は全部を含むデータを前記１つ以上のサーバ装置へ送信するよう前記画像形成装置へ通知する、
   ことを特徴とする請求項１に記載の画像形成システム。
4. 前記画像形成装置が前記１つ以上のサーバ装置へ送信する前記データのデータ量を指定する指定手段を更に有することを特徴とする請求項１に記載の画像形成システム。
5. 前記指定手段は、前記１つ以上のサーバ装置と通信可能な情報処理装置に設けられていることを特徴とする請求項４に記載の画像形成システム。
6. 前記指定手段は、前記画像形成装置に設けられていることを特徴とする請求項４に記載の画像形成システム。
7. 前記指定手段の前記データのデータ量の指定は、前記画像形成装置のユーザの契約プラン設定に基づいて行われることを特徴とする請求項４に記載の画像形成システム。
8. 前記１つ以上のサーバ装置は、前記不良の程度に基づく対策内容を情報処理装置へ通知することを特徴とする請求項１に記載の画像形成システム。
9. 前記１つ以上のサーバ装置は、前記不良の程度に基づく対策内容を前記画像形成装置へ通知することを特徴とする請求項１に記載の画像形成システム。
10. 前記対策内容は、前記画像形成装置を構成する要素の交換、前記画像形成装置を構成する要素の清掃若しくは調整、及び前記画像形成装置における画像形成に関する動作設定の変更のうちの少なくとも１つを含むことを特徴とする請求項８又は９に記載の画像形成システム。
11. 前記１つ以上のサーバ装置は、前記不良の程度に基づく対策内容を前記画像形成装置又は情報処理装置のどちらに通知するかを前記画像形成装置の保守内容に関する保守設定情報に基づいて決定し、
    前記１つ以上のサーバ装置は、前記保守設定情報に基づいて前記対策内容を変更することを特徴とする請求項１に記載の画像形成システム。
12. 前記１つ以上のサーバ装置は、前記保守設定情報に基づいて前記画像形成装置が前記１つ以上のサーバ装置へ送信する前記データのデータ量が変更されるように前記画像形成装置へ通知を行うことを特徴とする請求項１１に記載の画像形成システム。
13. 前記保守設定情報を収集する保守設定情報収集手段が、前記画像形成装置又は前記情報処理装置に設けられていることを特徴とする請求項１１に記載の画像形成システム。
14. 画像形成装置であって、
    前記画像形成装置の動作に関連する不良の程度を決定する１つ以上のサーバ装置に、前記不良の程度の決定に用いられるデータを送信するように構成されており、
    前記不良の程度が第１の程度である場合に前記１つ以上のサーバ装置が前記画像形成装置に対して行う通知に基づいて、第１のデータ量の前記データを前記１つ以上のサーバ装置へ送信し、
    前記不良の程度が前記第１の程度より悪い第２の程度である場合に前記１つ以上のサーバ装置が前記画像形成装置に対して行う通知に基づいて、第２のデータ量の前記データを前記１つ以上のサーバ装置へ送信し、
    前記第２のデータ量は、前記第１のデータ量より多い、
    ことを特徴とする画像形成装置。
15. 画像形成装置の動作に関連する不良の程度を決定するサーバ装置であって、
    前記画像形成装置から送信される前記不良の程度の決定に用いられるデータを受信するように構成されており、
    前記不良の程度が第１の程度である場合、第１のデータ量の前記データを送信するよう前記画像形成装置へ通知し、
    前記不良の程度が前記第１の程度より悪い第２の程度である場合、第２のデータ量の前記データを送信するよう前記画像形成装置へ通知し、
    前記第２のデータ量は、前記第１のデータ量より多い、
    ことを特徴とするサーバ装置。

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