JP7615976B2 - 駆動装置の製造方法、及び、駆動装置 - Google Patents

駆動装置の製造方法、及び、駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、駆動装置の製造方法、及び、駆動装置に関する。
従来、モータと制御ユニットとが一体に設けられた駆動装置が知られている。
例えば特許文献1に開示された駆動装置では、カバー部材に設けられたコネクタは、軸方向に延びる給電用及び信号用のコネクタ端子を有している。コネクタ端子は弾性変形が可能なプレスフィット端子であり、基板に設けられた導電性の接続部に圧入接続される。
特許第6443055号公報
特許文献1の駆動装置では、カバー部材をフレーム部材に近づけて組付ける時、コネクタ端子と基板との接続箇所が不可視となる、いわゆる「ブラインド接続」であっても、プレスフィット接続により容易に組付け可能である。ただし特許文献1には、基板が一枚であり、コネクタ端子が基板に直接接続される構成しか開示されていない。
これに対し、制御ユニット内に二枚以上の基板が階層をなして設けられる構成がある。以下、本明細書では、二枚以上の基板のうち最もコネクタ側に設けられる基板を「エンド基板」と称し、エンド基板以外の一枚以上の基板を「一般基板」と称する。例えば二枚の基板を備える駆動装置において、一般基板には、モータ巻線に通電するインバータ回路が実装される。エンド基板には、フィルタ回路や通信ドライバ等の部品が実装される。一般基板とエンド基板との間は基板間端子、又は、基板対基板コネクタ等の基板間接続部品で接続される。
仮に特許文献1の従来技術を二枚基板構成の駆動装置に適用した場合の組付け工程は、次のように想定される。<1>一般基板アッセンブリをフレーム部材に組付ける。ここで、一般基板に基板間端子の一端又は基板間接続部品の一部が接続されたものが一般基板アッセンブリと定義される。<2>一般基板アッセンブリにエンド基板を組付ける。<3>コネクタ端子がインサート成形されたカバー部材をエンド基板に近付け、コネクタ端子の端部をエンド基板に圧入接続する。工程<3>はブラインド接続となる。
特許文献1に開示された一枚基板構成では、コネクタ端子が圧入接続される基板はフレーム部材に直接支持されており、フレーム部材が圧入荷重を受けることができる。一方、二枚基板構成では、エンド基板の直下に支えが無いため、工程<3>での圧入荷重によりエンド基板が撓むおそれがある。さらに三枚以上の基板を備える構成では、最下段以外の一般基板について同様の問題がある。したがって、二枚以上の基板を備えた駆動装置には特許文献1の従来技術をそのまま適用することができない
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、二枚以上の基板を備える駆動装置の製造時に、コネクタ端子の組付け荷重によるエンド基板の撓みを防ぐ駆動装置の製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、その駆動装置の製造方法を実施するために有効な構成の駆動装置を提供することにある。
本発明による駆動装置の製造方法の対象は、ステータ(860)及びロータ(865)を含むモータ(80)と、モータの軸方向の一方側に設けられモータを駆動制御する制御ユニット(10)とが一体に構成された駆動装置である。この駆動装置は、金属製のモータフレーム(850)と、二枚以上の基板と、樹脂製のコネクタハウジング(50)と、複数の基板間端子(43)又は基板間接続部品(71、72)と、複数のコネクタ端子(45)と、一つ以上の樹脂製のコネクタ端子バインダ(65)と、を備える。
モータフレームは、モータの軸方向における制御ユニット側の端部に設けられている。二枚以上の基板は、モータフレームに対しモータとは反対側で階層をなして設けられており、モータフレームから最も遠い側に設けられたエンド基板(33)、及び、エンド基板以外の一枚以上の一般基板(31)を含む。二枚以上の基板は、制御ユニットを構成する電子部品が実装されている。
コネクタハウジングは、エンド基板に対向する天板部(561)、及び、天板部の外縁からモータに向かって延び、端部がモータ又はモータフレームに固定される外筒部(562)を有する有底筒状である。コネクタハウジングは、天板部に、エンド基板とは反対側に間口が向く一つ以上のコネクタ(57、58)を有する。
複数の基板間端子又は基板間接続部品は、一般基板とエンド基板との間、及び、一般基板が二枚以上の場合における一般基板同士の間に接続されている。複数のコネクタ端子は、一つのコネクタに対し二本以上設けられ、一端がエンド基板に接続され、他端がコネクタの間口に露出する。
コネクタ端子バインダは、各コネクタに対応する一群のコネクタ端子を束ねる、又は、隣接する複数のコネクタに対応する複数群のコネクタ端子を束ねるように複数のコネクタ端子の中間部分を保持する。
複数の基板間端子の一端又は基板間接続部品の一部が一般基板に接続されたものを一般基板アッセンブリ(310)と定義する。コネクタ端子バインダで束ねられた複数のコネクタ端子の一端がエンド基板に接続されたもの、又は、さらに基板間接続部品の一部がエンド基板に接続されたものをエンド基板アッセンブリ(330)と定義する。
本発明による駆動装置の製造方法は、第1工程、第2工程、及び第3工程を含む。第1工程では、モータフレームに最も近い最下段の一般基板アッセンブリをモータフレームに組付け、さらに、一般基板が二枚以上の場合、最後に組付けた一般基板アッセンブリに次の段の一般基板アッセンブリを組付ける作業を繰り返し、エンド基板の直下に配置される最上段の一般基板アッセンブリまで順に組付ける。
第1工程の後、第2工程では、最上段の一般基板アッセンブリにエンド基板アッセンブリを組付ける。
第2工程の後、第3工程では、エンド基板アッセンブリのコネクタ端子の他端を対応するコネクタの間口に露出させつつ、コネクタハウジングをエンド基板アッセンブリ及び一般基板アッセンブリに被せ、外筒部をモータ又はモータフレームに固定する。
第3工程においてコネクタ端子の他端を対応するコネクタの間口に露出させるときに発生する荷重が、第1工程及び第2工程で発生する荷重よりも低くなるように構成されている。
本発明では、複数のコネクタ端子はコネクタ端子バインダで束ねられ、サブ組立工程でエンド基板に接続される。また、ブラインド接続となる第3工程において、コネクタ端子の他端を対応するコネクタの間口に露出させるときに発生する荷重が組付け工程のうちで最も低くなるように構成されているため、エンド基板の撓みが防止される。
上記の製造方法が適用される本発明の第1の態様の駆動装置は、コネクタの間口の底に底穴(55)が開口している。コネクタ端子バインダは、対応するコネクタの底穴をエンド基板側から覆うように設けられている。又は、コネクタ端子バインダは、対応するコネクタの底穴に嵌合している。
上記の製造方法が適用される本発明の第2の態様の駆動装置では、各コネクタ端子は、コネクタの間口の底に形成された端子挿通孔(54)を挿通してコネクタの間口に露出する。コネクタ端子又は端子挿通孔の少なくとも一方が弾性変形することで、各コネクタ端子が対応する端子挿通孔に嵌合している。
上記第1、第2の態様の構成により、コネクタ端子の他端を対応するコネクタの間口に露出させるときに発生する荷重を低くすることができる。したがって、ブラインド接続となる第3工程での組付け作業が容易となり、製造品質が安定する。
駆動装置が適用される電動パワーステアリング装置の概略構成図。 駆動装置のモータ部を示す部分断面図。 図2のIII方向矢視図。 第1実施形態による制御ユニット部の模式断面図。 端子と基板との(a)ハンダ付け、(b)プレスフィット接続による接続構成例を示す拡大断面図。 (a)コネクタ端子バインダ、(b)エンド基板の平面図。 (a)一実施例の基板間端子バインダ、(b)一般基板の平面図。 別の実施例の基板間端子バインダの平面図。 図7(a)、図8の基板間端子バインダのIX方向矢視展開図。 第1実施形態によるコネクタ底部(コネクタ端子バインダとコネクタ底穴との接続部)の拡大模式断面図。 第1実施形態による制御ユニット部の組付け方法を説明する模式断面図。 第1実施形態による制御ユニット部の組付け方法を示すフローチャート。 比較例1の制御ユニット部の組付け方法の課題を説明する模式断面図。 比較例2の制御ユニット部の組付け方法の課題を説明する模式断面図。 フック治具を用いた製造方法の実施例1を説明する(a)コネクタ端子バインダの平面図、(b)端子の側面図、(c)コネクタ底部の拡大模式断面図。 フック治具を用いた製造方法の実施例2を説明する(a)コネクタ端子バインダの平面図、(b)コネクタ底部の拡大模式断面図。 第2実施形態によるコネクタ底部の拡大模式断面図。 第3実施形態によるコネクタ底部の拡大模式断面図。 (a)第4実施形態、(b)第4実施形態の変形例によるコネクタ底部の拡大模式断面図。 第5実施形態によるコネクタ底部の拡大模式断面図。 第6実施形態による制御ユニット部の模式断面図。 複数のコネクタに対応する複数群のコネクタ端子を束ねる(a)2群結合仕様、(b)4群結合仕様のコネクタ端子バインダの平面図。 第7実施形態による制御ユニット部の模式断面図。 第7実施形態の実施例1によるコネクタ底部の拡大模式断面図。 第7実施形態の実施例2によるコネクタ底部の拡大模式断面図。 第7実施形態の実施例3によるコネクタ底部の拡大模式断面図。 第8実施形態による制御ユニットにおいて、基板間接続部品として(a)基板対基板コネクタ、(b)ソケットコネクタを用いた模式断面図。 第8実施形態による基板間接続部品の搭載位置を示す一般基板の平面図。
以下、本発明による駆動装置の製造方法、及び、駆動装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第1~第8実施形態を包括して「本実施形態」という。本実施形態の駆動装置は、例えば電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータとして適用され、モータと、モータを駆動制御する制御ユニットとが一体に構成されている。
[電動パワーステアリング装置の構成]
図1を参照し、電動パワーステアリング装置99の概略構成を説明する。図1にはラックアシスト式の電動パワーステアリング装置を図示するが、本実施形態の駆動装置800は、コラムアシスト式の電動パワーステアリング装置にも同様に適用可能である。電動パワーステアリング装置99を含むステアリングシステム90は、ステアリングホイール91、ステアリングシャフト92、ピニオンギア96、ラック軸97、車輪98、及び、電動パワーステアリング装置99等を備える。
ステアリングホイール91が接続されたステアリングシャフト92には、操舵トルクを検出するトルクセンサ93が設けられている。ステアリングシャフト92の先端には、ラック軸97に噛み合うピニオンギア96が設けられている。運転者がステアリングホイール91を回転させると、ステアリングシャフト92の回転運動は、ピニオンギア96によってラック軸97の直線運動に変換される。ラック軸97の両端に連結された一対の車輪98は、ラック軸97の変位量に応じた角度に操舵される。
電動パワーステアリング装置99は、モータ80及び制御ユニット10が一体に構成された駆動装置800、及び、モータ80の回転を減速してラック軸97に伝える減速ギア89等を備える。モータ80は、二組の三相巻線を有する二系統の三相ブラシレスモータである。制御ユニット10は、二系統のインバータ回路により二組の三相巻線に電力供給可能な「駆動二系統」の構成を少なくとも備えている。制御ユニット10のインバータ回路により直流電力から変換された三相交流電力が供給されることで、モータ80は操舵アシストトルクを出力する。
制御ユニット10の車両系コネクタ57には、車両電源905から直流電力が給電されると共に、車両通信網(図中「CAN」)906との通信信号が入出力される。信号系コネクタ58には、トルクセンサ93が検出したセンサ信号がハーネス94を介して入力される。このように、車両系コネクタ57と信号系コネクタ58とは間口の異なるコネクタとして構成されている。
[駆動装置の構成]
図2、図3を参照し、駆動装置800の全体構成について説明する。図2に示すモータ80の回転軸Oに平行な方向を「軸方向」とし、軸方向における図2の上側から見た図を平面図と称する。制御ユニット10は、モータ80の軸方向の一方側に設けられている。つまり、駆動装置800は、いわゆる「機電一体型」の構成をなしている。
モータ80は、モータケース830、モータフレーム840、ステータ860及びロータ865等を有する。モータケース830は、底部831及び筒部832からなる略有底筒状に形成され、開口側に制御ユニット10が設けられている。筒部832の開口側端部には、段差部833を介して、板厚の薄い溝形成壁834が形成されている。
ステータ860は、モータケース830の筒部832の内側に固定され、三相のモータ巻線880が巻回されている。制御ユニット10によりモータ巻線880への通電が制御されることで、ステータ860に回転磁界が形成される。ロータ865は、ステータ50の内側に設けられ、中心にシャフト870が固定されている。シャフト870は、モータケース830の底部831に保持されたフロント軸受871、及び、モータフレーム840に保持されたリア軸受872により回転可能に支持されている。
ロータ865は、ロータコア866の外周に複数の永久磁石867が設けられている。ロータ865は、ステータ860に形成される回転磁界により、シャフト870を軸として回転する。シャフト870の制御ユニット10側の端部には、回転角検出用のセンサマグネット875が設けられている。
モータフレーム840はアルミニウム合金等で形成され、フレーム部841、フランジ部842、ヒートシンク845等を有する。フレーム部841は、モータケース830の内側に圧入されている。フレーム部841の外周に形成されたフランジ部842は、モータケース830の段差部833に当接する。フレーム部841の外壁、フランジ部842の制御ユニット10側の面、及び、モータケース830の溝形成壁834の内壁によって区画された環状空間に、接着剤が充填されるシール溝843が形成される。
コネクタハウジング50はPBT等の樹脂材料で形成され、天板部561及び外筒部562を有する有底筒状を呈している。外筒部562の先端には、軸方向に突出する凸部563が環状に形成されている。シール溝843に凸部563が挿入されることで、外筒部562はモータ80又はモータフレーム840に固定される。天板部561には、モータ80とは反対側に間口が向くコネクタ57、58が設けられている。
図3に、コネクタ57、58の一配置例を示す。なお、図3は図2のIII方向矢視図であるが、図2と縮尺を一致させるのでなく、制御ユニット10内部の部品の平面図である図6(a)、(b)、図7(a)、(b)と縮尺を一致させるように図示されている。図3における横方向にx軸、縦方向にy軸を定義する。x軸及びy軸は、基板間端子バインダ63及びコネクタ端子バインダ65の図示において参照される。
車両系コネクタ57及び信号系コネクタ58は、図3に示すように冗長的に二組設けられてもよいし、他の配置例では一組設けられてもよい。コネクタ57、58が二組設けられる構成は、二系統のインバータ回路が個別の電源に接続され、且つ、各種信号が冗長的に入出力される「完全二系統」の駆動装置で主に採用される。一方、二系統のインバータ回路が共通の電源に並列接続され、且つ、各種信号を系統間で共用する「駆動二系統」の駆動装置では、主に一組のコネクタが設けられる。本実施形態では、系統毎の事項には言及しないため、図3において二系統のコネクタの符号を区別せず、同じ「57」、「58」を付す。
車両系コネクタ57には、車両電源905の正極に接続される正電源端子とグランドに接続されるグランド端子とを含む2本の電源用端子45p、及び、CAN等の車両通信網906と接続される例えば5本の通信端子45cが設けられている。大電流が流れる電源用端子45pは、ハーネスとの接続部が角柱状に形成されている。信号系コネクタ58には、トルクセンサ93からのハーネス94と接続される例えば6本のセンサ端子45sが設けられている。なお、コネクタ端子45の種別を示す符号「45p」、「45c」、「45c」の符号は図3でのみ用いる。図4以下の図では、用途を区別せず、一律に「コネクタ端子45」と記す。
コネクタハウジング50の内部には、制御ユニット10を構成する電子部品が実装された二枚以上の基板が収容されている。二枚以上の基板は、モータフレーム840に対しモータ80とは反対側(図2の上側)で階層をなして設けられている。本実施形態では、二枚以上の基板を順に組付ける好適な組付け方法、及び、その組付け方法に適した制御ユニットの好ましい構成を提供する。
続いて、各実施形態の制御ユニットの構成について順に説明する。第1~第7実施形態の制御ユニットの符号は、「10」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。コネクタハウジングの構成は、第1~第6実施形態と第7実施形態とで大きく別れる。第1~第6実施形態のコネクタハウジングについては一部に細かな形状の違いはあるものの、共通の符号「50」を付す。第7実施形態のコネクタハウジングについては独自の符号「507」を付す。第1~第8実施形態は、二枚の基板を備える。三枚以上の基板を備える構成については、その他の実施形態として言及する。
(第1実施形態)
図4~図10を参照し、第1実施形態の制御ユニット101の構成について説明する。図4に全体の断面模式図を示し、図5(a)、(b)に、端子45と基板33との接続部の拡大断面図を示す。図6(a)、(b)、図7(a)、(b)に、それぞれ、コネクタ端子バインダ65、エンド基板33、基板間端子バインダ63及び一般基板31の平面図を示す。図8に別の実施例の基板間端子バインダ63の平面図を示し、図9に基板間端子バインダ63の展開図を示す。図10にコネクタ底部の拡大模式断面図を示す。
図4に示すように、モータフレーム840側から順に一般基板31及びエンド基板33の二枚の基板が設けられている。本明細書では、基板に実装された電子部品の機能等とは関係なく、専ら基板の配置によって名称を区別する。モータフレーム840から最も遠い側、すなわち最もコネクタ57、58側に設けられた基板を「エンド基板」といい、エンド基板以外の一枚以上の基板を「一般基板」という。
二枚の基板を備える第1~第8実施形態では、一枚の一般基板31と一枚のエンド基板33とが設けられている。例えば一般基板31には、モータ巻線42に通電するインバータ回路が実装される。エンド基板33には、フィルタ回路や通信ドライバ等の部品が実装される。
図7(b)に示すように、一般基板31は、ねじ孔341及びモータ端子孔342が形成されている。一般基板31は、モータフレーム840にねじ41で固定され、モータ巻線880につながるモータ端子42が接続される。
図6(b)、図7(b)に示すように、一般基板31及びエンド基板33には、外周に沿った位置に基板間端子孔343が形成されている。一般基板31とエンド基板33との間には、複数の基板間端子43が接続される。図4には、多数本の基板間端子43のうち左右に各3本の基板間端子43のみを図示する。また、図6(b)に示すように、エンド基板33には、四つのコネクタ57、58に対応するコネクタ端子孔345が中央寄りに形成されている。
つまり、モータ80の軸方向の投影において、複数の基板間端子43は、複数のコネクタ端子45に対し径方向外側の領域に配置されている。コネクタハウジング50の天板部561の中央付近にコネクタ57、58が設けられるため、必然的に複数のコネクタ端子45は中央領域に配置される。そこで、径方向外側の領域に複数の基板間端子43を配置することで、基板31、33の実装スペースを有効に使用することができる。
コネクタ端子45は、一つのコネクタに対し2本以上設けられ、一端がエンド基板33に接続され、他端がコネクタ57、58の間口に露出する。図4には、図3の断面線に従って車両系コネクタ57に5本、信号系コネクタ58に2本のコネクタ端子45を図示している。ただし本実施形態では、各コネクタ57、58に対応するコネクタ端子45が2本以上あることに意味があり、コネクタ端子45の種別や数には注目しない。各コネクタ57、58に対応する複数のコネクタ端子45を「一群のコネクタ端子」という。
図5(a)、(b)に、コネクタ端子45とエンド基板33との接続箇所を例として、端子と基板との電気的接続の構成例を示す。基板間端子43の一端と一般基板31、基板間端子43の他端とエンド基板33との接続箇所についても同様である。以下の明細書中での「端子と基板との接続」について、電気的接続の意味であることが自明な場合、「電気的」の記載を適宜省略する。基板33の端子孔345にはビアホール等の接続部38が設けられている。接続部38は、図示しない導電パターンやバスバー等を介して電子部品や他の端子の接続部と電気的に接続されている。
図5(a)に示すように、ハンダWDにより、端子45と基板33の接続部38とがハンダ付けされてもよい。図5(b)に示すように、端子45の端部に弾性変形可能に形成されたプレスフィット部48が端子孔345に圧入されることでプレスフィット接続されてもよい。
図6(a)に示すように、樹脂製のコネクタ端子バインダ65は、各コネクタ57、58に対応する一群のコネクタ端子45を束ねるように複数のコネクタ端子45の中間部分を保持する。なお、駄肉部に肉盗み649が設けられてもよい。コネクタ端子バインダ65が複数のコネクタ端子45を束ねることで、複数のコネクタ端子45の相対的な位置精度が確保される。第1実施形態のコネクタ端子バインダ65は、二系統の車両系コネクタ57及び信号系コネクタ58にそれぞれ対応する、四つの分割式コネクタ端子バインダ65q1-65q4からなる。以下、模式断面図を参照する説明では、コネクタ端子バインダの符号を単に「56」と記す。第1実施形態のコネクタ端子バインダ65が配置される箇所については図10を参照して後述する。
図7(a)、図8に示すように、樹脂製の基板間端子バインダ63は、互いに隣接する複数の基板間端子43を束ねるように複数の基板間端子43の中間部分を保持する。基板間端子バインダ63が複数の基板間端子43を束ねることで、複数の基板間端子43の相対的な位置精度が確保される。ここで、特定の範囲で互いに隣接する複数の基板間端子43を「一群の基板間端子」と定義する。例えば図6(b)、図7(b)において、エンド基板33及び一般基板31の左側外周に沿って配置される複数の基板間端子43が「ある一群の基板間端子」をなす。エンド基板33及び一般基板31の右側外周に沿って配置される複数の基板間端子43が「別の一群の基板間端子」をなす。
図7(a)に示す一実施例の基板間端子バインダ63Rは環状一体に形成されており、二つの群の基板間端子43を束ねる。図8に示す別実施例の基板間端子バインダ63A、63Bは周方向で二つに分割して形成されており、それぞれ一群の基板間端子43を束ねる。図9には、各実施例の基板間端子バインダ63R、63A、63Bの符号を包括して「63」と記す。図9に示すように、基板間端子バインダ63は例えばピンヘッダータイプの構成を呈している。
図4に戻り、樹脂製のコネクタハウジング50は、エンド基板33に対向する天板部561の外縁から外筒部562がモータ80に向かって延びる有底筒状を呈している。外筒部562の先端に形成された凸部563は、接着剤が充填された環状のシール溝843に挿入される。コネクタハウジング50が組付けられたとき、外筒部562の端部に設けられた荷重受け部564がモータフレーム840のフレーム外縁部844に当接する。
図3を参照して上述した通り、天板部561には、エンド基板33とは反対側に間口が向くコネクタ57、58が設けられている。各コネクタ57、58の間口の底には、コネクタ端子バインダ65で束ねられた一群のコネクタ端子45が挿通可能な底穴55が開口している。天板部561の内壁における底穴55の周囲は周囲に比べて板厚が薄くなっている。この部位をアンダーゾーン551と称する。
図10に、コネクタ57を代表として、コネクタ端子バインダ65とコネクタ57の底穴55との接続部の拡大模式断面図を示す。コネクタ58の底部にも同様の構成が採用される。第1実施形態では、コネクタ端子バインダ65がアンダーゾーン551に対向するように配置され、対応するコネクタ57の底穴55をエンド基板33側から覆うように設けられている。ここで、コネクタ端子バインダ65とアンダーゾーン551とは接触せず、隙間が開いていてもよい。ハーネスがコネクタ57、58に挿着された状態では水や異物が侵入するおそれはない。
次に図11、図12を参照し、第1実施形態による駆動装置の製造方法、具体的には、二枚基板構成の制御ユニット部の組付け方法について説明する。図12のフローチャートで記号「S」はステップを意味する。この組付け方法は、別ラインで予め行われるサブ組立工程と、本ラインで行われる第1工程、第2工程、第3工程とを含む。以下の説明で、組付け作業の主体である「作業者」は、人間に限らず、ロボットを含むものとする。
ここでは、一般基板31とエンド基板33との間が複数の基板間端子43で接続された二枚基板構成の制御ユニット101の組付けフローを基本として説明する。この基本フローに対し、基板間端子43に代えて基板間接続部品が用いられる構成での変更点については、第8実施形態として後述する。また、三枚以上の基板構成の場合における変更点については、その他の実施形態として後述する。
サブ組立工程S0Aでは、複数の基板間端子43の一端が一般基板31に接続される。この状態の半製品が「一般基板アッセンブリ310」と定義される。サブ組立工程S0Bでは、コネクタ端子バインダ65で束ねられた複数のコネクタ端子45の一端がエンド基板33に接続される。この状態の半製品が「エンド基板アッセンブリ330」と定義される。
二枚基板構成の制御ユニット101では、一般基板アッセンブリ310及びエンド基板アッセンブリ330が一つずつ用意される。一つの一般基板アッセンブリ310は、「モータフレーム840に最も近い最下段の一般基板アッセンブリ」であり、且つ、「エンド基板33の直下に配置される最上段の一般基板アッセンブリ」である。
第1工程S1で作業者は、一般基板アッセンブリ310をモータフレーム840に組付ける。このとき、モータ端子42が一般基板31のモータ端子孔342に挿通されて電気的に接続される。一般基板アッセンブリ310はモータフレーム840にねじ41で固定される。
第1工程S1の後、第2工程S2で作業者は、一般基板アッセンブリ310にエンド基板アッセンブリ330を組付ける。このとき、複数の基板間端子43の他端がエンド基板33の基板間端子孔343に挿通されて電気的に接続される。第1工程S1及び第2工程S2は、開放空間で接続箇所を視認しながら、治具等を用いて実施可能である。
第2工程S2の後、第3工程S3で作業者は、エンド基板アッセンブリ330のコネクタ端子45の他端を対応するコネクタ57、58の間口に露出させつつ、コネクタハウジング50をエンド基板アッセンブリ330及び一般基板アッセンブリ310に被せる。そして、接着剤が充填されたシール溝843にコネクタハウジング50の凸部563が挿入され、外筒部562がモータフレーム840に固定される。なお、モータフレーム840はモータ80に固定されているため、外筒部562がモータ80に固定されると表現してもよい。第3工程S3は、コネクタハウジング50により接続箇所が遮蔽されるブラインド接続となる。
第1実施形態では、各コネクタ57、58に対応する一群のコネクタ端子45はコネクタ端子バインダ65により束ねられており、端子一本毎の圧入荷重は発生しない。しかもコネクタ端子バインダ65は、コネクタハウジング50のアンダーゾーン551に対向した位置で、コネクタ57、58の底穴55をエンド基板33側から覆うように設けられているに過ぎず、接触荷重すら発生しない。
このように第1実施形態では、第3工程S3においてコネクタ端子45の他端を対応するコネクタ57、58の間口に露出させるときに発生する荷重が、第1工程及び第2工程で発生する荷重よりも低くなるように構成されている。
ここで図13、図14を参照し、第1実施形態と対比される比較例1、2の制御ユニット部の組付け方法の課題について説明する。比較例1、2の構成の説明にあたり、第1実施形態の用語を適宜援用する。第1実施形態による一般基板アッセンブリ310に対し、比較例1、2では、複数の基板間端子43の一端がばらばらに一般基板31に接続され、基板間端子バインダ63が無い構成の一般基板アッセンブリ319が用いられる。
図13に比較例1の制御ユニット191の構成を示す。まず、基板間端子バインダ63が無い一般基板アッセンブリ319がモータフレーム840に組付けられる。また、コネクタ端子45が接続されたエンド基板33が、コネクタハウジング50の内側にねじ41で固定され、コネクタハウジングアッセンブリ591をなしている。ブラインド接続となる最終組付け工程では、一般基板アッセンブリ319の複数の基板間端子43の他端が、コネクタハウジングアッセンブリ591のエンド基板33に接続される。なお、複数の基板間端子43に代えて、第8実施形態のような基板間接続部品が用いられてもよい。
ここで、図6(b)等に参照されるように基板間端子43は本数が多い。組付け時の荷重は接続端子数にほぼ比例するため、接続端子数が多いほど合計荷重が高くなる。また、樹脂製のコネクタハウジング50に組付けられたエンド基板33は、嵌合箇所の位置精度が低いため、たとえガイド機構を設けたとしても組付け荷重が高くなる可能性が高い。仮に基板間端子バインダ63を有する一般基板アッセンブリ310を用いた場合でも同様の課題が生じる。
比較例1に対し第1実施形態では、ブラインド接続となる最終第3工程S3で、コネクタ端子バインダ65をコネクタハウジング50のアンダーゾーン551に対向させるのみであるため、組付け荷重を低く抑えることができる。後述する第7実施形態のように各コネクタ端子45を端子挿通孔54に挿通させる構成であっても、最終組付け工程での接続端子数が基板間端子43より少ないため、荷重を低減することができる。また、第1実施形態では、金属製のモータフレーム840に一般基板アッセンブリ310及びエンド基板アッセンブリ330を順番に組付けるため、最終組付け工程での位置精度が向上する。したがって、位置ずれの修正による荷重が発生しない。
図14に示す比較例2の制御ユニット192は、特許文献1(特許第6443055号公報、対応US公報:US10424991B2)の従来技術を二枚基板構成に応用したものである。基板間端子バインダ63が無い一般基板アッセンブリ319がモータフレーム840に組付けられた後、単体のエンド基板33が一般基板アッセンブリ319に組み付けられる。
また、複数のコネクタ端子45は天板部561の中央領域でコネクタハウジング50にインサート又はアウトサート成形されてコネクタハウジングアッセンブリ592をなしている。コネクタ端子バインダ65は設けられていない。コネクタ端子45のエンド基板33側の端部はプレスフィット方式の形状となっている。
比較例2においてブラインド接続となる最終組付け工程では、コネクタハウジングアッセンブリ592のコネクタ端子45がエンド基板33に圧入接続される。このとき、直下に支えが無いエンド基板33の中央部に圧入荷重が印加されるため、エンド基板33が撓むおそれがある。仮に基板間端子バインダ63を有する一般基板アッセンブリ310を用いた場合でも同様の課題が生じる。
さらに、コネクタ端子45がコネクタハウジング50にインサート又はアウトサート成形された比較例2の構成に限らず、最終組付け工程でのコネクタ端子45の挿入荷重が高い場合にも、同様にエンド基板33が撓むおそれがある。例えば第1実施形態の第3工程において、エンド基板アッセンブリ330を締まり嵌めでコネクタハウジング50に嵌合する場合、第3工程で発生する荷重が、第1工程及び第2工程で発生する荷重よりも高くなり、エンド基板33が撓むおそれがある。
なお、エンド基板33の撓みを防止するために最終組付け部を機械的に強固にするという考え方もあるが、強度アップのための構造体がスペースを占有すると、二枚基板構成を採用して実装面積を確保した意味が失われる。そこで、構造体を追加することなく、低荷重での組付けを成立させることが求められる。
そこで第1実施形態では、第3工程S3においてコネクタ端子45の他端を対応するコネクタ57、58の間口に露出させるときに発生する荷重が、第1工程及び第2工程で発生する荷重よりも低くなるように構成されている。よって、二枚基板構成の駆動装置の製造時に、コネクタ端子45の組付け荷重によるエンド基板33の撓みが防止される。
次に図15(a)~(c)、図16(a)、(b)を参照し、第3工程のブラインド接続を効率良く実施するために改善された駆動装置の製造方法について説明する。この製造方法では、先端が鉤状のフック治具HKを用いて、作業者がエンド基板アッセンブリ330をコネクタハウジング50側に吊り上げながら組付け作業を行う。フック治具HKが係合するフック係合部の構成として2パターンの実施例を示す。
一つ目の実施例では、図15(a)、(b)に示すように、コネクタ端子バインダ65に保持された、例えば電源用のコネクタ端子45の根元部分に「フック係合部」としてのフック穴49が形成されている。なお、フック穴49は、ハーネスとの嵌合部分を避けた電流の導通に影響しない位置に形成されている。
図15(c)に示すように、第3工程において、コネクタ57の底穴55の内側でフック治具HKがコネクタ端子45のフック穴49に係合される。作業者は、フック治具HKによりエンド基板アッセンブリ330をコネクタハウジング50側に吊り上げながら組付け作業を行う。これにより、コネクタハウジング50の組付けに伴ってエンド基板33に印加される押し下げる荷重を抑制することができる。
二つ目の実施例では、図16(a)に示すように、コネクタ端子バインダ65の中間部に厚さ方向に貫通する通し穴691が形成されている。また、コネクタ端子バインダ65の下面に、フック治具HKの鉤状部を受容可能な逃がし溝692が形成されている。通し穴691及び逃がし溝692が「フック係合部」を構成する。なお、逃がし溝の代わりに段差部や傾斜部が形成されてもよいし、鉤状部の形状や大きさによっては逃がし溝等が無くてもよい。
図16(b)に示すように、第3工程において、コネクタ57の底穴55の内側でフック治具HKがコネクタ端子バインダ65の通し穴691及び逃がし溝692に係合される。作業者は、フック治具HKによりエンド基板アッセンブリ330をコネクタハウジング50側に吊り上げながら組付け作業を行う。これにより、コネクタハウジング50の組付けに伴ってエンド基板33に印加される押し下げる荷重を抑制することができる。
続いて、コネクタ端子バインダ65をコネクタ57、58の底穴55に組み合わせる他の構成を示す第2~第5実施形態について、図10に対応するコネクタ57の底部断面図を参照して順に説明する。これらの実施形態では、いずれも第3工程における組付け荷重を低くすることができる。
(第2実施形態)
図17に示す第2実施形態の制御ユニット102は、コネクタ端子バインダ65が対応するコネクタ57の底穴55に嵌合している。具体的には、コネクタ端子バインダ65の外周面と底穴55の内周面に形成された、勾配が同等の傾斜面652及び傾斜面552が互いに当接するように嵌合している。この構成では、コネクタ端子バインダ65を底穴55に位置決めすることができる。
(第3実施形態)
図18に示す第3実施形態の制御ユニット103は、コネクタ端子バインダ65が対応するコネクタ57の底穴55に弾性変形して、すなわちプレスフィット方式で嵌合している。具体的には、コネクタ端子バインダ65に設けられた爪部653が内側に弾性変形しながら底穴55の内壁を通過した後、底穴55の周囲に形成された受け部553に係止する。例えば爪部653は、四辺のうち対向する二辺に設けられる。
(第4実施形態)
図19(a)に第4実施形態の制御ユニット104を示す。第1実施形態と同様の構成でコネクタハウジング50を組付け後、アンダーゾーン551とコネクタ端子バインダ65とが重なった部位に向けて、天板部561におけるコネクタ57の外壁の周囲にレーザが照射される。なお、少なくともレーザが照射される箇所は、レーザ透過性の樹脂材料で形成されている。レーザ照射により、アンダーゾーン551とコネクタ端子バインダ65とが重なった部位が接合箇所LWDとなる。図19(a)のレーザ照射方法は、コネクタ端子45がコネクタ57の内壁に近接している場合や、コネクタ57の深さが比較的深い場合にも適用可能である。
図19(b)に示す第4実施形態の変形例は、コネクタ57の内壁とコネクタ端子45との間隔が比較的大きく、且つ、コネクタ57の深さが比較的浅い場合、レーザがコネクタ端子45に干渉することなく適用可能である。この変形例では、コネクタ57の間口の内側から、底穴55のエッジ部とコネクタ端子バインダ65との境界部に向けてレーザが斜めに照射される。底穴55のエッジ部に沿った部位が接合箇所LWDとなる。
第4実施形態では、コネクタハウジング50のアンダーゾーン551とコネクタ端子バインダ65とを接合することで、、ハーネスを取り外した状態での水や異物の侵入防止性能が向上する。
(第5実施形態)
図20に示す第5実施形態の制御ユニット105では、第1実施形態と同様の構成でコネクタハウジング50を組付け後、コネクタ57の間口から底穴55にポッティング材POTが注入される。ポッティング材POTは、コネクタハウジング50のアンダーゾーン551とコネクタ端子バインダ65との隙間を埋めるように充填される。これにより第4実施形態と同様に、ハーネスを取り外した状態での水や異物の侵入防止性能が向上する。
(第6実施形態)
図21、図22(a)、(b)に示す第6実施形態の制御ユニット106では、コネクタ端子バインダ65は、隣接する複数のコネクタ57、58に対応する複数群のコネクタ端子45を共通に束ねる。図6(a)に示す第1実施形態に対し、図22(a)に示すコネクタ端子バインダ65は、二つの2群結合仕様のコネクタ端子バインダ65h1、65h2からなる。2群結合仕様のコネクタ端子バインダ65h1、65h2は、系統毎に、隣接する車両系コネクタ57及び信号系コネクタ58に対応する複数群のコネクタ端子45を共通に束ねる。図22(b)に示すコネクタ端子バインダ65は、一つの4群結合仕様のコネクタ端子バインダ65wからなる。4群結合仕様のコネクタ端子バインダ65wは、全部のコネクタ57、58に対応する複数群のコネクタ端子45を共通に束ねる。
第6実施形態では、第1実施形態に対しコネクタ端子バインダ65の部品点数を低減することができる。コネクタハウジング50が比較的小さく、温度特性等による各コネクタ57、58の間口寸法の変化が小さい場合等に有利である。第6実施形態のコネクタ端子バインダ65の構成に、第4実施形態のレーザ照射や第5実施形態のポッティングを組み合わせてもよい。
(第7実施形態)
次に図23~図26を参照し、第7実施形態の制御ユニット107の構成について説明する。図23に制御ユニット107の全体構成を示す。第1~第6実施形態のコネクタハウジング50では、コネクタ57、58の間口の底に底穴55が開口しているのに対し、第7実施形態のコネクタハウジング507では、天板部561から連続した底板部540がコネクタ57、58の間口の底をなしている。底板部540には各コネクタ端子45が挿通可能な複数の端子挿通孔54が形成されている。各コネクタ端子45は、一端がエンド基板33に接続され、他端が端子挿通孔54を挿通してコネクタ57、58の間口に露出する。
コネクタ端子バインダ65は、コネクタハウジング50とエンド基板33との間にコネクタハウジング50とは離れて配置されている。図23の例では、第6実施形態に準ずる2群又は4群結合仕様のコネクタ端子バインダ65が用いられている。コネクタ端子バインダ65は、隣接する複数のコネクタ57、58に対応する複数群のコネクタ端子45を束ねるように複数のコネクタ端子45の中間部分を保持する。
第7実施形態では、コネクタ端子45又は端子挿通孔54の少なくとも一方が弾性変形することで、すなわちプレスフィット方式により、各コネクタ端子45が対応する端子挿通孔54に低荷重で嵌合する。図24~図26に、コネクタ58の断面に現れる2本のコネクタ端子45について、3パターンの具体的な実施例を示す。各図の左側にコネクタ端子45の挿通途中の状態を示し、右側にコネクタ端子45の挿通後の状態を示す。
図24に示す実施例1では、コネクタ端子45の軸方向の一箇所に、他の箇所に比べて外径が大きい大径部471が形成されている。端子挿通孔54は、コネクタ端子45の大径部471に対し自然状態で内径が僅かに小さく、且つ、弾性変形により内径が拡大可能な可撓部541を有している。コネクタ端子45の大径部471がエンド基板33側から可撓部541に当接すると、押し込み荷重により可撓部541が拡大して大径部471が通過する。
図25に示す実施例2では、端子挿通孔54の内壁に、径内方向に突出する係止凸部542が形成されている。例えば軸方向に複数形成された複数の係止凸部542は、周方向位置が互い違いになるように配置されている。コネクタ端子45の外壁には係止凸部542に対応する係止凹部472が形成されている。コネクタ端子45がエンド基板33側から端子挿通孔54に挿入されると、係止凸部542が弾性変形により潰される。コネクタ端子45の係止凹部472が係止凸部542の位置まで挿入されると、係止凸部542が係止凹部472に嵌合する。
図26に示す実施例3では、コネクタ端子45の外壁に爪部473が形成されている。爪部473は、コネクタ端子45の露出側端部である他端からエンド基板33側の一端に向かって径外方向に広がっている。径内方向に押されることで、爪部473はコネクタ端子45の軸に沿うように弾性変形可能である。コネクタ端子45がエンド基板33側から端子挿通孔54に挿入されると、コネクタ端子45は、端子挿通孔54の内壁により爪部473が押された状態で端子挿通孔54を挿通する。挿通後、爪部473の先端は、底板部540に当接する。
以上のように第7実施形態では、組付けの第3工程においてコネクタ端子45又は端子挿通孔54の少なくとも一方が弾性変形してプレスフィット接続する。弾性変形時の荷重が第1工程及び第2工程で発生する荷重よりも小さくなるように構成されることで、二枚基板構成の制御ユニット107を好適に組付けることができる。
(第8実施形態)
図27(a)、(b)、図28を参照し、第8実施形態について説明する。第8実施形態では、一般基板31とエンド基板33とを電気的に接続する構成として、複数の基板間端子43に代えて、基板間接続部品が用いられる。図27(a)、(b)には、各基板31、33に取り付けられた基板間接続部品が分離した、接続前の状態を示す。
図27(a)に示す例では、市販品の基板対基板(BtoB)コネクタ71が用いられる。基板対基板コネクタ71の下部品711は一般基板31の上面312に表面実装され、上部品713はエンド基板33の下面332に取り付けられる。上部品713の複数のピン714は、エンド基板33の孔を挿通して上面333のパターン(図示しない)に電気的に接続される。
図27(b)に示す例では、市販品のソケットコネクタ72が用いられる。ソケットコネクタ72は一般基板31の上面312に表面実装される。エンド基板33の孔を挿通して上面333のパターン(図示しない)に電気的に接続されたピンヘッダータイプの複数のピン724が、ソケットコネクタ72の各端子に接続される。
図28に示すように、基板対基板コネクタ71やソケットコネクタ72は、第1実施形態等における複数の基板間端子43と同様に、モータ80の軸方向の投影において、複数のコネクタ端子45に対し径方向外側の領域に配置されている。基板間接続部品71、72の種類や数は、使用可能なピン数や定格等に応じて選択される。
基板間接続部品71、72を用いた制御ユニットの組付け方法は、図13、図14を参照して上述した第1実施形態の組付け方法に対し、「複数の基板間端子43」を「基板間接続部品の一部」と読み替えて解釈される。例えば図27(a)の構成について、一般基板31に基板間接続部品71の一部である下部品711が接続されたものが「一般基板アッセンブリ310」と定義される。また、エンド基板33に複数のコネクタ端子45の一端及び基板間接続部品の一部である上部品713が接続されたものが「エンド基板アッセンブリ330」と定義される。この構成の駆動装置の製造方法においても第1実施形態と同様の効果が得られる。
(他の実施形態)
(a)一般基板は一枚に限らず、二枚以上が階層をなして設けられてもよい。一般基板同士の間には、複数の基板間端子43が接続される。例えば三枚の一般基板と一枚のエンド基板とを備える四枚基板構成の制御ユニットを想定する。
モータフレーム840側に配置される第1の一般基板に複数の基板間端子43の一端又は基板間接続部品の一部が接続されたものを第1の一般基板アッセンブリとする。第1の一般基板の直上に配置される第2の一般基板に複数の基板間端子43の一端又は基板間接続部品の一部が接続されたものを第2の一般基板アッセンブリとする。第2の一般基板とエンド基板との間に配置される第3の一般基板に複数の基板間端子43の一端又は基板間接続部品の一部が接続されたものを第3の一般基板アッセンブリとする。第1の一般基板アッセンブリは、「モータフレームに最も近い最下段の一般基板アッセンブリ」に相当する。第3の一般基板アッセンブリは、「エンド基板の直下に配置される最上段の一般基板アッセンブリ」に相当する。
第1工程で作業者は、まず第1の一般基板アッセンブリをモータフレーム840に組付ける。次に作業者は、「最後に組付けた一般基板アッセンブリ」である第1の一般基板アッセンブリに「次の段の一般基板アッセンブリ」である第2の一般基板アッセンブリを組付ける。次に作業者は、第2の一般基板アッセンブリに第3の一般基板アッセンブリを組付ける、という同様の作業を繰り返す。こうして作業者は、最上段の第3の一般基板アッセンブリまで順に組付ける。第2工程及び第3工程については、図11に示す二枚基板構成の組付け手順と同様である。
なお、上記の四枚基板構成例で、例えば第2の一般基板アッセンブリと第3の一般基板アッセンブリとがサブ組立工程で先に組付けられ、二段の一般基板アッセンブリがメイン組立工程で第1の一般基板アッセンブリに一度に組付けられる、という方法もあり得る。このような応用的な組付け手順も本発明の技術的範囲に含まれると解釈される。
(b)コネクタハウジング50の天板部561に設けられるコネクタは一つ以上であればよい。コネクタの数や各コネクタ端子の用途は、上記実施形態の例に限らず、ニーズに応じて適宜設定されてよい。
(c)第1~第6実施形態に示した例に限らず、コネクタ端子バインダ65がコネクタ57、58の底穴55をエンド基板33側から覆う、又は、コネクタ57、58の底穴55に嵌合する具体的構成として、その他の構成が採用されてもよい。また、第7実施形態に示した例に限らず、コネクタ端子45又は端子挿通孔54が弾性変形してプレスフィット接続する具体的構成として、その他の構成が採用されてもよい。
(d)本発明の駆動装置800は、電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータに限らず、ステアバイワイヤシステムの反力モータもしくは転舵モータ、或いは、その他のどのようなモータの駆動装置として用いられてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10(101-107)・・・制御ユニット、
31 ・・・一般基板、 310・・・一般基板アッセンブリ、
33 ・・・エンド基板、 330・・・エンド基板アッセンブリ、
43 ・・・基板間端子、 45 ・・・コネクタ端子、
50、507・・・コネクタハウジング、
54 ・・・端子挿通孔、 55 ・・・底穴、
561・・・天板部、562・・・外筒部、
57、58・・・コネクタ、
65 ・・・コネクタ端子バインダ、 71、72・・・基板間接続部品、
80 ・・・モータ、 860・・・ステータ、 865・・・ロータ。

Claims (6)

  1. ステータ(860)及びロータ(865)を含むモータ(80)と、前記モータの軸方向の一方側に設けられ前記モータを駆動制御する制御ユニット(10)とが一体に構成され、
    前記モータの軸方向における前記制御ユニット側の端部に設けられた金属製のモータフレーム(840)と、
    前記モータフレームに対し前記モータとは反対側で階層をなして設けられており、前記モータフレームから最も遠い側に設けられたエンド基板(33)、及び、前記エンド基板以外の一枚以上の一般基板(31)を含み、前記制御ユニットを構成する電子部品が実装された二枚以上の基板と、
    前記エンド基板に対向する天板部(561)、及び、前記天板部の外縁から前記モータに向かって延び、端部が前記モータ又は前記モータフレームに固定される外筒部(562)を有する有底筒状であり、前記天板部に、前記エンド基板とは反対側に間口が向く一つ以上のコネクタ(57、58)を有する樹脂製のコネクタハウジング(50、507)と、
    前記一般基板と前記エンド基板との間、及び、前記一般基板が二枚以上の場合における前記一般基板同士の間に接続された複数の基板間端子(43)又は基板間接続部品(71、72)と、
    一つの前記コネクタに対し2本以上設けられ、一端が前記エンド基板に接続され、他端が前記コネクタの間口に露出する複数のコネクタ端子(45)と、
    各前記コネクタに対応する一群の前記コネクタ端子を束ねる、又は、隣接する複数の前記コネクタに対応する複数群の前記コネクタ端子を束ねるように複数の前記コネクタ端子の中間部分を保持する一つ以上の樹脂製のコネクタ端子バインダ(65)と、
    を備える駆動装置の製造方法であって、
    複数の前記基板間端子の一端又は前記基板間接続部品の一部が前記一般基板に接続されたものを一般基板アッセンブリ(310)と定義し、
    前記コネクタ端子バインダで束ねられた複数の前記コネクタ端子の一端が前記エンド基板に接続されたもの、又は、さらに前記基板間接続部品の一部が前記エンド基板に接続されたものをエンド基板アッセンブリ(330)と定義すると、
    前記モータフレームに最も近い最下段の前記一般基板アッセンブリを前記モータフレームに組付け、さらに、前記一般基板が二枚以上の場合、最後に組付けた前記一般基板アッセンブリに次の段の前記一般基板アッセンブリを組付ける作業を繰り返し、前記エンド基板の直下に配置される最上段の前記一般基板アッセンブリまで順に組付ける第1工程と、
    前記第1工程の後、最上段の前記一般基板アッセンブリに前記エンド基板アッセンブリを組付ける第2工程と、
    前記第2工程の後、前記エンド基板アッセンブリの前記コネクタ端子の他端を対応する前記コネクタの間口に露出させつつ、前記コネクタハウジングを前記エンド基板アッセンブリ及び前記一般基板アッセンブリに被せ、前記外筒部を前記モータ又は前記モータフレームに固定する第3工程と、
    を含み、
    前記第3工程において前記コネクタ端子の他端を対応する前記コネクタの間口に露出させるときに発生する荷重が、前記第1工程及び前記第2工程で発生する荷重よりも低くなるように構成されている駆動装置の製造方法。
  2. 前記コネクタの間口の底に、前記コネクタ端子バインダで束ねられた一群の前記コネクタ端子が挿通可能な底穴(55)が開口しており、
    前記エンド基板アッセンブリは、前記コネクタ端子又は前記コネクタ端子バインダに、先端が鉤状のフック治具(HK)が係合可能なフック係合部(49、691、692)が形成されており、
    前記第3工程において、前記コネクタの前記底穴の内側で前記フック治具を前記フック係合部に係合し、前記エンド基板アッセンブリを前記コネクタハウジング側に吊り上げながら組付け作業を行う請求項1に記載の駆動装置の製造方法。
  3. ステータ(860)及びロータ(865)を含むモータ(80)と、前記モータの軸方向の一方側に設けられ前記モータを駆動制御する制御ユニット(10)とが一体に構成された駆動装置であって、
    前記モータの軸方向における前記制御ユニット側の端部に設けられた金属製のモータフレーム(840)と、
    前記モータフレームに対し前記モータとは反対側で階層をなして設けられており、前記モータフレームから最も遠い側に設けられたエンド基板(33)、及び、前記エンド基板以外の一枚以上の一般基板(31)を含み、前記制御ユニットを構成する電子部品が実装された二枚以上の基板と、
    前記エンド基板に対向する天板部(561)、及び、前記天板部の外縁から前記モータに向かって延び、端部が前記モータ又は前記モータフレームに固定される外筒部(562)を有する有底筒状であり、前記天板部に、前記エンド基板とは反対側に間口が向き、間口の底に底穴(55)が開口した一つ以上のコネクタ(57、58)を有する樹脂製のコネクタハウジング(50)と、
    前記一般基板と前記エンド基板との間、及び、前記一般基板が二枚以上の場合における前記一般基板同士の間に接続された複数の基板間端子(43)又は基板間接続部品(71、72)と、
    一つの前記コネクタに対し2本以上設けられ、一端が前記エンド基板に接続され、他端が前記コネクタの間口に露出する複数のコネクタ端子(45)と、
    各前記コネクタに対応する一群の前記コネクタ端子を束ねる、又は、隣接する複数の前記コネクタに対応する複数群の前記コネクタ端子を束ねるように複数の前記コネクタ端子の中間部分を保持する一つ以上の樹脂製のコネクタ端子バインダ(65)と、
    を備え、
    前記コネクタ端子バインダは、対応する前記コネクタの前記底穴を前記エンド基板側から覆うように設けられている、又は、対応する前記コネクタの前記底穴に嵌合している駆動装置。
  4. 前記コネクタ端子バインダは、対応する前記コネクタの前記底穴に弾性変形して嵌合している請求項3に記載の駆動装置。
  5. ステータ(860)及びロータ(865)を含むモータ(80)と、前記モータの軸方向の一方側に設けられ前記モータを駆動制御する制御ユニット(10)とが一体に構成された駆動装置であって、
    前記モータの軸方向における前記制御ユニット側の端部に設けられた金属製のモータフレーム(840)と、
    前記モータフレームに対し前記モータとは反対側で階層をなして設けられており、前記モータフレームから最も遠い側に設けられたエンド基板(33)、及び、前記エンド基板以外の一枚以上の一般基板(31)を含み、前記制御ユニットを構成する電子部品が実装された二枚以上の基板と、
    前記エンド基板に対向する天板部(561)、及び、前記天板部の外縁から前記モータに向かって延び、端部が前記モータ又は前記モータフレームに固定される外筒部(562)を有する有底筒状であり、前記天板部に、前記エンド基板とは反対側に間口が向く一つ以上のコネクタ(57、58)を有する樹脂製のコネクタハウジング(507)と、
    前記一般基板と前記エンド基板との間、及び、前記一般基板が二枚以上の場合における前記一般基板同士の間に接続された複数の基板間端子(43)又は基板間接続部品(71、72)と、
    一つの前記コネクタに対し2本以上設けられ、一端が前記エンド基板に接続され、他端が前記コネクタの間口の底に形成された端子挿通孔(54)を挿通して前記コネクタの間口に露出する複数のコネクタ端子(45)と、
    各前記コネクタに対応する一群の前記コネクタ端子を束ねる、又は、隣接する複数の前記コネクタに対応する複数群の前記コネクタ端子を束ねるように複数の前記コネクタ端子の中間部分を保持する一つ以上の樹脂製のコネクタ端子バインダ(65)と、
    を備え、
    前記コネクタ端子又は前記端子挿通孔の少なくとも一方が弾性変形することで、各前記コネクタ端子が対応する前記端子挿通孔に嵌合している駆動装置。
  6. 前記モータの軸方向の投影において、複数の前記基板間端子又は基板間接続部品は、複数の前記コネクタ端子に対し径方向外側の領域に配置されている請求項3~5のいずれか一項に記載の駆動装置。
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