JP7515390B2 - 加工廃液処理装置 - Google Patents
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Description
本発明は、加工廃液処理装置に関する。
半導体や電子部品の加工装置では、加工液として純水を用いる加工装置が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
前述した加工装置において、純水は、冷却を目的とすることがあり、その場合、低い水温がより加工精度を向上するために効果的な場合がある。そこで、供給する純水の温度を低く調整する場合が多いが、例えば10度以下といった低い温度に純水を調整するためには、標準的な20度前後で供給される純水を強力に冷却しなければならず、純水を冷却するために、大きな設備や膨大なエネルギーが必要になってしまい、純水を所定の温度まで冷却するためにかかるコストが高騰してしまう。
本発明は、上記問題にかんがみなされたもので、その目的は、純水を所定の温度まで冷却するためにかかるコストの高騰を抑制することができる加工廃液処理装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加工廃液処理装置は、加工装置で使用され排出された加工排水を純水に精製し該加工装置に戻す加工廃液処理装置であって、該加工排水を貯留するタンクと、該加工排水をろ過するフィルターと、該加工排水を所定の温度に調整する温度調整ユニットと、該フィルターを通過した該加工排水からイオンを除去して純水に精製するイオン交換ユニットと、を備える液処理ユニットと、該温度調整ユニットで調整する所定の温度が閾値以下の場合、該液処理ユニットが収容される筐体に冷風を供給し結露の発生を抑制するスポットクーラー、とを有し、該スポットクーラーから排出されるドレン水は該液処理ユニットの該タンクに供給され純水に精製され該加工装置に供給されることを特徴とする。
本発明は、純水を所定の温度まで冷却するためにかかるコストの高騰を抑制することができるという効果を奏する。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る加工廃液処理装置を図面に基いて説明する。図1は、実施形態1に係る加工廃液処理装置の構成例を示すブロック図である。図2は、図1に示されたと加工廃液処理装置により純水が戻される加工装置の構成例を示す斜視図である。
本発明の実施形態1に係る加工廃液処理装置を図面に基いて説明する。図1は、実施形態1に係る加工廃液処理装置の構成例を示すブロック図である。図2は、図1に示されたと加工廃液処理装置により純水が戻される加工装置の構成例を示す斜視図である。
図1に示す実施形態1に係る加工廃液処理装置1は、図2に示す加工装置100に隣接されて配置される。実施形態1において、加工装置100は、被加工物200を切削加工する加工装置である。加工装置100の加工対象である被加工物200は、実施形態1では、シリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハなどのウエーハである。
また、本発明では、被加工物200は、電子部品に使用される各種セラミック基板、樹脂基板、ガラス基板などであってもよい。被加工物200は、図2に示すように、粘着テープ201に貼着され、粘着テープ201に環状フレーム202が貼着されて、粘着テープ201を介して環状フレーム202に装着される。
加工装置100は、図2に示すように、被加工物200を保持するチャックテーブル110と、チャックテーブル110に保持された被加工物200を切削するための切削ブレード121と切削ブレード121に純水302を供給する切削供給ノズル122とを備えた切削ユニット120と、チャックテーブル110をX軸方向に移動させるX軸移動ユニット130と、切削ユニット120をY軸方向に移動させるY軸移動ユニット140と、切削ユニット120をZ軸方向に移動させるZ軸移動ユニット150と、チャックテーブル110をZ軸方向と平行な軸心回りに回転させる回転駆動ユニット160等を備えている。
加工装置100は、X軸移動ユニット130と、Y軸移動ユニット140と、Z軸移動ユニット150及び回転駆動ユニット160により、チャックテーブル110と切削ユニット120とをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びZ軸方向と平行な軸心回りに相対的に移動させて、被加工物200を切削してチップに分割するものである。
また、加工装置100は、切削前後の被加工物200を複数収容するカセット171が設置されるカセットエレベータ170と、カセット171に被加工物200を出し入れするとともに被加工物200を搬送する図示しない搬送ユニットと、切削後の被加工物200を洗浄する洗浄ユニット180と、を備えている。
加工装置100は、搬送ユニットがカセット171内から切削加工前の被加工物200を取り出し、取り出された被加工物200をチャックテーブル110に搬送する。そして、加工装置100は、チャックテーブル110により被加工物200を保持し、X軸移動ユニット130と、Y軸移動ユニット140と、Z軸移動ユニット150及び回転駆動ユニット160により、チャックテーブル110と切削ユニット120とをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びZ軸方向回りに相対的に移動させて、純水302を供給しながら被加工物200を切削加工(加工に相当)してチップに分割する。
加工装置100は、切削後の被加工物200を搬送ユニットによりチャックテーブル110から洗浄ユニット180に搬送した後、洗浄ユニット180により洗浄する。そして、加工装置100は、洗浄後の被加工物200を搬送ユニットによりカセット171内に収容する。加工装置100は、被加工物200を切削加工する加工動作において、純水302と、切削屑等を含む加工排水300を排出する。
図1に示す加工廃液処理装置1は、加工装置100による被加工物200の切削加工で使用され、加工装置100から排出された加工排水300を純水302に精製して、加工装置100に戻す装置である。加工廃液処理装置1は、図1に示すように、筐体2と、液処理ユニット10と、スポットクーラー70と、制御ユニット80とを有する。
筐体2は,液処理ユニット10を収容する。液処理ユニット10は、第1タンク20と、第1フィルター30と、第2タンク40と、温度調整ユニット50と、純水精製ユニット60とを備える。
第1タンク20は、加工装置100から排出された加工屑を含む加工排水300を貯留するタンクである。即ち、第1タンク20が貯留する加工排水300は、加工装置100が被加工物200を加工するのに用いた使用済みの純水302であり、加工屑を含むものである。第1タンク20は、配管101を通して加工装置100から加工排水300が供給され、加工排水300を一旦貯留し、貯留した加工排水300を配管21を通して第1フィルター30に供給する。
第1フィルター30は、第1タンク20に一旦貯留されかつ第1タンク20から供給された加工排水300から加工屑をろ過して除去し、加工排水300を清水301(加工排水にも相当する)に精製するフィルターである。第1フィルター30は、第1タンク20からの加工排水300が配管21を介して供給される。
第1フィルター30は、供給された加工排水300をろ過し、加工排水300中の加工屑を捕捉して、清水301に精製する。第1フィルター30は、精製した清水301を配管32内に通して第2タンク40に供給する。
第2タンク40は、第1フィルター30から供給された清水301を貯留するものである。第2タンク40は、配管32を通して第1フィルター30から供給された清水301を収容する密閉タンクである。第2タンク40は、配管41を通して、清水301を温度調整ユニット50に供給する。
温度調整ユニット50は、加工排水300から精製された清水301を所定の温度に調整して、配管51等を介して加工装置100に供給するものである。実施形態1では、温度調整ユニット50は、清水301を所定の温度である5℃に冷却して、清水301の温度を5℃に調整する。実施形態1では、温度調整ユニット50は、5℃に調整した清水301を配管51を通して純水精製ユニット60に供給する。
純水精製ユニット60は、清水301を純水302に精製するものである。純水精製ユニット60は、UV照射部61と、イオン交換ユニット62と、第2フィルター63を備える。
UV照射部61は、第2タンク40内の清水301が配管41を通して供給される。UV照射部61は、加工屑が除去された清水301に紫外線を照射するものである。UV照射部61は、清水301が供給され、かつ供給された清水301を収容する密閉タンクである清水収容タンクと、清水収容タンク内に設置されかつ清水収容タンク内に供給された清水301に紫外線を照射して有機物を分解し殺菌する紫外線照射ランプと、を備える。UV照射部61は、配管64を通してイオン交換ユニット62に紫外線を照射した清水301を供給する。
イオン交換ユニット62は、第1フィルター30を通過しUV照射部61から供給される加工排水300から精製された清水301からイオンを除去して、即ち、清水301をイオン交換して、純水302に精製するものである。イオン交換ユニット62は、内部に清水301を通す容器と、この容器内に収容されるイオン交換樹脂とを備える。
イオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂のうちの少なくとも一方などが用いられる。なお、実施形態1では、イオン交換樹脂として、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂の両方が所定の割合で容器内に充填されている。
イオン交換ユニット62は、UV照射部61から供給された清水301を容器内に通し、容器内のイオン交換樹脂間に導き、イオン交換樹脂によりイオン交換して純水302に精製し、配管65を通して第2フィルター63に供給する。
第2フィルター63は、純水302中のイオン交換樹脂などの樹脂屑などの微細な物質を捕捉して除去し、微細な物質が捕捉された純水を配管102通して、加工装置100に供給する。こうして、加工廃液処理装置1の液処理ユニット10は、加工装置100との間で所定の温度に調整された純水302及び加工排水300を循環利用することとなる。なお、加工廃液処理装置1の液処理ユニット10に加工装置100から供給される加工排水300の温度は、所定の温度に調整されて切削加工に用いられた後なので、後述する閾値である常温よりも低くかつ所定の温度よりも若干高い、例えば1度~10度程度高い温度である。
スポットクーラー70は、液処理ユニット10が収容される筐体2内に、所定温度の気体を供給する空気調和装置(エアコンディショナーともいう)である。スポットクーラー70は、温度調整ユニット50で調整される所定の温度が予め定められた閾値以下の場合、液処理ユニット10が収容される筐体2内に冷風400(冷却された気体)を供給して、筐体2内の結露の発生を抑制する。スポットクーラー70は、実施形態1では、閾値が常温である例えば20℃である場合、所定の温度が5℃であると、所定の温度すなわち5℃に調整された冷風400を筐体2内に配管71を通して供給する。このように、スポットクーラー70は、温度調整ユニット50が清水301を調整する所定の温度と同等の温度の冷風400を供給する。筐体2に供給された冷風400は、筐体2内の液処理ユニット10の各構成要素の外表面及び筐体2内に吹き付けられて、外表面に付着した結露を除去し、液処理ユニット10の各構成要素の外表面上及び筐体2内の結露を抑制する。
また、スポットクーラー70は、排出するドレン水73を配管74を通して第1タンク20に供給する。このために、スポットクーラー70から排出されるドレン水73は、液処理ユニット10の第1タンク20に供給されて、純水302に精製され、加工装置100に供給される。
また、実施形態1において、スポットクーラー70は、筐体2と配管72を介して接続しており、筐体2内に供給して、筐体2内の液処理ユニット10の各構成要素の外表面に吹き付けられた冷風400が戻される。なお、実施形態1では、スポットクーラー70として、例えば、株式会社ナカトミ製のCU-35MCが用いられる。
また、加工廃液処理装置1は、液処理ユニット10の第2タンク40に図示しない純水供給源から所定のタイミングで所定量の純水302が配管42を通して供給される。加工廃液処理装置1は、第2タンク40に純水供給源から所定のタイミングで所定量の純水302が供給されることで、加工中に気化するなどして純水302が減少しても、加工装置100との間で循環利用される純水302及び加工排水300の量を維持することができる。
制御ユニット80は、加工廃液処理装置1の各構成要素をそれぞれ制御して、加工排水300を純水302に精製する精製動作を加工廃液処理装置1に実施させるものでもある。なお、制御ユニット80は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット80の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、加工廃液処理装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して加工廃液処理装置1の各構成要素に出力する。
また、制御ユニット80は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される図示しない表示ユニットと、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる図示しない入力ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。
以上のように、実施形態1に係る加工廃液処理装置1は、加工装置100から排出された加工排水300を純水302に精製して、再度加工装置100に供給するように、加工排水300及び純水302を加工装置100との間で循環利用するようになるため、例えば20℃などの常温で供給される純水302を例えば5℃等の所定の温度に冷却し続けるより、非常に効率的に純水302を所定の温度に調整することができる。要するに、実施形態1に係る加工廃液処理装置1は、加工装置100に供給する純水302を所定の温度までに冷却するのに必要とされる設備の大型化、及びエネルギーを抑制することができる。その結果、実施形態1に係る加工廃液処理装置1は、純水302を所定の温度まで冷却するためにかかるコストの高騰を抑制することができるという効果を奏する。
また、実施形態1に係る加工廃液処理装置1は、加工装置100に所定の温度に冷却した純水302を供給するので、加工装置100の加工精度の向上する(実施形態1の場合、切削加工時に発生するバリ、クラック及びチッピングの大きさを抑制する)ことができる。
また、実施形態1に係る加工廃液処理装置1は、液処理ユニット10が収容される筐体2内が温度調整ユニット50により非常に低温になるため筐体2内に結露が発生する恐れがあるが、液処理ユニット10が収容される筐体2内に冷風400を供給するスポットクーラー70を備えている。このために、実施形態1に係る加工廃液処理装置1は、液処理ユニット10が収容される筐体2内の結露の発生を抑制することができる。
また、実施形態1に係る加工廃液処理装置1は、スポットクーラー70から排出されるドレン水73を更に液処理ユニット10の第1タンク20に供給するので、ドレン水73を一切無駄にせず、工場設備から第2タンク40に供給する水量を削減する事ができるという効果を奏する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、前述した実施形態では、加工廃液処理装置1は、加工装置100として切削装置に純水302を供給したが、本発明では、剥離層が形成されたSiCインゴットに純水302を供給しながらウエーハを剥離する剥離装置や、被加工物200に純水302を供給しつつ研削砥石で研削する研削装置等の種々の加工装置100に純水302を供給しても良い。また、第2タンク40に供給するのは純水302では無く、清水(市水)であって良い。
1 加工廃液処理装置
2 筐体
10 液処理ユニット
20 第1タンク(タンク)
30 第1フィルター(フィルター)
50 温度調整ユニット
62 イオン交換ユニット
70 スポットクーラー
73 ドレン水
100 加工装置
300 加工排水
301 清水(加工排水)
302 純水
400 冷風
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Claims (1)
- 加工装置で使用され排出された加工排水を純水に精製し該加工装置に戻す加工廃液処理装置であって、
該加工排水を貯留するタンクと、該加工排水をろ過するフィルターと、該加工排水を所定の温度に調整する温度調整ユニットと、該フィルターを通過した該加工排水からイオンを除去して純水に精製するイオン交換ユニットと、を備える液処理ユニットと、
該温度調整ユニットで調整する所定の温度が閾値以下の場合、該液処理ユニットが収容される筐体に冷風を供給し結露の発生を抑制するスポットクーラー、とを有し、
該スポットクーラーから排出されるドレン水は該液処理ユニットの該タンクに供給され純水に精製され該加工装置に供給されることを特徴とする加工廃液処理装置。
Priority Applications (1)
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JP2020206744A JP7515390B2 (ja) | 2020-12-14 | 加工廃液処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020206744A JP7515390B2 (ja) | 2020-12-14 | 加工廃液処理装置 |
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JP2022093979A JP2022093979A (ja) | 2022-06-24 |
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