JP2001308158A - ストッカー機能を備えたクリーンルーム用搬送機 - Google Patents

ストッカー機能を備えたクリーンルーム用搬送機

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JP2001308158A
JP2001308158A JP2000116690A JP2000116690A JP2001308158A JP 2001308158 A JP2001308158 A JP 2001308158A JP 2000116690 A JP2000116690 A JP 2000116690A JP 2000116690 A JP2000116690 A JP 2000116690A JP 2001308158 A JP2001308158 A JP 2001308158A
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clean room
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Sadao Kobayashi
貞雄 小林
Hachiro Yamamoto
八郎 山本
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば、半導体製造分野において、クリーンル
ーム内で利用する従来のフィルター付き搬送機は、搬送
中に塵埃の付着を防止することを目的として構成されて
いたため、塵埃の付着は防止できても、ガス状有機物や
ホウ素化合物等のガス状汚染物質と云うが半導体製造用
基板に吸着されて、後の半導体製造工程で問題を引き起
こすことが多かった。 【解決手段】そこで本発明では、搬送機本体1内に、遮
断扉2を備えた被搬送物3の保管室4を構成し、その上
部にファン5とガス状汚染物質を発生しないフィルター
6を設けた清浄空気供給部7を構成すると共に、保管室
の底壁は通気性底壁8として構成し、保管室の底壁の下
方から上記清浄空気供給部に至る循環空気通路9を構成
すると共に、循環空気通路に空気取入口10を構成した
ストッカー機能を備えたクリーンルーム用搬送機を提案
するものである。循環空気通路9には、清浄空気供給部
よりも上流側にケミカルフィルター12を設ければ好適
である。また、循環空気通路9には、保管室内の温度を
維持するための冷却コイル13を設けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造工場等
のクリーンルーム内において使用され、半導体製造用基
板等の被搬送物を、製造工程間で搬送したり、保管を行
うことのできるストッカー機能を備えたクリーンルーム
用搬送機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工場において、シリコン等の
半導体製造用基板を工程間で搬送するための搬送機とし
て、例えば図3に示すようなフィルター付き搬送機が既
に知られている。図3において、符号aは搬送機本体で
あり、この搬送機本体の中間位置に被搬送物としての半
導体製造用基板bを保管する保管室cを構成しており、
この保管室cの一側に開口部dを構成している。そして
保管室cの上側にはフィルターeとファンfを設けてお
り、搬送機本体aの上部に開口部gが構成されている。
尚、符号hは搬送動力機構、iは車輪である。
【0003】この搬送機においては、ファンfにより吸
引されたクリーンルーム内の空気はフィルターeを通っ
て保管室c内に流入し、保管されている半導体製造用基
板bに付着した塵埃を吹き飛ばした後、開口部dを経て
クリーンルーム内に排出される。この搬送機では、この
ような動作により搬送中における半導体製造用基板への
塵埃の付着を防止することを目的としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、従来
のフィルター付き搬送機は、搬送中に塵埃の付着を防止
することを目的として構成されていたため、塵埃の付着
は防止できても、ガス状有機物やホウ素化合物(以降、
必要に応じて便宜的にガス状汚染物質と云う。)が半導
体製造用基板に吸着されて、後の半導体製造工程で問題
を引き起こすことが多かった。
【0005】これは、まず、従来は、フィルター自体が
ガス状汚染物質の汚染源であるという知見が全くなく、
上記搬送機は、フィルターを単に取り付けた構成であっ
たため、フィルターから発生したガス状汚染物質が、そ
の下流側に保管されている半導体製造用基板に吸着され
るためであった。
【0006】フィルターから発生するガス状汚染物質を
低減するために、フィルターの下流側にケミカルフィル
ターを設ける考え方もあるが、この場合には、ケミカル
フィルターから発生する塵埃で半導体製造用基板が汚染
されるという問題が生じていた。
【0007】またケミカルフィルターをフィルターの上
流側に設ける考え方もあるが、この場合には、ケミカル
フィルターの下流側では一度ガス状汚染物質が低濃度に
なったとしても、フィルターから発生するガス状汚染物
質によって空気が再汚染されるため、下流側の半導体製
造用基板が保管される場所では再び高濃度のガス状汚染
物質を含む空気となってしまい、ケミカルフィルターの
効果を減殺してしまう。
【0008】一方、上述したフィルター付き搬送機で
は、半導体製造用基板に付着した塵埃を吹き飛ばした空
気は、開口部を経てクリーンルーム内に排出されるた
め、クリーンルーム側の空気を汚染するという問題があ
る。
【0009】このような問題を解決するために、フィル
ターを通過して保管室に流入した空気を、クリーンルー
ム内に排出させずに循環させる構成が考えられるが、こ
の場合には、上述したようにフィルターから発生するガ
ス状汚染物質が次第に循環する空気中に蓄積されて高濃
度となってしまうため、このような構成を採用すること
はできなかった。
【0010】本発明は、以上のような課題を解決するこ
とを目的とし、長時間保管したとしても、半導体製造用
基板等の被搬送物への塵埃の付着を防止できることは勿
論のこと、ガス状有機物やホウ素化合物の吸着も防止で
き、しかもクリーンルーム内の空気を汚染しないストッ
カー機能を備えたクリーンルーム用搬送機を提供するも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明では、搬送機本体内に、遮断扉を備えた被
搬送物の保管室を構成し、その上部にファンとガス状汚
染物質を発生しないフィルターを設けた清浄空気供給部
を構成すると共に、保管室の底壁は通気性底壁として構
成し、保管室の底壁の下方から上記清浄空気供給部に至
る循環空気通路を構成すると共に、循環空気通路に空気
取入口を構成したストッカー機能を備えたクリーンルー
ム用搬送機を提案するものである。
【0012】また本発明では、上記の構成において、循
環空気通路には、空気取入口よりも下流側で、清浄空気
供給部よりも上流側にケミカルフィルターを設けたスト
ッカー機能を備えたクリーンルーム用搬送機を提案する
ものである。
【0013】更に本発明では、以上の構成において、循
環空気通路には、空気取入口よりも下流側でフィルター
よりも上流側に冷却コイルを設け、その放熱部を搬送機
本体の適所に設けたストッカー機能を備えたクリーンル
ーム用搬送機を提案するものである。
【0014】以上の構成の本発明の搬送機を利用する被
搬送物としては、半導体製造工場の洗浄設備においてウ
エット洗浄され、酸化設備まで搬送される半導体製造用
基板や、半導体製造工場の、少なくともリソグラフィー
工程で処理され、次の製造工程に搬送される半導体製造
用基板、さらに、酸化工程で表面に親水性酸化膜が付与
された半導体製造用基板等が例としてあげられる。
【0015】以上の本発明においては、清浄空気供給部
のフィルターを通って上方から保管室に流入した清浄空
気は、保管室に保管されている半導体製造用基板等の被
搬送物の塵埃を吹き飛ばした後、保管室の通気性底壁か
ら流出し、循環空気通路を流れて清浄空気供給部に還流
し、再びフィルターを通って保管室に流入する。
【0016】この際、保管室に流入した清浄空気の一部
は保管室の遮断扉との隙間を通して外部、即ちクリーン
ルーム内に流出すると共に、それに見合う空気が空気取
入口を経てクリーンルーム内から循環空気通路内に流入
する。
【0017】このように本発明の搬送機では、保管室に
流入した清浄空気の一部はクリーンルーム内に流出する
ものの、大部分は循環空気通路を経て循環して再利用に
供され、この循環される空気は、ガス状汚染物質を発生
しないフィルターを通して塵埃を除去されるため、塵埃
の除去が効果的に行えると共に、ガス状汚染物質が濃縮
されないので、このガス状汚染物質により汚染されるこ
とも全くなく、且つ、クリーンルーム内の空気を汚染す
ることもない。
【0018】また、循環空気通路に、空気取入口よりも
下流側で、清浄空気供給部よりも上流側にケミカルフィ
ルターを設けることにより、空気取入口から流入するク
リーンルーム内のガス状汚染物質を除去することがで
き、またケミカルフィルターから塵埃が発生したとして
も清浄空気供給部のフィルターにより除去することがで
きる。
【0019】また、循環空気通路に、空気取入口よりも
下流側で、清浄空気供給部又はケミカルフィルターより
も上流側に冷却コイルを設けることにより、循環する空
気の温度を調節することができ、こうして保管室内の被
搬送物の保管温度を調節することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図を参
照して説明する。図1は本発明に係るクリーンルーム用
搬送機の第1の実施の形態を示す縦断面説明図である。
符号1は搬送機本体であり、この搬送機本体1内の中間
位置に遮断扉2を備えた被搬送物3の保管室4を構成し
ている。保管室4の上部にはファン5とフィルター6、
この場合、ガス状汚染物質を発生しないフィルターを設
けた清浄空気供給部7を構成している。保管室4の底壁
は、例えば多数の穿孔を設ける等により通気性底壁8と
して構成し、保管室4の底壁8の下方から上記清浄空気
供給部7に至る循環空気通路9を構成している。そして
循環空気通路9には空気取入口10を構成している。図
に示すように、この実施の形態では、遮断扉2は上下方
向に移動して、保管室4の一側に構成した開口部11を
開閉する構成であるが、遮断扉の開閉形態は適宜であ
る。尚、符号15は搬送動力機構であり、これは搬送機
を手押し型とすれば不要である。また符号16は車輪で
ある。
【0021】以上の構成において、遮断扉2は、保管室
4内に被搬送物3を入れたり、保管室4内から出したり
する時以外は上方に移動させて開口部11を閉として、
ファン5を運転する。運転において、清浄空気供給部7
においてファン5によりフィルター6を通って上方から
保管室4内に流入した清浄空気は、保管室4に保管され
ている半導体製造用基板等の被搬送物3の塵埃を吹き飛
ばした後、保管室4の通気性底壁8から流出し、循環空
気通路9を流れて清浄空気供給部7に還流し、再びフィ
ルター6を通って保管室4に流入して再利用に供され
る。
【0022】この際、保管室4に流入した清浄空気の一
部は遮断扉2との隙間を通して外部、即ちクリーンルー
ム内に流出すると共に、それに見合う空気が空気取入口
10を経てクリーンルーム内から循環空気通路9内に流
入する。
【0023】このように本発明の搬送機では、保管室4
に流入した清浄空気の一部はクリーンルーム内に流出す
るものの、大部分は循環空気通路9を経て循環して再利
用に供され、この循環される空気は、ガス状汚染物質を
発生しないフィルター6を通して塵埃を除去されるた
め、塵埃の除去が効果的に行えると共に、ガス状汚染物
質が濃縮されないので、このガス状汚染物質により汚染
されることも全くなく、且つ、クリーンルーム内の空気
を汚染することもない。
【0024】次に図2は本発明に係るクリーンルーム用
搬送機の第2の実施の形態を示す縦断面説明図である。
この第2の実施の形態は、第1の実施の形態における循
環空気通路9に、空気取入口10よりも下流側で、清浄
空気供給部7よりも上流側にケミカルフィルター12を
設けたことと、循環空気通路9に、空気取入口10より
も下流側でケミカルフィルター12よりも上流側に冷却
コイル13を設け、その放熱部14を搬送機本体1にお
いて空気取入口10の下側に設けたことを特徴とするも
ので、他の構成要素及びその動作は第1の実施の形態と
同様であるため同一の符号を付して重複する説明は省略
する。
【0025】この第2の実施の形態では、まず、空気取
入口10から流入するクリーンルーム内のガス状汚染物
質を除去することができ、またケミカルフィルター12
から塵埃が発生したとしても清浄空気供給部7のフィル
ター6により除去することができる。
【0026】さらにこの第2の実施の形態では、冷却コ
イル13により、循環空気通路9を循環する空気の温度
を冷却して適切な温度に調節することができ、こうして
保管室4内の被搬送物3の保管温度を調節することがで
きる。
【0027】ここで、以上の実施の形態において適用す
るフィルター6は、上述したようにガス状汚染物質を発
生しないフィルターであり、このようなフィルターは、
例えば国際公開番号WO97/04851の再公表特許
公報に開示されているような本発明者等が発明したフィ
ルターを適用することができる。
【0028】この文献のフィルターを簡単に説明する
と、これは、濾材及び、これとフレームとの間を密封す
るシール材として、使用時にガス状有機物を発生しない
もの、具体的には、繊維を布状の濾材に形成するための
処理剤に含まれる非シリコーン系撥水剤として、炭素数
19以下の脂肪族炭化水素を含まない合成パラフィンを
使用すると共に、上記処理剤及びシール材に添加する可
塑剤として分子量400以上のカルボン酸エステル等
を、酸化防止剤として分子量300以上のフェノール系
化合物を使用したものである。さらに、半導体製造用と
しては、上記濾材及びシール材を、空気中に有機リン化
合物及びホウ素化合物を放出しない材料で形成するもの
である。
【0029】このようなフィルターを上記第1、第2の
実施の形態における搬送機のフィルター6として利用す
ると、被搬送物3が半導体製造用基板の場合、フィルタ
ーを通過した空気に暴露されている半導体製造用基板が
吸着するガス有機物の濃度は0.05ng/cm2であり、ま
たホウ素の濃度は10ng/m2以下であり、夫々検出限界
濃度であった。
【0030】また第2の実施の形態におけるケミカルフ
ィルター12として、活性炭ケミカルフィルターを用
い、その下流側の空気に半導体製造用基板3を暴露した
場合と、さらにフィルター6を通過した下流側の空気に
半導体製造用基板3を暴露した場合につき、半導体製造
用基板3に吸着された有機物量を比較すると、ほとんど
差が認められず、このことからフィルター6からはガス
状有機物が発生しないことがわかる。
【0031】第2の実施の形態において循環空気通路9
に設けたケミカルフィルター12は、空気取入口10か
ら循環空気通路9に取り入れる空気が汚染されている場
合に有効であり、このケミカルフィルター12として
は、有機物除去用の活性炭や、活性アルミナ、ゼオライ
ト、セピオライト、シリカ粒子等を充填した有機物除去
用フィルターを利用することができる。
【0032】また取り入れる空気がホウ素やアンモニウ
ムイオン等で汚染されている場合には、カチオン除去用
ケミカルフィルターを使用すればよく、このカチオン除
去用フィルターとしては、担体にリン酸やクエン酸のよ
うな酸性物質を担持したものが使用できる。
【0033】また取り入れる空気が塩素イオンや硝酸イ
オンで汚染されている場合には、アニオン成分除去用の
ケミカルフィルターを使用すればよく、このアニオン除
去用ケミカルフィルターとしては、担体に苛性カリ等の
アルカリ成分を担持したものが使用できる。
【0034】以上の各ケミカルフィルターは、取り入れ
る空気が汚染されている物質に応じて、選択したり、ま
た組み合わせて使用することができ、後者はより好まし
い。
【0035】以上のことから本発明に係る搬送機にシリ
コン等の半導体製造用基板を保管しても、塵埃は勿論の
こと、ガス状有機物が半導体製造用基板に吸着されるこ
とがなく、また適切に選定されたケミカルフィルターを
使用することにより、従来の搬送機のようにカチオン成
分、特にホウ素が吸着されることもない。
【0036】尚、本発明において、半導体製造用基板と
は、シリコンウエハ、シリコン・オン・シンシュレータ
・ウエハ、エピタキシャルウエハ等の、半導体回路を形
成するための各種基板を意味する。
【0037】本発明の搬送機において搬送する被搬送物
3としては、まず、半導体製造工場の洗浄設備において
ウエット洗浄され、酸化設備まで搬送される半導体製造
用基板があげられる。
【0038】このような被搬送物3を本発明による搬送
機で搬送した場合には、従来の搬送機において問題とな
っていた、半導体製造用基板への塵埃の付着や自然酸化
膜の形成が認められず、また吸着された有機物量も著し
く低減される。
【0039】尚、ここでウエット洗浄とは、半導体製造
用基板の表面を、一般的に採用されているRCA洗浄、
もしくはフッ酸・過酸化水素水洗浄して、更に必要に応
じてイソプロパノールで洗浄・乾燥する一連の工程を指
称する。
【0040】次に、本発明の搬送機において搬送する被
搬送物3としては、リソグラフィー工程で処理され、次
の製造工程に搬送される半導体製造用基板があげられ
る。
【0041】このような被搬送物3を本発明による搬送
機で搬送した場合には、リソグラフィー工程において付
着したインク等の塵埃を吹き飛びして保管室4を清浄に
維持することができる。このため、次に使用する時に、
清浄な半導体製造用基板を汚染することがない。
【0042】尚、ここでリソグラフィー工程とは、半導
体製造用基板に半導体回路を形成するために、レジスト
インクを塗布し、次いでステッパー等の光源で露光し
て、さらに溶剤等で現像する一連の工程を指称する。
【0043】また、上述したとおり、本発明の搬送機に
おいて搬送する被搬送物3の他の例としては、酸化工程
で親水性酸化膜が付与された半導体製造用基板等をあげ
ることができる。
【0044】
【実施例】次に図4として示す表は、本発明に係る搬送
機と従来の搬送機における半導体製造用基板の有機物汚
染の状況を試験した結果を示すものである。試験番号1
は図3に示す従来の搬送機に関するもの、試験番号2は
図1に示す本発明の第1の実施の形態に関するもの、試
験番号3は図2に示す半発明の第2の実施の形態に関す
るもので、試験番号1,2においては、夫々搬送機の空
気取入れ口と保管室に半導体製造用基板を24時間暴露
し、また試験番号3においては、搬送機の空気取入れ口
と保管室に加えてケミカルフィルターの出口に半導体製
造用基板を24時間暴露した結果を示すものである。こ
の試験に使用した半導体製造用基板は、紫外線照射下で
オゾンガスにより表面に吸着している有機物を酸化分解
したシリコン半導体製造用基板であり、この方法で有機
物を除去した半導体製造用基板は表面に酸化膜が形成さ
れるため、フッ酸洗浄しただけの半導体製造用基板の約
6倍の吸着速度を持っており、従ってクリーンルーム内
の有機物濃度が低い場合の分析に適している。
【0045】図4の表に示されるように、従来の搬送機
に対応する試験番号1の試験では、半導体製造基板への
有機物吸着量は、クリーンルーム内よりも保管室内の方
が大幅に多くなっているのに対して、本発明の第1の実
施の形態に対応する試験番号2の試験では、半導体製造
基板への有機物吸着量は、クリーンルーム内と保管室内
でほぼ等しく、従って、本発明の第1の実施の形態にお
ける清浄空気供給部7のフィルター6から有機物が発生
していないことが分かる。また本発明の第2の実施の形
態に対応する試験番号3の試験では、クリーンルーム内
での有機物吸着量が多い場合であっても、ケミカルフィ
ルター12を通した個所では有機物吸着量が非常に少な
くなり、従ってケミカルフィルター12により、有機物
を良好に除去できることが分かる。更に、この試験で
は、ケミカルフィルター12から更にフィルター6を通
した個所、即ち保管室4内での有機物吸着量のケミカル
フィルター12の下流側におけると同様に非常に少な
く、従って本発明の第2の実施の形態においては、清浄
空気供給部7のフィルター6から有機物が発生していな
いため、ケミカルフィルター12により有機物を低減し
た状態が保管室4内において維持できること、従ってこ
の第2の実施の形態は、クリーンルーム内の空気が有機
物により汚染されている場合に有効であることがわか
る。
【0046】
【他の実施例】(洗浄工程からの搬送試験)本発明の第
2の実施の形態に対応する搬送機により、洗浄工程から
酸化工程まで搬送する際に半導体製造用基板が汚染され
るか否かを試験した。即ち、通常のRCA洗浄の後、半
導体製造用基板を上記搬送機に入れ、1日間保管後、付
着した塵埃、自然酸化膜、及び吸着有機物を測定した。
その結果、塵埃の付着もなく、自然酸化膜の形成も認め
られず、吸着有機物の量は、上記試験番号3と同程度で
あった。これに対して、この試験の半導体製造用基板
を、図3に示すような従来の搬送機において同様な試験
を行った結果では、半導体製造用基板に塵埃の付着は認
められなかったものの、自然酸化膜が形成されており、
また吸着有機物量も試験1と同程度であった。
【0047】(リソグラフィー工程からの搬送試験)本
発明の第2の実施の形態に対応する搬送機により、リソ
グラフィー工程から、次の半導体加工工程まで搬送する
際に半導体製造用基板が汚染されるか否かを試験した。
この場合には、本発明に搬送機により、リソグラフィー
工程において発生して半導体製造用基板に付着した塵埃
が除去され、次の工程に影響を与えないことを確認する
試験を行った。即ち、リソグラフィー工程において現像
された半導体製造用基板を、搬送機の保管室に入れて1
時間保管後、この半導体製造用基板を保管室から取り出
した。続いて、酸化膜が形成されているが、その表面に
塵埃の付着も、有機物の吸着もない他の半導体製造用基
板を、この保管室に入れて1時間保管した。そして1時
間保管後保管室から取り出して観察したところ、塵埃の
付着は保管前とほとんど差がなく、また有機物の吸着も
ほとんど認められなかった。このような試験を50回繰
り返し行ったが、結果は、塵埃の付着も、有機物の吸着
も認められなかった。
【0048】以上のことから本発明の搬送機では、半導
体製造用基板に付着した塵埃は清浄空気供給部7のフィ
ルター6を通った空気により吹き飛ばされて付着しない
ものと考えられ、このように吹き飛ばされた塵埃は、循
環する空気によりフィルター6に送られて、ここで除去
されるため、クリーンルーム内の空気を汚染することも
ない。
【0049】一方、上記の2つの搬送試験を、従来に搬
送機につき行ったところ、半導体製造用基板への塵埃の
付着は、保管前とほとんど差がないものの、有機物の吸
着が認められた。この搬送機では、空気により半導体製
造用基板から吹き飛ばされた塵埃は、開口部dからクリ
ーンルームないに排出されたものと推定される。
【0050】以上、本発明を適用する被搬送物として半
導体製造用基板につき説明したが、本発明を適用する被
搬送物は、この他、クリーンルームを利用した製造され
る適宜のものに適用できる。
【0051】
【発明の効果】本発明は以上のとおりであるので、次の
ような効果がある。 a.本発明の搬送機では、保管室に流入した清浄空気の
一部はクリーンルーム内に流出するものの、大部分は循
環空気通路を経て循環して再利用に供され、この循環さ
れる空気は、ガス状汚染物質を発生しないフィルターを
通して塵埃を除去されるため、塵埃の除去が効果的に行
えると共に、ガス状汚染物質が濃縮されないので、この
ガス状汚染物質により汚染されることも全くなく、且
つ、クリーンルーム内の空気を汚染することもない。 b.循環空気通路に、空気取入口よりも下流側で、清浄
空気供給部よりも上流側にケミカルフィルターを設ける
ことにより、空気取入口から流入するクリーンルーム内
のガス状汚染物質を除去することができ、またケミカル
フィルターから塵埃が発生したとしても清浄空気供給部
のフィルターにより除去することができる。 c.循環空気通路に、空気取入口よりも下流側で、清浄
空気供給部又はケミカルフィルターよりも上流側に冷却
コイルを設けることにより、循環する空気の温度を調節
することができ、こうして保管室内の被搬送物の保管温
度を調節することができる。 d.半導体製造の分野においては、洗浄工程後の半導体
製造用基板を、本発明による搬送機の保管室内に保管す
ることにより、有機物による汚染や自然酸化膜の形成を
低減することができ、またリソグラフィー工程の前後
に、本発明の搬送機を使用することにより、塵埃の汚染
や、有機物の吸着を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る搬送機の第1の実施の形態を示
す縦断説明図である。
【図2】 本発明に係る搬送機の第2の実施の形態を示
す縦断説明図である。
【図3】 従来の搬送機を示す縦断説明図である。
【図4】 本発明に係る搬送機と従来の搬送機における
半導体製造用基板の有機物汚染の状況を試験した結果を
示す表である。
【符号の説明】
1 搬送機本体 2 遮断扉 3 被搬送物(半導体製造用基板) 4 保管室 5 ファン 6 フィルター 7 清浄空気供給部 8 通気性底壁 9 循環空気通路 10 空気取入口 11 開口部 12 ケミカルフィルター 13 冷却コイル 14 放熱部 15 搬送動力機構 16 車輪 a 搬送機本体 b 半導体製造用基板 c 保管室 d 開口部 e フィルター f ファン g 開口部 h 搬送動力機構 i 車輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L058 BE02 BF08 BG03 5F031 CA02 DA01 FA03 GA37 GA58 MA23 MA27 MA30 NA02 NA15 NA16 NA17 PA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送機本体内に、遮断扉を備えた被搬送
    物の保管室を構成し、その上部にファンとガス状汚染物
    質を発生しないフィルターを設けた清浄空気供給部を構
    成すると共に、保管室の底壁は通気性底壁として構成
    し、保管室の底壁の下方から上記清浄空気供給部に至る
    循環空気通路を構成すると共に、循環空気通路に空気取
    入口を構成したことを特徴とするストッカー機能を備え
    たクリーンルーム用搬送機
  2. 【請求項2】 循環空気通路には、空気取入口よりも下
    流側で、清浄空気供給部よりも上流側にケミカルフィル
    ターを設けたことを特徴とする請求項1に記載のストッ
    カー機能を備えたクリーンルーム用搬送機
  3. 【請求項3】 循環空気通路には、空気取入口よりも下
    流側でフィルターよりも上流側に冷却コイルを設け、そ
    の放熱部を搬送機本体の適所に設けたことを特徴とする
    請求項1又は2に記載のストッカー機能を備えたクリー
    ンルーム用搬送機
  4. 【請求項4】 被搬送物は、半導体製造工場の洗浄設備
    においてウエット洗浄され、酸化設備まで搬送される半
    導体製造用基板であることを特徴とする請求項1〜3ま
    でのいずれか1項に記載のストッカー機能を備えたクリ
    ーンルーム用搬送機
  5. 【請求項5】 被搬送物は、半導体製造工場の、少なく
    ともリソグラフィー工程で処理され、次の製造工程に搬
    送される半導体製造用基板であることを特徴とする請求
    項1〜3までのいずれか1項に記載のストッカー機能を
    備えたクリーンルーム用搬送機
  6. 【請求項6】 被搬送物は、半導体製造工場の酸化工程
    で親水性酸化膜が付与された半導体製造用基板であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3までのいずれか1項に記載
    のストッカー機能を備えたクリーンルーム用搬送機
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