以下、実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。
まず、本実施形態をより明確にするために、複数の測定サイトを有するプローブカードによりウエハ上に形成された複数のデバイスのテストを行う場合の問題点について図1から図4を用いて説明する。この問題点は本開示者が本開示に先立って検討して見出したものである。図1はプローブカードによるデバイスのテスト方法を説明する図である。図2は複数の測定サイトが設けられるプローブカードを示す図である。図3は図2に示すプローブカードをウエハ上に形成されたデバイスにコンタクトさせる個所を説明する図である。図4は図3に示すウエハ上に形成されたデバイスに不良品が含まれる例を示す図である。
図1に示すように、プローブカード205は複数の針状のプローブ206を有し、プローブ206の一端をデバイスDに設けられたパッドPに接触させ、デバイスDと電気的接続をなす。これにより、テスタ100からの電力および電気信号をデバイスDに供給して測定を行い、デバイスDのテストを可能としている。プローブ206はデバイスDに設けられたバンプに接触する場合がある。
図2に示すように、例えば、1つのプローブカード205上に3つの測定サイト205a~205cがX軸方向に沿って並べて設けられることがある。測定サイト205a~205cのそれぞれは、図1に示すような複数のプローブ206を有している。これにより、一度に3つのデバイスのテストを実施することが可能であり、一度に1つのデバイスのテストを行うのと比較し1枚のウエハ当たりのテストに要する時間を短縮することが可能となる。
図3に示すように、ウエハW上には多数のデバイスDがタイル状に形成され、X軸方向およびY軸方向に沿って配置されている。ここで、デバイスDは小さな矩形で表示されている。これらのデバイスDを図2に示すプローブカード205を使用してテストする場合、ウエハW上で横方向(X軸方向)に連続する3つのデバイスDを一度にテストすることが可能となる。図3においては一度にテストするデバイスDの範囲としてのコンタクト位置を太い黒色の矩形で示しており、1つの矩形の中に3つのデバイスDが含まれている。矩形の中に記載されている数値はプローブカード205がウエハW上のデバイスDにコンタクトする順番を示している。図3においては1から70までの番号が振られ、合計70回プローブカード205をデバイスDにコンタクトさせることでウエハW上に形成された全てのデバイスDのテストが実施される。符号CA1~CA6は1回目から6回目のコンタクト位置を示している。なお、1回目のコンタクト位置CA1と2回目のコンタクト位置CA2、4回目のコンタクト位置CA4と5回目のコンタクト位置CA5のように矩形同士が部分的に重なる領域がある。これは、ウエハWの外周においてデバイスDが形成されていない領域であるデバイス非形成領域PAにプローブカード205の測定サイト205a~205cがコンタクトしないようにプローブカード205のコンタクト位置を調整していることによる。ここで、デバイス非形成領域PAはウエハWの外周のデバイスDが形成されていない領域である。
プローブカード205のウエハW上のデバイスDに対するコンタクト位置およびコンタクト順序は一般に総テスト時間が最小となるように調整され、最少のコンタクト回数でウエハW上の全てのデバイスDのテストが行うようにされる。コンタクトマップCMPは、ウエハW上のデバイスDの形成状態およびプローブカード205の複数の測定サイト205a~205cの配置状況等に基づいて定められる。コンタクトマップCMPはプローブカード205がウエハW上のどのデバイスDにコンタクトするか、どの順番でコンタクトするか、を示す情報である。このコンタクトマップCMPはウエハW上のデバイスの種類とプローブカードの種類ごとに事前に定められる。このコンタクトマップCMPに従いプローバ200はプローブカード205をウエハW上の指定されたデバイスDに対し、指定された順番でコンタクトさせてデバイスDのテストが可能となるように動作する。ウエハW上のデバイスの形成状態とは、ウエハW上のデバイスの配置であり、デバイスの種類(サイズ)により異なるが、同じ種類のデバイスにおいては同じである。同じ種類のデバイスは少なくともサイズおよびパッド配置が同じである。同じ種類のデバイスが同じ位置に配置されたウエハは同じ種類のウエハである。
ウエハ上のデバイスのテストは、通常、温度などのテスト条件やテスト内容を変え複数回行われる。例えば、室温条件でテストを行い、次いで高温条件でテストを行うことがある。それぞれのテストを室温テスト工程、高温テスト工程という。図4に示すように、前の室温テスト工程の結果、不良と判断されたデバイスが存在するウエハW上に形成されたデバイスDの後の高温テスト工程におけるテストでも、事前に定められたコンタクトマップに従いテストを実施する。ここで、白抜きのデバイスは良品デバイスD1でありテスト対象となるデバイス(テスト対象デバイス)を示している。灰色のデバイスは不良デバイスD2でありテスト不要なデバイス(テスト非対象デバイス)である。同じ種類のウエハであっても良品デバイスD1および不良デバイスD2の配置はウエハによって異なる。事前に定められたコンタクトマップは、例えば、前のテスト工程において用いられたコンタクトマップであり、図3に示すコンタクト位置に図3に示す順番でコンタクトさせる情報である。
しかし、事前に定められたコンタクトマップに従いテストを実施すると、常に定められた位置にプローブカード205がコンタクトするため、すでに不良と判明している不良デバイスD2に対してもプローブカード205はコンタクトする。この場合、当該不良デバイスD2に対しては実際にはテストを実施しないにも関わらず、他の測定サイトに接続されているデバイスが良品デバイスD1であればそれらの良品デバイスD1をテストするため一定のテスト時間を要する。すなわち、複数の測定サイト205a~205cがコンタクトしているデバイスのうち1つでも良品デバイスD1が存在している場合、一定のテスト時間を以て当該良品デバイスD1に対してテストを実施する。その間、不良デバイスD2に対してもプローブカード205の測定サイト205a~205cのいずれかはコンタクトしている。このため、プローブカード205の全ての測定サイト205a~205cを有効に利用していないという観点でテスト効率が悪化する。このテスト効率の悪化はウエハW上に形成された全ての良品デバイスD1をテストするのに要するテスト時間の長時間化をもたらす。
次に、本実施形態の概要について説明する。実施形態におけるテスト装置は、個々のウエハごとに定められているテスト非対象デバイスのウエハ内の位置情報に基づいて、プローブカードのデバイスに対するコンタクト位置を適切に決定する。これにより、テスト非対象デバイスに対するプローブカードのコンタクト回数を少なくし、測定効率を向上させることで1枚のウエハに対するテスト所要時間を短縮化することが可能となる。
また、実施形態におけるテスト装置は、ウエハ上に形成されたデバイスに対するプローブカードのコンタクト位置を個々のデバイスごとに決められた制約条件に基づき適切に調整する。これにより、テスト品質を向上させることが可能となる。また、実施形態におけるテスト装置は、ウエハ上に形成されたデバイスに対するプローブカードのコンタクト順序を適切に設定する。これにより、デバイスに対するテスト品質を安定化させることが可能となる。
上述の実施形態におけるテスト装置の代表的な例について以下に幾つか例示する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態におけるテスト装置の構成について図5を用いて説明する。図5は第1の実施形態におけるテスト装置の構成を示すブロック図である。
第1の実施形態におけるテスト装置10はテスタ100およびプローバ200を備えている。ウエハW上に形成された、テスト対象であるデバイスDはプローバ200に接続されており、プローバ200によりウエハW上の指定されたデバイスDにプローブカード205が接続される。テスタ100はプローバ200に接続され、デバイスDに対し、プローバ200を経由して電源を供給し、テスト信号を印加する。さらに、テスタ100はテスト信号の印加に対するデバイスDの応答を読み込み、指定テスト条件との照合によりデバイスDの検査を実施する。
プローバ200は制御装置201、ユーザインターフェース部202、記憶装置203、位置制御装置204、プローブカード205およびステージ207を有する。記憶装置203は制御装置201に接続される。記憶装置203は、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State DriveSolid)等により構成されている。記憶装置203にはプローバ200の制御を司る制御プログラム、制御パラメータ、後述するマップ情報およびプローブカード形態情報等が保持される。制御装置201はCPU(Central Processing Unit)201aおよびRAM(Random Access Memory)201b等を備える。制御装置201は記憶装置203から制御プログラムをRAM201bに読み出し、CPU201aがそのプログラムを実行することでプローバ200の動作を制御する。ユーザインターフェース部202は制御装置201に接続され、プローバ200の外部との情報の出し入れを実施する。
記憶装置203には、例えば、外部記憶装置からプログラム等が提供されるようになっている。記憶装置203および外部記憶装置は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置203単体のみを含む場合、外部記憶装置単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、記憶装置203へのプログラムの提供は、外部記憶装置を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
位置制御装置204は、制御装置201から送信されるデバイスDのウエハW上での位置情報に基づきステージ207を移動してプローブカード205とウエハW上のデバイスDの位置を調整する。そして、位置制御装置204はプローブカード205を指定されたデバイスDに電気的に接続する。ステージ207は載置されたウエハWを吸着固定すると共に、位置制御装置204からの指示に基づいて水平方向(XY方向)および垂直方向に移動可能である。位置制御装置204はCPUおよびメモリを含むマイクロコントローラ等により構成されている。
次に、本実施形態におけるテスト装置の動作について図6を用いて説明する。図6は図5に示すテスト装置の動作を示すフローチャートである。
(初期設定:ステップS1)
プローバ200を用いたデバイスDのテストでは通常ウエハ単位でテストが実施される。まず、テストに先立ちプローバ200では初期設定が実施される。この初期設定には、制御装置201によるデバイスDに対するコンタクトマップCMPの作製が含まれる。
(プローブカードのコンタクト:ステップS2)
初期設定が完了後、コンタクトマップCMPに従いデバイスDに対するテストが開始される。まず、制御装置201はコンタクトマップCMPを参照してプローブカード205のコンタクト位置を位置制御装置204に送信する。位置制御装置204はこれに従い、ステージ207を移動してプローブカード205が指定されたデバイスDにコンタクトできる位置(指定位置)に調整し、プローブカード205とデバイスDとの電気的接続を構成する。
(テスト実施:ステップS3)
電気的接続が完了後、位置制御装置204は制御装置201にその旨を報告し、それを受けて制御装置201はテスタ100にテスト開始命令を出す。テスト開始命令によりテスタ100はデバイスDのテストを実施する。そのテストにおいて、テスタ100は、デバイスDに対する電源およびテスト信号を発生し、その電源およびテスト信号をプローバ200内のプローブカード205を経由してデバイスDに印加する。デバイスDの応答はプローブカード205を介してテスタ100に戻され、テスタ100において、事前に定められた規格値との比較によってデバイスDのテストを実施する。テスト終了後、テスタ100はテスト結果を制御装置201に送信する。
(テスト終了判断:ステップS4)
制御装置201はコンタクトマップに指定された全てのコンタクト位置に対するテストが完了した否かを判断し、未了であれば次のコンタクト位置を位置制御装置204に送信し、上述したステップS2,S3と同様にデバイスDのテストを実施する。指定された全てのコンタクト個所にプローブカード205がコンタクトし、全てのテスト対象デバイスに対するテストが完了していれば一連の処理を終了する。
コンタクトマップCMPの作製の動作について図7を用いて説明する。図7はコンタクトマップの作製の動作を示すフローチャートである。
(マップ情報の読込み:ステップS11)
制御装置201はユーザインターフェース部202を介してデバイスDのマップ情報MPIを読み込む、または記憶装置203に格納されているマップ情報MPIを読み込む。マップ情報MPIには、各デバイスDのウエハW内の位置情報と良品不良品情報といったデバイスDの個々の情報(固有情報)が含まれる。良品不良品情報に代えてテスト要否情報であってもよい。良品不良品情報およびテスト要否情報はテスト対象デバイスであるかテスト非対象デバイスであるかの情報である。
(プローブカード形態情報の読込み:ステップS12)
制御装置201はユーザインターフェース部202を介してプローブカードの形態情報PCIを読み込む、または記憶装置203に格納されているプローブカードの形態情報PCIを読み込む。プローブカードの形態情報PCIはプローブカード205内に設置されている測定サイトの配置情報、例えば横方向に3個連続で測定サイト205a~205cを有する、等である。
(コンタクト位置の決定:ステップS13)
制御装置201は入手したマップ情報MPIとプローブカードの形態情報PCIに基づきデバイスDのテストにあたって該デバイスDに対するプローブカード205の最適なコンタクト位置を決定する。最適なコンタクト位置とはテスト対象デバイスをもれなくコンタクトする位置で、かつウエハ当たりの総コンタクト数が最小となるコンタクト位置である。この場合、プローブカード205の全ての測定サイト205a~205cがデバイスDに必ずコンタクトしなくてはならないか、またはデバイスDにコンタクトしないことを許容するか、等の制約条件は事前に与えられている。デバイスDにコンタクトしないことを許容するとは、デバイス非形成領域PAにコンタクトすることを許容することである。さらには許容する場合、いくつの測定サイトまでなら許容するか等が制約条件に含まれる。
(コンタクト順序の決定:ステップS14)
制御装置201は、ステップS13により決定されたコンタクト位置情報に基づいて、プローブカード205が各コンタクト位置に対してどの順序でコンタクトするかを示すコンタクト順序情報を決定する。
(コンタクトマップの生成:ステップS15)
制御装置201は、ステップS13により決定したコンタクト位置情報とステップS14により決定したコンタクト順序情報に基づきコンタクトマップCMPを生成する。コンタクトマップCMPはプローブカード205のウエハW上のデバイスDに対するコンタクト位置情報とコンタクト順序情報を含み、プローブカード205がウエハW上のどのデバイスDにどの順序でコンタクトするかを示す情報である。
次に、第1の実施形態における実施例について説明する。図8は第1の実施形態の実施例におけるウエハ上に形成されたデバイスの形成状態を示す図である。
図8に示すウエハW上には矩形で表されるデバイスDが192個タイル状にX軸方向およびY軸方向に沿って形成されている。なお、デバイスDのうち白抜きとなっているデバイスは、前のテスト工程において良品と判断されているデバイス(良品デバイスD1)であり、今回のテストにおけるテスト対象デバイスである。一方、灰色で示されるデバイスは、前のテスト工程において不良と判断されているデバイス(不良デバイスD2)であり、今回のテストにおけるテスト非対象デバイスである。
図8においてはデバイスDのウエハ内での位置を示すためにX軸、Y軸が設けられている。X軸上には1から16の数値が振られている、同様にY軸上には1から16の数値が振られている。これにより、ウエハW上のそれぞれのデバイスDはその位置をX軸の数値とY軸の数値で特定することが可能である。例えば、良品デバイスD1はX軸の値が14,Y軸の値が14である。また不良デバイスD2の位置はX軸の値が13,Y軸の値が14である。これらをそれぞれ、(X=14,Y=14)の位置にあるデバイス、(X=13、Y=14)の位置にあるデバイスという。
次に、マップ情報について図8および図9を用いて説明する。図9は第1の実施形態の実施例におけるマップ情報の一例を説明する図である。
図8に示すウエハWにおいては、(X=7,Y=1)の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であり、(X=8,Y=1)と(X=9,Y=1)と(X=10,Y=1)の位置にあるデバイスはいずれも良品デバイスD1である。よって、図8に示すウエハW上に形成されたデバイスについてのマップ情報MPIは、図9に示すように各行に1つのデバイスの情報を含み、その内訳は当該デバイスの位置情報(X軸およびY軸の値)と、良品(P)か不良品(F)かの情報である。
プローブカード205の形態について図2、図10、図11および図35を用いて説明する。図10は第2の形態におけるプローブカードを示す模式図である。図11は第3の形態におけるプローブカードを示す模式図である。図35は第4の形態におけるプローブカードを示す模式図である。
図2に示すように、第1の形態におけるプローブカード205は、第1の測定サイト205a、第2の測定サイト205bおよび第3の測定サイト205cが連続して横方向(X軸方向)に設けられている。同様に、図10に示すように、第2の形態におけるプローブカード205は、第1の測定サイト205a、第2の測定サイト205bおよび第3の測定サイト205cが縦方向(Y軸方向)に連続して設けられている。図11に示すように、第3の形態におけるプローブカード205に第1の測定サイト205a、第2の測定サイト205bおよび第3の測定サイト205cが横方向(X軸方向)に1つおきに設けられている。図35に示すように、第4の形態におけるプローブカード205に第1の測定サイト205a、第2の測定サイト205b、第3の測定サイト205c、第4の測定サイト205d、第5の測定サイト205e、第6の測定サイト205fが横方向(X軸方向)に3列、縦方向(Y軸方向)に2行に渡って設けられている。このようにプローブカード205にどのように測定サイト205a~205cが設けられているかを示す情報がプローブカード205の形態情報である。
次に、第1の実施形態の第1の実施例における最適なプローブカードのコンタクト位置を決定する方法について図12から図14を用いて説明する。図12から図14は第1の実施形態の第1の実施例におけるプローブカードのコンタクト位置の決定方法を説明する図である。
図12および図13においては、図8に示すウエハW上のデバイスを横方向(X軸方向)に抜き出し、図面においてウエハW上側のデバイスから1行目(Y1)、2行目(Y2)のように記載している。すなわち、1行目(Y1)はY軸の値が1なるデバイス、2行目(Y2)はY軸の値が2なるデバイスである。図中の矩形が各デバイスを表し、矩形の中に記載している数値は各デバイスの位置を示すX軸の値であり、各デバイスを特定するために記載している。コンタクト位置の決定にあたっては不良デバイスD2にプローブカード205をなるべくコンタクトしないように、かつ良品デバイスD1に対しては必ずプローブカード205の測定サイト205a~205cのいずれかがコンタクトするように決定する。ここで、ウエハW上のデバイスの横方向に配置されている数は、プローブカード205の測定サイトの数以上である。
プローブカード205は図2に示す第1の形態のプローブカード205を用いるものとする。プローブカード205のデバイスDに対するコンタクトにおいては、いずれの測定サイト205a~205cもウエハ上のいずれかのデバイスDにコンタクトするものとし、デバイス非形成領域PAに対するコンタクトは禁止とする。
本実施例では、原則として、不良デバイスD2とコンタクト位置決定済みのデバイスを除いて、一番左側にある良品デバイスD1に対して一番左側にある第1の測定サイト205aをコンタクトさせるようにコンタクト位置を決定する。その結果、不良デバイスD2にコンタクトすることがあるが、それを許容する。ただし、測定サイト205b,205cがデバイス非形成領域PAに位置する場合は、一番右側にある第3の測定サイト205cをデバイスの形成されている領域まで戻してコンタクト位置を決定する。その結果、不良デバイスD2またはコンタクト位置決定済みのデバイスにコンタクトすることがあるが、それを許容する。
まず、制御装置201は、図12に示す1行目(Y1)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を探索して決定する。左側から各デバイスを探索していくと、X=7の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるため、このデバイスは除外する。続くX=8の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるため、第1の測定サイト205aを該デバイスにコンタクトするようにプローブカード205の位置を定める。そうすると、第2の測定サイト205bはX=9の位置にあるデバイスに、第3の測定サイトはX=10の位置にあるデバイスにコンタクトする。これにより、プローブカード205のコンタクト位置が決定し、X=8から10の位置にある3つのデバイスがプローブカード205の1回のコンタクトの対象となる。すなわち、1行目(Y1)の位置にあるデバイスのうち太い黒線で示した矩形領域がプローブカード205のコンタクト位置となる。この矩形領域はX=8から10の位置にあるデバイスを含む。X=10の位置にあるデバイスに続くデバイスを探索するが、1行目(Y1)にはもうテスト対象デバイスとしての良品デバイスD1は無く、1行目(Y1)のコンタクト位置の探索はここで終了する。
次に、制御装置201は、2行目(Y2)の位置にあるデバイスについてプローブカード205のコンタクト位置を探索して決定する。左側から各デバイスを探索していくと、X=5の位置にあるデバイスが一番左に存在し、かつ良品デバイスD1であるため第1の測定サイト205aをX=5の位置にあるデバイスにコンタクトするようにプローブカード205の位置を定める。それに伴い、X=6、7の位置にあるデバイスもそれぞれ第2の測定サイト205b、第3の測定サイト205cによりコンタクトされる。これにより、X=5から7の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
続くX=8の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるため、該デバイスを除外する。次のX=9の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるため、第1の測定サイト205aをX=9の位置にあるデバイスにコンタクトするようにプローブカード205の位置を定める。それに伴い、X=10、11の位置にあるデバイスもそれぞれ第2の測定サイト205b、第3の測定サイト205cによりコンタクトされる。これにより、X=9から11の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
続くX=12の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であり、それに続くデバイスはないため、2行目(Y2)のデバイスに対するコンタクト位置の探索は終了する。これにより2行目(Y2)のデバイスに対するコンタクト位置は黒い太線で示された矩形領域2つとなる。
次に、制御装置201は、3行目(Y3)の位置にあるバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を探索する。左側から各デバイスを探索していくと、X=3の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるため、該デバイスを除外する。次のX=4の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるため、X=4の位置にあるデバイスに第1の測定サイト205aをコンタクトさせるようにプローブカード205の位置を定める。これにより、X=4から6の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。なお、X=6の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるが、X=4、5の位置にあるデバイスが良品デバイスであるためコンタクトせざるを得ず、X=4から6の位置をコンタクト位置とする。
続くX=7の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるためプローブカード205の第1の測定サイト205aをコンタクトさせるようにプローブカード205の位置を定める。これにより、X=7から9の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
続くX=10の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるため、第1の測定サイト205aを該デバイスにコンタクトさせるようにプローブカード205の位置を定める。これにより、X=10から12の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
続くX=13の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるため、プローブカード205の第1の測定サイト205aをコンタクトさせる位置とする。しかし、このコンタクト位置では第3の測定サイト205cがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまうため、制約条件に抵触する。そのため、図12において左向き矢印(←)によって示すように、プローブカード205のコンタクト位置を左方向に1つ戻し、X=13の位置にあるデバイスに対して第2の測定サイト205bがコンタクトするようにコンタクト位置を定める。これにより、X=12から14の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。このコンタクト位置では第3の測定サイト205cがデバイス非形成領域PAにコンタクトすることはなくコンタクト位置として適切である。X=12の位置にあるデバイスは2回プローブカード205によりコンタクトされることとなる。しかし、コンタクト回数に特段の制限がない場合、または制限に抵触する場合を除いて問題はない。また、通常2回目のコンタクトではテスタ100によるテストは実施されない。以上の操作により3行目(Y3)のデバイスに対して4か所のコンタクト位置が決定する。4か所のコンタクト位置は図中黒い太線の矩形領域で示される。
図12に示す4行目(Y4)から8行目(Y8)および図13に示す9行目(Y9)から16行目(Y16)のデバイスに対するコンタクト位置の決定も同様の操作で行う。なお、デバイス非形成領域PAにコンタクトしないという制約条件により、図12に示す4行目(Y4)、6行目(Y6)7行目(Y7)においては、左向き矢印(←)によって示すように、プローブカード205のコンタクト位置を左方向に1つ戻している。また、図13に示す10行目(Y10)、11行目(Y11)、12行目(Y12)、13行目(Y13)においては、左向き矢印(←)によって示すように、プローブカード205のコンタクト位置を左方向に1つまたは2つ戻している。以上の操作により、ウエハW全体で最終的に63か所のコンタクト位置が定められる。
なお、上記方法では各行のデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置の決定においてそれぞれ左側のデバイスから探索していったが、右側のデバイスから探索してもよい。その場合は、テスト非対象デバイスとしての不良デバイスとコンタクト位置決定済みのデバイスを除いて、一番右側にあるテスト対象デバイスとしての良品デバイスに対して第3の測定サイト205cをコンタクトさせるようにコンタクト位置を決定する。
同様な方法に基づき、例えば図10に示す第2の形態のプローブカードにおいてはそのコンタクト位置の決定はウエハを縦方向(Y軸方向)に切り出して考えればよい。さらに、図11に示す第3の形態のプローブカードに対しては、上記と同様各行のデバイスに対して、不良デバイスとコンタクト位置決定済みのデバイスを除いて、一番左側の良品デバイスに第1の測定サイト205aをコンタクトするようにコンタクト位置を定めればよい。
図9に示すウエハW上に形成されたデバイスに対し上記に説明した方法で定められたコンタクト位置を図14に示す。黒い太線で示された矩形領域がそれぞれのコンタクト位置を示している。分かりやすくするためそれぞれのコンタクト位置において第2の測定サイト205bがコンタクトするデバイスの位置を黒色の丸印で示している。
本実施例では、不良デバイスにプローブカード205をなるべくコンタクトさせないようにすることで、図14に示すように、計63回のコンタクトでウエハ全体の良品デバイスのテストが実施可能である。一方、良品デバイスと不良デバイスを区別せず、プローブカード205のコンタクト位置を定める方法では、図3に示すようにウエハ全体のデバイスのテストを実施するのに、計70回のプローブカード205のコンタクトを必要とする。1回のコンタクトで実施されるテスト時間が共通であるとすると、本実施例ではウエハ当たりのテスト時間が図3に示す場合より約10%短縮できることがわかる。
次に、第1の実施形態の第2の実施例における最適なプローブカードのコンタクト位置を決定する方法について図8、図35から図39を用いて説明する。図36は第1の実施形態の第2の実施例におけるコンタクト位置を決定する方法を示すフローチャートである。図37および図38は第1の実施形態の第2の実施例におけるプローブカードのコンタクト位置の決定方法を説明する図である。図37および図38は、図8と同様に、各デバイスを特定するためにその位置をX軸の値、Y軸の値で表している。白抜きのデバイスは良品デバイスD1であり、プローブカードのコンタクトが必要なデバイスである。灰色で示すデバイスは不良デバイスD2でありプローブカードのコンタクトは不要なデバイスである。斜線で示すデバイスはコンタクト位置決定済みのデバイスである。
本実施例におけるウエハW上に形成されたデバイスDの形成状態は図8に示す第1の実施例と同様である。コンタクト位置の決定にあたっては不良デバイスD2にプローブカード205をなるべくコンタクトしないように、かつ良品デバイスD1に対しては必ずプローブカード205の測定サイト205a~205fのいずれかがコンタクトするように決定する。ここで、ウエハW上のデバイスの横方向に配置されている数は、プローブカード205の測定サイトの数以上である。
プローブカード205は図35に示す第4の形態のプローブカード205を用いるものとする。プローブカード205のデバイスDに対するコンタクトにおいては、いずれの測定サイト205a~205fもウエハ上のいずれかのデバイスDにコンタクトするものとし、デバイス非形成領域PAに対するコンタクトは禁止とする。
本実施例では、不良デバイスD2とコンタクト位置決定済みのデバイスを除いて、一番上側かつ一番左側にある良品デバイスD1に対してコンタクト位置を探索する。まず、測定サイト205a~205fのいずれかの測定サイトを該良品デバイスD1にコンタクトすることを想定する。そして、該コンタクトによっていずれかの測定サイトがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまう場合を除外する。そして、該コンタクトによって良品デバイスD1、ただしコンタクト位置決定済みのデバイスを除く、を最多に含むコンタクト位置の1つを今回の探索結果とする。このコンタクト位置の決定によりコンタクト位置内の良品デバイスD1はコンタクト位置決定済みとなり、以降の探索からは除外されることとなる。この操作を繰り返し全ての良品デバイスD1がコンタクト位置決定済みとなった時点でコンタクト位置の決定は完了する。
以下、図36に示すフローチャートを参照してコンタクト位置の決定方法を説明する。
まず初めに、初期設定として、制御装置201は、図8に示すデバイスの配置状況(マップ情報MPI)を読み込む(ステップS21)。良品デバイスD1をテスト対象デバイスとし、不良品デバイスD2をテスト非対象デバイスとし、制御装置201はマップ情報MPIをRAM201bに記録する。
次に、制御装置201はウエハWにおいて最上位(Y軸の値が小さい)に位置するデバイスのうち、最左(X軸の値が小さい)となるテスト対象デバイスを探索する。図8に示す例では(X=8,Y=1)の位置にある良品デバイスD1が選出される(ステップS22,S23)。
続いて、該デバイスに測定サイト205c~205fのいずれかをコンタクトさせた場合、いずれかの測定サイトがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまうためこれらは除外する。測定サイト205aをコンタクトさせると、コンタクト位置には5つのテスト対象デバイスが含まれ、測定サイト205bをコンタクトさせると4つのテスト対象デバイスが含まれる。このため今回の探索では最多の5つのテスト対象デバイスをコンタクト位置に含む、測定サイト205aが該デバイスにコンタクトする位置をコンタクト位置と決定する(ステップS24)。
制御装置201はステップS24により決定したコンタクト位置をRAM201bに記録し、コンタクト位置内の5つのテスト対象デバイスをテスト非対象デバイスとする(ステップS25)。ここで、5つのテスト対象デバイスは、(X=8,Y=1)、(X=9,Y=1)、(X=10,Y=1)の位置にある3つのデバイスと、(X=9,Y=2)、(X=10,Y=2)の位置にある2つのデバイスである。これらのデバイスはコンタクト位置決定済みであり、以降の探索からは除外されることとなる。図37において斜線で示す5つのデバイスが、今回、コンタクト位置が決定されたデバイスであり、テスト非対象デバイスとなったことを示している。
制御装置201は、同様にして次のコンタクト位置を探索するため、テスト対象デバイスの有無を検査する(ステップS22)そして、最上位かつ最左に位置する(X=5,Y=2)の位置にあるデバイスをテスト対象デバイスとして選出する(ステップS23)。該デバイスに測定サイト205b~205fをコンタクトさせようとすると、いずれかの測定サイトがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまう。該デバイスにコンタクト可能なプローブカード205の測定サイトは測定サイト205aのみであり、この位置をコンタクト位置と決定する(ステップS24)。このコンタクト位置に含まれるテスト対象デバイスは5つである。それらは、(X=5,Y=2)、(X=6,Y=2)、(X=7,Y=2)の位置にあるデバイスの3つと、(X=5,Y=3)、(X=7,Y=3)の位置にあるデバイスの2つである。そして、制御装置201はこれらのテスト対象デバイスをテスト非対象デバイスとしてRAM201bに登録する(ステップS25)。
次に選出されるテスト対象デバイスは(X=11,Y=2)の位置にあるデバイスである(ステップS22,S23)。該デバイスに測定サイト205aをコンタクトさせた場合、測定サイト205cがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまい不適切なため候補から除外される。該デバイスに測定サイト205bをコンタクトさせた場合、4つのテスト対象デバイスがコンタクト位置に含まれる。該デバイスに測定サイト205cをコンタクトさせた場合も4つのテスト対象デバイスがコンタクト領域に含まれる。該デバイスに測定サイト205d~205fをコンタクトさせた場合、測定サイト205fはデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまい不適切なため候補から除外される。これによりコンタクト位置は測定サイト205bがコンタクトする位置に定められ(ステップS24)、制御装置201はそのコンタクト位置をRAM201bに登録する。このコンタクト位置に含まれるテスト対象デバイスは、(X=11,Y=2)、(X=10,Y=3)、(X=11,Y=3)および(X=12,Y=3)の位置にある4つのデバイスである。制御装置201はこれらのデバイスをテスト非対象デバイスとしてRAM201bに記録する。
以上のコンタクト位置の決定によるテスト対象デバイスからテスト非対象デバイスに変更されたウエハWのデバイスの状況は図38において斜線で示されている。
以後同様な操作により順々にコンタクト位置が定められ、最終的にテスト対象デバイスがなくなった時点でコンタクト位置決定手続きは終了する。
本実施例ではプローブカード205測定サイトが2行3列の場合を例に、コンタクト位置を定める方法を説明したが、プローブカードの測定サイトm行n列(m、nは2以上の整数)であってもコンタクト位置の決定方法は変わりがない。さらに、プローブカードの測定サイトの配置が連続ではなく、飛び飛びの状態でも同様にコンタクト位置を定めることが可能である。
次に、決定されたコンタクト位置に対してプローブカードをコンタクトする順序を定める方法について図15を用いて説明する。図15は第1の実施形態の実施例におけるコンタクトする順序を決定する方法を説明する図である。
図14に示す定められたコンタクト位置に対し、図15に示すように、制御装置201はウエハWの上側から下側に向かってジグザクにコンタクト順序を定める。ここで、Y軸方向を上下方向とし、図14と同様に、コンタクト位置において第2の測定サイト205bがコンタクトするデバイスの位置を黒色の丸印で示している。すなわち、1行目のコンタクト位置は1つのみであるので、このコンタクト位置を1回目のコンタクト位置CA1とする。2行目にはコンタクト位置が2つ定められており右側のコンタクト位置を2回目のコンタクト位置CA2とし、左側のコンタクト位置を3回目のコンタクト位置CA3とする。3行目には4つコンタクト位置が定められており、左側のコンタクト位置から4回目から7回目のコンタクト位置とする。以下同様に右側から、または左側からコンタクト位置を選択していきコンタクト順とする。このような選択方法ではテスト実行時に位置制御装置204においてプローブカード205とウエハW上のデバイスDの位置を調整する際に相互の移動距離が比較的少なくすることが可能である。
次に別のコンタクト順序の決定方法について図16を用いて説明する。図16は第1の実施形態の実施例における別のコンタクト順序を決定する方法を説明する図である。
図14に示す定められたコンタクト位置に対し、図16に示すように、制御装置201はウエハ外周側のコンタクト位置CA1から開始し、らせん状にコンタクト位置CA2,CA3をたどって中心部側に向かうようにコンタクトする順序を定める。これにより、連続するコンタクト位置間でプローブカードの移動距離を最小にする、すなわち、プローブカード205とウエハWとの相対的移動距離を最小にすることが可能である。ウエハ中心部側のコンタクト位置から開始し、らせん状にコンタクト位置をたどってウエハ外周側に向かうようにコンタクトする順序を定めてもよい。
次に、さらに別のコンタクト順序の決定方法について図17を用いて説明する。図17は第1の実施形態の実施例における別のコンタクト順序を決定する方法を説明する図面である。
図14に示す定められたコンタクト位置に対し、図17に示すように、制御装置201はコンタクトする順序を定める。ここでは連続するプローブカードのコンタクト位置において、コンタクトされるデバイス間のウエハ上での距離を一定値以上、または一定値以下とするようなコンタクト順序を示している。例えば、連続するコンタクト、すなわちテストにおいて、前のテストによるデバイスの発熱といった影響を次のテスト対象となるデバイスに及ぼすことが無いようにウエハ上で一定の距離を以て次のテストを実施するデバイスを選択するようコンタクト順序を定める。
コンタクトマップについて図18および図19を用いて説明する。図18は図14に示すコンタクト位置に対し、図15で示すコンタクト順序によってコンタクトする順番を表した図である。図19は図18に示すコンタクト位置およびコンタクト順序の情報を示すコンタクトマップの一例を示す図である。図18に示す黒い太線の矩形領域がコンタクト位置であり、その中の数値がコンタクトする順番である。
図19に示すように、1回目のコンタクト位置CA1におけるプローブカード205の第1の測定サイト205aがコンタクトするデバイスの位置は(X=8,Y=1)である。これが図19に示すコンタクトマップCMPの1行目に記載されている。同様に、2回目のコンタクト位置CA2における第1の測定サイト205aがコンタクトするデバイスの位置は(X=9,Y=2)であり、コンタクトマップCMPの2行目に記載されている。3回目のコンタクト位置CA3における第1の測定サイト205aがコンタクトするデバイスの位置は(X=5,Y=2)であり、コンタクトマップの3行目に記載されている。4行目以降も同様に記載されている。図19に示すコンタクトマップCMPにおいて左側に示す数字はコンタクト順番である。
本実施例では、良品デバイスD1をテスト対象デバイス、不良デバイスD2をテスト非対象デバイスとする例を説明したが、別の観点から各デバイスをテストが必要なデバイスをテスト対象デバイスとし、テストが不要なデバイステスト非対象デバイスとしてもよい。
本実施形態では、動的に定められたコンタクトマップにより予めテスト非対象デバイスと判明しておりテスト非対象デバイスを避けるようにプローブカードをテスト対象デバイスにコンタクトさせる。これにより、ウエハ上の全てのテスト対象デバイスに対するプローブカードのコンタクトの総数をコンタクト位置が静的に事前に定められていた場合と比較して少なくすることが可能となる。コンタクト回数はテスト時間に比例するため、コンタクト回数が少なくなることによりウエハ当たりのテスト所要時間が短縮されテスト効率が向上する。
また、本実施形態では、プローブカードがテスト対象デバイスにコンタクトする順序を事前に定められた方針に従い定めているので連続するテストのコンタクト位置の距離を調整することが可能となる。これにより、前回のテストにおいて被測定デバイスに与えた温度上昇などの影響が適切な距離を保つことで回避され、最適な条件、すなわち期待しているテスト条件でテストを実施することが可能となる。これにより、テスト品質が向上する。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態におけるテスト装置について説明する。第2の実施形態では、ウエハ上に形成されたデバイスにテスト対象デバイス、テスト非対象デバイスおよびテスト禁止デバイスを有する場合におけるプローブカードのコンタクト位置を最適化する例を説明する。ここで、テスト禁止デバイスは、例えば、プローカードによるコンタクトが禁止されるデバイスであり、コンタクト禁止デバイスともいう。
第2の実施形態におけるテスト装置の構成は、図5に示すテスト装置の構成と同様である。第2の実施形態におけるテスト装置の動作は、図6に示すテスト装置の動作と同様である。
次に、第2の実施形態におけるコンタクトマップの作製の動作について図7に示すフローチャートを用いて第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(マップ情報の読込み:ステップS11)
制御装置201は、第1の実施形態と同様に、デバイスDのマップ情報MPIを記憶装置203等から読み込む。マップ情報MPIには、各デバイスDの位置情報と、各デバイスの固有情報としてテスト対象デバイス、テスト非対象デバイスおよびテスト禁止デバイスの情報と、が含まれる。
(プローブカード形態情報の読込み:ステップS12)
制御装置201は、第1の実施形態と同様に、プローブカードの形態情報PCIを記憶装置203等から読み込む。
(コンタクト位置の決定:ステップS13)
制御装置201は、マップ情報MPIおよびプローブカードの形態情報PCIに基づいて最適なプローブカード205のコンタクト位置を決定する。この場合、制御装置201は、プローブカード205が可能な限りテスト非対象デバイスにコンタクトしないように、テスト禁止デバイスには決してコンタクトしないようにし、最少のコンタクト数で可能な限りウエハ内の全てのテスト対象デバイスにコンタクトできるコンタクト位置を決定する。この場合、プローブカード205の測定サイト205a~205cがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてもよいか否かを事前に制約条件として与えられている。なお、上記制約条件およびやテスト禁止デバイスの位置次第では絶対にコンタクトできないテスト対象デバイスが存在する可能性があるが、このような場合は該デバイスのテストは不可であり不良判定することとなる。
制御装置201は、コンタクト位置を決定すると、次にコンタクト順序を決定しコンタクトマップCMPを生成するが、以降の動作は第1の実施形態のステップS14,S15の動作と同様である。
次に、第2の実施形態における実施例について図20を用いて説明する。図20は第2の実施形態の実施例におけるデバイスの形成状態を示した図である。
ウエハW上に良品デバイスD1、不良デバイスD2およびコンタクト禁止デバイスD3が形成されている。白抜きのデバイスは良品デバイスD1であり、テスト対象デバイスである。灰色で示しているデバイスは不良デバイスD2であり、テスト非対象デバイスである。斜線で示したデバイス、例えば(X=3,Y=6)の位置にあるデバイスはコンタクト禁止デバイスD3である。良品デバイスD1に対してはプローブカード205をコンタクトさせる必要があり、不良デバイスD2に対してはプローブカード205をコンタクトさせる必要はない。一方、コンタクト禁止デバイスD3は、例えば、バンプ不良によりプローブカード205がコンタクトすることでプローブカード205を破壊してしまうデバイスであり、プローブカード205のコンタクトは禁止されている。コンタクト禁止デバイスD3はウエハWの外観検査等により判明する。
本実施例で使用するプローブカードは、図2に示す第1の形態のプローブカード205である。また、本実施例においてもデバイス非形成領域PAへのプローブカード205のコンタクトは禁止するものとする。
本実施例によるコンタクト位置の決定方法について図21を用いて説明する。図21は第2の実施形態の実施例におけるコンタクト位置の決定方法を説明する図である。
図21は図20に示すデバイスのうち4行目と6行目を抜きだしたものである。これ以外の行のデバイスの形成状態は第1の実施形態の実施例と同一であり、プローブカードのコンタクト位置は同様に決定される。
本実施例では、原則として、不良デバイスD2とコンタクト位置決定済みのデバイスを除いて、一番左側にある良品デバイスD1に対して一番左側にある第1の測定サイト205aをコンタクトさせるようにコンタクト位置を決定する。ただし、測定サイト205b,205cがコンタクト禁止デバイスD3またはデバイス非形成領域PAに位置する場合は、一番右側にある第3の測定サイト205cがコンタクト禁止デバイスD3以外のデバイスおよびデバイスの形成されている領域まで戻してコンタクト位置を決定する。ただし、測定サイト205a,205bがコンタクト禁止デバイスD3またはデバイス非形成領域PAに位置する場合は、テスト不可とする。
制御装置201は、図21に示す4行目(Y4)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を探索する。左側から各デバイスを探索していくと、X=3の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であり、プローブカード205の第1の測定サイト205aを該デバイスにコンタクトさせる。これにより、X=4、5の位置にあるデバイスもプローブカード205とコンタクトし、X=3から5の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
続くX=6の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であり、プローブカード205の第1の測定サイト205aを該デバイスにコンタクトさせる。すると、第2の測定サイト205bはX=7の位置にあるデバイスに、第3の測定サイト205cはX=8の位置にあるデバイスにコンタクトする。しかし、X=8の位置にあるデバイスはコンタクト禁止デバイスD3であり、プローブカード205をコンタクトさせることは禁止されている。そこで、プローブカード205のコンタクト位置を左方向に1つ戻し、第1の測定サイト205aがX=5の位置にあるデバイスにコンタクトするようにコンタクト位置を設定する。この場合、測定サイト205a~205cのいずれもコンタクト禁止デバイスD3にコンタクトすることなく、かつデバイス非形成領域PAにコンタクトすることもないのでコンタクト可能であり、X=5から7の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
続くX=9の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるため、プローブカード205の第1の測定サイト205aをコンタクトさせる。その場合、第2の測定サイト205bがX=10の位置にあるデバイスに、第3の測定サイト205cがX=11の位置にあるデバイスにコンタクトする。これらのデバイスはいずれもコンタクト禁止デバイスD3ではなく、かつデバイスが存在する領域であるためコンタクト可能であるので、X=9から11の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
続くX=12の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるので、該デバイスを除外する。次のX=13の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるため、該デバイスに対してプローブカード205の第1の測定サイト205aをコンタクトさせる。しかし、その場合、第3の測定サイト205cがデバイス非形成領域PAとなるためコンタクト位置として不適切であるため、コンタクト位置を左方向に1つ戻し、X=12から14の位置にあるデバイスにプローブカード205をコンタクトさせる。この場合はコンタクト位置にコンタクト禁止デバイスD3は含まず、かつ測定サイト205a~205cのいずれにもデバイスが存在するためコンタクト位置として適切であり、X=12から14の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。4行目には探索対象となるデバイスはもう存在しないため、この行の探索は終了する。
次に、制御装置201は、図21に示す6行目(Y6)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を探索する。左側から各デバイスを探索していくと、一番左のX=2のデバイスは良品デバイスD1であるため、プローブカード205の第1の測定サイト205aをコンタクトさせる。しかし、この場合、第2の測定サイト205bがコンタクトするX=3の位置にあるデバイスはコンタクト禁止デバイスD3でありコンタクトすることができない。そのためプローブカード205のコンタクト位置を1つ左側に戻そうとするが、そうすると第1の測定サイト205aがデバイス非形成領域PAにコンタクトすることになってしまうため、コンタクト位置としては不適切である。そのためX=2の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクトは断念し該デバイスのテストは不能とする。
続くX=3の位置にあるデバイスはコンタクト禁止デバイスD3であり、次のデバイスの探策を行う。X=4の位置にあるデバイスは良品デバイスであり、プローブカード205の第1の測定サイト205aをコンタクトさせる。その場合、第2の測定サイト205bはX=5の位置にあるデバイス、第3の測定サイト205cはX=6の位置にあるデバイスにコンタクトすることとなる。いずれのデバイスも良品デバイスでD1あり、コンタクト位置は適切である。X=4から6の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
続くX=7の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であり、同様にX=7から9の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。以下、同様に、X=10から12の位置にあるデバイス、X=13から15の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
6行目(Y6)の位置にあるデバイスに対するコンタクト位置の決定においては、コンタクト禁止デバイスD3の存在により良品デバイスD1であるにも関わらずコンタクト不能によりテスト実施不可能なデバイスが存在してしまう。これは、不可避な状況でありこれを甘受してコンタクト位置の決定を行う。
以上の操作によりウエハW上に形成されたコンタクト禁止デバイスD3を含むデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置が定められる。
なお、デバイス非形成領域PAへのプローブカード205のコンタクトを許容する場合、6行目(Y6)のX=2の位置にあるデバイスに対するコンタクト位置は第3の測定サイト205cをX=2の位置にあるデバイスにコンタクトさせる位置となる。この場合、第1の測定サイト205aと第2の測定サイト205bはデバイス非形成領域PAにコンタクトすることとなる。
本実施形態では、マップ情報にテスト対象デバイス、テスト非対象デバイスおよびテスト禁止デバイスが含まれる例を説明したが、マップ情報にテスト非対象デバイスの情報を含んでいなくてもよい。
本実施形態では、ウエハごとのテスト禁止デバイスの位置情報を分析することで動的にコンタクトマップを生成する。これにより、ウエハごとにテスト禁止デバイスの位置が相違していてもテストが実施可能となる。なお、プローブカードのコンタクト位置を事前に定めておく場合はウエハごとに異なるテスト禁止デバイスが存在しているときはテストが不可能である。
また、本実施形態では、テスト非対象デバイスに加えてテスト禁止デバイスが存在するときでも、第1の実施形態と同様に、プローブカードのコンタクト数を低減することが可能であり、ウエハ当たりのテスト所要時間を低減することが可能となる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態におけるテスト装置について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と同様に、ウエハ上に形成されたデバイスにテスト対象デバイスとテスト非対象デバイスが含まれる場合に複数の測定サイトを有するプローブカードのコンタクト位置を最適化するものである。第3の実施形態では、さらに、プローブカードの複数の測定サイトのうち1つ以上の測定サイトが使用できない場合におけるプローブカードのコンタクト位置を最適化する例を説明する。
第3の実施形態におけるテスト装置の構成は、図5に示すテスト装置の構成と同様である。第3の実施形態におけるテスト装置の動作は、図6に示すテスト装置の動作と同様である。
次に、第3の実施形態におけるコンタクトマップの作製の動作について図7に示すフローチャートを用いて第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(マップ情報の読込み:ステップS11)
制御装置201は、第1の実施形態と同様に、デバイスDのマップ情報MPIを記憶装置203等から読み込む。マップ情報MPIの内容は第1の実施形態と同様である。
(プローブカード形態情報の読込み:ステップS12)
制御装置201は、第1の実施形態と同様に、プローブカードの形態情報PCIを記憶装置203等から読み込む。プローブカードの形態情報PCIには、第1の実施形態における情報に加えて、どの測定サイトが使用できないかの情報が含まれる。
(コンタクト位置の決定:ステップS13)
制御装置201はマップ情報MPIおよびプローブカードの形態情報PCIに基づいてプローブカードのデバイスに対する最適なコンタクト位置を決定する。コンタクト位置の決定に際しては、下記の制約条件等に基づきウエハW上に形成されたデバイスのうち、全てのテスト対象デバイスに対するテストが実施できる最小のコンタクト数となるコンタクト位置を最適なコンタクト位置としている。なお、下記の制約条件は事前に定められる。
(1)テスト非対象デバイスに可能な限りプローブカード205がコンタクトしないようにすること
(2)プローブカード205の測定サイト205a~205cのうち使用不可の測定サイトではテストが不可能なことを前提に全てのテスト対象デバイスに有効な測定サイトが必ずコンタクトするようにすること
(3)デバイス非形成領域PAへのプローブカード205のコンタクトを禁止すること、またはデバイス非形成領域PAへのコンタクトを許容すること、のいずれかであること
制御装置201は、コンタクト位置を決定すると、次にコンタクト順序を決定しコンタクトマップCMPを生成するが、以降の動作は第1の実施形態のステップS14,S15の動作と同様である。
次に、第3の実施形態における実施例について説明する。第3の実施形態の実施例の前提状況について図2および図8を用いて説明する。
図8に示すように、ウエハW上に良品デバイスD1および不良デバイスD2が形成されている。上述したように、白抜きのデバイスは良品デバイスD1であり、テスト対象デバイスである。灰色で示しているデバイスは不良デバイスD2であり、テスト非対象デバイスである。
プローブカード205は第1の実施形態の実施例で用いるものと同様であり、図2に示す第1の形態のプローブカードである。そのうち第2の測定サイト205bが故障により、または理由は不明だがテスト歩留まりが悪く、測定に用いるのは不適切であるものとする。ここで、テスト歩留まりとはテストで良品判定となる割合である。また、本実施例においても、第1の実施形態の実施例と同様、プローブカード205のデバイス非形成領域PAへのコンタクトは禁止とする。
本実施例におけるコンタクト位置を決定する方法について図22から27を用いて説明する。図22から27は第3の実施形態の実施例におけるコンタクト位置を決定する方法を説明する図である。
図22から26は図8に示すデバイスをウエハ上方から各行ごとに切り出したものである。各デバイスに記載されている数値は、該デバイスの位置をX軸上での値で示している。図22から26では太い黒線の矩形がプローブカード205の各行ごとのコンタクト位置CP1~CP6を示している。コンタクト位置CP1~CP6の内部に記載された数値はプローブカード205の測定サイト205a~205cを識別する番号を表している。「1」は第1の測定サイト205a、「2」は第2の測定サイト205b、「3」は第3の測定サイト205cを表す。
本実施例では、原則として、不良デバイスD2とコンタクト位置決定済みのデバイスを除いて、一番左側にある良品デバイスD1に対して一番左側にある測定可能な測定サイトとしての第1の測定サイト205aをコンタクトさせるようにコンタクト位置を決定する。その結果、不良デバイスD2にコンタクトすることがあるが、それを許容する。ただし、右側にある測定可能な測定サイトとしての測定サイト205b,205cがデバイス非形成領域PAに位置する場合は、一番右側にある測定可能な測定サイトとしての第3の測定サイト205cがデバイスの形成されている領域まで戻してコンタクト位置を決定する。その結果、不良デバイスD2またはコンタクト位置決定済みのデバイスにコンタクトすることがあるが、それを許容する。
制御装置201は、図22に示す1行目(Y1)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を探索する。左側から各デバイスを探索していくと、X=7の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるので除外する。次のX=8の位置にあるデバイスは良品デバイスであるため、プローブカード205の第1の測定サイト205aを該デバイスにコンタクトさせる。このコンタクトにより第2の測定サイト205bはX=9の位置にあるデバイスに、第3の測定サイト205cはX=10の位置にあるデバイスにコンタクトする。しかし、第2の測定サイト205bは使用不可なため使用することはできず、X=9の位置にあるデバイスのテストは実施せず、X=8の位置にあるデバイスとX=10の位置にあるデバイスのみがテスト実施可能となる。これによりプローブカード205の1つ目のコンタクト位置CP1をX=8から10の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。
続くX=9の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるため、該デバイスにプローブカード205の第1の測定サイト205aをコンタクトさせる。しかし、そうすることで第3の測定サイト205cがデバイス非形成領域PAに位置するため、コンタクト位置としては不適切である。そのため、コンタクト位置を左方向に2つ戻し、第3の測定サイト205cがX=9の位置にあるデバイスにコンタクトするようにコンタクト位置を定める。この場合、第1の測定サイト205aはX=7の位置にあるデバイスコンタクトするためコンタクト位置として適切であり、X=7から9の位置にあるデバイスは2つ目のコンタクト位置CP2とする。以上の1つ目のコンタクト位置CP1と2つ目のコンタクト位置CP2で1行目(Y1)のコンタクト位置は全て決定される。
次に、制御装置201は、図23に示す2行目(Y2)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を探索する。左側から各デバイスを探索していくと、X=5の位置にあるデバイスは良品デバイスであり、このデバイスにプローブカードの第1の測定サイト205aをコンタクトさせる。これにより、第2の測定サイト205bはX=6の位置にあるデバイスに、第3の測定サイト205cはX=7の位置にあるデバイスにコンタクトすることとなり、X=5から7の位置にあるデバイスを1つ目のコンタクト位置CP1とする。ただし、X=6の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるが、使用不可な第2の測定サイト205bにコンタクトされるため依然としてコンタクト位置が未決定のままである。そこで、X=6の位置にあるデバイスに第1の測定サイト205aをコンタクトさせるものとする。これにより、X=6から8の位置にあるデバイスを2つ目のコンタクト位置CP2とする。
続くX=9の位置にあるデバイスにプローブカードの第1の測定サイト205aをコンタクトさせるようにすると、X=10、11の位置にあるデバイスがコンタクトされるので、X=9から11の位置にあるデバイスを3つ目のコンタクト位置CP3とする。ただし、X=10の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるがコンタクト位置が未決定として残るので、最後にX=10から12の位置にあるデバイスを4つ目のコンタクト位置CP4として2行目の良品デバイスのテストができるコンタクト位置が決定する。
次に、制御装置201は、図24に示す3行目(Y3)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を探索する。左側から各デバイスを探索していくと、X=3の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるので除外する。次のX=4の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるので、X=4から6の位置にあるデバイスを最初のコンタクト位置CP1とする。そうすると、X=5の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるがコンタクト位置が未決定として残るので、X=5から7の位置にあるデバイスを2つ目のコンタクト位置CP2とする。
続く、X=8の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるので、X=8から10の位置にあるデバイスを3つ目のコンタクト位置CP3とする。そうすると、X=9の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるがコンタクト位置が未決定として残るので、さらにX=9から11の位置にあるデバイスを4つ目のコンタクト位置CP4とする。
続く、X=12の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるので、X=12から14の位置にあるデバイスを5つ目のコンタクト位置CP5とする。そうすると、X=13の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるがコンタクト位置が未決定として残る。X=13の位置にあるデバイスを第1の測定サイト205aにコンタクトさせようとすると、第3の測定サイト205cがデバイス非形成領域PAとなる。このため、コンタクト位置を左方向に2つ戻し、第3の測定サイト205cがコンタクトするようにする。X=11から13の位置にあるデバイスを6つ目のコンタクト位置CP6とする。これにより3行目(Y3)の位置にある全ての良品デバイステストが実施可能となる。
次に、制御装置201は、図25に示す4行目(Y4)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を探索する。左側から各デバイスを探索していくと、X=3の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるので、X=3から5の位置にあるデバイスを1つ目のコンタクト位置CP1とする。そうすると、X=4の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるがコンタクト位置が未決定として残るので、X=4から6の位置にあるデバイスを2つ目のコンタクト位置CP2とする。
続く、X=7の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるので、X=7から9の位置にあるデバイスを3つ目のコンタクト位置CP3とする。なお、使用不可の第2の測定サイト205bはX=8の位置にあるデバイスにコンタクトするが、X=8の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるのでコンタクト位置が未決定のデバイスは残らない。
続く、X=10の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるので、X=10から12の位置にあるデバイスを4つ目のコンタクト位置CP4とする。そうすると、X=11の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるがコンタクト位置が未決定として残るので、さらにX=11から13の位置にあるデバイス5つ目のコンタクト位置CP2とする。
続く、X=14の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるので、X=14の位置にあるデバイスを第1の測定サイト205aにコンタクトさせる。そうすると、第2の測定サイト205bおよび第3の測定サイト205cがデバイス非形成領域PAとなる。このため、コンタクト位置を左に2つ戻し、第3の測定サイト205cがX=14の位置にあるデバイスにコンタクトするようにする。X=12から14の位置にあるデバイスを6つ目のコンタクト位置CP6とする。以上の操作により4行目(Y4)のデバイスのコンタクト位置の決定が完了する。これにより、4行目(Y4)の位置にある全ての良品デバイステストが実施可能となる。
次に、制御装置201は、図26に示す5行目(Y5)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を探索する。上述した方法と同様に左側から各デバイスを探索していき、X=3から5、X=4から6、X=7から9、X=8から10、X=11から13、およびX=12から14の位置にあるデバイスを1つ目から6つ目のコンタクト位置CP1~CP6とする。これにより、5行目(Y5)の位置にある全ての良品デバイスに対するテストが実施可能となる。
制御装置201は、上述の方法と同様に6行目から16行目までのデバイスに対するコンタクト位置を決定する。最終的に決定したコンタクト位置を図27に示す。図27での黒い太線の矩形領域がコンタクト位置である。コンタクト位置を明瞭にするため、各コンタクト位置において第2の測定サイトの位置を黒丸印で記載している。なお、本実施例では、第2の測定サイト205bが測定に用いるのは不適切である例について説明したが、第1の測定サイト205aまたは第3の測定サイト205cが測定に用いるのが不適切である場合も同様にコンタクト位置を決定することが可能である。
本実施形態では、第1の実施形態と同様にテスト非対象デバイスにプローブカードがなるべくコンタクトしないようにコンタクト位置を定める。それに加えてプローブカードの使用不可能な測定サイトがテストに使用できないことを前提に有効な測定サイトのみで全てのテスト対象デバイスにコンタクトできるようにプローブカードのコンタクト位置を枚葉ごとに定める。これにより、プローブカードの測定サイトに不具合があった場合でも、ウエハ上のデバイスに対するプローブカードのコンタクト数を最小化でき、ウエハ当たりのテスト所要時間を低減化することが可能である。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態におけるテスト装置について説明する。第4の実施形態におけるテスト装置の構成は、図5に示すテスト装置の構成と同様である。また、第4の実施形態におけるテスト装置の動作は、図6に示すテスト装置の動作と同様である。
次に、第4の実施形態におけるコンタクトマップの作製の動作について図7に示すフローチャートを用いて第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(マップ情報の読込み:ステップS11)
制御装置201は、第1の実施形態と同様に、ウエハW上に形成されたデバイスDのマップ情報MPIを記憶装置203等から読み込む。マップ情報MPIには各デバイスの位置情報と、各デバイスの固有情報としてのテスト対象デバイス、テスト非対象デバイス、および前回のテストにおいて使用されたプローブカードの測定サイト情報が含まれる。
(プローブカード形態情報の読込み:ステップS12)
制御装置201は、実施形態と同様に、プローブカード205の形態情報PCIを記憶装置203等から読み込む。
(コンタクト位置の決定:ステップS13)
制御装置201は、マップ情報MPIおよびプローブカードの形態情報PCIに基づいて、ウエハ上のデバイスに対するプローブカードの最適なコンタクト位置を決定する。コンタクト位置の決定にあたっては、下記の制約条件に従ってウエハ当たり最少のコンタクト数となるコンタクト位置が最適なコンタクト位置となる。
(1)それぞれのテスト対象デバイスにおいて、今回実施するテストで使用するプローブカードの測定サイトが、前回のテストで使用されたプローブカードの測定サイトとは異なること、または同じ測定サイトであること、または指定された測定サイトであること、のいずれかであること
(2)可能な限りウエハ上の全てのテスト対象デバイスにコンタクトすること
(3)デバイス非形成領域PAへのプローブカードのコンタクトを禁止すること、またはデバイス非形成領域PAへのコンタクトを許容すること、のいずれかであること
制御装置201は、コンタクト位置を決定すると、次にコンタクト順序を決定しコンタクトマップCMPを生成するが、以降の動作は第1の実施形態のステップS14,S15の動作と同様である。
次に、第4の実施形態における実施例について説明する。第4の実施形態の実施例における前提条件について図2および図28を説明する。図28は第4の実施形態の実施例におけるデバイスの形成状態を示す図である。
図28に示すように、ウエハW上に良品デバイスD1および不良デバイスD2が形成されている。白抜きのデバイスは良品デバイスD1であり、テスト対象デバイスである。灰色で示しているデバイスは不良デバイスD2であり、テスト非対象デバイスである。各デバイスの内部に記載されている数値は前回のテストにおいてコンタクトしてテストを実施したプローブカード205の測定サイト番号(MSN)を示している。測定サイト番号(MSN)の「1」は第1の測定サイト205a、「2」は第2の測定サイト205b、「3」は第3の測定サイト205cを表す。
本実施例では、図2に示す第1の形態のプローブカード205を使用する。ただし、前回のテストとは異なる測定サイトでテストを行うという制約条件を付与するものとする。その理由は例えばある測定サイトで測定したデバイスが不良判定となった場合、測定サイト間の微小な電気特性の差によりマージン性の不良となった可能性がある。そのため異なる電気特性を有すると期待される別の測定サイトで再度測定することでデバイスが正しく測定され良品判定となる可能性があるからである。また、本実施例においてもデバイス非形成領域PAへのプローブカード205のコンタクトは禁止するものとする。
この前提条件の下で可能な限り全ての良品デバイスD1に対してプローブカード205をコンタクトさせてテストを実施するコンタクト位置においてコンタクト数を最小とするコンタクト位置を決定する。
次に、コンタクト位置の決定方法を図29から図34を用いて説明する。図29から34は第4の実施形態の実施例におけるコンタクト位置を決定する方法を説明する図である。
図29から図33は図28に示すウエハ上のデバイスをウエハ上方から一行ごとに切り出したデバイスの形成状態を示す図である。各デバイスを示す矩形の中の数値は各デバイスを特定するために記した値であり、ウエハ上での位置に対するX軸上での値である。また、各デバイスの下部に記した数値は前回のテストにおいて該デバイスに対してプローブカードがコンタクトしたときの測定サイト番号(MSN)である。
本実施例では、原則として、不良デバイスD2とコンタクト位置決定済みのデバイスを除いて、一番左側にある良品デバイスD1に対して前回と異なる測定サイトをコンタクトさせるようにコンタクト位置を決定する。その際、複数のコンタクト位置が候補として選出された場合、同時にコンタクトしている他の測定サイトのうちテスト実施可能な測定サイト数が最多となるものを選択することとする。ここで、テスト実施可能な測定サイトとは、テスト対象デバイスにコンタクトし、かつ前回のテストにおいてコンタクトした測定サイトと異なる測定サイトである。ただし、いずれのコンタクト位置によってもデバイス非形成領域PAへのコンタクトが生じてしまう場合には該デバイスへのコンタクトは不可とし不良判定するものとする。
まず、制御装置201は、図29に示す1行目(Y1)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を決定する。左側から各デバイスを探索していくと、X=7の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるので除外する。次のX=8の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしている。そこで、今回のテストにおいては第2の測定サイト205b以外の測定サイトが該デバイスにコンタクトするようにコンタクト位置を定める。すなわち、第1の測定サイト205aがX=8の位置にあるデバイスにコンタクトするように、X=8から10の位置にあるデバイスを1つ目のコンタクト位置CP1とする。こうした場合、X=9の位置にあるデバイスに第2の測定サイト205bがコンタクトし、前回のテストで使用した第3の測定サイト205cと相違するため問題はない。しかし、X=10の位置にあるデバイスに第3の測定サイト205cがコンタクトし、前回のテストで使用した第3の測定サイト205cと同じ測定サイトになるので、該デバイスに対してはテストを実施しない。
次に、X=10の位置にあるデバイスは良品デバイスD1であるので該デバイスに対するコンタクト位置を定める。前回のテストでは第3の測定サイト205cを該デバイスにコンタクトさせため、今回は第1の測定サイト205aまたは第2の測定サイト205bを該デバイスにコンタクトさせる必要がある。しかし、第1の測定サイト205aまたは第2の測定サイト205bを該デバイスにコンタクトさせると、必然的に第3の測定サイト205cがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまうため制約条件に抵触し最適なコンタクト位置は決定できない。そのため、X=10の位置にあるデバイスはテスト不可として、コンタクト位置の決定を中止する。なお、制約条件において、デバイス非形成領域PAにコンタクトを許可する場合は、第1の測定サイト205aを該デバイスにコンタクトすることになる。
次に、制御装置201は、図29に示す2行目(Y2)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を決定する。左側から各デバイスを探索していくと、X=5の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトしているため、今回のテストにおいては第2の測定サイト205bまたは第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトする必要がある。しかし、そうした場合、デバイス非形成領域PAに第1の測定サイト205aがコンタクトしてしまうため、制約条件に抵触する。このためX=5の位置にあるデバイスに指定されたプローブカード205の測定サイトをコンタクトさせることは不可能であり該デバイスはテスト不可能となる。
続くX=6の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしていたため、今回テストにおいては第1の測定サイト205aまたは第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトするようにする。第3の測定サイト205cを該デバイスにコンタクトさせようとすると第1の測定サイト205aがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまうため、X=6から8の位置にあるデバイスを1つ目のコンタクト位置CP1とする。これにより、X=6の位置にあるデバイスは第1の測定サイト205aに、X=7の位置にあるデバイスは第2の測定サイト205bにコンタクトすることとなる。なお、X=8の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるが、第3の測定サイト205cにコンタクトする。
続くX=9の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトして用いるため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aまたは第3の測定サイト205cが該デバイスとコンタクトする必要がある。そこで、該デバイスを第1の測定サイト205aとコンタクトするようにX=9から11の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。これにより、X=10の位置にあるデバイスは前回のテストにおいては第3の測定サイト205cにコンタクトしたが今回のテストにおいては第2の測定サイト205bにコンタクトする。X=11の位置にあるデバイスは前回テストにおいては第2の測定サイト205bにコンタクトしたが、今回のテストにおいては第3の測定サイト205cにコンタクトする。X=9から11の位置は、前回のテストにおける測定サイトとは相違し、コンタクト位置として適切であるため、2つ目のコンタクト位置CP2とする。2行目(Y2)の位置にあるデバイスに対するプローブカードのコンタクト位置はこれにて決定する。
次に、制御装置201は、図30に示す3行目(Y3)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を決定する。左側から各デバイスを探索していくと、X=3の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるので除外する。次のX=4の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしているため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aまたは第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトする必要がある。第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトすると第1の測定サイト205aがデバイス非形成領域PAに出てしまう。そのため、第1の測定サイト205aを該デバイスにコンタクトさせるようX=4から6の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。こうすることで、X=4の位置にあるデバイスは前回のテストにおいては第2の測定サイト205bにコンタクトしていたが、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aにコンタクトすることとなる。X=5の位置にあるデバイスは前回のテストにおいて第3の測定サイト205cにコンタクトしていたが、今回のテストにおいては第2の測定サイト205bにコンタクトすることとなる。X=4から6の位置はコンタクト位置として適切であるため、1つ目のコンタクト位置CP1とする。
続くX=7の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしたため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aまたは第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトする必要がある。第1の測定サイト205aを該デバイスにコンタクトさせる方が未コンタクトの良品デバイスに対して新たにコンタクトできるため、X=7から9の位置にあるデバイスをコンタクト位置とする。そうすると、X=7の位置にあるデバイスには第1の測定サイト205aが、X=8の位置にあるデバイスには第2の測定サイト205bが、X=9の位置にあるデバイスには第3の測定サイト205cがコンタクトする。このコンタクト位置はいずれも前回のテストにおける測定サイトとは異なるため制約条件を満足する。よって、X=7から9の位置を2つ目のコンタクト位置CP2とする。
同様に3つ目のコンタクト位置CP3をX=10から12の位置にあるデバイスとする。そうすると、X=10の位置にあるデバイスに対しては第1の測定サイト205aが、X=11の位置にあるデバイスに対しては第2の測定サイト205bがX=12の位置にあるデバイスに対しては第3の測定サイト205cがコンタクトすることとなる。いずれのデバイス関して前回のテストにおける測定サイトとは異なる測定サイトがコンタクトするため、このコンタクト位置は適切である。
続くX=13の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしていた。そのため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aまたは第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトする必要がある。第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトするようにすると第3の測定サイト205cがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまうため、コンタクト位置として不適切である。そこで、第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトするようにコンタクト位置を決定する。そうすると、残りの第1の測定サイト205aおよび第2の測定サイト205bはX=11、12の位置にあるデバイスにコンタクトするためコンタクト位置として適切である。3行目のデバイスに対する4つ目のコンタクト位置CP4をX=11から13の位置にあるデバイスとする。
次に、制御装置201は、図31に示す4行目(Y4)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を決定する。左側から各デバイスを探索していくと、X=3の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトしたため、今回のテストにおいては第2の測定サイト205bまたは第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトする必要がある。いずれの場合でも第1の測定サイト205aがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまうためコンタクト位置としては不適であり、X=3の位置にあるデバイスにプローブカードをコンタクトさせることはできずテスト実施不可能となる。
続くX=4の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしたため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aまたは第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトする必要がある。しかし、第3の測定サイト205cを該デバイスにコンタクトさせると第1の測定サイト205aがデバイス非形成領域PAにコンタクトしてしまい不適である。そのため、第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトするようX=4から6の位置にあるデバイスを1つ目のコンタクト位置CP1とする。この場合いずれの測定サイトもデバイスにコンタクトし、コンタクト位置として適切である。さらにX=6の位置にあるデバイスは前回のテストにおいては第1の測定サイト205aにコンタクトしていたがであったのに対し,今回のテストにおいては第3の測定サイト205cにコンタクトすることとなる。
続くX=7の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしたため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトするようにする。すなわち、X=7から9の位置にあるデバイスを2つ目のコンタクト位置CP2とする。これにより、X=9の位置にあるデバイスも適切にコンタクトされることとなる。
続くX=10の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしたため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトするようにする。すなわち、X=10から12の位置にあるデバイスを3つ目のコンタクト位置CP3とする。これにより、X=11の位置にあるデバイスも適切にコンタクトされることとなる。
続くX=13の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしたため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aまたは第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトする必要がある。しかし、第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトする場合第3の測定サイト205cがデバイス非形成領域PAに出てしまうため不適切である。そこで、第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトするよう4つ目のコンタクト位置CP4をX=11から13の位置にあるデバイスとする。
続くX=14の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。しかし、該デバイスに対しては適切なコンタクト位置を定めることができず、該デバイスのテストは実施不可能となる。以上の操作により4行目のデバイスに対するプローブカードのコンタクト位置が決定できる。
次に、制御装置201は、図31に示す5行目(Y5)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を決定する。左側から各デバイスを探索していくと、X=2の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるので除外する。次のX=3の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしていたため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトするように1つ目のコンタクト位置CP1をX=3から5の位置にあるデバイスに定める。これにより、X=4、5の位置にあるデバイスも適切なコンタクトが得られる。
同様に、X=6から8およびX=9から10の位置にあるデバイスにそれぞれ2つ目のコンタクト位置CP2および3つ目のコンタクト位置CP3を定める。これにより、X=6から11の位置にある6つのデバイスに対するコンタクトが適切になされることとなる。
続くX=12の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトしていたため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトするようにコンタクト位置をX=12から14の位置にあるデバイスに定める。このコンタクト位置によってX=14の位置にあるデバイスは第3の測定サイト205cがコンタクトし、これは適切なコンタクトであるため4つ目のコンタクト位置が決定する。以上の操作5行目のデバイスに対するプローブカードのコンタクト位置の決定が終了する。
次に、制御装置201は、図33に示す6行目(Y6)の位置にあるデバイスに対するプローブカード205のコンタクト位置を決定する。左側から各デバイスを探索していくと、X=2の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。しかし、該デバイスに対しては適切なコンタクトを取ることが不可能であり、該デバイスのテストは不可である。続くX=3の位置にあるデバイスは不良デバイスD2であるので除外する。
続くX=4の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトしていたため、今回のテストにおいては1つのコンタクト位置CP1をX=4から6の位置にあるデバイスに定める。これによりX=4から6の3つのデバイスが前回のテストにおける測定サイトとは異なる測定サイトでテストされることとなり、適切なコンタクト位置となる。
同様に、2つ目のコンタクト位置CP2をX=7から9の位置にあるデバイス、3つ目のコンタクト位置CP3をX=10から12の位置にあるデバイスに定めると、いずれのデバイスに対しても適切なコンタクト位置となる。
続くX=13の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトしているため、今回のテストにおいては第1の測定サイト205aまたは第2の測定サイト205bが該デバイスにコンタクトする必要がある。第1の測定サイト205aが該デバイスにコンタクトするようにコンタクト位置をX=13から15の位置にあるデバイスに定める。そうすると、X=14の位置にあるデバイスには第2の測定サイト205bが、X=15の位置にあるデバイスには第3の測定サイト205cがコンタクトすることになる。このコンタクト位置は、前回のテストにおける測定サイトと一致してしまい不適切である。そこで、コンタクト位置をX=12から14の位置にあるデバイスとすることで、X=13の位置にあるデバイスには第2の測定サイト205bがコンタクトし、X=14の位置にあるデバイスには第3の測定サイト205cがコンタクトする。この場合いずれも適切なコンタクトであるためX=12から14の位置にあるデバイスを4つ目のコンタクト位置とする。
続くX=15の位置にあるデバイスは良品デバイスD1である。前回のテストにおいては第3の測定サイト205cが該デバイスにコンタクトしているため、今回テストにおいて該デバイスに対して第3の測定サイト205c以外の測定サイトをコンタクトすることは不可能である。そのため、該デバイスに対するコンタクト位置を決定することはできない。以上の操作により6行目の半導体デバイスに対するプローブカードのコンタクト位置が定められる。
制御装置201は、上述の方法と同様に7行目以降のデバイスに対するプローブカードのコンタクト位置を決定する。最終的に決定したプローブカードのコンタクト位置を図34に示す。図34での黒い太線の矩形領域がコンタクト位置である。コンタクト位置を明瞭にするため、各コンタクト位置において第2の測定サイトの位置を黒丸印で記載している。
本実施形態ではプローブカードの測定サイトを前回のテスト時の測定サイトと変更する。プローブカードの測定サイトに何らかの不具合や、特性の微小なずれが存在した場合、デバイスが微小な測定値の変動で不良判定されてしまうことがある。そのようなデバイスに対してプローブカードの測定サイトを交換してテストを再度実行することで一度不良判定されたデバイスを良品として救済できる可能性がある。これにより、デバイスを正しくテストすることができテスト品質を向上させることが可能である。
以上、本開示者によってなされた開示を実施形態に基づき具体的に説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、実施形態では、制御装置201によりコンタクトマップを生成する例を説明したが、ブローバ200内に別途設けた装置においてCPUがプログラムを実行することにより生成するようにしてもよい。
また、テスタ100内のCPUがプログラムを実行することによりコンタクトマップを生成してもよいし、テスタ100の上位装置のCPUがプログラムを実行することによりコンタクトマップを生成してもよい。
また、実施形態では、プローブカード205は3つの測定サイト205a~205c、あるいは6つの測定サイト205a~205fを有する例を説明したが、測定サイトは2つ、4つ、5つ、または7つ以上であってもよい。