JP7496039B2 - 固定部材、ミシン、及び縫製方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ミシンを用いてファスナー用エレメント部材を生地部材に縫い付ける縫製加工に用いられる固定部材、その固定部材を有するミシン、及び、ミシンを用いてファスナー用エレメント部材を生地部材に縫い付ける縫製方法に関する。
スライドファスナーは、一般的に、ファスナーテープのテープ側縁部にエレメント列が形成された左右一対のファスナーストリンガーと、左右のエレメント列に沿って摺動するスライダーとを有する。一般的なスライドファスナーでは、ファスナーテープが、スライドファスナーを構成するために必要不可欠な部材として用いられている。
一方、例えば国際公開第2018/142548号(特許文献1)には、ファスナーテープを用いることなくスライドファスナーが形成されているスライドファスナー付き製品が記載されている。
例えば図8に示すように、特許文献1に記載されているスライドファスナー付き製品(衣服)100は、ファスナー被着部材である衣服100の生地部材101に、エレメント部材102がミシンによる縫製加工で取り付けられることによって形成されている。
例えば図8に示すように、特許文献1に記載されているスライドファスナー付き製品(衣服)100は、ファスナー被着部材である衣服100の生地部材101に、エレメント部材102がミシンによる縫製加工で取り付けられることによって形成されている。
この場合、エレメント部材102において、複数のファスナーエレメント103は、射出成形によって、紐状の固定部材104に一定の間隔で形成されている。このようなエレメント部材102が生地部材101に直接縫い付けられることによって、エレメント列が形成される。また、その形成されるエレメント列に、図示しないスライダーが摺動可能に取り付けられる。これにより、特許文献1では、衣服の左右の生地部材101を開閉可能なスライドファスナーを、ファスナーテープを用いずに形成することが可能であるため、製品(衣服)の軽量化や柔軟性の向上を実現できる。
また、特開2019-72466号公報(特許文献2)には、上述のようなエレメント部材102を衣服の生地部材101に縫い付けるためのミシンが開示されている。例えば図9に示したように、特許文献2のミシン110は、エレメント部材102を搬送するための搬送機構として、エレメント部材102のファスナーエレメント103に噛み合う搬送ギア111と、搬送ギア111を駆動する図示しない搬送モーターと、エレメント部材102を案内する針板部(ファスナーガイド)112とを有する。また、特許文献2のミシン110には、生地部材101を搬送する送り機構として、図示しない送り歯が設けられている。このような特許文献2のミシン110を用いることにより、特許文献1に記載されているエレメント部材102を、衣服などの製品の生地部材101に直接縫い付けることが可能となる。
特許文献2に記載されているミシン110を用いて、特許文献1に記載されているエレメント部材102を生地部材101に縫い付ける場合、エレメント部材102を、ミシン110の搬送ギア111の回転によって間欠的に搬送する。それとともに、生地部材101を、ミシン110の針板部112とミシンフット113とで押さえながら、針板部112に対して出没する図示しない送り歯によって下流に向けて搬送する。このため、エレメント部材102と生地部材101とは、それぞれ別々に駆動する搬送機構(すなわち、ミシン110の搬送ギア111と送り歯)によってそれぞれ送られながら、ミシン針114によって縫い合わせられる。
この場合、エレメント部材102は、複数のファスナーエレメント103が固定部材104に固定されており、長さ方向への伸び縮みが生じ難い。一方、エレメント部材102が縫い付けられる生地部材(ファスナー被着部材)101は、その製品の特性や用途等に応じて様々な性質を備えている。例えば柔軟性や伸縮性等といった生地部材の性質は、製品(衣服)ごとに異なる。
このため、上述のようなミシン110を用いてエレメント部材102を生地部材101に縫い付ける縫製加工を行う場合、生地部材101の性質等によって、エレメント部材102の搬送と生地部材101の搬送とに差が生じることがある。その結果、エレメント部材102を縫い合わせた生地部材101に、波打ち状の形状、部分的に突っ張った形状、又は、パッカリングが生じた形状等が引き起こされることがある。また、縫製加工時に生地部材101が伸び縮みすることによって、生地部材101の縫製部分の長さに変化が生じることがあり、その結果、製品の品質にばらつきが生じることも考えられる。
また、エレメント部材と生地部材の縫製加工において、上述したような不具合が生じることを抑制するために、縫製加工時に作業者が生地部材を手で押さえながら下流側に慎重に案内する作業等を行うことがある。しかし、このような縫製加工で行う作業は繊細であり、また、経験も必要とされるため、作業者毎に製品の品質にばらつきが生じる可能性がある。作業者を育成するための時間及び費用も必要とされ、また、製造コストの増大を招く要因の1つであった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、作業者の能力や熟練度に依存することなく、ミシンを用いてエレメント部材を生地部材に容易に縫い付けることが可能な固定部材、ミシン、及び縫製方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される固定部材は、ファスナーエレメントが連結部材に取着されたファスナー用エレメント部材を、ミシンを用いて生地部材に縫い付ける縫製加工に用いられる固定部材であって、前記エレメント部材を保持するファスナー保持部と、前記生地部材を保持する生地保持部と、少なくとも前記ファスナー保持部を支持する支持部材とを有し、前記ファスナー保持部は、前記エレメント部材の一端部を保持する第1ファスナー保持部と、前記エレメント部材の他端部を保持する第2ファスナー保持部とを備え、前記生地保持部は、前記生地部材を、前記ファスナー保持部に保持された前記エレメント部材に前記生地部材の少なくとも一部が沿うように保持する構造を有することを特徴とする。
本発明の固定部材において、前記支持部材は、直線状に延びる長尺の形状を有し、前記第1ファスナー保持部及び前記第2ファスナー保持部の少なくとも1つは、前記支持部材に、前記支持部材の長さ方向に沿って移動可能に取り付けられていることが好ましい。
また、前記第1ファスナー保持部及び前記第2ファスナー保持部の少なくとも1つは、前記エレメント部材の一端部又は他端部に設けられる補助エレメントを引っ掛ける構造を有することが好ましい。
また、前記第1ファスナー保持部及び前記第2ファスナー保持部の少なくとも1つは、前記エレメント部材の一端部又は他端部に設けられる補助エレメントを引っ掛ける構造を有することが好ましい。
更に本発明において、前記生地保持部は、前記生地部材の前記エレメント部材が取り付けられるエレメント取付縁部の長さ方向における一端部又はその近傍を保持する第1生地保持部と、前記エレメント取付縁部の長さ方向における他端部又はその近傍を保持する第2生地保持部とを有することが好ましい。
この場合、前記第1生地保持部及び前記第2生地保持部の少なくとも1つは、前記生地部材を前記生地部材の厚さ方向で挟んで保持する構造を有することが好ましい。
また、前記第1ファスナー保持部及び前記第1生地保持部が一体的に設けられる第1保持ブロック部と、前記第2ファスナー保持部及び前記第2生地保持部が一体的に設けられる第2保持ブロック部とが、前記支持部材に支持されていることが好ましい。特に、前記第1保持ブロック部及び前記第2保持ブロック部の少なくとも1つは、前記支持部材に、前記支持部材の長さ方向に沿って移動可能に取り付けられており、且つ、前記支持部材に対して停止位置を保持する停止保持部を有することが好ましい。
また、前記第1ファスナー保持部及び前記第1生地保持部が一体的に設けられる第1保持ブロック部と、前記第2ファスナー保持部及び前記第2生地保持部が一体的に設けられる第2保持ブロック部とが、前記支持部材に支持されていることが好ましい。特に、前記第1保持ブロック部及び前記第2保持ブロック部の少なくとも1つは、前記支持部材に、前記支持部材の長さ方向に沿って移動可能に取り付けられており、且つ、前記支持部材に対して停止位置を保持する停止保持部を有することが好ましい。
次に、本発明により提供されるミシンは、上述した構成を有する前記固定部材と、前記固定部材に保持された前記エレメント部材の前記ファスナーエレメントに噛み合わせる少なくとも1つの搬送ギアと、前記搬送ギアを回転させる駆動部とを有することを特徴とする。
次に、本発明により提供される縫製方法は、ファスナーエレメントが連結部材に取着されたファスナー用エレメント部材を、ミシンを用いて生地部材に縫い付ける縫製方法において、前記エレメント部材の一端部を保持する第1ファスナー保持部と、前記エレメント部材の他端部を保持する第2ファスナー保持部とを備えたファスナー保持部と、前記生地部材を保持する生地保持部と、少なくとも前記ファスナー保持部を支持する支持部材とを有する固定部材を準備すること、前記固定部材の前記第1ファスナー保持部及び前記第2ファスナー保持部に前記エレメント部材の一端部及び他端部を保持して、前記エレメント部材を前記固定部材に直線状に保持すること、前記生地部材を、前記ファスナー保持部に保持された前記エレメント部材に前記生地部材の少なくとも一部が沿うように前記固定部材の前記生地保持部で保持すること、前記エレメント部材及び前記生地部材を保持した前記固定部材を前記ミシンにセットして、前記エレメント部材の前記ファスナーエレメントを前記ミシンの搬送ギアに噛み合わせること、及び、前記搬送ギアを回転させることにより前記固定部材を送りながら、前記固定部材に保持した前記エレメント部材及び前記生地部材を縫い合わせる縫製加工を行うことにより、前記エレメント部材を前記生地部材に縫い付けることを含むことを特徴とする。
本発明の固定部材、ミシン、及び縫製方法によれば、作業者の能力や熟練度に依存することなく、ミシンを用いてエレメント部材を生地部材に容易に縫い付けることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2は、本実施形態で用いる左右のエレメント部材をそれぞれ噛合させた状態と分離させた状態で模式的に示す平面図である。図3は、本実施形態で用いる固定部材の要部を、固定部材に保持される生地部材とともに模式的に示す平面図である。図4及び図5は、固定部材の第1保持ブロック部をそれぞれ模式的に示す斜視図及び背面図である。
なお、以下の説明において、前後方向は、エレメント部材を真っすぐに保持したときにエレメント部材の長さ方向に沿った方向又は連結部材に沿った方向である。左右方向は、一対のエレメント部材をファスナーエレメントの噛合頭部を向かい合わせて保持したときに一対のエレメント部材を互いに噛合及び分離させる方向に沿った方向である。この場合、一対のエレメント部材を互いに近付ける向きを左右方向の内側の向きとし、一対のエレメント部材を互いに離間させる向きを左右方向の外側の向きとする。また、左右方向は、エレメント部材の幅方向と言い換えることもできる。上下方向は、前後方向に直交するとともに左右方向に直交する方向である。上下方向は、エレメント部材又はファスナーエレメントの厚さ方向と言い換えることもできる。
また、ミシン及び縫製加工に関する説明において、前後方向は、ミシンによって、被縫製物であるエレメント部材及び生地部材を送る方向に沿った方向である。この場合、例えば被縫製物を送る向き(すなわち、図7の紙面における上方向)を前方とし、その反対の方向を後方とする。上下方向とは、ミシンにおける針板部の平坦な載置面に対して直交する方向である。この場合、針板部に対してミシン針が配される側の向き(すなわち、図7の紙面における手前側の方向)を上方向とし、その反対の方向を下方向とする。左右方向とは、被縫製物の送り方向に直交するとともに針板部の載置面に平行な方向である。例えば図7の紙面において、エレメント部材に対して第1搬送ギア及び第2搬送ギアが配される側の方向(すなわち、図7の紙面における右方向)を右方向とし、その反対の方向を左方向とする。
本実施形態で製造されるスライドファスナー付き製品は、スライドファスナー付き衣服である。このスライドファスナー付き衣服では、図1及び図2に示したエレメント部材10が、衣服における前身頃の左右の前立て部にそれぞれ直接縫い付けられることによってエレメント列11が形成される。更に、そのエレメント列11には、図示しないスライダーが取り付けられる。この場合、衣服の前立て部を構成する生地部材5(図3及び図7を参照)が、エレメント部材10を縫着させるファスナー被着部材である。この生地部材5の側縁部に、エレメント部材10を取着させるエレメント取付縁部が設けられる。
本実施形態のエレメント部材10は、左右一対の第1エレメント部材10a及び第2エレメント部材10bを有する。また、左側の第1エレメント部材10aと右側の第2エレメント部材10bとは、相互に噛み合わせること及び分離することが可能に形成されている。
左側の第1エレメント部材10aは、1本の紐状の連結部材12と、連結部材12に固着された複数の独立したファスナーエレメント13とを有する。また、連結部材12には、蝶棒部14と、蝶棒側案内部15と、第1止め部21と、第1仮エレメント22とが取着されている。この場合、第1エレメント部材10aには、連結部材12、複数のファスナーエレメント13、蝶棒部14、後述する蝶棒側案内エレメント15aを有する蝶棒側案内部15、第1止め部21、及び第1仮エレメント22が含まれており、例えば蝶棒側案内エレメント15a及び第1仮エレメント22は、第1エレメント部材10aの一部を形成している。
右側の第2エレメント部材10bは、1本の紐状の連結部材12と、連結部材12に固着された複数の独立したファスナーエレメント13とを有する。また、連結部材12には、箱棒部16と、箱棒側案内部17と、第2止め部23と、第2仮エレメント24とが取着されている。この場合、第2エレメント部材10bには、連結部材12、複数のファスナーエレメント13、箱棒部16、後述する箱棒側案内エレメント17aを有する箱棒側案内部17、第2止め部23、及び第2仮エレメント24が含まれており、例えば箱棒側案内エレメント17a及び第2仮エレメント24は、第2エレメント部材10bの一部を形成している。
なお本発明において、左右のエレメント部材10は、少なくとも紐状の連結部材12と、複数のファスナーエレメント13とを有しており、且つ、相互に噛み合わせること及び分離することが可能に形成されていれば、エレメント部材の形状及び構造等は特に限定されない。すなわち、エレメント部材は、上述した蝶棒部14、蝶棒側案内部15、第1止め部21、及び第1仮エレメント22の少なくとも1つを設けずに形成されていてもよく、又は、箱棒部16、箱棒側案内部17、第2止め部23、及び第2仮エレメント24の少なくとも1つを設けずに形成されていてもよい。
本実施例の第1エレメント部材10a及び第2エレメント部材10bにおいて、各連結部材12は、前後方向に長尺に形成されているとともに、可撓性を備えている。また、連結部材12は、長さ方向に直交する断面が略円形を呈する細長い部材により形成されている。連結部材12は、第1エレメント部材10a及び第2エレメント部材10bのそれぞれの長さ方向に関して、蝶棒側案内部15又は箱棒側案内部17よりも更に後方に延出し、また、第1仮エレメント22又は第2仮エレメント24よりも更に前方に延出して配されている。
連結部材12としては、例えばモノフィラメント、撚糸(撚紐)、又は、ニットコードと言われる紐体などを用いることが可能である。この場合、ニットコードは、引き揃えられた複数本のマルチフィラメントからなる芯糸を、複数の編糸で編成される袋織部で包み込むことにより形成される。第1エレメント部材10a及び第2エレメント部材10bでは、それぞれ、複数のファスナーエレメント13が、連結部材12によって一定の間隔で連結されている。
各ファスナーエレメント13は、例えば、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂を1本の連結部材12に射出成形することにより、連結部材12と一体的に形成されている。各ファスナーエレメント13は、長さ方向に隣接するファスナーエレメント13に対して独立した形態で形成されている。各ファスナーエレメント13は、連結部材12の一部の外周面全体を覆って形成されている。
第1エレメント部材10aに設けられる蝶棒部14、蝶棒側案内部15、第1止め部21、及び第1仮エレメント22と、第2エレメント部材10bに設けられる箱棒部16、箱棒側案内部17、第2止め部23、及び第2仮エレメント24とは、それぞれ合成樹脂により形成されており、また、ファスナーエレメント13と同じ合成樹脂により形成されていることが好ましい。
各ファスナーエレメント13は、連結部材12に固定されるエレメント胴部13aと、エレメント胴部13aから幅方向に延出するとともに括れた形状を有するエレメント首部13bと、エレメント首部13bから更に幅方向に延出するとともに平面視にて略長円形を呈する噛合頭部13cと、エレメント首部13bから前方及び後方に突出する前後一対の肩部13dとを有する。
長さ方向に隣接するファスナーエレメント13のエレメント胴部13a間には間隙が形成されており、それぞれの間隙では、連結部材12が外部に露呈している。第1エレメント部材10a及び第2エレメント部材10bは、後述するミシンによる縫製加工が行われることにより、各間隙に露呈する連結部材12が、縫製加工で形成される縫製糸の縫製部で保持されることによって生地部材5に固定される。
長さ方向に隣接するファスナーエレメント13の噛合頭部13c間には、後述するように第1エレメント部材10a又は第2エレメント部材10bを生地部材5に縫い付ける縫製加工を行うときに、例えばミシンに設置された第1搬送ギア46の歯と第2搬送ギア47の歯とを挿入可能な間隙25が形成されている。
第1エレメント部材10aの蝶棒部14は、スライドファスナーの開離嵌挿具を形成する部分である。この蝶棒部14は、第1エレメント部材10aのエレメント列11の後端部に隣接して配されている。この蝶棒部14と、エレメント列11の最も後方側に配されるファスナーエレメント13との間には、ファスナーエレメント13の噛合頭部13c間に形成される上述した間隙25と同様の間隙25が形成されている。また、蝶棒部14は、連結部材12に固着される蝶棒本体部14aと、蝶棒本体部14aから幅方向の外側に向けて延出する蝶棒ヒレ部14bとを有する。また蝶棒ヒレ部14bには、蝶棒ヒレ部14bを上下方向に貫通する3つの孔部14cが設けられている。これらの孔部14cには、第1エレメント部材10aを生地部材5に縫い付ける縫製加工においてミシン針が刺し通されて、縫製糸の縫製部が形成される。
第1エレメント部材10aの蝶棒側案内部15は、蝶棒部14の後端部に隣接する位置に連結部材12に取着されて設けられている。蝶棒側案内部15は、互いに離間して形成される4つの蝶棒側案内エレメント15aを有する。4つの蝶棒側案内エレメント15aは、前後方向において、複数のファスナーエレメント13の形成ピッチと同じ形成ピッチで連結部材12に取着されている。このため、5つの蝶棒側案内エレメント15aのそれぞれの間には、例えばミシンの第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47の歯を挿入可能な間隙25が形成されている。このような蝶棒側案内部15が第1エレメント部材10aに設けられていることにより、ミシンによる縫製加工において、第1エレメント部材10aをミシンの第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47で安定して搬送できる。また、蝶棒側案内エレメント15aの1つは、第1エレメント部材10aを後述する固定部材50に保持するときに、その固定部材50の第2ファスナー保持部73に引っ掛けられる部分となる(図6を参照)。なお本発明において、蝶棒側案内エレメント15aの形状及び大きさは限定されない。
第1エレメント部材10aの第1止め部21は、第1エレメント部材10aのエレメント列11の前端部に隣接して設けられている。この第1止め部21とエレメント列11の前端部との間にも上述した間隙25と同様の間隙25が形成されている。
第1エレメント部材10aの第1仮エレメント22は、固定部材50の第1ファスナー保持部63に引っ掛けられる部分であり、第1止め部21から前方に離れた位置で連結部材12に取着されている。この場合、第1仮エレメント22と第1止め部21との間の前後方向における間隔は、前後方向に隣接するファスナーエレメント13間の前後方向における間隔よりも大きい。第1仮エレメント22は、第1エレメント部材10a及び生地部材5に縫製加工を行うときに、後述する固定部材50の第1ファスナー保持部63に引っ掛けて保持される。第1仮エレメント22は、連結部材12を内側に包み込んで形成される仮エレメント本体部22aと、仮エレメント本体部22aから左右方向の外側に突出する突片部22bと有する。
本実施例において、第1エレメント部材10aの蝶棒側案内部15と第1仮エレメント22とは、第1エレメント部材10aの一部を形成している。蝶棒側案内部15及び第1仮エレメント22は、後述する縫製加工で縫製を行い易くするために第1エレメント部材10aに設けられる補助的な部材である。このような蝶棒側案内部15を形成する蝶棒側案内エレメント15aと、第1仮エレメント22とは、縫製加工を補助する補助エレメントと言うこともできる。蝶棒側案内部15は、縫製加工後に、第1エレメント部材10aの連結部材12が蝶棒部14と蝶棒側案内部15の間で切断されることによって第1エレメント部材10aから除去される。第1仮エレメント22は、縫製加工後に、第1エレメント部材10aの連結部材12が第1止め部21と第1仮エレメント22の間で切断されることによって第1エレメント部材10aから除去される。従って、第1エレメント部材10aを用いて製造される衣服等の製品には、4つの蝶棒側案内エレメント15aを有する蝶棒側案内部15と、第1仮エレメント22とが含まれなくなる。このため、補助エレメントは、縫製加工後にエレメント部材から排除される部分と規定することもできる。
第2エレメント部材10bの箱棒部16は、蝶棒部14とともにスライドファスナーの開離嵌挿具を形成する部分である。この箱棒部16は、第2エレメント部材10bのエレメント列11の後端部に隣接して配されている。箱棒部16と、エレメント列11の最も後方側に配されるファスナーエレメント13との間には、間隙25が形成されている。また、箱棒部16は、連結部材12に固着される箱棒本体部16aと、箱棒本体部16aから幅方向の外側に向けて延出する箱棒ヒレ部16bとを有する。また箱棒ヒレ部16bには、蝶棒ヒレ部14bと同様に、3つの孔部16cが設けられている。
第2エレメント部材10bの箱棒側案内部17は、箱棒部16の後端部に隣接する位置に連結部材12に取着されて設けられている。箱棒側案内部17は、互いに離間して形成される3つの箱棒側案内エレメント17aを有する。それぞれの箱棒側案内エレメント17aの間には、間隙25が形成されている。また、箱棒部16に隣接して配される大きな箱棒側案内エレメント17aの内側縁部には、凹部が設けられている。このような箱棒側案内部17が第2エレメント部材10bに設けられていることにより、第2エレメント部材10bを生地部材5に縫い付ける縫製加工において、第2エレメント部材10bをミシンの第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47で安定して搬送できる。また、箱棒側案内エレメント17aの1つは、第2エレメント部材10bを後述する固定部材50に保持するときに、その固定部材50の第1ファスナー保持部63に引っ掛けられる部分となる。
第2エレメント部材10bの第2止め部23は、第2エレメント部材10bのエレメント列11の前端部に隣接して設けられている。また、第2止め部23は、固定部材50に固着する第2止め本体部23aと、第2止め本体部23aの上面から上方に突出する上側突起部23bとを有する。
第2エレメント部材10bの第2仮エレメント24は、固定部材50の第2ファスナー保持部73に引っ掛けられる部分であり、第2止め部23から前方に離れた位置で連結部材12に取着されている。この第2仮エレメント24は、第2エレメント部材10b及び生地部材5に縫製加工を行うときに、固定部材50の第2ファスナー保持部73に引っ掛けて保持される。なお本発明において、第1仮エレメント22及び第2仮エレメント24の形状及び大きさ等は特に限定されない。
本実施例において、第2エレメント部材10bの箱棒側案内部17と第2仮エレメント24とは、第2エレメント部材10bの一部を形成しており、また、第1エレメント部材10aの蝶棒側案内部15及び第1仮エレメント22と同様に、縫製加工で縫製を行い易くするために設けられる補助的な部材である。箱棒側案内部17を形成する箱棒側案内エレメント17aと、第2仮エレメント24とは、補助エレメントとして形成されている。このため、箱棒側案内部17及び第2仮エレメント24は、縫製加工後に、第2エレメント部材10bから除去されるため、第2エレメント部材10bを用いて製造される衣服等の製品には含まれなくなる。
上述した第1エレメント部材10a又は第2エレメント部材10bと生地部材5とは、ミシンによる縫製加工が施されることによって縫い合わせられる。縫製加工で用いられるミシンは特に限定されないが、例えば、ミシン針を、ミシンの送り方向に対して交差する交差方向に揺動させながらジグザグ状に縫うことが可能なミシンを使用することができる。ジグザグ状に縫製可能なミシンには、千鳥縫いを行うことが可能なミシン等が含まれる。なお、エレメント部材10と生地部材5を縫い合わせる方法又は手段は、千鳥縫いに限られるものではなく、サージング縫い等によって縫い合わせられてもよい。
より具体的に説明すると、本実施形態のミシンは、図7に示されているように実際に縫製を行うミシン本体部40と、ミシン本体部40にセットされる図3に示した固定部材50とを有する。固定部材50は、第1エレメント部材10a又は第2エレメント部材10bと生地部材5を保持して固定可能に形成されている。
図7に示したように、ミシン本体部40には、針板部42を備えるミシンヘッド部41と、ミシンヘッド部41にセットされた固定部材50に噛み合って回転することにより固定部材50を搬送する搬送部(送り機構)とが設けられている。ミシンヘッド部41には、図示しないミシン針、ミシンフット、及び送り歯が設けられている。
この場合、ミシン針は、図示しない針駆動機構によって針板部42に対して昇降可能(上下動可能)に設けられているとともに、図示しない針振り機構によって上述した交差方向に移動可能に設けられている。本実施形態のミシンにおいて、ミシン針、針駆動機構及び針振り機構は、従来のジグザグ状に縫うことが可能なミシンと実質的に同様に形成されている。図示しないミシンフットは、固定部材50に保持したエレメント部材10及び生地部材5の少なくとも一方を押さえることが可能に設けられている。なお本実施形態のミシンはミシンフットを有するが、ミシンフットを備えずに形成されていてもよい。
ミシンヘッド部41の針板部42は、エレメント部材10及び生地部材5を保持した固定部材50を載置する平坦な上面と、固定部材50の後述する位置決め段差部52に係合するとともに搬送される固定部材50をガイドする図示しないガイド突起部とを有する。ガイド突起部は、針板部42の平坦な上面よりも上側に突出して形成されているとともに、前後方向に沿って直線状に設けられている。針板部42には、ミシン針を挿通させるための図示しないスリット状の針孔が、左右方向に沿って設けられている。針板部42の下側には、ボビンを格納する釜機構が設けられている。図示しない送り歯は、ミシン針の動きに合わせて、針板部42に対して上下に往復するとともに、送り方向に沿って前後に往復することが可能に設けられている。
エレメント部材10及び生地部材5を保持した固定部材50を搬送する搬送部は、上述したミシンフット及びミシン針の位置から離れて配されている。この搬送部は、図7に示したように、回転可能に設けられる第1搬送ギア46と、第1搬送ギア46の前方(下流側)に回転可能に設けられる第2搬送ギア47と、第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47を回転させる図示しない回転駆動部とを有する。
第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47は、複数の歯が外周部に設けられた平歯車であり、また、針板部42の上面と平行に、且つ回転可能に支持されている。第1搬送ギア46の歯と、第2搬送ギア47の歯とは、それぞれ、固定部材50に保持されたエレメント部材10のファスナーエレメント13と噛み合わせることが可能に設けられている。
このような第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47が、固定部材50に保持されたエレメント部材10と噛み合いながらミシンの送り歯と同調して回転することにより、エレメント部材10及び生地部材5を保持した固定部材50を前後方向に沿って移動させることができる。なお本実施形態のミシンでは、固定部材50を搬送する目的のために、上述した送り歯を設けずに、第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47の回転のみで固定部材50を搬送してもよい。また本実施形態では、固定部材50を搬送するギアとして、第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47の2つのギアが設けられているが、例えば1つの搬送ギアのみを設けて固定部材50を搬送してもよい。
搬送部の図示しない回転駆動部は、第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47に回転動作を付与する搬送モーターと、搬送モーターの回転力を第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47に伝える伝達機構とを有する。本発明において、回転駆動部の構造は、第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47をそれぞれ回転させるとともに、それらの回転速度を制御可能であれば特に限定されない。
上述のようなミシン本体部40にセットされる本実施形態の固定部材50は、図3~図5に示すように、前後方向に長尺の支持部材51と、支持部材51に取り付けられる前側の第1保持ブロック部60及び後側の第2保持ブロック部70とを有する。
支持部材51は、1つの方向(前後方向)に沿って直線状に延びる剛性の高い長尺部材である。支持部材51は、図5に示したような支持部材51の長さ方向(前後方向)に直交する断面が一定の形状を呈するように形成されている。支持部材51の下面には、ミシン本体部40の針板部42に設けた図示しないガイド突起部と係合する位置決め段差部52が設けられている。
第1保持ブロック部60及び第2保持ブロック部70は、支持部材51に対して、前後方向に沿って移動可能に取り付けられている。また、第1保持ブロック部60及び第2保持ブロック部70は、前後方向へ移動させた後に停止させた際に、後述する停止保持部によって、その停止位置で動かないように保持することが可能に形成されている。なお本発明の固定部材50は、例えば第1保持ブロック部60及び第2保持ブロック部70の一方が、支持部材51に対して移動できないように固定されていてもよい。また、例えば同じ種類のスライドファスナー付き製品を大量生産する場合等では、第1保持ブロック部60及び第2保持ブロック部70の両方が、支持部材51に対して移動できないように固定されていてもよい。
本実施形態の第1保持ブロック部60と第2保持ブロック部70とは、互いに前後方向に対称的な形状で形成されている。このため、本実施形態では、第1保持ブロック部60についての説明を主に行うこととし、第2保持ブロック部70に関しては、第1保持ブロック部60と前後方向に対称的に形成されている部分又は部位を、第1保持ブロック部60に用いられる符号に対応した符号で表すことによって、その詳しい説明を省略する。
本実施形態の第1保持ブロック部60は、支持部材51に接続する第1接続部61と、第1接続部61に一体的に形成される第1生地保持部62と、第1生地保持部62から前後方向に沿って延びる第1ファスナー保持部63とを有する。
第1接続部61は、左右方向に沿って支持部材51を横断するように設けられる接続部本体部64と、接続部本体部64に対して左右方向に移動可能に配される押圧部65と、押圧部65を支持部材51に向けて付勢する図示しない付勢部材と、押圧部65の先端部から上側に延びる第1摘まみ部66と、接続部本体部64に一体的に設けられる第2摘まみ部67とを有する。
接続部本体部64は、支持部材51の左右側方に配される左右の柱部64aと、左右の柱部64aの上端部に連結するとともに支持部材51を左右方向に沿って上側から覆うカバー部64bとを備えている。この接続部本体部64は、左右の柱部64a間に支持部材51が挿通可能なように、前後方向に直交する断面が略U字状を呈する形状を有する。また、接続部本体部64は、左右の柱部64a間の左右方向における間隔を、支持部材51の左右方向における寸法よりも大きくして形成されている。
押圧部65は、押圧部65の一部が接続部本体部64の左側の柱部64aに設けた貫通孔64cに挿通された状態で配されおり、それによって、接続部本体部64に左右方向に移動可能に保持されている。また、押圧部65は、図示しない付勢部材によって、接続部本体部64の右側の柱部64aに向けて付勢されている。
第1保持ブロック部60では、接続部本体部64の右側の柱部64a、押圧部65、及び付勢部材によって、第1保持ブロック部60を支持部材51に対して停止させたときにその停止位置で動かないように保持する停止保持部が形成される。すなわち、この第1保持ブロック部60では、図4及び図5に示すように、押圧部65と接続部本体部64の右側の柱部64aとの間に支持部材51が挿入された状態で、押圧部65が図示しない付勢部材の付勢力によって支持部材51を押圧することによって、支持部材51が押圧部65と接続部本体部64の右側の柱部64aとで挟持され、それによって、第1保持ブロック部60を支持部材51に対して動かないように保持できる。
押圧部65には、第1摘まみ部66が一体的に形成されているとともに、その第1摘まみ部66が、カバー部64bに設けた開口部64dを介して、カバー部64bの上側に突出している。カバー部64bには、上側に突出する第2摘まみ部67が一体的に形成されている。
上述のような第1摘まみ部66及び第2摘まみ部67を有する第1保持ブロック部60を、支持部材51に対して前後方向に移動させる場合には、第1摘まみ部66及び第2摘まみ部67を指で挟んで、第1摘まみ部66を、付勢部材の付勢力に抗して第2摘まみ部67に近付ける方向に動かす。これによって、押圧部65が支持部材51から離れて停止保持部による第1保持ブロック部60の保持状態が解除されるため、第1保持ブロック部60を支持部材51に対して前後方向に円滑に移動させることが可能となる。
また、第1保持ブロック部60を支持部材51に対して所要の位置まで移動させた後は、第1摘まみ部66及び第2摘まみ部67から指を離すことにより、上述した停止保持部を自動的に機能させて、第1保持ブロック部60を停止位置で動かないように保持できる。なお本発明において、第1保持ブロック部60の停止保持部の形態はこれに限定されない。例えば第1接続部61の左側の柱部64aにボルト又はねじを螺合させて保持し、そのボルト又はねじの先端部と接続部本体部64の右側の柱部64aとによって支持部材51を左右方向から挟持することによって、第1保持ブロック部60を停止位置で動かないように保持することも可能である。
第1保持ブロック部60の第1生地保持部62は、第1接続部61から延びる生地載置部62aと、生地載置部62aに対して上下に移動可能な押さえ部62bと、押さえ部62bの上端部に設けられる操作部62cと、押さえ部62bを支持する略L字状のフレーム部62dとを有する。
生地載置部62aは、第1接続部61から左右方向に沿って平板状に形成されている。生地載置部62aの上面は、生地部材を載置する載置面として、上下方向に直交する平坦面に形成されている。
押さえ部62bは、フレーム部62dに回転可能に保持される円柱状の押さえ軸部62eと、押さえ軸部62eの下端部に一体的に設けられる押さえプレート部62fとを有する。押さえプレート部62fは、厚さが薄い円板状に形成されている。押さえプレート部62fの生地載置部62aに対向する下端面は、生地載置部62aの上面に平行な平坦面に形成されている。
押さえ軸部62eの一部の外周面には、ねじ山及びねじ溝を備えたねじ部が形成されているとともに、フレーム部62dの押さえ軸部62eを挿通させる挿通孔の内周面にも、押さえ軸部62eのねじ部に対応するねじ部が形成されている。これにより、操作部62cを操作して回転させることにより、押さえ部62bを生地載置部62aに対して接近・離間するように上下に移動させることができる。また、生地載置部62aに生地部材5を載せた状態で押さえ部62bを下降させることにより、生地載置部62aと押さえ部62bの押さえプレート部62fとの間に生地部材5を挟んで保持できる。
操作部62cは、押さえ部62bの上端部に一体的に設けられているとともに、第1保持ブロック部60の平面視で円形を呈する。この操作部62cを、第1保持ブロック部60の平面視において、時計回り方向又は反時計回り方向に指で回転させることにより、上述したように押さえ部62bを上下に移動させることができる。また、操作部62cの外周側面には、指で操作部62cを回転させ易くするために、凹凸形状が設けられている。
フレーム部62dは、生地載置部62aから上側に延びるフレーム柱部と、フレーム柱部の上端部から左右方向に延出するとともに押さえ部62bを回転可能に支持するフレーム延出部とを有しており、第1保持ブロック部60を前方側又は後方側からみたときに略L字状を呈する。
第1保持ブロック部60の第1生地保持部62は、例えば、固定部材50にエレメント部材10と生地部材5とを保持するときに、生地部材5のエレメント取付縁部の前端部又はその近傍を押さえて保持することが可能なように設けられていることが好ましい。
また、第1生地保持部62では、固定部材50の平面視において、押さえ部62bが、左右方向に関して、支持部材51と第1ファスナー保持部63との間の範囲に設けられている。更に、第1生地保持部62は、固定部材50の平面視において、押さえ部62bと第1ファスナー保持部63との間の左右方向における間隔が、押さえ部62bと支持部材51との間の左右方向における間隔よりも小さくなる位置に設けられている。なお、第1生地保持部62の位置は、生地部材5の形状、大きさ、及び厚さ、また、製造する製品の用途等に応じて変更してもよい。
また本発明において、第1生地保持部62で生地部材5を保持する構造及び手段は特に限定されない。例えば、第1保持ブロック部60に上述した第1生地保持部62を設ける代わりに、クリップなどの部材を第1保持ブロック部60に設けて生地部材5を挟んで保持すること、第1保持ブロック部60に生地部材5を針等で刺して保持すること、又は第1保持ブロック部60に生地部材5を接着すること等の構造又は手段を生地保持部として用いて、第1保持ブロック部60に生地部材5を保持してもよい。
第1ファスナー保持部63は、第1生地保持部62に取り付けられるベース部63aと、ベース部63aの先端部(後端部)に設けられるフック部63bとを有する。ベース部63aは、第1生地保持部62に固定されているとともに、第1生地保持部62から後方に向けて(言い換えると、第2ファスナー保持部73に向けて)延出している。フック部63bは、ベース部63aの先端部から上側に屈曲して形成されている。また、フック部63bの上端部には、エレメント部材10の連結部材12を収容して保持する収容溝63cが、下側に窪むように設けられている。
第1ファスナー保持部63では、例えば図6に示すように、第1エレメント部材10aにおける第1止め部21と第1仮エレメント22の間に第1ファスナー保持部63のフック部63bを挿入するとともに、第1止め部21と第1仮エレメント22の間に露呈する連結部材12をフック部63bの収容溝63cに収容するようにして、第1ファスナー保持部63に第1仮エレメント22を引っ掛ける。これによって、第1ファスナー保持部63に、第1エレメント部材10aの前端部(一端部)を保持することができる。
なお本発明において、第1ファスナー保持部63の構造はこれに限定されず、例えばクリップ等のような第1エレメント部材10aの一端部を保持可能なその他の構造又は手段で第1ファスナー保持部が形成されていてもよい。また、本実施形態では、第1生地保持部62と第1ファスナー保持部63とが第1保持ブロック部60に一体的に形成されているが、本発明において、第1生地保持部62と第1ファスナー保持部63とは、互いに分離した別々の部材で形成されていてもよい。
本実施形態の第2保持ブロック部70は、支持部材51に接続する第2接続部71と、第2接続部71に一体的に形成される第2生地保持部72と、第2生地保持部72から前後方向に沿って延びる第2ファスナー保持部73とを有する。第2保持ブロック部70の第2接続部71、第2生地保持部72、及び第2ファスナー保持部73は、第1保持ブロック部60の第1接続部61、第1生地保持部62、及び第1ファスナー保持部63に対して上下に対称的な形状及び構造で形成されている。
次に、上述したミシンを用いて、図1及び図2に示す左側の第1エレメント部材10aを生地部材5に縫い付けて固定する縫製方法について説明する。
先ず、第1エレメント部材10aと、所定形状に裁断された衣服の生地部材5と、図3に示す固定部材50とを準備する準備作業を行う。なお図3に、生地部材5の一例を仮想線で示すが、本発明でエレメント部材10が縫い付けられる生地部材5はこれに限定されるものではなく、生地部材5の形状、大きさ、材質、性質等は特に限定されない。
先ず、第1エレメント部材10aと、所定形状に裁断された衣服の生地部材5と、図3に示す固定部材50とを準備する準備作業を行う。なお図3に、生地部材5の一例を仮想線で示すが、本発明でエレメント部材10が縫い付けられる生地部材5はこれに限定されるものではなく、生地部材5の形状、大きさ、材質、性質等は特に限定されない。
続いて、準備した固定部材50に第1エレメント部材10aを取り付けて保持する第1取付作業を行う。この第1取付作業において、固定部材50の第1保持ブロック部60と第2保持ブロック部70とは、第1保持ブロック部60及び第2保持ブロック部70間の間隔が第1エレメント部材10aの長さ(前後方向の寸法)よりも短くなるような位置に移動させて支持部材51に支持されていることが好ましい。
第1取付作業としては、先ず、第1エレメント部材10aの一端部(前端部)を、固定部材50における第1保持ブロック部60の第1ファスナー保持部63に引っ掛けて保持する。このとき、第1ファスナー保持部63のフック部63bを、第1エレメント部材10aにおける第1止め部21と第1仮エレメント22の間に挿入し、第1止め部21と第1仮エレメント22の間に配される連結部材12をフック部63bの収容溝63cに挿入して収容する。またこのとき、第1エレメント部材10aの一部を形成する第1仮エレメント22を第1ファスナー保持部63のフック部63bに接触させて引っ掛ける。これにより、第1保持ブロック部60の第1ファスナー保持部63に、第1エレメント部材10aの前端部を容易に留めて保持できる。
また、第1エレメント部材10aの他端部(後端部)を、固定部材50における第2保持ブロック部70の第2ファスナー保持部73に引っ掛けて保持する。このとき、第2ファスナー保持部73のフック部63bを、第1エレメント部材10aにおいて前後方向に隣接する2つの蝶棒側案内エレメント15a間(例えば、蝶棒部14から3番目に配される第3蝶棒側案内エレメント15aと蝶棒部14から4番目に配される第4蝶棒側案内エレメント15aとの間)に挿入し、これらの蝶棒側案内エレメント15a間に配される連結部材12をフック部63bの収容溝63cに挿入して収容する。またこのとき、第1エレメント部材10aの一部を形成する上述の第4蝶棒側案内エレメント15aを第2ファスナー保持部73のフック部63bに接触させて引っ掛ける。これにより、第2保持ブロック部70の第2ファスナー保持部73に、第1エレメント部材10aの後端部を容易に留めて保持できる。
更に、固定部材50に第1エレメント部材10aを取り付ける場合、第1エレメント部材10aは、第1エレメント部材10aを後述するように固定部材50の前後方向に沿うようにまっすぐに延ばした状態で保持したときに、ファスナーエレメント13の各噛合頭部13cが、左右方向において支持部材51に対向する側とは反対の側に向く姿勢で、第1保持ブロック部60と第2保持ブロック部70とに保持される。
なお、この第1取付作業では、固定部材50の第2ファスナー保持部73に第1エレメント部材10aの後端部を保持した後に、固定部材50の第1ファスナー保持部63に第1エレメント部材10aの前端部を保持するように作業を行ってもよいし、固定部材50の第1ファスナー保持部63及び第2ファスナー保持部73に第1エレメント部材10aの前端部及び後端部を同時に保持するように作業を行ってもよい。
固定部材50の第1ファスナー保持部63及び第2ファスナー保持部73に第1エレメント部材10aの前端部及び後端部をそれぞれ保持した後、第1保持ブロック部60及び/又は第2保持ブロック部70の第1摘まみ部66を第2摘まみ部67に近付ける方向に指で動かすことによって、支持部材51に対する第1保持ブロック部60及び/又は第2保持ブロック部70の停止保持部による保持状態を解除する。更に、第1保持ブロック部60と第2保持ブロック部70とが互いに離れるように、第1保持ブロック部60及び/又は第2保持ブロック部70を支持部材51に沿って移動させる。それによって、第1エレメント部材10aを、第1保持ブロック部60と第2保持ブロック部70との間で、例えば図6に示したように、固定部材50の前後方向に沿ってピンと張ったようにまっすぐに延ばした状態で保持することができる。
以上のような第1取付作業を行うことによって、第1エレメント部材10aを、固定部材50の第1ファスナー保持部63及び第2ファスナー保持部73に、直線状に延びた状態で簡単に且つ短時間で取り付けて保持できる。
上述した第1取付作業を行った後、第1エレメント部材10aが保持されている固定部材50に、生地部材5を取り付けて保持する第2取付作業を行う。この第2取付作業では、先ず、第1保持ブロック部60の第1生地保持部62と、第2保持ブロック部70の第2生地保持部72のそれぞれにおいて、操作部62cを回転させて押さえ部62bを上昇させることにより、生地載置部62aと押さえ部62bの押さえプレート部62fとの間に生地部材5を挿し込むことが可能な間隙を形成する。
続いて、第1生地保持部62及び第2生地保持部72に形成した上記間隙に生地部材5を挿し込んで、第1生地保持部62及び第2生地保持部72のそれぞれの生地載置部62aに生地部材5を載せるとともに、生地部材5の位置及び向きを調整する。このとき、生地部材5の第1エレメント部材10aが取り付けられるエレメント取付縁部が、固定部材50に保持されているまっすぐな第1エレメント部材10aに沿うように、且つ、その第1エレメント部材10aのファスナーエレメント13に接触するように、生地部材5の位置及び向きを調整する。
生地部材5の位置及び向きを調整した後、第1生地保持部62及び第2生地保持部72の操作部62cを回転させて押さえ部62bを下降させることによって、押さえ部62bの押さえプレート部62fで生地部材5を生地載置部62aに向けて押さえ付ける。これによって、生地部材5のエレメント取付縁部の前端部又はその近傍が、第1保持ブロック部60の第1生地保持部62によって挟まれて保持されるとともに、生地部材5のエレメント取付縁部の後端部又はその近傍が、第2保持ブロック部70の第2生地保持部72によって挟まれて保持される。またこのとき、生地部材5は、生地部材5のエレメント取付縁部が第1エレメント部材10aの全てのファスナーエレメント13のエレメント胴部13aに接触した状態で保持される。
なお、本実施形態では、固定部材50に第1エレメント部材10aを取り付けて保持する第1取付作業を行った後に、固定部材50に生地部材5を取り付けて保持する第2取付作業を行っているが、本発明では、生地部材5を取り付ける第2取付作業を行ってから、第1エレメント部材10aを取り付ける第1取付作業を行ってもよい。
第1取付作業及び第2取付作業を行って固定部材50に第1エレメント部材10aと生地部材5とを保持した後、その固定部材50を、ミシンのミシン本体部40にセットする。この場合、固定部材50に保持した第1エレメント部材10a及び生地部材5をミシン本体部40の針板部42に載置する。また、固定部材50における支持部材51の下面に設けた位置決め段差部52を、針板部42に設けた図示しないガイド突起部に係合させることによって、ミシン本体部40に対して固定部材50の位置を合わせる。
更に、固定部材50に保持した第1エレメント部材10aを、例えば図7に示したように、第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47の少なくとも一方に噛み合わせる。この場合、第1エレメント部材10aと第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47とは、第1エレメント部材10aに設けた間隙25に、第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47の歯を挿入することによって噛み合わせられる。これにより、固定部材50をミシン本体部40に適切にセットできる。
その後、固定部材50に保持した第1エレメント部材10aと生地部材5とを縫い合わせる縫製加工を行う。この場合、ミシン本体部40には、ミシン針を下降させる針落ち位置の座標データが事前に設定されおり、ミシン本体部40に予め組み込まれたプログラムを用いて、縫製加工を自動的に行うことができる。なお本発明において、ミシンの針落ち位置や縫製加工で形成されるステッチパターン等は特に限定されるものではない。
この縫製加工では、第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47を、図示しない回転駆動部によって予め設定された速度及びタイミングで回転させ、それによって、固定部材50に保持されている第1エレメント部材10a及び生地部材5を、図7に矢印80で示すように、ミシンの送り方向の下流側(前後方向の前方側)に向けて自動で間欠的に又は連続的に搬送する。
なお本実施形態では、第1エレメント部材10a及び生地部材5を、送り歯を用いることなく、互いに同じ速度で回転する第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47のみによって搬送してもよい。これにより、本実施形態では、例えば従来の一般的なミシンのように送り歯のみで搬送を行う場合に比べて、搬送速度及び送りのタイミングを容易に且つ精度良く制御し、第1エレメント部材10a及び生地部材5を所定の条件で安定して搬送することが可能である。
また本実施形態では、第1エレメント部材10a及び生地部材5を搬送するときに、固定部材50の支持部材51に設けた位置決め段差部52を、ミシン本体部40に設けた図示しないガイド突起部に係合させることによって、固定部材50を案内しながら搬送できる。これにより、固定部材50に保持されている第1エレメント部材10a及び生地部材5を、作業者が手で補助しなくても、前方に向けて直線的に安定して送ることができる。なおこのとき、作業者は、第1エレメント部材10a及び生地部材5に手を添えて搬送を補助してもよい。
ミシン本体部40では、第1エレメント部材10a及び生地部材5を前方に搬送するとともに、図示しないミシン針を、ミシンの送り方向に対して交差する交差方向に揺動させながら、上下方向の往復運動を繰り返して行うことによって、第1エレメント部材10a及び生地部材5に本縫いの縫製を行う。これにより、上糸(針糸)及び下糸(ボビン糸)からなる縫製糸で、生地部材5の表面及び裏面にジグザグ状の縫製部(縫製線)を形成しながら、その縫製部によって第1エレメント部材10aを生地部材5のエレメント取付縁部に固定できる。
なお、上述の縫製加工の終了後には、第1エレメント部材10aの連結部材12を、蝶棒部14と蝶棒側案内部15の間で切断することにより、蝶棒側案内部15が第1エレメント部材10aから切除される。また、連結部材12を第1止め部21と第1仮エレメント22の間で切断することにより、第1仮エレメント22が第1エレメント部材10aから切除される。
以上のような縫製加工を行うことにより、縫製加工時に生地部材5及び第1エレメント部材10aを作業者が手で押さえて案内しなくても、第1エレメント部材10aを生地部材5に容易に且つ安定して縫い付けることができる。それによって、第1エレメント部材10aが生地部材5に縫い付けられた生地パーツ(例えば、衣服の構成パーツ)を安定して作製できる。
特に本実施形態では、第1エレメント部材10a及び生地部材5を固定部材50に簡単に取り付けて保持できる。また、固定部材50によって適切な位置関係で保持された第1エレメント部材10a及び生地部材5に対して、縫製加工を容易に且つ円滑に行うことができる。これにより、生地部材5が柔軟性又は伸縮性を備えていても、縫製加工時に生地部材5の伸び縮みを生じさせ難くすることができるため、縫製加工を自動的に安定して行うことができる。従って、エレメント部材10が縫い付けられた生地部材5に、波打ち状の形状、部分的に突っ張った形状、パッカリングが生じた形状等の不良箇所を発生させ難くして、エレメント部材10を生地部材5の所定位置に適切に且つ良好に縫い付けて固定できる。
また、本実施形態の縫製方法によってエレメント部材10を生地部材5に縫い付けることによって、縫製部分が良好に仕上げられた同じ品質の複数の生地パーツを安定して作製できる。このため、スライドファスナー付き衣服の品質の安定化を図ることができる。
更に、本実施形態の縫製方法では、固定部材50に保持した生地部材5及びエレメント部材10を、ミシン本体部40の第1搬送ギア46及び第2搬送ギア47で自動的に搬送できるため、従来のように縫製加工時に作業者が生地部材5を押さえて案内しなくても、縫製加工を円滑に行うことができる。このため、作業者の能力や熟練度に依存することなく、エレメント部材10を生地部材5に良好に縫い付けることができる。その結果、衣服等のスライドファスナー付き製品の品質にばらつきを生じさせ難くすることができる。また、作業者への負担を大幅に軽減することや、作業者の育成に必要とされる時間及び費用を削減することが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば上述した実施形態では、図1及び図2に示した左側の第1エレメント部材10aを生地部材5に縫い付けて固定する場合について説明している。しかし、この実施形態では、固定部材50に第1エレメント部材10aを保持する代わりに、図1及び図2に示した右側の第2エレメント部材10bを保持して縫製加工を行うこともできる。
この場合、第2エレメント部材10bは、第1エレメント部材10aとは前後方向の向きを反対にして固定部材50に取り付けられて保持される。また、固定部材50に保持された第2エレメント部材10b及び生地部材5に対し、上述した縫製加工と実質的に同様の縫製加工を行うことによって、第2エレメント部材10bを生地部材5に容易に且つ安定して縫い付けることができる。
また上述した実施形態では、スライドファスナー付き製品がスライドファスナー付き衣服である場合について説明しているが、本発明に係るスライドファスナー付き製品は、衣服(衣料品)に限定されるものではなく、靴類や鞄類などの日用雑貨品、産業用資材などの製品、自動車、列車、航空機等の各種シート類などの様々な製品を含む。また、エレメント部材が縫い付けられる生地部材の材質及び形状等も特に限定されない。生地部材の用途についても、衣服に用いられる生地部材に限定されるものではない。本発明の固定部材、ミシン、及び縫製方法を用いることによって、衣服以外の製品に用いられる生地部材、又は、スライドファスナーに用いられるファスナーテープ等の生地部材に対しても、エレメント部材を容易に縫い付けることができる。
5 生地部材
10 エレメント部材
10a 第1エレメント部材
10b 第2エレメント部材
11 エレメント列
12 連結部材
13 ファスナーエレメント
13a エレメント胴部
13b エレメント首部
13c 噛合頭部
13d 肩部
14 蝶棒部
14a 蝶棒本体部
14b 蝶棒ヒレ部
14c 孔部
15 蝶棒側案内部
15a 蝶棒側案内エレメント
16 箱棒部
16a 箱棒本体部
16b 箱棒ヒレ部
16c 孔部
17 箱棒側案内部
17a 箱棒側案内エレメント
21 第1止め部
22 第1仮エレメント
22a 仮エレメント本体部
22b 突片部
23 第2止め部
23a 第2止め本体部
23b 上側突起部
24 第2仮エレメント
25 間隙
40 ミシン本体部
41 ミシンヘッド部
42 針板部
46 第1搬送ギア
47 第2搬送ギア
50 固定部材
51 支持部材
52 位置決め段差部
60 第1保持ブロック部
61 第1接続部
62 第1生地保持部
62a 生地載置部
62b 押さえ部
62c 操作部
62d フレーム部
62e 押さえ軸部
62f 押さえプレート部
63 第1ファスナー保持部
63a ベース部
63b フック部
63c 収容溝
64 接続部本体部
64a 柱部
64b カバー部
64c 貫通孔
64d 開口部
65 押圧部
66 第1摘まみ部
67 第2摘まみ部
70 第2保持ブロック部
71 第2接続部
72 第2生地保持部
73 第2ファスナー保持部
80 矢印
10 エレメント部材
10a 第1エレメント部材
10b 第2エレメント部材
11 エレメント列
12 連結部材
13 ファスナーエレメント
13a エレメント胴部
13b エレメント首部
13c 噛合頭部
13d 肩部
14 蝶棒部
14a 蝶棒本体部
14b 蝶棒ヒレ部
14c 孔部
15 蝶棒側案内部
15a 蝶棒側案内エレメント
16 箱棒部
16a 箱棒本体部
16b 箱棒ヒレ部
16c 孔部
17 箱棒側案内部
17a 箱棒側案内エレメント
21 第1止め部
22 第1仮エレメント
22a 仮エレメント本体部
22b 突片部
23 第2止め部
23a 第2止め本体部
23b 上側突起部
24 第2仮エレメント
25 間隙
40 ミシン本体部
41 ミシンヘッド部
42 針板部
46 第1搬送ギア
47 第2搬送ギア
50 固定部材
51 支持部材
52 位置決め段差部
60 第1保持ブロック部
61 第1接続部
62 第1生地保持部
62a 生地載置部
62b 押さえ部
62c 操作部
62d フレーム部
62e 押さえ軸部
62f 押さえプレート部
63 第1ファスナー保持部
63a ベース部
63b フック部
63c 収容溝
64 接続部本体部
64a 柱部
64b カバー部
64c 貫通孔
64d 開口部
65 押圧部
66 第1摘まみ部
67 第2摘まみ部
70 第2保持ブロック部
71 第2接続部
72 第2生地保持部
73 第2ファスナー保持部
80 矢印
Claims (9)
- ファスナーエレメント(13)が連結部材(12)に取着されたファスナー用エレメント部材(10)を、ミシンを用いて生地部材(5)に縫い付ける縫製加工に用いられる固定部材(50)であって、
前記エレメント部材(10)を保持するファスナー保持部と、前記生地部材(5)を保持する生地保持部と、少なくとも前記ファスナー保持部を支持する支持部材(51)とを有し、
前記ファスナー保持部は、前記エレメント部材(10)の一端部を保持する第1ファスナー保持部(63)と、前記エレメント部材(10)の他端部を保持する第2ファスナー保持部(73)とを備え、
前記生地保持部は、前記生地部材(5)を、前記ファスナー保持部に保持された前記エレメント部材(10)に前記生地部材(5)の少なくとも一部が沿うように保持する構造を有する
ことを特徴とする固定部材。 - 前記支持部材(51)は、直線状に延びる長尺の形状を有し、
前記第1ファスナー保持部(63)及び前記第2ファスナー保持部(73)の少なくとも1つは、前記支持部材(51)に、前記支持部材(51)の長さ方向に沿って移動可能に取り付けられている
請求項1記載の固定部材。 - 前記第1ファスナー保持部(63)及び前記第2ファスナー保持部(73)の少なくとも1つは、前記エレメント部材(10)の一端部又は他端部に設けられる補助エレメント(15a,17a ,22,24)を引っ掛ける構造を有する
請求項1又は2記載の固定部材。 - 前記生地保持部は、前記生地部材(5)の前記エレメント部材(10)が取り付けられるエレメント取付縁部の長さ方向における一端部又はその近傍を保持する第1生地保持部(62)と、前記エレメント取付縁部の長さ方向における他端部又はその近傍を保持する第2生地保持部(72)とを有する
請求項1~3のいずれかに記載の固定部材。 - 前記第1生地保持部(62)及び前記第2生地保持部(72)の少なくとも1つは、前記生地部材(5)を前記生地部材(5)の厚さ方向で挟んで保持する構造を有する
請求項4記載の固定部材。 - 前記第1ファスナー保持部(63)及び前記第1生地保持部(62)が一体的に設けられる第1保持ブロック部(60)と、前記第2ファスナー保持部(73)及び前記第2生地保持部(72)が一体的に設けられる第2保持ブロック部(70)とが、前記支持部材(51)に支持されている
請求項4又は5記載の固定部材。 - 前記第1保持ブロック部(60)及び前記第2保持ブロック部(70)の少なくとも1つは、前記支持部材(51)に、前記支持部材(51)の長さ方向に沿って移動可能に取り付けられており、且つ、前記支持部材(51)に対して停止位置を保持する停止保持部を有する
請求項6記載の固定部材。 - 請求項1~7のいずれかに記載の前記固定部材(50)と、前記固定部材(50)に保持された前記エレメント部材(10)の前記ファスナーエレメント(13)に噛み合わせる少なくとも1つの搬送ギア(46,47)と、前記搬送ギア(46,47)を回転させる駆動部とを有することを特徴とするミシン。
- ファスナーエレメント(13)が連結部材(12)に取着されたファスナー用エレメント部材(10)を、ミシンを用いて生地部材(5)に縫い付ける縫製方法において、
前記エレメント部材(10)の一端部を保持する第1ファスナー保持部(63)と、前記エレメント部材(10)の他端部を保持する第2ファスナー保持部(73)とを備えたファスナー保持部と、前記生地部材(5)を保持する生地保持部と、少なくとも前記ファスナー保持部を支持する支持部材(51)とを有する固定部材(50)を準備すること、
前記固定部材(50)の前記第1ファスナー保持部(63)及び前記第2ファスナー保持部(73)に前記エレメント部材(10)の一端部及び他端部を保持して、前記エレメント部材(10)を前記固定部材(50)に直線状に保持すること、
前記生地部材(5)を、前記ファスナー保持部に保持された前記エレメント部材(10)に前記生地部材(5)の少なくとも一部が沿うように前記固定部材(50)の前記生地保持部で保持すること、
前記エレメント部材(10)及び前記生地部材(5)を保持した前記固定部材(50)を前記ミシンにセットして、前記エレメント部材(10)の前記ファスナーエレメント(13)を前記ミシンの搬送ギア(46,47)に噛み合わせること、及び、
前記搬送ギア(46,47)を回転させることにより前記固定部材(50)を送りながら、前記固定部材(50)に保持した前記エレメント部材(10)及び前記生地部材(5)を縫い合わせる縫製加工を行うことにより、前記エレメント部材(10)を前記生地部材(5)に縫い付けること
を含むことを特徴とする縫製方法。
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WO2018216061A1 (ja) | 2017-05-22 | 2018-11-29 | Ykk株式会社 | フライの縁縫い装置 |
WO2019073922A1 (ja) | 2017-10-13 | 2019-04-18 | Juki株式会社 | ミシン |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2647196B2 (ja) * | 1989-04-24 | 1997-08-27 | ジューキ株式会社 | ファスナー縫着ミシン |
JPH02142275U (ja) * | 1989-04-28 | 1990-12-03 | ||
JP4072602B2 (ja) * | 2003-03-05 | 2008-04-09 | 極東産機株式会社 | カーテンの製造方法および天伏縫い装置 |
EP3578075B1 (en) | 2017-02-02 | 2021-12-08 | YKK Corporation | Article with slide fastener |
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2021
- 2021-08-16 JP JP2023542047A patent/JP7496039B2/ja active Active
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- 2021-08-16 WO PCT/JP2021/029929 patent/WO2023021558A1/ja active Application Filing
- 2021-08-16 CN CN202180100680.2A patent/CN117677740A/zh active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018216061A1 (ja) | 2017-05-22 | 2018-11-29 | Ykk株式会社 | フライの縁縫い装置 |
WO2019073922A1 (ja) | 2017-10-13 | 2019-04-18 | Juki株式会社 | ミシン |
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CN117677740A (zh) | 2024-03-08 |
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