JP7493707B2 - 浴槽洗浄装置 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明においては、髪の毛すすぎモードにおいて、単なる水ではなく、本洗浄モードよりも濃度の低い洗剤水を噴出させることにより、髪の毛が付着した浴槽の内壁面部分の水の表面張力を壊すことができ、これにより、この内壁面部分に散布される洗剤水の付き方を膜状とすることができる。また、髪の毛すすぎモードにおいて、本洗浄モードよりも濃度の低い洗剤水を噴出させることにより、洗剤の消費量を抑えることができる。また、制御部が、髪の毛すすぎモードにおいて、所定時間内に所定範囲にかかる洗剤水の総量が、本洗浄モードにおいて所定時間内に所定範囲にかかる洗剤水の総量よりも多くなるように、ポンプ及び洗浄ノズル駆動部を制御するので、浴槽の内壁面に付着した髪の毛に対し、比較的多くの量の洗剤水をかけることができる。この結果、本発明によれば、洗剤の消費量を抑えつつ、髪の毛を流れやすくすることができる。さらに、本発明においては、髪の毛すすぎモードを本洗浄モードよりも後且つすすぎモードよりも前に実行することにより、最も効果的に髪の毛が内壁面に残ることを抑制することができる。以上から、本発明によれば、限られた量の洗剤水を効率よく浴槽の内壁面全体に散布することができるとともに、髪の毛が浴槽の内壁面に残ることを抑制することができる。
このように構成された本発明においては、制御部が、髪の毛すすぎモードにおいて洗浄ノズルの洗剤水を噴出するときの回転速度が、本洗浄モードにおいて洗浄ノズルの洗剤水を噴出するときの回転速度よりも遅くなるように、洗浄ノズル駆動部を制御するので、より確実に、髪の毛すすぎモードにおける所定時間内に所定範囲にかかる洗剤水の総量を、本洗浄モードにおいて所定時間内に所定範囲にかかる洗剤水の総量よりも多くすることができる。ここで、洗浄ノズルの回転速度ではなく、洗浄ノズルから噴出される洗剤水の流量のみを制御した場合、洗剤水の流量を増やすと洗剤水の噴霧範囲が広がるため、洗剤水を付着させたい範囲で必要な総量を得られない恐れがある。なお、本洗浄モードが複数回実行される場合、髪の毛すすぎモードのほうが複数回実行される本洗浄モードのどの回転速度よりも遅いのが好ましい。
このように構成された本発明においては、洗浄ノズルからの距離が比較的遠い第2領域において、洗剤水がかかる内壁面の部分の洗剤水の付着密度が疎になることを抑制することができる。その結果、本発明によれば、浴槽の内壁面に洗剤水が付着しない部分が生じることを抑制することができ、それにより、髪の毛が残ることをより確実に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、制御部が、髪の毛すすぎモードにおいて、第2領域に向けて洗剤水を噴出するときの洗浄ノズルの回転速度が第1領域に向けて洗剤水を噴出するときの洗浄ノズルの回転速度よりも遅くなるようにノズル駆動部を制御するので、髪の毛すすぎモードにおいて、より確実に、洗浄ノズルからの距離が比較的遠い第2領域に向けて噴出される洗剤水の総量を第1領域(比較的距離が近い領域)に向けて噴出される洗剤水の総量よりも多くすることができる。
所望の濃度の洗剤水を精度良く生成するためには、洗剤混合タンクに供給される洗剤と水の量を正確に制御する必要がある。そのために、本発明においては、洗剤混合タンク内に、洗剤混合タンク内の洗剤、洗剤水、又は、水の水位を検知する検知部を設けている。これにより、本発明によれば、本洗浄モードにおいて、洗剤混合タンク内の洗剤及び洗剤水の水位を直接検知することができ、所望の濃度の洗剤水を精度良く生成することができる。
しかし、髪の毛すすぎモードでは、本洗浄モードよりも低い濃度で且つ総量が多い洗剤水を生成する必要があるため、洗剤混合タンク内に供給される洗剤の供給量が本洗浄モードに比べて少ない。そのため、検知部により洗剤の供給量を精度良く検知するためには、水平断面積を小さくするなど洗剤混合タンク内の形状を工夫する必要があるが、このような形状とした場合、洗剤混合タンク内での洗剤と水の混ざりが悪くなり、その結果、所望の濃度の洗剤水を得ることができないという問題がある。このため、本発明においては、本洗浄モードで用いる洗剤水の生成時における洗剤の供給量は検知部を用いて決定し、髪の毛すすぎモードで用いる洗剤水の生成時における洗剤の供給量は洗剤供給手段の駆動時間により決定するようにしているので、洗剤混合タンク内の形状を工夫しなくても髪の毛すすぎモードで用いる洗剤の供給量を精度よく決定することができる。
ここで、浴槽内の湯の排水性を高めるために浴槽1の底面2に傾斜を設ける場合がある。この場合、洗浄ノズル14は傾斜した底面2に対して垂直方向に延びる回転軸を中心にして回転するようにしてもよい。この場合には、洗浄ノズル14は、ほぼ鉛直方向に延びる回転軸を中心にして回転する。上述した「鉛直方向」はこの場合の「ほぼ鉛直方向」を含む用語として記載されている。
なお、上述した例では、第1の流路20に、給湯器から湯を供給しているが、給湯器を使用せず、水(冷水)を供給するようにしてもよい。
シスターン30は、洗剤水タンク50と、洗剤水タンク50内の液体(洗剤、洗剤水、又は、湯)の水位を検出するための検知部として、フロートスイッチ31を備えている。洗剤水タンク50内の液体(洗剤、洗剤水、又は、湯)の水位は、所定の下方位置から所定の上方位置まで変化するようになっている。フロートスイッチ31は、液体の水位と共に上下動するフロート52と、このフロート52の上下動をガイドするシャフト54と、このシャフト54内に設けられ洗剤水タンク50内の液体(洗剤、洗剤水、又は、湯)の水位の下方位置を検知するための下検知用リードスイッチ54aと、シャフト54内に設けられ洗剤水タンク50内の液体の水位の上方位置を検知するための上検知用リードスイッチ54bと、を備えている。さらに、フロート52の内部には、マグネット52aが設けられており、このマグネット52aと下検知用リードスイッチ54aが同じ高さになると、スイッチが入りその信号が制御部48に送信され、同様に、マグネット52aと上検知用リードスイッチ54bが同じ高さになると、スイッチが入りその信号が制御部48に送信される。
なお、検知部は、洗剤混合タンク内の液体の水位が検知できるものであればよいため、上述したフロートスイッチ以外に、電極式のものなどであってもよい。
さらに、洗剤混合部として、上述したシスターン30の代りに、ベンチュリー管を用いて、洗剤と湯を混合して洗剤水を生成するようにしても良い。
本実施形態では、浴槽1の内壁面4の洗浄領域をAからEの5つの領域に分け、それぞれの角度範囲を設定しているが、この限りではない。例えば、手すりの有無、ステップ(ベンチ)の有無、それらの配置、浴槽の形状などにより、領域数やそれぞれの領域を設定してよい。ここで、側面背領域Dは、入浴者の肩に湯を流す装置が設けられている場合には、肩湯の着水領域となる。
先ず、図4のS1において、「前すすぎモード」が実行される。前すすぎモードにおいては、洗浄ノズル14により、湯が噴出され、上述した浴槽1の内壁面4の全面(360度)である洗浄領域A~Eをすすいで洗浄するようになっている。
最初に、図8A(1)に示すように、シスターン30は空であり、洗剤電磁弁36を開き且つ洗剤ポンプ40をONにして、シスターン30内に液状の洗剤を供給する。このとき、洗浄ノズル14は、原点である0度の位置にいる。
次に、図8A(2)に進み、洗剤の水位が下検知位置に到達したことを下検知リードスイッチ54aで検出すると、洗剤電磁弁36を閉じ且つ洗剤ポンプ40をOFFにして、洗剤の供給を停止する。
最初に、図8C(9)に示すように、洗浄ノズル14を原点である0度に戻す。このとき、上述したように、シスターン30内には、濃度5.5パーセントの150mlの洗剤水が溜まっており、第3の流路42内には濃度5.5パーセントの100mlの洗剤水が溜まっている。
次に、図8C(10)に進み、洗浄ポンプ44をONし、これにより、第3の流路42内に溜まっていた濃度5.5パーセントの100mlの洗剤水を、洗浄ノズル14から噴出して、浴槽1の内壁面4を洗浄する。洗浄ノズル14は、0度から160度まで移動しながら洗浄領域A、B1、C1及びD1の一部を洗浄する。
最初に、図8D(14)に示すように、洗浄ノズル14を原点である0度に戻す。このとき、上述したように、シスターン30内には、濃度1.4パーセントの150mlの洗剤水が溜まっており、第3の流路42内には濃度1.4パーセントの100mlの洗剤水が溜まっている。
次に、図9A(5)に進み、洗浄ノズル14を180度の位置から250度の位置まで移動させる。このとき、シスターン30内は空であるが、第3の流路42内には濃度0.3パーセントの100mlの洗剤水が溜まっている。
次に、次に、図9B(7)に進み、洗剤電磁弁36の駆動時間(開の時間)が所定時間経過したとき、洗剤電磁弁36を閉じ且つ洗剤ポンプ40をOFFにして、洗剤の供給を停止する。この所定時間は、濃度0.3パーセントの洗剤水を生成するために必要な洗剤の供給時間である。
次に、図9C(12)に進み、洗剤電磁弁36を開き且つ洗剤ポンプ40をONにして、シスターン30内に洗剤を供給する。このとき、第3の流路42内には濃度0.3パーセントの100mlの洗剤水が溜まっている。
次に、図9F(28)から図9G(31)まで進む。図9F(28)から図9G(31)における洗浄工程は、上述した図9E(17)から図9E(20)までの洗浄工程と同じである。即ち、シスターン30内に濃度0.3パーセントの250mlの洗剤水を生成のするための工程である。
次に、図9I(44)、(45)、(46)に進む。これらの図9I(44)、(45)、(46)は、第3の流路42内に残る濃度0.3パーセントの100mlの洗剤水を湯に置換するための工程である。具体的には、図9I(44)において、給湯電磁弁26を開いてシスターン30内に湯を供給し、次に、図9I(44)において、洗浄ポンプをONにして、第3の流路42内に残る洗剤水を湯に置換し、図9I(45)において、洗浄ポンプ44をOFFとし、第3の流路42及びシスターン30内に湯のみが残る状態とし、これにより、「髪の毛すすぎモード」の洗浄工程が全て終了する。
一方、上述した「髪の毛すすぎモード」では、濃度0.3パーセントの洗浄水により浴槽の内壁面をすすぐようにしている。
Q=q×(θ'/θ)×Δt
Q:所定時間内(ある角度を回転する時間)に内壁面の所定範囲に掛かる総量(ml)
q:単位時間あたりに洗浄ノズルから噴出する液体(洗剤水、湯)の流量(ml/秒)
θ:洗浄ノズルから噴出した角度(°)
θ':洗浄ノズルから噴出した洗浄水の浴槽内壁面に直接付着する部分の角度(度)
Δt:洗浄ノズルがある角度(θ'')を回転するために掛かった時間(秒)
ここでは、θ''の数値は1度回転するために掛かる時間をΔtとして総量Qを算出する。このため、θ''=30度と定義した場合にはΔtも30倍となり、総量Qも30倍となる。
Q1=q1×(θ'1/θ1)×Δt1
q1:1000ml/分(=16.67ml/秒)
θ1:69度
θ'1:41度
Δt1:0.047秒(図11の本洗浄モード(3回目)から、洗浄ノズルは120度を5.6秒で回転するため、1度あたりでは0.047秒となる)
Q1=16.67×(41/69)×0.047
=0.46ml
Q2=q2×(θ'2/θ2)×Δt2
q2:500ml/分(=8.33ml/秒)
θ2:69度
θ'2:41度
Δt2:0.278秒(図11の髪の毛すすぎモードから、洗浄ノズルは120度を33.3秒で回転するため、1度あたりでは0.278秒となる)
Q1=8.33×(41/69)×0.278
=1.38ml
さらに、他の洗浄領域A、B、D、Eにおいても、同様な制御されるようになっている。
一方、「髪の毛すすぎモード」では、「本洗浄モード(1回目)」、「本洗浄モード(2回目)」及び「本洗浄モード(3回目)」よりも低い濃度で且つ総量が多い洗剤水を生成する必要があるため、シスターン30内に供給される洗剤の供給量が「本洗浄モード(1回目)」等に比べて少ない。そのため、下検知リードスイッチ54a及び上検知リードスイッチ54b等により洗剤の供給量を精度良く検知するためには、水平断面積を小さくするなどシスターン30内の形状を工夫する必要があるが、このような形状とした場合、シスターン30内での洗剤と水の混ざりが悪くなり、その結果、所望の濃度の洗剤水を得ることができないという問題がある。このため、本実施形態においては、「本洗浄モード(1回目)」等で用いる洗剤水の生成時における洗剤の供給量は下検知リードスイッチ54a及び上検知リードスイッチ54b等を用いて決定し、「髪の毛すすぎモード」で用いる洗剤水の生成時における洗剤の供給量は洗剤をシスターン30に供給する洗剤電磁弁36の駆動時間(開の時間)により決定するようにしているので、シスターン30内の形状を工夫しなくても「髪の毛すすぎモード」で用いる洗剤の供給量を精度よく決定することができる。
この他の実施形態による浴槽洗浄装置においても、上述した本実施形態による浴槽洗浄装置と同様に、限られた量の洗剤水を効率よく浴槽の内壁面全体に散布することができるとともに、髪の毛が浴槽の内壁面に残ることを抑制することができる。
2 底面
4 内壁面
10 浴槽洗浄装置
12 洗浄ノズルユニット
14 洗浄ノズル
14a 噴出方向
20 第1の流路
26 給湯電磁弁
30 シスターン(洗剤混合タンク)
31 フロートスイッチ
32 第2の流路
34 洗剤タンク
36 洗剤電磁弁
40 洗剤ポンプ
42 第3の流路
44 洗浄ポンプ
48 制御部
50 洗剤水タンク
52 フロート
52a マグネット
54 シャフト
54a 下検知用リードスイッチ
54b 上検知用リードスイッチ
A 足側領域
B 側面足領域
C 手すり領域
D 側面背領域
E 背側領域
Claims (5)
- 浴槽を洗剤水で自動的に洗浄する浴槽洗浄装置であって、
洗剤を貯留する洗剤タンクと、
この洗剤タンクから供給される洗剤と給水源から供給される水を混合して洗剤水を生成する洗剤混合部と、
洗剤水又は水を浴槽の内壁面に向けてミスト状に噴出する洗浄ノズルと、
この洗浄ノズルから噴出される洗剤水又は水の噴出流量を制御するポンプと、
上記洗浄ノズルを鉛直方向に延びる回転軸を中心にして回転させるノズル駆動部と、
上記ポンプ及び上記ノズル駆動部を制御する制御部と、を有し、
上記制御部は、洗浄ノズルから第1の濃度の洗剤水を噴出させる本洗浄モードと、この本洗浄モードよりも後に実行され洗浄ノズルから水を噴出させるすすぎモードと、本洗浄モードよりも後且つすすぎモードよりも前に実行され洗浄ノズルから上記第1の濃度よりも低い第2の濃度の洗剤水を噴出させる髪の毛すすぎモードと、を実行し、
さらに、上記制御部は、髪の毛すすぎモードにおいて所定時間内に所定範囲にかかる洗剤水の総量が、本洗浄モードにおいて上記所定時間内に上記所定範囲にかかる洗剤水の総量よりも多くなるように、上記ポンプ及び上記ノズル駆動部を制御することを特徴とする浴槽洗浄装置。 - 上記制御部は、髪の毛すすぎモードにおいて洗剤水を噴出するときの洗浄ノズルの回転速度が、本洗浄モードにおいて洗剤水を噴出するときの洗浄ノズルの回転速度よりも遅くなるように、上記ノズル駆動部を制御する、請求項1に記載の浴槽洗浄装置。
- 上記浴槽の内壁面は、その上端から洗浄ノズルまでの距離が最も短い点を含む第1領域と、その上端から洗浄ノズルまでの距離が最も長い点を含む第2領域と、を備え、上記制御部は、髪の毛すすぎモードにおいて、第2領域に向けて噴出する洗剤水の総量が第1領域に向けて噴出する洗剤水の総量よりも多くなるように、上記ポンプ及び上記ノズル駆動部を制御する、請求項1又は2に記載の浴槽洗浄装置。
- 上記制御部は、髪の毛すすぎモードにおいて、第2領域に向けて洗剤水を噴出するときの洗浄ノズルの回転速度が第1領域に向けて洗剤水を噴出するときの洗浄ノズルの回転速度よりも遅くなるように、上記ノズル駆動部を制御する、請求項3に記載の浴槽洗浄装置。
- 上記洗剤混合部は、洗剤混合タンクであり、
更に、この洗剤混合タンク内に設けられ洗剤混合タンク内の洗剤、洗剤水、又は、水の水位を検知する検知部と、
洗剤混合タンク内へ供給される洗剤の供給量を制御する洗剤供給手段と、を有し、
上記制御部は、本洗浄モードで用いる洗剤水の生成時の洗剤の供給量は上記検知部により決定し、髪の毛すすぎモードで用いる洗剤水の生成時の洗剤の供給量は上記洗剤供給手段の駆動時間により決定する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の浴槽洗浄装置。
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