以下、本発明の一例である画像形成装置の実施形態を、図1~図5を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施の形態では、各図に示すように、画像形成装置1に向かって手前側を前側F、奥側(背側)を後側B、左側をL、右側をR、上側をU、下側をDとして表している。
本実施形態では、画像形成装置1の一例として、タンデム型のフルカラープリンタについて説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置1に搭載されることには限られず、他の方式の画像形成装置に搭載されるものであってもよく、また、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。あるいは、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施することができる。
<画像形成装置>
図1に示すように、本実施の形態の画像形成装置1は、画像形成装置本体(以下、装置本体という)10を備えている。装置本体10は、画像読取部(画像読取装置)20と、シート給送部21と、画像形成部22(図2参照)と、シート排出部23と、制御部30(図2参照)と、操作部50と、を備えている。尚、記録材(記録媒体)であるシートは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。
画像読取部20は、例えば、フラットベッドスキャナ装置であり、装置本体10の上部に設けられている。画像読取部20は、原稿載置台としての不図示のプラテンガラスと、プラテンガラスに載置された原稿に光を照射する不図示の光源と、反射光をデジタル信号に変換する不図示のイメージセンサ等を備えており、原稿の画像を読み取る。シート給送部21は、装置本体10の下部に配置されており、記録紙等のシートを積載して収容するシートカセット21a,21bを備え、シートを画像形成部22(図2参照)に給送する。
画像形成部22は、装置本体10の内部に設けられ、いずれも不図示の現像装置及び像担持体としての感光ドラムを有する画像形成ユニット、トナーボトル、中間転写ユニット、二次転写部、定着装置等を有している。画像形成部22は、シート給送部21から給送されたシート上(記録媒体上)に、制御部30からの画像情報に基づいて画像を形成可能である。即ち、画像形成部22は、画像読取部20の読取結果に基づいて記録媒体に対して画像を形成可能である。シート排出部23は、シートを装置本体10に形成された排出口(排出部)10bの下流側に配置された排出トレイ24を備えている。排出トレイ24は、フェイスダウントレイになっており、排出口10bから排出されたシートを積載する。また、画像読取部20と排出トレイ24との間の空間は、胴内空間部11を構成している。操作部50は、鉛直方向において排出口10bよりも上方に設けられている。
<制御部>
図2に示すように、制御部30はコンピュータにより構成され、例えばCPU31と、データを一時的に記憶するRAM32と、各部を制御するプログラムを記憶するROM33及びHDD34とを備えている。本実施の形態では、制御部30は、システムバス30aと画像バス30bとを有し、CPU31、RAM32、ROM33、HDD34はいずれもシステムバス30aに接続されている。CPU31は、画像形成装置1の全体を統括的に制御するプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPU31は、例えば、画像形成される画像データの画像処理や、ネットワーク制御を行う他、画像形成部22に画像形成の指示を出力することによって画像形成処理を制御する。
RAM32は、CPU31が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもあり、CPU31の主メモリやワークエリア等として機能する。RAM32には、画像形成装置1内の設定情報や各処理を行った時のジョブログや操作ログなどが格納される。ROM33には、シートに画像を形成するための画像形成制御シーケンス等が記憶される。本実施の形態では、ROM33は、例えばブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD34は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェア、アプリケーション、画像データなどを格納する。
制御部30は、いずれもシステムバス30aに接続される操作部入出力回路(I/F)35と、ネットワーク入出力回路(I/F)36と、モデム37と、SRAM38と、RTC39と、外部入出力回路(I/F)40と、を有している。操作部入出力回路35は、後述する操作部50への画像データの送信や、操作部50からの各種通信を行うと共に、操作部50からユーザが入力した情報をCPU31に入力する。
ネットワーク入出力回路36は、ネットワーク90に接続し、情報の入出力を行う。また、モデム37は公衆回線91に接続し、ファクシミリを送受信可能なファクシミリ通信部として機能し、情報の入出力を行う。これにより、制御部30は、CPU31の指示の下、ネットワーク入出力回路36によりネットワーク90を介して、あるいはモデム37により公衆回線91を介して、接続された他のPCやサーバと通信可能である。即ち、画像形成装置1は、ネットワーク90や公衆回線91と接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う。
SRAM38は、高速動作可能な不揮発性の記憶媒体である。RTC39は、リアルタイムクロックであり、制御部30に電源が入っていない状態でも現在の時刻をカウントし続ける処理を行う。外部入出力回路40は、Universal Serial Bus(以下、USBと称す)等の汎用入出力回路であり、汎用のPCや、メモリデバイス、後述するテンキーユニット70を、USBコネクタからなるコネクタ40aを介して接続する。尚、コネクタ40aは、例えば、装置本体10にテンキーユニット70を設置する後述する設置面12の近傍の側面や前面、あるいは操作部50の側面などに設けることができる。
制御部30は、画像バス入出力回路(I/F)41を有している。画像バス入出力回路41は、システムバス30aと画像データを高速で転送する画像バス30bとを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス30bは、例えば、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
制御部30は、いずれも画像バス30bに接続されるデバイス入出力回路(I/F)42と、RIP部43と、スキャナ画像処理部44と、プリンタ画像処理部45と、暗号処理部46と、復号処理部47とを有している。デバイス入出力回路42は、画像読取部20や画像形成部22を制御部30に接続し、画像データの同期系及び非同期系の変換を行う。RIP部43は、ラスターイメージプロセッサであり、PDLデータをビットマップイメージに展開する。スキャナ画像処理部44は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部45は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。暗号処理部46は、画像データを含む入力データの暗号化処理を行う。復号処理部47は、暗号化データの復号化処理を行う。
<操作部>
次に、操作部(操作パネル)50の各ソフトウェアを制御するハードウェア構成の一例について説明する。操作部50は、マイコン51と、タッチパネルモジュール52と、データコンバータ(Conv)53と、液晶モジュール54とを有している。操作部50は、制御部30に対して、CPU31と通信を行うためのシリアルバス60と、液晶モジュール54に表示するためのデータを転送するバス61とにより接続されている。
マイコン51は、操作部50の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。マイコン51内には、マイコン51が動作するためのプログラムが格納されているROMが搭載されている。タッチパネルモジュール52は、液晶モジュール54の表面に配置され、ユーザが触れることで、触れた箇所の位置情報をマイコン51にタッチパネル通信バス62を介して通知する。操作部50は、液晶モジュール54にソフトウェアキーを表示可能であり、タッチパネルモジュール52への接触により情報を入力可能である。即ち、操作部50は、ソフトウェアキーを表示して情報を入力可能なタッチパネルである。タッチパネルモジュール52は、タッチパネルデバイスとタッチパネルデバイスコントローラとで構成されている。タッチパネルデバイスとしては、抵抗膜式、静電容量方式、赤外線等の光学式のいずれを適用してもよい。
データコンバータ53は、制御部30の操作部入出力回路35からバス61を介して画像データを受け取り、液晶モジュール54が受信可能なデータフォーマットに変換するモジュールである。例えば、制御部30からは、DisplayPortやHDMI(登録商標)といった規格のデータを受信し、液晶モジュール54が受信可能なLVDSやCMOSレベルの信号フォーマットに変換を行い、バス63を介して液晶モジュール54に入力する。また、データコンバータ53は、マイコン51とバス64で接続されており、制御部30から送られてきた画像データに対して、マイコン51で生成された画像データを所定の位置に上書きする機能も有する。
液晶モジュール54は、LCD及びバックライトモジュールとで構成されたモジュールであり、データコンバータ53からのデータをバス63を介して受け取り、予め決められたタイミングで画像データをLCDに転送する。この時、バックライトモジュールが発光することで、LCDに転送された画像データが、可視画像として表示される。バックライトの明るさの調整は、操作部50に付随する明るさ調整専用のスイッチ55,56の操作によって行われる。
スイッチ55がユーザによって一回押し下げられると、マイコン51は、液晶モジュール54内のバックライトモジュールに対して、1段階明るくする設定のコマンドを、バス65を介して送信する。マイコン51からバックライトの明るさを1段階明るくするコマンドを受け取ったバックライトモジュールは、バックライト内のLEDデバイスに対して、予め決められた分の電流値を増加させて供給する。
スイッチ56がユーザによって一回押し下げられると、マイコン51は、液晶モジュール54内のバックライトモジュールに対して、1段階暗くする設定のコマンドを、バス65を介して送信する。マイコン51からバックライトの明るさを1段階暗くするコマンドを受け取ったバックライトモジュールは、バックライト内のLEDデバイスに対して、現在供給している電流値から予め決められた分の電流値を減少させて供給する。
図1に示すように、操作部50は、画像形成装置1の前後方向における中央部よりも前側Fに設けられ、装置本体10の外装カバーの一部である前カバー10aよりも上方に設けられている。操作部50は、例えば四角形の平板状に形成されており、タッチパネルモジュール52が液晶モジュール54(図2参照)の上に積層されて構成されるパネル面(表示画面)57を上側Uに向けて、装置本体10に固定して設けられている。尚、操作部50の形状は四角形の平板状には限られず、他の形状であってもよい。また、タッチパネルモジュール52及び液晶モジュール54の向きは上側Uには限られず、他の方向であってもよい。更に、操作部50は、例えば、装置本体10に対して上下方向にチルト可能(回動可能)であって、タッチパネルモジュール52及び液晶モジュール54の向きを変更可能となるように設けられていてもよい。本実施形態では、操作部50は、画像形成装置1の左右方向において、画像形成装置1の中心よりも右側Rに設けられている。テンキーユニット70は、左右方向において操作部50よりも右側Rに設けられている。
<テンキーユニット>
次に、画像形成装置1に接続される入力装置であるテンキーユニット70のハードウェア構成及び動作について説明する。このテンキーユニット70は、情報を入力可能な操作部50を有する画像形成装置1に装着可能であり、操作部50とは別に画像形成装置1に情報を入力可能である。操作部50とテンキーユニット70との情報入力の使い分けの一例としては、操作部50からは画像形成に関する濃度やサイズ等の設定を入力し、テンキーユニット70からは画像形成の部数やファクシミリの宛先番号等の数値を入力する。尚、本明細書でテンキーとは、0~9までの10個の数値キーを示す場合、数値キーに「*」,「#」を加えた12個のキーを示す場合、数値キーに四則演算子や「NumLock」等を含む20個前後のキーを示す場合のいずれも含む概念としている。
図1及び図3に示すように、テンキーユニット70は、筐体71と、筐体71の上面に設けられた上面カバー72と、上面カバー72に設けられた操作キー100とを有している。操作キー100の配列については後述する。図1に示すように、筐体71は、画像形成装置1の操作部50の右側に隣接して、装置本体10の前側Fにおける右側Rで上側Uを向いた設置面12に、例えばねじ止めや接着などにより装着されている。これにより、ユーザは操作部50を見ながら、右手を利用して容易にテンキーユニット70を使用することができる。
図4に示すように、テンキーユニット70は、ハードウェアキーユニット80と、マイコン73と、内部バス74と、接続ケーブル(接続部)75と、接続ケーブル75の先端に設けられた端子76と、LED77,78と、を有している。本実施の形態では、例えば、内部バス74はUSBであり、接続ケーブル75は筐体71から外部に設けられたUSBケーブル、端子76はUSB端子としている。これにより、画像形成装置1とテンキーユニット70とは、接続ケーブル75を介して電気的に接続される。即ち、接続ケーブル75は、画像形成装置1に対してUSB接続される。尚、本実施形態では、接続ケーブル75は、基板に固着されたコネクタに接続されてテンキーユニット70から取り外せない構成になっている。但し、接続ケーブル75のテンキーユニット70への取付構造は、これには限られず、例えば、テンキーユニット70に内部バス74に接続されたUSBポートを設け、このUSBポートに対してUSBケーブルを着脱可能に接続するようにしてもよい。あるいは、画像形成装置1側からUSBケーブルを設け、このUSBケーブルの端子をテンキーユニット70の内部バス74に接続されたUSBポートに着脱可能に接続するようにしてもよい。
ハードウェアキーユニット80は、複数のハードウェアキーを有している。本実施の形態では、ユーザに操作キー100の操作感(例えばクリック感)を与えるべく、ハードウェアキーの一例としてタクタイルスイッチ81を適用している。タクタイルスイッチ81は、それぞれの操作キー100(図3参照)の筐体71内側に対向する位置に1個ずつ配置される。タクタイルスイッチ81は、例えば、保護カバーと、操作キー100により押されるプランジャと、クリック感を生み出すと共に可動接点として機能する反転ばねと、2つの接点を有するベース部と、により構成されている。尚、タクタイルスイッチ81としては、既存の又は新規の適宜な構成を適用することができるので、詳細な説明は省略する。
マイコン73は、例えば、ハードウェアキーユニット80からの入力検知と、複数のLED77,78の点灯制御と、画像形成装置1のCPU31との外部入出力回路40を介したUSB通信と、を実行可能である。端子76は、装置本体10の外部入出力回路40のUSBコネクタであるコネクタ40a(図2参照)に接続されている。これにより、マイコン73と制御部30とは、接続ケーブル75を介してUSB接続されており、USBのHIDプロトコルで通信可能となっている。
マイコン73は、ユーザによってタクタイルスイッチ81が押し下げられた場合に、押し下げられたタクタイルスイッチ81を特定し、予め決められたコードを生成する。マイコン73は、生成したキーコードを、内部バス74及び接続ケーブル75を介して、画像形成装置1のCPU31に送信する。CPU31は、入力されたキーに応じて処理を行う。
第1のLED(スタート発光部)77は、筐体71内において後述するスタートキー131(図3参照)の裏側に設けられ、制御部30(図2参照)からの信号に基づいてマイコン73により発光される。即ち、スタートキー131は、画像形成装置1からの信号により発光可能な第1のLED77を有する。制御部30は、画像形成部22(図2参照)が画像形成可能な状態になった場合に、第1のLED77を発光させ、画像形成部22が画像形成可能な状態でない場合に、第1のLED77を消灯させる。また、必要に応じて、第1のLED77を点滅させるようにしてもよく、発光させる色を変化させて状態を示すものであってもよい。
第2のLED(設定発光部)78は、筐体71内において後述する第3設定キー143(図3参照)の裏側に設けられ、制御部30(図2参照)からの信号に基づいてマイコン73により発光される。即ち、第3設定キー143は、画像形成装置1からの信号により発光可能な第2のLED78を有する。制御部30は、画像形成装置1のモードが所定のモード、例えば入力モードが音声入力モードに設定された場合に、第2のLED78を発光させ、画像形成装置1のモードが所定のモードでない場合に、第2のLED78を消灯させる。また、必要に応じて、第2のLED78を点滅させるようにしてもよい。
次に、テンキーユニット70の操作キー100の配列について、図3を用いて説明する。ここで、図3は、テンキーユニット70を正面視したものであり、各ハードウェアキーの押し下げ方向と平行な方向から視た図である。操作キー100は、大きく分けて、テンキー部(数値キー部)110と、動作キー部130と、設定キー部140と、を有している。
テンキー部110は、少なくとも数値に関する情報を入力可能な複数のハードウェアキーを有する。本実施の形態では、テンキー部110は、0から9までの数値を入力する数値キー111~120と、「*」を入力するキー121と、「#」を入力するキー122とを有している。数値キー111~120の操作により、コピーの枚数や、ファクシミリの電話番号の入力等を行うことができる。尚、5の数値を入力する数値キー115には、上面に小さい凸部が設けられている。これにより、ユーザはキーを見なくても触感により数値キー115を判別できるので、周囲の数値キー111~120に対してキーを直接見ることなくブラインド入力を実現することができる。
ここで、本実施形態のテンキーユニット70は、画像形成装置1のオプション装置の一つとして装着可能に設計される画像形成装置1の専用のテンキーユニット70である。この専用のテンキーユニット70の用途は、例えば、ファクシミリ送信する際の宛先番号(FAX番号)入力が主になる。専用のテンキーユニット70は、ファクシミリ送信の宛先番号入力を主目的として設計されるため、テンキー部110の配列は電話機と同様である。つまり、テンキーユニット70のテンキー部110の配列は、ITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)Recommendation E.161に示される標準配列と同様である。テンキー部110は、0~9の数値情報をそれぞれ入力するための複数の数値キー120、111~119が電話型の配列でハードウェアキーとして配置されて形成されている。即ち、図3に示すように、テンキー部110において、1から9の数値キー111~119は、最も後側Bが1から3、その前側Fが4から6、その前側Fが7から9となるように隣接配置されている。また、8の数値キー118の前側Fに0の数値キー120が配置され、その左右に*のキー121と#のキー122とが配置されている。
換言すると、0から9の10個のハードウェアキーに関して、1,2,3のハードウェアキーの行が最も奥に配置され、1,2,3の行よりも手前側に4,5,6のハードウェアキーの行が配置される。さらに、4,5,6のハードウェアキーの行よりも手前側に、7,8,9のハードウェアキーの行が配置される。そして、0のハードウェアキーは、7,8,9のハードウェアキーの行よりも手前側に配置される。また、これらの0から9のハードウェアキーを列で見ると、左から1,4,7のハードウェアキーの列、2,5,8,0のハードウェアキーの列、3,6,9のハードウェアキーの列の順に配列されている。つまり、1~9の数値キーは、テンキーユニット70を正面視した場合に3×3のマトリクス状に整列配置されている。また、そして、1~9の数値キーは、列方向において上段から1乃至3の数値キー、4乃至6の数値キー、7乃至9の数値キーが順に配置され、0の数値キーが7乃至9の数値キーの行よりもさらに下段に配置されている。尚、0のハードウェアキーは、1,4,7のハードウェアキーの列、あるいは3,6,9のハードウェアキーの列に配置し、*のキーと#のキーの配置を適宜変更してもよい。更に、このテンキーユニット70では、電卓入力は主目的とされていないため、+、-、×や/などの四則演算子キーは設けられていない。このように、このテンキーユニット70は、PCに接続する目的で設計されていないため、不特定のPC等に接続可能な汎用のテンキーユニットとはキー配列が異なっている。
ここで、汎用のテンキーユニットのキー配列とは、主に電卓と同じキー配列となっている。つまり、汎用テンキーユニットにおいて、0から9の10個のハードウェアキーに関して、7,8,9のハードウェアキーの行が最も奥に配置され、7,8,9の行よりも手前側に4,5,6のハードウェアキーの行が配置される。さらに、4,5,6のハードウェアキーの行よりも手前側に、1,2,3のハードウェアキーの行が配置される。そして、0や00のハードウェアキーは、1,2,3のハードウェアキーの行よりも手前側に配置される。つまり、汎用テンキーユニットにおけるハードウェアキーの配列は、ISO(国際標準化機構)に規定されるものと同様である。また、これらの1から9のハードウェアキーを列で見ると、左から1,4,7のハードウェアキーの列、2,5,8のハードウェアキーの列、3,6,9のハードウェアキーの列の順に配列されている。0や00のハードウェアキーは、1,4,7のハードウェアキーの列、2,5,8のハードウェアキーの列に跨って配置されたり、1,4,7と同じ列に配置されている。更に、数値キーの右側及び後側に、+、-、×や/などの四則演算子キーや機能キー部等が配置されている。このように、本実施形態のテンキーユニット70と汎用のテンキーユニットとは、数値キーの配列や、設けられる機能キー等が異なっている。
また、本実施の形態においては、キー121、122は、画像形成装置1がFAXモードの場合に有効なキーとしている。例えば、画像形成装置1がFAXモードの場合に、ユーザがキー121、122を操作することにより、「*」や「#」の情報が制御部30に送信される。
動作キー部130は、スタートキー(実行キー)131と、ストップキー132と、リセットキー133と、クリアキー134とを有しており、いずれもテンキー部110の前側Fに配置されている。スタートキー131は、所定の処理を開始する情報を入力可能なハードウェアキーからなる。ここでの所定の処理とは、例えば、画像形成装置1のコピー処理、又は、ファクシミリの送信処理などであり、スタートキー131の押し下げによりこれらの処理を開始することができる。ここでは、スタートキー131は、画像読取部20に対して画像読取の開始を指示するためのハードウェアキーとして設けられている。即ち、制御部30は、スタートキー131の操作に応じて、画像形成部22を制御して画像形成動作を開始する。あるいは、制御部30は、スタートキー131の操作に応じて、モデム37を制御してファクシミリの送信を開始する。これにより、モデム37は、スタートキー131が押下されることに応じて画像読取部20によって読み取った画像データのファクシミリの送信を開始する。
スタートキー131は、筐体71が画像形成装置1に装着された状態において、テンキー部110より手前側に配置されている。即ち、スタートキー131は、操作を行うユーザに対して数値キー111~120の前側Fに配置されている。ここでは、スタートキー131は、テンキーユニット70を正面視した場合に、1の数値キー111、4の数値キー114および7の数値キー117の配列方向においてテンキー部110よりも下側(画像形成装置1の手前側)に配置されている。また、スタートキー131は、テンキーユニット70を正面視した場合に、テンキー部110のそれぞれのハードウェアキーであるキー111~122より大きく、テンキーユニット70で一番大きなキーとしている。これにより、ユーザはスタートキー131を容易に押し下げることができるので、スタートキー131がキー111~122と同等の大きさである場合に比べて操作性を向上することができる。また、スタートキー131は、前側Fから視て、テンキー部110の左側Lの端部と右側Rの端部との間の範囲内に配置されている。更に、スタートキー131は、前側Fから視て、テンキー部110の左側Lの端部と右側Rの端部との間の範囲内において、操作部50に近い側、即ち左側Lに配置されている。
本実施の形態では、スタートキー131の後側Bの一部に透過部131aが設けられている。透過部131aは、透過性を有するプラスチック部材からなり、スタートキー131の他の部分と一体化されている。透過部131aの内側には、第1のLED77が設けられている。尚、第1のLED77は、テンキーユニット70が設置面12に装着された際の鉛直方向における透過部131aの下側D、かつ、筐体71の内部に設けられている。このため、画像形成部22(図2参照)が画像形成可能な状態になった場合に、制御部30が第1のLED77を発光させると、第1のLED77からの光は透過部131aを透過してユーザにより認識可能になる。これにより、ユーザは画像形成部22が画像形成可能な状態であるか否かを、テンキーユニット70を見ることにより操作部50を見ることなく確認することができるので、操作性を向上することができる。
ここで、図5に示すように、操作部50のパネル面57には、ソフトウェアテンキー部52aと、ソフトウェアスタートキー52sとを表示可能である。ソフトウェアテンキー部52aは、ソフトウェア数値キー部の一例であり、少なくとも数値に関する情報を入力可能なソフトウェアキーからなり、ソフトウェアキーとして0~9の数値情報をそれぞれ入力するために設けられている。ソフトウェアスタートキー52sは、ソフトウェア実行キーの一例であり、所定の処理を開始する情報を入力可能なソフトウェアキーからなり、ソフトウェアキーとして画像読取部20に対して画像読取の開始を指示するために設けられている。ソフトウェアテンキー部52aは、テンキーユニット70のテンキー部110と同様の機能を有し、ソフトウェアスタートキー52sは、テンキーユニット70のスタートキー131と同様の機能を有している。本実施の形態では、スタートキー131は、パネル面57に表示されたソフトウェアスタートキー52sに対して、筐体71が画像形成装置1に装着された状態において前側Fから視て右側Rに位置している。即ち、スタートキー131を、ソフトウェアスタートキー52sに対して、筐体71の左右方向に隣接するように配置するようにする。これにより、ソフトウェアスタートキー52sとスタートキー131とで操作を共通にすることができるので、いずれのキーを使用する場合でも違和感なく操作性を向上することができる。
また、パネル面57に表示されたソフトウェアキーにおいても、テンキーユニット70のキー配列と同様に、ソフトウェアスタートキー52sはソフトウェアテンキー部52aより手前側に配置されている。即ち、パネル面57に表示されたソフトウェアキー及びテンキーユニット70のいずれも、テンキー部が後側B、スタートキーが前側Fという配置になっている。パネル面57に表示されたソフトウェアテンキー部52a及びソフトウェアスタートキー52sの配列は、テンキーユニット70のテンキー部110及びスタートキー131の配列と同じである。つまり、ソフトウェアテンキー部52aの配列は、テンキー部110の配列と同様に、電話機と同様である。そして、図5に示すように、パネル面57を正面視した場合に、1~9のキーが3×3のマトリクス状に整列配置されている。そして、1~9のキーは、列方向において上段から1乃至3の数値キー、4乃至6の数値キー、7乃至9の数値キーが順に配置され、0の数値キーが7乃至9の数値キーの行よりもさらに下段に配置されている。このように、テンキー部及びスタートキーの前後方向における位置関係を同じにしておくことで、ソフトウェアキーから操作する場合とテンキーユニット70から操作する場合とで操作感が等しくなるので、操作性を向上することができる。尚、パネル面57に表示されたソフトウェアキー及びテンキーユニット70のテンキー部及びスタートキーの配置が異なる場合、例えば、特許文献1のようにテンキーユニットにおいてテンキー部の右側Rにスタートキーが位置する場合は、操作性が悪い。これは、ソフトウェアキーから操作する場合とテンキーユニット70から操作する場合とで、操作方法が変わってしまうためである。
図3に示すように、ストップキー132は、スタートキー131によって開始された所定の処理を停止する情報を入力可能なハードウェアキーである。ストップキー132は、筐体71が画像形成装置1に装着された状態において、テンキーユニット70を正面視した場合に、テンキー部110より前側Fに配置されると共に、前側Fから視てスタートキー131より右側Rに配置されている。即ち、ストップキー132は、テンキーユニット70が画像形成装置1に装着された状態において、テンキーユニット70を正面視した場合にテンキー部110より下側(画像形成装置1の手前側)に配置されている。また、ストップキー132は、テンキーユニット70を正面視した場合に、テンキー部110のそれぞれのハードウェアキーであるキー111~122より大きく設けられている。これにより、ユーザはストップキー132を容易に押し下げることができるので、ストップキー132がキー111~122と同等の大きさである場合に比べて操作性を向上することができる。
リセットキー133は、画像形成装置1に入力した設定をリセットする情報を入力可能なハードウェアキーであり、ユーザによって設定された画像形成装置1の設定を初期状態に戻すためのキーである。リセットキー133は、筐体71が画像形成装置1に装着された状態において、テンキーユニット70を正面視した場合に、テンキー部110より下側(画像形成装置1の手前側)に配置されている。クリアキー134は、テンキー部110により画像形成装置1に入力された数値をクリアする情報を入力可能なハードウェアキーであり、画像形成装置1に対して数値キー111~120によって入力された数値をキャンセルするためのキーである。クリアキー134は、筐体71が画像形成装置に装着された状態において、テンキーユニット70を正面視した場合に、テンキー部110より下側(画像形成装置1の手前側)に配置されている。
設定キー部140は、本実施の形態では、第1設定キー141、第2設定キー142、第3設定キー143の3つのキーを有しており、いずれも画像形成装置1の所定のモードを設定する情報を入力可能なハードウェアキーからなる。各設定キー141~143は、筐体71が画像形成装置1に装着された状態において、テンキーユニット70を正面視した場合に、いずれもテンキー部110より上側(画像形成装置1の奥側)に配置されている。各設定キー141~143は、画像形成装置1の予め決められたモードや機能を設定するためのキーである。ユーザがいずれかの設定キー141~143を押し下げた場合、マイコン73が押し下げられた設定キーに応じて、予め決められたコードを制御部30に送信し、制御部30は予め決められている画像形成装置1の各種モードや機能を設定する。
本実施の形態では、第3設定キー143は全体が透過部143bとされている。透過部143bは、透過性を有するプラスチック部材からなる。透過部143bの内側には、第2のLED78が設けられている。このため、画像形成部22(図2参照)が所定のモード、例えば音声入力モードである場合に、制御部30が第2のLED78を発光させると、第2のLED78からの光は透過部143bを透過してユーザにより認識可能になる。これにより、ユーザは画像形成装置1が音声入力モードであるか否かを、テンキーユニット70を見ることにより操作部50を見ることなく確認することができるので、操作性を向上することができる。
また、各設定キー141~143は、各設定キー141~143に隣接した位置、例えば各設定キー141~143の後側Bには、それぞれ各設定キー141~143に関する情報を示す点字141a~143aが表示されている。即ち、テンキーユニット70を正面視した場合に、各設定キー141~143に関する情報を示す点字141a~143aが、各設定キー141~143に隣接した位置に設けられている。点字141aは、第1設定キー141に対する点字であり、本実施の形態では、第1設定キー141の機能が「A」であることから、大文字のAを意味する点字が設けられている。点字142aは、第2設定キー142に対する点字である。本実施の形態では、第2設定キー142の機能が「B」であることから、大文字のBを意味する点字が設けられている。点字143aは、第3設定キー143に対する点字である。本実施の形態では、第3設定キー143の機能が「C」であることから、大文字のCを意味する点字が設けられている。
また、例えば、第1設定キー141の機能が、例えば「DEF」といった複数文字で構成される場合には、機能の先頭の一文字である「D」のみを点字で構成されるようにする。あるいは、先頭の一文字以外であっても、その複数文字を代表する一文字であるようにしてもよい。第2設定キー142や第3設定キー143であっても、同様である。即ち、本実施の形態では、各点字141a~143aは、設定キー141~143に関する情報を示す一文字である。表示する点字を一文字に限定することで、複数文字を表示する場合に比べてテンキーユニット70の上面が雑然とすることを防止し、点字の読み取りを容易にすることができる。
上述したように、本実施の形態の画像形成装置1によれば、テンキーユニット70が、コピーの開始やファクシミリの送信などの所定の処理を開始する情報を入力可能なスタートキー131がテンキー部110より前側Fに配置されるように装着されている。これにより、テンキー部110への入力直後にスタートキー131を押し下げる場合に、スタートキー131がテンキー部110の左右方向に位置する場合に比べて、手指を容易にスタートキー131に伸ばすことができる。このため、ハードウェアキーからなるテンキー部110及びスタートキー131を有する外付け用のテンキーユニット70において、操作性を向上することができる。
また、本実施の形態の画像形成装置1によれば、テンキー部110及びスタートキー131がテンキーユニット70の前後方向に並んで配置されている。このため、パネル面57の表示を見ながら操作をする際に、テンキー部110及びスタートキー131のどちらのキーもパネル面57と共に視界に入りやすく、操作性を向上することができる。ここで、操作部50は、装置本体10の正面右側に設けられることが比較的多い。テンキーユニット70がオプションの場合、操作性の観点から操作部50の更に右側Rに取付られる場合が多く、仮にテンキー部110とスタートキー131とを左右方向に並べる構成であると、テンキーユニット70の左右方向の幅が大きくなってしまう。そのため、オプションを取り付けるための左右方向のスペースが必要となり、画像形成装置1の専有面積が大きくなってしまう。または、操作部50を左側Lにずらしてオプションを取り付けるスペースを確保すると、操作部50によってシート排出部23の視認性が悪くなってしまう。このように、本実施の形態の画像形成装置1によれば、テンキー部110及びスタートキー131を前後方向に並べることで、キーを左右方向に並べる構成よりもテンキーユニット70の左右方向の大きさを小さくすることができる。
尚、上述した実施の形態では、スタートキー131及び第3設定キー143にLED77,78が設けられる場合について説明したが、これには限られない。例えば、他の設定キー141,142にLEDを設けたり、あるいは数値キー111~120などにLEDを設けてもよい。