JP7490601B2 - シート状マスク - Google Patents
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例えば、特許文献1には、口と鼻を覆う防覆体の両側に、防覆体を保持する環状の耳掛けを設け、防覆体を形成する一対の防覆片を弧状の内縁に沿って圧着部で加熱圧着し、防覆体が立体的形状となるようにしたマスクが記載されている。このマスクにおいては、圧着部を裂けにくくするため、圧着部の上部及び下部の幅を、中間部よりも広く設定している。
また、特許文献2には、二つ折りされたマスク本体を備えるシート状マスクが記載されている。このシート状マスクは、着用時に破れ難い立体形状とするため、上下方向の上方に配される鼻側折り接合部と、上下方向の下方に配される顎側折り接合部とを有しており、鼻側折り接合部の融着部の延びる方向と、顎側折り接合部の融着部の延びる方向とが異なっている。
シート状マスクの密封性を高めるには、所定幅の鼻顎シールを全面で接着させることが理想的である。しかし、アンビルロールを用いてマスク部材を所定幅全面で接着させて鼻顎シールを形成しようとすると、線圧の低下により、接着強度の部分的な低下が生じる場合がある。即ち、シート状マスクの鼻顎シールにおけるマスクの密封性とマスク部材接着性との両立は困難であった。
また、本発明は、前記シート状マスクを好適に製造できる、シート状マスクの製造方法に関する。
また、本発明のシート状マスクの製造方法によれば、前記シート状マスクを好適に製造できる。
本発明においては、特に断らない限り、着用者の鼻、口及び顎を結ぶ方向を上下方向という。
本実施形態のシート状マスク(以下、単に「マスク」ともいう。)10は、着用者の顔の左側部分及び右側部分をそれぞれ覆う左右一対のマスク部材11,11を備えている。また、一対のマスク部材11,11の輪郭が、揃うように重ねられている。そのため、一対のマスク部材11,11を重ねた状態(マスク10の使用前の状態)でマスク10を側面視すると、図1に示すように、一方の面側のマスク部材11のみが観察される。
マスク部材11とは、シート状の材料であり、通常マスクに適用される種々の素材を用いることができる。例えば、繊維シートやポリウレタンシート等が挙げられる。繊維シートとしては不織布が挙げられ、種々の不織布が用いられる。また、マスク部材11は伸縮性を有するものであってもよい。マスク部材11は、後述の帯状の溶着領域21を形成する観点から、熱可塑性繊維を含むことが好ましい。
各マスク部材11は単一の素材からなるものに限らず、複数の素材から構成されてもよい。例えば、伸縮性シート及び凹凸シートの積層体が挙げられる。かかる場合、凹凸シートとしては、フィルタ層(平均繊維径3000nm以下の繊維を構成繊維とする層)及びスパンボンド不織布層を積層させたものが好ましい。前記フィルタ層を含むことで、また該フィルタ層を含むシートが凹凸形状を有することで、フィルタ層の有効面積が増え、低通気抵抗を維持しながら、空気中の微粒子等に対する捕集性が極めて高くなり、また柔軟性が増す。加えて、前記フィルタ層が上記の極細繊維を含むことで密度が高まって繊維同士の接点が増え、後述の溶着部の接着性を高めることができる。
この観点から、細密繊維層Aの平均繊維径は2000nm以下が好ましく、1000nm以下がより好ましい。
また、細密繊維層Aの平均繊維径は、通気性を適度に確保して、マスク10の使用者が呼吸を楽に行いやすくする観点から、200nm以上が好ましく、300nm以上がより好ましく、400nm以上が更に好ましい。
フィルタ層の平均繊維径は、繊維長さ方向に直交する繊維断面における最大差し渡し長さを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定することができる。具体的な手順は以下のとおりである。
マスク部材を丁寧に剥がして何層の構成になっているかを確認した上で、繊維径が最も細い層(濾過材として機能する層)を測定対象の繊維層とする。SEM観察による二次元画像から、繊維の塊、繊維どうしの交差部分、ポリマー液滴といった欠陥を除いた繊維を任意に500本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引いたときの長さを繊維径として直接読み取る。測定した繊維径の頻度分布(ヒストグラム)から累積頻度が全体の50%となるメジアン繊維径を求め、これを、測定対象の繊維層を構成する繊維の平均繊維径とする。
一方、マスク部材11の正面縁部以外には、マスク部材11,11同士を開閉可能な縁部が存在する。従って、着用時にはマスク部材11同士を溶着領域21以外の縁部から開くことができ、着用者の口や鼻を覆うことが可能なマスク10となる。
また、上記の幅の設定であれば、マスク10を製造する工程において、帯状シート部材31の切断位置が多少ずれても、一定の幅の溶着領域21を確保することができる。例えば、図2に示す幅広の溶着領域21を帯状シート部材31に形成し、溶着領域21の幅方向中央(図2中の一点鎖線)に沿って切断する。こうすることで、幅方向中央よりもマスク内方側が一定幅の溶着領域21となり、幅方向中央よりもマスク外方側がいわゆる捨てシール部として切り離される。なお、マスク10の具体的な製造方法については後述する。
溶着領域21は、溶着部25と非溶着部26との混在部28を有することにより、溶着領域21全面の溶着を避けた領域としている。溶着する部分を限定することで、マスク10の製造工程において線圧の低下を抑制することができ、十分な強度で接合された溶着領域21となる。
溶着部25の配置パターンの種類としては、混在部28において、図2及び3に示すような格子状、図4に示すような海島状(非溶着部26の周りを溶着部25で囲むように配された配置パターン)、該格子状又は該海島状の溶着部25と非溶着部26とを入れ替えたようなドット状(図5及び6参照)等、種々のものが挙げられる。或いは、溶着部25が不規則に混在部28全体に散らばるように配されるパターン(不規則な網目状等)であってもよい。中でも、溶着領域21の鼻側部22から顎側部24まで繋がる溶着部25を複数形成する観点から、溶着部25の配置パターンとしては格子状が好ましい。
また、格子状パターンにおいて溶着部25の幅や非溶着部26の大きさが異なるものや、海島状パターンにおいて隣り合う非溶着部26,26同士の間隔(図示せず)を変えたもの等、溶着部25及び非溶着部26の大きさや配置を変化させた溶着領域21も、複数種の配置パターンが配された溶着領域21に含まれる。
例えば、図2に示す溶着領域21では、中央部23における溶着部25の格子状パターン(図3(A)に示す格子状パターン)のシール幅が、鼻側部22及び顎側部24における溶着部25の格子状パターン(図3(B)に示す格子状パターン)のシール幅よりも、狭くされている。即ち、図2に示す溶着領域21は、溶着部25の配置パターンが複数種配されている。
鼻側部22とは、主に着用者の鼻を覆うマスク10の部分である。顎側部24は、主に着用者の顎を覆うマスク10の部分である。鼻側部22及び顎側部24の間は、後述の中央部23となる。
例えば、図2に示すマスク10では、溶着領域21のマスク内方側が、鼻側の端部22Tから顎側の端部24Tまで繋がった一本の線条の弓状連続溶着部29で接合されている。即ち、線条の弓状連続溶着部29が溶着領域21のマスク内方側を縁取っている。
なお、マスク10が弓状連続溶着部29を有していれば、混在部28(溶着領域21から弓状連続溶着部29を除いた部分)における溶着部25は、鼻側部22から顎側部24まで繋がっていなくてもよい。例えば、混在部28における溶着部25は前述のドット状であってもよい。
また、弓状連続溶着部29は、溶着領域21が有する混合部28の範囲を十分確保して均質な接着性を高める観点から、溶着領域21の幅に対して50%以下の幅を有することが好ましく、40%以下の幅を有することがより好ましく、30%以下有することが更に好ましい。
例えば、図2に示す溶着領域21には、弓状連続溶着部29に加え、溶着部25を辿った経路が鼻側の端部22Tから顎側の端部24Tまで繋がる蛇行状連続パターン27が混在部28にある。弓状連続溶着部29及び蛇行状連続パターン27という複数の連続経路により、溶着領域21の密封性を高めることができる。
溶着部25の配置パターンが格子状等で複雑であっても、溶着部25が一部の経路で鼻側部22から顎側部24まで繋がっていれば、連続経路に含まれる。例えば、図2における混在部28では、溶着部25の格子状パターンが、鼻側の端部22Tから顎側の端部24Tまで、途中の中央部21Bにおいて配置パターンが異なっているが、途切れることなく繋がって蛇行状連続パターン27をなしている。
鼻側部22及び顎側部24とは溶着部25の配置パターンの異なる中央部23があることで、中央部23における溶着部25の溶着面積比率を鼻側部22及び顎側部24における溶着部25の溶着面積比率と変えることができる。ここで、「溶着面積比率」とは、混在部28の面積(溶着部25の面積と非溶着部26の面積との合計)に対する溶着部25の面積の割合である。
図2及び3に示すように、中央部23における溶着部25のシール幅を狭くし、中央部23における溶着部25の溶着面積比率を鼻側部22及び顎側部24における溶着部25の溶着面積比率よりも小さくすると、マスク10の製造において一対のマスク部材11,11同士を接合させる際に、線圧の急変を一層効果的に抑制することができ、より均質な溶着部25が形成される。その結果、溶着部25の接着性が一層向上しやすくなる。
反対に、鼻側部22及び顎側部24における溶着部25のシール幅を狭くし、鼻側部22及び顎側部24における溶着部25の溶着面積比率を中央部23における溶着部25の溶着面積比率よりも小さくすると、マスク10の使用時に着用者の鼻や顎に接しやすい部分を柔らかくすることができる。その結果、マスク10のフィット性が向上する。
弱溶着領域30において、溶着部25は、溶着領域21の延在方向に繋がっていないことが好ましい。例えば、図5に示す弱溶着領域30では、溶着部25はドット状であり、溶着部25,25同士が非溶着部26によって溶着領域21の延在方向に断絶されている。即ち、ドット状の溶着部25は溶着領域21の延在方向に繋がっておらず、弓状連続溶着部29及び蛇行状連続パターン27のように連続していない。弱溶着領域30の溶着部25が溶着領域21の延在方向に繋がっていないことで、溶着領域21の剛性(こし)を低減することができ、マスク10の使用時に着用者の鼻や顎に接しやすい部分を柔らかくすることができる。その結果、マスク10のフィット性が向上する。
鼻側の端部22T及び顎側の端部24Tの少なくとも一方には達しない形態の連続経路は、弓状連続溶着部29であっても蛇行状連続パターン27であってもよいが、肌に接する部分であるマスク内方側の溶着領域21を柔らかくする観点から、弓状連続溶着部29であることが好ましい。
図7に示すように、自然状態のマスク部材11の断面視において、厚み方向に直交する方向の直線の長さをS0、マスク部材11の一方の面に沿った線の長さをS1、マスク部材11の他方の面に沿った線の長さをS2とする。自然状態のマスク部材11において、マスク部材11の形状に起因した長さS1又はS2がS0の1.1倍以上となるとき、マスク部材11が厚み方向に立体形状を有すると判断する。即ち、S1をS0で除した値(S1/S0)及びS2をS0で除した値(S2/S0)のいずれかが1.1以上であるとき、マスク部材11は厚み方向に立体形状を有すると判断する。また、汎用素材を用いて立体形状を良好に形成できる観点から、S1/S0及びS2/S0はいずれも10以下であることが好ましい。
立体形状の別の具体例としては、嵩高の帯状シート部材31の一部に機械加工を施してシート厚みを減少させ、エンボスとしたものも挙げられる。このような立体形状は、帯状シート部材31に型押し加工を行うことで、形成することができる。
積層工程及び接合工程により、図10(A)に示すような溶着領域21を帯状シート部材31の幅方向に形成し、且つ溶着領域21を帯状シート部材31の長手方向に等間隔で連続的に形成する。その後、図10(B)に示すように、マスクの形状となるように帯状シート部材31を切断し、本発明のマスク10を連続製造することができる。帯状シート部材31の内、切断によってマスク部材11となる領域を、本明細書では「マスク予定領域」という。
本発明のマスク10の製造方法は、積層工程、搬送工程及び接合工程以外に、他の工程を適宜有してもよい。また、上記の一対の帯状シート部材31,31は、それぞれ別々のシート部材を積層してなるものであってもよく、1枚のシート部材を折り畳んでなるものであってもよい。
連続凸部における「連続」は、蛇行状連続パターン27における「連続」及び弓状連続溶着部29における「連続」の意味と同様である。即ち、連続凸部とは、アンビルロールの周面から突出した部分(凸部)の内、軸方向に向かって、鼻側部22に対向する部分から顎側部24に対向する部分まで繋がっているものをいう。
ここで、連続凸部が配されている「軸方向」は、軸方向と完全に平行であることを要しない。概ね軸方向に延びるように配されていればよい。
帯状シート部材31に連続シートを用いてマスク10を搬送方向に連続形成するに当たり、溶着領域21はマスク予定領域33毎に、間欠的に形成される。溶着領域21の間を埋めるように、マスク予定領域33の外側に間欠パターンシール部32を形成する(図11参照)。この間欠パターンシール部32は、マスク予定領域33の外側にあり、いわゆる捨てシール部である。
間欠パターンシール部32を形成する工程により、溶着領域21を形成しない領域であっても、アンビルロールの軸方向のいずれかの位置で、常に溶着を行うことができるようになる。その結果、溶着時における線圧の急変を抑制することができ、溶着領域21を所望のパターン通りに接着性よく形成しやすくなる。加えて、一対の帯状シート部材31,31同士が溶着領域21だけでなく間欠パターンシール部32によっても接合されるので、マスク10の製造の過程で帯状シート部材31,31同士がずれにくくなり、一対のマスク部材11,11の輪郭が揃ったマスク10を製造しやすくなる。更に、間欠パターンシール部32とマスク予定領域33とが繋がっていると、帯状シート部材31の搬送性を安定化させることができる。
着用者の顔の左側部分及び右側部分をそれぞれ覆う一対のマスク部材を備えたシート状マスクであって、
前記一対のマスク部材の輪郭が揃うように重ねられ、前記着用者の鼻、口及び顎を結ぶ領域に対応する前記マスク部材の正面縁部に、前記一対のマスク部材同士を接合した帯状の溶着領域が配されており、
前記帯状の溶着領域には、前記マスク部材の溶着部と非溶着部との混在部が鼻側の端部から顎側の端部まであり、
前記溶着領域には、前記溶着部の配置パターンが複数種配されており、
前記配置パターンには、前記帯状の溶着領域の平面視にて前記溶着部を辿った経路が鼻側部から顎側部まで繋がるパターンが含まれている、シート状マスク。
前記配置パターンとして、前記帯状の溶着領域のマスク内方側に、前記混在部の鼻側部から顎側部までを縁取る弓状連続溶着部が配されている、<1>記載のシート状マスク。
<3>
前記帯状の溶着領域が、前記鼻側部及び前記顎側部とは前記配置パターンの異なる中央部を有する、<1>又は<2>記載のシート状マスク。
<4>
前記帯状の溶着領域において、前記鼻側部の前記溶着部の配置パターンと前記顎側部の前記溶着部の配置パターンとが異なる、<1>~<3>のいずれか1に記載のシート状マスク。
前記鼻側部及び前記顎側部の少なくとも一方において、溶着面積比率が中央部よりも小さい弱溶着領域が存在し、該弱溶着領域において前記溶着部が前記帯状の溶着領域の延在方向に繋がっていない、<1>~<4>のいずれか1に記載のシート状マスク。
<6>
前記弓状連続溶着部が、前記帯状の溶着領域における鼻側の端部及び顎側の端部の少なくとも一方に達していない、<2>記載のシート状マスク。
前記マスク部材が、厚み方向において立体形状を有する、<1>~<6>のいずれか1に記載のシート状マスク。
<8>
前記立体形状の凸部が、前記マスク部材の平面方向における一方向に延びる凸条である、<7>記載のシート状マスク。
前記マスク部材が伸縮性シート及び凹凸シートの積層体である、<1>~<8>のいずれか1に記載のシート状マスク。
<10>
前記凹凸シートが、フィルタ層及びスパンボンド不織布層を積層させたものである、<9>記載のシート状マスク。
前記マスク部材同士を開閉可能な縁部が存在する、<1>~<10>のいずれか1に記載のシート状マスク。
<12>
前記溶着部の配置パターンが格子状又は海島状である、<1>~<11>のいずれか1に記載のシート状マスク。
一対の帯状シート部材を重ねる工程、
ロール周面上に複数種の凹凸パターンを有するアンビルロールと、該アンビルロールの周面に対向配置させたエネルギー付与部との間に、前記帯状シート部材を搬送する工程、及び
前記エネルギー付与部から付与されるエネルギーにより前記シート部材同士を接合して、複数種の配置パターンで配された溶着部を備えた帯状の溶着領域を形成する工程を備え、
前記凹凸パターンが有する凸部には、前記アンビルロールの軸方向に繋がっている連続凸部が含まれ、
前記帯状の溶着領域を前記凹凸パターンに応じて形成する、シート状マスクの製造方法。
前記アンビルロールが、前記凹凸パターンのロール軸方向の両脇に、凸部の間欠パターンを有し、
前記帯状シート部材に対し、前記帯状シート部材のマスク予定領域の外側で、前記帯状の溶着領域の両端から搬送方向に向かって、前記凸部の間欠パターンに対応した間欠パターンシール部を形成する、<13>記載のシート状マスクの製造方法。
<15>
前記帯状の溶着領域を形成した後に、前記間欠パターンシール部を形成する、<14>記載のシート状マスクの製造方法。
<16>
前記帯状の溶着領域が、前記マスク予定領域毎に、間欠的に形成され、
前記帯状の溶着領域の間を埋めるように、前記マスク予定領域の外側に前記間欠パターンシール部を形成する、<14>又は<15>記載のシート状マスクの製造方法。
<17>
前記凹凸パターンと前記エネルギー付与部とで前記帯状シート部材を挟み込み、前記エネルギー付与部から超音波のエネルギーを付与する、<13>~<16>のいずれか1に記載のシート状マスクの製造方法。
11 マスク部材
12 凸条
21 帯状の溶着領域
22 鼻側部
22T 鼻側の端部
23 中央部
24 顎側部
24T 顎側の端部
25 溶着部
26 非溶着部
27 蛇行状連続パターン
28 混在部
29 弓状連続溶着部
30 弱溶着領域
31 帯状シート部材
32 間欠パターンシール部
33 マスク予定領域
Claims (10)
- 着用者の顔の左側部分及び右側部分をそれぞれ覆う一対のマスク部材を備えたシート状マスクであって、
前記一対のマスク部材の輪郭が揃うように重ねられ、前記着用者の鼻、口及び顎を結ぶ領域に対応する前記マスク部材の正面縁部に、前記一対のマスク部材同士を接合した帯状の溶着領域が配されており、
前記帯状の溶着領域には、前記マスク部材の溶着部と非溶着部との混在部が鼻側の端部から顎側の端部まであり、
前記溶着領域には、該溶着領域の延在方向及び幅方向の少なくとも一つの方向で、前記溶着部の配置パターンが複数種配されており、
前記配置パターンには、前記帯状の溶着領域の平面視にて前記溶着部を辿った経路が鼻側部から顎側部まで繋がるパターンが含まれている、シート状マスク。 - 前記配置パターンとして、前記帯状の溶着領域のマスク内方側に、前記混在部の鼻側部から顎側部までを縁取る弓状連続溶着部が配されている、請求項1記載のシート状マスク。
- 前記帯状の溶着領域が、前記鼻側部及び前記顎側部とは前記配置パターンの異なる中央部を有する、請求項1又は2記載のシート状マスク。
- 前記帯状の溶着領域において、前記鼻側部の前記溶着部の配置パターンと前記顎側部の前記溶着部の配置パターンとが異なる、請求項1~3のいずれか1項に記載のシート状マスク。
- 前記鼻側部及び前記顎側部の少なくとも一方において、溶着面積比率が中央部よりも小さい弱溶着領域が存在し、該弱溶着領域において前記溶着部が前記帯状の溶着領域の延在方向に繋がっていない、請求項1~4のいずれか1項に記載のシート状マスク。
- 前記弓状連続溶着部が、前記帯状の溶着領域における鼻側の端部及び顎側の端部の少なくとも一方に達していない、請求項2記載のシート状マスク。
- 前記マスク部材が、厚み方向において立体形状を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のシート状マスク。
- 前記立体形状の凸部が、前記マスク部材の平面方向における一方向に延びる凸条である、請求項7記載のシート状マスク。
- 一対の帯状シート部材を重ねる工程、
ロール周面上に複数種の凹凸パターンを有するアンビルロールと、該アンビルロールの周面に対向配置させたエネルギー付与部との間に、前記帯状シート部材を搬送する工程、及び
前記帯状シート部材のうち、切断によってマスク部材となるマスク予定領域の正面縁部となる領域において、前記エネルギー付与部から付与されるエネルギーにより前記帯状シート部材同士を接合して、複数種の配置パターンで配された溶着部を備えた帯状の溶着領域を形成する工程を備え、
前記凹凸パターンが有する凸部には、前記アンビルロールの軸方向に向かって、前記正面縁部となる領域の鼻側部に対応する部分から顎側部に対応する部分まで繋がっている連続凸部が含まれ、
前記帯状の溶着領域を前記凹凸パターンに応じて形成する、シート状マスクの製造方法。 - 前記アンビルロールが、前記凹凸パターンのロール軸方向の両脇に、凸部の間欠パターンを有し、
前記帯状シート部材に対し、前記帯状シート部材の前記マスク予定領域の外側で、前記帯状の溶着領域の両端から搬送方向に向かって、前記凸部の間欠パターンに対応した間欠パターンシール部を形成する、請求項9記載のシート状マスクの製造方法。
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