JP7487818B1 - リチウム含有溶液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶離工程後の溶液のリチウム含有率を高め、溶離工程後の工程の溶液の量を抑制することで、リチウム製造のための製造コストを抑えることが可能なリチウム含有溶液の製造方法を提供する。【解決手段】リチウム含有溶液の製造方法は、吸着工程と、吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、マンガン酸化工程と、をこの順で実行する。溶離工程は、酸含有溶液のH+濃度が高い第1溶離工程と、第1溶離工程よりも酸含有溶液のH+濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成される。そして、第1溶離工程の後に第2溶離工程を行う。この構成により、第1溶離工程で効率よく溶離が行われるとともに、第2溶離工程では酸含有溶液の水素イオン濃度を高くする必要がないので、酸含有溶液に追加する酸の量を抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム含有溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、溶離工程後の溶液におけるリチウムの含有率を高め、溶離工程後の工程で用いられる溶液の量を抑制することで、リチウム製造のための製造コストを抑えることが可能なリチウム含有溶液の製造方法に関する。
スピネル型の構造を持つ、マンガン酸リチウム(LiMn、Li1.33Mn1.67、Li1.6Mn1.6等)に塩酸などの鉱酸を接触させることで得られるλ-MnO(HMn、H1.33Mn1.67、H1.6Mn1.6等)は、選択的にリチウムを吸着することが知られている。このλ-MnOをリチウム回収に用いた場合、λ-MnOは不純物を吸着しないため、リチウム回収において中和剤の使用量を大幅に低減できるといったメリットがある。このことから、この方法の商業利用が期待されている。このλ-MnOを用いたリチウム含有溶液の製造方法が、特許文献1で開示されている。
特許文献1のリチウム含有溶液の製造方法は、溶離工程に用いられる酸含有溶液として、溶離工程で得られた溶離溶液の全量に対して酸を追加して、酸含有溶液の水素イオン濃度を調整することで、溶離工程後の工程で用いられる溶離溶液の量を抑制する。
国際公開2022/210847号
しかるに、酸含有溶液は、水素イオン濃度を所定の値にするために酸が追加される必要があり、酸の追加量が多いと、溶離溶液後の工程で用いられる溶液の量を抑制する効果は限定的であるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、溶離工程後の溶液におけるリチウム含有率を高め、溶離工程後の工程で用いられる溶液の量を抑制することで、リチウム製造のための製造コストを抑えることが可能なリチウム含有溶液の製造方法を提供することを目的とする。
第1発明のリチウム含有溶液の製造方法は、マンガン酸リチウムから得られたリチウム吸着剤に低濃度リチウム含有溶液を接触させて吸着後マンガン酸リチウムを得る吸着工程と、前記吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、前記溶離溶液に、酸化剤およびpH調整剤を追加することでマンガンを酸化させ、マンガン濃度を抑制したリチウム含有溶液を得るマンガン酸化工程と、をこの順で実行し、前記溶離工程は、第1溶離工程と、該第1溶離工程よりも前記酸含有溶液の水素イオン濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成され、前記第1溶離工程の後に前記第2溶離工程が行われていることを特徴とする。
第2発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第1発明において、前記第1溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、1.0mol/L以上4.0mol/L以下であり、前記第2溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、0.1mol/L以上0.5mol/L以下であることを特徴とする。
第3発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第1発明において、前記溶離溶液は、前記溶離工程において、リチウムを高濃度で含む高濃度リチウム溶離溶液と、該高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い低濃度リチウム溶離溶液と、に分離され、前記溶離工程で用いられる前記酸含有溶液には、前記低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものが含まれ、前記マンガン酸化工程で用いられる前記溶離溶液に、前記高濃度リチウム溶離溶液が含まれることを特徴とする。
第4発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第3発明において、前記高濃度リチウム溶離溶液は、前記溶離工程を経て得られる前記溶離溶液のうち、前記溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液であることを特徴とする。
第5発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第3発明において、前記高濃度リチウム溶離溶液は、前記溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた前記溶離溶液であることを特徴とする。
第6発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第1発明において、前記溶離工程後に得られる溶離後リチウム吸着剤を洗浄する水洗工程が、前記溶離工程後に設けられ、前記水洗工程で得られる水洗後液が、前記酸含有溶液に加えられることを特徴とする。
第1発明によれば、溶離工程が、第1溶離工程と、それよりも酸含有溶液の水素イオン濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成され、第1溶離工程の後に第2溶離工程が行われることにより、第1溶離工程で効率よく溶離が行われるとともに、第2溶離工程では酸含有溶液の水素イオン濃度を高くする必要がないので、酸含有溶液に追加する酸の量を抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。これにより、リチウム製造のための製造コストを抑えることができる。
第2発明によれば、第1溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度と、第2溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度が所定の値であることにより、リチウム吸着剤からのマンガンの溶解を抑制できるとともに、溶離の効率を高めることができる。
第3発明によれば、高濃度リチウム溶離溶液が、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液に含まれることにより、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。また、低濃度リチウム溶離溶液だけが酸含有溶液に加えられるので、少量の酸を加えるだけで酸含有溶液内の水素イオン濃度を上げることができ、その結果として酸含有溶液の量をさらに抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。
第4発明によれば、高濃度リチウム溶離溶液は、溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液であることにより、高濃度リチウム溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。
第5発明によれば、高濃度リチウム溶離溶液は、溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた溶離溶液であることにより、高濃度リチウム溶離溶液を容易に得ることができる。
第6発明によれば、水洗工程で得られる水洗後液が、酸含有溶液に加えられることにより、水洗工程で廃棄せざるを得なかったリチウムを回収することができる。
本発明の第1実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。 本発明の第2実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。 本発明の第3実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。 本発明の第4実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。 図2のリチウム含有溶液の製造方法において、溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分ごとのリチウム濃度を示すグラフである。 図3のリチウム含有溶液の製造方法において、水洗後液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分ごとのリチウム濃度を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具現化するためのリチウム含有溶液の製造方法を例示するものであって、本発明はリチウム含有溶液の製造方法を以下のものに特定しない。
本発明に係るリチウム含有溶液の製造方法は、マンガン酸リチウムから得られたリチウム吸着剤に低濃度リチウム含有溶液を接触させて吸着後マンガン酸リチウムを得る吸着工程と、前記吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、前記溶離溶液に、酸化剤およびpH調整剤を追加することでマンガンを酸化させ、マンガン濃度を抑制したリチウム含有溶液を得るマンガン酸化工程と、をこの順で実行し、前記溶離工程は、第1溶離工程と、該第1溶離工程よりも前記酸含有溶液の水素イオン濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成され、前記第1溶離工程の後に前記第2溶離工程が行われている。
溶離工程が、第1溶離工程と、それよりも酸含有溶液の水素イオン濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成され、第1溶離工程の後に第2溶離工程が行われることにより、第1溶離工程で効率よく溶離が行われるとともに、第2溶離工程では酸含有溶液の水素イオン濃度を高くする必要がないので、酸含有溶液に追加する酸の量を抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる、これにより、リチウム製造のための製造コストを抑えることができる。
また、前記第1溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、1.0mol/L以上4.0mol/L以下であり、前記第2溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、0.1mol/L以上0.5mol/L以下であることが好ましい。この態様により、リチウム吸着剤からのマンガンの溶解を抑制できるとともに、溶離の効率を高めることができる。
また、前記溶離溶液は、前記溶離工程においてリチウムを高濃度で含む高濃度リチウム溶離溶液と、該高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い低濃度リチウム溶離溶液と、に分離され、前記溶離工程で用いられる前記酸含有溶液には、前記低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものが含まれ、前記マンガン酸化工程で用いられる前記溶離溶液に、前記高濃度リチウム溶離溶液が含まれることが好ましい。この態様により、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。また、低濃度リチウム溶離溶液だけが酸含有溶液に加えられるので、少量の酸を加えるだけで酸含有溶液内の水素イオン濃度を上げることができ、その結果として酸含有溶液の量をさらに抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。
また、前記高濃度リチウム溶離溶液は、前記溶離工程を経て得られる前記溶離溶液のうち、前記溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液であることが好ましい。この態様により、高濃度リチウム溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。
また、前記高濃度リチウム溶離溶液は、前記溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた前記溶離溶液であることが好ましい。この態様により、高濃度リチウム溶離溶液を容易に得ることができる。
また、前記溶離工程後に得られる溶離後リチウム吸着剤を洗浄する水洗工程が、前記溶離工程後に設けられ、前記水洗工程で得られる水洗後液が、前記酸含有溶液に加えられることが好ましい。この態様により、水洗工程で廃棄せざるを得なかったリチウムを回収することができる。
(第1実施形態)
(吸着工程の前段階)
吸着工程では、リチウム吸着剤に低濃度リチウム含有溶液を接触させて、吸着後マンガン酸リチウムが得られるが、この吸着工程で使用するリチウム吸着剤を得る方法について説明する。なお、図1には、本発明の第一実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図が示されているが、「吸着工程の前段階」の説明は、図1の最上段に位置するH1.6Mn1.6が得られる段階である。
マンガン酸リチウムは、数1に示すように、酸処理を施されることによりリチウム吸着剤となる。なお、数1ではマンガン酸リチウムをLi1.6Mn1.6と表したが、マンガン酸リチウムはこれに限定されない。例えばLi1.33Mn1.67を使用することもできる。すなわちマンガン酸リチウムがLi1.6Mn1.6である場合、リチウム吸着剤はH1.6Mn1.6となるが、マンガン酸リチウムが、例えばLi1.33Mn1.67である場合、リチウム吸着剤はH1.33Mn1.67となる。また酸処理に用いられる酸をHClとしたが、これに限定されない。例えば硫酸、硝酸などを使用することもできる。
マンガン酸リチウムの形状は、吸着工程でのリチウムの吸着を考慮した形態となる。例えばマンガン酸リチウムの形状は、粉末状、粉末を造粒した粒子状、カラムの繊維に吹き付けたカラム状など様々な形状とすることができる。酸処理が行われると、例えばリチウム吸着剤として、H1.6Mn1.6が得られる。リチウム吸着剤の形状は、酸処理が行われる前のマンガン酸リチウムの形状と同じである。
[数1]
Li1.6Mn1.6+1.6HCl→H1.6Mn1.6+1.6LiCl
(吸着工程)
図1には、本発明の第1実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図を示す。吸着工程では、リチウム吸着剤に低濃度リチウム含有溶液を接触させて、数2に示すHとLiとのイオン交換反応により吸着後マンガン酸リチウムを得る。本明細書では、吸着工程で得られたマンガン酸リチウムを、吸着後マンガン酸リチウムと称することがある。
[数2]
1.6Mn1.6+1.6LiCl→Li1.6Mn1.6+1.6HCl
低濃度リチウム含有溶液は、例えば海水、または塩湖のかん水が該当する。例えば海水には平均0.17ppmのリチウムが含まれている。ただしこれらの低濃度リチウム含有溶液には、リチウムのほかに、ナトリウム、マグネシウムまたはカルシウムなどの元素が溶解している。本発明のリチウム含有溶液の製造方法によれば、これらの元素が溶解している低濃度リチウム含有溶液から、リチウムを選択的に回収することが可能である。なお、低濃度リチウム含有溶液については、後述するリチウム含有溶液と比較して、単位体積あたりのリチウム量が少ない、すなわちリチウム濃度が低いことを意味している。
吸着工程では、吸着剤の形状により、低濃度リチウム含有溶液と吸着剤との接触方法が異なる。例えば吸着剤が粉状である場合は、低濃度リチウム含有溶液に所定量の吸着剤が投入され、所定時間かき混ぜられることで、低濃度リチウム含有溶液と吸着剤とが接触し、リチウムが吸着剤に吸着する方法が一つの方法として挙げられる。吸着剤が粒子状である場合は、通液容器に粒子状の吸着剤が封入され、低濃度リチウム含有溶液が通液されることで、低濃度リチウム含有溶液と吸着剤とが接触し、吸着剤にリチウムが吸着する方法が一つの方法として挙げられる。吸着剤がカラムの繊維に吹き付けられている場合は、低濃度リチウム含有溶液がカラムを通り抜けることにより、低濃度リチウム含有溶液と吸着剤とが接触し、吸着剤にリチウムが吸着する方法が一つの方法として挙げられる。なお、低濃度リチウム含有溶液を通液する際は、吸着剤への接触回数を確保するために、繰り返し通液を行う場合がある。
吸着工程を経ると、吸着剤は吸着後マンガン酸リチウムとなる。また低濃度リチウム含有溶液は、吸着剤によりリチウムが吸着された後は吸着後液となる。この吸着後液は、低濃度リチウム含有溶液を採取した海または湖に放流される。その際、吸着後液は、中和処理等、放流に適した状態に処理された後放流される。
(溶離工程)
溶離工程では、吸着後マンガン酸リチウムに酸含有溶液を接触させて、数3に示す反応により溶離溶液を得る。この際、吸着後マンガン酸リチウムは、LiとHという陽イオン同士の交換反応により、リチウム吸着剤として再生され、このリチウム吸着剤は、再度吸着工程で用いられる。
[数3]
Li1.6Mn1.6+1.6HCl→H1.6Mn1.6+1.6LiCl
本実施形態では、酸含有溶液には、塩酸などの酸単体の溶液と、一度溶離工程を経て得られた溶離溶液に酸を加えたものと、が含まれる。例えば本実施形態では、溶離工程は第1溶離工程、第2溶離工程など複数の段階に分かれている。第1溶離工程は、酸含有溶液の水素イオン濃度が比較的高い溶離工程であり、第2溶離工程は、第1溶離工程よりも酸含有溶液の水素イオン濃度が低い溶離工程である。例えば、第1溶離工程の初期段階では、酸含有溶液を酸単体の溶液とし、その後のものを、その前段階で得られた溶離溶液に酸を加えて所定の水素イオン濃度とすることができる。この場合、第2溶離工程では、その前段階で得られた溶離溶液に酸を加えたものとなる。また、第1溶離工程での酸含有溶液を酸単体の溶液のみとし、第2溶離工程での酸含有溶液を、その前段階で得られた溶離溶液に酸を加えたものとすることもできる。
数3に示す反応は、溶離工程で用いられる酸含有溶液のpHの値が、小さいほどよく進行する。しかし、数3に示す反応がある程度進行すると、酸含有溶液のpHの値が大きくなるため、数3に示す反応が進行しなくなる。特許文献1の国際公開2022/210847号では、この状態に至らないようにするために、溶離工程を複数段階に分けて行い、その複数段階の第2段階以降で、その前の段階で得られた溶離溶液に酸を加えたものが酸含有溶液として用いられていたが、この際に最初に供給した酸含有溶液と同じpHとするように酸が供給されていたため、溶離溶液の量の抑制が限定的であった。
溶離工程が、第1溶離工程と、それよりも酸含有溶液の水素イオン濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成され、第1溶離工程の後に第2溶離工程が行われることにより、第1溶離工程で効率よく溶離が行われるとともに、第2溶離工程では酸含有溶液の水素イオン濃度を高くする必要がないので、酸含有溶液に追加する酸の量を抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる、これにより、リチウム製造のための製造コストを抑えることができる。
このように溶離溶液のリチウムの含有率を高くできると、後工程での設備サイズが抑制できたり、リチウムを固体として得る際の工程の負荷を低減できたりする。すなわち、リチウムの含有率が高くなると、リチウム含有溶液自体の量を少なくできるので、後工程での設備サイズを大きくする必要がなくなる。加えてリチウムを固体として得る場合に溶液を煮詰める時間を短くできたり、後述するマンガン酸化工程でのpH調整剤、またはマンガン酸化工程後に設けられる中和工程におけるpH調整剤の量を抑制したりできる。この中和工程は、例えばマグネシウムを除去するために設けられる。また、高濃度にリチウムを含む溶液は、そのまま客先に出荷することも可能である。
なお、溶離工程が複数の段階に分かれる場合について説明したが、溶離工程はこの形態に限定されない。例えば、連続的に溶離溶液に酸が加えられ、酸含有溶液となる場合も含まれる。
本実施形態の溶離工程、すなわち第1溶離工程および第2溶離工程で吸着後マンガン酸リチウムと接触させる酸含有溶液の水素イオン濃度は、それぞれ0.1mol/L以上4.0mol/L以下であることが好ましい。さらに水素イオン濃度は、それぞれ0.25mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。さらに水素イオン濃度は、それぞれ0.5mol/L以上1.0mol/L以下であることが好ましい。
この溶離工程において、酸含有溶液の水素イオン濃度が0.1mol/L以上4.0mol/L以下であることにより、溶離工程において、LiとHという陽イオン同士の交換反応の効率を維持しながら、マンガン酸リチウム全体の溶解を抑制することができる。すなわち、リチウム吸着剤を繰り返し使用することが可能となる。
酸含有溶液の水素イオン濃度が0.1mol/Lよりも薄い場合、陽イオン同士の交換反応が十分に行うことができず、この交換反応の効率が落ちる。また、酸含有溶液が4.0mol/Lよりも濃い場合、マンガン酸リチウム全体が酸溶液に溶解するため、吸着後マンガン酸リチウムを再度リチウム吸着剤として利用することができなくなる。なお、酸含有溶液に使用される酸は塩酸が好ましいがこれに限定されない。例えば、硫酸または酢酸などが用いられる場合もある。
そして、第1溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度が、1.0mol/L以上4.0mol/L以下であり、第2溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度が、0.1mol/L以上0.5mol/L以下であることが好ましい。
第1溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度と、第2溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度が所定の値であることにより、リチウム吸着剤からのマンガンの溶解を抑制できるとともに、溶離の効率を高めることができる。
マンガン酸リチウムの形状により、溶離工程で行われる吸着後マンガン酸リチウムと酸溶液の接触の形態は異なる。例えばマンガン酸リチウムが粉末状であれば、酸溶液に吸着後マンガン酸リチウムの粉末を投入し、かき混ぜることで吸着後マンガン酸リチウムと酸溶液との接触が行われる方法が一つの方法として挙げられる。マンガン酸リチウムが粒子状、またはカラムの繊維に吹き付けられている場合は、粒子状のマンガン酸リチウムおよびカラムは通液容器内に収納された状態で、酸溶液が通液容器の中に通液されることで、吸着後マンガン酸リチウムと酸溶液との接触が行われる方法が一つの方法として挙げられる。
(マンガン酸化工程)
マンガン酸化工程では、溶離工程で得られた溶離溶液に、酸化剤およびpH調整剤を追加することで2価のマンガンを、4価のマンガンに酸化させ、マンガン濃度を抑制したリチウム含有溶液を得る。4価のマンガンは難溶性であるため、溶液内で沈殿する。これにより溶離溶液に含まれるマンガンの濃度を抑制することができる。さらに、沈殿したマンガンは、リチウム吸着剤の原料として再利用することが可能である。
2価のマンガンを4価のマンガンに酸化させるために、溶離溶液に、酸化剤とpH調整剤が加えられる。酸化剤とpH調整剤が加えられる際は、pHを3以上7以下の範囲にするとともに、酸化還元電位を銀塩化銀電極で600mV以上1100mV以下に調整することが好ましい。すなわち、pHと酸化還元電位は同時に測定され、上記の範囲に入るように、酸化剤およびpH調整剤が、同時にまたは交互に加えられる。酸化剤としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、オゾン、過マンガン酸塩などが使用可能である。ただしこれらに限定されず、酸化還元電位の調製が可能なものであれば問題ない。pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、消石灰などアルカリ中和剤が使用可能である。ただしこれらに限定されず、pH調整が可能なものであれば問題ない。
(マンガン酸化工程の後段階)
マンガン酸化工程で得られたリチウム含有溶液には、本実施形態の場合塩化リチウム(LiCl)という状態でリチウムが存在するので、この溶液にアルカリを投入したり、過熱濃縮したりして、例えば炭酸リチウムという状態でリチウムが得られる。
また、吸着後マンガン酸リチウムは、酸溶液によりリチウム吸着剤となるので、このリチウム吸着剤は、再度吸着工程で用いられる。
(第2実施形態)
図2には、本発明の第2実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図を示す。第2実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法と、第1実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法との相違点は、溶離工程において、溶離溶液を、リチウムを高濃度で含む高濃度リチウム溶離溶液と、この高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い低濃度リチウム溶離溶液と、に分離し、酸含有溶液には、低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものを含み、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液に高濃度リチウム溶離溶液を含む点であり、他の点は第1実施形態と同じである。よって以下では、上記の相違点について説明を行う。
(第2実施形態における溶離工程)
本実施形態では、溶離溶液は、溶離工程において、高濃度リチウム溶離溶液と、低濃度リチウム溶離溶液とに分離される。高濃度リチウム溶離溶液は、リチウムを高濃度で含む溶離溶液であり、低濃度リチウム溶離溶液は、高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い溶離溶液である。
本実施形態では、溶離工程における酸含有溶液には、塩酸などの酸単体の溶液と、低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものと、が含まれる。
高濃度リチウム溶離溶液は、リチウムを高濃度で含む溶離溶液であるので、溶離工程後に行われる工程で用いられる。この溶離工程後に行われる工程は、例えばマンガン酸化工程である。
高濃度リチウム溶離溶液が、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液に含まれることにより、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。また、低濃度リチウム溶離溶液だけが酸含有溶液に加えられるので、少量の酸を加えるだけで酸含有溶液内の水素イオン濃度を上げることができ、その結果として酸含有溶液の量を抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。これにより、リチウム製造のための製造コストを抑えることができる。
高濃度リチウム溶離溶液と、低濃度リチウム溶離溶液との分離は、例えばこの溶離工程がバッチ処理により行われた場合、酸含有溶液を加えて溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した溶離溶液を高濃度リチウム溶離溶液とし、その他のものを低濃度リチウム溶離溶液とすることが可能である。例えば低濃度リチウム含有溶液の種類、およびリチウム吸着剤に対して、どの程度のリチウムが溶離するかを予想することができる場合、リチウム吸着剤の体積に対してあらかじめ定められた倍率の体積分の溶離溶液を高濃度リチウム溶離溶液とし、その後の溶離溶液を低濃度リチウム溶離溶液とすることができる。
また図5には、本実施形態において、溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分ごとのリチウム濃度を示すグラフを示す。横軸がBV(Bed Volume:カラム内のリチウム吸着剤の体積の何倍かを表す単位)であり、縦軸が溶離工程後に得られる溶離溶液に含まれるリチウムの濃度を示している。例えば、図3に示すような場合、上から2つ目の横線を超えたBV2およびBV3を、「溶離溶液の得られ始めを基準としてあらかじめ定められた体積分」として抜き出して高濃度リチウム溶離溶液、BV1、およびBV4~BV9を低濃度リチウム溶離溶液として、分離することが可能である。
高濃度リチウム溶離溶液は、溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液であることにより、高濃度リチウム溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。
なお、本実施形態ではBV2とBV3とを抜き出して高濃度リチウム溶離溶液としたがこれに限定されない。例えば、溶離溶液の得られ始めからあらかじめ定められた体積分を抜き出す、すなわちBV1~BV4を高濃度リチウム溶離溶液とすることも可能である。またBV3のみを高濃度リチウム溶離溶液とすることも可能である。
また、例えばこの溶離工程がバッチ処理により行われ、溶離工程で用いられる酸含有溶液の通液速度が、あらかじめ定められた速度である場合、高濃度リチウム溶離溶液と、低濃度リチウム溶離溶液との分離は、溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた溶離溶液を高濃度リチウム溶離溶液とし、その後に得られた溶離溶液を低濃度リチウム溶離溶液とすることができる。通液速度は一般にSV(Space Velocity:単位時間(1時間)あたりの通液量BV)として表されるところ、このSVが一定の場合、高濃度リチウム溶離溶液を、前記溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた前記溶離溶液とすることができる。なお溶離工程の始まりは、酸含有溶液が注入され始めたとき、または溶離溶液が回収され始めたときなど、あらかじめ定めることができる。
高濃度リチウム溶離溶液は、溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた時間の間に得られた溶離溶液であることにより、高濃度リチウム溶離溶液を容易に得ることができる。
(第3実施形態)
図3には、本発明の第3実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図を示す。第3実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法と、第1実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法との相違点は、溶離工程を経て得られる溶離後リチウム吸着剤を洗浄する水洗工程が、溶離工程後に設けられている点、およびその水洗工程で得られる水洗後液が、酸含有溶液に加えられている点であり、他の点は第1実施形態と同じである。よって以下では、上記の相違点について説明を行う。
(水洗工程)
第2実施形態における溶離工程では、溶離後リチウム吸着剤が得られる。この溶離後リチウム吸着剤は、水洗工程で洗浄される。水洗工程では、例えば純水が用いられたり、コストを考慮して工業用水が用いられたりする。水洗工程で水洗された溶離後リチウム吸着剤は、リチウム吸着剤として再生され、このリチウム吸着剤は、再度吸着工程で用いられる。
水洗工程で溶離後リチウム吸着剤を洗浄した後の洗浄後液は、リチウムを含む場合がある。例えば、洗浄を始めた直後に得られた洗浄後液は、リチウム濃度が比較的高くなる。本実施形態では、この洗浄後液が酸含有溶液に加えられる。酸含有溶液に加えられる洗浄後液は、洗浄後液の全てであっても、その一部であっても問題ない。しかし、洗浄を始めた直後に得られた洗浄後液のリチウム濃度は高いので、洗浄を始めてからあらかじめ定められた量の洗浄後液が、酸含有溶液に加えられることが好ましい。
図6には、本実施形態において、水洗後液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分ごとのリチウム濃度を示すグラフである。横軸が水洗後液のBVであり、縦軸が水洗工程後に得られる水洗後液に含まれるリチウムの濃度を示している。例えば本実施形態では、BV1の水洗後液、すなわち水洗後液の得られ始めを基準として、得られ始めてからBV1だけの水洗後液を酸含有溶液に繰り返すことが好ましい。
水洗工程で得られる水洗後液が、酸含有溶液に加えられることにより、水洗工程で廃棄せざるを得なかったリチウムを回収することができる。
(第4実施形態)
図4には、本発明の第4実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図を示す。第4実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法と、第2実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法との相違点は、溶離工程を経て得られる溶離後リチウム吸着剤を洗浄する水洗工程が、溶離工程後に設けられている点、およびその水洗工程で得られる水洗後液が、酸含有溶液に加えられている点であり、他の点は第2実施形態と同じである。また、水洗工程の詳細な説明は、第3実施形態の説明に含まれている。よって水洗工程の詳細な説明は省略する。
以下、本発明に係るリチウム含有溶液の製造方法の具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(吸着工程)
粉末状のリチウム吸着剤H1.6Mn1.6を、直径20mmのガラス製カラムに10ml保持させた。そして、このカラムに、低濃度リチウム含有溶液である塩湖かん水を模してリチウムを溶解させた溶液を通過させて、リチウム吸着剤を吸着後マンガン酸リチウムであるLi1.6Mn1.6とした。低濃度リチウム含有溶液のリチウム濃度は、0.7g/Lであった。吸着工程では、SV15での通液を行い、BV30だけ低濃度リチウム含有溶液を通液させた。
(溶離工程)
ガラス製カラム内の吸着後マンガン酸リチウムと、酸含有溶液とを接触させた。第1溶離工程として、酸含有溶液は、1mol/Lの塩酸のみからなる酸含有溶液をBV2分通液した。次の第2溶離工程では、その酸含有溶液は、第1溶離工程を経た溶離溶液を繰り返し、それに塩酸を加えて、0.5mol/Lとなったものが使用された。その際の通液量はBV10とし、通液速度はSV15とした。すなわちBV3以降BV12までは、すべて第2溶離工程であり、その酸含有溶液は、すべて0.5mol/Lである。カラムから流出した溶液は、流出の初期段階であり、リチウムを高濃度で含む高濃度リチウム溶離溶液と、この初期段階よりも後の段階であり、この高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い低濃度リチウム溶離溶液と、に分離された。本実施例では、高濃度リチウム溶離溶液の濃度は6.5g/Lであった。なお、溶離溶液の液量は、BV12だけ通液しているので、120mlであった。また、この時の溶離溶液のマンガン濃度が0.02g/Lであった。
(マンガン酸化工程)
溶離工程で得られた溶離溶液を用いて、マンガン酸化工程が行われた。この際に酸化剤とpH調整剤が用いられ、リチウム含有溶液が得られた。この際のマンガン濃度は、0.0g/Lであった。
<比較例1>
比較例1は、溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度を、すべて0.5mol/L(初期は塩酸のみで0.5mol/L、その後は一度溶離工程を経た溶離溶液に塩酸を加えて0.5mol/L)として、溶離工程を行った以外のパラメータは、実施例1と同じである。この比較例1における高濃度リチウム溶離溶液の濃度は3.4g/Lであった。なお、このときの溶離溶液の液量は実施例1と同じく120mlとした。また、この時の溶離溶液のマンガン濃度は0.02g/Lであった。
<比較例2>
比較例2は、溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度を、すべて1.0mol/L(初期は塩酸のみで1.0mol/L、その後は一度溶離工程を経た溶離溶液に塩酸を加えて1.0mol/L)として、溶離工程を行った以外のパラメータは、実施例1と同じである。この比較例2における高濃度リチウム溶離溶液の濃度は5.2g/Lであった。なお、このときの溶離溶液の液量は実施例1と同じく120mlとした。またこの時の溶離溶液のマンガン濃度は0.06g/Lであった。
(まとめ)
高濃度リチウム溶離溶液に関して、実施例1では6.0g/L以上の6.5g/Lであり、リチウム濃度が高く維持されているのに対し、比較例1では3.4g/L、比較例2では5.2g/Lと、6.0g/L未満であり、高濃度リチウム溶離溶液のリチウム濃度が低くなっているのがわかった。このように実施例では高濃度リチウム溶離溶液のリチウム濃度が高くなっているので、最終的に得られるリチウム量が一定であるとき、溶離溶液の全体量を抑制することができることがわかった。また、実施例1では比較例2と比較して、マンガン濃度も低いレベルに抑えることができ、リチウム吸着剤の劣化の抑制ができていることがわかった。

Claims (6)

  1. マンガン酸リチウムから得られたリチウム吸着剤に低濃度リチウム含有溶液を接触させて吸着後マンガン酸リチウムを得る吸着工程と、
    前記吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、
    前記溶離溶液に、酸化剤およびpH調整剤を追加することでマンガンを酸化させ、マンガン濃度を抑制したリチウム含有溶液を得るマンガン酸化工程と、
    をこの順で実行し、
    前記溶離工程は、第1溶離工程と、該第1溶離工程よりも前記酸含有溶液の水素イオン濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成され、
    前記第1溶離工程の後に前記第2溶離工程が行われている、
    ことを特徴とするリチウム含有溶液の製造方法。
  2. 前記第1溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、1.0mol/L以上4.0mol/L以下であり、
    前記第2溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、0.1mol/L以上0.5mol/L以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
  3. 前記溶離溶液は、前記溶離工程においてリチウムを高濃度で含む高濃度リチウム溶離溶液と、該高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い低濃度リチウム溶離溶液と、に分離され、
    前記溶離工程で用いられる前記酸含有溶液には、前記低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものが含まれ、
    前記マンガン酸化工程で用いられる前記溶離溶液に、前記高濃度リチウム溶離溶液が含まれる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
  4. 前記高濃度リチウム溶離溶液は、
    前記溶離工程を経て得られる前記溶離溶液のうち、前記溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液である、
    ことを特徴とする請求項3に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
  5. 前記高濃度リチウム溶離溶液は、
    前記溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた前記溶離溶液である、
    ことを特徴とする請求項3に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
  6. 前記溶離工程後に得られる溶離後リチウム吸着剤を洗浄する水洗工程が、前記溶離工程後に設けられ、
    前記水洗工程で得られる水洗後液が、前記酸含有溶液に加えられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
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