JP7485338B2 - トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制剤 - Google Patents

トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制剤 Download PDF

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Description

本発明は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制剤等に関する。
ポリエステル繊維の後加工難燃化においては、その用途から水洗いやドライクリーニングなどに対する耐久性を持つことが望まれる。こういった観点から、旧来はヘキサブロモシクロドデカンが後加工用の難燃剤として広く用いられてきた。しかしながら、平成16年に日本国内ではヘキサブロモシクロドデカンが化審法の第一種監視化学物質として登録され、事実上この分野での使用は不可能となった。このような状況下、ヘキサブロモシクロドデカンを代替しうる臭素系難燃剤として、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートが提案されている。トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートは、ヘキサブロモシクロドデカンよりも環境面で有利であり、またポリエステル繊維の後加工用難燃剤として十分な難燃性を付与することができる。
しかしながら、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートは、処理液中で凝集して処理布や染色機内壁を汚染してしまうという欠点を有する。ここでいう凝集とは、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートを含む染料及び/又はポリエステル繊維中より脱落したオリゴマー成分などの集合体が粗い粒子(凝集物)を形成する事を意味し、本凝集物が処理布や染色機内壁に付着し、汚染を引き起こす。この欠点を回避するために、特許文献1及び特許文献2では、TBIC:トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートと特定の界面活性剤を併用することが提案されている。
特開2011-195984号公報 特開2012-158853号公報
本発明者は研究を進める中で、特許文献1で提案されている界面活性剤は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制効果が不十分であることを見出した。例えば、カチオン可染ポリエステル繊維混率の高いポリエステル生地は難燃性を付与し難いので、このような生地に対しては高濃度のトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートを使用する必要があるところ、そのような条件下では凝集の問題が顕著となる。
そこで、本発明は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのトリブロック共重合体の硫酸化物であって一定のEO付加率を有する界面活性剤がトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制効果が高いことを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. 一般式(1):
Figure 0007485338000001
[式中:X1及びX2は同一又は異なって、水素原子又は-SO3 -M+(M+はNH4 +、Li+、Na+又はK+を示す。)を示す(但し、X1及びX2が同時に水素原子である場合を除く)。l、m及びnは同一又は異なって、整数を示す。式A:{(l+n)/(l+m+n)}×100(%)で示されるEO付加率が15~80%である。]
で表される界面活性剤を含有する、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制剤。
項2. 前記EO付加率が20~55%である、項1に記載の凝集抑制剤。
項3. 前記界面活性剤の平均分子量が1000~20000である、項1又は2に記載の凝集抑制剤。
項4. トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、及び一般式(1):
Figure 0007485338000002
[式中:X1及びX2は同一又は異なって、水素原子又は-SO3 -M+(M+はNH4 +、Li+、Na+又はK+を示す。)を示す(但し、X1及びX2が同時に水素原子である場合を除く)。l、m及びnは同一又は異なって、整数を示す。式A:{(l+n)/(l+m+n)}×100(%)で示されるEO付加率が15~80%である。]
で表される界面活性剤を含有する、液体組成物。
項5. ポリエステル繊維処理用である、項4に記載の液体組成物。
項6. ポリエステル繊維難燃処理用、及び/またはポリエステル繊維染色処理用である、項4又は5に記載の液体組成物。
項7. 項4~6のいずれかに記載の液体組成物をポリエステル繊維に接触させることを含む、ポリエステル繊維の処理方法。
項8. 項4~6のいずれかに記載の液体組成物をポリエステル繊維に接触させることを含む、難燃性ポリエステル繊維の製造方法。
項9. 項8に記載の方法で製造された難燃性ポリエステル繊維。
本発明によれば、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制剤を提供することができる。さらに、これを利用したポリエステル繊維処理液、ポリエステル繊維の処理方法、難燃性ポリエステル繊維等を提供することができる。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.凝集抑制剤
本発明は、その一態様において、一般式(1):
Figure 0007485338000003
で表される界面活性剤(本明細書において、「本発明の界面活性剤」と示すこともある。)を含有する、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制剤(本明細書において、「本発明の凝集抑制剤」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
X1及びX2は同一又は異なって、水素原子又は-SO3 -M+を示す(但し、X1及びX2が同時に水素原子である場合を除く)。M+はNH4 +、Li+、Na+又はK+を示す。M+は好ましくはNH4 +又はNa+である。-SO3 -M+の、本発明の界面活性剤1分子当たりの平均数は、特に制限されないが、例えば0.25~2、好ましくは0.5~1.5である。
l、m及びnは同一又は異なって、整数を示す。mは、例えば14~40、好ましくは20~30である。l及びnは同一又は異なって、例えば6~160、好ましくは15~100である。
本発明の界面活性剤は、式A:{(l+n)/(l+m+n)}×100(%)で示されるEO付加率が15~80%である。この範囲を満たすことにより、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートに対する良好な凝集抑制効果を発揮することができる。該EO付加率は、好ましくは18~70%、より好ましくは18~60%、さらに好ましくは20~55%、よりさらに好ましくは20~50%である。
本発明の界面活性剤の平均分子量は、特に制限されない。該平均分子量は、例えば1000~20000、好ましくは1000~10000、より好ましくは1000~7000、さらに好ましくは1000~5000、よりさらに好ましくは1200~4000である。
本発明の界面活性剤は、1種単独であってもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
本発明の界面活性剤は、様々な方法で合成することができる。例えば、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシドのトリブロック共重合体を硫酸エステル化反応に供することにより、製造することができる。硫酸エステル化は、例えば、トリブロック共重合体と、硫酸、クロロスルホン酸、無水硫酸、スルファミン酸等の酸との加熱縮合反応を行った後、金属水酸化物やアンモニアで中和することにより、行うことができる。加熱縮合時にリン酸や尿素を触媒として用いることもできる。詳細な反応条件は、公知文献(例えば特開昭54-122224号公報、特開平7-252206号公報等)を参照して、及び/又は後述の合成例を参照して、適宜決定することができる。
本発明の凝集抑制剤の対象であるトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートは、式(2):
Figure 0007485338000004
で表される化合物である。
本発明の凝集抑制剤は、液体組成物におけるトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集を抑制することができる。「凝集」は、好ましくは、高温処理時及び高温処理後に冷却する際の凝集である。「高温」とは、例えば80℃以上、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは110℃以上、よりさらに好ましくは115℃以上、とりわけさらに好ましくは120℃以上である。該温度の上限は、ポリエステル繊維処理に適した温度である限り特に制限されず、例えば180℃、160℃、140℃である。「抑制」は、好ましくは、保持粒子径(JIS Z 8901)が7μmのろ紙(例えばNo.5Aろ紙等)上に残る凝集粒子が殆ど生じない(例えば、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、よりさらに好ましくは99%以上が上記ろ紙を通過できる)程度である。
2.液体組成物
本発明は、その一態様において、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、及び本発明の界面活性剤を含有する、液体組成物(本明細書において、「本発明の液体組成物」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
本発明の液体組成物は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート以外の他の難燃剤を含有することができる。
他の難燃剤としては、例えば臭素系難燃化合物、塩素系難燃化合物、リン系難燃化合物、窒素系難燃化合物、無機系難燃化合物等が挙げられる。
臭素系難燃化合物の具体例としては、ヘキサブロモシクロヘプタン、テトラブロモシクロヘプタン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、その他の臭素化シクロアルカン、ポリブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA(以下、TBBA)、TBBA・エポキシオリゴマー、TBBA・カーボネートオリゴマー、TBBA・ビス(ジブロモプロピルエーテル)、TBBA・ビス(ジブロモメチルプロピルエーテル)、その他のTBBA誘導体、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、1,2-ビス(2,4,6-トリスブロモフェノキシ)エタン、1,2-ビス(2,4,6-トリスブロモフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,6-ジブロモモノフェノール、2,4-ジブロモモノフェノール、エチレンビステトラブロモフタルイミド、トリブロモフェニルアリルエーテル、トリブロモフェニルアクリレート、ペンタブロモベンジルアリルエーテル、ペンタブロモベンジルアクリレート、ブロモアクリレートモノマー、臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン、ヘキサブロモベンゼン、2,4-ジアミノ-6-(3,3,3-トリブロモ-1-プロピル)-1,3,5-トリアジンのメチロール化合物、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどが挙げられる。
塩素系難燃化合物の具体例としては、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェートなどが挙げられる。
リン系難燃化合物の具体例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、その他の芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、リン酸ジフェニルモノオルソキセニル、2-ナフチルジフェニルホスフェート、10-ベンジル-9,10-ジヒドロキシ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-フェノキシ-9,10-ジヒドロキシ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシドなどが挙げられる。
窒素系難燃化合物の具体例としては、グアニジン系化合物、グアニル尿素系化合物(例えば、リン酸グアニル尿素)、メラミン系化合物(例えば、ポリ化リン酸メラミン、硫酸メラミン、メラミンシアヌレート)及びポリリン酸アンモニウム塩などが挙げられる。
無機系難燃化合物の具体例としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
他の難燃剤は、1種単独であってもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
本発明の液体組成物は、本発明の界面活性剤以外の他の界面活性剤を含有することができる。他の界面活性剤としては、例えば非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。好ましくは、非イオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤を用いることである。
非イオン界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキサイド付加物、アルキルグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
アニオン界面活性剤の具体的な例としては、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボキシレート塩、ポリカルボン酸塩、ロート油、石油スルホネート、アルキルジフェニルエーテルスルホネート塩等が挙げられる。
また、他の界面活性剤としては、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートとの併用が公知の界面活性剤を使用することができる。例えば、特許文献1、特許文献2等で提案されている界面活性剤を使用することができる。
他の界面活性剤は、1種単独であってもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
本発明の液体組成物は、水溶性高分子を含有することが好ましい。水溶性高分子を配合することによって、本発明の液体組成物の粘度を好適に調整して、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの分散性を良好に保つことができる。
水溶性高分子の具体例としては、カルボキシメチルセルロース塩、キサンタンガム(ザンタンガム)、アラビアガム、ローカストビーンガム、ダイユータンガム、アルギン酸ナトリウム、自己乳化型ポリエステル化合物、水溶性ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸系共重合体、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、可溶性でんぷん、カルボキシメチルでんぷん、カチオン化でんぷん等などを挙げることができる。この中でも、カルボキシメチルセルロース塩及びキサンタンガムが、得られる溶液の物性やその安定性などの観点から好ましい。
本発明の液体組成物は、消泡剤を含有しても良い。消泡剤は、特に限定されず、繊維処理液において用いられている成分又は用いられ得る成分を各種使用することができる。消泡剤としては、例えば、シリコーン類(オイル型、コンパウンド型、自己乳化型、エマルジョン型等)、アルコール類等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはシリコーン類(シリコーン系消泡剤)が挙げられる。
本発明の液体組成物は、その一態様において、染料を含有することが好ましい。染料を配合することによって、難燃処理と同時に染色処理も行うことができる。
染料としては、特に制限されず、直接染料、酸性染料、含金染料、カチオン染料、反応染料、分散染料、スレン染料、植物染料等が挙げられる。これらの中でも、ポリエス テル繊維の染色に適しているという観点から、分散染料、カチオン染料等が挙げられる。
分散染料としては、例えばC.I.Dispers Yellow 9、23、33、42、49、54、58、60、64、66、71、76、79、83、86、90、93、99、114、116、119、122、126、149、160、163、165、180、183、186、198、200、211、224、226、227、231、237;C.I.Dispers Red 60、73、88、91、92,111、127、131、143、145、146、152、153、154、167、179、191、192、206、221、258、283;C.I.Dispers Orange 9、25、29、30、31、32、37、38、42、44、45、53、54、55、56、61、71、73、76、80、96、97;C.I.Dispers Violet 25、27、28、54、57、60、73、77、79、79:1;C.I.Dispers Blue 27、56、60、79:1、87、143、165、165:1、165:2、181、185、197、202、225、257、266、267、281、341、353、354、358、364、365、368等が挙げられる。また、分散染料としては、市販の分散染料、例えば“カヤロンポリエスターUTシリーズ(日本化薬社製)、(登録商標)”カヤロンポリエスター(登録商標)”PUTシリーズ(紀和化学社製)、“テラシル(登録商標)”Wシリーズ(ハンツマン社製)などを使用することができる。
カチオン染料としては、市販のカチオン染料であればいずれでもよく、レギュラー・タイプ(通称:生カチオン)、分散タイプのいずれであってもよい。例えば“カヤクリル(登録商標)”、“カヤクリル(登録商標)”ED(以上、日本化薬社製)、“ニチロン(登録商標)”(日成化成社製)、“アストラゾン(登録商標)”(ダイスター社製)などを挙げることができる。
本発明の液体組成物は、上記以外の種々の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えばアルコール類、芳香族系溶剤類、グリコールエーテル類、アルキレングリコール類、テルペン類等の有機溶剤が挙げられる。また、これら以外にも、例えばキャリヤー成分(例えば安息香酸ベンジル、安息香酸メチル、芳香族ハロゲン化合物、N-アルキルフタルイミド類、メチルナフタレン、ジフェニル、ジフェニルエステル類、ナフトールエステル類等)、pH調整剤、キレート成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、消臭剤等が挙げられる。
本発明の液体組成物は、その一態様において、多量のトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートを分散させた難燃剤スラリー(難燃加工剤)であることができる。
本発明の難燃剤スラリー中のトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの含有量は限定されず、所望の難燃性、対象となる繊維の種類等に応じて適宜設定することができる。該含有量は、本発明の難燃剤スラリー100質量%に対して、例えば2~60質量%、好ましくは20~50質量%、より好ましくは35~50質量%の範囲内で適宜設定することができる。
本発明の難燃剤スラリー中のトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート以外の難燃剤の含有量は、特に制限されない。該含有量は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート100質量部に対して、例えば0~100質量部、0~60質量部、0~30質量部、0~10質量部、0~5質量部、又は0質量部である。
本発明の難燃剤スラリー中の本発明の界面活性剤の含有量は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートを安定に分散可能である限り特に制限されない。該含有量は、本発明の難燃剤スラリー100質量%に対して、例えば0.5~50質量%、好ましくは1~20質量%、より好ましくは2~15質量%、さらに好ましくは3~12質量%である。また、該含有量は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート100質量部に対して、例えば1~200質量部、好ましくは1~100質量部、より好ましくは2~50質量部、さらに好ましくは5~35質量部、よりさらに好ましくは7~30質量部である。
本発明の難燃剤スラリー中の本発明の界面活性剤以外の他の界面活性剤の含有量は、特に制限されない。該含有量は、本発明の界面活性剤100質量部に対して、例えば0~100質量部、0~60質量部、0~30質量部、0~10質量部、0~5質量部、又は0質量部である。
本発明の難燃剤スラリーが水溶性高分子を含有する場合、その含有量は、本発明の難燃剤スラリー100質量%に対して、例えば0.05~5.0質量%、好ましくは0.2~2.0質量%である。
本発明の難燃剤スラリーが消泡剤を含有する場合、その含有量は、本発明の難燃剤スラリー100質量%に対して、例えば0.02~1質量%、好ましくは0.05~0.5質量%である。
本発明の難燃剤スラリーが上記以外の成分(添加剤等)の含有量は、本発明の難燃剤スラリー100質量%に対して、例えば0~20質量%、0~10質量%、0~5質量%、又は0質量%である。
本発明の難燃剤スラリーは溶媒を含有する。通常、溶媒は水である。また、水に、他の溶媒(例えばアルコール、セロソルブ、ジグリム等)が添加されていてもよい。
本発明の難燃剤スラリーの製造方法は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、本発明の界面活性剤等の成分を均一に混合撹拌できる限り特に制限されない。例えば、所定の成分原料を混合後、ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル等の分散機により撹拌することにより本発明の難燃スラリーを調整することができる。撹拌条件は特に限定的ではないが、撹拌により得られる分散液は分散微粒子(難燃剤微粒子)の平均粒子径が10μm以下、特に2μm以下、さらには0.2~2μmとなるように設定することが好ましい。
本発明の難燃剤スラリーは、下記の繊維処理液の調製に使用することができる。具体的には、繊維処理液に添加する難燃加工剤として使用することができる。
本発明の液体組成物は、その一態様において、繊維処理用液体組成物(繊維処理液)であることができる。
本発明の繊維処理液中のトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの含有量は限定されず、所望の難燃性、対象となる繊維の種類等に応じて適宜設定することができる。該含有量は、処理する繊維100重量%に対して、例えば0.5~15重量%、好ましくは1.5~12重量%、更に好ましくは2~10重量%の範囲で適宜設定することが出来る。
本発明の繊維処理液中のトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート以外の難燃剤の含有量については、本発明の難燃剤スラリーにおける含有量と同様である。
本発明の繊維処理液中の本発明の界面活性剤の含有量は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートを安定に分散可能である限り特に制限されない。該含有量は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート100質量部に対して、例えば1~500質量部、好ましくは2~400質量部、より好ましくは5~300質量部、さらに好ましくは10~300質量部である。また、該含有量は、本発明の繊維処理液の調製に本発明の難燃剤スラリーを使用する場合は比較的少量でもよく、この場合、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート100質量部に対して、例えば1~100質量部、好ましくは2~50質量部、より好ましくは5~35質量部、さらに好ましくは7~30質量部である。
本発明の繊維処理液中の本発明の界面活性剤以外の他の界面活性剤の含有量は、特に制限されない。該含有量は、本発明の界面活性剤100質量部に対して、例えば0~100質量部、0~60質量部、0~30質量部、0~10質量部、0~5質量部、又は0質量部である。
本発明の繊維処理液が水溶性高分子を含有する場合、その含有量は、本発明の繊維処理液100質量%に対して、例えば0.006~0.13質量%、好ましくは0.013~0.07質量%である。
本発明の繊維処理液が消泡剤を含有する場合、その含有量は、本発明の繊維処理液100質量%に対して、例えば0.0001~0.007質量%、好ましくは0.0003~0.003質量%である。
本発明の繊維処理液が染料を含有する場合、その含有量は、処理する繊維100重量%に対して、例えば0.005~3重量%、好ましくは0.05~2重量%、更に好ましくは0.1~1重量%の範囲で適宜設定することが出来る。
本発明の繊維処理液が上記以外の成分(添加剤等)の含有量は、本発明の繊維処理液100質量%に対して、例えば0~20質量%、0~10質量%、0~5質量%、又は0質量%である。
本発明の繊維処理液は溶媒を含有する。通常、溶媒は水である。
本発明の繊維処理液の製造方法は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、本発明の界面活性剤等の成分を均一に混合撹拌できる限り特に制限されない。典型的には、本発明の難燃剤スラリーを溶媒と混合し、その際に必要に応じて、染料、pH調整剤等の添加剤等を配合することにより、得ることができる。その他にも、本発明の界面活性剤以外の他の界面活性剤でトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートを分散してなる難燃剤スラリーを溶媒と混合し、その際に本発明の界面活性剤を配合し、また必要に応じて、染料、pH調整剤等の添加剤等を配合することにより、得ることができる。
対象である繊維の形態は特に制限されず、繊維そのものであってもよいし、繊維をひも状に集積してなる繊維束(意図、ロープ等)、繊維をシート状に集積してなる繊維シートであってもよい。以下、繊維束及び繊維シートをまとめて繊維製品と示すこともある。
繊維としては、特に制限されず、例えば合成繊維(例えばナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維等)、再生繊維(例えばレーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維、アセテート繊維等)、植物繊維(例えば綿繊維、麻繊維、亜麻繊維、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維、アセテート繊維等)、動物繊維(例えば羊毛、絹、天蚕糸、モヘヤ、カシミア、キャメル、ラマ、アルパカ、ビキューナ、アンゴラ、蜘蛛糸等)等の有機繊維等を広く用いることができる。これらの中でも、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートを好適に適用できるという観点から、ポリエステル繊維が特に好ましい。
ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、及びポリトリメチレンテレフタレート(PTT)の他、これらにイソフタル酸、イソフタル酸スルホネート、アジピン酸、ポリエチレングリコールなどの第3成分を共重合したものなどが挙げられ、特に、カチオン可染ポリエステル(CD-PET)が含まれるものが好適に用いられる。その他、糸を生成する際、顔料を練り込んで作る原着糸も使用できる。
繊維製品は、繊維以外の成分が含まれていてもよい。その場合、繊維製品中の繊維の合計量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。繊維製品としては、例えば、織物(例えば、平織、綾織(斜文織)、繻子織等)、編物、不織布、紙等が挙げられる。また、繊維製品には、上記繊維の異なった糸を使用した交織布、複合素材であってもよく、例えばポリエステル原着糸交織布等が含まれる。繊維製品は、他の合成繊維、天然繊維、又は半合成繊維が混紡等により組み合わされたものであってもよい。
本発明においては、好適な処理対象として、カチオン可染性ポリエステルが一定以上(例えば10質量以上、20%以上、30%以上、35%以上)含まれるポリエステル繊維シートが挙げられる。このようなポリエステル繊維シートは難燃性を付与し難いので、このような生地に対しては高濃度のトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートを使用する必要があるところ、そのような条件下では凝集の問題が顕著となる。よって、本発明の界面活性剤による凝集抑制効果が顕著に発揮される。
本発明の繊維処理液は、繊維と接触させることにより、繊維を処理することができる。好適には、繊維難燃処理用、及び/または繊維染色処理用に用いることができる。
3.繊維処理、難燃性繊維
本発明は、その一態様において、ポリエステル繊維の処理方法、難燃性ポリエステル繊維の製造方法、難燃性ポリエステル繊維等に関する。以下にこれらについて説明する。
ポリエステル繊維の処理は、本発明の液体組成物をポリエステル繊維に接触させることを含む方法により、行うことができる。好ましくは、本発明の液体組成物をポリエステル繊維に接触させた状態で80℃以上の熱処理を施す工程を含む。このような処理方法の例としては、高温吸尽法等が挙げられる。
高温吸尽法では、本発明の液体組成物(好ましくは、本発明の繊維処理液)中にポリエステル繊維を浸漬し、高温(通常80℃以上、好ましくは110~140℃)で所定時間(例えば2~60分間)処理することにより、難燃剤成分を繊維に収着させる。好ましくは、難燃剤成分を染料と同時に繊維に収着させる染色同浴法を用いることである。すなわち、難燃加工剤を染色浴に添加しておいて、この染色浴中にポリエステル繊維を浸漬して、高温にて吸尽処理を行うことが効率的であり、好ましい。
上記処理により、難燃性ポリエステル繊維を製造することができる。製造直後の難燃性ポリエステル繊維は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、及び本発明の界面活性剤を保持する。得られた難燃性ポリエステル繊維は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集物による汚染が少なく、且つ難燃性も良好である。また、この難燃性ポリエステル繊維は、洗浄処理後も、難燃性が良好である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
合成例-1:アニオン性活性剤-1の製造
トリブロック共重合体として、日油株式会社製プロノン104(平均分子量1,670、EO付加率40%)230g及び尿素5.75g、リン酸(85%)0.75gを500mLフラスコに仕込み、窒素気流下にて120~130℃×1時間加熱攪拌し脱水を行った。脱水後、スルファミン酸13.5gを仕込み、窒素気流下にて110℃×5時間加熱攪拌し、末端水酸基を硫酸化した。
100℃以下まで冷却後、析出物を濾別し、アンモニア水(28%)で中和を行い、淡黄色粘性液体のアニオン性活性剤-1を得た。エプトン法(JIS K3362)にて分析したところ、反応率は74.6%であった。
合成例-2:アニオン性活性剤-2の製造
トリブロック共重合体として、青木油脂株式会社製ブラウノンP-174(平均分子量2,800、EO付加率40%)236.2g及び尿素5.90gを500mLフラスコに仕込み、窒素気流下にて120~130℃×1時間加熱攪拌し脱水を行った。脱水後、スルファミン酸7.9gを仕込み、窒素気流下にて120℃×5時間加熱攪拌し、末端水酸基を硫酸化した。
100℃以下まで冷却後、析出物を濾別し、アンモニア水(28%)で中和を行い、淡黄色粘性液体のアニオン性活性剤-2を得た。エプトン法(JIS K3362)にて分析したところ、反応率は68.2%であった。
合成例-3:アニオン性活性剤-3の製造
トリブロック共重合体として、青木油脂株式会社製ブラウノンP-172(平均分子量2,100、EO付加率20%)235g及び尿素5.88gを500mLフラスコに仕込み、窒素気流下にて120~130℃×1時間加熱攪拌し脱水を行った。脱水後、スルファミン酸9.13gを仕込み、窒素気流下にて120℃×5時間加熱攪拌し、末端水酸基を硫酸化した。
100℃以下まで冷却後、析出物を濾別し、アンモニア水(28%)で中和を行い、淡黄色粘性液体のアニオン性活性剤-3を得た。エプトン法(JIS K3362)にて分析したところ、反応率は74.7%であった。
合成例-4:アニオン性活性剤-4の製造
トリブロック共重合体として、第一工業製薬株式会社製エパン450(平均分子量2,400、EO付加率50%)235g及び尿素5.88gを500mLフラスコに仕込み、窒素気流下にて120~130℃×1時間加熱攪拌し脱水を行った。脱水後、スルファミン酸5.50gを仕込み、窒素気流下にて120℃×5時間加熱攪拌し、末端水酸基を硫酸化した。
100℃以下まで冷却後、析出物を濾別し、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和を行い、淡黄色粘性液体のアニオン性活性剤-4を得た。エプトン法(JIS K3362)にて分析したところ、反応率は85.2%であった。
合成例-5:アニオン性活性剤-5の製造
トリブロック共重合体として、第一工業製薬株式会社製エパン710(平均分子量2,200、EO付加率10%)235g及び尿素5.88gを500mLフラスコに仕込み、窒素気流下にて120~130℃×1時間加熱攪拌し脱水を行った。脱水後、スルファミン酸12.50gを仕込み、窒素気流下にて120℃×5時間加熱攪拌し、末端水酸基を硫酸化した。
100℃以下まで冷却後、析出物を濾別し、アンモニア水(28%)で中和を行い、淡黄色粘性液体のアニオン性活性剤-4を得た。エプトン法(JIS K3362)にて分析したところ、反応率は70.2%であった。
合成例-6:アニオン性活性剤-6の製造
トリブロック共重合体として、第一工業製薬株式会社製エパン785(平均分子量13,300、EO付加率85%)235g及び尿素5.88gを500mLフラスコに仕込み、窒素気流下にて120~130℃×1時間加熱攪拌し脱水を行った。脱水後、スルファミン酸1.35gを仕込み、窒素気流下にて120℃×5時間加熱攪拌し、末端水酸基を硫酸化した。
100℃以下まで冷却後、析出物を濾別し、アンモニア水(28%)で中和を行い、淡黄色粘性液体のアニオン性活性剤-4を得た。エプトン法(JIS K3362)にて分析したところ、反応率は59.9%であった。
試験例1:難燃加工剤の調製
上記アニオン性活性剤、その他界面活性剤及びシリコン系消泡剤を溶解させた水にトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートを添加し、この混合物をビーズミル(直径1.0-1.4mmガラスビーズ使用、アイメックス(株)製)にて、回転数2,000rpmで10-20パス循環処理を行い、均一な白色分散物を得た。さらに水で希釈した水溶性高分子増粘剤(キサンタンガム)水溶液を加えて均一撹拌し、難燃加工剤であるスラリー1~12を調整した。スラリー1~12の分散処方を下記表1に示す。
試験例2:染色機試験による分散性の評価
上記表1のスラリーを用いて、染色工程における高温/高圧下での分散安定性の評価を行った。評価は、通常の加工条件よりも高濃度の難燃加工剤(スラリー)及び染料を使用した空焚き試験により行うこととした。
ミニカラー染色機(テクサム技研社製)の300mlポットに下記表2の組成の液を投入し、常温から2℃/分で昇温して、130℃で20分処理した後、80℃まで降温して開放した。
評価方法は以下の通りである。
(1)内容物をNo.5A濾紙で減圧濾過し、濾紙上に残る凝集物の量を確認した。
(2)ポッド内壁に付着した凝集物の状態を確認した。
結果を表2に示す。
試験例3:難燃性能の評価
上記表1のスラリーを使用し、ポリエステル繊維を難燃加工し、得られた難燃性ポリエステル繊維の難燃性を確認した。使用した試験布としては、難燃化処理が非常に困難であるレギュラーポリエステル(Reg-PET)とカチオン可染性ポリエステル(CDP)とから構成された、目付量135g/m2であるカーテン用ポリエステル生地(Reg-PET/CDP=60/40)を使用した。
ミニカラー染色機(テクサム技研製)を用いて下記組成の難燃染色処理液にて、浴比1:15(試験布重量:処理液重量)、常温から3℃/分で昇温して、130℃で30分処理した後、80℃まで降温することにより、試験布を難燃染色処理した。次いで、下記組成の還元洗浄処理液により還元洗浄(80℃×10分)後、湯洗い(80℃×10分)した。さらに、80℃で乾燥後、180℃で1分ヒートセットし、難燃処理試験布とした。
難燃評価は初期評価の他に、昭和61年2月21日消防庁告示第1号に準じて、水洗濯及びドライクリーニングを5回行ったものに対しても評価した。また、目視にて処理布の外観に汚れ(スポット汚れ)の有無を確認した。
難燃染色処理液(o.w.f.=on the weight of fiber)
・ カヤロンマイクロエステル レッドAQ-LE(分散染料、日本化薬株式会社製) 0.1% o.w.f.
・ カヤロンマイクロエステル ブルーAQ-LE(分散染料、日本化薬株式会社製) 0.1% o.w.f.
・ カヤロンマイクロエステル イエローAQ-LE(分散染料、日本化薬株式会社製) 0.1% o.w.f.
・ カヤクリル レッドGL-ED(カチオン染料、日本化薬株式会社製) 0.1% o.w.f.
・ カヤクリル ブルーGSL-ED(カチオン染料、日本化薬株式会社製) 0.1% o.w.f.
・ カヤクリル イエロー3RL-ED(カチオン染料、日本化薬株式会社製) 0.1% o.w.f.
・ 80%-酢酸(pH調整剤) 0.5g/L
・ 難燃加工剤(スラリー1~8) 20% o.w.f。
還元洗浄処理液
・ ハイドロサルファイトナトリウム 2.0g/L
・ ソーダ灰 2.0g/L。

Claims (9)

  1. 一般式(1):
    Figure 0007485338000008
    [式中:X1及びX2は同一又は異なって、水素原子又は-SO3 -M+(M+はNH4 +、Li+、Na+又はK+を示す。)を示す(但し、X1及びX2が同時に水素原子である場合を除く)。l、m及びnは同一又は異なって、整数を示す。式A:{(l+n)/(l+m+n)}×100(%)で示されるEO付加率が15~80%である。]
    で表される界面活性剤を含有する、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートの凝集抑制剤。
  2. 前記EO付加率が20~55%である、請求項1に記載の凝集抑制剤。
  3. 前記界面活性剤の平均分子量が1000~20000である、請求項1又は2に記載の凝集抑制剤。
  4. トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、及び一般式(1):
    Figure 0007485338000009
    [式中:X1及びX2は同一又は異なって、水素原子又は-SO3 -M+(M+はNH4 +、Li+、Na+又はK+を示す。)を示す(但し、X1及びX2が同時に水素原子である場合を除く)。l、m及びnは同一又は異なって、整数を示す。式A:{(l+n)/(l+m+n)}×100(%)で示されるEO付加率が15~80%である。]
    で表される界面活性剤を含有する、ポリエステル繊維処理用液体組成物。
  5. 前記ポリエステル繊維がカチオン可染ポリエステルを含む、請求項4に記載の液体組成物。
  6. ポリエステル繊維難燃処理用、及び/またはポリエステル繊維染色処理用である、請求項4又は5に記載の液体組成物。
  7. 請求項4~6のいずれかに記載の液体組成物をポリエステル繊維に接触させることを含む、ポリエステル繊維の処理方法。
  8. 請求項4~6のいずれかに記載の液体組成物をポリエステル繊維に接触させることを含む、難燃性ポリエステル繊維の製造方法。
  9. 請求項8に記載の方法で製造された難燃性ポリエステル繊維。
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