JP7482726B2 - 塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムに関する。
塩化ビニリデン系樹脂は、透明性、耐水性及びガスバリア性等の特性に優れているため、ラップフィルム等として用いられている。近年、臭気の強い食品や廃棄物等、ガスバリア性や保香性が求められる用途にはラップフィルムが多く使用されており、上記対象物をラップフィルムで包装することが行われている。
例えば、特許文献1には、縦裂けトラブルが抑制され、かつ、密着性及び透明性に優れるポリ塩化ビニリデン樹脂ラップフィルムに関する技術が開示されている。
また、特許文献2には、臭気を克服しつつ、押出成形時の熱分解を抑制し、かつ、フィルムの過剰密着現象や引出性の低下等、物性の経時変化も少ない塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムに関する技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、収納箱にする通常厚みの板紙の一端部を鋸刃に加工することで、切断性能に優れた板紙製鋸刃付きの収納箱に関する技術が開示されている。
特開2011-168750号公報 特開2008-74955号公報 特開平5-162744号公報
従来の家庭用ラップフィルムは、食品等を包んだ際に、ラップフィルムの端面から自由に引裂くことが困難であり、一度包んだラップフィルムを開封する時にフィルムが意図しない斜め方向へ裂けてしまうことがある。このように意図しない方向へ裂けたラップフィルムは、再度食品を包むことが困難であり、同じラップフィルムを再利用することができないという問題がある。
また、家庭用ラップは、切断用刃を備えた箱に収納され、使用される長さにこの刃で切断されて使用される。ところで近年、リサイクル性の観点から、切断用刃として、従来の金属製でなく、紙製の刃が用いられることも検討されている。しかし、紙製の刃は、金属製の刃よりも切断性に劣るため、従来の塩化ビニリデン系樹脂を用いたラップフィルムでは、十分に切断することが困難であり、特許文献3に開示されている技術を用いても、金属製の刃と同程度のカット性は実現できていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ラップフィルム端面からのカット容易性に優れ、紙製の刃でも十分に切断することが可能な塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討を重ねた結果、TD方向の引裂き強度を2.0cN未満、かつ低温結晶化開始温度を40℃以上、60℃以下とすることで、ラップフィルム端面からのカット容易性に優れ、紙製の刃でも十分に切断することが可能な塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムが得られることを見出した。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]
塩化ビニリデン系樹脂を含有するラップフィルムであって、
TD方向の引裂強度が2.0cN未満であり、
温度変調型示差走査熱量計にて測定される低温結晶化開始温度が40~60℃であり、
厚みが6~18μmである、
塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム。
[2]
前記塩化ビニリデン系樹脂が、塩化ビニリデン繰り返し単位を72~93mol%含有する、
上記[1]に記載の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム。
[3]
前記塩化ビニリデン系樹脂に対し、エポキシ化植物油を0.5~3重量%含有する、上記[1]または[2]のいずれか1項に記載の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム。
[4]
前記塩化ビニリデン系樹脂に対し、クエン酸エステル及び二塩基酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を3~5重量%含有する、上記[1]から[3]のいずれか1項に記載の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム。
本発明によれば、ラップフィルム端面からのカット容易性に優れ、紙製の刃でも十分に切断することが可能な、塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムが得られる。
本発明の製膜プロセスで使用された装置の概略図である。 本発明のフィルムの利用形態例である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム〕
本実施形態の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム(以下、単に「ラップフィルム」という場合がある。)は、塩化ビニリデン系樹脂を含有するラップフィルムであって、TD方向の引裂強度が2.0cN未満であり、温度変調型示差走査熱量計にて測定される低温結晶化開始温度が40~60℃であり、厚みが6~18μmである。
<低温結晶化開始温度>
低温結晶化開始温度は、ラップフィルム製造後の熱安定性を示す指標であり、分子鎖の再配列の程度、すなわち、フィルムの物理的劣化による裂けやすさを評価することができる。
本実施形態のラップフィルムは、温度変調型示差走査熱量計(温度変調型DSC)にて測定される低温結晶化開始温度が40~60℃であり、好ましくは40~52℃であり、さらに好ましくは40~47℃である。低温結晶化開始温度が40℃未満である場合、TD方向の引裂き強度が過度に高くなり、ラップフィルムの端面から手で引裂くことが困難になり、また紙刃を用いてカットする際のカット性が悪化する原因となる。一方、低温結晶化開始温度が60℃を超えると、既に分子鎖の再配列が進行し、フィルム中の物理劣化が起きているため、フィルムが裂けることによるトラブルが増加する。
ここで、「低温結晶化開始温度」とは、温度変調型DSCによる昇温測定で得られる非可逆成分の温度-熱流曲線において、低温結晶化に起因する発熱ピークの補外開始温度(昇温測定において低温側のベースラインを高温側に延長した線と、結晶化ピークの低温側の曲線にこう配が最大になる点で引いた接線の交点の温度)をいい、以下の方法により測定される。
パーキンエルマー社製示差走査熱量測定装置(DSC)(入力補償型ダブルファーネス DSC 8500)を使用し、ステップスキャン測定モードにより、非可逆成分の温度-熱流曲線を得る。この際のステップスキャン測定の条件は、測定温度を0~180℃、昇温速度を10℃/minとし、昇温ステップ幅を4℃とし、等温時間を1minとする。得られた温度-熱流曲線において、低温結晶化に起因する発熱ピークの補外開始温度を低温結晶化開始温度とする。
DSC昇温測定中に結晶化と結晶融解は競争して起こるため、従来のDSC測定方法では微結晶の形成・成長と融解に由来する熱流が相殺されてしまい、微結晶の熱挙動を検討することは難しく、従来のラップフィルムと本実施形態を区別することが困難であった。一方、温度変調型DSCを利用した場合、結晶化等の非可逆成分と結晶融解やガラス転移等の可逆成分の熱流に分離することができ、微結晶の熱挙動を評価することが可能となる。
ラップフィルムの低温結晶化開始温度を40~60℃とするためには、例えば、MD方向の延伸倍率とTD方向の延伸倍率の積(MD延伸倍率×TD延伸倍率)や、延伸時の温度を調整することにより、延伸過程で掛かる応力を調整し、配向結晶化の程度を適宜設定すること等が挙げられる。
MD延伸倍率×TD延伸倍率の好ましい範囲としては、11~21倍であり、より好ましくは11~19倍であり、さらに好ましくは11~17倍であり、特に好ましくは11~15倍である。
本実施形態のラップフィルムの厚みは、6~18μmであり、9~12μmが好ましい。ラップフィルムの厚みが6μm以上である場合、フィルムの引張強度が高く、使用時のフィルム切れを抑制できる。また、引裂強度の著しい低下がなく、巻回体からフィルムを引き出す際、及び化粧箱の中に巻き戻ったフィルム端部を摘み出す際、化粧箱付帯の切断刃でカットした端部からフィルムが裂けるトラブルを低減できる。一方、ラップフィルムの厚みが18μm以下である場合、フィルム切断刃でフィルムをカットするのに必要な力を低減でき、カット性が良好であり、また、フィルムが容器形状にフィットしやすく、容器への密着性が向上する。すなわち、フィルム切れのトラブル抑制、カット性、及び密着性のバランスの観点から、ラップフィルムの厚みが特定範囲に調整される。特に、厚みが6~18μmのラップフィルムは、引裂強度の著しい低下はないものの、決して十分ではなく、フィルムの裂けトラブルが起こりやすい傾向にあるため、本発明の効果が顕著となる。ラップフィルムの厚みは、公知の方法により調整することができるが、例えば、押出速度を3kg/hr~200kg/hrの範囲内で適宜選択することにより調整できる。
ラップフィルムの厚みは、後述する実施例に記載された方法に従って測定することができる。
<引裂強度>
本実施形態のラップフィルムは、フィルム一枚での測定時のTD方向の引裂強度が2.0cN未満である。ここで、TD方向とは、巻回体からラップフィルムを引き出す方向に垂直な方向をいう。引裂強度は、後述の実施例に記載された方法によって測定される。
本実施形態のラップフィルムは、フィルム一枚で測定時のTD方向の引裂強度が2.0cN未満であることにより、特にリワインド工程でのカット時の刃こぼれを防止することができ、また、紙製切断用刃を備えた箱に収納されて、使用時に適度な長さに切断するときに、十分に切断することが可能となる。TD方向の引裂強度は好ましくは0.1cN以上、2.0cN未満であり、より好ましくは0.1cN以上、1.8cN以下であり、さらに好ましくは0.1cN以上、1.5cN以下であり、さらにより好ましくは0.1cN以上、1.0cN以下であり、特に好ましくは0.1cN以上、0.5cN以下である。
本実施形態のラップフィルムのTD方向の引裂強度は、塩化ビニリデン系樹脂の組成、添加剤組成、フィルムの延伸倍率、延伸速度、延伸温度、及びフィルムの厚み、ダイスリットの内径等によって調整できる。例えば、TD方向の引裂強度は、TD方向の延伸倍率を低くしたり、ラップフィルムを厚くしたり、延伸温度を高くすることによって向上する傾向にあり、TD方向の延伸倍率を高くしたり、ラップフィルムを薄くしたり、延伸温度を低くすることによって低下する傾向にある。また、ダイスリットの内径を小さくすると、TD方向へ延伸する際に、同一倍率へ延伸する場合であっても延伸速度が高くなるため、TD方向の引裂強度が低下する傾向にある。
<塩化ビニリデン系樹脂>
本実施形態の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、塩化ビニリデン系樹脂を含有する。
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデン繰り返し単位を含むものであれば特に限定されず、塩化ビニリデン繰り返し単位以外に、例えば塩化ビニル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;メチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート等のメタアクリル酸エステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル等、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体が一種又は二種以上共重合されていてもよい。
塩化ビニリデン共重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは80.000~200,000であり、より好ましくは90,000~180,000であり、さらに好ましくは100,000~170,000である。重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であることにより、ラップフィルムの機械強度がより向上する傾向にある。重量平均分子量が上記範囲内である塩化ビニリデン系樹脂は、例えば、塩化ビニリデンモノマーと塩化ビニルモノマーの仕込み比率や、重合開始剤の量、又は重合温度を制御することにより得ることができる。なお、本実施形態において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエ-ションクロマトグラフィー法(GPC法)により、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
塩化ビニリデン系樹脂が共重合樹脂である場合、塩化ビニリデン繰り返し単位の比率は、特に限定されないが、塩化ビニリデン繰り返し単位を72~93mol%含むものが好ましく、81~90mol%含むものがより好ましい。塩化ビニリデン繰り返し単位が72mol%以上である場合、塩化ビニリデン系樹脂のガラス転移温度が低くフィルムが軟らかくなるため、冬場等の低温環境下での使用時にもフィルムの裂けを低減できる傾向にある。一方、塩化ビニリデン繰り返し単位が93mol%以下である場合、結晶性の大幅な上昇を抑制し、フィルム延伸時の成形加工性の悪化を抑制できる傾向にある。
特に、塩化ビニリデン繰り返し単位を72mol%以上含む塩化ビニリデン系樹脂からなるラップフィルムは、夏場等の高温下で保管・流通する際、熱を受けて微結晶が形成・成長し、物理的な劣化が起こりやすく、結果としてフィルム使用時の裂けトラブルが発生しやすい傾向にあるため、本発明の効果がより顕著となる。
塩化ビニリデン繰り返し単位の含有量は、特に限定されないが、例えば、高分解のプロトン核磁気共鳴測定装置(400MHz以上)を用いて測定することができる。より具体的には、ラップフィルムの再沈濾過物を真空乾燥し、5重量%を重水素化テトラヒドロフランに溶解させた溶液を、測定雰囲気温度約27℃にてH-NMR測定する。得られたスペクトル中のテトラメチルシランを基準とした特有の化学シフトを用いて塩化ビニリデン繰り返し単位を計算する。例えば、塩化ビニリデンと塩化ビニルの共重合体では、3.50~4.20ppm、2.80~3.50ppm、2.00~2.80ppmのピークを利用して計算する。
塩化ビニリデン系樹脂の含有量は、ラップフィルムの総量に対して、好ましくは77~94重量%であり、より好ましくは85~94重量%である。塩化ビニリデン系樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、添加剤等による可塑化効果によってフィルムが伸びやすくなるのを抑制でき、フィルムのカット性が一層高くなる傾向にある。
ラップフィルム中の各成分の含有量を測定する方法は分析対象物によって異なる。例えば、塩化ビニリデン系樹脂の含有量は、ラップフィルムの再沈濾過物を真空乾燥し、重量測定して得ることができる。一方、エポキシ化植物油の含有量は、例えば、NMRを使用する方法を用いることができる。また、クエン酸エステル及び二塩基酸エステルの含有量は、アセトン等の有機溶媒を用いてラップフィルムから添加剤を抽出し、ガスクロマトグラフィー分析して得ることができる。
本実施形態の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、前記塩化ビニリデン系樹脂に加えて、必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。前記添加剤としては、特に制限されず、例えば、エポキシ化植物油等の公知の安定剤、及びクエン酸エステルや二塩基酸エステル等の公知の可塑剤等が挙げられる。
<エポキシ化植物油>
本実施形態の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、ラップフィルムの色調変化の抑制の観点から、エポキシ化植物油を含有することが好ましい。エポキシ化植物油は、塩化ビニリデン系樹脂押出加工用安定剤としても作用する。
エポキシ化植物油としては、特に限定されないが、一般的に、食用油脂をエポキシ化して製造されるものが挙げられる。具体的には、例えば、エポキシ化大豆油(ESO)、エポキシ化アマニ油が挙げられるが、これらの中でも、高温下にラップフィルムを保管した際、化粧箱からのフィルムの引出性悪化を抑制できる傾向にあるため、ESOが好ましい。
本実施形態のラップフィルムがエポキシ化植物油を含有する場合、その含有量は特に限定されないが、ラップフィルムの色調変化の抑制、ブリードによるべたつき防止等の観点から、塩化ビニリデン系樹脂に対し、0.5~3重量%が好ましく、1~2重量%がより好ましい。
エポキシ化植物油含有量のNMRを使用した測定方法は下記の手順に従う。
サンプルを50mg秤量し、重溶媒(溶媒:重水素化THF、内部標準:テレフタル酸ジメチル、容量:0.7ml)に溶かし、400MHzプロトンNMR(積算回数:512回)測定する。8.05~8.11ppmの積分値に対する2.23~2.33ppmの積分値の比を積分比とし、絶対検量線法で定量値を計算する。
積分比=積分値(2.23~2.33ppm)/積分値(8.05~8.11ppm)
本実施形態のラップフィルムは、成形加工性等の観点から、クエン酸エステル及び二塩基酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。
<クエン酸エステル>
本実施形態のラップフィルムに用いられるクエン酸エステルは、特に限定されないが、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、ATBC、アセチルクエン酸トリ-n-(2-エチルヘキシル)などが挙げられる。これらの中でも、塩化ビニリデン系樹脂に対する可塑化効果が高く、少量でも十分に樹脂を可塑化し、成形加工性を向上させる傾向にあるため、ATBCが好ましい。
<二塩基酸エステル>
本実施形態のラップフィルムに含まれる二塩基酸エステルとしては、特に限定されないが、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジn-ヘキシル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸エステル系;アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシル、アゼライン酸オクチル等のアゼライン酸エステル系;セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル等のセバシン酸エステル系などが挙げられる。これらの中でも、塩化ビニリデン系樹脂に対する可塑化効果が高く、少量でも十分に樹脂を可塑化し、成形加工性を向上させる傾向にあるため、DBSが好ましい。
前記クエン酸エステルや二塩基酸エステルの合計含有量は、特に限定されないが、より優れた成形加工性の付与、及び添加剤高含有時のラップフィルムの過剰な密着性防止等の観点から、塩化ビニリデン系樹脂に対し、3~8重量%が好ましく、3~7重量%がより好ましく、3~5重量%がさらに好ましく、3.5~5重量%が特に好ましい。
特に、塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムが、クエン酸エステルや二塩基酸エステルを3重量%以上含有する場合、塩化ビニリデン系樹脂の分子鎖の運動性が高くなるため、微結晶の形成や成長等の再配列が発生しやすく、高温下に晒されると物理的に劣化しやすくなり、また、フィルムが伸びやすくなるため切断刃がフィルムに食い込みにくくなり、カット性が低下する傾向にあるため、本発明の効果がより顕著となる。
<その他の配合物>
本実施形態の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、前記エポキシ化植物油、クエン酸エステル、及び二塩基酸エステル以外の配合物(以下、「その他の配合物」という。)、例えば可塑剤、安定剤、耐候性向上剤、染料又は顔料等の着色剤、防曇剤、抗菌剤、滑剤、核剤、ポリエステル等のオリゴマー、MBS(メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体)等のポリマー等を含有してもよい。
前記可塑剤としては、特に限定されないが、具体的には、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリセリンエステル、ワックス、流動パラフィン、及びリン酸エステル等が挙げられる。
前記安定剤としては、特に限定されないが、具体的には、2,5-t-ブチルハイドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、4,4'-チオビス-(6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、オクタデシル-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブロピオネート、及び4,4'-チオビス-(6-t-ブチルフェノール)等の酸化防止剤;ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、2-エチル-ヘキシル酸塩、イソデカン酸塩、ネオデカン酸塩、及び安息香酸カルシウム等の熱安定剤が挙げられる。
前記耐候性向上剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレン-2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾリトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-メチルフェニル)5-クロロベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、及び2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤が挙げられる。
前記染料又は顔料等の着色剤としては、特に限定されないが、具体的には、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、及びベンガラ等が挙げられる。
前記防曇剤としては、特に限定されないが、具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
前記抗菌剤としては、特に限定されないが、具体的には、銀系無機抗菌剤等が挙げられる。
前記滑剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレンビスステロアミド、ブチルステアレート、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸炭化水素系滑剤、高級脂肪酸滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、及び脂肪酸エステル滑剤等が挙げられる。
前記核剤としては、特に限定されないが、具体的には、リン酸エステル金属塩等が挙げられる。
前記その他の配合物の含有量は、ラップフィルムに対して5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下である。
〔塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムの製造方法〕
本実施形態の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムの製造方法は、特に制限されないが、塩化ビニリデン系樹脂組成物を溶融押し出しした後、MD方向及びTD方向に延伸する塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムの製造方法であって、延伸温度25℃の条件下でMD方向の延伸倍率を1.0~2.0倍とし、TD方向の延伸倍率を6.5~12.0倍とするか、延伸温度10~22℃の条件下でMD方向の延伸倍率を2.0~3.8倍とし、TD方向の延伸倍率を5.3~7.0倍とし、ダイスリットの内径を6mm~50mmとすることができる。
以下、本実施形態のラップフィルムの好ましい製造方法について説明する。
まず、塩化ビニリデン系樹脂と、必要に応じて、エポキシ化植物油、クエン酸エステル又は二塩基酸エステルから選ばれる少なくとも一種の化合物と、必要に応じて種々の添加剤とを、リボンブレンダー又はヘンシェルミキサー等で均一に混合させ、24時間熟成させて塩化ビニリデン系樹脂組成物を製造する。その後、図1にラップフィルムの製造工程の一例の概略図を示すように、該樹脂組成物を押出機(1)により溶融させ、ダイ(2)から管状に押出され、ソック(4)が形成される。ソック(4)の外側を冷水槽(6)にて冷水に接触させ、ソック(4)の内部にはソック液(5)を注入することにより、内外から冷却して固化させる。固化されたソック(4)は、第1ピンチロール(7)にて折り畳まれ、パリソン(8)が成形される。
続いて、パリソン(8)の内側にエアを注入することにより、再度パリソン(8)は開口されて管状となる。このとき、ソック(4)内面に表面塗布したソック液(5)はパリソン(8)の開口剤としての効果を発現する。パリソン(8)は、温水により延伸に適した温度まで再加熱される。パリソン(8)の外側に付着した温水は、第2ピンチロール(9)にて搾り取られる。適温まで加熱された管状のパリソン(8)にエアを注入してバブル(10)を成形し、延伸フィルムが得られる。その後延伸フィルムは、第3ピンチロール(11)で折り畳まれ、ダブルプライフィルム(12)となる。ダブルプライフィルム(12)は、巻き取りロール(13)にて巻き取られる。さらに、このフィルムはスリットされて、1枚のフィルムになるように剥がしながら巻き取られ、一時的に1~3日間原反の状態で保管される。最終的には原反から紙管に巻き返され、化粧箱に詰められることで、化粧箱に収納された塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム巻回体が得られる。
上記記載の第1ピンチロール(7)から第3ピンチロール(11)までの工程が延伸工程であり、第1ピンチロール(7)と第3ピンチロール(11)の回転速度比でMD方向の延伸倍率が決まり、パリソン(8)の延伸温度やバブル(10)の大きさでTD方向の延伸倍率を調整できる。
MD方向の延伸倍率は、パリソン(8)をMD方向に伸ばした延伸比をいい、例えば、図1においては、第1ピンチロール(7)の回転速度に対する第3ピンチロール(11)の回転速度の比によってMD方向の延伸倍率を算出できる。また、パリソン(8)の幅の長さに対するダブルプライフィルム(12)の幅の長さの比によってTD方向の延伸倍率を算出できる。
また、第1ピンチロール(7)や第3ピンチロール(11)の回転速度を変更すること、又は、第1ピンチロール(7)と第3ピンチロール(11)の間の距離を変更することにより、パリソン(8)の延伸速度、特にMD方向の延伸速度を変更することができる。
MD方向の平均延伸速度は、パリソンが第1ピンチロール(7)と第3ピンチロール(11)の間を通過する時間に対するMD方向への延伸倍率をいい、例えば、図1においては、第1ピンチロール(7)の回転速度、第3ピンチロール(11)の回転速度、及びパリソン(8)が第1ピンチロール(7)と第3ピンチロール(11)間を通過するのに要する時間によって算出できる。TD方向の平均延伸速度は、パリソン(8)がバブル(10)まで膨らむのに要する時間に対するTD方向への延伸倍率をいい、例えば、図1においては、パリソン(8)及びバブル(10)の静止画像を利用して測定した延伸長と第3ピンチロール(11)の回転速度から算出したTD方向の延伸に要する時間と、TD方向の延伸倍率から算出できる。
延伸バブルを安定して形成するために、従来塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムでは、延伸温度25~34℃の条件下で、MD及びTDの延伸倍率を、共に4~6倍としていた。
これに対して、TD引裂き強度を2.0cN未満、かつ、結晶化開始温度を40~60℃に制御した、端面のカット容易性と、紙刃でのカット性に優れるフィルムは、特に制限されないが、延伸温度25℃の条件下でMD方向の延伸倍率を1.0~2.0倍とし、TD方向の延伸倍率を6.5~12.0倍とするか、延伸温度10~22℃の条件下でMD方向の延伸倍率を2.0~3.8倍とし、TD方向の延伸倍率を5.3~7.0倍、ダイスリット内径を6~50mmとすることにより、好適に製造できる。ダイスリット内径の好ましい範囲は6mm~33mmであり、より好ましくは6mm~28mmであり、さらにより好ましくは6mm~20mmであり、最も好ましくは6mm~12mmである。
なお、ダイスリット内径が40~50mmと大きい場合には、TD延伸倍率や、延伸温度を適宜調整する必要がある。ここで、TD延伸倍率の好ましい範囲は、6.5~12.0倍である。また、延伸温度の好ましい範囲は、10~22℃である。
一方、第3ピンチロール(11)より巻き取りロール(13)の回転速度を遅くすることで、延伸フィルムを緩和させることができる。一般的に、延伸後に赤外ヒーター等の熱を利用してフィルムを緩和させる場合があるが、本実施形態のラップフィルムを製造する場合、熱によりフィルムの裂けの原因である微結晶の形成・成長が起こり、結晶化開始温度は60℃を超えてしまう。そのため、緩和時の雰囲気温度を25~32℃に設定することが好ましい。
フィルムをスリットした後、原反の状態で保管する条件は、特に制限されないが、延伸後24時間以上5~19℃で保管することが好ましい。特に、保管の際の雰囲気温度は、フィルム裂けトラブル増加を誘発する微結晶の形成・成長を抑制する点で重要となる。原反の保管場所は、フィルムの製造工程に隣接していたり、温調管理されていない等のため、比較的高温下であることが多い。スリット原反保管時の雰囲気温度が19℃以下であることは、分子鎖の再配列によるフィルムの物理劣化を抑制でき、巻回体からフィルムを引き出す際、及び化粧箱の中に巻き戻ったフィルム端部を摘み出す際、化粧箱付帯の切断刃でカットした端部からフィルムが裂けやすくなるのを抑制できるので、好ましい。
一方、スリット原反保管時の雰囲気温度が5℃以上であることは、フィルムを十分に緩和し、その後の流通・保管時に20℃以上に晒された場合、分子鎖の再配列が起こりにくくする観点から好ましい。
そのため、スリット原反を24時間以上、5~19℃で保管することが好ましく、これにより、微結晶の形成・成長を抑制しつつ、非晶部の分子鎖を配向緩和させたフィルムが得られる。原反保管時に分子鎖の配向を緩和させることにより、フィルムの流通及び保管時に高温下に晒されても微結晶が形成・成長しにくくなり、裂けトラブルを抑制することができる。
スリット原反は、保管後、特に制限されないが、例えば紙管等に巻き返され、巻回体(16)として、図2に示すようなフィルム切断刃(15)を備える化粧箱(14)に収納される。図2に例示するように、ラップフィルム(17)は、使用時に引き出されて使用される。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。実施例及び比較例で用いた評価方法は、以下の通りである。
(測定方法)
<塩化ビニリデン繰り返し単位の含有量>
ラップフィルムの塩化ビニリデン繰り返し単位の比率は、高分解のプロトン核磁気共鳴測定装置を用いて測定した。ラップフィルムの再沈濾過物を真空乾燥し、5重量%を重水素化テトラヒドロフランに溶解させた溶液を、測定雰囲気温度約27℃にてH-NMR測定した。例えば、塩化ビニリデンと塩化ビニルの共重合体に関しては、テトラメチルシランを基準とした共重合体の3.50~4.20ppm、2.80~3.50ppm、2.00~2.80ppmのピークを利用して塩化ビニリデン繰り返し単位の含有量を計算した。
<フィルムの厚み>
ラップフィルムの厚み測定にはダイアルゲージ(テクロック社製)を利用し、23℃、50%RHの雰囲気中で行った。
<引裂強度>
ラップフィルムの引裂強度測定は軽荷重引裂試験機 D型(東洋精機製)を使用し、23℃、50%RHの雰囲気中にて評価した。ラップフィルムの引裂強度測定はラップフィルムを10枚重ねた状態と、ラップフィルム1枚のみでの測定の両方について行った。この時、フルスケールの20~80%になるように測定レンジを適宜選択した。フルスケールの20%未満となる場合には、最も小さい測定レンジを選択した。また、フィルムを重ねる際には、フィルムにシワが入らないよう様に、タルクをまぶしてから、フィルム10枚を重ねた。引裂方向のサンプル長さは63.5mmとし、サンプル幅は50.0mmとした。測定の際には、振り子を持ち上げてから止めた後、試験片、又は、積層した試験片を注意深くつまみ具に取り付け、スリットを入れる位置がフィルム幅の中央となるように、クランプをしっかりと締め付けた。その後、装置に取り付けられたナイフでフィルムにスリットを入れた後、振り子を注意深く解放し、試験片を引き裂くのに要した力の値を読み取った。引裂線がスリットの延長線より10mm以上それた試験は除外し、代わりに追加の試験片の試験を行った。ただし、この場合、引裂きがエンボス加工された模様の線に沿っている場合はこの限りではない。測定結果は小数点第二位の値を四捨五入した。
<低温結晶化開始温度>
ラップフィルムの低温結晶化開始温度測定には、パーキンエルマー社製示差走査熱量測定装置(DSC)(入力補償型ダブルファーネス DSC 8500)を使用し、ステップスキャン測定モード(サンプル重量:6mg、サンプルパン材質:アルミ製、測定温度:0~180℃、昇温速度:10℃/min、昇温ステップ幅:4℃、等温時間:1min)を利用した。空のアルミ製サンプルパンについても同条件にて測定し、これをブランクとした。温度-熱流曲線の非可逆成分において、低温結晶化に起因する発熱が開始する温度を低温結晶化開始温度とした。
(評価方法)
<紙刃でのカット性>
ラップフィルムの紙刃でのカット性に関する官能評価は、以下の方法によって実施して評価する。すなわち、熟練した評価者10名(男女を含む。)が、特許文献3に開示されている化粧箱に収納したラップフィルムのそれぞれを、手で引き出してカートン刃で切断する際のカット性(フィルムが伸びることなく、軽い力でまっすぐに切断できるか否か)について、1点~10点の1点刻み(10点が最も優れたカット性であり、1点が最もカット性不良とした。)で、各々評価する。評価者10名の平均点に基づき、以下の評価基準により、ラップフィルムの紙刃でのカット性の評価とする。紙刃でのカット性の評価が「A」であれば、ラップフィルムは非常に快い摘まみやすさであり、紙刃でのカット性が非常に優れるといえる。評価が「B」であれば、ラップフィルムは快い紙刃でのカット性である。評価が「C」であれば、ラップフィルムは紙刃でのカット性が良好であるといえる。評価が「D」であれば、ラップフィルムの紙刃でのカット性は特に問題はない。評価が「×」であれば、ラップフィルムは紙刃でのカット性が劣っている。
[評価基準]
A: 8.0点以上
B: 6.0点超過8.0点未満
C: 4.0点超過6.0点未満
D: 2.0点超過4.0点未満
×: 2.0点以下
<端面からのカット容易性>
ラップフィルムで食品等を包み、開封する動作を想定して、ラップフィルムの端面を手で引裂く際のカット容易性について官能評価を、以下の方法によって実施して評価する。すなわち、熟練した評価者10名(男女含む。)が、市販のラップフィルムの化粧箱(旭化成ホームプロダクツ社製、商品名サランラップ(登録商標)の化粧箱、30cm×20m)に収納したラップフィルムを長さ及び幅27cmの大きさに切り出して、ラップフィルムの端面を手で引裂く際の端面からのカット容易性(手で引裂いた方向へ軽い力で、まっすぐ切断できるか否か)について1点~10点の1点刻み(10点が最も優れた端面からのカット容易性であり、1点が最も端面からのカット容易性が劣るとした。)で、各々評価する。評価者10名の平均点に基づき、以下の評価基準により、ラップフィルムの端面からのカット容易性を評価する端面からのカット容易性が「A」であれば、ラップフィルムは非常に快い端面からのカット容易性であり、端面からのカット容易性が非常に優れるといえる。評価が「B」であれば、ラップフィルムは快い端面からのカット容易性である。評価が「C」であれば、ラップフィルムは端面からのカット容易性が良好であるといえる。評価が「D」であれば、ラップフィルムの端面からのカット容易性は特に問題はない。評価が「×」であれば、ラップフィルムは端面からのカット容易性が劣っている。
[評価基準]
A: 8.0点以上
B: 6.0点超過8.0点未満
C: 4.0点超過6.0点未満
D: 2.0点超過4.0点未満
×: 2.0点以下
[実施例1]
以下、本実施形態のラップフィルムの好ましい製造方法について説明する。
重量平均分子量120,000の塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン繰り返し単位が85mol%、塩化ビニル繰り返し単位が15mol%)、ATBC(アセチルクエン酸トリブチル、田岡化学工業(株))、ESO(ニューサイザー510R、日本油脂(株))をそれぞれ93.4重量%、5.5重量%、1.1重量%の割合で混ぜたもの合計10kgをヘンシェルミキサーにて5分間混合させ、24時間以上熟成して塩化ビニリデン系樹脂組成物を得た。
上記の塩化ビニリデン系樹脂組成物を溶融押出機に供給して溶融し、押出機の先端に取り付けられた環状ダイでのスリット出口での溶融樹脂温度が170℃になるように押出機の加熱条件を調節しながら、環状に6kg/hrの押出速度で押出した。ダイスリットの内径は49mmとした。
これを過冷却した後、インフレーション延伸によって、延伸温度は25℃で、MD方向は1.0倍に延伸し、TD方向は12.0倍に延伸して筒状フィルムとし、ダブルプライフィルムの幅924mmの2枚重ねのフィルムを巻取速度18m/minにて巻き取った。このフィルムを、80mmの幅にスリットし、1枚のフィルムに剥がしながら外径97mmの紙管に巻き直
した。その後、30時間の間15℃で保管し、外径36mm、長さ300mmの紙管に20m巻き取ることで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
押出速度を18kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を1.9倍とし、TD方向の延伸倍率を7.0倍とし、ダブルプライフィルムの幅を540mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
押出速度を12kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を2.0倍とし、TD方向の延伸倍率を8.7倍とし、ダブルプライフィルムの幅を664mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
押出速度を9kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を1.7倍とし、TD方向の延伸倍率を6.5倍とし、ダブルプライフィルムの幅を495mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
押出速度を11kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を2.0倍とし、TD方向の延伸倍率を7.0倍とし、延伸温度を10℃とし、ダブルプライフィルムの幅を540mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
押出速度を14kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を2.5倍とし、TD方向の延伸倍率を6.3倍とし、延伸温度を15℃とし、ダブルプライフィルムの幅を483mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
押出速度を19kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を3.5倍とし、TD方向の延伸倍率を5.7倍とし、延伸温度を20℃とし、ダブルプライフィルムの幅を437mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
押出速度を20kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を3.8倍とし、TD方向の延伸倍率を5.3倍とし、延伸温度を22℃とし、ダブルプライフィルムの幅を409mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
押出速度を16kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を3.7倍とし、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、延伸温度を25℃とし、ダイスリットの内径を14mmとし、ダブルプライフィルムの幅を124mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例10]
押出速度を19kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を3.7倍とし、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、延伸温度を25℃とし、ダイスリットの内径を23mmとし、ダブルプライフィルムの幅を206mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例11]
押出速度を20kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を3.7倍とし、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、延伸温度を25℃とし、ダイスリットの内径を28mmとし、ダブルプライフィルムの幅を248mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例12]
押出速度を20kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を3.7倍とし、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、延伸温度を25℃とし、ダイスリットの内径を33mmとし、ダブルプライフィルムの幅を289mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
押出速度を10kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を3.3倍、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、ダブルプライフィルムの幅を429mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
押出速度を10kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を3.7倍、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、ダイスリットの内径を50mmとし、ダブルプライフィルムの幅を441mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量を105,000とし、塩化ビニリデン繰り返し単位を84mol%、塩化ビニル繰り返し単位が16mol%とし、ATBCの添加量を2.3重量%とし、ESOの添加量を2.2重量%とし、DALGの添加量を2.8重量%として、8kg/hrの押出速度とし、MD方向の延伸倍率を3.8倍、TD方向の延伸倍率を4.1倍とし、ダブルプライフィルムの幅を316mmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量を105,000とし、塩化ビニリデン繰り返し単位を84mol%、塩化ビニル繰り返し単位が16mol%とし、ATBCの添加量を2.3重量%とし、ESOの添加量を2.2重量%とし、DALGの添加量を2.8重量%として、8kg/hrの押出速度とし、MD方向の延伸倍率を3.7倍、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、ダイスリットの内径を58mmとし、ダブルプライフィルムの幅を510mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例5]
塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量を130,000とし、塩化ビニリデン繰り返し単位を80mol%、塩化ビニル繰り返し単位が20mol%とし、ATBCの添加量を5.2重量%とし、ESOの添加量を1.8重量%として、9kg/hrの押出速度とし、MD方向の延伸倍率を4.5倍、TD方向の延伸倍率を3.6倍とし、ダブルプライフィルムの幅を279mmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例6]
塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量を130,000とし、塩化ビニリデン繰り返し単位を80mol%、塩化ビニル繰り返し単位が20mol%とし、ATBCの添加量を5.2重量%とし、ESOの添加量を1.8重量%として、11kg/hrの押出速度とし、MD方向の延伸倍率を3.7倍、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、ダイスリットの内径を61mmとし、ダブルプライフィルムの幅を537mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例7]
塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量を130,000とし、塩化ビニリデン繰り返し単位を80mol%、塩化ビニル繰り返し単位が20mol%とし、ATBCの添加量を5.2重量%とし、ESOの添加量を1.8重量%として、8kg/hrの押出速度とし、MD方向の延伸倍率を4.9倍、TD方向の延伸倍率を3.1倍とし、ダブルプライフィルムの幅を241mmとすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例8]
塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量を130,000とし、塩化ビニリデン繰り返し単位を80mol%、塩化ビニル繰り返し単位が20mol%とし、ATBCの添加量を5.2重量%とし、ESOの添加量を1.8重量%として、11kg/hrの押出速度とし、MD方向の延伸倍率を3.7倍、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、ダイスリットの内径を89mmとし、ダブルプライフィルムの幅を785mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例9]
11kg/hrの押出速度とし、MD方向の延伸倍率を3.7倍、TD方向の延伸倍率を5.6倍とし、ダイスリットの内径を89mmとし、ダブルプライフィルムの幅を468mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例10]
押出速度を5kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を1.0倍とし、TD方向の延伸倍率を8.6倍とし、延伸温度を140℃とし、ダブルプライフィルムの幅を659mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例11]
押出速度を12kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を2.0倍とし、TD方向の延伸倍率を12.0倍とし、ダブルプライフィルムの幅を924mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例12]
押出速度を8kg/hrとし、MD方向の延伸倍率を1.5倍とし、TD方向の延伸倍
率を6.5倍とし、ダブルプライフィルムの幅を495mmにすること以外は、実施例1と同様の方法で作製することで、ラップフィルムの巻回体を得た。評価結果を表1に示す。
表1に示すとおり、実施例1~12で得られたラップフィルムは、ラップフィルム端面からのカット容易性に優れ、紙製の刃でも十分に切断することが可能であった。

Claims (1)

  1. 塩化ビニリデン系樹脂を含有するラップフィルムであって、
    TD方向の引裂強度が0.1cN以上1.8cN以下であり、
    温度変調型示差走査熱量計にて測定される低温結晶化開始温度が40~60℃であり、
    厚みが6~18μmであり、
    前記塩化ビニリデン系樹脂が、塩化ビニリデン繰り返し単位を72~93mol%含有し、
    前記塩化ビニリデン系樹脂に対し、エポキシ化植物油を0.5~3重量%含有し、
    前記塩化ビニリデン系樹脂に対し、クエン酸エステル及び二塩基酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を3~5重量%含有する
    塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム。
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