以下、本発明の実施形態に係る穿孔装置及び穿孔方法について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
まず、図1から図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る穿孔装置100及び穿孔方法について説明する。図1は、穿孔装置100の側面図であり、図2は、穿孔装置100の平面図である。穿孔装置100は、地山を掘削する工事において爆薬を装填するための孔1の形成に用いられる。孔1は、削孔ロッド10の推進により地山に形成される。
ここでは、地山を鉛直に掘削し立坑2を構築する場合について説明するが、穿孔装置100は、地山を略水平に掘削しトンネルを構築する場合や、鉛直方向に対して斜めに地山を掘削する場合にも用いることができる。また、穿孔装置100は、爆薬を装填するための孔1を形成する場合に限られず、例えばロックボルトを挿入するための孔を形成する場合にも用いることができる。
図1及び図2に示すように、穿孔装置100は、自走可能な移動台車20と、移動台車20に揺動自在に一端側が支持されたブーム30と、ブーム30の他端側に揺動自在に一端側が支持されたアーム40と、アーム40の他端側に揺動自在に支持されたガイドシェル50と、を備えている。ガイドシェル50は、削孔ロッド10の推進を案内する。
移動台車20は、車体21と、車体21の左右に装着されたクローラ22と、を備えている。車体21に搭載された不図示の走行モータを駆動することにより、クローラ22が回転し移動台車20が走行する。左右のクローラ22の回転数及び回転方向を調整することで、移動台車20は左右に方向転換する。
車体21には操縦席23が設けられている。操縦席23の近傍には、穿孔装置100を動作させるための不図示の操作機具が設けられている。作業者は、操縦席23で操作機具を操作して穿孔装置100を操縦する。穿孔装置100は、有線通信又は無線通信を用いて遠隔操作により操縦可能であってもよい。
移動台車20の車体21には、ブーム30を支持するブームブラケット31が揺動軸A1を中心に揺動自在に連結されている。ブームブラケット31が揺動軸A1を中心に揺動すると、ブーム30がブームブラケット31と共に揺動軸A1を中心に移動台車20に対して揺動する。
車体21には、不図示の傾斜計が設けられており、移動台車20は、地山の基盤上に揺動軸A1が略鉛直になるように基盤に設置される。以下では、揺動軸A1が鉛直になるように移動台車20が地山の基盤に配置されていると仮定する。
ブーム30は、略水平な揺動軸A2を中心に揺動自在に一端側がブームブラケット31に連結されている。つまり、ブーム30は、移動台車20に対して左右に(揺動軸A1を中心に)揺動自在であると共に、移動台車20に対して上下に(揺動軸A2を中心に)揺動自在である。
移動台車20に対するブーム30の左右の揺動角であるブーム左右角度θ1は、ブーム左右駆動部36により変更可能である。移動台車20に対するブーム30の上下の揺動角であるブーム上下角度θ2は、ブーム上下駆動部37により変更可能である。ブーム左右駆動部36及びブーム上下駆動部37は、例えば油圧シリンダである。ブーム左右角度θ1は、図2に示すように、鉛直上方から穿孔装置100を見て、移動台車20の直進方向とブーム30の延在方向との間の角度として定義される。ブーム上下角度θ2は、図1に示すように、水平面とブーム30の延在方向との間の角度として定義される。
アーム40は、揺動軸A2と略平行な揺動軸A3を中心に揺動自在に一端側がブーム30の他端側に支持されている。つまり、アーム40は、ブーム30に対して上下に揺動自在である。ブーム30に対するアーム40の揺動角であるアーム上下角度θ3は、アーム上下駆動部46により変更可能である。アーム上下駆動部46は、例えば油圧シリンダである。
アーム40の他端側には、第1シェルブラケット51が連結されており、第1シェルブラケット51には、第2シェルブラケット52が連結されている。第2シェルブラケット52には、回転テーブル53が連結されており、回転テーブル53にガイドシェル50が固定されている。
第1シェルブラケット51は、揺動軸A3と略平行な揺動軸A4を中心にアーム40に対して揺動自在である。アーム40に対して第1シェルブラケット51が揺動すると、ガイドシェル50がアーム40に対して上下に揺動する。アーム40に対するガイドシェル50の上下の揺動角であるガイドシェル上下角度θ4は、ガイドシェル上下駆動部56により変更可能である。ガイドシェル上下駆動部56は、例えば油圧シリンダである。
第2シェルブラケット52は、第1シェルブラケット51がアーム40に対して所定の角度で保持された状態(図1に示す状態)において、略鉛直な揺動軸A5を中心に第1シェルブラケット51に対して揺動自在である。第1シェルブラケット51に対して第2シェルブラケット52が揺動すると、ガイドシェル50がアーム40に対して左右に揺動する。アーム40に対するガイドシェル50の左右の揺動角であるガイドシェル左右角度θ5は、ガイドシェル左右駆動部57により変更可能である。ガイドシェル左右駆動部57は、例えば油圧シリンダである。
回転テーブル53は、揺動軸A5が鉛直になるように第2シェルブラケット52が保持された状態(図1に示す状態)において、略水平な回転軸A6を中心に第2シェルブラケット52に対して回転自在である。第2シェルブラケット52に対して回転テーブル53が回転すると、ガイドシェル50がアーム40に対して回転する。アーム40に対するガイドシェル50の回転角度は、不図示のガイドシェル回転駆動部により変更可能である。ガイドシェル回転駆動部は、例えば油圧モータである。
このように、ガイドシェル50は、アーム40に対して上下に(揺動軸A4を中心に)揺動自在であり、アーム40に対して左右に(揺動軸A5を中心に)揺動自在であり、アーム40に対して回転軸A6を中心に回転自在である。
ガイドシェル50には、削孔ロッド10の後端を支持するドリフタ58が搭載される。ドリフタ58は、不図示の駆動機構により移動し、削孔ロッド10を推進する。ドリフタ58の移動は、ガイドシェル50によって案内される。つまり、削孔ロッド10の推進は、ガイドシェル50によって案内される。
削孔ロッド10の先端を削孔ロッド10の推進方向に地山の基盤に押付けた状態で削孔ロッド10を推進すると、地山に孔1が削孔ロッド10の推進方向に形成される。ドリフタ58は、削孔ロッド10に回転力を付与可能に形成されていてもよい。
削孔ロッド10の先端位置は、ブーム30、アーム40及びガイドシェル50の揺動により変化する。削孔ロッド10の先端位置を変化させることにより、複数の孔1を地山に順次形成することができる。
ブーム左右駆動部36は、ブーム左右角度θ1を変更する。そのため、削孔ロッド10の先端は、ブーム左右駆動部36の駆動により、移動台車20の周りに移動する。したがって、移動台車20を移動させることなく移動台車20の周りに複数の孔1を順次形成することができる。
ガイドシェル左右駆動部57は、ガイドシェル左右角度θ5を変更する。そのため、削孔ロッド10の先端は、ガイドシェル左右駆動部57の駆動により、揺動軸A5を中心に移動する。したがって、揺動軸A5を中心とする円上に複数の孔1を順次形成することができる。
不図示のガイドシェル回転駆動部は、アーム40に対するガイドシェル50の回転角度を変更する。そのため、回転軸A6に沿ってガイドシェル50を見て揺動軸A5とガイドシェル50との間の角度は、ガイドシェル回転駆動部の駆動により変化する。したがって、揺動軸A5が鉛直になるように第2シェルブラケット52が保持された状態においても削孔ロッド10の推進方向を鉛直方向に対して傾けることができ、孔1を鉛直方向に対して傾斜して形成することができる。
ところで、爆薬を用いた地山の掘削では、孔1の位置に加え、掘削方向に対する孔1の角度が重要である。例えば、立坑2の中心軸を中心に所定の半径で描かれる仮想円の内側の範囲である第1範囲R1では、孔1を掘削方向すなわち鉛直方向に形成し、第1範囲R1よりも外側の第2範囲R2では、孔1を掘削方向すなわち鉛直方向に対して傾斜して形成することが地山の掘削に好適であるとされている。なお、図1では、第2範囲R2に形成された孔1の傾斜を誇張して描いている。
削孔ロッド10の推進により形成される孔1の角度は、削孔ロッド10の推進方向により定まる。そのため、削孔ロッド10の先端を予め設定された位置に合わせるだけでなく、削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に合わせることが求められている。
穿孔装置100では、図3に示すコントローラ60により、ブーム30及びアーム40の上下の揺動に応じて、削孔ロッド10の推進方向が予め設定された方向になるようにガイドシェル上下駆動部56を駆動してガイドシェル50を上下に揺動する。そのため、ブーム30及びアーム40の上下の揺動により削孔ロッド10の先端が移動したときにも、ガイドシェル50は、予め設定された方向に削孔ロッド10の推進を案内する。したがって、作業者は、削孔ロッド10の先端位置を合わせるだけでよく、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
図3は、穿孔装置100のブロック図である。図3に示すように、穿孔装置100は、ブーム上下角度θ2を検出するブーム上下角度検出部72と、アーム上下角度θ3を検出するアーム上下角度検出部73と、ガイドシェル上下角度θ4を検出するガイドシェル上下角度検出部74と、を備えている。
ブーム上下駆動部37が油圧シリンダである場合には、ブーム上下角度検出部72として、例えば、ブーム上下駆動部37の伸縮量を検出し検出された伸縮量に基づいて角度を算出するセンサを用いることができる。ブーム上下角度検出部72は、角度計であってもよい。
同様に、アーム上下駆動部46が油圧シリンダである場合には、アーム上下角度検出部73として、例えば、アーム上下駆動部46の伸縮量を検出し検出された伸縮量に基づいて角度を算出するセンサを用いることができる。ガイドシェル上下駆動部56が油圧シリンダである場合には、ガイドシェル上下角度検出部74として、例えば、ガイドシェル上下駆動部56の伸縮量を検出し検出された伸縮量に基づいて角度を算出するセンサを用いることができる。アーム上下角度検出部73及びガイドシェル上下角度検出部74は、角度計であってもよい。
穿孔装置100は、ブーム上下角度検出部72により検出されるブーム上下角度θ2と、アーム上下角度検出部73により検出されるアーム上下角度θ3と、ガイドシェル上下角度検出部74により検出されるガイドシェル上下角度θ4と、に基づいてガイドシェル上下駆動部56を制御するコントローラ60を備えている。コントローラ60は、例えば制御プログラム等を実行するCPU(Central Processing Unit)と、CPUにより実行される制御プログラムを記憶するROM(Read-Only Memory)と、CPUの演算結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)と、を備えるマイクロコンピュータである。コントローラ60は、1つのマイクロコンピュータによって構成されていてもよいし、複数のマイクロコンピュータによって構成されていてもよい。
コントローラ60は、機能的には、検出角度取得部61と、合計角度算出部62と、記憶部63と、揺動方向・揺動量決定部64と、信号出力部65と、を備えている。検出角度取得部61、合計角度算出部62、記憶部63、揺動方向・揺動量決定部64及び信号出力部65は、コントローラ60の機能を仮想的なユニットとしたものである。
検出角度取得部61は、ブーム上下角度検出部72により検出されるブーム上下角度θ2と、アーム上下角度検出部73により検出されるアーム上下角度θ3と、ガイドシェル上下角度検出部74により検出されるガイドシェル上下角度θ4と、を取得する。
合計角度算出部62は、検出角度取得部61により取得されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4の合計である合計角度を算出する。合計角度と、ガイドシェル50により案内される削孔ロッド10の推進方向と、の関係について、図4を参照して説明する。
図4は、穿孔装置100の模式図である。図4において、ガイドシェル50により案内される削孔ロッド10の推進方向と水平面との間の角度を穿孔角度θTとして定義している。
図4に示すように、ブーム30、アーム40、ガイドシェル50及び水平面により四角形が形成される。そのため、次の式1に示す関係が成立する。
θ2+θ3+θ4+θT=360°
∴θ2+θ3+θ4=360°-θT ・・・・・・・・・・・・(式1)
式1において、穿孔角度θTは、ガイドシェル50により案内される削孔ロッド10の推進方向に相当するため、削孔ロッド10の推進方向の変化に応じて、ブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4の合計が変化することになる。換言すれば、ブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4の合計を算出することにより、穿孔角度θTを把握することができ、削孔ロッド10の推進方向を把握することが可能となる。
図3に示すように、記憶部63は、削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に一致させた初期状態(例えば、図4に実線で示す状態)で合計角度算出部62により算出された合計角度を設定角度として記憶する。記憶部63は、作業員により不図示の入力装置から入力される角度を設定角度として記憶するように構成されていてもよい。
揺動方向・揺動量決定部64は、合計角度算出部62により算出された合計角度と、記憶部63に記憶された設定角度と、に基づいて、ガイドシェル50の揺動方向及び揺動量を決定する。具体的には、揺動方向・揺動量決定部64は、合計角度が設定角度よりも大きい場合(ガイドシェル50が図4に2点鎖線50aで示す状態にある場合)には、揺動方向を、ガイドシェル上下角度θ4を小さくする方向に決定する。揺動方向・揺動量決定部64は、合計角度が設定角度よりも小さい場合(ガイドシェル50が図4に2点鎖線50bで示す状態にある場合)には、揺動方向を、ガイドシェル上下角度θ4を大きくする方向に決定する。揺動方向・揺動量決定部64は、合計角度と設定角度との差が大きいほど揺動量が大きくなるように揺動量を決定する。揺動方向・揺動量決定部64は、合計角度と設定角度とが一致する場合には、ガイドシェル50の揺動が不要であると決定する。
信号出力部65は、揺動方向・揺動量決定部64による結果に基づいて、ガイドシェル上下駆動部56を駆動するための制御信号を出力する。ガイドシェル上下駆動部56は、信号出力部65から出力される制御信号に応じて自動駆動される。そのため、ガイドシェル50は、ブーム30及びアーム40の上下の揺動により削孔ロッド10の先端が移動したときにも、予め設定された方向に削孔ロッド10の推進を案内するようにガイドシェル上下駆動部56の駆動により自動的に揺動する。したがって、作業者は、削孔ロッド10の先端位置を合わせるだけでよく、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
また、記憶部63は、ブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を手動駆動した状態でのブーム上下角度θ2とアーム上下角度θ3とガイドシェル上下角度θ4とを合計した角度を、予め設定された角度として記憶する。そのため、ガイドシェル50は、手動駆動により設定された方向に削孔ロッド10の推進を案内するように自動的に揺動する。したがって、複数の孔1を地山における異なる位置に手動駆動により設定された角度で効率よく形成することができる。
次に、穿孔装置100を用いた穿孔方法について、図3乃至図5を参照して説明する。図5は、コントローラ60における処理を示すフローチャートである。コントローラ60における処理は、不図示の開始ボタンが作業者により押下されると開始する。また、コントローラ60における処理は、不図示の停止ボタンが作業者により押下されると終了する。
コントローラ60における処理では、削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に一致させた初期状態で合計角度算出部62により算出された合計角度を設定角度として用いる。そのため、コントローラ60における処理を開始する前に、図1に示すブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を作業者の操縦により駆動し、削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に一致させた初期状態にしておく。初期状態は、例えば、1つめの孔1を形成するために削孔ロッド10の先端を予め設定された位置に合わせると共に削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に合わせた状態であってもよい。
コントローラ60における処理を開始する開始ボタンが作業者により押下されると、コントローラ60は、図5に示すステップS501乃至ステップS508を実行する。
ステップS501では、初期状態でブーム上下角度検出部72、アーム上下角度検出部73及びガイドシェル上下角度検出部74を用いて検出されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4を取得する。
ステップS502では、初期状態で取得されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4を合計する。
ステップS503では、ステップS502にて合計された角度を設定角度として記憶する。
ステップS501、ステップS502及びステップS503は、それぞれ、検出角度取得部61、合計角度算出部62及び記憶部63により実行される。
ステップS503が実行された後、作業者は、削孔ロッド10の先端を移動させるためにブーム上下駆動部37及びアーム上下駆動部46を手動駆動する。
ステップS504では、ブーム上下角度検出部72、アーム上下角度検出部73及びガイドシェル上下角度検出部74を用いて検出されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4を取得する。ステップS504にて取得される角度は、初期状態からブーム30及びアーム40を手動駆動した後の角度である。
ステップS505では、ステップS504にて取得されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4を合計する。ステップS505にて算出される合計角度は、初期状態からブーム30及びアーム40を手動駆動した後の合計角度である。
ステップS506では、ステップS505にて算出された合計角度と、ステップS503にて記憶された設定角度と、に基づいて、ガイドシェル50の揺動方向及び揺動量を決定する。ステップS506は、揺動方向・揺動量決定部64により実行される。ステップS506にて実行される処理は、揺動方向・揺動量決定部64が実行する処理と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
ステップS507では、ガイドシェル上下駆動部56を駆動するための制御信号を出力する。ステップS507にて出力される制御信号に応じて、ガイドシェル上下駆動部56が自動駆動される。ステップS507は、信号出力部65により実行される。ステップS507における処理は、信号出力部65が実行する処理と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
ステップS508では、コントローラ60における処理を終了する停止ボタンが押下されたか否かを判断する。
ステップS508にて、停止ボタンが押下されていないと判断した場合には、ステップS504に戻る。ステップS504乃至ステップS508は、例えば1ミリ秒ごとに実行される。
ステップS508にて、停止ボタンが押下されていると判断した場合には、コントローラ60における処理を終了する。停止ボタンは、例えば、孔1を予め設定された数、形成した後に押下される。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
本実施形態では、ブーム上下角度θ2とアーム上下角度θ3とガイドシェル上下角度θ4とを合計した角度が予め設定された角度となるように、ガイドシェル上下駆動部56を自動駆動する。そのため、ブーム上下駆動部37及びアーム上下駆動部46の手動駆動により削孔ロッド10の先端が移動したときにも、ガイドシェル50は、予め設定された方向に削孔ロッド10の推進を案内するようにガイドシェル上下駆動部56の駆動により自動的に揺動する。したがって、作業者は、削孔ロッド10の先端位置を予め設定された位置に合わせるだけでよく、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
また、コントローラ60は、ブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を手動駆動した状態でのブーム上下角度θ2とアーム上下角度θ3とガイドシェル上下角度θ4とを合計した角度を、予め設定された角度として記憶する。そのため、ガイドシェル50は、手動駆動により設定された方向に削孔ロッド10の推進を案内するように自動的に揺動する。したがって、複数の孔1を地山における異なる位置に手動駆動により設定された角度で効率よく形成することができる。
また、穿孔装置100は、移動台車20に対する左右へのブーム30の揺動角であるブーム左右角度θ1を変更可能なブーム左右駆動部36を備えている。そのため、削孔ロッド10の先端は、ブーム左右駆動部36の駆動により、移動台車20の周りに移動する。したがって、移動台車20を移動させることなく移動台車20の周りに複数の孔1を順次形成することができる。
上記実施形態では、コントローラ60は、ブーム上下駆動部37及びアーム上下駆動部46の手動駆動に応じてガイドシェル上下駆動部56を自動駆動するが、本発明はこの形態に限られない。例えば、コントローラ60は、ブーム上下駆動部37及びガイドシェル上下駆動部56の手動駆動に応じて、ブーム上下角度θ2とアーム上下角度θ3とガイドシェル上下角度θ4とを合計した角度が予め設定された角度となるようにアーム上下駆動部46を自動駆動してもよい。また、コントローラ60は、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56の手動駆動に応じて、ブーム上下角度θ2とアーム上下角度θ3とガイドシェル上下角度θ4とを合計した角度が予め設定された角度となるようにブーム上下駆動部37を自動駆動してもよい。これらの場合においても、作業者は、削孔ロッド10の先端位置を予め設定された位置に合わせるだけでよく、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る穿孔装置200及び穿孔方法について、図6乃至図8を参照して説明する。
第1実施形態に係る穿孔装置100では、ブーム上下駆動部37及びアーム上下駆動部46の手動駆動に応じて、ガイドシェル上下駆動部56が自動駆動される。本実施形態に係る穿孔装置200では、ブーム上下駆動部37の手動駆動に応じて、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56が自動駆動される。この点において、本実施形態に係る穿孔装置200は、第1実施形態に係る穿孔装置100と相違する。
以下では、第1実施形態との相違点を主に説明し、第1実施形態で説明した構成と同一の構成又は相当する構成については、図中に第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、穿孔装置200の側面図及び平面図は、図1及び図2に示される穿孔装置100の側面図及び平面図と略同じであるため、図示を省略する。
図6は、穿孔装置200のブロック図である。図6に示すように、穿孔装置200は、ブーム上下角度検出部72により検出されるブーム上下角度θ2と、アーム上下角度検出部73により検出されるアーム上下角度θ3と、ガイドシェル上下角度検出部74により検出されるガイドシェル上下角度θ4と、に基づいてアーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を制御するコントローラ260を備えている。
コントローラ260は、機能的には、アーム他端高さ算出部263を備えている。アーム他端高さ算出部263は、コントローラ260の機能を仮想的なユニットとしたものである。
アーム他端高さ算出部263は、検出角度取得部61により取得されたブーム上下角度θ2及びアーム上下角度θ3を用いて、基盤に対するアーム40における他端側の高さ、具体的には基盤に対する揺動軸A4の高さH(図1参照)を算出する。揺動軸A4の高さHの算出方法について、図7を参照して説明する。
図7は、穿孔装置200の模式図である。図7において、揺動軸A2と揺動軸A3との間の寸法をブーム長さL1とし、揺動軸A3と揺動軸A4との間の寸法をアーム長さL2としている。
揺動軸A4の高さHは、基盤に対する揺動軸A2の高さをH0、揺動軸A3を通る鉛直線とアーム40との間の角度をθ31とすると、次の式2で表される。
H=H0+L1sinθ2-L2cosθ31 ・・・・・・・・(式2)
揺動軸A3を通る鉛直線とブーム30との間の角度をθ32とすると、次の式3の関係が導かれる。
θ31=θ3-θ32
=θ3-(90°-θ2)
=θ2+θ3-90° ・・・・・・・・・・・・・・・・(式3)
式2に式3を代入すると、次の式4が導かれる。
H=H0+L1sinθ2-L2cos(θ2+θ3―90°)
=H0+L1sinθ2―L2sin(θ2+θ3) ・・・・(式4)
式4において、基盤に対する揺動軸A2の高さH0、ブーム長さL1及びアーム長さL2は、既知の値である。そのため、ブーム上下角度θ2及びアーム上下角度θ3を用いることにより、基盤に対する揺動軸A4の高さHを算出することができる。基盤に対する揺動軸A4の高さHと、ガイドシェル上下角度θ4と、を用いることにより、基盤に対する削孔ロッド10の先端の高さを算出することが可能となる。
図6に示すように、記憶部63は、基盤に対する揺動軸A4の高さHを予め設定された高さに一致させた初期状態(例えば、図7に実線で示す状態)でアーム他端高さ算出部263により算出された高さを設定高さとして記憶する。記憶部63は、作業員により不図示の入力装置から入力される高さを設定高さとして記憶するように構成されていてもよい。
揺動方向・揺動量決定部64は、合計角度算出部62により算出された合計角度と、アーム他端高さ算出部263により算出された高さと、記憶部63に記憶された設定角度及び設定高さと、に基づいて、アーム40及びガイドシェル50の揺動方向及び揺動量を決定する。具体的には、揺動方向・揺動量決定部64は、算出された高さが設定高さよりも高い場合(アーム40が図7に2点鎖線40aで示す状態にある場合)には、アーム40の揺動方向を、アーム上下角度θ3を小さくする方向に決定する。揺動方向・揺動量決定部64は、算出された高さが設定高さよりも低い場合(アーム40が図7に2点鎖線40bで示す状態にある場合)には、アーム40の揺動方向を、アーム上下角度θ3を大きくする方向に決定する。揺動方向・揺動量決定部64は、算出された高さと設定高さとの差が大きいほどアーム40の揺動量が大きくなるようにアーム40の揺動量を決定する。揺動方向・揺動量決定部64は、算出された高さと設定高さとが一致する場合には、アーム40の揺動が不要であると決定する。
ガイドシェル50の揺動方向及び揺動量の決定方法は、第1実施形態でのガイドシェル50の揺動方向及び揺動量の決定方法と同じであるため、ここではその説明を省略する。
信号出力部65は、揺動方向・揺動量決定部64による結果に基づいて、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を駆動するための制御信号を出力する。アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56は、信号出力部65から出力される制御信号に応じて自動駆動される。そのため、ブーム30の上下の揺動により削孔ロッド10の先端が移動したときにも、ガイドシェル50は、予め設定された方向に削孔ロッド10の推進を案内するようにガイドシェル上下駆動部56の駆動により自動的に揺動し、アーム40は、予め設定された高さに揺動軸A4を保持するようアーム上下駆動部46の駆動により自動的に揺動する。したがって、作業者は、ブーム上下駆動部37を手動駆動して削孔ロッド10の先端位置を合わせるだけでよく、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
また、記憶部63は、ブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を手動駆動した状態での基盤に対する揺動軸A4の高さHを設定高さとして記憶する。そのため、アーム40は、揺動軸A4を手動駆動により設定された高さHで保持するように自動的に揺動する。したがって、作業者は、水平方向における削孔ロッド10の先端位置を合わせるだけでよく、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
次に、穿孔装置200を用いた穿孔方法について、図6乃至図8を参照して説明する。図8は、コントローラ260における処理を示すフローチャートである。コントローラ260における処理は、不図示の開始ボタンが作業者により押下されると開始する。また、コントローラ260における処理は、不図示の停止ボタンが作業者により押下されると終了する。
コントローラ260における処理では、削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に一致させかつ揺動軸A4を予め設定された高さで保持した初期状態で合計角度算出部62により算出された合計角度及びアーム他端高さ算出部263により算出された高さをそれぞれ設定角度及び設定高さとして用いる。そのため、コントローラ260における処理を開始する前に、図1に示すブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を作業者の操縦により駆動し、削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に一致させかつ揺動軸A4を予め設定された高さで保持した初期状態にしておく。初期状態は、例えば、1つめの孔1を形成するために削孔ロッド10の先端を予め設定された位置に合わせると共に削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に合わせた状態であってもよい。
コントローラ260における処理を開始する開始ボタンが作業者により押下されると、コントローラ260は、図8に示すステップS801乃至ステップS812を実行する。
ステップS801乃至ステップS803は、図5に示すステップS501乃至ステップS503と同じであるため、ここではその説明を省略する。
ステップS804では、初期状態で取得されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4を用いて、基盤に対する揺動軸A4の高さHを算出する。具体的には、初期状態で取得されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4を式4に代入して高さHを算出する。
ステップS805では、ステップS804にて算出された高さHを設定高さとして記憶する。
ステップS804及びステップS805は、それぞれ、アーム他端高さ算出部263及び記憶部63により実行される。
ステップS805が実行された後、作業者がブーム上下駆動部37を手動操縦にて駆動する。
ステップS806乃至ステップS808は、図5に示すステップS504乃至ステップS506と同じであるため、ここではその説明を省略する。
ステップS809では、ステップS806にて取得されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4を用いて、揺動軸A4の高さHを算出する。ステップS809にて算出される高さHは、初期状態からブーム30を手動駆動した後の高さHである。
ステップS810では、ステップS809にて算出された高さHと、ステップS805にて記憶された設定高さと、に基づいて、アーム40の揺動方向及び揺動量を決定する。ステップS810は、揺動方向・揺動量決定部64により実行される。ステップS808における決定処理は、揺動方向・揺動量決定部64の機能と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
なお、ステップS809及びステップS810を、ステップS807及びステップS808の前に実行してもよいし、ステップS807及びステップS808と並行して実行してもよい。
ステップS811及びステップS812は、図5に示すステップS507及びステップS508と略同じであるため、ここではその説明を省略する。
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態が奏する作用効果に加え、以下に示す作用効果を奏する。
本実施形態では、コントローラ260は、ブーム上下角度θ2及びアーム上下角度θ3から定まるアーム40の他端側の基盤からの高さが予め設定された高さとなるように、ブーム上下駆動部37の手動駆動に応じてアーム上下駆動部46を自動駆動する。そのため、ブーム上下駆動部37の手動駆動により削孔ロッド10の先端が移動したときにも、アーム40は、予め設定された高さに揺動軸A4を保持するようアーム上下駆動部46の駆動により自動的に揺動する。したがって、作業者は、ブーム上下駆動部37を手動駆動して削孔ロッド10の先端位置を合わせるだけでよく、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
上記実施形態では、コントローラ260は、ブーム上下駆動部37の手動駆動に応じてアーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を自動駆動するが、本発明はこの形態に限られない。例えば、コントローラ260は、アーム上下駆動部46の手動駆動に応じて、ブーム上下角度θ2及びアーム上下角度θ3から定まるアーム40の他端側の基盤からの高さが予め設定された高さとなるように、ブーム上下駆動部37を自動駆動してもよい。この場合においても、作業者は、アーム上下駆動部46を手動駆動して削孔ロッド10の先端位置を合わせるだけでよく、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
また、コントローラ260は、ガイドシェル上下駆動部56の手動駆動に応じてブーム上下駆動部37及びアーム上下駆動部46を自動駆動してもよい。この場合には、ブーム上下駆動部37及びアーム上下駆動部46は、ブーム上下角度θ2とアーム上下角度θ3とガイドシェル上下角度θ4とを合計した角度が予め設定された角度となるように自動駆動される。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る穿孔装置300及び穿孔方法について、図9乃至図11を参照して説明する。
第1実施形態に係る穿孔装置100では、ブーム上下駆動部37及びアーム上下駆動部46の手動駆動に応じて、ガイドシェル上下駆動部56が自動駆動される。第2実施形態に係る穿孔装置200では、ブーム上下駆動部37の手動駆動に応じて、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56が自動駆動される。本実施形態に係る穿孔装置300では、ブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56が自動駆動される。この点において、本実施形態に係る穿孔装置300は、第1実施形態に係る穿孔装置100、第2実施形態に係る穿孔装置300と相違する。
以下では、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主に説明し、第1実施形態及び第2実施形態で説明した構成と同一の構成又は相当する構成については、図中に第1実施形態及び第2実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、穿孔装置300の側面図及び平面図は、図1及び図2に示される穿孔装置100の側面図及び平面図と略同じであるため、図示を省略する。
図9は、穿孔装置300のブロック図である。図9に示すように、穿孔装置300は、ブーム上下角度検出部72により検出されるブーム上下角度θ2と、アーム上下角度検出部73により検出されるアーム上下角度θ3と、ガイドシェル上下角度検出部74により検出されるガイドシェル上下角度θ4と、に基づいてブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を制御するコントローラ360を備えている。
コントローラ360は、機能的には、角度決定部362を備えている。角度決定部362は、コントローラ360の機能を仮想的なユニットとしたものである。
角度決定部362は、削孔ロッド10の先端位置が予め設定された水平位置及び高さに一致しかつ削孔ロッド10の推進方向が予め設定された方向に一致するブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4を決定する。ブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4の決定方法について、図10を参照して説明する。
図10は、穿孔装置300の模式図である。揺動軸A2と揺動軸A4との間の水平距離Lは、次の式5で表される。
L=L1cosθ2+L2sinθ31 ・・・・・・・・・・・(式5)
式5に式3を代入すると、次の式6が導かれる。
L=L1cosθ2+L2sin(θ2+θ3―90°)
=L1cosθ2-L2cos(θ2+θ3) ・・・・・・・(式6)
式4及び式6において、基盤に対する揺動軸A2の高さH0、ブーム長さL1及びアーム長さL2は、既知の値であり、基盤に対する揺動軸A4の高さHは、予め設定された高さに応じて決定される値であり、揺動軸A2と揺動軸A4との間の水平距離Lは、予め設定された水平位置に応じて決定される値である。つまり、式4及び式6は、ブーム上下角度θ2及びアーム上下角度θ3を未知数とする連立方程式である。したがって、式4及び式6の連立方程式を解くことにより、揺動軸A2から水平距離Lだけ離れかつ基盤から高さHだけ上方に揺動軸A4を位置させるために必要なブーム上下角度θ2及びアーム上下角度θ3を決定することができる。
また、式1において、穿孔角度θTは、予め設定された方向に応じて決定される値であり、ブーム上下角度θ2及びアーム上下角度θ3は、式4及び式6の連立方程式を解くことにより算出される値である。したがって、式1を用いることにより、ガイドシェル50を水平面に対して穿孔角度θTだけ傾けるために必要なガイドシェル上下角度θ4を決定することができる。
図9に示すように、記憶部63は、作業員により入力装置366から入力される水平位置を設定水平位置として記憶する。
揺動方向・揺動量決定部64は、角度決定部362により決定されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4と、検出角度取得部61により取得されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4と、に基づいて、ブーム30、アーム40及びガイドシェル50の揺動方向及び揺動量を決定する。ブーム30、アーム40及びガイドシェル50の揺動方向及び揺動量の決定方法については、第1実施形態でのガイドシェル50の揺動方向及び揺動量の決定方法、及び第2実施形態でのアーム40の揺動方向及び揺動量の決定方法と略同じであるため、ここではその説明を省略する。
信号出力部65は、揺動方向・揺動量決定部64による結果に基づいて、ブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を駆動するための制御信号を出力する。ブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56は、信号出力部65から出力される制御信号に応じて自動駆動される。そのため、ブーム30、アーム40及びガイドシェル50は予め設定された水平位置、高さ及び方向に削孔ロッド10の推進を案内するように自動的に揺動する。したがって、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
次に、穿孔装置300を用いた穿孔方法について、図9乃至図11を参照して説明する。図11は、コントローラ360における処理を示すフローチャートである。コントローラ360における処理は、不図示の開始ボタンが作業者により押下されると開始する。また、コントローラ360における処理は、不図示の停止ボタンが作業者により押下されると終了する。
コントローラ360における処理を開始する前に、図1に示すブーム上下駆動部37、アーム上下駆動部46及びガイドシェル上下駆動部56を作業者の操縦により駆動し、削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に一致させかつ揺動軸A4を予め設定された高さで保持した初期状態にしておく。初期状態は、例えば、1つめの孔1を形成するために削孔ロッド10の先端を予め設定された位置に合わせると共に削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に合わせた状態であってもよい。
コントローラ360における処理を開始する開始ボタンが作業者により押下されると、コントローラ360は、図11に示すステップS1101乃至ステップS1111を実行する。
ステップS1101乃至ステップS1103は、図5に示すステップS501乃至ステップS503と同じであり、ステップS1104及びステップS1105は、図8に示すステップS804及びステップS805と同じであるため、ここではその説明を省略する。
ステップS1105が実行された後、コントローラ360は、削孔ロッド10の先端を予め設定された水平位置及び高さに移動させる共に削孔ロッド10の推進方向を予め設定された方向に合わせる処理を開始する。
ステップS1106は、図5に示すステップS504と同じであるため、ここではその説明を省略する。
ステップS1107では、作業者により入力された設定水平位置を取得する。
ステップS1108では、ステップS1107にて取得された設定水平位置と、ステップS1103にて記憶された設定角度と、ステップS1105にて記憶された設定高さと、に基づいて、予め設定された水平位置及び高さに予め設定された穿孔角度で孔1を形成するために必要なブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4を決定する。ステップS1108は、角度決定部362により実行される。ステップS1108にて実行される処理は、角度決定部362が実行する処理と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
ステップS1109では、ステップS1108にて決定されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4と、ステップS1106にて取得されたブーム上下角度θ2、アーム上下角度θ3及びガイドシェル上下角度θ4と、に基づいて、ブーム30、アーム40及びガイドシェル50の揺動方向及び揺動量を決定する。ステップS1109は、揺動方向・揺動量決定部64により実行される。ステップS1109にて実行される処理は、揺動方向・揺動量決定部64が実行する処理と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
ステップS811及びステップS812は、図5に示すステップS507及びステップS508と略同じであるため、ここではその説明を省略する。
以上の第3実施形態によれば、第1実施形態及び第2実施形態が奏する作用効果に加え、以下に示す作用効果を奏する。
本実施形態では、コントローラ360は、ブーム上下角度θ2及びアーム上下角度θ3から定まるアーム40の他端側の基盤からの高さが予め設定された高さとなり、ブーム上下角度θ2及びアーム上下角度θ3から定まるアーム40の他端側の水平位置が予め設定された水平位置となるように、ブーム上下駆動部37及びアーム上下駆動部46を自動駆動し、ブーム上下角度θ2とアーム上下角度θ3とガイドシェル上下角度θ4とを合計した角度が予め設定された角度となるように、ガイドシェル上下駆動部56を自動駆動する。そのため、ブーム30、アーム40及びガイドシェル50は、予め設定された水平位置、高さ及び方向に削孔ロッド10の推進を案内するように自動的に揺動する。したがって、孔1を地山における所望の位置に所望の角度で効率よく形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
穿孔装置100,200,300は、ブーム左右角度θ1を検出するブーム左右角度検出部、ガイドシェル左右角度θ5を検出するガイドシェル左右角度検出部と、ガイドシェル50の回転角度を検出するガイドシェル回転角度検出部を備えていてもよい。この場合には、コントローラ60,260,360は、ブーム左右角度検出部、ガイドシェル左右角度検出部及びガイドシェル回転角度検出部により検出される角度に基づいて、ブーム左右駆動部36、ガイドシェル左右駆動部57及び不図示のガイドシェル回転駆動部を自動駆動するように構成されていてもよい。
ブーム左右駆動部36が油圧シリンダである場合には、ブーム左右角度検出部として、例えば、ブーム左右駆動部36の伸縮量を検出し検出された伸縮量に基づいて角度を算出するセンサを用いることができる。ブーム左右角度検出部は、角度計であってもよい。同様に、ガイドシェル左右駆動部57が油圧シリンダである場合には、ガイドシェル左右角度検出部として、例えば、ガイドシェル左右駆動部57の伸縮量を検出し検出された伸縮量に基づいて角度を算出するセンサを用いることができる。ガイドシェル左右角度検出部は、角度計であってもよい。ガイドシェル回転角度検出部として、例えば、ロータリ式エンコーダを用いることができる。