JP7478270B2 - 1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法 - Google Patents

1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法 Download PDF

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Description

本発明は、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法に関し、特に、溶解度の差により副生成物を除去する、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法に関する。
水素化芳香族多価カルボン酸は一般の機能性ポリイミドおよび機能性エポキシ樹脂の原材料である。最近、機能性樹脂の高度な発展に伴い、水素化芳香族多価カルボン酸の純度に対する要求も高まっている。特に、高い透明性での応用では、水素化芳香族多価カルボン酸材料の選択において、芳香環の殘留量が低い、純度が高いであることを重要な特徴とする。
既存の利用において、特に1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸(HPMA)材料が最も注目されている。前記1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の製造について、すでに、関連研究により、ピロメリット酸(PMA)から温和な条件下およびロジウム触媒の存在下で水素添加反応により製造する方法が提供されており、また、その方法は高い選択性と高い転化率を示している。しかしながら、製造には、同時に類似構造を有する副生成物である5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸(Me-HTMA)が生成するという問題があり、また、従来技術では主にロータリーエバポレーターで粗製品を精製するが、このようなロータリーエバポレーターで精製する方法は、製品収率が80~85%にとどまり、プロセス全体の効率および生産のコストに大きな影響を与える。
このような事情に鑑みて、上記の従来技術の問題を解決するために、効率良く、操作が簡単、かつ低コストである1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法を開発する必要がある。
上記の問題を解決するために、本発明は、ピロメリット酸の水素添加反応により得られる1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸含有未精製物を用意することと、前記未精製物を浸出液に分散させて精製することと、精製された1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を分離して得ることを含み、前記浸出液に対して、前記1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸は微溶性(slightly soluble)または不溶性であり、また、前記浸出液の極性値は4から7である、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法を提供する。
本発明の一つの具体的な実施態様において、前記浸出液の極性値は5から7である。
本発明の一つの具体的な実施態様において、前記浸出液は、非極性溶剤、極性プロトン性溶剤および極性非プロトン性溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤である。
本発明の一つの具体的な実施態様において、前記未精製物と前記浸出液との質量比が1:1~1:10である。
本発明の一つの具体的な実施態様において、前記精製処理の時間は、1~3時間である。
本発明のもう一つの具体的な実施態様において、前記浸出液は、脱イオン水、n-ヘキサン、トルエン、n-ブタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、イソプロパノール、アセトンおよびアセトニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤であり、前記浸出液は、2種類以上の溶剤からなり、前記浸出液の極性値は5~7である。
本発明の一つの具体的な実施態様において、前記浸出液は、第一溶剤、および前記第一溶剤より極性の低い第二溶剤からなり、前記浸出液において、前記第一溶剤が占める質量百分率は、80質量%以下である。
本発明のもう一つの具体的な実施態様において、前記浸出液はアセトニトリルおよび水を含み、その質量比が16:1であり、また、前記未精製物と前記浸出液との質量比が1:1~1:10である。さらに、前記浸出液は、アセトニトリルおよび水からなるものであってもよい。
本発明によれば、精製条件および浸出液を選択することで、溶解度の差により、反応副生成物である5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸を効果的に除去して、得られた製品である1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の純度を維持して、精製プロセスにおける収率のロスを効果的に制御する。また、本発明の精製方法は、簡単で操作が容易であり、高いプロセス効率および低い生産コストというメリットがあるため、産業上利用する価値のあるものである。
以下、本発明の実施形態を特定の具体的な実施態様により説明するが、当業者は、本発明の利点および効果を本明細書の記載内容により容易に理解することができる。本発明は、他の異なる実施態様によって行うかまたは適用することができ、本明細書における各詳細説明は、さまざまな観点や適用に基づいて、本発明の精神から逸脱しない限り、異なる修飾および変更を行うことができる。なお、本明細書のすべての範囲と値は、包括的であり、組み合わせることが可能である。本明細書に記載されている範囲内に入る任意の値または点、例えば、任意の整数は、最小値または最大値として、サブ範囲などを導き出すことができる。
本発明によれば、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を含む未精製物を用意することと、前記未精製物を浸出液に分散させ、精製すること(前記1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸は、前記浸出液に対して、微溶性または不溶性である)と、精製された1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を分離して得ることとを含む、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法を提供する。
本明細書において、本発明の「未精製物」とは、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を製造するための粗製品であり、一つの実施態様において、本発明の未精製物は、ピロメリット酸の水素添加反応から得られる。一つの具体的な実施態様において、本発明の未精製物は、下記の1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の製造方法から得るものである。前記1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の製造方法は、ロジウム触媒および反応溶剤を有する反応システムにおいて、ピロメリット酸に水素添加反応を行うことと、反応終了後、反応システム中の物質を固液分離ろ過装置および低圧蒸留装置に導入し、触媒や残りの反応溶剤を除去することと、処理された粉体状の物質を回収して、未精製物とすることとを含む。また、前記未精製物の組成には、生成物である1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の他に、上記水素添加反応システムにおける転化不完全の反応物、反応助剤および副生成物を含む。
本明細書において、本発明の「微溶性」とは、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の浸出液への溶解度が低く、浸出液100mLあたり1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を1g未満しか溶解しないことである。
一つの具体的な実施態様において、高速液体クロマトグラフの分析により、前記未精製物の組成には、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸および5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸を含み、ここで、前記1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸は主生成物であり、前記5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸は副生成物であり、また、未精製物全体に占める前記主生成物の質量比が95質量%より大きいである。
上記組成の場合、本発明の精製方法の主な目的は、製品中の5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸を効率良くかつ低コストで除去し、高純度の1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の製品を得る。
本発明の精製方法の動作原理は、二つの化合物の化学構造の違いに基づくものである。具体的には、前記5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸と1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸との差異は、5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸のカルボキシル基の数が少ないため、前記5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸の分子極性が比較的に低く、溶解能力がより高い親油性を示す点において、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸とは異なる。
そのため、本発明の精製方法は、5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸と1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸との浸出液への溶解度の違いを利用し、浸出液で5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸を選択的に溶解して、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の製品の純度を高めて、また、精製の過程での目的生成物である1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸のロスを避けられる。
本発明において、「精製処理」とは、浸出液に前記未精製物を均一に分散させ、浸漬方式で前記未精製物を前記浸出液と十分に接触させ、前記未精製物中の1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸以外の不純物を溶解させることである。一つの具体的な実施態様において、前記未精製物と前記浸出液との質量比が1:1~1:10である。他の実施態様において、前記未精製物と前記浸出液との質量比は、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8または1:9であってもよいが、これらに限定されない。
一つの具体的な実施態様において、前記未精製物と前記浸出液との質量比が1:1~1:10である。もう一つの具体的な実施態樣において、前記未精製物と前記浸出液との質量比が1:5~1:10である。
本発明の精製処理の条件について、その処理の温度は20~40℃にあり、処理の時間は1~3時間である。他の実施態様において、前記精製処理の温度は、22、25、27、30、32、35または37℃であってもよい。処理温度の上限を超えると、未精製物の浸出液への溶解度が高くなり、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の損失が大きくなることがある。処理温度の下限を下回ると、精製処理の時間が長くなり、精製の効果も劣る。精製処理の時間は、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6または2.8時間であってもよいが、これらに限定されない。
本明細書において、「浸出液」は、溶剤の極性に応じて、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸以外の不純物を選択的に溶解できるが、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸については微溶性または不溶性である。一つの具体的な実施態様において、本発明は参考資料(https://pse.is/473nme)に記載の溶剤極性表および下記の式(I)により、極性値を獲得し、単一の溶剤または二種類以上の溶剤の混合溶剤を選択して、4以上の極性値を有する浸出液を調製する。ここで、好ましくは、二種類以上の溶剤の混合溶剤で極性値が5~7の範囲のものを調製する。
Figure 0007478270000001
式(I)中、は第一溶剤の質量であり、は第一溶剤の極性値であり、以下同様である。
参考資料(https://pse.is/473nme)に記載の溶剤極性表に基づいて、各溶剤の極性値を、表1に示す。
Figure 0007478270000002
他の実施態様において、前記浸出液の極性値は、4、4.5、5、5.5、6、6.5または7であってもよいが、これらに限定されない。
一つの具体的な実施態様において、前記浸出液の極性値が5~7である。
もう一つの具体的な実施態樣において、前記浸出液は、非極性溶剤、極性プロトン性溶剤および極性非プロトン性溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤で調製される。本明細書において、前記非極性溶剤とは、対称的な分子構造を有し、電子雲の分布が均一で、極性値が3未満の溶剤であり、n-ヘキサン、ベンゼン、トルエンからなる群から選ばれる1種の溶剤であってもよい。前記極性プロトン性溶剤とは、水素結合供与体を有し、その極性値が3より高い溶剤であり、例えば、水、エタノール、ブタノール、イソプロパノールがある。逆に、水素結合供与体を有しないものであれば、極性非プロトン性溶剤であり、例えば、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフランがある。
さらにもう一つの具体的な実施態樣において、前記浸出液は、脱イオン水、n-ヘキサン、トルエン、n-ブタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、イソプロパノール、アセトンおよびアセトニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤である。
一つの実施態様において、前記浸出液は、脱イオン水、n-ヘキサン、トルエン、n-ブタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、イソプロパノール、アセトンおよびアセトニトリルからなる群から選ばれる二種類以上の溶剤であり、全体の極性値を5~7にするものである。
もう一つの実施態様において、前記浸出液は、二種類以上の溶剤であり、アセトニトリルを含む混合溶剤である。また、その全体の極性値が5~7であり、例えば、アセトニトリルと、水、n-ブタノールまたはアセトンとの組み合わせである。当然、3種類の溶剤を含む浸出液を調製してもよい。
もう一つの実施態様において、前記浸出液は、第一溶剤、および前記第一溶剤より極性の低い第二溶剤からなり、前記第一溶剤および前記第二溶剤は、それぞれ、脱イオン水、n-ヘキサン、トルエン、n-ブタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、イソプロパノール、アセトンおよびアセトニトリルからなる群から選ばれるものであり、また、前記第一溶剤が占める質量百分率は80質量%以下である。
さらにもう一つの実施態様において、前記浸出液は、極性値が5~10.2の第一溶剤、および極性値が2~6.2の第二溶剤からなり、また、前記第一溶剤と前記第二溶剤との質量比が1:0.25~1:20である。
一つの実施態様において、前記浸出液は、第一溶剤、第二溶剤および極性値が0.06~4.5の第三溶剤からなり、前記第一溶剤と、第二溶剤と、第三溶剤との質量比が1:0.3:0.3~1:12:5である。例えば、第一溶剤、第二溶剤および第三溶剤の組成は、酢酸エチル/テトラヒドロフラン/n-ヘキサン、または、水/アセトニトリル/n-ブタノールであってもよい。
一つの具体的な実施態様において、前記浸出液は、アセトニトリルおよび脱イオン水を含み、その質量比が16:1で、浸出液の極性値は6.4であり、前記未精製物と前記浸出液との質量比が1:1~1:10である。
もう一つの具体的な実施態樣において、前記浸出液は、水、アセトニトリルおよびn-ブタノールを含み、その質量比が1:12:5で、浸出液の極性値は5.8であり、前記未精製物と前記浸出液との質量比が1:5~1:10である。
もう一つの具体的な実施態樣において、前記浸出液は、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびn-ヘキサンを含み、その質量比が1:0.3:0.3で、浸出液の極性値は4.5であり、前記未精製物と前記浸出液との質量比が1:5~1:10である。
さらに、本発明の1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法では、場合により、バッチ式プロセスまたは連續プロセスを選択することもできる。本発明の実施態様において、前記1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法に用いる処理裝置には、撹拌装置である撹拌槽型反応器をさらに含み、また、前記撹拌裝置の回転数は200~500回転/分(rpm)であり、前記撹拌裝置は、プロペラ型撹拌器、タービン型撹拌器、パドル型撹拌器、アンカー型撹拌器、ベンドリーフ型撹拌器、サイドエントリー型撹拌器、プロパルジョン型撹拌器、磁気加熱型撹拌器またはリボン翼型撹拌器から選択される。一つの好ましい実施態様において、前記撹拌裝置はパドル型撹拌器を選択して使用する。
上記精製処理の後に、公知の分離装置で分離処理を行い、精製した1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を得る。前記分離装置は、吸引ろ過裝置または遠心沈降ろ過裝置を選択して使用することができる。
さらに、製品の表面に浸出液が残らないようにするために、本発明の1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法は、分離処理の後に、得られた製品である1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸に対して乾燥処理を行い、また、前記乾燥の温度を80±5℃にすることをさらに含む。
本発明の精製方法により、得られた製品である1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸は、純度99.1質量%以上のものであり、また、前記1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸のロス割合を11質量%未満に制御することができるので、高いプロセス効率および低い生産コストというメリットがある。
以下、具体的な実施例により本発明の特性および効果をより詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例の説明に限定されない。
製造例:
撹拌裝置を備えた容量1Lの槽型反応器(PARR 4546C)に、50gのピロメリット酸(PMA)、7.2gの触媒(HERAEUS MATERIALS TECHNOLOGY TAIWAN LTD.から購入)、350gの脱イオン水を入れた。前記撹拌裝置はパドル型撹拌器である。前記触媒は、5質量%のロジウム(Rh)-触媒が炭素キャリア(C)に担持されたものを含む。撹拌下、反応器内の空気を窒素ガスで置換した。続いて、前記反応器に水素ガスを入れて、反応器を5MPaの圧力条件および50℃の温度条件に制御して、水素添加反応を2時間行った。
反応終了後、窒素ガスで反応器内の水素ガスを置換して、反応器から反応液を取り出して、そのまま熱時ろ過処理を行い、前記反応液の触媒を除去した。続いて、ロータリーエバポレーターを使用して、反応液中の水成分を留去した。また、80℃の温度条件で、乾燥処理を施すことで、50.7gの粗製品を得た。その収率は99%である。
最後に、高速液体クロマトグラフ (HPLC、Waters、型番e2695)により組成成分を分析して、前記分析の方法では、カラムとしてShodex DE413L、移動相としてACN&0.15%TFAを使用して、また、PDAおよびELSD検出器を使用して、紫外線の波長は、260および216 nmである。その結果から、製造された粗製品において、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の純度の割合が95.31質量%であり、5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸の割合が4.69質量%であることが分かった。
実施例1:
製造例で得られた粗製品を未精製物とし、前記未精製物をパドル型撹拌器および浸出液を備えた容量500mlのガラス反応器に入れた。ここで、前記未精製物と浸出液との質量比が1:5であり、前記浸出液は、アセトニトリルおよび水からなり、また、この二つの溶剤の質量比が16:1であり、全体の極性値が6.4である。常温(約20~30℃)下、回転数300rpmで3時間撹拌浸漬という精製処理を実行した。上記の精製処理が完了した後、吸引ろ過裝置で浸出液を除去して、80℃の温度条件下で乾燥処理を施すことで、精製された1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を得た。最後に、秤量して製造例における組成成分の分析方法と同様にすることにより、収率、収率ロス、および純度の結果を表2に記録する。そこで、前記収率ロスは、製造例の収率と得られた収率との差から計算される。
実施例2~3:精製処理の時間の変更
精製方法は、精製処理の時間をそれぞれ表2のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、精製された1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を得た。最後に、秤量して製造例における組成成分の分析方法と同様にすることにより、収率、収率ロス、および純度の結果を表2に記録する。
実施例4~7:前記未精製物と浸出液との質量比の変更
精製方法は、前記未精製物と浸出液との質量比をそれぞれ表2のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、精製された1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を得た。最後に、秤量して製造例における組成成分の分析方法と同様にすることにより、収率、収率ロス、および純度の結果を表2に記録する。
実施例8:
精製方法は、前記精製処理の時間を表2のように変更すること以外は、実施例7と同様にして、精製された1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を得た。最後に、秤量して製造例における組成成分の分析方法と同様にすることにより、収率、収率ロス、および純度の結果を表2に記録する。
実施例9~12:浸出液の変更
精製方法は、前記浸出液の溶剤成分、組成および極性値をそれぞれ表2のように変更して、場合により前記未精製物と浸出液との質量比を調整すること以外は、実施例1と同様にして、精製された1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を得た。最後に、秤量して製造例における組成成分の分析方法と同様にすることにより、収率、収率ロス、および純度の結果を表2に記録する。
比較例1:減圧蒸留装置による実施
製造方法は、熱時ろ過処理の後に、そのままロータリーエバポレーターを使用して、33%までに濃縮すること以外は、製造例と同様にして、43.5gの1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸結晶を析出して得た。最後に、秤量して製造例における組成成分の分析方法と同様にすることにより、収率、収率ロス、および純度の結果を表2に記録する。
比較例2~6:浸出液の極性値の変更
精製方法は、それぞれ、極性値が0.06のn-ヘキサン、極性値が10.2の脱イオン水、極性値が7~9のアセトニトリルおよび水からなる浸出液で精製処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして、精製された1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を得た。最後に、秤量して製造例における組成成分の分析方法と同様にすることにより、収率、収率ロス、および純度の結果を表2に記録する。
Figure 0007478270000003
上記のように、本発明は、精製条件および浸出液を選択することで、溶解度の差により、反応副生成物である5-メチル-1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸を効果的に除去して、得られた製品である1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸が純度99.1質量%以上のものとなり、また、前記1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸のロス割合を11質量%未満に制御して、製品を高い純度に維持しながら、精製処理の過程での収率ロスを効果的に制御できる。さらに、本発明の精製方法は、簡単で、操作がシンプルで便利であり、高いプロセス効率および低い生産コストというメリットがあるため、産業上利用する価値のあるものである。
上記の実施態様は、例示的な説明に過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明の精神および範囲に反しない限り、当業者が上記の実施態様を修飾および変更を行ってもよい。したがって、本発明の権利保護範囲は、本発明の特許請求の範囲によって定義され、本発明の効果および実施の目的に影響を及ぼさない限り、本開示の技術内容に含まれる。

Claims (8)

  1. ピロメリット酸の水素添加反応により得られる1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸含有未精製物を用意することと、
    前記未精製物を浸出液に分散させて精製することと、
    精製された1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸を分離して得ることとを含み、
    前記浸出液に対して、前記1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸は微溶性または不溶性であり、
    前記浸出液の極性値は4.56.4であり、前記未精製物と前記浸出液との質量比が1:1~1:10である、
    1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸の精製方法。
  2. 前記浸出液の極性値は5~6.4である、請求項1に記載の精製方法。
  3. 前記浸出液は、非極性溶剤、極性プロトン性溶剤および極性非プロトン性溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤である、請求項1に記載の精製方法。
  4. 前記精製処理の時間は、1~3時間である、請求項1に記載の精製方法。
  5. 前記浸出液は、脱イオン水、n-ヘキサン、トルエン、n-ブタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、イソプロパノール、アセトンおよびアセトニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤である、請求項1に記載の精製方法。
  6. 前記浸出液は、二種類以上の溶剤からなり、前記浸出液の極性値は5~6.4である、請求項に記載の精製方法。
  7. 前記浸出液は、第一溶剤、および前記第一溶剤より極性の低い第二溶剤からなり、
    前記浸出液において、前記第一溶剤が占める質量百分率は、80質量%以下である、請求項に記載の精製方法。
  8. 前記浸出液は、アセトニトリルおよび脱イオン水を含み、その質量比が16:1である、請求項1に記載の精製方法。
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