JP7477096B2 - 水素センサ及び水素利用装置 - Google Patents

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Description

本開示は水素センサに関し、とくに、試料に含まれる水素を検知するための水素センサ、及び水素センサを備える水素利用装置に関する。
近年、水素が様々な分野において注目され、重要な役割を果たしている。例えば、腎臓の機能が障害された患者に対して血液透析療法が行われているが、電気分解法により生成された高濃度の水素を含む透析液を使用することにより、酸化ストレス及び炎症による障害がより軽減されることが期待されている。
このような応用における水素の効果を確認するためには、患者の血液中の水素の溶存量を精確に検知する必要がある。血液中の水素の溶存量を検知するために、例えば、本発明者らによる特許文献1の水素センサを利用可能である。
特開2018-77158号公報
試料中や試料極の周囲に酸素などの物質が存在する場合、水素センサの出力が理論値から外れるなどの問題が生じうることを本発明者らは課題として認識した。
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、水素を検知するための技術を向上させることである。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の水素センサは、試料極と、試料極と試料との間に存在し、水素と水素以外の物質との透過率が異なる分離部と、所定の濃度の水素を含む標準試料に接触する標準極と、試料極と標準極との間に存在する電解質と、を備える。
本開示の別の態様もまた、水素センサである。この水素センサは、試料極と、試料極と試料との間に存在し、水素と水素以外の物質との透過率が異なる分離部と、試料極に接触する試料極側電解質と、を備え、所定の濃度の水素を含む標準試料に接触する標準試料側電解質と試料極側電解質とが電気的に接続されている。
本開示の更に別の態様の水素利用装置は、上記の水素センサと、水素を含む流体を保持する保持部と、保持部に保持された流体を利用する利用部と、を備え、水素センサは、利用部に供給される流体に含まれる水素、利用部において水素が添加された流体、又は利用部から排出される流体に含まれる水素を検知する。
本開示によれば、水素を検知するための技術を向上させることができる。
実施の形態に係る水素センサの構成を示す図である。 実施の形態に係る水素センサの別の構成例を示す図である。 実施の形態に係る水素センサによる測定結果の例を示す図である。 実施の形態に係る水素利用装置の構成を示す図である。
図1は、実施の形態に係る水素センサ10の構成を示す。水素センサ10は、測定対象の試料1に含まれる水素に接触する試料極12と、所定の水素濃度に保たれた標準試料21に接触する標準極14と、試料極12及び標準極14に接触する電解質16と、試料極12と試料1との間に存在し、水素と水素以外の物質との透過率が異なる分離部30と、試料極12及び標準極14の電位差から試料1に含まれる水素の濃度を演算する演算装置40と、試料極12及び標準極14の電位を演算装置40に伝達するためのリード線32、34とを備える。
試料極12は、水素を溶解して拡散させることが可能な金属又は合金によって形成される。試料極12は、例えば、Pd(パラジウム)と周期表第11族元素であるAu(金)、Ag(銀)、又はCu(銅)との合金を含む。水素を選択的に溶解させることのできるPd合金を試料極12に用いることにより、酸性度等の試料溶液の環境に左右されずに、試料1の水素濃度を検知することができる。
Pdと周期表第11族元素との合金は、具体的には、Pd-Au(パラジウム-金)、Pd-Ag(パラジウム-銀)、Pd-Cu(パラジウム-銅)である。これらのPd合金には、添加元素として、3族元素、4族元素、5族元素、6族元素、7族元素、鉄族元素、白金族元素を微量添加してもよい。添加元素としては、具体的には、Y(イットリウム)、Ho(ホルミウム)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Ni(ニッケル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)、Ru(ルテニウム)等を用いることができる。
分離部30は、水素と水素以外の物質との透過率が異なる膜などからなる。より具体的には、分離部30は、水素の透過率よりも、酸素、一酸化炭素、又は硫黄化合物の透過率の方が低い膜などである。後述するように、酸素が試料極12の周囲に存在すると、水素センサ10の出力が理論値から外れることが分かっている。また、一酸化炭素、硫黄化合物、リン化合物、ハロゲン、有機金属化合物などの触媒毒によって試料極12を構成するPdなどが劣化すると、水素センサ10の性能が低下する。したがって、試料極12に酸素や触媒毒などが接触するのを抑えるために、酸素や触媒毒などの少なくとも一部を試料1から分離するための分離部30が設けられる。分離部30は、複数の流通孔を備えた多孔質膜により形成されてもよい。多孔質膜として、例えば、多孔質セラミックス、不織布、不織紙、限外ろ過膜(UF膜)、逆浸透膜(RO膜)、ポリエチレン等の高分子多孔質膜等を用いることができる。分離部30は、シリコン、エラストマー、ゴム、フッ素樹脂、炭素などにより形成された膜であってもよい。分離部30は、酸素や触媒毒などを実質的に透過しないように構成されてもよい。
試料極12は、分離部30の表面に直接成膜することにより形成されてもよい。試料極12の成膜方法として、例えば、スパッタ法、メッキ法、蒸着法等を用いることができる。これらの方法によれば、Pd合金を圧延による場合よりも薄い薄膜に形成することができる。
試料極12の厚さは、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。試料極12の厚さは、Pd原子の1原子層の幅である0.27nmよりも厚い。試料極12の膜厚が薄いほど、水素センサ10の応答性を向上させることができ、より速やかに試料の水素濃度を検出することができる。また、試料極12の膜厚が薄いほど、測定中に試料極12内に溶解した水素を測定後に速やかに離脱させることができる。
試料極12には、導電性を有するリード線32の一端が電気的に接続されている。リード線32の表面は、電気絶縁性を有する絶縁層によって覆われている。リード線32の他端は、試料1に含まれる水素の濃度を算出するための演算装置40と接続されている。
標準極14は、例えば、Pd又はPd合金により形成される。Pd合金として、具体的には、Pd-Au(パラジウム-金)、Pd-Ag(パラジウム-銀)、Pd-Pt(パラジウム-白金)、Pd-Cu(パラジウム-銅)等を用いることができる。また、Pd又はPd合金には、添加元素として、3族元素、4族元素、5族元素、6族元素、7族元素、鉄族元素、白金族元素を微量添加してもよい。添加元素としては、具体的には、Y(イットリウム)、Ho(ホルミウム)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Ni(ニッケル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)、Ru(ルテニウム)等を用いることができる。
標準極14は、所定の水素濃度に保たれた標準試料21に接触可能に設けられる。標準極14は、所定量の水素を固溶させた水素化物又は水素吸蔵合金により構成されてもよい。水素化物又は水素吸蔵合金として、具体的には、水素化したPd、水素化したZr、水素化したNb、水素化したTi、水素化したLaNi水素吸蔵合金、水素化したTiFe水素吸蔵合金、水素化したCaNi水素吸蔵合金、水素化したMgNi水素吸蔵合金、水素化したZrMn水素吸蔵合金等を用いることができる。水素化物中の水素の量は、PdH(水素化パラジウム)、ZrH(二水素化ジルコニウム)、NbH(水素化ニオブ)、TiH(二水素化チタン)などのように金属と水素の比が整数比になっていてもよいし、そうでなくてもよい。PCT曲線がプラトーになる領域を利用すれば、水素化された金属中の水素の量が多少変動しても圧力は一定に保たれる。この場合の標準極14の水素圧力は、標準極14の温度からPCT曲線を用いて決定することができる。そのために、水素センサ10には標準極14の温度を測定するための手段が設けられてもよい。
標準極14を構成するPd又はPd合金の周囲に、水素を固溶させた水素化物又は水素吸蔵合金を標準極14と接触するように設け、水素化物又は水素吸蔵合金の周囲を絶縁物質などにより被覆してもよい。絶縁物質として例えばエポキシ樹脂などを用いてもよい。これにより、標準極14及び標準試料21の構成を簡略化し、水素センサ10を小型化することができる。
標準試料21は、水素ガスが充填されたガスボンベなどの水素供給手段から供給されてもよい。ガスボンベから供給された水素ガスは、ノズルから標準極14に向かって吹き付けられる。これにより、標準極14は、供給された水素分圧に相当する水素ポテンシャルに保たれる。
標準極14には、導電性を有するリード線34の一端が電気的に接続されている。リード線34の表面は、電気絶縁性を有する絶縁層によって覆われている。リード線34の他端は、試料に含まれる水素の濃度を算出するための演算装置40と接続されている。
電解質16は、標準極14と試料極12との両方に接触するように、両者の間に設けられる。電解質16は、水素又は水素イオンが関与する化学反応を起こす化学種を含む。電解質16は、プロトン伝導性を有する化学種を含んでもよい。電解質16として、例えば、希硫酸、リン酸水溶液、希硝酸、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸緩衝液等の水素イオン伝導性の電解質を用いることができる。これらの電解質は、ポリアクリル酸ナトリウム等の高吸水性高分子ポリマー等に吸収させてゲル状にしてもよい。電解質16は、固体電解質であってもよい。この固体電解質として、例えば、スルホン酸基、リン酸基、炭酸基、カルボキシル基、パーフルオロ三級アルコール基、スルホン酸アミド基等を含むものを用いることができる。具体的には、ナフィオン(登録商標)、パーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー等の固体電解質を用いることができる。この場合には、万が一、水素センサ10が損傷しても、水素センサ10の外部に電解質16が漏出するのを防止することができる。
試料1が試料極12に接触すると、試料1に溶存する水素が試料極12に溶解して拡散し、電解質16と試料極12との界面まで到達する。平衡状態においては、試料極12中の水素濃度分布が一様になり、電解質16と試料極12との界面は、試料中の水素の水素ポテンシャルに相当する水素分圧を有している。つまり、試料極12の電解質16側の界面における水素分圧と試料の水素分圧とは部分平衡状態にある。他方、標準極14側では、水素供給手段から供給される水素が標準極14に固溶して拡散し、電解質16と標準極14との界面まで到達する。これにより、平衡状態においては、標準極14中の水素濃度分布が一様になり、電解質16と標準極14の界面は、水素供給手段によって供給される水素ガスの水素分圧と同等の水素ポテンシャルを有している。つまり、標準極14における電解質16側の界面の水素分圧と、水素供給手段によって供給される水素ガスの水素分圧とは部分平衡状態にある。
リード線32及び34によって試料極12及び標準極14と接続された演算装置40は、電圧計などを用いて標準極14と試料極12との間に生じた起電力を測定する。演算装置40は、測定された起電力、標準極14における水素分圧、及び試料の温度に基づいて、下記のネルンストの式を用いることにより、試料極12における水素分圧を算出する。
E=(-RT/2F)ln(P1/P2)
ここで、Eは起電力、Rは気体定数、Tは温度(K)、Fはファラデー定数、P1は試料極12の水素ポテンシャルに相当する水素分圧、P2は標準極14の水素ポテンシャルに相当する水素分圧である。この方法によれば、試料1中の水素をほとんど消費せずに水素濃度を測定することができる。標準極14と試料極12との間の電位差を測定するための回路を高抵抗にしておけば、電位差の測定中に回路に電流が流れることにより試料1中の水素が消費されるのを更に抑えることができる。なお、この式における温度Tは、水素センサ10の温度であり、厳密には上述した標準極14の水素供給手段の温度とは異なるので、標準極14の温度を測定する手段に加えて、又は代えて、水素センサ10又は試料1の温度を測定する手段を設けてもよい。
図2は、実施の形態に係る水素センサの別の構成例を示す。図2に示した水素センサ10は、図1に示した水素センサ10の電解質16に代えて、試料極12の二次側の表面に接触する試料極側電解質16a、標準極14の二次側の表面に接触する標準極側電解質16b、及び試料極側電解質16aと標準極側電解質16bとを電気的に接続するリード線44を備える。その他の構成及び動作は、図1に示した水素センサ10と同様である。
試料極側電解質16a及び標準極側電解質16bは、水素又は水素イオンが関与する化学反応を起こす同種の化学種を含む。試料極側電解質16aと標準極側電解質16bとはリード線44により電気的に接続されているので、試料極12と標準極14との間には、それぞれの水素分圧に応じた電位差が生じる。したがって、図2に示した水素センサ10も、図1に示した水素センサ10と同様に、試料1に含まれる水素の濃度を測定することができる。
本図に示す水素センサ10では、試料極12及び試料極側電解質16aが、標準極14及び標準極側電解質16bとは分離して設けられる。これにより、試料極12側の構成を簡略化し、製造コストを低減させることができる。したがって、使用時に試料に接触する構成をディスポーザブルな水素センサ用キットとして提供することもできる。標準極14及び標準極側電解質16bは、演算装置40の内部に設けられてもよい。これにより、標準極14及び標準極側電解質16bを演算装置40に組み込むことができるので、構成を簡略化することができる。
試料極側電解質16aは、水素又は水素イオンが関与する化学種を含む膜であってもよい。試料極12は、試料極側電解質16aの膜の表面に任意の成膜方法によって形成されたパラジウムなどの水素透過金属又は合金の薄膜であってもよい。この構成によれば、試料極12を非常に薄い膜として設けることができるので、高価なパラジウムなどの金属を使用する場合であっても製造コストを低減させることができる。また、試料1に含まれる水素が試料極12に均一に拡散するまでの時間を短縮することができるので、応答速度を向上させることができる。図1に示した水素センサ10では、電解質16を薄くし過ぎると、試料極12を透過した水素の一部が電解質16に溶解し、電解質16中を拡散して標準極14の表面まで到達し、標準極14の水素ポテンシャルに影響を与える可能性があるが、図2に示した水素センサ10では、試料極側電解質16aと標準極側電解質16bとが物理的に分離されているので、試料極側電解質16aの膜を薄く形成することができる。これにより、製造コストを低減させることができる。標準極14も、同様に、標準極側電解質16bの表面に任意の成膜方法によって形成されたパラジウムなどの水素透過金属又は合金の薄膜であってもよい。
リード線44は、電気伝導性を有する材料によって形成される。リード線44は、例えば、ニッケル、銅、アルミニウムなどの金属によって形成されてもよい。リード線44のうち、試料極側電解質16a又は標準極側電解質16bとの接点部分は腐食性の低い貴金属などによって形成し、それ以外の部分は銅やニッケルなどの電気伝導性の高い金属などによって形成してもよい。これにより、リード線44の製造コストを抑えつつ、耐久性を向上させることができる。
図3は、実施の形態に係る水素センサによる測定結果の例を示す。水素と窒素の混合気体と、水素と空気の混合気体の試料を、様々な水素濃度で調製し、ガスクロマトグラフィー及び水素センサ10で水素濃度を測定した。横軸は、ガスクロマトグラフィーによって測定した試料の水素濃度を表す。縦軸は、それぞれの試料を水素センサ10で測定したときの出力電圧を表す。実線は、ネルンストの式から算出した出力電圧の理論値を示す。水素と窒素の混合気体を水素センサ10で測定したときの出力電圧の値は、ネルンストの式から算出した理論値とほぼ合致する。しかし、水素と空気の混合気体の測定結果は、ネルンストの式から算出した理論値から大きく外れている。破線で示すように、空気を含む試料においても、出力電圧値と水素濃度の間の関係を指数関数で良好に近似することができるので、近似曲線を用いて出力電圧から水素濃度を演算することができるが、空気中の酸素濃度などの条件によって近似曲線が変わりうる。本実施の形態では、分離部30によって試料中の酸素などの影響を最小限に抑えることができるので、酸素などを含む試料であってもネルンストの式を用いて出力電圧から水素濃度を精度良く演算することができる。
図4は、実施の形態に係る水素利用装置の構成を示す。水素利用装置50は、水素を原料として利用する反応装置、水素を還元剤として利用する反応装置や人工透析装置など、水素を燃料又はエネルギー源として利用する燃料電池や燃料電池車など、水素を洗浄剤として利用する洗浄装置などであってもよい。水素利用装置50は、水素保持部51、水素利用部52、及び水素センサ10を備える。
水素保持部51は、外部から供給される水素を保持する。水素保持部51は、水素を気体状態で保持してもよいし、液体状態で保持してもよいし、水素吸蔵合金や水素化物などによって保持してもよい。水素保持部51は、高純度の水素を保持してもよいし、水素と他の物質を含む混合物を保持してもよい。
水素利用部52は、水素保持部51に保持された水素を利用する。水素利用部52は、化学反応、人工透析、発電などのために水素を利用する。
水素センサ10は、水素利用部52に供給される流体や、水素利用部52において水素が添加された流体や、水素利用部52から排出される流体などの水素濃度を測定する。水素センサ10は、例えば、人工透析の透析液の水素濃度をモニタするために用いられてもよい。
水素センサ10は、透析液、飲料、液体燃料、溶媒、溶液などの任意の液体状の試料に溶存する水素の濃度を検出することもできるし、大気、排気ガス、燃料ガスなどの任意の気体状の試料に含まれる水素の濃度を検出することもできる。なお、液体状の試料としては、ゼリー状、ゲル状など、試料極12が損傷しない程度の固さを有する半液体状の試料であってもよい。
以上、本開示を、実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本開示のある態様の水素センサは、試料極と、試料極と試料との間に存在し、水素と水素以外の物質との透過率が異なる分離部と、所定の濃度の水素を含む標準試料に接触する標準極と、試料極と標準極との間に存在する電解質と、を備える。この態様によると、水素センサの精度又は耐久性を向上させることができる。
本開示の別の態様の水素センサは、試料極と、試料極と試料との間に存在し、水素と水素以外の物質との透過率が異なる分離部と、試料極に接触する試料極側電解質と、を備え、所定の濃度の水素を含む標準試料に接触する標準試料側電解質と試料極側電解質とが電気的に接続されている。この態様によると、水素センサの精度又は耐久性を向上させることができる。
分離部は、水素の透過率よりも、酸素、一酸化炭素、又は硫黄化合物の透過率の方が低くてもよい。この態様によると、水素センサの精度又は耐久性を向上させることができる。
分離部は多孔質膜であってもよい。この態様によると、水素センサの製造コストを低減させることができる。
本開示の別の態様の水素利用装置は、上記の水素センサと、水素を含む流体を保持する保持部と、保持部に保持された流体を利用する利用部と、を備え、水素センサは、利用部に供給される流体に含まれる水素、利用部において水素が添加された流体、又は利用部から排出される流体に含まれる水素を検知する。この態様によると、水素利用装置に備えられた水素センサの精度又は耐久性を向上させることができる。
1 試料、10 水素センサ、12 試料極、14 標準極、16 電解質、16a 試料極側電解質、16b 標準極側電解質、21 標準試料、30 分離部、32 リード線、34 リード線、40 演算装置、44 リード線、50 水素利用装置、51 水素保持部、52 水素利用部。

Claims (5)

  1. 試料極と、
    前記試料極と試料との間に存在し、水素と水素以外の物質との透過率が異なる分離部と、
    前記試料極に接触する試料極側電解質と、
    を備え、
    所定の濃度の水素を含む標準試料に接触する標準試料側電解質と前記試料極側電解質とが、それらの間で化学種が移動しない態様で電気的に接続されている水素センサ。
  2. 記分離部は、水素の透過率よりも一酸化炭素の透過率の方が低い
    請求項1に記載の水素センサ。
  3. 記分離部は、水素の透過率よりも硫黄化合物の透過率の方が低い
    請求項1に記載の水素センサ。
  4. 前記分離部は多孔質膜である請求項1から3のいずれかに記載の水素センサ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の水素センサと、
    水素を含む流体を保持する保持部と、
    前記保持部に保持された流体を利用する利用部と、
    を備え、
    前記水素センサは、前記利用部に供給される流体に含まれる水素、前記利用部において水素が添加された流体、又は前記利用部から排出される流体に含まれる水素を検知する水素利用装置。
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