JP7477053B2 - 水耕栽培用培地、水耕栽培用培地の製造方法、水耕栽培用培地を用いた水耕栽培方法、及び藻の発生抑制用の分散液 - Google Patents

水耕栽培用培地、水耕栽培用培地の製造方法、水耕栽培用培地を用いた水耕栽培方法、及び藻の発生抑制用の分散液 Download PDF

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本発明は、水耕栽培用培地、水耕栽培用培地の製造方法、水耕栽培用培地を用いた水耕栽培方法、及び藻の発生抑制用の分散液に関する。
近年、土壌を使わない「水耕栽培」が注目されている。水耕栽培は、原水と液体肥料を用いた「培養液」で農作物を育てる栽培方法である。水耕栽培は土寄せや施肥などの作業を必要とせず、地理的環境に影響されにくい栽培方法であり、利用価値は高い。
しかし、水を使う栽培ならではの問題として、「藻の発生」がある。藻は、光と栄養さえあれば増殖するため、水耕栽培において藻の発生は避けられない。
藻が大量に発生すると、培養液の成分バランスを変えてしまう。培養液がアルカリ性に傾くと、農作物の根がダメージを受ける。また、藻の大量発生により発生する粘液状の酸性多糖類が農作物の根の周辺を覆ってしまうと、農作物が養分や酸素を吸収するのを妨げてしまう。
したがって、水耕栽培において、藻の発生を防止する防藻対策が望まれる。
殺菌活性を示す銀を利用すると、水耕栽培における藻の繁殖を抑えられることが報告されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
草刈眞一、"銀を素材としたはじめての農薬"、植物防疫、第57巻、第7号、(2003年)、p325-329 中原勇太、"銀イオン水濃度が植物工場における栽培養液の生菌数、植物生育に与える影響"、農研機構、研究発表会、82回、令和1年8月、インターネット<URL:https://www.naro.affrc.go.jp/org/karc/qnoken/yoshi/html/no82.html>
しかし、上記非特許文献1及び2の記載によると、銀を利用した防藻対策では、藻の繁殖は抑えられるが、その効果を達成しようとそれなりの量の銀を使用すると、植物の育成も抑制されてしまうことがわかる。
そこで、藻の発生は抑制しつつ、かつ植物の生育阻害は生じさせない水耕栽培方法の提供が望まれていた。
本発明は、藻の発生は抑制しつつ、かつ植物の生育阻害は生じさせない水耕栽培方法に用いるための水耕栽培用培地を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酸化チタン組成物に金属が担持された光触媒組成物を多孔質材に担持してなる水耕栽培用培地が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1]多孔質材(A)に光触媒組成物(B)を担持した水耕栽培用培地であって、
前記光触媒組成物(B)は、酸化チタン組成物に金属が担持された光触媒組成物である、水耕栽培用培地。
[2]前記酸化チタン組成物は、ルチル型酸化チタンを含む、[1]に記載の水耕栽培用培地。
[3]前記金属が、遷移金属または典型金属である、[1]又は[2]に記載の水耕栽培用培地。
[4]前記酸化チタン組成物は、ジルコニウム及びニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を実質的に含む、[1]~[3]のいずれかに記載の水耕栽培用培地。
[5]前記多孔質材(A)が、連続気泡構造を含む発泡体である、[1]~[4]のいずれかに記載の水耕栽培用培地。
[6]前記多孔質材(A)が、ウレタンフォームである、[5]に記載の水耕栽培用培地。
[7]前記多孔質材(A)が、密度10~30g/mのウレタンフォームである、[6]に記載の水耕栽培用培地。
[8]前記多孔質材(A)に、前記光触媒組成物(B)がバインダー樹脂(C)を介して担持されている、[1]~[7]のいずれかに記載の水耕栽培用培地。
[9]前記バインダー樹脂(C)が、ウレタン系樹脂、又はアクリル系樹脂である、[8]に記載の水耕栽培用培地。
[10][1]~[9]のいずれかに記載の水耕栽培用培地を製造する水耕栽培用培地の製造方法であって、
媒質(D)に、前記光触媒組成物(B)とバインダー樹脂(C)を分散し、分散液(E)を得る工程と、
前記多孔質材(A)に、前記分散液(E)を含浸する工程と、
前記多孔質材(A)から前記媒質(D)を乾燥除去する工程と、
を有する水耕栽培用培地の製造方法。
[11]前記媒質(D)が、水を含む、[10]に記載の水耕栽培用培地の製造方法。
[12]前記分散液(E)は、さらに湿潤分散剤(F)を含有し、
前記湿潤分散剤(F)は、アンモニウム塩基を有するコポリマー、又は遊離脂肪酸基を有する酸価10mg KOH/g以上のコポリマーである、[10]又は[11]に記載の水耕栽培用培地の製造方法。
[13][1]~[9]のいずれかに記載の水耕栽培用培地と光照射手段とを使用する、水耕栽培方法。
[14]
水耕栽培に使用する藻の発生抑制用の分散液であって、
前記藻の発生抑制用の分散液である分散液(E)は、少なくとも、媒質(D)、及び光触媒組成物(B)を含有し、
前記光触媒組成物(B)は、酸化チタン組成物に金属が担持された光触媒組成物である、藻の発生抑制用の分散液。
[15]前記酸化チタン組成物は、ルチル型酸化チタンを含む、[14]に記載の藻の発生抑制用の分散液。
[16]前記金属が、遷移金属または典型金属である、[14]又は[15]に記載の藻の発生抑制用の分散液。
[17]前記酸化チタン組成物は、ジルコニウム及びニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を実質的に含む、[14]~[16]のいずれかに記載の藻の発生抑制用の分散液。
[18]さらにバインダー樹脂(C)を含有する、[14]~[17]のいずれかに記載の藻の発生抑制用の分散液。
[19]前記バインダー樹脂(C)が、ウレタン系樹脂、又はアクリル系樹脂である、[1
8]記載の藻の発生抑制用の分散液。
[20]前記媒質(D)が、水を含む、[14]~[19]のいずれかに記載の藻の発生抑制用の分散液。
[21]前記分散液(E)は、さらに湿潤分散剤(F)を含有し、
前記湿潤分散剤(F)は、アンモニウム塩基を有するコポリマー、又は遊離脂肪酸基を有する酸価10mg KOH/g以上のコポリマーである、[14]~[20]のいずれかに記載の藻の発生抑制用の分散液。
本発明により、藻の発生は抑制しつつ、かつ植物の生育阻害は生じさせない水耕栽培方法に用いるための水耕栽培用培地を提供することができる。
図1は、実施例1、比較例1、及び比較例2における、レタス種子の播種有無でのバット内の藻の発生状況とレタスの育成状況とを経過観察した結果、7日目の観察結果を示す写真である。 図2は、実施例1、比較例1、及び比較例2における、レタス種子の播種有無でのバット内の藻の発生状況とレタスの育成状況とを経過観察した結果、14日目の観察結果を示す写真である。 図3は、実施例1、比較例1、及び比較例2における、レタス種子の播種有無でのバット内の藻の発生状況とレタスの育成状況とを経過観察した結果、21日目の観察結果を示す写真である。 図4は、水耕栽培方法を実施するための水耕栽培装置の一例を示す概略図である。 図5は、水耕栽培方法を実施するための水耕栽培装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下に記載する構成要件の説明は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
(水耕栽培用培地)
水耕栽培用培地は、多孔質材(A)に光触媒組成物(B)が担持されている。
<多孔質材(A)>
多孔質材(A)としては、細孔が非常に多く空いている基材であって、光触媒組成物(B)を担持することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ロックウールやバーミキュライト、気泡構造を含む発泡体が挙げられる。発泡体としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂発泡体の他、パルプや綿由来のセルローススポンジ、海綿動物由来の天然スポンジ、へちま等の植物由来繊維多孔質体も含む。水耕栽培用培地としては1か月程度の短期間の使用で廃棄されることから、生分解性材料の多孔質材が好ましい。
気泡構造を含む発泡体の中でも、連続気泡構造の発泡体が好ましい。連続気泡構造の発泡体は、気泡が繋がっているため、水分や空気を通しやすく、水耕栽培用のスポンジとして好適である。
多孔質材(A)の好ましい実施態様としては、ウレタンフォームの多孔質材が挙げられる。ここで、ウレタンフォームとは、例えば、原料としてポリオールとポリイソシアネートを使用して、発泡剤、整泡剤、触媒などを撹拌混合して、泡化反応と樹脂化反応を同時に行わせて得られる、プラスチック発泡体をいう。
ウレタンフォームの多孔質材の中でも、密度が10~30g/mのウレタンフォームの多孔質体がより好ましい。ここでいう密度とは、通気性及び非通気性気泡の双方を含む試料(ここでは、ウレタンフォームの多孔質材)の単位体積当たりの質量のこと、いわゆる見かけ密度をいう。この見かけ密度は、JIS K 7222:2005(発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の求め方)によって求めることができる。
<光触媒組成物(B)>
光触媒組成物(B)は、酸化チタン組成物に金属が担持されることにより可視光応答性を示す組成物である。
<<酸化チタン組成物>>
本発明の酸化チタン組成物には、少なくとも酸化チタンが含まれている必要があるが、酸化チタン以外の他の金属元素が含まれていてもよい。
本発明の酸化チタン組成物の好ましい実施態様としては、例えば、ジルコニウム及びニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を実質的に含む酸化チタン組成物が挙げられる。
酸化チタン組成物における酸化チタンは、ルチル型酸化チタンを含むものであるとよい。また、酸化チタンは、ルチル型酸化チタン以外に、アナターゼ型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン等が含まれていてもよい。
酸化チタンにおけるルチル型酸化チタンの含有率(ルチル化率)としては、優れた防藻性、植物育成、及び可視光応答性等を満足させるという観点から、15モル%以上であることが好ましく、50モル%以上あることがより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
酸化チタンは、気相法及び液相法いずれの方法で製造されたものでも用いることができるが、液相法により製造されたものを用いることが好ましい。
酸化チタン組成物の製造方法としては、一般的に、液相法と気相法とが知られている。液相法とは、イルメナイト鉱などの原料鉱石を溶解した液から得られる硫酸チタニルを、加水分解又は中和して酸化チタンを得る方法である。また、気相法とは、ルチル鉱などの原料鉱石を塩素化して得られる四塩化チタンと、酸素との気相反応により酸化チタンを得る方法である。
液相法を用いる場合、酸化チタンの原料鉱石としてはイルメナイト鉱石を用いてもよいし、イルメナイト鉱石を冶金処理してチタン純度を高めたチタンスラグを用いてもよい。
酸化チタン組成物における酸化チタンのBET比表面積としては、優れた防藻性、植物育成、及び可視光応答性等を満足させるという観点から、1~200m/gの範囲が好ましく、3~100m/gの範囲がより好ましく、4~70m/gの範囲がさらに好ましく、4~50m/gの範囲がさらにより好ましく、生産性をより一層高めることができるという観点から、6~20m/gの範囲であることが特に好ましい。なお、酸化チタンのBET比表面積の測定方法は、後述する実施例にて記載する。
酸化チタン組成物における酸化チタンの1次粒子径としては、優れた防藻性、植物育成、及び可視光応答性等を満足させるという観点から、0.01~0.5μmの範囲が好ましく、0.03~0.35μmの範囲がより好ましく0.06~0.35μmの範囲がさらに好ましい。なお、酸化チタンの1次粒子径の測定方法は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した値を示す。具体的には、個々の酸化チタンの1次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその1次粒子の粒子径とし、次に100個以上の酸化チタン粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒子径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均1次粒子径とすることができる。
上述したように、本発明の酸化チタン組成物は、ジルコニウム及びニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を実質的に含む酸化チタン組成物であることが好ましい。
酸化チタン組成物におけるチタン100に対するジルコニウムの含有比(Zr/Ti比)は、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.04以上、さらに好ましくは0.05以上であり、また、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下である。これらの上限及び下限はいずれの組み合わせでもよい。酸化チタン組成物におけるチタン100に対するジルコニウムの含有比(Zr/Ti比)は、好ましくは0.03~0.8、より好ましくは0.04~0.5、さらに好ましくは0.05~0.3である。
酸化チタン組成物におけるチタン100に対するニオブの含有比(Nb/Ti比)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.08以上、さらに好ましくは0.1以上であり、また、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下である。これらの上限及び下限はいずれの組み合わせでもよい。酸化チタン組成物におけるチタン100に対するニオブの含有比(Nb/Ti比)は、好ましくは0.05~0.8、より好ましくは0.08~0.5、さらに好ましくは0.10~0.3である。
酸化チタン組成物中に含有されるジルコニウム及びニオブが、上記範囲内の酸化チタン組成物であれば、溶媒への分散性が高く酸化チタンの濃度を高めても混合液の取扱いが良好である。
酸化チタンが金属元素(ジルコニウム及び/又はニオブ)を実質的に含むとは、酸化チタンにおける金属元素の含有比がチタン100に対して0.02以上であることを意味する。金属元素(ジルコニウム及び/又はニオブ)を実質的に含む酸化チタンは、金属元素(ジルコニウム及び/又はニオブ)を実質的に含む酸化チタン組成物である。
金属元素(ジルコニウム及び/又はニオブ)を実質的に含む酸化チタンは、1次粒子に起因する比表面積(BET値)に対して、凝集力は少なく混合液の粘度を抑制することが可能であり、酸化チタンの濃度向上に貢献していると推察される。
<<<酸化チタン組成物の製造方法>>>
酸化チタン組成物を製造する方法としては、上述した液相法による一般的な硫酸法や、上述した気相法による一般的な塩素法により製造することができる。
例えば、以下のようにして酸化チタン組成物を製造することができる。
a)一般的な硫酸法に準じ、イルメナイト鉱に、硫酸と水、鉄を添加して溶解し、チタン硫酸塩と硫酸鉄を主成分とする溶液を得る。次に、硫酸鉄などの不純物を取除き、熱加水分解し、含水水酸化チタン組成物を得る。次に、水酸化チタン組成物を洗浄し、400℃~1,600℃の温度範囲で焼成処理を行い、得られた固形物を粉砕する。これにより、酸化チタン組成物を得ることができる。
または、以下のようにして酸化チタン組成物を製造することもできる。
b)一般的な塩素法に準じ、ルチル鉱とコークスと塩素を反応させ、四塩化チタンを得る。四塩化チタンを蒸留により、不純物を取り除き、酸素下で700℃~1,600℃の
温度範囲で燃焼処理を行い、冷却後、得られた固形物を粉砕する。これにより、酸化チタン組成物を得ることができる。
また、好ましい実施態様として、ジルコニウム及びニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を実質的に含む酸化チタン組成物を製造する場合には、例えば、以下のようにして酸化チタン組成物を製造することができる。
c)一般的な硫酸法に準じ、イルメナイト鉱と五酸化ニオブと酸化ジルコニウムとの混合物に、硫酸と水、鉄を添加して溶解し、チタン硫酸塩と硫酸鉄を主成分とする溶液を得る。次に、硫酸鉄などの不純物を取除き、熱加水分解し、含水水酸化チタン組成物を得る。次に、水酸化チタン組成物を洗浄し、400℃~1,600℃の温度範囲で焼成処理を行い、得られた固形物を粉砕する。これにより、ジルコニウム及びニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を実質的に含む酸化チタン組成物を得ることができる。
また、本発明の光触媒組成物(B)を形成する為の金属の担持の工程とは別に、分散性、耐候性等の特性を付与する目的や粉砕工程の作業性を向上する目的で、上記酸化チタン組成物に対して無機物処理、有機物処理といった表面処理を任意に組み合わせて行ってもよい。無機物処理としてはアルミナ、シリカ、酸化亜鉛、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化アンチモン等の無機金属含水酸化物による表面処理が挙げられる。有機物処理としてはポリオール系、アルカノールアミン系、シリコーン系等の化合物による表面処理を挙げることができる。表面処理を行う方法として酸化チタンに用いられる公知の方法、例えば酸化チタン顔料のアルミナの表面処理、シランカップリング剤の表面処理等の方法を用いることができる。
<<金属>>
金属は、上記酸化チタン組成物に担持されて、光触媒組成物(B)を形成する。
前記金属は、金属単体や合金の他、金属イオンまたは金属元素を含む化合物の形態であってもよい。金属元素を含む化合物には、例えば、金属の塩化物、臭化物、ヨウ化物、酸化物、亜酸化物、硫化物、シアン化物、水酸化物、フッ化物、硫酸化合物、亜硫酸化合物、硝酸化合物、亜硝酸化合物、リン酸化合物、亜リン酸化合物、炭酸化合物などが含まれ、有機金属化合物は含まない。
酸化チタンに担持された金属は、活性サイトとして働いたり、電荷の蓄積により多電子反応を促進したり、電荷分離を促進するなどの助触媒として機能することにより、光触媒組成物の可視光領域における光触媒活性を向上することができる。また、金属の担持により、様々な機能を光触媒組成物に付与することができ、特に本発明の光触媒組成物は、藻の発生の抑制と、植物の生育促進の両方の効果を満足することができる。
担持金属は、好ましくは水に不溶性、または難溶性であるものを適宜選択することにより、本発明の水耕栽培用培地においては、多孔質材(A)から上記金属が金属イオンとして溶出されることはなく、金属イオンが植物に取り込まれることはないため、安全に植物を栽培することができる。また、酸化チタンに光があたると、この酸化チタンの光触媒の表面近くにある水や酸素が活性酸素に変えられ、この活性酸素が藻に対して成長抑制効果を発揮するものと推察される。
また、本発明の光触媒組成物は、抗菌効果にも優れている。
光触媒組成物(B)に担持される金属の金属元素としては、典型金属であっても、遷移金属であっても良く、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルルの半金属と非金属は含まれない。具体的には、例えば、銅、鉄、タングステン、ジルコニウム、モリブデン、コバルト、マンガン、ネオジウム、ニッケル、パラジウム、白金、金等の遷移金属、及び亜鉛、アルミニウム、アンチモン、スズ、ビスマス等の典型金属が好適に用いることができる。
光触媒組成物(B)に担持される上記金属の中でも、優れた防藻性、植物育成、及び可視光応答性等を満足させるという観点から、銅が好ましく、2価銅がより好ましい。
2価銅の化合物としては、例えば、硫酸銅、硝酸銅、沃素酸銅、過塩素酸銅、シュウ酸銅、四ホウ酸銅、硫酸アンモニウム銅、アミド硫酸銅、塩化アンモニウム銅、ピロリン酸銅、炭酸銅等の2価銅の無機酸塩;塩化銅、フッ化銅、臭化銅等の2価銅のハロゲン化物;酸化銅、硫化銅、アズライト、マラカイト、アジ化銅などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
2価銅化合物原料としては、上記したものの中でも、下記一般式(1)で示されるものを用いることが好ましい。
CuX (1)
(式(1)において、Xは、ハロゲン原子、CHCOO、NO、又は、(SO /2を示す。)
上記式(1)におけるXとしては、ハロゲン原子であることがより好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
<<光触媒組成物(B)の製造方法>>
光触媒組成物(B)に担持物(上記金属)を担持させる加工方法としては、湿式であれば公知の手法を用いることができる。
例えば、担持物と溶媒の水溶液中に酸化チタン組成物を懸濁した混合液で吸着させる方法、酸化チタン組成物と担持物と溶媒とアルカリ性物質との混合液で反応させる方法等が挙げられる。加工の際は混合液を作る。混合液は、少なくとも酸化チタン組成物と溶媒を含むものである。
上記混合液における酸化チタン組成物の濃度としては、3~40質量%の範囲が好ましい。なお、本発明においては、液相法により製造された酸化チタンを用いることが好ましく、酸化チタンの濃度を高めても取扱いの良好な混合液で反応を行うことができる。具体的には、酸化チタン組成物の濃度が、25質量%を超えて40質量%以下の範囲でも良好な混合液での反応を行うことができる。
混合液における担持物原料の使用量としては、酸化チタン100質量部に対して、0.01~20質量部の範囲であることが好ましく、0.1~15質量部の範囲がより好ましく、0.3~10質量部の範囲がさらに好ましい。
溶媒は、水のみを用いてもよく、また水と有機溶剤との混合溶媒を用いてもよい。混合溶媒の場合、水を主成分とする水性溶媒が好ましい。ここで水を主成分とする水性溶媒とは、溶媒全量において水の含有量が最も多いものをいい、50質量%以上が水であることが好ましい。
有機溶剤を含有する混合溶媒の場合は、所望の混合液の性質に応じて有機溶剤の組成を決定する。混合溶媒は、環境負荷低減と安全性向上の観点から、有機溶剤を溶媒全量中30質量%以下で含有することが好ましく、5質量%以下で含有することが好ましい。
溶媒に使用可能な有機溶剤としては特に限定はないが、例えば、水と混和する有機溶剤が好ましく用いられる。溶媒に使用可能な有機溶剤としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3-ペンタノール等の単官能アルコール、
エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、3-メチル-1,3ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等の各種ジオール、グリセリン等の多価アルコール、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、
ビスフェノールA、ビスフェノールAの炭素数2又は3のアルキレンオキサイド(平均付加モル数1以上16以下)付加物である芳香族ジオール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオールポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、シクロヘキサンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチルカルビトール、γ-ブチロラクトン、等が
挙げられる。これらは1種で使用してもよく2種以上混合して使用してもよく限定はない。
中でも、1-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3-ペンタノール、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール(NPA)、イソプロピルアルコール(IPA)、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ2-プロパノール)(PGM)、エチレングリコールが好ましい。
上記アルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、トリメチルアミン、アンモニア、塩基性界面活性剤等を用いることができ、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
アルカリ性物質は、反応を制御しやすい点から、溶液として添加するのが好ましく、添加するアルカリ溶液の濃度としては、0.1~5mol/Lの範囲であることが好ましく、0.3~4mol/Lの範囲がより好ましく、0.5~3mol/Lの範囲がさらに好ましい。
<<<光触媒組成物(B)の製造方法の実施態様>>>
光触媒組成物(B)の製造方法のより好ましい実施態様として、酸化チタン組成物に2価銅化合物を担持して光触媒組成物(B)を得る製造方法が挙げられる。
以下、酸化チタン組成物に2価銅化合物を担持する方法について詳しく説明する。
混合液は、酸化チタン組成物、2価銅化合物原料、溶媒、及び、アルカリ性物質を混合すればよく、例えば、まず水に酸化チタン組成物を混合するとともに必要に応じて撹拌し、次いで、2価銅化合物原料を混合し、撹拌し、その後、アルカリ性物質を添加して撹拌する方法が挙げられる。この混合液により、2価銅化合物原料由来の2価銅化合物が酸化チタン組成物に担持されることとなる。
上記混合液における全体の撹拌時間としては、例えば、5~120分間が挙げられ、好ましくは10~60分間である。混合液の反応温度としては、例えば、室温~70℃の範囲が挙げられる。
酸化チタン組成物への2価銅化合物の担持が良好であるという観点から、酸化チタン組成物、2価銅化合物原料、及び、水を混合・撹拌し、その後アルカリ性物質を混合・撹拌した後の混合液のpHとしては、好ましくは8~11の範囲であり、より好ましくは9.0~10.5の範囲である。
混合液での反応が終了した後には、固形分を分離することができる。分離を行う方法としては、例えば、濾過、沈降分離、遠心分離、蒸発乾燥等が挙げられるが、濾過が好ましい。分離した固形分は、その後必要に応じて、水洗、解砕、分級等を行ってもよい。
上記固形分を得た後には、酸化チタン組成物上に担持された上記2価銅化合物原料由来の2価銅化合物を、より強固に結合することができるという観点から、固形分を熱処理することが好ましい。熱処理温度としては、好ましくは150~600℃の範囲であり、より好ましくは250~450℃の範囲である。また、熱処理時間は、好ましくは1~10時間であり、より好ましくは、2~5時間である。
以上の方法によって、酸化チタン組成物に2価銅化合物が担持された、光触媒組成物(B)を得ることができる。
酸化チタン組成物に担持された2価銅化合物の担持量としては、酸化チタン100質量部に対して、2価銅化合物が0.01~20質量部の範囲であることが、防藻性、植物育成、及び可視光応答性等を満足させるという観点から好ましい。2価銅化合物の担持量は、上記混合液における2価銅化合物原料の使用量によって調整することができる。なお、2価銅化合物の担持量の測定方法は、後述する実施例にて記載する。
混合液は、本発明の効果を得られる限り、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、顔料、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等が挙げられる。
<水耕栽培用培地の好ましい態様>
水耕栽培用培地の好ましい実施態様として、優れた防藻性、植物育成、及び可視光応答性等を満足させるという観点から、多孔質材(A)中の光触媒組成物(B)の含有量としては、0.1kg/m~2kg/mであることが好ましい。
また、水耕栽培用培地の好ましい実施態様としては、多孔質材(A)に、光触媒組成物(B)がバインダー樹脂(C)を介して担持されている水耕栽培用培地が挙げられる。
ここで、バインダー樹脂(C)としては、例えば、ウレタン系樹脂、又はアクリル系樹脂が挙げられる。
上記ウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステル-ポリウレタン樹脂、ポリエーテル-ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート-ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
また、上記ウレタン系樹脂としては、分子中にアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタン樹脂の水分散性樹脂を使用することができる。またアルキレンオキサイド鎖の他に親水性基、例えばカルボン酸やスルフォン酸を分子中に含有していてもかまわない。
分子中にアルキレンオキサイド鎖を含有する、ポリウレタン樹脂の水分散性樹脂の市販品としては、例えばDIC株式会社製の「ハイドラン」(商品名)や、コベストロ社製の「インプラニール」(商品名)、三洋化成工業株式会社製の「パーマリン」(商品名)等が該当する。
ポリカーボネート-ポリウレタン樹脂の水分散性樹脂として、例えば、ハイドランWLS-210の市販品を用いることもできる。
また上記アクリル系樹脂は、アクリル単量体を必須成分とした重合性単量体を重合したものである。また、水性媒体への溶解ないし分散を良好とするため、カルボキシル基を有する重合性単量体を用いたものが好ましい。
アクリル単量体としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート等のシラン系(メタ)アクリレート;3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルシラン化合物;パーフルオロアルキルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素系(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジアクリロキシプロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートトリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート化合物は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイルとアクリロイルの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいう。
また、上記アクリル樹脂にカルボキシル基を導入する場合、その原料として、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体を用いることができる。これらの重合性単量体は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。また、これらのカルボキシル基を有する重合性単量体を用いて、上記アクリル樹脂にカルボキシル基を導入した後、当該カルボキシル基の一部又は全部を水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物;アンモニア、トリエチルアミン等の有機物などの塩基で中和してもよい。
さらに、上記アクリル樹脂の原料として、上記アクリル単量体以外の重合性単量体として、その他の重合性単量体を用いてもよい。上記重合性単量体としては、スチレン、スチレン誘導体(α-メチルスチレン、p-ジメチルシリルスチレン、(p-ビニルフェニル)メチルスルフィド、p-ヘキシニルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブチルジメチルシロキシスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、α-メチルスチレン等)、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1-ジフェニルエチレン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド化合物;2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、ナフチルビニルピリジン等のビニルピリジン化合物;1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-シクロヘキサジエン等の共役ジエンなどが挙げられる。これらの重合性単量体は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
上記アクリル樹脂の製造方法としては、例えば、公知の乳化重合法を用いることができる。
なお、水耕栽培用培地の製造に用いる分散液については、以下で詳しく説明する。その際、バインダー樹脂(C)についても、詳しく説明する。
光触媒組成物(B)がバインダー樹脂(C)を介して多孔質材(A)に担持されていることで、多孔質材(A)に光触媒組成物(B)がより強固に担持されており、多孔質材(A)からの光触媒組成物(B)の脱離を防止することができる。そのため、水を循環しても、光触媒組成物(B)の脱落を防止することができ、水耕栽培に適した培地を提供することができる。
多孔質材(A)に、バインダー樹脂(C)を介して光触媒組成物(B)を担持させる水耕栽培用培地の製造方法については、後述する。
(水耕栽培用培地の製造方法)
本発明の水耕栽培用培地の製造方法は、
(I)工程:媒質(D)に、上記光触媒組成物(B)を分散し、分散液(E)を得る工程と、
(II)工程:上記多孔質材(A)に、上記分散液(E)を含浸する工程と、
(III)工程:上記多孔質材(A)から上記媒質(D)を乾燥除去する工程と、
を有する。
尚、上述したように、光触媒組成物(B)がバインダー樹脂(C)を介して多孔質材(A)に担持されていると、多孔質材(A)に光触媒組成物(B)がより強固に担持された水耕栽培用培地が得られるため、水耕栽培用培地の製造方法のより好ましい実施態様として、以下の製造方法が挙げられる。
(I’)工程:媒質(D)に、上記光触媒組成物(B)と上記バインダー樹脂(C)を分散し、分散液(E)を得る工程と、
(II)工程:上記多孔質材(A)に、上記分散液(E)を含浸する工程と、
(III)工程:上記多孔質材(A)から上記媒質(D)を乾燥除去する工程と、
を有する。
上記(I)工程と上記(I’)工程(上記(I)工程と上記(I’)工程とをまとめて(I)工程ともいう)、上記(II)工程、及び上記(III)工程について、以下詳しく説明する。
<(I)工程>
媒質(D)に、上記光触媒組成物(B)を分散し、分散液(E)を得る。
光触媒組成物(B)をバインダー樹脂(C)を介して多孔質材(A)に担持させる場合には、媒質(D)に、上記光触媒組成物(B)と上記バインダー樹脂(C)とを分散し、分散液(E)を得る。
ここで、光触媒組成物(B)は、上記<光触媒組成物(B)>の欄で記載したとおりである。また、バインダー樹脂(C)は、上記<<水耕栽培用培地の好ましい態様>>の欄で記載したとおりである。
媒質(D)は、水を含む。
媒質(D)としては、水を主成分とする水性媒体であり、有機溶剤を含有してもよい。本発明では、水のみを用いても良く、また水及び有機溶剤との混合物を用いても良いが、環境負荷低減と安全性向上の観点から、有機溶剤の使用量はできる限り少ないことが好ましい。
有機溶剤を含有する場合は、媒質(D)中、有機溶剤を30質量%以下で含有することが好ましく、5質量%以下で含有することが好ましい。
使用可能な有機溶剤としては特に限定はないが、例えば、水と混和する有機溶剤が好ましく、1-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3-ペンタノール、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール(以下、NPAとも記載する)、イソプロピルアルコール(以下、IPAとも記載する)等の単官能アルコール、各種ジオール、グリセリン等の多価アルコール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、プロピレングリコール、1,2ブタンジオール、3-メチル-1,3ブタンジオール、1、2ペンタンジオール、2-メチル-1,3プロパンジオール、1,2ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等のジオール、
ビスフェノールA、ビスフェノールAの炭素数2又は3のアルキレンオキサイド(平均付加モル数1以上16以下)付加物である芳香族ジオール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオールポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、シクロヘキサンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチルカルビトール、γ-ブチロラクトン、等が挙げられる。これらは1種で使用してもよく複数種混合して使用してもよく限定はない。
中でも、1-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3-ペンタノール、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール(以下、NPAとも記載する)、イソプロピルアルコール(以下、IPAとも記載する)、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ2-プロパノール)(PGMとも記載する)、エチレングリコールが好ましい。
上記分散液(E)は、さらに湿潤分散剤(F)を含有してもよい。
湿潤分散剤(F)としては、金属酸化物の濡れ性や分散性の向上に有効なものであれば、如何なる分散剤を使用することも可能であるが、例えば、アンモニウム塩基を有するコポリマー、又は遊離脂肪酸基を有する酸価10mg KOH/g以上のコポリマー等が挙げられる。
湿潤分散剤(F)の中でも酸価を有する分散剤が、好ましく用いられる。
上記コポリマーは、比較的高分子のものが好ましく用いられ、例えばコポリマーの分子量として500~200,000が好ましく1,000~150,000がより好ましい。アンモニウム塩基を有するコポリマーとしては、例えば多官能ポリマー、アクリル系共重合物が好ましい。コポリマーの分子量が上記範囲内であれば、分散性が向上する。
多官能ポリマーとしては、例えば、アミン基、カルボキシル基、エーテル基、シリル基等、官能基を有する重合性単量体を複数種、構成単位に持つポリマーが挙げられる。
アクリル系共重合物としては、アクリル系の重合性単量体、例えばメタクリル酸とアクリル酸などを構成単位にもつ共重合物が挙げられる。
アンモニウム塩基とは、例えばアルキロールアミン塩が挙げられる。
遊離脂肪酸基としては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、無水マレイン酸、シトラコン酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体を構成単位とすることで得ること可能である。
遊離脂肪酸基を有するコポリマーの酸価としては、10mg KOH/g以上であり、好ましくは20mg KOH/g以上であり、また、通常150mg KOH/g以下であり、好ましくは100mg KOH/g以下である。遊離脂肪酸基を有するコポリマーの酸価は10mg KOH/g以上150mg KOH/g以下でもよく、10mg KOH/g以上100mg KOH/g以下でもよく、20mg KOH/g以上150mg KOH/g以下でもよく、20mg KOH/g以上100mg KOH/g以下でもよい。
酸価とは、1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義される。
上記範囲に該当する湿潤分散剤(A)としては、ビックケミー・ジャパン社製、BYK-154、DISPERBYK180、DISPERBYK181、DISPERBYK190、DISPERBYK191、DISPERBYK194Nなどが具体的に挙げられる。
分散液(E)は、上述した各成分を含有していれば、各成分の混合方法や混合する順番に特に制限はなく、用いる各成分の種類を考慮し、適宜混合方法を選択することができるが、例えば、より具体的には、以下に記載する分散液(E)の製造方法が挙げられる。
分散液(E)が湿潤分散剤(F)も含有する場合を例に以下説明する。
(i)光触媒組成物(B)と湿潤分散剤(F)と媒質(D)とを混合撹拌する。その際、混合液にビーズを加え、ビーズミルで粉体と液体の混合物であるスラリーとビーズを撹拌することにより、砕料粒子を磨砕するとよい。磨砕終了後、混合液からビーズを分離して、光触媒分散体(G)を得る。
(ii)上記光触媒分散体(G)と、バインダー樹脂(C)と、媒質(D)とを混合し、分散液(E)を得る。
ここで、分散液(E)中の光触媒分散体(G)とバインダー樹脂(C)との混合割合は、固形分比率で、例えば、10:90~90:10であるとよい。
<(II)工程>
上記多孔質材(A)に、上記分散液(E)を含浸する。
例えば、分散液(E)を含浸槽に入れ、この浴中に多孔質材(A)を供給することにより、多孔質材(A)に分散液(E)を含浸させることができる。
<(III)工程>
上記多孔質材(A)から上記媒質(D)を乾燥除去する。
例えば、絞りロールや乾燥炉を用いて、多孔質材(A)から上記媒質(D)を乾燥除去する。より具体的には、例えば、上記(II)工程による含浸後、絞りロールにより多孔質材(A)を絞り、多孔質材(A)中の分散液(E)の付着量を調整する。例えば、分散液(E)の乾燥重量が0.1kg/m~3kg/mを示す量の分散液(E)が、多孔質材(A)中に付着するように絞りロール間隔を調整する。そして、多孔質材(A)をその絞りロールに通す。絞りロールを通した後は、多孔質材(A)を60℃~160℃に設定した乾燥炉に通して熱風乾燥する。これにより、本発明の水耕栽培用培地を得ることができる。
(分散液)
上述したように、水耕栽培用培地を製造する際に、多孔質材(A)に光触媒組成物(B)を担持させるため、分散液(E)を用意する。
分散液(E)は、媒質(D)、及び光触媒組成物(B)を含有する。分散液(E)の好ましい態様として、さらにバインダー樹脂(C)を含有する。
分散液(E)は、水耕栽培用培地を製造するために培地加工用として使用することができる。
但し、本発明に係る分散液(E)は、培地の製造のみに適用されるだけでなく、水耕栽培に関する、藻の発生抑制が望まれるもの全般に適用することができる。例えば、水耕栽培に使用する藻の発生抑制用の分散液として、水耕栽培用の水槽(栽培容器(バット)ともいう)や水耕パネル(育成ボードともいう)等に適用することができる。より具体的には、例えば、栽培容器(バット)、育成ボード、培養液循環槽、ろ過装置、フィルター、配管などへの適用が挙げられる。
水耕栽培用の装置の中でも、培養液と接触する部分であって、藻の発生部位の近くへの適用が好ましく、光の照射される部位への適用がより好ましい。したがって、本発明に係る分散液(E)は、水耕栽培用培地、栽培容器(バット)、及び育成ボードなどへ適用するのが特に好ましい。
分散液(E)に含有されるバインダー樹脂(C)としては、適用部材に接着性を与えることができる樹脂溶液、樹脂分散液、あるいは硬化性液状樹脂から選択されることが望ましい。例えば、バインダー樹脂(C)としては、コーティング剤用樹脂や接着剤用樹脂として利用されるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、セルロース等の生分解性樹脂、UV硬化型(メタ)アクリレート樹脂等が使用できる。これらの樹脂は適宜組み合わせて使用されてもよい。
分散液(E)は、水、有機溶剤等を希釈剤として適宜使用することができる。分散液(E)は、UV硬化型や熱硬化型樹脂のように無溶剤型であってもよい。環境対応や塗装作業者の安全面への観点からは、水性分散液であることが好ましい。
(水耕栽培方法)
本発明の水耕栽培方法は、上述した本発明の水耕栽培用培地を用いて、植物を生育する。より具体的には、本発明の水耕栽培用培地と該水耕栽培用培地に可視光を照射する光照射手段と、さらに好ましくは培養液を保持する容器や該培養液を循環する循環手段とを用いて、植物を生育する。
ここで、培養液としては、一般に水耕栽培で用いられている培養液を使用することができ、例えば、植物の養分を含む水溶液が挙げられる。植物の養分として、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、ホウ素、鉄、マンガン、亜鉛、モリブデン等を含む養分が挙げられる。植物の養分には、これら元素を含む、無機系養分、および有機系養分がある。
そして、培養液中の植物の養分の組成は、生育する植物及び植物の生育状態に応じて、選択される。
光照射手段は、例えば、生育する植物及び水耕栽培用培地に可視光を照射する手段(例えば、光を照射する部位が容器の上方となる位置に配置された装置)である。
ただし、光照射手段は、少なくとも、水耕栽培用培地に可視光を照射する装置であればよい。一方で、水耕栽培装置を、太陽光が到達しない又は到達し難い屋内に設置する場合には、光照射手段は、植物及び水耕栽培用培地に可視光を照射する装置であることがよい。
光照射手段は、可視光を発する光源を有している。光源としては、LED(Light
Emitting Diode)ユニット、レーザーユニット、蛍光灯等が挙げられるが、中でもLEDの照明手段が好ましい。
水耕栽培における光照射手段の照射時間は、生育する植物の種類に応じて適宜選択することができるが、例えば、1日の照射時間は、16時間とする(8時間を暗所とする)ことができる。
尚、本発明に係る光触媒組成物(B)において、金属として銅化合物を用いた場合、銅化合物を担持してなる光触媒組成物(B)は、暗所活性にも優れているため、より藻の抑制に効果的である。
<水耕栽培装置>
本発明の水耕栽培方法を実施するため、例えば、図4及び図5で示す水耕栽培装置を用いて植物を栽培することができる。
図4及び図5で示す水耕栽培装置(10)は、栽培用培地(14)上に支持された植物(11)を培養液(12)用いて育成させる装置である。該水耕栽培装置は、栽培容器(13)、培養液循環濾過ポンプ(16)、光照射手段(20)、光源(21)を有している。
また、図4及び図5で示す水耕栽培装置(10)において、栽培用培地(14)は、植物(11)を支持するための植物支持部(14a)と該植物支持部(14a)を保持するための保持部(14b)とから形成されている。なお、保持部(14b)において、植物支持部(14a)を挿入するための開口部が狭く、その開口部に植物を直接挿入させても、植物が保持部に保持されるようであれば、植物支持部(14a)は設けなくてもよい。
水耕栽培装置において、培養液と接する部分は、藻の発生が特に懸念される。したがって、そのような場所に本発明に係る分散液を適用するのが好ましい。特に、光照射により藻が成長しやすい水耕栽培用培地、栽培容器(バット)、及び育成ボードなどへ本発明に係る分散液(E)を適用するのが好ましい。
以下に、本発明の内容および効果を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。なお下記に示す「部」とは「質量部」を表す。
<多孔質材>
(1)多孔質材A1
28mm厚みの軟質ウレタンフォーム(連続気泡タイプ)を、1ブロックが23mm角に切り離しが可能となるように切れ込みを入れ、さらに、各ブロックの中央に種植え付け用に十字切れ込みを入れたものを多孔質材A1として使用した。
多孔質材A1の見かけ密度は、13kg/mであった。
<光触媒組成物>
(1)酸化チタン組成物b
一般的な硫酸法に準じ、イルメナイト鉱と五酸化ニオブと酸化ジルコニウムとの混合物に、硫酸と水、鉄を添加して溶解し、チタン硫酸塩と硫酸鉄を主成分とする溶液を得た。
硫酸鉄などの不純物を取除き、熱加水分解し、含水水酸化チタン組成物を得た。上記水酸化チタン組成物を洗浄し、900℃で焼成処理を行い、得られた固形物を粉砕し、以下の特徴を持つ酸化チタン組成物bを得た。
a)結晶性ルチル型酸化チタン
b)物性値
・BET比表面積:9.0m/g
・ルチル化率:95.4%
・1次粒子径:0.18μm
・Zr/Ti比:0.05
・Nb/Ti比:0.17
(2)光触媒組成物B1
a)混合工程(反応工程)
上記酸化チタン組成物b600質量部、塩化銅(ii)二水和物8質量部、水900質量部をステンレス容器中に混合した。次いで、混合物を撹拌機(特殊機化工業株式会社製「ロボミクス」)で撹拌し、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を混合液のpHが10になるまで滴下した。
b)脱水工程
定性濾紙(5C)により減圧濾過をおこない、混合液から固形分を分離し、更にイオン交換水で洗浄を実施した。次いで、洗浄後の固形物を120℃で12時間乾燥し、水分を除去した。乾燥後、ミル(イワタニ産業株式会社製「ミルサー」)で粉状の酸化チタン組成物を得た。
c)熱処理工程
上記b)の脱水工程で得られた粉状の酸化チタン組成物に対して、精密恒温器(ヤマト科学株式会社製「DH650」)を用いて酸素存在下で450℃、3時間熱処理し、2価銅化合物が担持された酸化チタンを含有する光触媒組成物B1を得た。
なお、上記2価銅化合物が担持された酸化チタンにおける、2価銅化合物の担持量は酸化チタンに対して0.5質量%であった。
<光触媒分散体>
(1)光触媒分散体G1
光触媒組成物B1の25部と、水75部と、湿潤分散剤F1(酸価75mgKOH/g、ビックケミー株式会社製「DISPERBYK-194N」)8部とを混合撹拌し、1.0mmφセラミックビーズ100部を加えたのち、サンドグラインダーで4時間磨砕した。磨砕終了後、上記ビーズを分散液から分離して、光触媒分散体G1を得た。
<分散液>
(1)分散液E1
水561質量部、光触媒分散体G1(固形分25質量%)20質量部、ポリカーボネート-ポリウレタン樹脂の水分散体C1(DIC株式会社製「ハイドランWLS-210」)19質量部(合計600質量部)を分散撹拌機(特殊機化工業製 TKホモディスパー)を用いて均一に混合して培地加工用の分散液E1を得た。
この分散液の固形分は19.2質量%、光触媒組成物B1とバインダー樹脂C1の固形分比は44:56であった。
(実施例1)
<水耕栽培用培地の作製>
含浸槽、絞りロール、乾燥炉を用いて、多孔質材A1に分散液E1を含浸、乾燥させることで、多孔質材に光触媒組成物を担持した水耕栽培用培地を作製した。
すなわち、上記分散液E1を含浸槽に入れ、この浴中に28mm厚みの軟質ウレタンフォームA1を供給し、分散液乾燥重量が0.6kg/m付着するように絞りロール間隔を調整した。ついで、軟質ウレタンフォームA1を絞りロールに通したのち、120℃に設定した乾燥炉を通して熱風乾燥し、目的とする水耕栽培用培地を得た。
該水耕栽培用培地を用いて、以下に記載の方法にて、藻の発生とレタスの育成状況を評価した。
(比較例1)
水耕栽培用培地を、光触媒組成物未担持の多孔質材A1をそのまま使用した以外は、実施例1と同様にして、藻の発生とレタスの育成状況を評価した。
(比較例2)
多孔質材として、特許2813693号公報に記載の軟質ポリウレタンフォームを参考にした。
水耕栽培用培地を、銀系抗菌剤を含有した軟質ウレタンフォームである市販の抗菌スポンジ(キクロン社製クリピカ スポンジAg抗菌;見かけ密度30kg/m)を多孔質材A1と同様の寸法に加工したものとした以外は、実施例1と同様にして、藻の発生とレタスの育成状況を評価した。
<評価方法>
[酸化チタンのBET比表面積の測定方法]
株式会社マウンテック製全自動BET比表面積測定装置「MacSORBHM model-1208」を使用して、比表面積測定(BET1点法)による測定を行った。
[酸化チタンのルチル化率の測定方法]
島津製作所株式会社製X線回折装置「XRD-6100」を使用して、ルチル型結晶に対応するピーク高さ割合を酸化チタン全体の結晶(ルチル型、ブルッカイト型、アナターゼ型)に対応するピーク高さから算出した。
[酸化チタンのZr/Ti比、Nb/Ti比の算出方法]
セイコーインスツル株式会社製蛍光X線分析装置「SEA1200VX」を使用して、バルクファンダメンタルパラメータ(バルクFP)法による金属元素組成分析を行った。
酸化チタン試料を測定して得られた、各金属元素の蛍光強度(cps:count per second)について、チタンの蛍光強度(cps)を100としたときのジルコニウムまたはニオブの蛍光強度(cps)の強度比を、それぞれZr/Ti比、またはNb/Ti比として算出した。
[酸化チタンへの2価銅化合物の担持量の測定方法]
酸化チタンを、フッ酸溶液で全溶解し、抽出液をICP発光分光分析装置により分析して、酸化チタン100質量部に対する2価銅化合物の担持量(質量部)を定量した。
[防藻性の評価]
水道水10リットルに、肥料としてOATアグリオ製OATハウス1号を11g、同2号を7.5g、同5号を0.5g溶かし入れ、植物培養液とした。試験中の培養液のEC値は、1.0~2.0mS/cmを維持した。
育苗用バットに約15mm程度の水深となるように培養液を入れ、4×10個の培地マットを浸した。LED照明照射時間16時間/日、育成環境温度22℃でレタス種子の播種有無でのバット内の藻の発生状況を経過観察した。評価は以下のように行った。
-評価基準-
5:藻の発生無し
4:藻がわずかに発生
3:藻が全体の1/4以上覆う
2:藻が全体の1/2以上覆う
1:藻が全面を覆う
[レタスの育成状況の評価]
防藻性評価に用いたレタス種子の播種バットのレタスの育成状況を、比較例1を基準に経過観察し、以下のように評価を行った。
-評価基準-
5:比較例1よりも成長が早い
4:比較例1と同等に成長
3:比較例1に比べ1週間以内の成長の遅れ
2:比較例1に比べ1週間以上の成長の遅れ
1:ほぼ成長しない
(評価結果)
実施例1、比較例1、及び比較例2における、レタス種子の播種有無でのバット内の藻の発生状況とレタスの育成状況とを経過観察した結果を図1~図3に示す。図1は、7日目の観察結果を示す写真、図2は、14日目の観察結果を示す写真、図3は、21日目の観察結果を示す写真である。また、実施例1、比較例1、及び比較例2における、レタス種子の播種有無でのバット内の藻の発生状況とレタスの育成状況との観察結果を上記評価基準により評価した結果を下記表1に示す。
Figure 0007477053000001
実施例1が比較例1に比べ、藻の発生を抑制していることが分かる。一方、比較例2では藻の発生を高度に抑制しているものの、レタスの成長を著しく阻害していることが分かる。
本発明の光触媒組成物を担持した培地を用いた水耕栽培では、作物の生育阻害が少なく、かつ、藻の発生を抑制するという相反する効果を両立できることが確認できた。

Claims (19)

  1. 多孔質材(A)に光触媒組成物(B)を担持した水耕栽培用培地であって、
    前記光触媒組成物(B)は、酸化チタン組成物に銅元素を含む金属が担持された光触媒組成物であり、
    前記酸化チタン組成物は、ジルコニウム及びニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を実質的に含む、水耕栽培用培地。
  2. 前記酸化チタン組成物は、ルチル型酸化チタンを含む、請求項1に記載の水耕栽培用培地。
  3. 前記酸化チタン組成物におけるチタン100に対して、前記ジルコニウムの含有比(Zr/Ti比)は0.03以上0.8以下であり、かつ前記ニオブの含有比(Nb/Ti比)は0.05以上0.8以下である、請求項1に記載の水耕栽培用培地。
  4. 前記多孔質材(A)が、連続気泡構造を含む発泡体である、請求項1に記載の水耕栽培用培地。
  5. 前記多孔質材(A)が、ウレタンフォームである、請求項4に記載の水耕栽培用培地。
  6. 前記多孔質材(A)に、前記光触媒組成物(B)がバインダー樹脂(C)を介して担持されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の水耕栽培用培地。
  7. 前記バインダー樹脂(C)が、ウレタン系樹脂、又はアクリル系樹脂である、請求項6に記載の水耕栽培用培地。
  8. 請求項1~5のいずれか一項に記載の水耕栽培用培地を製造する水耕栽培用培地の製造方法であって、
    媒質(D)に、前記光触媒組成物(B)とバインダー樹脂(C)を分散し、分散液(E)を得る工程と、
    前記多孔質材(A)に、前記分散液(E)を含浸する工程と、
    前記多孔質材(A)から前記媒質(D)を乾燥除去する工程と、
    を有する水耕栽培用培地の製造方法。
  9. 前記媒質(D)が、水を含む、請求項8に記載の水耕栽培用培地の製造方法。
  10. 前記分散液(E)は、さらに湿潤分散剤(F)を含有し、前記湿潤分散剤(F)は、アンモニウム塩基を有するコポリマー、又は遊離脂肪酸基を有する酸価10mg KOH/g以上のコポリマーである、請求項8に記載の水耕栽培用培地の製造方法。
  11. 請求項1~5のいずれか一項に記載の水耕栽培用培地と光照射手段とを使用する、水耕栽培方法。
  12. 水耕栽培に使用する藻の発生抑制用の分散液であって、
    前記藻の発生抑制用の分散液である分散液(E)は、少なくとも、媒質(D)、及び光触媒組成物(B)を含有し、
    前記光触媒組成物(B)は、酸化チタン組成物に銅元素を含む金属が担持された光触媒組成物である、藻の発生抑制用の分散液。
  13. 前記酸化チタン組成物は、ルチル型酸化チタンを含む、請求項12に記載の藻の発生抑制用の分散液。
  14. 前記酸化チタン組成物は、ジルコニウム及びニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を実質的に含む、請求項12又13のいずれか一項に記載の藻の発生抑制用の分散液。
  15. 前記酸化チタン組成物におけるチタン100に対して、前記ジルコニウムの含有比(Zr/Ti比)は0.03以上0.8以下であり、かつ前記ニオブの含有比(Nb/Ti比)は0.05以上0.8以下である、請求項14に記載の分散液。
  16. さらにバインダー樹脂(C)を含有する、請求項12又13のいずれかに記載の藻の発生抑制用の分散液。
  17. 前記バインダー樹脂(C)が、ウレタン系樹脂、又はアクリル系樹脂である、請求項16に記載の藻の発生抑制用の分散液。
  18. 前記媒質(D)が、水を含む、請求項12又13のいずれかに記載の藻の発生抑制用の分散液。
  19. 前記分散液(E)は、さらに湿潤分散剤(F)を含有し、前記湿潤分散剤(F)は、アンモニウム塩基を有するコポリマー、又は遊離脂肪酸基を有する酸価10mg KOH/g以上のコポリマーである、請求項12又13のいずれかに記載の藻の発生抑制用の分散液。
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