JPH10108564A - 栽培基材及び栽培装置 - Google Patents
栽培基材及び栽培装置Info
- Publication number
- JPH10108564A JPH10108564A JP8264772A JP26477296A JPH10108564A JP H10108564 A JPH10108564 A JP H10108564A JP 8264772 A JP8264772 A JP 8264772A JP 26477296 A JP26477296 A JP 26477296A JP H10108564 A JPH10108564 A JP H10108564A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cultivation
- nutrient solution
- medium layer
- plant
- cleaning medium
- Prior art date
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- Pending
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Classifications
-
- Y02P60/216—
Landscapes
- Hydroponics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 清浄化を高めることにより清掃作業の容易
化、簡略化を実現した栽培基材及び栽培装置を提供す
る。 【解決手段】 植物に養液(10)を供給する栽培基材
(栽培ベンチ2、21、定植パネル26)又は栽培装置
の養液が触れる面部に清浄媒体層(20)を形成するこ
とにより、この清浄媒体層による酸化分解を以て藻、病
菌の繁殖を抑制するとともに、汚染物を遊離状態にし、
養液や洗浄水により清浄化を可能にしたものである。
化、簡略化を実現した栽培基材及び栽培装置を提供す
る。 【解決手段】 植物に養液(10)を供給する栽培基材
(栽培ベンチ2、21、定植パネル26)又は栽培装置
の養液が触れる面部に清浄媒体層(20)を形成するこ
とにより、この清浄媒体層による酸化分解を以て藻、病
菌の繁殖を抑制するとともに、汚染物を遊離状態にし、
養液や洗浄水により清浄化を可能にしたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養液で植物を栽培
する養液栽培等に用いられる栽培基材又は栽培装置に関
する。
する養液栽培等に用いられる栽培基材又は栽培装置に関
する。
【0002】
【従来技術】従来、養液栽培は、養液を以て植物を栽培
するものであり、植物を植え付けたロックウール等の人
口培地に養液を供給する培地栽培や、栽培ベンチ上に植
物を支持して根を流動する養液に浸漬させる水耕栽培が
ある。
するものであり、植物を植え付けたロックウール等の人
口培地に養液を供給する培地栽培や、栽培ベンチ上に植
物を支持して根を流動する養液に浸漬させる水耕栽培が
ある。
【0003】培地栽培にあっては、例えば、キューブと
呼ばれるロックウール培地に植物を播種、挿し木、挿し
穂を行い、細霧を施して育苗する。定植時期になると、
スラブと呼ばれるロックウール等の人口培地上にキュー
ブごと苗を定植し、以後はスラブに養液を散水又は点滴
供給する。植物の根は定植後にスラブ内に伸長して養液
を吸収し、この養水分と日光により光合成が活性化す
る。この養液供給と光合成の活性化により成長が早く、
気候変動等の影響を受けにくく、計画的な栽培が可能で
あり、植物栽培の工業化を図ることができる。このよう
な培地栽培は栽培ベンチ上にスラブを載置して栽培して
いる。また、栽培ベンチ上に養液補集シートを介してス
ラブを載置している。スラブから流出した余剰養液は樋
等により集められ回収される。
呼ばれるロックウール培地に植物を播種、挿し木、挿し
穂を行い、細霧を施して育苗する。定植時期になると、
スラブと呼ばれるロックウール等の人口培地上にキュー
ブごと苗を定植し、以後はスラブに養液を散水又は点滴
供給する。植物の根は定植後にスラブ内に伸長して養液
を吸収し、この養水分と日光により光合成が活性化す
る。この養液供給と光合成の活性化により成長が早く、
気候変動等の影響を受けにくく、計画的な栽培が可能で
あり、植物栽培の工業化を図ることができる。このよう
な培地栽培は栽培ベンチ上にスラブを載置して栽培して
いる。また、栽培ベンチ上に養液補集シートを介してス
ラブを載置している。スラブから流出した余剰養液は樋
等により集められ回収される。
【0004】また、水耕栽培にあっては、例えば、ウレ
タン等の人口培地に播種を施し、水分に浸漬して発芽、
発根をさせ、十分に根を伸長させる。そして、基材に設
けた穴にウレタン培地を挿入して植物を支持させ、養液
が流動する栽培ベンチにこの基材を載置して定植する。
この栽培方法によると、養液に根を浸漬させて多量の養
液を常時吸収するため、成長が早く、特に果実等肥大化
させて収穫することができる。栽培ベンチを流動する養
液は一旦回収タンクに回収され、加熱殺菌を施して再び
栽培ベンチに還流している。
タン等の人口培地に播種を施し、水分に浸漬して発芽、
発根をさせ、十分に根を伸長させる。そして、基材に設
けた穴にウレタン培地を挿入して植物を支持させ、養液
が流動する栽培ベンチにこの基材を載置して定植する。
この栽培方法によると、養液に根を浸漬させて多量の養
液を常時吸収するため、成長が早く、特に果実等肥大化
させて収穫することができる。栽培ベンチを流動する養
液は一旦回収タンクに回収され、加熱殺菌を施して再び
栽培ベンチに還流している。
【0005】これら養液栽培の結果、収穫が完了すると
植物を除去して栽培ベンチ等を清掃し、新たな定植の準
備を施している。収穫直後に別途育苗した苗の定植を行
うことにより、計画的に繰り返し栽培を行い、この栽培
サイクルにおけるロスを低減させることにより収穫効率
が改善され、収穫量を増加させることができる。
植物を除去して栽培ベンチ等を清掃し、新たな定植の準
備を施している。収穫直後に別途育苗した苗の定植を行
うことにより、計画的に繰り返し栽培を行い、この栽培
サイクルにおけるロスを低減させることにより収穫効率
が改善され、収穫量を増加させることができる。
【0006】
【発明が解決するための課題】ところで、養液栽培で
は、養液の豊富な栄養素と日光により栽培ベンチ等の表
面には藻が繁殖しやすく、定植準備のための清掃は厄介
である。さらに、養液の析出物、落葉、脱根等の汚染物
も多量に発生して栽培ベンチ等の養液の流動面に蓄積
し、細菌により分解されて浸透汚染する。これらの藻や
汚染物の清掃には多大な労力を必要とし、定植作業に時
間がかかり、生産性を低下させる。また、これらの汚染
物は病菌の温床となり定植後の苗の枯死の原因となるこ
とが知られている。
は、養液の豊富な栄養素と日光により栽培ベンチ等の表
面には藻が繁殖しやすく、定植準備のための清掃は厄介
である。さらに、養液の析出物、落葉、脱根等の汚染物
も多量に発生して栽培ベンチ等の養液の流動面に蓄積
し、細菌により分解されて浸透汚染する。これらの藻や
汚染物の清掃には多大な労力を必要とし、定植作業に時
間がかかり、生産性を低下させる。また、これらの汚染
物は病菌の温床となり定植後の苗の枯死の原因となるこ
とが知られている。
【0007】従来、藻の繁殖と汚染物の発生を抑制する
対策として、遮光シートを栽培ベンチ上方の中空に張っ
て栽培ベンチ表面に照射される日光を遮り、落葉が直接
養液流動面に落下するのを防止している。遮光シートに
よる日射遮断では、藻の発生は抑制されるが、栽培ベン
チ上の養液の析出物の清掃は依然として必要である。ま
た、遮光シートの張設は容易ではなく、析出物の清掃の
ため、定植作業に多大な労力が必要であり、定植作業前
の作業が定植作業を遅延させ、生産効率を低下させる。
しかも、遮光シート等の資材コストも収益率を悪化させ
る。また、このような付随的な作業は本圃面積に比例し
て増加するため、本圃面積による生産性の拡大の障害と
なる。
対策として、遮光シートを栽培ベンチ上方の中空に張っ
て栽培ベンチ表面に照射される日光を遮り、落葉が直接
養液流動面に落下するのを防止している。遮光シートに
よる日射遮断では、藻の発生は抑制されるが、栽培ベン
チ上の養液の析出物の清掃は依然として必要である。ま
た、遮光シートの張設は容易ではなく、析出物の清掃の
ため、定植作業に多大な労力が必要であり、定植作業前
の作業が定植作業を遅延させ、生産効率を低下させる。
しかも、遮光シート等の資材コストも収益率を悪化させ
る。また、このような付随的な作業は本圃面積に比例し
て増加するため、本圃面積による生産性の拡大の障害と
なる。
【0008】そこで、本発明は、清浄化を高めることに
より清掃作業の容易化、簡略化を実現した栽培基材及び
栽培装置を提供することを目的とする。
より清掃作業の容易化、簡略化を実現した栽培基材及び
栽培装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の栽培基材は、図
1ないし図4に例示するように、養液(10)を以て植
物を栽培する養液栽培に用いる栽培基材(栽培ベンチ
2、21、定植パネル26)であって、植物に供給され
る養液が触れる面部に清浄媒体層(20)を備えてなる
ことを特徴とする。栽培基材の養液が触れる面部に発生
する汚染物は清浄媒体層の作用により水洗によって容易
に剥離される。このため、定植作業時の清掃における労
力が低減し、生産性を改善し増収を図ることができる。
1ないし図4に例示するように、養液(10)を以て植
物を栽培する養液栽培に用いる栽培基材(栽培ベンチ
2、21、定植パネル26)であって、植物に供給され
る養液が触れる面部に清浄媒体層(20)を備えてなる
ことを特徴とする。栽培基材の養液が触れる面部に発生
する汚染物は清浄媒体層の作用により水洗によって容易
に剥離される。このため、定植作業時の清掃における労
力が低減し、生産性を改善し増収を図ることができる。
【0010】本発明の栽培基材は、図1ないし図4に例
示するように、植物を植え付けた培地(28、ロックウ
ールスラブ12、ロックウールキューブ14)を支持さ
せる栽培基材(栽培ベンチ2、21、定植パネル26)
であって、前記培地に供給される養液が通過する面部に
清浄媒体層(20)を備えてなることを特徴とする。水
耕栽培の養液を流動させる栽培基材の面部に清浄媒体層
を設けることによって、蓄積する植物の脱根、養液の析
出物を定植時に水洗によって容易に剥離清掃することが
できる。
示するように、植物を植え付けた培地(28、ロックウ
ールスラブ12、ロックウールキューブ14)を支持さ
せる栽培基材(栽培ベンチ2、21、定植パネル26)
であって、前記培地に供給される養液が通過する面部に
清浄媒体層(20)を備えてなることを特徴とする。水
耕栽培の養液を流動させる栽培基材の面部に清浄媒体層
を設けることによって、蓄積する植物の脱根、養液の析
出物を定植時に水洗によって容易に剥離清掃することが
できる。
【0011】本発明の栽培装置は、図1に示すように、
植物を植え付けた培地(ロックウールスラブ12、ロッ
クウールキューブ14)を載置させる栽培基材(栽培ベ
ンチ2)と、前記培地から流出した養液を回収させる排
水部材(回収樋6)とを備えた栽培装置であって、前記
栽培基材又は前記排水部材の養液が触れる面部に清浄媒
体層(20)を備えてなることを特徴とする。清浄媒体
層によって汚染物が遊離された状態となり、藻の繁殖を
抑制し、水洗によって容易に汚染物を清掃することがで
きる。
植物を植え付けた培地(ロックウールスラブ12、ロッ
クウールキューブ14)を載置させる栽培基材(栽培ベ
ンチ2)と、前記培地から流出した養液を回収させる排
水部材(回収樋6)とを備えた栽培装置であって、前記
栽培基材又は前記排水部材の養液が触れる面部に清浄媒
体層(20)を備えてなることを特徴とする。清浄媒体
層によって汚染物が遊離された状態となり、藻の繁殖を
抑制し、水洗によって容易に汚染物を清掃することがで
きる。
【0012】本発明の栽培装置は、図3及び図4に示す
ように、植物を支持する栽培基材(栽培ベンチ21、定
植パネル26)と、養液の流動により前記植物に派生し
た根を前記養液に浸漬させる養液基材(溝部22)とを
備えた栽培装置であって、前記栽培基材又は前記養液基
材の面部に清浄媒体層(20)を備えたことを特徴とす
る。清浄媒体層によって汚染物が遊離された状態とな
り、水洗によって容易に汚染物を清掃することができ
る。
ように、植物を支持する栽培基材(栽培ベンチ21、定
植パネル26)と、養液の流動により前記植物に派生し
た根を前記養液に浸漬させる養液基材(溝部22)とを
備えた栽培装置であって、前記栽培基材又は前記養液基
材の面部に清浄媒体層(20)を備えたことを特徴とす
る。清浄媒体層によって汚染物が遊離された状態とな
り、水洗によって容易に汚染物を清掃することができ
る。
【0013】また、前記清浄媒体層は、物理吸着水を生
成する無機酸化物又はそれを含むことを特徴とする。無
機酸化物に生成された物理吸着水により酸化反応が促進
され、清浄媒体層表面に付着した汚染物を酸化分解して
剥離し、容易に汚染物を除去することができる。
成する無機酸化物又はそれを含むことを特徴とする。無
機酸化物に生成された物理吸着水により酸化反応が促進
され、清浄媒体層表面に付着した汚染物を酸化分解して
剥離し、容易に汚染物を除去することができる。
【0014】また、前記清浄媒体層は、樹脂を接着媒体
として前記樹脂に無機酸化物粉体を分散させてなること
を特徴とする。樹脂に無機酸化物を分散することによ
り、樹脂が無機酸化物と基材等の接着媒体となり、容易
に清浄媒体層を形成することができる。
として前記樹脂に無機酸化物粉体を分散させてなること
を特徴とする。樹脂に無機酸化物を分散することによ
り、樹脂が無機酸化物と基材等の接着媒体となり、容易
に清浄媒体層を形成することができる。
【0015】前記無機酸化物は、酸化チタン、アルミ
ナ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物粉体であることを
特徴とする。これらの無機酸化物は紫外線と物理吸着水
から酸化反応を促進させる光触媒反応により汚染物を酸
化分解する。この酸化分解により汚染物を遊離された状
態に保持し、藻、病菌等の細胞を酸化反応により分解す
る。
ナ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物粉体であることを
特徴とする。これらの無機酸化物は紫外線と物理吸着水
から酸化反応を促進させる光触媒反応により汚染物を酸
化分解する。この酸化分解により汚染物を遊離された状
態に保持し、藻、病菌等の細胞を酸化反応により分解す
る。
【0016】前記樹脂は、シリコーン樹脂、シリコーン
ゴム等のシロキサン化合物であることを特徴とする。シ
リコーン樹脂、シリコーンゴムは紫外線吸収力が低く化
学的安定性があるため、無機酸化物の酸化反応に侵され
ずに清浄媒体層を保持することができ、かつ弾性によっ
て栽培基材面を保護する。
ゴム等のシロキサン化合物であることを特徴とする。シ
リコーン樹脂、シリコーンゴムは紫外線吸収力が低く化
学的安定性があるため、無機酸化物の酸化反応に侵され
ずに清浄媒体層を保持することができ、かつ弾性によっ
て栽培基材面を保護する。
【0017】前記清浄媒体層は、酸化分解反応により殺
菌性を有してなることを特徴とする。酸化分解反応によ
り病菌の体内酵素を酸化して殺菌し、藻、病菌の繁殖を
抑制する。
菌性を有してなることを特徴とする。酸化分解反応によ
り病菌の体内酵素を酸化して殺菌し、藻、病菌の繁殖を
抑制する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
形態を参照して詳細に説明する。
形態を参照して詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の栽培基材及び栽培装置の
一実施形態を示している。この栽培装置は、栽培基材と
して栽培ベンチ2を備えており、この栽培ベンチ2は、
ベンチ本体4を中央に、その側部に排水部材として回収
樋6を形成したものである。ベンチ本体4の上面には、
植物8に養液10を供給するための培地としてロックウ
ールスラブ12(以下単に「スラブ12」という)が載
置される。このスラブ12の設置には、ベンチ本体4の
上面部に集液シートを介在させてもよい。このスラブ1
2の上にはロックウールキューブ14(以下単に「キュ
ーブ14」という)が設置され、キューブ14には植物
8が定植されている。スラブ12には、養液供給手段で
ある点滴器16から水等の養液10が点滴により供給さ
れ、スラブ12は養液10によって湿潤状態となる。植
物8は、キューブ14からスラブ12に根を派生させ、
スラブ12に保持されている養液10を吸収する。ま
た、スラブ12内から流出した余剰の養液10はベンチ
本体4の表面から回収樋6に流れて溜められ、この回収
樋6を介して図示しない集液タンク等に集められる。回
収樋6の上面は、遮光手段として遮光シート18によっ
て覆われている。
一実施形態を示している。この栽培装置は、栽培基材と
して栽培ベンチ2を備えており、この栽培ベンチ2は、
ベンチ本体4を中央に、その側部に排水部材として回収
樋6を形成したものである。ベンチ本体4の上面には、
植物8に養液10を供給するための培地としてロックウ
ールスラブ12(以下単に「スラブ12」という)が載
置される。このスラブ12の設置には、ベンチ本体4の
上面部に集液シートを介在させてもよい。このスラブ1
2の上にはロックウールキューブ14(以下単に「キュ
ーブ14」という)が設置され、キューブ14には植物
8が定植されている。スラブ12には、養液供給手段で
ある点滴器16から水等の養液10が点滴により供給さ
れ、スラブ12は養液10によって湿潤状態となる。植
物8は、キューブ14からスラブ12に根を派生させ、
スラブ12に保持されている養液10を吸収する。ま
た、スラブ12内から流出した余剰の養液10はベンチ
本体4の表面から回収樋6に流れて溜められ、この回収
樋6を介して図示しない集液タンク等に集められる。回
収樋6の上面は、遮光手段として遮光シート18によっ
て覆われている。
【0020】そして、養液10が触れる栽培ベンチ2の
ベンチ本体4の上面及び回収樋6の内面部には、清浄化
手段としての清浄媒体層20が形成されている。この清
浄媒体層20は、外部からの自然光や人口光による光エ
ネルギーを受け、その光エネルギによって表面部で酸化
分解をし、以て藻の繁殖や腐敗等による汚染物の付着を
阻止するとともに、付着した汚れを養液10や洗浄水に
よって清浄化するものである。
ベンチ本体4の上面及び回収樋6の内面部には、清浄化
手段としての清浄媒体層20が形成されている。この清
浄媒体層20は、外部からの自然光や人口光による光エ
ネルギーを受け、その光エネルギによって表面部で酸化
分解をし、以て藻の繁殖や腐敗等による汚染物の付着を
阻止するとともに、付着した汚れを養液10や洗浄水に
よって清浄化するものである。
【0021】この清浄媒体層20は、光エネルギーの照
射により酸化反応を発生する光触媒と呼ばれる酸化チタ
ン等の無機酸化物を含む樹脂層で構成される。酸化チタ
ンには、アナターゼ型、ブルッカイト型及びルチル型の
異なる結晶型があり、光触媒活性についてはアナターゼ
型が優れる。即ち、酸化チタンは、表面のイオン化によ
りOH基と結合し、このOH基が空気中の水分を吸着す
る媒体として作用して酸化チタン表面に物理吸着水を生
成する。紫外線等の光エネルギーを物理吸着水が生成さ
れた酸化チタンに与えると、酸化チタンから自由電子と
正孔が励起され、物理吸着水と酸素を分解する触媒とし
て機能をし、強力な酸化物を生成する。この強力な酸化
物によって樹脂表面には防護壁が生成され、清浄媒体層
20表面に付着した汚染物を酸化分解して防護壁外に汚
染物を遊離させる。この清浄媒体層20に紫外線を与え
ることによって清浄媒体層20表面に付着した汚染物を
水洗等により容易に清掃することができる。また、清浄
媒体層20表面に付着した藻、病菌等の細胞内の酵素が
酸化チタンの酸化分解反応によって酸化分解され、細胞
を窒息状態にして死滅させることができ、紫外線を清浄
媒体層20に与えることによって清浄媒体層20表面の
藻や病菌の繁殖を抑制できる。清浄媒体層20に使用す
る物質には、表面に物理吸着水を生成し、光、熱、電界
等のエネルギーによって酸化物を生成する無機酸化物を
使用すればよく、例えばアルミナ、酸化ジルコニウム、
酸化錫、酸化マグネシウム等も好適である。
射により酸化反応を発生する光触媒と呼ばれる酸化チタ
ン等の無機酸化物を含む樹脂層で構成される。酸化チタ
ンには、アナターゼ型、ブルッカイト型及びルチル型の
異なる結晶型があり、光触媒活性についてはアナターゼ
型が優れる。即ち、酸化チタンは、表面のイオン化によ
りOH基と結合し、このOH基が空気中の水分を吸着す
る媒体として作用して酸化チタン表面に物理吸着水を生
成する。紫外線等の光エネルギーを物理吸着水が生成さ
れた酸化チタンに与えると、酸化チタンから自由電子と
正孔が励起され、物理吸着水と酸素を分解する触媒とし
て機能をし、強力な酸化物を生成する。この強力な酸化
物によって樹脂表面には防護壁が生成され、清浄媒体層
20表面に付着した汚染物を酸化分解して防護壁外に汚
染物を遊離させる。この清浄媒体層20に紫外線を与え
ることによって清浄媒体層20表面に付着した汚染物を
水洗等により容易に清掃することができる。また、清浄
媒体層20表面に付着した藻、病菌等の細胞内の酵素が
酸化チタンの酸化分解反応によって酸化分解され、細胞
を窒息状態にして死滅させることができ、紫外線を清浄
媒体層20に与えることによって清浄媒体層20表面の
藻や病菌の繁殖を抑制できる。清浄媒体層20に使用す
る物質には、表面に物理吸着水を生成し、光、熱、電界
等のエネルギーによって酸化物を生成する無機酸化物を
使用すればよく、例えばアルミナ、酸化ジルコニウム、
酸化錫、酸化マグネシウム等も好適である。
【0022】次に、この清浄媒体層20の形成方法を説
明する。清浄媒体層20は、例えば、樹脂液に酸化チタ
ンの粉体を分散させ、この樹脂液を塗装して硬化させて
得られる。樹脂は栽培基材面の無機酸化物層形成のため
の形成媒体として作用する。樹脂表面から露出した酸化
チタン粉体は上述したように物理吸着水を生成して紫外
線を与えることにより酸化反応を起こし、樹脂表面を酸
化反応による防護壁で覆い、汚染物を遊離する。この酸
化反応による防護壁を強固に形成するためには、樹脂表
面に多数の酸化チタン粉体を露出させる必要がある。し
かし、樹脂液に多量の酸化チタンを分散することによ
り、樹脂液の粘度が上昇して塗装性が損なわれ、かつ樹
脂の機械的結合力が喪失されて脆弱化する。酸化チタン
粉体の分散は樹脂液の物性に応じて1〜20重量%を添
加するのが好ましい。また、樹脂層表面の酸化チタン粉
体の露出量を助長するため、酸化チタンを分散した樹脂
液を塗装した後、酸化チタン粉体をこの樹脂液表面に塗
装して樹脂を硬化させてもよい。
明する。清浄媒体層20は、例えば、樹脂液に酸化チタ
ンの粉体を分散させ、この樹脂液を塗装して硬化させて
得られる。樹脂は栽培基材面の無機酸化物層形成のため
の形成媒体として作用する。樹脂表面から露出した酸化
チタン粉体は上述したように物理吸着水を生成して紫外
線を与えることにより酸化反応を起こし、樹脂表面を酸
化反応による防護壁で覆い、汚染物を遊離する。この酸
化反応による防護壁を強固に形成するためには、樹脂表
面に多数の酸化チタン粉体を露出させる必要がある。し
かし、樹脂液に多量の酸化チタンを分散することによ
り、樹脂液の粘度が上昇して塗装性が損なわれ、かつ樹
脂の機械的結合力が喪失されて脆弱化する。酸化チタン
粉体の分散は樹脂液の物性に応じて1〜20重量%を添
加するのが好ましい。また、樹脂層表面の酸化チタン粉
体の露出量を助長するため、酸化チタンを分散した樹脂
液を塗装した後、酸化チタン粉体をこの樹脂液表面に塗
装して樹脂を硬化させてもよい。
【0023】酸化チタン粉体の代わりに、微細繊維状に
形成された酸化チタンウィスカーを使用しても良い。酸
化チタンウィスカーを分散させると、樹脂表面からの酸
化チタン露出量が増加し、かつ樹脂の結合力を補強する
効果を有し、粉体に比較して少量の分散量により強固な
酸化反応による防護壁を形成できる。
形成された酸化チタンウィスカーを使用しても良い。酸
化チタンウィスカーを分散させると、樹脂表面からの酸
化チタン露出量が増加し、かつ樹脂の結合力を補強する
効果を有し、粉体に比較して少量の分散量により強固な
酸化反応による防護壁を形成できる。
【0024】また、酸化チタン粉体又は酸化チタンウィ
スカー表面の一部に白金触媒を被覆させることにより、
白金触媒がエネルギー励起を増大させて光触媒反応をよ
り活性化させることができる。
スカー表面の一部に白金触媒を被覆させることにより、
白金触媒がエネルギー励起を増大させて光触媒反応をよ
り活性化させることができる。
【0025】酸化チタンを分散させる樹脂には、フッ素
樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン等
の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、
フッ素ゴム等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。特に、シ
リコーン樹脂、シリコーンゴム等のシロキサン化合物
は、その弾性によって表面部を外部からの衝撃等から保
護し、また、紫外線の吸収量が少ないため光触媒によっ
て酸化分解しにくく、長期に亘って塗装面を保持し、無
機酸化物の形成媒体として最も好適である。これらの樹
脂層はプライマー等の接着剤を介して養液が触れる面部
に形成される。
樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン等
の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、
フッ素ゴム等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。特に、シ
リコーン樹脂、シリコーンゴム等のシロキサン化合物
は、その弾性によって表面部を外部からの衝撃等から保
護し、また、紫外線の吸収量が少ないため光触媒によっ
て酸化分解しにくく、長期に亘って塗装面を保持し、無
機酸化物の形成媒体として最も好適である。これらの樹
脂層はプライマー等の接着剤を介して養液が触れる面部
に形成される。
【0026】次に、清浄媒体層20を酸化チタン等の無
機酸化物で形成した場合、酸化分解のプロセスによる清
浄化機能を説明する。
機酸化物で形成した場合、酸化分解のプロセスによる清
浄化機能を説明する。
【0027】金属酸化物はイオン結晶からなる物質で、
酸化チタンはTi4+ (O--)2のイオン結晶で構成され
る。このイオン結晶表面では、原子の規則的結合が切断
されているため、図2の(A)に示すように、結晶表面
のTi4+ とO--が不安定な状態となっている。このTi
4+ とO- が水(H2 O→ OH- +H+ )と化学結合
して、図2の(B)に示すように、Ti4+ とOH- (O
H基)が結合し、O--とH + が結合してOH- が生成さ
れる。これらのOH- に水分子が水素結合によって吸着
し、さらにその外側に水分子が物理吸着して図2の
(C)に示すように水分子層で幾重にも被覆された状
態、即ち、物理吸着水が生成されて水和された状態とな
る。
酸化チタンはTi4+ (O--)2のイオン結晶で構成され
る。このイオン結晶表面では、原子の規則的結合が切断
されているため、図2の(A)に示すように、結晶表面
のTi4+ とO--が不安定な状態となっている。このTi
4+ とO- が水(H2 O→ OH- +H+ )と化学結合
して、図2の(B)に示すように、Ti4+ とOH- (O
H基)が結合し、O--とH + が結合してOH- が生成さ
れる。これらのOH- に水分子が水素結合によって吸着
し、さらにその外側に水分子が物理吸着して図2の
(C)に示すように水分子層で幾重にも被覆された状
態、即ち、物理吸着水が生成されて水和された状態とな
る。
【0028】この物理吸着水が生成された酸化チタンは
紫外線等の光エネルギーを与えることにより、式(1)
のように酸化チタンの価電子帯の電子が励起されること
によって伝導帯に自由電子e- が上がり、価電子帯には
その自由電子が抜けて正孔p + を生じる。
紫外線等の光エネルギーを与えることにより、式(1)
のように酸化チタンの価電子帯の電子が励起されること
によって伝導帯に自由電子e- が上がり、価電子帯には
その自由電子が抜けて正孔p + を生じる。
【0029】 TiO2 +hr → p+ + e- ・・・(1) hr:光エネルギー
【0030】正孔p+ は酸化チタン表面に生成された物
理吸着水の式(2)に示すOH- に補足されて式(3)
に示すように
理吸着水の式(2)に示すOH- に補足されて式(3)
に示すように
【外1】 となり、強力な酸化力が生じる。
【0031】 H2 O → OH- +H+ ・・・(2)
【0032】
【化1】
【0033】一方、自由電子e- によって式(4)に示
すように、Ti4+ をTi3+ に還元する。
すように、Ti4+ をTi3+ に還元する。
【0034】 [Ti4+ ]+e- → [Ti3+ ] ・・・(4)
【0035】そして、空気中のO2 がTi3+ に吸着さ
れ、式(5)によりO2 - イオンとなる。このO2 - が
式(2)に示す物理吸着水のH+ と反応して式(6)に
示す
れ、式(5)によりO2 - イオンとなる。このO2 - が
式(2)に示す物理吸着水のH+ と反応して式(6)に
示す
【外2】 となり、先の
【外3】 と同様に強力な酸化力を生じる。
【0036】 [Ti3+ ]+O2 → [Ti4+ ]+O2 - (吸着)・・・(5)
【0037】
【化2】
【0038】この酸化力は酸化チタン表面の物理吸着水
が生成されている範囲において強力に作用する。このた
め、樹脂に分散されて表面に露出した酸化チタンによ
り、樹脂表面には酸化力による防護壁が生成され、清浄
媒体層20は汚染物を酸化分解して遊離状態とする。
が生成されている範囲において強力に作用する。このた
め、樹脂に分散されて表面に露出した酸化チタンによ
り、樹脂表面には酸化力による防護壁が生成され、清浄
媒体層20は汚染物を酸化分解して遊離状態とする。
【0039】このように、清浄媒体層20が光エネルギ
ー、即ち、紫外線エネルギーにより酸化分解をする結
果、スラブ12に保持できない余剰養液の析出物や植物
8の新陳代謝による落葉、脱根の腐敗による汚染物を酸
化分解し、養液が触れる面部から汚染物を遊離させる。
また、日光と養液によって繁殖しようとする藻や、汚染
物を温床として繁殖する病菌の細胞内の酵素を酸化して
窒息状態に至らしめる。したがって、清浄媒体層20に
より遊離状態にされた汚染物は水洗によって容易に洗い
流され、定植作業を迅速に進めることができる。
ー、即ち、紫外線エネルギーにより酸化分解をする結
果、スラブ12に保持できない余剰養液の析出物や植物
8の新陳代謝による落葉、脱根の腐敗による汚染物を酸
化分解し、養液が触れる面部から汚染物を遊離させる。
また、日光と養液によって繁殖しようとする藻や、汚染
物を温床として繁殖する病菌の細胞内の酵素を酸化して
窒息状態に至らしめる。したがって、清浄媒体層20に
より遊離状態にされた汚染物は水洗によって容易に洗い
流され、定植作業を迅速に進めることができる。
【0040】次に、図3及び図4は、本発明の栽培基材
及び栽培装置の他の実施形態を示している。水耕栽培に
おける栽培装置では、栽培ベンチ21が用いられる。こ
の栽培ベンチ21は、養液10を流動させる養液基材と
しての溝部22を備え、この溝部22の両壁部側に棚部
24を形成したものである。各棚部24間には栽培基材
としての定植パネル26が設置され、この定植パネル2
6の開孔部27にはウレタン等からなる培地28が設置
されている。この場合、培地28に植物8が植え付けら
れているが、この植物8は、培地28で播種により発芽
発根させたものである。育苗された植物8を培地28ご
と定植パネル26の開口部27に挿入される。培地28
から出た植物8の根は養液10内に伸び、養液10を吸
収して成長する。そして、養液10は栽培ベンチ21の
溝部22を流動させて回収され、加熱殺菌が施された
後、再び栽培ベンチ21に供給されるものである。そし
て、養液10が触れる栽培ベンチ21の溝部22及び棚
部24等の表面部には、清浄化手段としての清浄媒体層
20が形成されている。この清浄媒体層20は、前記の
構成であり、図1に示した実施形態と同様の清浄化作用
が得られる。
及び栽培装置の他の実施形態を示している。水耕栽培に
おける栽培装置では、栽培ベンチ21が用いられる。こ
の栽培ベンチ21は、養液10を流動させる養液基材と
しての溝部22を備え、この溝部22の両壁部側に棚部
24を形成したものである。各棚部24間には栽培基材
としての定植パネル26が設置され、この定植パネル2
6の開孔部27にはウレタン等からなる培地28が設置
されている。この場合、培地28に植物8が植え付けら
れているが、この植物8は、培地28で播種により発芽
発根させたものである。育苗された植物8を培地28ご
と定植パネル26の開口部27に挿入される。培地28
から出た植物8の根は養液10内に伸び、養液10を吸
収して成長する。そして、養液10は栽培ベンチ21の
溝部22を流動させて回収され、加熱殺菌が施された
後、再び栽培ベンチ21に供給されるものである。そし
て、養液10が触れる栽培ベンチ21の溝部22及び棚
部24等の表面部には、清浄化手段としての清浄媒体層
20が形成されている。この清浄媒体層20は、前記の
構成であり、図1に示した実施形態と同様の清浄化作用
が得られる。
【0041】栽培ベンチ21の溝部22や棚部24の表
面は、植物8の新陳代謝により脱落した根や養液10の
成分が析出し、汚染される。定植時に定植パネル26を
撤去することにより、溝部22は外部から自然光や人口
光による紫外線エネルギーを受ける。この結果、清浄媒
体層20は紫外線により酸化分解を開始し、付着した汚
染物を分解して遊離させる。遊離された汚染物は供給さ
れる養液10や洗浄水等により容易に清掃できる。この
結果、定植作業が簡便化する。
面は、植物8の新陳代謝により脱落した根や養液10の
成分が析出し、汚染される。定植時に定植パネル26を
撤去することにより、溝部22は外部から自然光や人口
光による紫外線エネルギーを受ける。この結果、清浄媒
体層20は紫外線により酸化分解を開始し、付着した汚
染物を分解して遊離させる。遊離された汚染物は供給さ
れる養液10や洗浄水等により容易に清掃できる。この
結果、定植作業が簡便化する。
【0042】また、図4に示すように、定植パネル26
の外表面に清浄媒体層20を形成してもよい。このよう
にすれば、定植パネル26の表面が植物の落葉により汚
染され、又は、裏面に養液10の成分が析出した場合、
外部からの紫外線照射により、清浄媒体層20が光エネ
ルギーを受けて酸化反応を起こし、その結果、汚染物が
遊離される。この結果、定植パネル26の清浄化を図る
ことができる。
の外表面に清浄媒体層20を形成してもよい。このよう
にすれば、定植パネル26の表面が植物の落葉により汚
染され、又は、裏面に養液10の成分が析出した場合、
外部からの紫外線照射により、清浄媒体層20が光エネ
ルギーを受けて酸化反応を起こし、その結果、汚染物が
遊離される。この結果、定植パネル26の清浄化を図る
ことができる。
【0043】そして、上記実施形態では、栽培ベンチ2
1に清浄媒体層20を形成した場合について説明した
が、清浄媒体層20は、石材、金属、樹脂等から構成さ
れる栽培基材の養液が付着する箇所に形成しても良い。
また、栽培ベンチから回収し、還元する養液流路に清浄
媒体層20を設けても良い。
1に清浄媒体層20を形成した場合について説明した
が、清浄媒体層20は、石材、金属、樹脂等から構成さ
れる栽培基材の養液が付着する箇所に形成しても良い。
また、栽培ベンチから回収し、還元する養液流路に清浄
媒体層20を設けても良い。
【0044】また、スラブ等のロックウール培地の表面
に無機酸化物を分散させた樹脂液を塗装又は含浸させて
藻、病菌の繁殖を抑制しても良い。
に無機酸化物を分散させた樹脂液を塗装又は含浸させて
藻、病菌の繁殖を抑制しても良い。
【0045】
【実施例】次に、清浄媒体層20の形成について説明す
る。栽培ベンチに接着剤であるプライマーを塗装する。
次に、白金触媒により硬化反応をするシリコーン樹脂液
を用意する。このシリコーン樹脂液に粒径0.1〜10
μmの酸化チタン粉体を1〜20重量%を分散させ、ス
プレー、ロールコーティング、刷毛塗り等の適宜の手段
で栽培基材に塗装する。基材が金属等の耐熱性を有する
ものは180゜Cまで加熱して短時間で硬化させる。ま
た、樹脂シート等の耐熱性の無いものは常温で24時間
放置して硬化させる。また紫外線により硬化させても良
い。
る。栽培ベンチに接着剤であるプライマーを塗装する。
次に、白金触媒により硬化反応をするシリコーン樹脂液
を用意する。このシリコーン樹脂液に粒径0.1〜10
μmの酸化チタン粉体を1〜20重量%を分散させ、ス
プレー、ロールコーティング、刷毛塗り等の適宜の手段
で栽培基材に塗装する。基材が金属等の耐熱性を有する
ものは180゜Cまで加熱して短時間で硬化させる。ま
た、樹脂シート等の耐熱性の無いものは常温で24時間
放置して硬化させる。また紫外線により硬化させても良
い。
【0046】酸化チタンの表面露出量を増加させるた
め、塗装した樹脂液の表面に酸化チタン粉体を静電塗装
等の手段により塗装して付着させ、樹脂液を硬化させて
も良い。また、塗装した樹脂液の表面に、溶剤に分散さ
せた酸化チタン溶液を塗装して乾燥後に硬化させること
により、清浄媒体層20が得られる。
め、塗装した樹脂液の表面に酸化チタン粉体を静電塗装
等の手段により塗装して付着させ、樹脂液を硬化させて
も良い。また、塗装した樹脂液の表面に、溶剤に分散さ
せた酸化チタン溶液を塗装して乾燥後に硬化させること
により、清浄媒体層20が得られる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果が得られる。 a.本発明の栽培基材、栽培装置によれば、その表面に
形成された清浄媒体層によって、藻、病菌の繁殖が防止
でき、病菌の伝染を防止できる。 b.藻の繁殖を防止し、かつ汚染物を遊離させるため水
洗等の簡単な作業で清掃することができる。 c.定植時の労力が低減され、養液栽培における生産効
率が改善されて収穫量が増大する。 d.藻の防止のための栽培資材の使用量を低減できるた
め、栽培コストを低減させることができ、利益効率を向
上させることができる。 e.定植作業時の労力を低減できるため、余剰労力を栽
培本舗の拡大のための労力に転用でき、生産性を飛躍的
に向上させることができる。 f.清浄媒体層はシリコーン樹脂等の樹脂で被覆して栽
培基材、栽培装置の表面を防護するため、設備の更新効
率を向上させることができ、栽培コストを低減させるこ
とができる。
下の効果が得られる。 a.本発明の栽培基材、栽培装置によれば、その表面に
形成された清浄媒体層によって、藻、病菌の繁殖が防止
でき、病菌の伝染を防止できる。 b.藻の繁殖を防止し、かつ汚染物を遊離させるため水
洗等の簡単な作業で清掃することができる。 c.定植時の労力が低減され、養液栽培における生産効
率が改善されて収穫量が増大する。 d.藻の防止のための栽培資材の使用量を低減できるた
め、栽培コストを低減させることができ、利益効率を向
上させることができる。 e.定植作業時の労力を低減できるため、余剰労力を栽
培本舗の拡大のための労力に転用でき、生産性を飛躍的
に向上させることができる。 f.清浄媒体層はシリコーン樹脂等の樹脂で被覆して栽
培基材、栽培装置の表面を防護するため、設備の更新効
率を向上させることができ、栽培コストを低減させるこ
とができる。
【図1】本発明の栽培基材及び栽培装置の一実施形態を
示す部分断面図である。
示す部分断面図である。
【図2】清浄媒体層の清浄化動作を示す図である。
【図3】本発明の栽培基材及び栽培装置の他の実施形態
を示す部分断面図である。
を示す部分断面図である。
【図4】本発明の栽培基材及び栽培装置の他の実施形態
を示す部分断面図である。
を示す部分断面図である。
2、21 栽培ベンチ(栽培基材) 6 回収樋(排水部材) 8 植物 10 養液 12 ロックウールスラブ(培地1) 14 ロックウールキューブ(培地) 20 清浄媒体層 22 溝部(養液基材) 26 定植パネル(栽培基材) 28 培地
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 光司 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木産 業株式会社内 (72)発明者 藤島 知洋 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木産 業株式会社内 (72)発明者 市川 博 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木産 業株式会社内 (72)発明者 大川 勝也 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木産 業株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 養液を以て植物を栽培する養液栽培に用
いる栽培基材であって、植物に供給される養液が触れる
面部に清浄媒体層を備えてなることを特徴とする栽培基
材。 - 【請求項2】 植物が植え付けられた培地を支持させる
栽培基材であって、前記培地に供給される養液が通過す
る面部に清浄媒体層を備えてなることを特徴とする栽培
基材。 - 【請求項3】 植物を植え付けた培地を載置させる栽培
基材と、 前記培地から流出した養液を回収させる排水部材と、 を備えた栽培装置であって、前記栽培基材又は前記排水
部材の養液が触れる面部に清浄媒体層を備えてなること
を特徴とする栽培装置。 - 【請求項4】 植物を支持する栽培基材と、養液の流動
により前記植物に派生した根を前記養液に浸漬させる養
液基材と、 を備えた栽培装置であって、前記栽培基材又は前記養液
基材の面部に清浄媒体層を備えたことを特徴とする栽培
装置。 - 【請求項5】 前記清浄媒体層は、物理吸着水を生成す
る無機酸化物又はそれを含むことを特徴とする請求項
1、2、3又は4記載の栽培基材。 - 【請求項6】 前記清浄媒体層は、樹脂を接着媒体とし
て前記樹脂に無機酸化物粉体を分散させてなることを特
徴とする請求項1、2、3又は4記載の栽培基材。 - 【請求項7】 前記無機酸化物は、酸化チタン、アルミ
ナ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物粉体であることを
特徴とする請求項5又は6記載の栽培基材。 - 【請求項8】 前記樹脂は、シリコーン樹脂、シリコー
ンゴム等のシロキサン化合物であることを特徴とする請
求項6記載の栽培基材。 - 【請求項9】 前記清浄媒体層は、酸化分解反応により
殺菌性を有してなることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5又は6記載の栽培基材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8264772A JPH10108564A (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | 栽培基材及び栽培装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8264772A JPH10108564A (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | 栽培基材及び栽培装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10108564A true JPH10108564A (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=17407980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8264772A Pending JPH10108564A (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | 栽培基材及び栽培装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10108564A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003038050A (ja) * | 2001-07-27 | 2003-02-12 | New Agri Network Co Ltd | 薄型養液栽培装置 |
JP2003525744A (ja) * | 2000-03-08 | 2003-09-02 | サン−ゴバン グラス フランス | 光触媒及び/又は親水性コーティングを有する基体 |
US8513732B2 (en) | 1999-06-03 | 2013-08-20 | General Semiconductor, Inc. | High voltage power MOSFET having low on-resistance |
WO2023032686A1 (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-09 | Dic株式会社 | 水耕栽培用培地、水耕栽培用培地の製造方法、水耕栽培用培地を用いた水耕栽培方法、及び藻の発生抑制用の分散液 |
-
1996
- 1996-10-04 JP JP8264772A patent/JPH10108564A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8513732B2 (en) | 1999-06-03 | 2013-08-20 | General Semiconductor, Inc. | High voltage power MOSFET having low on-resistance |
JP2003525744A (ja) * | 2000-03-08 | 2003-09-02 | サン−ゴバン グラス フランス | 光触媒及び/又は親水性コーティングを有する基体 |
JP2003038050A (ja) * | 2001-07-27 | 2003-02-12 | New Agri Network Co Ltd | 薄型養液栽培装置 |
WO2023032686A1 (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-09 | Dic株式会社 | 水耕栽培用培地、水耕栽培用培地の製造方法、水耕栽培用培地を用いた水耕栽培方法、及び藻の発生抑制用の分散液 |
JPWO2023032686A1 (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-09 |
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