JP2006158346A - 籾殻炭化物を利用した水稲の栽培方法及びこの方法により生産された米 - Google Patents

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Abstract

【課題】労力及び経費を余りかけず、また、単位面積当たりの収穫量を落とさずに、従来よりも農薬使用量を減らすことができる、水稲の栽培方法を提供すること。
【解決手段】籾殻炭化物10を灌水後の水田に散布し、水田表層土30の上に沈殿させる。籾殻炭化物10は、籾殻を圧縮成形した固形化物を熱分解処理し、次いでこの固形化物を粉砕又は造粒することにより得られる。籾殻炭化物10の粒径及び/又は籾殻炭化物10の水分含有率を選択することによって、籾殻炭化物10の田面水中における浮遊時間を調節する。また、籾殻炭化物の比表面積に応じて、籾殻炭化物の水田への散布量を変える。
【選択図】図1

Description

本発明は、籾殻炭化物を利用した水稲の栽培方法に関する。さらに詳しくは、農薬を吸着する資材を活用した水稲の栽培方法、及びこの方法により生産された米に関する。
栽培技術の進歩によって米の収穫量は、10アール当たり1960年当時370kg程度であったものが現在では500kg程度にまで増えている。この収穫量の増加には、機械化による作業効率の向上の他に農薬の果たした役割が大きい。また、稲作農家の減少、高齢化が進む中で、将来的な米の需給を考慮すると、現在の単位面積当たりの収穫量を維持する必要があり、その意味でも農薬の使用は避けられない。
一方で、食の安全が問われるようになり、生産される米についても減農薬又は無農薬に対する関心が高まってきたことで、一部で農薬の使用を抑えた減農薬栽培又は有機栽培が行われ、これら技術を使った米が流通し始めている。例えば、水田雑草の防除については、アイガモ又はコイを水田に放し、雑草の芽を食べさせたり、これら動物の活動で田面水を撹乱し濁らせ、遮光することで雑草の生育を抑制する方法等が行われている。
また、農薬の使用量を減らし、雑草が発生してきた場合には手作業で取り除く等の人力に頼る方法が行われることもある。また、特許文献1及び特許文献2には、粉末状活性炭を分散剤とともに田面水に添加し、懸濁させることにより、田面水透過光を減衰させて、水田表層土からの雑草発生を防止する方法が開示されている。さらに、特許文献3には、生分解性を有する水田用マルチ紙を田植えと同時に水田に敷設し、遮光することで雑草の生育を抑制する方法が開示されている。
特開平9−315914号公報 特開2000−178109号公報 特開平6−78659号公報
前述の減農薬栽培又は有機栽培において、アイガモやコイを用いる方法は、水田からこれら動物が逃亡、又はこれら動物を狙う害獣の進入を防止するために水田を囲む柵やネットが必要であり、大規模な水田では労力及び経費の面からも実施が困難である。また、農薬の使用量を減らし、人力で除草を補う方法を含め、十分な管理が行い難いために、単位面積当たりの収穫量が減少する等の問題があった。
一方、特許文献1及び特許文献2に開示された方法は、大雨が降った場合等には、粉末状活性炭が田面水とともに水田外に流れ出てしまうので、その度に何度も防止剤を添加しなければならないという問題があるだけでなく、真っ黒な田面水が系外に流出することで水田周辺の生態系への影響が懸念される。
さらに、特許文献3に開示されるような、生分解性を有する水田用マルチ紙を田植えと同時に水田に敷設する方法では、水田の全面を覆うために大量のマルチ紙が必要になるため、莫大な経費がかかるだけでなく、敷設するための専用の機械を持つ必要があり、一部の限られた水田にしか普及していないのが現状である。
さらに、減農薬米又は有機栽培米に対するニーズが高いにも拘らず、前記技術が一部地域でしか実施できないために、十分に供給ができず、また、栽培経費がかさむために高価な米になっている。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、特別な機械設備を必要とせずに既存の機械設備で行うことができ、また、大規模な水田でも労力及び経費をかけることなく実施可能であり、さらには単位面積当たりの収穫量を落とすことなく、従来よりも農薬の使用量を減らし、安全で安価な米を大量に生産することのできる水稲の栽培方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、先に特開2004−115430号公報に開示するように、籾殻炭化物の農薬の吸着作用を利用した水稲用農薬の系外流出防止システムを提案している。この背景には、近年問題となっている水田での農薬の系外流出、特に表面流出による河川水の汚染がある。すなわち、水田の田面水が排水路を介して河川水に繋がっているため、水田で使用された農薬は田面水に溶解し、不適切な水管理や大量の降雨等により、河川に流入しやすく、特に、通常、5月初旬に一斉に散布される水稲用一発処理除草剤は、散布直後から河川水中で検出され、5月中旬に濃度ピーク(数〜数10ppb)が出現し、6月下旬まで約2ヶ月間検出される等、その河川に流出していること、さらには、除草剤濃度がピークに達する5月中旬の河川において、生態系の一次生産者である緑藻の増殖が完全に阻害され、一時的な生態系の破壊が生じていることが明らかになってきている。
特開2004−115430号公報に開示するシステムは、農薬の河川への流出を抑えるだけでなく、農薬の使用量を半減できる可能性を示した点で画期的な技術である。この技術について、更に検討を重ねた結果、籾殻炭化物には農薬の吸着作用の他に、稲の生育を促進する様々な機能があることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、籾殻炭化物を潅水後の水田に散布し、水田表層土の上に沈殿させることを特徴とする籾殻炭化物を利用した水稲の栽培方法により前記の課題を解決した。
前記籾殻炭化物は、籾殻を圧縮成形した固形化物を熱分解処理し、次いで前記固形化物を粉砕又は造粒して得られたものであることが好ましい。
前記籾殻炭化物の粒径及び/又は籾殻炭化物の水分含有率を選択することによって、籾殻炭化物の田面水中における浮遊時間を変化させることができる。
また、前記籾殻炭化物の比表面積に応じて、籾殻炭化物の水田への散布量を変えることができる。
請求項1の発明によれば、籾殻炭化物を潅水後の水田に散布し、水田表層土の上に沈殿させるため、籾殻炭化物が水田から系外に流出せず、水田周辺の生態系に影響を与えることがない。また、籾殻炭化物が水田表層土の上に留まることで、田面水に溶解した有害又は有用な物質及び水田表層土から溶出する有害又は有用な物質の吸着効果が十分に発揮されるとともに、水稲の育苗初期段階において水田表層土の色を黒っぽくし、田面水温度を上昇させるため、水稲の生育を活発にする効果が期待できる。本発明を実施することで、特別な機械設備を使用することなく大規模な水田でも減農薬栽培が可能となる。更に、本発明を水源を同じくする広域な水田地帯で実施することで、河川の生態系の維持に貢献できるだけでなく、水稲の減農薬栽培を特色とした産地が形成され、農村振興を図ることができる。
請求項2の発明によれば、比重の重い籾殻炭化物が得られ、風又は波の影響を受けずに水田表層土の上に素早く沈殿するため、籾殻炭化物が無駄なく使用できる。また、熱分解処理を行う籾殻炭化物の製造場所に、広範囲から籾殻を集めて来る場合、無処理の籾殻は比重が軽いために輸送効率が悪くなるが、籾殻の発生場所で圧縮成形し固形化物とすることで輸送効率が高まる。
なお、前記籾殻炭化物の粒径及び/又は前記籾殻炭化物の水分含有率によって、籾殻炭化物の田面水上での浮遊時間を変化させることができるので、籾殻炭化物の散布時期は、特開2004−115430号のように農薬散布後に限定されず、農薬の散布前又は農薬散布と同時に籾殻炭化物を散布することが可能となる。特に、籾殻炭化物を粒剤化された農薬と混合することで、動力散布機による農薬の散布作業の中で一緒に散布出来るため、作業の労力・時間が大幅に軽減される。
また、籾殻の熱分解処理の条件によって、籾殻炭化物の性能にバラツキが出ても、比表面積に応じて籾殻炭化物の使用量を変化させことにより、必要とする有害又は有用な物質の吸着効果等が確実に得られる。
請求項3の発明によれば、周囲の自然環境に配慮し、且つ、大規模な水田で減農薬栽培が行えるため、環境保全志向及び安全志向の高い消費者の要求を満足する米を大量に供給することができ、稲作農家の農業収入の安定化を図る一助となる。
請求項4の発明によれば、炊飯前の洗米において河川の富栄養化の原因となる研ぎ汁が排水として出ないことから、米の消費段階においても、自然環境に配慮した、より付加価値の高い米が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態を示した水田中の概要図である。通常、代掻き(しろかき)、田植えが完了した水田に散布された農薬40は田面水20中で溶解・拡散されて、一部は水田表層土30に吸着され、再び田面水20内に脱着される。田面水は灌漑水を水田に流入させたり大量の降雨が発生すると表面流出が起こり河川に流出する。
均一に散布された籾殻炭化物10は、農薬40が溶解・拡散し水田表層土30に吸着された後に、水田表層土30の上に沈殿して行き表面を膜状に覆う。籾殻炭化物10は、その多孔質構造により、水田表層土30から脱着されようとする農薬40’や田面水に含有される農薬40”を効率的に吸着する。
かくして、籾殻炭化物10が水田内に散布された農薬40を吸着して保持するので、農薬40の効果を下げることなしに、その河川への流出を防止することができる。また、系外に流出する無駄な農薬を減少させることで、従来よりも使用する農薬の量を抑えることが可能となる。
一方、農薬の吸着、河川への流出防止作用の他に、水田表層土の上に沈殿した籾殻炭化物は、沈澱と同時にそれ自体に含まれる無機成分、例えば、カリウム等を放出する。更に、田面水に含まれる各種成分の吸着保持、有用な微生物の活動場所の提供、更には、長期的な栽培期間内でのケイ酸の供給源として機能し、各々の機能が相乗的に働くことで本発明の効果が得られる。
本発明で用いる籾殻炭化物は籾殻を原料とするもので、熱分解処理の温度が500℃〜800℃、好ましくは600℃〜700℃で処理したものが使用できる。なお、「熱分解処理」とは、低酸素濃度の雰囲気下で有機物を加熱、分解することで、分子中の酸素及び水素を一酸化炭素、二酸化炭素又は水素ガスとして除去し、炭素材料を得ることである。熱分解が始まる温度はおおよそ400℃以上である。上記の範囲の温度で熱分解処理した籾殻は、比表面積が大きくなるため、炭素部分の吸着作用の他、籾殻炭化物中に多量に含まれるケイ酸が非結晶質の多孔質の状態にあることから、ケイ酸部分の吸着作用、又は、ケイ酸自体が植物体に吸収されやすい等の効果が期待できる。特に、本発明では、農薬の他、アンモニア態窒素及びエチレンの吸着能を有する籾殻炭化物が好適に使用される。
そもそも水稲は、硝酸態窒素よりもアンモニア態窒素を好んで吸収する好アンモニア性植物であるが、水田土壌は表層の数センチは酸化層、その下の大部分は還元層となっているため、通常、表層付近のアンモニア態窒素は、酸化され硝酸に変化し、水の浸透とともに還元層に運ばれ微生物の作用で窒素ガスとして空気中に逃げて行きやすく、従って水稲が利用できずに無駄になることが多い。一方、本発明で用いる籾殻炭化物は水田表層土の上でアンモニア態窒素を吸着保持し、そして長期間の栽培過程でアンモニア態窒素を保持したまま埋没して行き還元層にアンモニア態窒素を運ぶ働きを持つ。結果として、表層付近のアンモニア態窒素が無駄に消失して行くのを抑制し、水稲の成育を促す。
さらに、本発明に係る籾殻炭化物は、エチレンを吸着保持する。エチレンは成長に係わる植物ホルモンで、極微量な濃度で鞘葉の伸長を促進し、苗立ちを安定化する働きを持ち、また、登熟期においては不稔を防止する作用を持つが、籾殻炭化物は水稲の根圏付近から発生するエチレンを吸着し、水稲の根圏付近にエチレンを留める働きを持つ。
本発明で用いる籾殻炭化物は、熱分解処理によって籾殻中の有機物が分解し、ケイ酸の割合が相対的に増加しているため、木炭等と比べ比重が重くなっているが、沈殿速度の速さ及び水田表層土上での定着性から、密度が1g/ml以上になるように圧縮成形した籾殻の固形化物を熱分解処理して得られるものが適している。また、比重の重い無機物、例えば、粘土、金属又は金属塩の粉末を原料の籾殻に混合し、これを圧縮成形して得られる固形化物を熱分解処理して、更に比重の重い籾殻炭化物を製造することも可能である。このようにして得られた籾殻炭化物は比重が極めて重いため、水田の水が外に流れ出ても、一緒に流出することがないので、何度も散布する必要が無くなり、農作業の労力・時間を節約することが可能となる。
籾殻を圧縮成形し固形物を得る手段としては、例えば、特許第2567324号公報に開示される装置によって、籾殻を擂り潰しながら、微粉砕と同時に、連続的に圧縮成形する方法が挙げられる。圧縮成形して得られた固形物を前述の温度範囲で熱分解処理することで籾殻炭化物が製造できる。
本発明で用いる籾殻炭化物は、粉砕又は造粒等の手段によって一定の粒径に粒度調整される。粒径については、概ね0.25mm〜5mmが好ましく、水田表層土上にムラなく分散させる点で、0.25mm〜0.5mmの粒径が最適である。0.25mm〜5mmに粒度調整された籾殻炭化物は、紛粒体の農薬散布に利用されている既存の動力散布機で散布することが可能である。
本発明では、水田に散布された籾殻炭化物は、水田表層土に吸着された農薬を覆うように沈殿させることが好ましい。通常、農薬は無機系の増量材で粒剤化されており、これを散布した場合、田面水に着水すると直ちに沈降し、水田表層土の上に達する。この直後から粒剤の崩壊が始まり、概ね30分程度で崩壊し終わる。有効成分である農薬は粒剤の崩壊とともに拡散し、一部が水田表層土に吸着されるものであるが、本発明に係る籾殻炭化物は、前記農薬の拡散、吸着直後から水田表層土の上に沈殿させる。
水田表層土に吸着された農薬を覆うように籾殻炭化物を沈殿させるために、本発明では、以下に示す条件を適宜選択することにより、散布された籾殻炭化物が田面水の上に着水してから沈殿するまでの時間を変化させることができる。これにより、農薬散布の時期に影響されず籾殻炭化物の散布が行なえるようになる。なお、本発明では、散布量の60%が沈殿するまでの時間を「浮遊時間」と呼ぶ。
例えば、籾殻炭化物の浮遊時間が長くなるように調整した場合、籾殻炭化物の散布時期は農薬の散布前又は農薬の散布と同時でも、籾殻炭化物が水田表層土に吸着された農薬を覆うように沈殿させることができる。また、農薬散布後の突発的な降雨で農薬の流出が懸念される場合、籾殻炭化物の浮遊時間が短くなるように調整することで、素早く籾殻炭化物を沈殿させ、農薬が流出する前に吸着させることが可能となる。
籾殻炭化物の浮遊時間を変化させるための条件は、籾殻炭化物を製造する際に施した熱分解処理の温度及び処理時間、処理する際の炉内の雰囲気(水蒸気の有無、酸素の残存濃度)、籾殻炭化物の粒形又は粒径、籾殻炭化物の水分率を挙げることができる。また、籾殻炭化物に親水性、撥水性又は界面活性作用を持つ物質を含浸させたり、コーティングすることでも浮遊時間を変化させることが可能である。また、バーミキュライト等の発泡体を付着させても良い。さらに、デンプンやタンパク質等の有機物で籾殻炭化物をコーティングしたり、粘土や炭酸カルシウム等の無機物で籾殻炭化物をコーティングすることで比重を重くした場合は、浮遊時間は短くなるが、前者は、コーティングした有機物が田面水中の微生物の働きによって分解、後者は無機物が田面水の揺らぎによって崩壊するまで、本発明で用いる籾殻炭化物の効果を抑制できるため、これらでコーティングされた籾殻炭化物は、農薬の散布前又は同時に散布した際に素早く沈殿するにも拘らず、コーティングがなくなるまでに時間が掛かるために、結果的に水田表層土に吸着した農薬を覆うように定着させることが可能となる。
表1は、籾殻を圧縮成形した固形化物を原料とした籾殻炭化物について、粒径(粉砕後に2.5〜5mm、1.2〜2.5mm、0.6〜1.2mm、0.3〜0.6mm、0.15〜0.3mm、0.15mm以下の粒子に分級)、水分率(粒径毎に分級した籾殻炭化物の水分率が15%になるように加水)、コーティング(2%ポリビニルアルコール水溶液に浸漬後に乾燥処理)の有無、製造する際に施した熱分解処理の条件(熱分解処理A:温度500℃で6時間熱分解処理し、籾殻炭化物中の揮発成分残存量が20%以上、熱分解処理B:温度700℃で4時間熱分解処理し、籾殻炭化物中の揮発成分残存量が10%以下)等の違いによる水深10cmの水中での浮遊時間の差を示した例である。表1に示されるように、籾殻炭化物は粒径によって浮遊時間に差があり、また、水分率を15%にすると浮遊時間が短くなることが分かる。さらに、籾殻炭化物は熱分解処理の程度が高いと浮遊時間が極めて長いが、親水性のポリビニルアルコールをコーティングすることで浮遊時間を短く出来ることが分かる。従って、これら手段・条件を適宜組み合わせることで籾殻炭化物の浮遊時間の調整が可能となる。
Figure 2006158346
次に、表2に試験によって求めた各種農薬(酸アミド系除草剤、トリアジン系除草剤、及びスルホニルウレア系除草剤)の水田土壌に対する土壌吸着係数、及びBET比表面積(以下、比表面積)の異なる籾殻炭化物(粒径0.25〜0.5mm)に対する吸着係数を示す。これによると、比表面積が145m/gの時の吸着能K/Kdは、比表面積が45m/gの時の吸着能K/Kdに比べて4〜10倍高いことが分かる。また、農薬の系外流出を50%削減するためには、籾殻炭化物の散布によって水田土壌の吸着係数を1.5〜2倍程度に高めれば良いことを試験によって見出し、それに必要な籾殻炭化物の使用量は、比表面積145m/gの時、概ね50g/mとなった。以上のことから、本発明における籾殻炭化物の使用量は、その比表面積に応じて変化させればよく、前記籾殻炭化物の比表面積が100〜150m/g程度の場合、水田10アール当たり約50kgを散布し、比表面積が30〜50m/g程度の場合、水田10アール当たり約200kgを散布する。特に、10アールの水田から発生する籾殻が約130kgであり、これを熱分解処理して得られる籾殻炭化物が約50kgであることから、一定地域内での籾殻資源の循環を考慮する場合、籾殻炭化物の比表面積は100m/g以上が好ましい。
Figure 2006158346
また、5種類の雑草種子を播種した枠水田(0.2×0.2m)を用いて籾殻炭化物散布(50g/m2)による各種除草剤(PTC,メフェナセット(MF),ザ-クD(MF: 10%,ベンスルフロンメチル(BSM):0.51%,ダイムロン:4.5%含有))の 殺草効果の影響を調査し、籾殻炭化物を散布しても各種除草剤の殺草効果は殆ど低下しないことが確認されている(特開2004−115430号公報を参照)。 さらに、3剤混合の除草剤(プレチラクロール、イマゾスルフロン、ジメタメトリン)を慣行量散布したライシメータ2面を用い、粒径0.25〜0.5mmの籾殻炭化物を散布(50g/m2)した籾殻炭化物処理区と籾殻炭化物無処理区 を設け、それぞれの試験区について水田表層土(0〜1cm)の除草剤濃度を経時的に測定した結果を図2に示す。図2(a)は、土壌表層中の3剤の除草剤のうちプレチラクロール濃度のみを経時的に測定した結果を示したものである。これによると、土壌表層中のプレチラクロール濃度は、成形炭処理区が無処理区より高く維持されており、散布6週間後でのプレチラクロール濃度は処理区が無処理区の2倍以上高いことが分かる。また、図2(b)は、土壌表層中のプレチラクロール、イマゾスルフロン、ジメタメトリンの3剤の合計濃度を経時的に測定した結果を示したものである。これによると、3剤の混合除草剤についても同様の傾向が示されることが分かる。以上のことから、籾殻炭化物を水田に散布すれば、土壌表層(処理層)中の除草剤濃度(殺草効果に深く関与)は無処理(慣行栽培)と比べ2倍以上高く維持されるため、除草剤の残効期間が大幅に延び、除草剤散布量を半減しても慣行量と同等の残効期間(6週間)を維持できることが分かる。
本発明によって生産された米は、無洗米とすることができる。無洗米とは、精米機又は研磨機で仕上げた精白米を、消費者が米の水研ぎ作業をせずに炊飯しても糠臭くない程度まで、精白米に残留している糠を除いた米のことである。無洗米の製造方法としては、水による洗浄作用によって米粒の表面に残っている糠を除去した後、乾燥させる方法、ブラシ等による機械的除去力を作用させて糠を除去する方法等を用いることができる。本発明の籾殻炭化物を利用した水稲の栽培方法で生産された米を無洗米とすることで、米の消費段階においても河川の汚染に繋がる排水が出ず、自然環境に配慮した、より付加価値が高い米が提供される。
本発明を実施することで、特別な機械設備を使用することなく、また、大規模な水田でも労力及び経費をかけることなく稲の減農薬栽培が可能となり、さらには、安全で安価な減農薬米を大量に生産することができる。このような籾殻炭化物を用いて、農薬流出による河川の生態系への影響に配慮しながら稲の減農薬栽培を行い、更に、単位面積あたりの収穫量を落とさずに減農薬米を生産する技術については他に例がない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(籾殻炭化物の製造例)
籾殻200kgを特許第2567324号公報に開示される装置によって圧縮成形し籾殻の固形物を得た。この固形物を炭化炉に入れ、温度約700℃で4時間、熱分解処理してBET比表面積92m/gの籾殻炭化物約70kgを得た。この籾殻炭化物を破砕し、粒径0.25〜3mmに粒度調整したものについて、無機成分の分析を行った。分析結果を表3に示す。
Figure 2006158346
表3に示されるように籾殻炭化物は重量の半分近くをケイ酸が占めているため、炭素を主体とする一般的な炭又は活性炭と異なり比重が重い炭化物であることが分かる。比重が重いことで水田表層土の上に速やかに沈澱し、系外に流れ出ることがない。また、ケイ酸の他、K2O、CaO、P25、MgO等は肥料として重要な無機成分であり、本発明の効果発現に深く関わっているものと推察される。
実施例1として表3に示す籾殻炭化物を用い、比較例1として市販活性炭(武田薬品工業(株)製;商品名「白鷺」粒状活性炭)を用いて、アンモニア態窒素及びエチレンの吸着性能を比較した。
実施例1、比較例1ともに、以下の条件で試験を行った。
アンモニア態窒素濃度として4ppmに調整した硫酸アンモニウム水溶液200mlに対して、実施例1の籾殻炭化物又は比較例1の市販活性炭を各々2g添加し、一定期間後の水溶液中に残存するアンモニア態窒素の量をニトロプルシッド・次亜塩素酸法によって測定した。この測定結果を図3に示す。
また、容器容量156mlの気密ビンに籾殻炭化物又は市販活性炭を各々4.68g入れた後に、エチレンガスを50ppmの濃度になるように封入し、一定期間後の容器内のエチレン濃度をガスクロマトグラフィーで測定した。この測定結果を図4に示す。
図3に示すように、実施例1の籾殻炭化物は、比表面積の大きい比較例1の市販活性炭に比べてアンモニア態窒素の吸着性に優れていることが分かる。窒素は稲の生育にとって重要な肥料成分の一つであり、籾殻炭化物がアンモニア態窒素を吸着することで、アンモニア態窒素が水田から流出することを防止するとともに、肥料として稲に供給される。
また、図4に示すように、エチレンの吸着についても、籾殻炭化物は市販活性炭に近い性能を有している。籾殻炭化物が稲の根圏付近から発生するエチレンを吸着し、稲の根圏付近にエチレンを留めることで稲の成育を促す。
アンモニア態窒素及びエチレンの吸着性能試験結果において、籾殻炭化物が賦活化処理で比表面積を高めた活性炭と比べても遜色ないかそれ以上の性能を保持している点については、炭素のポーラスな構造に由来する吸着以外に、籾殻炭化物重量のほぼ半分を占めるケイ酸が物質の吸着に重要な役割を果たしており、他の機能と相乗的に働き本発明の効果発現に深く関わっているものと推察される。
(圃場試験例1)
水田2アールを使用し、本発明を実施する圃場試験を行った。試験は、2アールの水田を2つに分け処理区(実施例2)と対照区(比較例2)の2面を用意した。
処理区(実施例2)及び対照区(比較例2)を潅水した後、其々の区に1坪当たり33株のコシヒカリの苗を移植し、移植後5〜7日目に除草剤シェリフ1kg粒剤(プレチラクロール4.5%、イマゾスルフロン0.9%、ジメタメトリン0.6%)を慣行量の半量(500g/10アール=50g/アール)を散布した。
除草剤散布1日後に、上記の製造例に示す粒度調整した籾殻炭化物を処理区(実施例2)に5kg/アール散布した。対照区(比較例2)には籾殻炭化物を散布せずに栽培を行った。30日間は水管理を止水管理(最大水深:約10cm)し、除草剤散布から6週間後に処理区(実施例2)及び対照区(比較例2)の雑草の発生状況を調査した。さらに、収穫時に作柄を調査した結果を表4に示す。なお、実施例2及び比較例2の田面水を除草剤散布1日後(籾殻炭化物散布前)、2日後、5日後、7日後、14日後、21日後、28日後に採取し、各田面水中に含まれる各除草剤濃度を測定したところ、実施例2の各除草剤濃度は常に比較例2の半分程度の値を示し、籾殻炭化物の吸着が認められた。
Figure 2006158346
表4に示されるように、比較例2では、6週間後に雑草の生育が確認され、除草剤の量を慣行の半分にした影響が見られたが、籾殻炭化物を散布した実施例2では、雑草の発生が殆どなく、半量の農薬使用量でも十分に雑草の発生を抑えていた。また、実施例2は、比較例2に比べ1株当たりの穂数が多く、登熟歩合が高い傾向にあり、本発明を実施することで、単位面積当たりの収穫量を落とすことなく減農薬栽培が実施できることが分かる。
(圃場試験例2)
処理区(実施例3)と対照区(比較例3)の水田面積を、各20アールにした他は、圃場試験例1と同様な条件で水稲を栽培し、米を収穫した。収穫した米について、米の粘り、デンプン含量、アミロース含量、タンパク含量及び水分率等から食味を点数(食味値)表示する近赤外線食味分析装置((株)ニレコ製、NIRECO、NIRS6500HON)を用い、粒及び粉の状態の食味分析を行った結果を表5に示す 。表5に示されるように、比較例3に比べ実施例3は粒及び粉の何れの場合も点数が高く、食味的に優れていた。本発明を実施することで食味が良くなる機構については解明できていないが、籾殻炭化物の持つ農薬吸着効果の他、田面水に含まれる各種有用成分あるいは各種有害成分を吸着保持する機能、有用な微生物の活動場所を提供する機能、更には、ケイ酸、カリウム、カルシウム、リン酸、マグネシウム等の無機成分を供給する機能が相乗的に働いた結果と推定している。
Figure 2006158346
以上説明したように、本発明によれば、農薬による河川水の汚染を防止すると同時に、従来よりも農薬使用量を減らした水稲の栽培を達成することができる。また、周囲の自然環境に配慮し、なおかつ、大規模な水田で栽培が行えるため、環境保全志向及び安全志向の高い消費者の要求を満足する米を大量に生産することができる。
本発明の実施形態の概要説明図。 図2(a)は水田表層土(0〜1cm)中のプレチラクロール濃度を経時的に測定した結果を示す図、図2(b)は水田表層土(0〜1cm)中のプレチラクロール、イマゾスルフロン、ジメタメトリンの3剤の合計濃度を経時的に測定した結果を示す図。 実施例1及び比較例1のアンモニア態窒素の吸着性能を示す図。 実施例1及び比較例1のエチレンの吸着性能を示す図。
符号の説明
10:籾殻炭化物
20:田面水
30:水田表層土
40:農薬

Claims (4)

  1. 籾殻炭化物を潅水後の水田に散布し、
    水田表層土の上に沈殿させることを特徴とする、
    籾殻炭化物を利用した水稲の栽培方法。
  2. 前記籾殻炭化物が、籾殻を圧縮成形した固形化物を熱分解処理し、次いで前記固形化物を粉砕又は造粒することにより得られたものである、請求項1の籾殻炭化物を利用した水稲の栽培方法。
  3. 請求項1又は2の水稲の栽培方法により生産された、米。
  4. 請求項3の米から製造された無洗米。
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