JP7476606B2 - 樹脂材料の合成方法 - Google Patents

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本発明は、樹脂材料の合成方法に関する。
近年、モノマーが重合することで得られる樹脂材料(高分子)を、複数の流路を有し、これらの流路が合流するマイクロリアクターシステムを用いて合成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このマイクロリアクターシステムでは、例えば、複数の流路が合流するマイクロリアクターにおいて、複数の液体が混合して混合液とされ、このマイクロリアクターの下流側に連結された流路内を流れる混合液中において反応が進行することで、樹脂材料が合成される。
しかしながら、このようなマイクロリアクターシステムでは合成される樹脂材料の高分子化に伴って、流路内を流れる混合液の粘度が高くなることに起因して、流路内の圧力が上昇するとともに、流路内の流速が遅くなり過ぎると言う問題があった。
特開2015-127425号公報
本発明の目的は、マイクロリアクターシステムを用いた流路内における樹脂材料の合成の際に、流路内での流速の低下を招くことなく樹脂材料を合成することができる樹脂材料の合成方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 樹脂材料を合成するための原材料であるフェノール類化合物およびアルデヒド類化合物を含む原料液が流れる第1流路と、前記原料液を保護する保護液が流れる第2流路と、前記原料液と前記保護液とが合流するマイクロリアクターと、合流した前記原料液と前記保護液とからスラグ流が生成し、該スラグ流が流れる第3流路とを有するマイクロリアクターシステムを用いて、前記樹脂材料が前記スラグ流における前記原料液中で合成され、
前記第3流路の内壁に対する前記保護液の接触角は、40°以下、前記第3流路の内壁に対する前記原料液の接触角は、40°超100°以下に設定され、かつ、
前記スラグ流における前記原料液の流量をA[mL/min]とし、前記保護液の流量をB[mL/min]としたとき、流量の比B/Aは、1以上7以下に設定され
前記樹脂材料は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする樹脂材料の合成方法。
(2) 樹脂材料を合成するための原材料であるフェノール類化合物およびアルデヒド類化合物を含む原料液が流れる第1流路と、前記原料液を保護する保護液が流れる第2流路と、前記原料液と前記保護液とが合流するマイクロリアクターと、合流した前記原料液と前記保護液とからスラグ流が生成し、該スラグ流が流れる第3流路とを有するマイクロリアクターシステムを用いて、前記樹脂材料が前記スラグ流における前記原料液中で合成され、
前記第3流路の内壁に対する前記保護液の接触角は、40°以下、前記第3流路の内壁に対する前記原料液の接触角は、40°超100°以下に設定され、かつ、
前記スラグ流における前記原料液の流量をA[mL/min]とし、前記保護液の流量をB[mL/min]としたとき、流量の比B/Aは、1以上7以下に設定され、
前記保護液は、非極性溶媒であることを特徴とする樹脂材料の合成方法。
(3) 樹脂材料を合成するための原材料であるフェノール類化合物およびアルデヒド類化合物を含む原料液が流れる第1流路と、前記原料液を保護する保護液が流れる第2流路と、前記原料液と前記保護液とが合流するマイクロリアクターと、合流した前記原料液と前記保護液とからスラグ流が生成し、該スラグ流が流れる第3流路とを有するマイクロリアクターシステムを用いて、前記樹脂材料が前記スラグ流における前記原料液中で合成され、
前記第3流路の内壁に対する前記保護液の接触角は、40°以下、前記第3流路の内壁に対する前記原料液の接触角は、40°超100°以下に設定され、かつ、
前記スラグ流における前記原料液の流量をA[mL/min]とし、前記保護液の流量をB[mL/min]としたとき、流量の比B/Aは、1以上7以下に設定され、
前記第3流路には、その途中に加熱部が設けられ、該加熱部による前記スラグ流の加熱により、前記原材料からの前記樹脂材料の合成が促進されることを特徴とする樹脂材料の合成方法。
(4) 前記加熱部による前記スラグ流の加熱温度は、50℃以上200℃以下である上記(3)に記載の樹脂材料の合成方法。
(5) 前記第3流路には、前記加熱部の下流側に冷却部が設けられ、該加熱部により加熱された前記スラグ流が冷却される上記(3)または(4)に記載の樹脂材料の合成方法。
(6) 前記第3流路の最下流側に、背圧弁が設けられ、該背圧弁により前記スラグ流は加圧下で前記第3流路内を流れる上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の樹脂材料の合成方法。
(7) 前記保護液の流量Bは、0.5mL/min以上10.0mL/min以下である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹脂材料の合成方法。
(8) 前記第3流路は、その内径が0.5mm以上10.0mm以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の樹脂材料の合成方法。
(9) 前記樹脂材料は、前記原料液中に対する溶解性を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の樹脂材料の合成方法。
(10) 前記原料液は、溶媒として、水を含む上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の樹脂材料の合成方法。
本発明によれば、マイクロリアクターシステムを用いた流路内における樹脂材料の合成の際に、流路内において流速が低下するのを的確に抑制または防止することができる。そのため、マイクロリアクターシステムを用いた樹脂材料の合成を、長期に亘って安定的に実施することができる。
本発明の樹脂材料の合成方法が適用されたマイクロリアクターシステム(製造装置)を示す模式図である。 図1中の一点鎖線で囲まれた領域[A]に位置する、マイクロリアクターシステムが備える第3流路の一部を拡大した拡大断面図である。 図1中の一点鎖線で囲まれた領域[B]に位置する、マイクロリアクターシステムが備える第3流路が有する貯留部を拡大した拡大断面図である。
以下、本発明の樹脂材料の合成方法について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の樹脂材料の合成方法を説明するのに先立って、本発明の樹脂材料の合成方法が適用されたマイクロリアクターシステムについて説明する。
<マイクロリアクターシステム>
図1は、本発明の樹脂材料の合成方法が適用されたマイクロリアクターシステム(製造装置)を示す模式図、図2は、図1中の一点鎖線で囲まれた領域[A]に位置する、マイクロリアクターシステムが備える第3流路の一部を拡大した拡大断面図、図3は、図1中の一点鎖線で囲まれた領域[B]に位置する、マイクロリアクターシステムが備える第3流路が有する貯留部を拡大した拡大断面図である。
マイクロリアクターシステム100は、図1に示すように、第1供給部5と、第2供給部6と、第1流路1と、第2流路2と、第3流路3と、マイクロリアクター4と、貯留部9と、加熱部7と、冷却部8とを有している。
第1供給部5は、樹脂材料を合成するための原材料を含む原料液RAを貯留し、第1流路1の基端に連結されることで、この原料液RAを第1流路1に供給するためのものである。
この第1供給部5は、本実施形態では、シリンジ51と、ポンプ52とを有するシリンジポンプで構成され、原料液RAがシリンジ51内に貯留されており、ポンプ52の作動により、所望の流量(流速)で、原料液RAをシリンジ51から第1流路1に供給し得るように構成されている。
また、第2供給部6は、第3流路3において、スラグ流を形成して原料液RAを保護するための保護液RBを貯留し、第2流路2の基端に連結されることで、この保護液RBを第2流路2に供給するためのものである。
この第2供給部6は、本実施形態では、シリンジ61と、ポンプ62とを有するシリンジポンプで構成され、保護液RBがシリンジ61内に貯留されており、ポンプ62の作動により、所望の流量(流速)で、保護液RBをシリンジ61から第2流路2に供給し得るように構成されている。
第1流路1は、第1供給部5から供給された原料液RAが流れる流路であり、この第1流路1を原材料が流れることで、その先端に連結されたマイクロリアクター4に原料液RAを供給する。
また、第2流路2は、第2供給部6から供給された保護液RBが流れる流路であり、この第2流路2を原材料が流れることで、その先端に連結されたマイクロリアクター4に保護液RBを供給する。
マイクロリアクター4は、第1流路1を流れて供給された原料液RAと、第2流路2を流れて供給された保護液RBとを混合することで混合液が調製され、このマイクロリアクター4の下流側で、基端が連結された第3流路3に対して、前記混合液を供給する。
このマイクロリアクター4による、原料液RAと保護液RBとの混合液の供給により、第3流路3には、この混合液が流れることとなるが、本発明では、第3流路3の内壁に対する保護液RBの接触角が40°以下、第3流路3の内壁に対する原料液RAの接触角が40°超100°以下に設定され、かつ、混合液における原料液RAの流量A[mL/min]と、保護液RBの流量B[mL/min]との関係式である、流量の比B/Aが1以上7以下に設定されている。そのため、混合液は、原料液RAと保護液RBとが交互に流れるスラグ流として、第3流路3中を流れることとなるが、その詳細については後に説明する。
また、第3流路3は、マイクロリアクター4から供給された、原料液RAと保護液RBとの混合液が、原料液RAと保護液RBとが交互に流れるスラグ流として流れる流路であり、この第3流路3を流れるスラグ流の原料液RA中において、原材料による反応が進行することで樹脂材料が合成される。
貯留部9は、第3流路3の先端側に形成されており、第3流路3を流れた原料液RAが貯留されることにより、この原料液RA中で合成された樹脂材料が貯留部9で回収されることとなる。この貯留部9は、図3に示すように、その全体形状が上底および下底を有する筒状(カラム状)をなし、第3流路3に対して、閉空間(密閉空間)が形成されるように、鉛直方向に沿って配置されており、基端側(上流側)に位置する第3流路3と、先端側(下流側)に位置する第3流路3との双方が、貯留部9の鉛直方向において、上部側の異なる位置に連結されている。ここで、本発明では、第3流路3の内壁に対する保護液RBの接触角が40°以下、第3流路3の内壁に対する原料液RAの接触角が40°超100°以下に設定され、原料液RAと保護液RBとの比重は、原料液RAの方が大きくなっている。そのため、貯留部9を上記のような構成とすることで、貯留部9の下部側(底部側)において、原料液RAを貯留(回収)し、第3流路3内を、貯留部9を介して保護液RBを通過させることができる。
また、加熱部7は、第3流路3の基端側すなわちマイクロリアクター4側に形成されており、第3流路3の途中(一部)を加熱し得るよう構成されている。これにより、この加熱部7により第3流路3を流れるスラグ流とされた混合液の原料液RAを加熱することができる。そのため、原料液RA中における、原材料による反応を促進させることができることから、樹脂材料の生成率の向上を図ることができる。なお、第3流路3は、本実施形態では、図1に示すように、加熱部7に対応する位置において、渦巻き状(とぐろ状)に巻かれた形状をなしており、これにより、加熱部7による混合液の加熱効率の向上が図られる。
さらに、冷却部8は、第3流路3の加熱部7よりも先端側(下流側)すなわち加熱部7と貯留部9との間に形成されており、第3流路3の途中(一部)を冷却し得るよう構成されている。したがって、この冷却部8により、加熱部7で加熱された、第3流路3を流れるスラグ流とされた混合液の原料液RAを冷却することができる。そのため、原料液RA中における、原材料による反応を的確に抑制または停止させることができる。なお、第3流路3は、本実施形態では、図1に示すように、冷却部8に対応する位置において、半円状(U字状)に湾曲をなす形状とされており、これにより、冷却部8による混合液の冷却効率の向上が図られる。
また、本実施形態では、マイクロリアクターシステム100は、図1に示すように、第3流路3の貯留部9よりも先端側(最下流側)に設けられた背圧弁31を有している。これにより、背圧弁31とシリンジ51、61とで、第1流路1、第2流路2および第3流路3内に閉空間を形成することができる。そのため、第1流路1を流れる原料液RAと、第2流路2を流れる保護液RBと、第3流路3を流れる混合液とを、所望の大きさの圧力が印加された、加圧雰囲気下に配置させることができる。そのため、特に、混合液が第3流路3の加熱部7に対応する位置を流れる際に、この加熱部7による混合液の加熱を、より高効率に実施することが可能となる。
<樹脂材料>
かかる構成をなすマイクロリアクターシステム100を用いて、合成される樹脂材料としては、本発明では、原料液RA中に含まれる原材料の反応が進行することで生成されるものが挙げられる。
ここで、本発明では、後に詳述する通り、第3流路3の内壁に対する保護液RBの接触角が40°以下、第3流路3の内壁に対する原料液RAの接触角が40°超100°以下であること満足している。また、かかる関係を満足し得るように、第3流路3の内壁は、極性が低い材料を主材料として構成されることが好ましい。
したがって、原料液RAと保護液RBとを比較すると、原料液RAの方が極性が高く、保護液RBの方が極性が低くなるように、原料液RAが含む溶媒と保護液RBとが好ましくは選択される。
具体的には、原料液RAの溶媒としては、例えば、水を含むものが好ましく選択され、保護液RBとしては、例えば、非極性溶媒を含むものが好ましく選択される。これにより、原料液RAの方が極性が高く、保護液RBの方が極性が低くなる、原料液RAと保護液RBとの組み合わせにすることができる。
なお、この場合、非極性溶媒としては、例えば、直鎖飽和炭化水素、分岐鎖飽和炭化水素、環状飽和炭化水素およびシリコーンオイル等が挙げられ、これらの中でも、炭素数が4以上13以下のものであることが好ましい。
以上のように、原料液RAに含まれる溶媒としては、水を含むものが好ましく用いられる。そのため、原料液RAにおいて合成される樹脂材料としては、原料液RAに対する溶解性を有し、これにより、原料液RA中において樹脂材料が合成され得るものが選択されるが、好ましくは水に対する溶解性を有し、水中において樹脂材料が合成されるものが選択される。
このような樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられるが、具体的には、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびアクリル系樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂およびポリウレタン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水に対する、樹脂材料およびその原材料の溶解性を考慮すると、樹脂材料として、好ましくは熱硬化性樹脂、より好ましくはフェノール系樹脂が選択される。
このフェノール系樹脂は、例えば、モノマー成分としてのフェノール類化合物と、アルデヒド類化合物とを含む原材料の反応を進行させることで合成することができ、これらを含む原材料と、この原材料から合成される樹脂材料としてのフェノール系樹脂との双方を、原材料中において溶媒として含まれる水に対して溶解させることができる。そのため、原料液RA中に合成される樹脂材料として、より好ましく選択される。
なお、フェノール類化合物としては、特に限定されないが、例えば、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾールのようなクレゾール類、2,3-キシレノール、2,4-キシレノールのようなキシレノール類、o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチルフェノールのようなエチルフェノール類、o-フェニルフェノール、m-フェニルフェノール、p-フェニルフェノールのようなフェニルフェノール類、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレンのようなナフタレンジオール類、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノンのような多価フェノール類、アルキルレゾルシンのようなアルキル多価フェノール類が挙げられる。
また、アルデヒド類化合物は、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラールおよびヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
以上のように、マイクロリアクターシステム100を用いて、合成される樹脂材料として、フェノール系樹脂がより好ましく選択される。そこで、マイクロリアクターシステム100を用いた樹脂材料の合成方法について、樹脂材料としてフェノール系樹脂を合成する場合を一例に説明する。
<樹脂材料の合成方法>
以下、マイクロリアクターシステム100を用いた、樹脂材料としてのフェノール系樹脂を合成する合成方法について、各工程を順次説明する。
なお、以下では、フェノール樹脂を合成するために、原材料として含まれる、フェノール類化合物およびアルデヒド類化合物として、それぞれ、フェノールおよびホルムアルデヒドを用いた場合について説明する。
[1] まず、樹脂材料としてのフェノール樹脂を合成するために、溶媒としての水と、原材料としてのフェノールおよびホルムアルデヒドとを含む原料液RAを、第1供給部5が備えるシリンジ51内に貯留する。また、保護液RBとしてヘキサンのような極性溶媒を、第2供給部6が備えるシリンジ61内に貯留する。
[2] 次に、第1供給部5が備えるポンプ52を作動させることで、シリンジ51内に貯留された原料液RAを、第1流路1に供給するとともに、第2供給部6が備えるポンプ62を作動させることで、シリンジ61内に貯留された保護液RBを、第2流路2に供給する。
[3] 次に、第1供給部5の作動により第1流路1を流れる原料液RAを、マイクロリアクター4に供給するとともに、第2供給部6の作動により第2流路2を流れる保護液RBを、マイクロリアクター4に供給する。
これにより、マイクロリアクター4において、原料液RAと保護液RBとが混合されることで混合液が調製され、その後、第3流路3に対して、この混合液が供給される。
[4] 次に、マイクロリアクター4において調製された混合液を、第3流路3を通過させる。
このように、マイクロリアクター4による、原料液RAと保護液RBとの混合液の供給により、第3流路3には、この混合液が通過する(流れる)こととなるが、本発明では、第3流路3の内壁に対する保護液RBの接触角が40°以下、第3流路3の内壁に対する原料液RAの接触角が40°超100°以下に設定され、かつ、混合液における原料液RAの流量A[mL/min]と、保護液RBの流量B[mL/min]との関係式である、流量の比B/Aが1以上7以下に設定されている。
ここで、第3流路3の内壁に対する保護液RBの接触角が40°以下、第3流路3の内壁に対する原料液RAの接触角が40°超100°以下であること満足し得るように、第3流路3は、少なくとも、その内壁が、極性が低い材料を主材料として構成されることが好ましい。これにより、本実施形態のように、原料液RAに含まれる溶媒としての水を選択し、保護液RBとしてヘキサンのような極性溶媒を選択することで、第3流路3の内壁に対する保護液RBの接触角を40°以下、第3流路3の内壁に対する原料液RAの接触角を40°超100°以下に設定することができる。したがって、保護液RBは、原料液RAと比較して、第3流路3に対して親和性を示すこととなる。
なお、第3流路3の少なくとも内壁の主材料として構成する、極性が低い材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)のようなフッ素系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PTX)のようなオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、第3流路3は、その少なくとも内壁が、極性が低い材料を主材料として構成されていればよいが、その全体が、極性が低い材料を主材料として構成されていてもよい。
そして、上記の通り、保護液RBが原料液RAと比較して第3流路3に対して親和性を示した状態で、混合液における原料液RAの流量A[mL/min]と、保護液RBの流量B[mL/min]との関係式である流量の比B/Aが1以上7以下に設定されて、マイクロリアクター4から第3流路3に、混合液が供給される。そのため、混合液は、図2に示す通り、原料液RAと保護液RBとが交互に流れるスラグ流として、第3流路3中を流れる。さらに、保護液RBが原料液RAと比較して第3流路3に対して親和性が高いため、このスラグ流において、保護液RBは、第3流路3の内壁に対して接触した状態で第3流路3を流れることとなり、その結果、原料液RAは、第3流路3の内壁に対して接触しない液滴を形成して流れることとなる。
このように、第3流路3を混合液が通過する際に、原料液RAは、液滴を形成して、第3流路3の内壁に対して接触しない。また、この通過の際に、原料液RA中において、原材料として含まれるフェノールとホルムアルデヒドとの反応が進行することで、樹脂材料としてのフェノール樹脂が合成され、原料液RAの粘度が上昇することになる。このように、原料液RAの粘度が上昇したとしても、液滴として含まれる原料液RAが第3流路3の内壁に対して接触しないことから、第3流路3の内圧が高くなることに起因して、第3流路3内において混合液の流速が低下するのを的確に抑制または防止することができる。そのため、マイクロリアクターシステム100を用いたフェノール樹脂すなわち樹脂材料の合成を、長期に亘って安定的に実施することができる。また、液滴として含まれる原料液RAが第3流路3の内壁に対して接触しないため、原料液RA中において、フェノール樹脂が合成されたとしても、このフェノール樹脂が第3流路3の内壁に付着し、これに起因して、第3流路3が狭くなるのを、的確に抑制または防止することができる。したがって、かかる観点からも、第3流路3内において、混合液の流速が低下するのを的確に抑制または防止することができる。
さらに、第3流路3を混合液が通過する際に、液滴として存在する原料液RA中において、フェノールとホルムアルデヒドとの反応が進行することでフェノール樹脂が合成されるが、本実施形態のように、第3流路3は、その途中が加熱部7により加熱し得るようになっている(図1参照)。これにより、フェノールとホルムアルデヒドとの反応がより促進されるため、樹脂材料としてのフェノール樹脂の生成率の向上を図ることができる。
この加熱部7による原料液RA(スラグ流)の加熱温度は、特に限定されないが、樹脂材料としてフェノール樹脂を合成する場合、50℃以上200℃以下であることが好ましく、100℃以上160℃以下であることがより好ましい。これにより、原材料として含まれるフェノールとホルムアルデヒドとの反応を促進させて、フェノール樹脂を、より確実に生成させることができる。
なお、原料液RAには、溶媒として水が含まれるが、本実施形態では、前述の通り、マイクロリアクターシステム100は、背圧弁31を有していることから、第3流路3を流れる混合液を、所望の大きさの圧力が印加された、加圧雰囲気下に配置させることができる。そのため、混合液に含まれる原料液RAにおいて、気泡が生じるのを的確に抑制または防止しつつ、原料液RAの加熱温度を沸点以上(100℃以上)に設定することができる。
また、加圧雰囲気下における、混合液(スラグ流)の圧力は、0.8MPa以上2.5MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以上1.8MPa以下であることがより好ましい。これにより、前記効果を確実に発揮させることができる。
さらに、図1に示すように、第3流路3は、加熱部7よりも下流側において、その途中が冷却部8により冷却し得るようになっている。これにより、第3流路3において、混合液(スラグ流)ひいては原料液RAを冷却することができる。そのため、生成された、フェノール樹脂の反応がさらに進行するのを的確に抑制または防止することができる。
この冷却部8による原料液RAの冷却温度は、特に限定されないが、10℃以上50℃以下であることが好ましく、20℃以上40℃以下であることがより好ましい。これにより、原材料として含まれるフェノールとホルムアルデヒドとの反応を、より確実に抑制または停止させることができる。
ここで、前述の通り、第3流路3の内壁に対する保護液RBの接触角は、40°以下に設定されていればよいが、好ましくは25°以下、より好ましくは5°以上15°以下に設定される。
また、第3流路3の内壁に対する原料液RAの接触角は、40°超100°以下に設定されていればよいが、好ましくは50°以上80°以下に設定され、より好ましくは60°以上70°以下に設定される。
さらに、原料液RAの流量Aと、保護液RBの流量Bとの流量の比B/Aは、1以上7以下に設定されていればよいが、好ましくは4以上7以下、より好ましくは6以上7以下に設定される。
第3流路3の内壁に対する保護液RBの接触角と、第3流路3の内壁に対する原料液RAの接触角と、原料液RAおよび保護液RBの流量の比B/Aとの関係を、上記のように設定することで、第3流路3内において、混合液の流速が低下するのをより的確に抑制または防止することができる。
また、保護液RBの流量Bは、0.5mL/min以上10.0mL/min以下であることが好ましく、1.0mL/min以上3.0mL/min以下であることがより好ましい。さらに、このとき、原料液RAの流量Aは、0.1mL/min以上5.0mL/min以下であることが好ましく、0.2mL/min以上1.0mL/min以下であることがより好ましい。これにより、混合液中に含まれる原料液RAが第3流路3を通過する際に、原料液RAにおける原材料としてのフェノールとホルムアルデヒドとの反応を進行させて、樹脂材料としてのフェノール樹脂を確実に原料液RA中に合成することができる。
なお、原料液RAの流量Aおよび保護液RBの流量Bを前記範囲内に設定することで、加熱部7に対応する位置の第3流路3に、原料液RAが滞留する滞留時間は、好ましくは30秒以上360秒以下、より好ましくは90秒以上240秒以下に設定される。これにより、樹脂材料としてのフェノール樹脂を確実に原料液RA中に合成することができる。
さらに、第3流路3は、その内径が0.5mm以上10.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以上4.0mm以下であることがより好ましい。これにより、第3流路3を流れる混合液を、原料液RAと保護液RBとが交互に流れるスラグ流とすることができるとともに、原料液RAにおいて、充分量のフェノール樹脂を樹脂材料として合成することができる。
[5] 次に、第3流路3を通過している混合液のうち、原料液RAを貯留部9において回収し、保護液RBを、第3流路3をさらに通過させることで廃棄する。これにより、この原料液RA中で合成された樹脂材料としてのフェノール樹脂を貯留部9で回収することができる。
以上のような工程を経ることで、第3流路3を流れる原料液RA中において、樹脂材料としてのフェノール樹脂を合成することができ、さらに、この原料液RA中で合成されたフェノール樹脂を、貯留部9において回収することができる。
以上、本発明の樹脂材料の合成方法について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明の樹脂材料の合成方法が適用されるマイクロリアクターシステムにおいて、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
さらに、本発明の樹脂材料の合成方法では、任意の目的で、1以上の工程を追加することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.スラグ流形成の確認
1-1.材料等の準備
<原料液RA>
原料液RAを調製するために、フェノールおよび37%ホルムアルデヒド水溶液をそれぞれ用意した。
<保護液RB>
保護液RBとして、ヘキサンおよびデカンをそれぞれ用意した。
<基板>
接触角を測定するための基板として、PTFE、PFA、PE、SUS304およびガラスで構成される基板をそれぞれ用意した。
<第3流路3>
第3流路3として、PTFE、PFA、PE、SUS304およびガラスで構成されるもの(内径1.0mm)をそれぞれ用意した。
1-2.原料液RAの調製
フェノールに、37.0%ホルムアルデヒド水溶液を、重量比で1:0.7の割合で添加することで、フェノール:59.0重量%、水:26.0重量%、ホルムアルデヒド:15.0重量%の組成比となっている原料液RAを調製した。
1-3.接触角の測定
基板(PTFE基板、PFA基板、PE基板、SUS304基板およびガラス基板)に対する、液滴(原料液RA、ヘキサン(保護液RB)およびデカン(保護液RB))の接触角を、それぞれ、Drop Master DM500(協和界面科学社製)を用いて、θ/2法により測定した。
なお、各液滴の接触角は、液量を4μLとして基板に供給して測定し、この測定を合計5回実施して得られた平均値を求めることで得た。
1-4.スラグ流形成の有無の確認
<1A>まず、図1に示すマイクロリアクターシステム100において、上記で用意した第3流路3(PTFE管、PFA管、PE管、SUS304管またはガラス管)を装着した。
<2A>次いで、第1供給部5が備えるシリンジ51に、調製した原料液RAを充填し、また、第2供給部6が備えるシリンジ61に保護液RB(ヘキサンまたはデカン)を充填した状態とした。
<3A>次いで、第1供給部5が備えるポンプ52および第2供給部6が備えるポンプ62を作動させることで、第1流路1に原料液RAを0.3mL/minの流量で、第2流路2に保護液RBを2.1mL/minの流量で、それぞれ、供給した。これにより、マイクロリアクター4を介して、原料液RAと保護液RBとを、流量の比B/A=7として、第3流路3に供給した。
<4A>次いで、前記<3A>において、第3流路3に供給した原料液RAと保護液RBとの混合液について、第3流路3でのスラグ流の形成の有無を目視にて確認した。
また、前記工程<3A>において、第1流路1に原料液RAを0.3mL/minの流量で、第2流路2に保護液RBを1.2mL/minの流量で、それぞれ、供給することで、マイクロリアクター4を介して、原料液RAと保護液RBとを、流量の比B/A=4として、第3流路3に供給したこと以外は、前記工程<1A>~<4A>を実施することで、流量の比B/A=4であるときの第3流路3でのスラグ流の形成の有無を確認した。
1-5.評価
以上のようにして得られた接触角の測定結果およびスラグ流形成の有無の確認結果を、それぞれ、下記の表1に示す。
Figure 0007476606000001
表1に示したように、流量の比B/A=7または流量の比B/A=4を満足する際に、第3流路3に対する保護液RBの接触角を40°以下、かつ、第3流路3に対する原料液RAの接触角を40°超100°以下に設定することで、第3流路3中に原料液RAと保護液RBとが交互に流れるスラグ流が形成される結果を示した。
これに対して、第3流路3に対する保護液RBの接触角を40°以下、かつ、第3流路3に対する原料液RAの接触角を40°超100°以下であることを満足しない場合には、第3流路3中に原料液RAと保護液RBとが交互に流れるスラグ流を形成することができなかった。
2.フェノール樹脂合成の確認
2-1.材料等の準備
<原料液RA>
原料液RAを調製するために、フェノールおよび37%ホルムアルデヒド水溶液をそれぞれ用意した。
<保護液RB>
保護液RBとして、ヘキサンおよびデカンをそれぞれ用意した。
<第3流路3>
第3流路3として、PFAで構成されるもの(内径1.0mmおよび内径2.2mm)をそれぞれ用意した。
2-2.原料液RAの調製
フェノールに、37.0%ホルムアルデヒド水溶液を、重量比で1:0.7の割合で添加することで、フェノール:59.0重量%、水:26.0重量%、ホルムアルデヒド:15.0重量%の組成比となっている原料液RAを調製した。
2-4.フェノール樹脂合成の有無の確認
(実施例1)
<1B>まず、図1に示すマイクロリアクターシステム100において、上記で用意した第3流路3(PFA、内径1.0mm)を装着した。
<2B>次いで、第1供給部5が備えるシリンジ51に、調製した原料液RAを充填し、また、第2供給部6が備えるシリンジ61に保護液RB(ヘキサン)を充填した状態とした。
<3B>次いで、第1供給部5が備えるポンプ52および第2供給部6が備えるポンプ62を作動させることで、第1流路1に原料液RAを0.3mL/minの流量で、第2流路2に保護液RBを2.1mL/minの流量で、それぞれ、供給した。これにより、マイクロリアクター4を介して、原料液RAと保護液RBとを、流量の比B/A=7.0とし、第3流路3の加熱部7に対応する位置に原料液RAが滞留する滞留時間を100秒として、第3流路3に供給した。なお、このときの加熱部7に対応する位置の第3流路3を流れる混合液の温度を150℃、第2流路2および第3流路3における圧力を1.5MPaに、それぞれ、設定した。
<4B>次いで、第3流路3を流れる混合液における原料液RAを、その先端側(下流側)に設けられた貯留部9において回収した。
<5B>次いで、上記<3B>、<4B>の工程を、8時間連続して実施した。そして、第2流路2の下流側の圧力および第3流路3の下流側における圧力を、それぞれ、1時間毎に測定することで、第2流路2と第3流路3とにおける差圧[MPa]を1時間毎に求めた。また、上記<4B>において貯留部9で回収された原料液RA中におけるフェノール樹脂の反応率[%]は、上記<3B>、<4B>の工程を1時間連続して実施した後に、単位重量当たりの反応前後のフェノール重量をガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、ガスクロマトグラフ「GC-2014」)を用いて測定し、その測定結果から下記式(1)に基づいて求めた。
フェノール樹脂の反応率(%)=
{(反応前フェノール重量)-(反応後フェノール重量)}/
(反応前フェノール重量)×100 … (1)
(実施例2)
前記工程<3B>において、保護液RBの流量Bを1.2mL/minとすることで、原料液RAと保護液RBとの流量の比B/A=4.0とし、前記工程<5B>における、上記<3B>、<4B>の工程の連続実施を3時間としたこと以外は、前記実施例1と同様にして、フェノール樹脂の合成を行った。
(実施例3)
前記工程<1B>において、マイクロリアクターシステム100が備える第3流路3として、PFA(内径2.2mm)のものを装着し、前記工程<2B>において、第2供給部6が備えるシリンジ61に保護液RBとしてデカンを充填し、さらに、前記工程<3B>において、第1流路1に原料液RAを供給する流量Aを1.2mL/min、第2流路2に保護液RBを供給する流量Bを5.6mL/minの流量として、流量の比B/A=4.7、第3流路3の加熱部7に対応する位置に原料液RAが滞留する滞留時間を180秒とし、さらに、前記工程<5B>における、上記<3B>、<4B>の工程の連続実施を4時間としたこと以外は、前記実施例1と同様にして、フェノール樹脂の合成を行った。
2-5.評価
以上のようにして得られたフェノール樹脂の反応率[%]および差圧[MPa]の測定結果を、それぞれ、下記の表2に示す。
Figure 0007476606000002
表2に示したように、各実施例において、混合液(スラグ流)を構成する原料液RA中において、樹脂材料としてのフェノール樹脂を合成させることができる結果を示した。また、このスラグ流を、少なくとも3時間程度まで、原料液RA中にフェノール樹脂が合成されたとしても、第2流路2と第3流路3とにおいて差圧[MPa]を生じさせることなく、すなわち、第2流路2および第3流路3内において流速が低下するのを的確に抑制して、第3流路3内を通過させ得ることが判った。なお、実施例1では8時間後、実施例3では4時間後において差圧が生じておらず、これらの時間以降であっても、スラグ流を、第3流路3内を連続的に通過させることができるものと推察された。
1 第1流路
2 第2流路
3 第3流路
4 マイクロリアクター
5 第1供給部
6 第2供給部
7 加熱部
8 冷却部
9 貯留部
31 背圧弁
51 シリンジ
52 ポンプ
61 シリンジ
62 ポンプ
100 マイクロリアクターシステム
RA 原料液
RB 保護液

Claims (10)

  1. 樹脂材料を合成するための原材料であるフェノール類化合物およびアルデヒド類化合物を含む原料液が流れる第1流路と、前記原料液を保護する保護液が流れる第2流路と、前記原料液と前記保護液とが合流するマイクロリアクターと、合流した前記原料液と前記保護液とからスラグ流が生成し、該スラグ流が流れる第3流路とを有するマイクロリアクターシステムを用いて、前記樹脂材料が前記スラグ流における前記原料液中で合成され、
    前記第3流路の内壁に対する前記保護液の接触角は、40°以下、前記第3流路の内壁に対する前記原料液の接触角は、40°超100°以下に設定され、かつ、
    前記スラグ流における前記原料液の流量をA[mL/min]とし、前記保護液の流量をB[mL/min]としたとき、流量の比B/Aは、1以上7以下に設定され
    前記樹脂材料は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする樹脂材料の合成方法。
  2. 樹脂材料を合成するための原材料であるフェノール類化合物およびアルデヒド類化合物を含む原料液が流れる第1流路と、前記原料液を保護する保護液が流れる第2流路と、前記原料液と前記保護液とが合流するマイクロリアクターと、合流した前記原料液と前記保護液とからスラグ流が生成し、該スラグ流が流れる第3流路とを有するマイクロリアクターシステムを用いて、前記樹脂材料が前記スラグ流における前記原料液中で合成され、
    前記第3流路の内壁に対する前記保護液の接触角は、40°以下、前記第3流路の内壁に対する前記原料液の接触角は、40°超100°以下に設定され、かつ、
    前記スラグ流における前記原料液の流量をA[mL/min]とし、前記保護液の流量をB[mL/min]としたとき、流量の比B/Aは、1以上7以下に設定され
    前記保護液は、非極性溶媒であることを特徴とする樹脂材料の合成方法。
  3. 樹脂材料を合成するための原材料であるフェノール類化合物およびアルデヒド類化合物を含む原料液が流れる第1流路と、前記原料液を保護する保護液が流れる第2流路と、前記原料液と前記保護液とが合流するマイクロリアクターと、合流した前記原料液と前記保護液とからスラグ流が生成し、該スラグ流が流れる第3流路とを有するマイクロリアクターシステムを用いて、前記樹脂材料が前記スラグ流における前記原料液中で合成され、
    前記第3流路の内壁に対する前記保護液の接触角は、40°以下、前記第3流路の内壁に対する前記原料液の接触角は、40°超100°以下に設定され、かつ、
    前記スラグ流における前記原料液の流量をA[mL/min]とし、前記保護液の流量をB[mL/min]としたとき、流量の比B/Aは、1以上7以下に設定され
    前記第3流路には、その途中に加熱部が設けられ、該加熱部による前記スラグ流の加熱により、前記原材料からの前記樹脂材料の合成が促進されることを特徴とする樹脂材料の合成方法。
  4. 前記加熱部による前記スラグ流の加熱温度は、50℃以上200℃以下である請求項に記載の樹脂材料の合成方法。
  5. 前記第3流路には、前記加熱部の下流側に冷却部が設けられ、該加熱部により加熱された前記スラグ流が冷却される請求項3または4に記載の樹脂材料の合成方法。
  6. 前記第3流路の最下流側に、背圧弁が設けられ、該背圧弁により前記スラグ流は加圧下で前記第3流路内を流れる請求項ないしのいずれか1項に記載の樹脂材料の合成方法。
  7. 前記保護液の流量Bは、0.5mL/min以上10.0mL/min以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂材料の合成方法。
  8. 前記第3流路は、その内径が0.5mm以上10.0mm以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の樹脂材料の合成方法。
  9. 前記樹脂材料は、前記原料液中に対する溶解性を有する請求項1ないしのいずれか1項に記載の樹脂材料の合成方法。
  10. 前記原料液は、溶媒として、水を含む請求項1ないしのいずれか1項に記載の樹脂材料の合成方法。
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