JP2005162645A - ビスフェノール類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フェノールとホルムアルデヒドのモル比を高めることなく、生成するビスフェノールFの純度を向上させると共に、生産性を向上させる。
【解決手段】 フェノールとホルムアルデヒド類を塩基触媒の存在下にて、30〜60℃で、フェノール類/ホルムアルデヒド類のモル比が2〜30で反応し生成したヒドロキシベンジルアルコールを含む第1液と、酸触媒を含む第2液とを、別個に幅1〜300μmの複数の微小流路から混合空間に供給し、酸性条件下で、50〜170℃で反応させることを特徴とするビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。この微小流路及び混合空間を有する装置としては、マイクロミキサがある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂原料等として有用なビスフェノールFの製造方法に関するものである。
モノフェノール類とホルムアルデヒド類との反応により製造されるビスフェノール、例えばビス(ヒドロキシフェニル)メタン類(以下、ビスフェノールFという)は、ビスフェノールAを原料とするいわゆるビスA型エポキシ樹脂より低粘性で耐熱性に優れたエポキシ樹脂を提供できるほか、エポキシ樹脂用硬化剤やフェノール樹脂改質剤としても利用されており、注目されている。中でも、エポキシ樹脂用途では、ニーズの多様化に伴って更なる粘性及び耐熱性の改善が強く望まれている。
一般に、ビスフェノールFは、酸性触媒、例えば蓚酸を触媒としてフェノールとホルムアルデヒドとの縮合反応により製造されるが、生成したビスフェノールF中には、4,4'−ビスフェノールF、2,4'−ビスフェノールF及び2,2'−ビスフェノールFの三種類の異性体(二核体)に加え、更にホルムアルデヒドが付加し、引き続きフェノールと高次に重縮合した三核体をはじめとする多様な重質物が含まれている。これら重質物を含むビスフェノールFをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂は高粘度となり、ビスフェノールFエポキシの特徴である低粘度性を大きく損なう。また、重質物を含むビスフェノールFエポキシ樹脂を構成成分とする塗料は高純度ビスフェノールFエポキシ樹脂を構成成分とする塗料よりも、塗膜の耐蝕性、耐薬品性等の点で劣ることも報告されている(特開平2−166114号公報)。
従って、ビスフェノールF製造においては、重質物の生成を抑制するための様々な方法が検討されている。例えば、現在用いられている純度90〜94%のビスフェノールFは、前記の蓚酸触媒による均一反応系において、フェノール/ホルムアルデヒドのモル比を理論モル比の15倍以上である30〜40としている。そのため、反応終了後に過剰のフェノールを蒸留回収するのに長い時間と運転コストを必要としており、釜生産性も10%以下と非常に低いものになっている。
下記特許文献1には、85%の高濃度リン酸を多量に用いて、フェノール/ホルムアルデヒドのモル比を5程度で、反応温度を45℃で行い純度88%のビスフェノールFを得る方法が記載されている。また、特許文献2には、多量のトルエン等の有機溶剤と水と蓚酸等の触媒を用い、フェノール/ホルムアルデヒドを低モル比で、トルエン等を主体とする液相と水及び蓚酸等を主体とする液相との攪拌下の液−液不均一系で反応を行い、反応後、トルエン等の有機溶剤及びフェノールを蒸留回収し、ビスフェノールFを得る方法が開示されている。更に、特許文献3には、50〜80%リン酸水を触媒として、原料アルデヒドを逐次的に加え、生成するビスフェノールFを速やかにフェノール相に抽出することで、重質分の副生を抑える方法が提案されている。しかしながら、いずれの場合も、生産性と品質を共に満足できる方法を提供するには至っていない。
特公平3−72049号公報 特開平6−135872号公報 特開平09−67287号公報 特開2002-346355号公報 特表2002-512272号公報
ところで、2以上の微小流路と混合空間又は混合領域を有するマイクロミキサは上記特許文献4〜5等で知られているが、これがビスフェノールFの製造装置として適することを教えるものはない。
本発明は、フェノール/ホルムアルデヒドのモル比をさほど高めることなく優れた生産性を有する上に、生成するビスフェノールFの純度を向上できる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意研究を行った結果、フェノールとホルムアルデヒドを塩基触媒の存在下に反応させてヒドロキシベンジルアルコールを生成したのち、この成分を含む第1液と酸性触媒を含む第2液を、幅1〜300μmの微小流路から層状に混合空間に供給することで、ヒドロキシベンジルアルコールを効率良く速やかに反応せしめ、重質物の生成比率を小さくすることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、フェノールとホルムアルデヒド類を塩基触媒の存在下にて反応し生成したヒドロキシベンジルアルコールを含む第1液と酸触媒を含む第2液とを、別個に幅1〜300μmの複数の微小流路から、混合空間に供給し、酸性条件下で反応させることを特徴とするビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法である。
反応条件としては、第1液がフェノール類/ホルムアルデヒド類のモル比が2〜30で反応させて得られたヒドロキシベンジルアルコールを含む液であることが望ましく、塩基触媒下での反応温度が30〜60℃、酸触媒下での反応温度が50〜170℃であることが望ましい。また、塩基触媒下での反応生成物が、速やかな温度変化をもって連続して酸触媒反応へ供されることも望ましい。
反応装置としては、微小流路の数が10〜1000であり、第1液と第2液が供給される微小流路が交互又はランダムに配置され、この微小流路から混合空間にヒドロキシベンジルアルコールと酸触媒が供給され、速やかに均一混合される構成とされた構造の装置が望ましく、例えばこのような構造を有するマイクロミキサが好ましく例示される。
以下、本発明の反応条件について説明する。
反応原料は、フェノール及びホルムアルデヒド類である。この反応原料を、塩基触媒を使用してヒドロキシベンジルアルコールを生成させ、ヒドロキシベンジルアルコールを含む液を、酸性触媒を使用してビスフェノールFを生成させる。以下、ヒドロキシベンジルアルコールを生成させる反応を第1の反応、ビスフェノールFを生成させる反応を第2の反応ということがある。
フェノールとしては、ビスフェノールFを生成するフェノールが好ましいが、その他に耐熱性その他物性を制御する目的で、モノ、ジ置換フェノールなどもフェノールと共に少量使用することもできる。置換フェノールとしては、クレゾール、キシレノール等の低級アルキル置換フェノール類が好ましく挙げられる。
ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドの他、ホルマリンや反応系でホルムアルデヒドを生じるパラホルムアルデヒド、トリオキサン及びテトラオキサンが挙げられるが、好ましくはパラホルムアルデヒドである。
上記のように、本発明でいうフェノールとホルムアルデヒドは、その誘導体を含む場合があるが、理解を容易にするため、誤解の生じないない範囲で、フェノール類とホルムアルデヒド類をフェノールとホルムアルデヒドという。
第1の反応に用いる塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−ブトキシカリウムなどの金属アルコキシドのようなフェノールよりも塩基性度の高い金属塩基が好ましい。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物が好適である。
第1の反応に供するフェノール/ホルムアルデヒドのモル比は、2〜30、好ましくは5〜15である。このモル比が30を超えると生産性が大きく低下し、経済的ではない。またモル比2は量論比であるが、2〜5の範囲では、条件によって塩基触媒反応でのホルムアルデヒドの転化が終結せず、続いて行われる酸触媒反応においてフェノールと反応し、二核体含有率(二核体/二核体+三核体以上の多核体)が低くなる場合がある。5〜15の範囲において、より好適に二核体含有率の高いビスフェノールを効率良く製造できる。
第1の反応では、ホルムアルデヒドとフェノールを塩基触媒の存在下に反応させる。原料のフェノールは、溶融フェノール溶液のまま用いるほか、各種溶媒を用いて溶液状態で用いることも可能である。溶媒としては、フェノール及び触媒を好適に溶解するものなら支障無いが、中でもトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、ベンゾニトリルなどが好ましい。
第1の反応である塩基触媒反応は、30〜60℃、好ましくは40〜50℃である。60℃以上では、ホルムアルデヒドがフェノールと2個以上反応し、ビス又はトリス‐(ヒドロキシメチル)‐フェノールを生成し、次いで行う第2の反応である酸触媒反応において重質物を生じる原因となる。一方、30℃未満では反応が十分進行せず、長い時間を要するばかりでなく、未反応のホルムアルデヒドが第2の反応においてフェノール類と高次に反応し、重質物を生成する。
第1の反応では、ホルムアルデヒドの90%以上、好ましくは99%以上を反応させることが好ましいが、過剰に加えるフェノールは未反応のまま多くが残存してもよい。第1の反応終了後は、生成したヒドロキシベンジルアルコールを分離、濃縮してもよいが、溶媒や未反応フェノール、触媒などを含んだままの溶液で第2の反応に供することが簡便である。
第2の反応は、第1の反応で得られたヒドロキシベンジルアルコールを含む第1液と酸触媒を含む第2液とを酸性条件下で反応させる。第1液は、ヒドロキシベンジルアルコールを含む液であり、第1の反応で得られたヒドロキシベンジルアルコールを濃縮又は分離して得られた液又はこれに溶媒を加えた液であることができるが、第1の反応で得られたヒドロキシベンジルアルコールを含む反応混合液であることが有利である。なお、この反応混合液には、必要により溶媒やフェノール等を配合してもよい。第2液は、酸触媒を含む液であり、必要により水、有機溶媒等の溶媒やフェノール等を配合してもよい。
酸触媒としては、塩酸、硫酸、りん酸等の無機鉱酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸等のヘテロポリ酸、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等のハロゲン化金属塩、トリクロル酢酸、ジクロル酢酸等のハロゲン化カルボン酸、芳香族スルホン酸、蟻酸、蓚酸が挙げられるが、中でも蓚酸や無機鉱酸、芳香族スルホン酸が好適である。酸触媒の使用量は、第1液に塩基触媒が含まれる場合は、それを中和し、全体を酸性にするに足る量以上である。
第2の反応では、ヒドロキシベンジルアルコールを含む第1液と酸触媒を含む第2液が、複数の微小流路を経て混合され、酸性条件となっている条件で行われる。この反応における温度は50〜170℃、好ましくは80〜140℃である。50℃未満では反応が十分進行せず、混合空間内で反応が終結せず、混合空間に引き続いて反応空間を用意する必要が生じる。また、170℃を超えると、生成物の着色などによる品質低下が起こるほか、溶媒や未反応フェノールの部分気化により、混合空間内での生成物による閉塞などが懸念される。反応時間は、ヒドロキシベンジルアルコールの90%以上、好ましくは99%以上が反応するように調整する。
ここで、第1液は速やかに第2の反応に供給することが望まれる。特に、塩基触媒を含んだままの第1液が、第2液と混合される前に60℃以上の温度に加温されると、ヒドロキシベンジルアルコールが互いに縮合して架橋型の重質物を生成する。したがって、第1液を連続して第2液と混合する場合は、急速に第2の反応温度に加温して、第2の反応に速やかに供給することがよい。このためには、例えば高い熱交換効率を持つマイクロ熱交換器などを経て、急速に第2の反応温度に加温し、第2の反応が生じる混合空間に送液されることが望ましい。
次に、第2の反応で使用する反応装置、好ましくはマイクロミキサについて説明する。
第2の反応は、急速に行うことが重要であるので、第1液と第2液の混合が急速に行われる装置を使用する。かかる装置は、幅1〜300μm、好ましくは10〜200μmの微小流路を複数有し、且つ、微小流路から供給された液体を混合する混合空間を有する。微小流路の高さは1〜300μm程度が適当であり、その流路長さには制限はないが、1〜200mm程度が適当である。微小流路から供給された触媒を含む原料液は、混合空間で速やかに均一に混合されて反応が生じる。混合空間の容積は所定の滞留時間が得られるように調整される。
好ましくは、複数の微小流路から複数の層状となった原料液体が、混合空間に供給されるが、混合空間においては、2液は交互に位置するよう混合される。例えば、第1液の微小流路と第2液の微小流路を複数設け、第1液と第2液の微小流路が幅方向又は上下方向又は幅と上下方向に交互に平行的に設けることにより、A液に隣接してB液が流れ、それに隣接してA液が流れというように交互に流すことにより、混合空間での混合を速める方法がある。この場合、混合空間はその入口部が複数の第1液と第2液の流れが均一に混合されるように、流れが合流するように設けられ、流れ方向に対しほぼ直角方向に切られ、はぼ流れの幅に等しい長さかそれ以上の長さを有するスリットを、設けることが望ましい。このスリットを通過する際、第1液と第2液は急速に均一に混合され、混合空間に流入し、更に混合されると共に、反応が生じる。この混合空間も入口部付近は微小流路と近似した幅であることが好ましいが、混合が完了する位置では、所望の反応時間が取れる空間とする。したがって、混合空間は、スリット部分だけでもよいし、反応時間が長ければ反応空間を兼ねる空間を有してもよい。本発明でいう混合空間は、少なくともスリット部分を含む空間であればよく、反応のみに使用される反応空間を別途有してもよい。すなわち、マイクロミキサの場合は、スリット部分を含む混合空間はマイクロミキサ内に有するが、反応空間はマイクロミキサ外に設けてもよい。しかし、マイクロミキサ内で反応が完了する場合は、マイクロミキサ外に反応空間を設ける必要はない。
マイクロミキサとしては、ドイツ国IMM社製のLIGA Micromixing System (Micromixer)を用いた場合のInterdigital型の混合法などに代表されるが、マイクロミキサと呼ばれる装置に限らず、その他の装置によっても本発明は実施され得る。
本発明の反応に好ましく使用されるマイクロミキサの一例を図1〜図3により説明する。
図1〜図3は、複数微小流路型のマイクロミキサ20を示し、図1はマイクロミキサの組み立て図を示し、図2は拡大模式図を示し、図3は微小流路の拡大平面図を示す。
図1において、上部体4は原料液A入口部7、原料液B入口部9と、反応混合物出口部8及びスリット10を有する。中間部材5は多数の微小流路11を有し、その一端は原料液A入口部7と連結し、他端は原料液B入口部9と連結し、上部体4及び下部体6と一体化することにより、マイクロミキサ20を構成する。微小流路11の両端から流れ込むそれぞれの原料液は中間部で合流し、入口部にスリット10を有し、所定の容積を有する混合空間に送られ、反応が生じる。この混合空間は、マイクロミキサ20内に設けられており、ここで混合と反応が生じるが、反応が不十分な場合は、反応混合物出口部8に連結して反応空間が設けられる。
図2及び図3において、流体A(第1液)が複数の微小流路23を流れ、流体B(第2液)が複数の微小流路22を流れ、流れ方向にほぼ直角に配置され、流れ幅とほぼ等しい長さを有するスリット10を通過する。スリットの入口部では流体AとBが交互の層となっているが、スリット出口部では、これらの混合が進み、後続する混合空間(反応混合物出口部8を構成する管又は空間であることもできる)では混合が完了する。図では分かりやすくするため、微小流路の数を少なくしているが、微小流路の幅を狭くし、その数を多くすれば混合が促進されるので10以上、好ましくは100以上設けることがよい。
なお、上記した反応装置の他に、特許文献4〜5等で知られている各種の反応装置又はマイクロミキサを使用することができる。
従来の反応装置として、図4に示すようなT字型のミキサがある。このミキサは、微小流路1と2を有し、微小流路1からは第1液が供給され、微小流路2からは第2液が供給され、混合空間である微小流路3で均一に混合され、反応が生じる。この混合空間に引き続いて反応空間を設けてもよい。このような単一流路のミキサの場合、反応生産量を確保するためには微小流路の幅を大きくとる必要があり、通常は0.5mm以上である。
第1液と第2液の原料液は交互に層状を成すに十分な流量で供給される。例えば、前出のIMM社製Micromixerの場合、好ましくは各液がそれぞれ0.5〜10ml/分、より好ましくは1〜5ml/分である。両液は同じ程度の流量で混合されるのが好ましいので、原料モル比が異なる場合等では、一方を溶媒で希釈するか又は希釈率を大とするか、フェノールを混合したりすることがよい。
反応終了後は、従来法(例えば蒸留、抽出など)により溶媒や未反応フェノール、触媒などを除去することで、二核体含有率の高いビスフェノールを容易に得ることができる。
本発明によれば、フェノールとホルムアルデヒドのモル比を高めることなく優れた生産性を有する上に、生成するビスフェノールFの純度を向上できる。また、同一の二核体含有率を得る場合には、ホルムアルデヒドのモル比を高め、生産性を向上させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、分析は高速液体クロマトグラフを用いて行った。また、%は特に断りのない限り重量%である。
実施例1
100mlナスフラスコに、フェノール20gと1,4−ジオキサン20gの混合液と、パラホルムアルデヒド0.9gを加え、50℃の水浴中で加熱撹拌しパラホルムアルデヒドを溶解させた。更に、2N水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え、2時間撹拌し、反応を終了させA液を得た。分析の結果、ホルムアルデヒド転化率は99.1%、o-ヒドロキシベンジルアルコールとp-ヒドロキシベンジルアルコールの収率は各々71.0%と27.2%であった。
同様にフェノール20gと1,4−ジオキサン20gの混合液に、パラトルエンスルホン酸一水和物0.76gを加え、80℃の水浴中で加熱撹拌しパラトルエンスルホン酸一水和物を溶解させたものをB液とした。
A、B液ともに十分冷却したのち、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、原料液とした。IMM社製Micromixerを油浴中に浸漬し、これに原料液A、B液を、各々1.5ml/分で送液した。Micromixerの出口後部に長さ30cmテフロン(登録商標)管(外径1.6mm、内径1.0mm)装備を同じ油浴中に浸し、反応空間の補助部とした。Micromixer内微小流路幅は40μm、流路数は30(1流体につき15)、スリットの幅は60μm、長さは4mmで、ミキサー内混合部容積はスリット出口部も含め0.038ccである。反応温度は90℃とした。生成物は急速に冷却し反応を停止したのち、分析した。ビスフェノールF収率及びに二核体含有率を表1に示した。なお、Micromixerの構造は図1〜3が参照される。
実施例2
Micromixerを浸漬した油浴温度を130℃とした以外は、すべて実施例1と同じ反応を行った。分析結果を表1に示した。
比較例1
100mlナスフラスコに、フェノール20gと1,4-ジオキサン20gの混合液と、パラホルムアルデヒド0.9gを加え、50℃の水浴中で加熱撹拌しパラホルムアルデヒドを溶解させた。更に、2N水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え、2時間撹拌し、反応を終了させた。これに、0.76gのパラトルエンスルホン酸一水和物を溶解させたフェノール20gと1,4-ジオキサン20gの混合液を加え、油浴中で2時間加熱撹拌し、反応を終了した。反応温度は90℃とした。生成物の分析結果を表2に示した。
比較例2
Micromixerに替えて、流路幅800μmの流路を有する図4に示すようなPEEK製T字流路ミキサーとした以外は、すべて実施例1と同じ反応を行った。分析結果を表2に示した。
比較例3
入り口上流側に50cmのステンレス管(外径1.6mm、内径1.0mm)をらせん状に巻いた予熱部を備えたMicromixerを用いて、予熱部とMicromixerを油浴中に浸した状態で、実施例1と同じ反応を行った。分析結果は表2に示した。
比較例4
100mlナスフラスコに、フェノール20gと1,4-ジオキサン20gの混合液と、パラホルムアルデヒド0.9gを加え、80℃の水浴中で加熱撹拌しパラホルムアルデヒドを溶解させた。更に、2N水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え、2時間撹拌し、反応を終了させた。分析結果を表3に示した。
Figure 2005162645
Figure 2005162645
Figure 2005162645
マイクロミキサの組み立て図 マイクロミキサの拡大模式図 マイクロミキサの拡大平面図 従来例のミキサの模式図
符号の説明
4:上部体、5:中間部材、6:下部体、7、9:入口部、8:反応混合物出口部、10:スリット、11:微小流路、20:マイクロミキサ、22、23:微小流路

Claims (6)

  1. フェノールとホルムアルデヒド類を塩基触媒の存在下にて反応し生成したヒドロキシベンジルアルコールを含む第1液と酸触媒を含む第2液とを、別個に幅1〜300μmの複数の微小流路から混合空間に供給し、酸性条件下で反応させることを特徴とするビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  2. 第1液が、フェノール類/ホルムアルデヒド類のモル比が2〜30で反応させて得られたヒドロキシベンジルアルコールを含む液である請求項1記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  3. 塩基触媒の存在下での反応温度が30〜60℃、酸性条件下での反応温度が50〜170℃である請求項1又は2記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  4. 塩基触媒の存在下の反応生成物が、速やかな温度変化をもって連続して酸性条件下の反応へ供されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  5. 微小流路の数が10〜1000であり、第1液と第2液が供給される微小流路が交互又はランダムに配置され、この微小流路から混合空間にヒドロキシベンジルアルコールと酸触媒が供給され、速やかに均一混合される構成とされた請求項1〜4のいずれかに記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  6. 微小流路及び混合空間を有する装置が、マイクロミキサである請求項1〜5のいずれかに記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
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