JP2007021327A - マイクロデバイス及びビスフェノール類の製造方法 - Google Patents

マイクロデバイス及びビスフェノール類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 安価に製作でき、高流量及び高圧力下での運転に耐え得る簡便な構造のマイクロデバイスと、それを用いた経済的にビスフェノール類の製造方法を提供する。
【解決手段】 2種類の流体を合流・混合させるマイクロデバイスであって、2重管構造部分42を有し、2重管構造部分の内側の細管40内を流れる第1液に対し、その細管の周上に配置された複数の流入口50から外側の管内を流れる第2液を、第1液の流量以上で流入させる構造を持つマイクロデバイス。このマイクロデバイスを使用するビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法は、フェノール類とホルムアルデヒド類と酸触媒の3種を同時に含まない反応原料液又は触媒液からなる第1液と第2液を、混合し、反応させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、簡便な構造のマイクロデバイス及びそれを用いたビスフェノール類の製造方法に関する。
モノフェノール類とホルムアルデヒド類との反応により製造されるビスフェノール、例えばビス(ヒドロキシフェニル)メタン(以下、ビスフェノールF又はBPFという)は、ビスフェノールAを原料とするいわゆるビスA型エポキシ樹脂より低粘性で耐熱性に優れたエポキシ樹脂を提供できるほか、エポキシ樹脂用硬化剤やフェノール樹脂改質剤としても利用されており、注目されている。中でも、エポキシ樹脂用途では、二一ズの多様化に伴って更なる粘性及び耐熱性の改善が強く望まれている。
一般に、ビスフェノールFは、酸性触媒、例えば蓚酸を触媒としてフェノールとホルムアルデヒドとの縮合反応により製造されるが、生成したBPF中には、4,4'-BPF、2,4'-BPF及び2,2'-BPFの三種類の異性体(二核体)に加え、更にホルムアルデヒドが付加し、引き続きフェノールと高次に重縮合した三核体をはじめとする多様な重質物が含まれている。これら重質物を含むBPFをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂は高粘度となり、BPFエポキシの特徴である低粘度性を大きく損なう。また、重質物を含むBPFエポキシ樹脂を構成成分とする塗料は高純度BPFエポキシ樹脂を構成成分とする塗料よりも、塗膜の耐蝕性、耐薬品性等の点で劣ることも報告されている(特開平2-166114号公報)。
従って、BPF製造においては、重質物の生成を抑制するための様々な方法が検討されている。例えば、現在用いられている純度90〜94%のBPFは、前記の蓚酸触媒による均一反応系において、フェノール/ホルムアルデヒドのモル比を理論モル比の15倍以上である30〜40としている。そのため、反応終了後に過剰のフェノールを蒸留回収するのに長い時間と運転コストを必要としており、釜生産性も10%以下と非常に低いものになっている。
下記特許文献1には、85%の高濃度リン酸を多量に用いて、フェノール/ホルムアルデヒドのモル比を5程度で、反応温度を45℃で行い純度88%のBPFを得る方法が記載されている。また、特許文献2には、多量のトルエン等の有機溶剤と水と蓚酸等の触媒を用い、フェノール/ホルムアルデヒドを低モル比で、トルエン等を主体とする液相と水及び蓚酸等を主体とする液相との撹拌下の液‐液不均一系で反応を行い、反応後、トルエン等の有機溶剤及びフェノールを蒸留回収し、BPFを得る方法が開示されている。更に、特許文献3には、50〜80%リン酸水を触媒として、原料アルデヒドを逐次的に加え、生成するBPFを速やかにフェノール相に抽出することで、重質分の副生を抑える方法が提案されている。しかしながら、いずれの場合も、生産性と品質を共に満足できる方法を提供するには至っていない。
特公平3-72049号公報 特開平6-135872号公報 特開平09-67287号公報 国際公開WO00/62914号公報 特開2005-162645号公報
ところで、特定の形状を持つ混合空間を有する混合器、いわゆるマイクロデバイスを用いることで、フェノール/ホルムアルデヒドのモル比をさほど高めることなく優れた生産性を有するビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法が知られている。しかしながら、特許文献4〜5に示されたマイクロデバイスには、高価格である、流量を多くできない、高い圧力下で運転できないといった欠点もあり、ビスフェノール類の製造装置としてコスト的に十分に満足する性能を有するには至っていない。
例えば、精巧に表面を研磨されたプレート上に数100μmの幅及び深さを持つ溝、いわゆるチャンネルを加工する必要があるようなマイクロデバイスでは、μ-EDMなどの特殊な加工法を必要とし、高価なものとなる。また、これらチャンネルは数mmから数十mmの長さがあり、その中を流体が流れる際の圧力損失が大きく、高流量での運転には不適である。更に、2枚のプレートを密着させて流路を形成する場合、プレートの表面同士での密封は耐圧性が低く、高精度の研磨面であっても、高圧下では漏洩が懸念される。
本発明は、前述のようなマイクロデバイスの種々の問題点を解消し、安価に製作でき、高流量及び高圧力下での運転に耐え得る簡便な構造のマイクロデバイスと、それを用いた経済的に有利なビスフェノール類の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意研究を行った結果、2種類の流体を合流・混合するマイクロデバイスであって、細管内を流れる第1液に対し、その細管の周上に配置された複数の流入口から、第1液の流量以上の第2液を流入させる構造を持つことを特徴とするマイクロデバイスにより、上記の課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、2種類の流体を合流・混合させるマイクロデバイスであって、細管内を流れる第1液に対し、その細管の周上に配置された複数の流入口から第1液の流量以上の第2液を流入させ得る構造を持つことを特徴とするマイクロデバイスである。
このマイクロデバイスは、第1液が流れる細管が、その断面を円形に換算した等価直径(円相当直径)が2mm以下であり、且つ、第2液が細管内に流入する速度が1m/sec以上であることが望ましい。他の観点からは、このマイクロデバイスは、2重管構造部分を有し、2重管構造部分の内側の細管内を流れる第1液に対し、その細管の周上に配置された複数の流入口から外側の管内を流れる第2液を、第1液の流量以上で流入させ得る構造を持つことが好ましい。
更に、本発明は、内側の細管の断面が円形に換算した等価直径が2mm以下である前記のマイクロデバイスを使用し、第2液が細管内に流入する速度を1m/sec以上とし、第2液の流入量を第1液の流量以上とすることを特徴とする2種類の流体の混合方法である。
また、本発明は、フェノール類とホルムアルデヒド類を、酸触媒の存在下に縮合反応させてビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を製造するにあたり、フェノール類とホルムアルデヒド類と酸触媒の3種を同時に含まない反応原料液又は触媒液からなる第1液と第2液を、前記のマイクロデバイスを用いて混合し、反応させることを特徴とするビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法である。ここで、フェノール類/ホルムアルデヒド類のモル比を2〜30とすること、又は酸触媒の存在下での反応温度を50〜170℃とすることは有利なビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法を与える。
また更に、本発明は、フェノール類とホルムアルデヒド類を縮合させてビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を製造するにあたり、フェノール類とホルムアルデヒド類を塩基触媒の存在下にて反応し生成したヒドロキシベンジルアルコール類を含むA液と酸触媒を含むB液(A液、B液又は両者はフェノール類を含む)を第1液又は第2液とし、前記のマイクロデバイスを用いて混合し、酸性条件下で反応させることを特徴とするビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法である。ここで、第2液が、フェノール類/ホルムアルデヒド類のモル比が2〜30で反応させて得られたヒドロキシベンジルアルコール類を含む液であること、塩基触媒の存在下での反応温度が40〜100℃、酸性条件下での反応温度が50〜170℃であること、又は塩基触媒の存在下の反応生成物が、速やかな温度変化をもって連続して酸性条件下の反応へ供されることは有利なビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法を与える。
まず、マイクロデバイスについて説明する。
マイクロデバイスは、細管内を流れる第1液に対し、その細管の周上に配置された複数の流入口から第1液の流量以上の第2液を流入させる構造を持つ。
図1及び図2は、本発明のマイクロデバイスの一例を示す模式図である。図1は細管10の側面を説明するための図であり、第1液1が一端から流入し、混合液4が他端から流出する構造となっている。第2液2は細管10の管壁に開口された複数の流入口11〜18から細管10内に流入する。図2は流入口が設けられた付近の細管10の断面を説明するための図であり、流入口はほぼ同一断面の管壁に開口されて設けられ、ほぼ等間隔で設けられる。そして、流入口11〜18から流入する第2液は、第1液の流れの中心に向かって流入する。このようにすることによって、第1液と第2液は中心部を含む混合空間3で均一に混合することになる。混合空間3で混合されたのち、細管内で反応させる場合は、混合空間以降の細管の長さや太さ等調整することによって、所定の滞留時間を保持させて、反応混合液4として他端から流出させてもよく、また該他端に反応部を連設して反応させてもよい。第1液が流れる細管10に第2液を流入させるためには、細管10に設けた流入口11〜18が、第2液と接しており、且つ第2液が流入口から流入するために必要な圧力差を設ける。このためには、細管10に設けた流入口11〜18を含む部分が、加圧可能な第2液を入れた水槽又は第2液が流れる外管等に入れることがよい。
図2に示すように、混合空間3に流入した第2液が第1液と混合する際は、第2液は第1液の流れのほぼ中心軸付近にて、分割されて衝突・混合する。したがって、瞬時に、一様な混合を促進する場合は、この衝突・混合が1点で起こることが最も好ましく、細管10の断面は円又は正多角形が好ましく、流入口位置は、該断面の円周上又は正多角形の各辺中点上が好ましい。一般的な材の仕様から、円管を用いることが最も好ましい。
しかし、図3及び図4に示すように、断面が正多角形の細管10を使用することもできる。図では、第1液21が一端から流入し、混合空間23で混合し、混合液24が他端から流出する構造となっている。第2液22は細管10の管壁に開口された複数の流入口31〜38から細管10内に流入する。
細管10の管壁に流入口となる開口が形成され、それが第2液が流入する微小流路となるが、その流路長さは管壁厚みに等しい。したがって、圧損低減及び加工の容易さからも、肉厚の細管を用いることは好ましくない。
図5は本発明のマイクロデバイスの他の一例を示す模式図である。図では、第1液1が細管40の一端から流入し、混合液4が他端から流出する構造となっている。第2液2は細管40の管壁に開口された複数の流入口50から細管40内に流入する。
好ましい一例では、細管40は、その断面周上に内径0.1mmの微小流入口50を8ヶ所設けた内径1.0mm、外径1.6mmの円管としている。この微小流入口を含む部分をT字管41で被覆して、2重管構造部42を設けた構造となっている。T字管41は2重管構造部42を構成する外筒管43と外筒管に流体2を流す導入管44とを有してT字状となっている。2重管構造部42の両端は封止されており、第2液は導入管44から流入し、2重管構造部42の外筒管43から細管40内に流入する。なお、図面に示すようなT字管41は、市販のT字状の継ぎ手を使用することで耐圧性の高い、簡便で安価な、高効率マイクロデバイスを製作することができる。
マイクロデバイスは、第2液の流量が第1液の流量の等量以上とすることができるように構成される。その手段としては、流入口の数、流入口の開口面積、第1液と第2液の圧力差等を調整する方法が適する。本発明におけるBPFの合成反応は、迅速且つ均一な混合を行い、基質を一斉に反応させることが重要であるので、第2液の流量が第1液の流量より多いことが有利である。
流入口断面は加工上、円形が最も有利であり、流入口位置は周上を均等に4個以上が望ましく、より望ましくは8個以上である。
細管内を流れる流体は層流流れを形成しており、その断面も円形が有利である。円管の場合、すべての流入液の中心軸が1点で、すなわち細管中心軸と流入口が配置された周を持つ断面との交点にて1点で交差する。これら中心軸が交差する点は、混合空間内に位置するが、これは数学的意味の点である必要はなく、多少の広がりを有しうる。しかしながら、細管断面が大きくなるほど外周より流入する流体は細管内の流れに合流し、互いに交差するには至らなくなる。従って、2種の流体が効率良く1点で交差し、衝突・混合するには、細管の断面は、流路となるその内部空間断面を円形に換算した等価直径(等しい断面積を与える円の直径)が3mm以下が好ましく、より好ましくは2mm以下、更に好ましくは1mm以下である。
第2液が細管内に流入する速度が毎秒1m以上であることが望ましい。それ以下の場合は、流入した液が内壁に沿って、もしくは内壁面上を流れ、2種の流体が1点で交差し、衝突・混合するという形態を成さなくなる。流入口からの流入速度は、毎秒1m以上、好ましくは2m以上、より好ましくは4m以上である。
2重管構造とする場合、微小流路が管壁内に形成されているため、細管の外側を流れる流路、すなわち流入する側の流路は任意の方法にて封入され得る。例えば、管に対し、ゴムなどの弾力材や金属フェルールによる締め付け、あるいは溶接による封入など、耐圧性の高いシール方法が選択できるため、高圧下での運転条件においても、漏洩無く安定した運転が可能となる。これらの構造は市販の部材、例えば、SwageLok(登録商標)の継ぎ手類を使用して、簡単に且つ極めて安価に製作することができる。
次に、本デバイスを用いたビスフェノール類の合成に関して具体的に説明する。
まず、フェノール類とホルムアルデヒド類を、酸触媒の存在下に縮合反応させてビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を製造するにあたり、フェノール類とホルムアルデヒド類と酸触媒の3種を同時に含まない反応原料液又は触媒液からなる2液を混合し、反応させるビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法について説明する。
反応原料は、フェノール類及びホルムアルデヒド類である。また、触媒として酸性触媒を使用する。そして、フェノール類及びホルムアルデヒド類を含む液を反応原料液といい、反応原料を含まず酸性触媒を含む液を触媒液という。したがって、フェノール類及びホルムアルデヒド類のいずれかと酸性触媒を含む液の場合は、反応原料液という。反応原料液及び触媒液を総称して原料液又は液といい、反応が進行して生成物を含む液を反応液という。そして、フェノール類、ホルムアルデヒド類及び酸性触媒の3つを同時に含む反応原料液は使用しない。
フェノール類としては、BPFを生成するフェノールが好ましいが、その他に耐熱性その他物性を制御する目的で、モノ、ジ置換フェノールなども使用できる。置換フェノールとしては、クレゾール、キシレノール等の低級アルキル置換フェノール類が好ましく挙げられる。置換フェノール類を使用した場合は、対応する置換BPF類が得られる。
ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドの他、ホルマリンや反応系でホルムアルデヒドを生じるパラホルムアルデヒド、トリオキサン及びテトラオキサンが挙げられるが、好ましくはパラホルムアルデヒドである。上記のように、本発明でいうフェノールとホルムアルデヒドは、その誘導体を含む場合があるが、理解を容易にするため、誤解の生じない範囲で、フェノール類とホルムアルデヒド類をフェノールとホルムアルデヒドということがあり、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類をBPFで代表させることがある。
酸触媒としては、塩酸、硫酸、りん酸等の無機鉱酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸等のヘテロポリ酸、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等のハロゲン化金属塩、トリクロル酢酸、ジクロル酢酸等のハロゲン化カルボン酸、芳香族スルホン酸、蟻酸、蓚酸が挙げられるが、中でも蓚酸や無機鉱酸、芳香族スルホン酸が好適である。酸触媒は単独で供給することも可能だが、フェノール類又はホルムアルデヒド類中、好ましくはフェノール中に存在させて供給するのが有利である。
フェノール、ホルムアルデヒド及び酸触媒は液体状態で供給するため、反応温度で固体である場合は、溶媒に溶かして使用することができ、液体である場合も必要に応じ溶媒に溶かして使用できる。溶媒としては、フェノール、ホルムアルデヒド及び酸触媒を溶解するものなら支障無いが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、ベンゾニトリルなどが好ましい。フェノールは反応温度にて液体である上、ホルムアルデヒド、酸触媒を容易に溶解するため、反応原料として使用されるだけでなく、溶媒としても好適に使用される。反応原料の使用割合としては、フェノールをホルムアルデヒドに対し、理論量より大過剰とすることが不純物の抑制に有効であるので、フェノールを過剰に使用し、フェノール中にホルムアルデヒド又は酸触媒のいずれか一方を存在させることが有利である。
フェノール類、ホルムアルデヒド類と酸触媒の3成分は、反応空間に供給する前には混合しない。したがって、混合する場合は、1)フェノール類とホルムアルデヒド類の混合、2)フェノール類と酸触媒の混合、3)ホルムアルデヒド類と酸触媒の混合の態様がある。2種の液を流路から反応空間に供給する場合は、上記1)の場合は、他方の流路には触媒液又は酸触媒といずれか一方の反応原料とを含む反応原料が流れる。上記2)の場合は、他方の流路にはホルムアルデヒド類又はホルムアルデヒド類と酸触媒又はフェノール類とホルムアルデヒド類とからなる反応原料が流れる。上記3)の場合は、他方の流路にはフェノール類又はフェノール類と酸触媒又はフェノール類とホルムアルデヒド類とからなる反応原料が流れる。しかし、酸触媒は反応原料のいずれか一方を含む反応原料液の1又は2に混合させて供給することが有利であり、より好ましくはフェノール類を含む反応原料液に混合させて供給することである。なお、いずれの場合も、細管の外部から細管内を流れる第1液に流入させる第2液としては、量が多い液を使用する。
このようにして、フェノール、ホルムアルデヒド、酸触媒の3種を同時に含まないような反応原料液又は触媒液を調製するが、反応に供するフェノール/ホルムアルデヒドのモル比は2〜30(HCHO換算)、好ましくは5〜15である。このモル比が30を超えると生産性が大きく低下し、経済的ではない。モル比2は量論比であるが、2〜5の範囲では、条件によっては混合空間又はこれに後続する反応空間内での反応が終結せず、2核体含有率(2核体/2核体以上の多核体)が低くなる場合がある。5〜15の範囲において2核体含有率の高いビスフェノールを効率よく製造できる。
反応温度は、50〜170℃、好ましくは80〜140℃である。50℃未満では、反応が十分進行せず、混合空間又は反応空間内だけでは反応が終結しない。また、170℃を超えると生成物の着色などにより品質低下が起こるほか、溶媒や未反応フェノールの部分気化により、混合空間内での生成物の閉塞などが懸念される。
このように調製した反応原料液もしくは触媒液を、それぞれ第1液又は第2液として、本発明のマイクロデバイスで混合又は反応させる。2液は、迅速かつ均一な混合が達せられることで、一斉に反応が進行し終結する。その結果、逐次的な副生物の生成が抑制され、フェノールとホルムアルデヒドのモル比を高めることなく、二核体含有率の高いビスフェノールを合成することができる。なお、反応がマイクロデバイス内で十分に進行しない場合は、マイクロデバイス出口に反応空間を与える手段を連結することができる。
次に、フェノール類とホルムアルデヒド類を縮合させてビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を製造するにあたり、フェノール類とホルムアルデヒド類を塩基触媒の存在下にて反応し生成したヒドロキシベンジルアルコール類を含む液と酸触媒を含む液とを混合し、酸性条件下で反応させるビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法について説明する。
反応原料は、フェノール類及びホルムアルデヒド類である。この反応原料を、塩基触媒を使用してヒドロキシベンジルアルコール類を生成させ、ヒドロキシベンジルアルコール類を含む液を、酸性触媒を使用してビスフェノールを生成させる。以下、ヒドロキシベンジルアルコール類を生成させる反応を第1の反応、ビスフェノールを生成させる反応を第2の反応ということがある。
フェノール類としては、BPFを生成するフェノールが好ましいが、その他に耐熱性その他物性を制御する目的で、モノ、ジ置換フェノールなども使用できる。置換フェノールとしては、クレゾール、キシレノール等の低級アルキル置換フェノール類が好ましく挙げられる。
ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドの他、ホルマリンや反応系でホルムアルデヒドを生じるパラホルムアルデヒド、トリオキサン及びテトラオキサンが挙げられるが、好ましくはパラホルムアルデヒドである。上記のように、本発明でいうフェノールとホルムアルデヒドは、その誘導体を含む場合があるが、理解を容易にするため、誤解の生じない範囲で、フェノール類とホルムアルデヒド類をフェノールとホルムアルデヒドという。同様にヒドロキシベンジルアルコール類をヒドロキシベンジルアルコールという。
第1の反応に用いる塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert-ブトキシカリウムなどの金属アルコキシドのような、フェノールよりも塩基性度の高い金属塩基が好ましい。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物が好適である。
第1の反応に供するフェノール/ホルムアルデヒドのモル比は、2〜30、好ましくは5〜15である。このモル比が30を超えると生産性が大きく低下し、経済的ではない。またモル比2は量論比であるが、2〜5の範囲では、条件によって塩基触媒反応でのホルムアルデヒドの転化が終結せず、続いて行われる酸触媒反応においてフェノールと反応し、二核体含有率(二核体/二核体+三核体以上の多核体)が低くなる場合がある。5〜15の範囲において、より好適に二核体含有率の高いビスフェノールを効率良く製造できる。
第1の反応では、ホルムアルデヒドとフェノールを塩基触媒の存在下に反応させる。原料のフェノールは、溶融フェノール溶液のまま用いるほか、各種溶媒を用いて溶液状態で用いることも可能である。溶媒としては、フェノール及び触媒を好適に溶解するものなら支障無いが、中でもトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や1,4-ジオキサン、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、ベンゾニトリルなどが好ましい。
第1の反応である塩基触媒反応は、40〜100℃、好ましくは60〜90℃である。100℃以上では、ホルムアルデヒドがフェノールと2個以上反応し、ビス又はトリス-(ヒドロキシメチル)-フェノールを生成し、次いで行う第2の反応である酸触媒反応において重質物を生じる原因となる。一方、40℃未満では反応が十分進行せず、長い時間を要するばかりでなく、未反応のホルムアルデヒドが第2の反応においてフェノール類と高次に反応し、重質物を生成する。
第1の反応では、ホルムアルデヒドの90%以上、好ましくは99%以上を反応させることがよいが、過剰に加えるフェノールは未反応のまま多くが残存してもよい。第1の反応終了後は、生成したヒドロキシベンジルアルコールを分離、濃縮してもよいが、溶媒や未反応フェノール、触媒などを含んだままの溶液で第2の反応に供することが簡便である。
第2の反応は、第1の反応で得られたヒドロキシベンジルアルコールを含むA液と酸触媒を含むB液とを上記のマイクロデバイスを使用して酸性条件下で反応させる。A液は、ヒドロキシベンジルアルコールを含む液であり、第1の反応で得られたヒドロキシベンジルアルコールを濃縮又は分離して得られた液又はこれに溶媒を加えた液であることができるが、第1の反応で得られたヒドロキシベンジルアルコールを含む反応混合液であることが有利である。なお、この反応混合液には、必要により溶媒やフェノール等を配合してもよい。B液は、酸触媒を含む液であり、必要により水、有機溶媒等の溶媒やフェノール等を配合してもよい。しかし、ヒドロキシベンジルアルコールとフェノールが酸触媒の存在下で反応してBPFを生成させるため、フェノールはA液、B液の少なくとも一方に理論量以上存在させることがよい。
酸触媒としては、塩酸、硫酸、りん酸等の無機鉱酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸等のヘテロポリ酸、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等のハロゲン化金属塩、トリクロル酢酸、ジクロル酢酸等のハロゲン化カルボン酸、芳香族スルホン酸、蟻酸、蓚酸が挙げられるが、中でも蓚酸や無機鉱酸、芳香族スルホン酸が好適である。酸触媒の使用量は、第1液に塩基触媒が含まれる場合は、それを中和し、全体を酸性にするに足る量以上である。
第2の反応では、ヒドロキシベンジルアルコールを含むA液と酸触媒を含むB液が、マイクロデバイスの複数の微小流路を経て混合空間で混合され、酸性条件となっている条件で行われる。この反応における温度は50〜170℃、好ましくは80〜140℃である。50℃未満では反応が十分進行せず、混合空間又はこれに後続する反応空間内で反応が終結しない。また、170℃を超えると、生成物の着色などによる品質低下が起こるほか、溶媒や未反応フェノールの部分気化により、混合空間内での生成物による閉塞などが懸念される。反応時間は、ヒドロキシベンジルアルコールの90%以上、好ましくは99%以上が反応するように調整する。
ここで、第1の反応液は速やかに第2の反応に供給することが望まれる。特に、塩基触媒を含んだままの第1の反応液が、B液と混合される前に100℃以上の温度に加温されると、ヒドロキシベンジルアルコールが互いに縮合して架橋型の重質物を生成する。したがって、第1の反応液を連続してB液と混合する場合は、急速に第2の反応温度に加温して、第2の反応に速やかに供給することがよい。このためには、例えば高い熱交換効率を持つマイクロ熱交換器などを経て、急速に第2の反応温度に加温し、第2の反応が生じる混合空間に送液されることが望ましい。
有利にはヒドロキシベンジルアルコール、フェノール及び塩基触媒を含むA液と触媒液を含むB液を、本発明のマイクロデバイスで混合・反応させる。2液は、迅速かつ均一な混合が達せられることで、一斉に反応が進行し終結する。その結果、逐次的な副生物の生成が抑制され、フェノールとホルムアルデヒドのモル比を高めることなく、二核体含有率の高いビスフェノールを合成することができる。なお、量は一般に第1の反応液であるA液の方が多いので、触媒液をB液を第1液として供給し、A液を第2液として第1液中に流入させることがよい。
本発明のマイクロデバイスは、簡易に製作でき、高流量及び高圧力下での運転に耐え得る簡便な構造を有する。このマイクロデバイスを用いたビスフェノール類の製造方法では、経済的に有利にビスフェノール類の製造することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、分析は高速液体クロマトグラフを用いて行った。また、%は特に断りのない限り重量%である。
マイクロデバイス(混合器)は図5に示す構造であり、装置の材質は、ステンレススチールであり、細管径、流入口径、流入口数を表1に示す。
Figure 2007021327
実施例1
フェノール60g(0.638mol)に、94%パラホルムアルデヒド2.71g(0.085mol)を加え、80℃の水浴中で加熱攪拌しパラホルムアルデヒドを溶解させたものをA液とし、フェノール60g(0.638mol)に、パラトルエンスルホン酸一水和物2.33g(0.012mol)を加え、80℃の水浴中で加熱攪拌しパラトルエンスルホン酸一水和物を溶解させたものをB液とした。A液、B液の各入り口上流側に50cmのステンレス管(外径1.6mm、内径1.0mm)をらせん状に巻いた予熱部を備えた混合器No.1を油浴中に浸漬し、これに原料液A、B液を、共に9.0ml/分で流した。混合器の出口後部に装備した30cmのTFE管(外径1.6mm、内径1.0mm)を油浴中に浸し、反応部とした。反応温度は110℃であった。生成物は急速に冷却し反応を停止したのち、分析した。ホルムアルデヒド転化率及び2核体含有率を表2に示した。なお、TFEはテフロン(登録商標)を意味する。
実施例2
フェノール140g(1.488mol)に、94%パラホルムアルデヒド3.39g(0.106mol)を加え、80℃の水浴中で加熱攪拌しパラホルムアルデヒドを溶解させたものをA液とし、フェノール10g(0.106mol)に、パラトルエンスルホン酸一水和物2.92g(0.015mol)を加え、80℃の水浴中で加熱攪拌しパラトルエンスルホン酸一水和物を溶解させたものをB液とした。このA液、B液を使用し、各々14.0ml/分、1.0ml/分で流した他は、実施例1と同様にして反応を行った。A液を第2液とした。
比較例1
200mlのバッフル付きセパラブルフラスコに、フェノール120g(1.275mol)、パラホルムアルデヒド2.71g(0.085mol)を入れ、油浴中で加熱、タービン翼で攪拌した。内温は110℃であった。パラホルムアルデヒドが溶解したのち、パラトルエンスルホン酸一水和物2.33gを加え、600rpmで30分間撹拌し、反応を終了した。
実施例3
200mlナスフラスコに、フェノール80g(0.850mol)と94%パラホルムアルデヒド3.6g(0.11mol)を加え、90℃の油浴中で加熱攪拌しパラホルムアルデヒドを溶解させた。これに、2N水酸化ナトリウム水溶液1ml(0.002mol)を加え、10分間攪拌し、反応を終了させ、A液を得た。分析の結果、ホルムアルデヒド転化率は99.5%、o-ヒドロキシベンジルアルコールとp-ヒドロキシベンジルアルコールの収率は各々72.0%と27.1%であった。同様にフェノール80g(0.85mol)に、パラトルエンスルホン酸一水和物3.42g(0.018mol)を加え、80℃の水浴中で加熱攪拌し、パラトルエンスルホン酸一水和物を溶解させたものをB液とした。
A液、B液の各入り口上流側に50cmのステンレス管(外径1.6mm、内径1.0mm)をらせん状に巻いた予熱部を備えた混合器No.1を油浴中に浸漬し、これに原料液A、B液を、ともに9.0ml/分で流した。混合器の出口後部に装備した30cmのTFE管(外径1.6mm、内径1.0mm)を油浴中に浸し、反応部とした。反応温度は110℃であった。生成物は急速に冷却し反応を停止したのち、分析した。
実施例4
300mlナスフラスコに、フェノール175.5g(1.865mol)と94%パラホルムアルデヒド4.24g(0.133mol)を加え、90℃の油浴中で加熱攪拌しパラホルムアルデヒドを溶解させた。これに、2N水酸化ナトリウム水溶液3.6ml(0.007mol)を加え、10分間攪拌し、反応を終了させ、A液を得た。分析の結果、ホルムアルデヒド転化率は99.8%、o-ヒドロキシベンジルアルコールとp-ヒドロキシベンジルアルコールの収率は各々72.2%と27.2%であった
50mlナスフラスコに、フェノール12.5g(0.133mol)とパラトルエンスルホン酸一水和物5.22g(0.027mol)を加え、80℃の水浴中で加熱攪拌し、パラトルエンスルホン酸一水和物を溶解させたものをB液とした。このA液、B液を使用し、各々14.0ml/分、1.0ml/分で流した他は、実施例3と同様にして反応を行った。A液を第2液とした。
比較例2
200mlのバッフル付きセパラブルフラスコに、フェノール120g(1.275mol)、94%パラホルムアルデヒド2.71g(0.085mol)を入れ、油浴中で加熱、タービン翼(回転数600rpm)で攪拌した。内温は90℃であった。パラホルムアルデヒドが完全に溶解したのち、2N水酸化ナトリウム水溶液0.75ml(0.0015mol)を加え、更に10分間攪拌を続け、第1の反応を終了させた。分析の結果、ホルムアルデヒド転化率は99.5%、o-ヒドロキシベンジルアルコールとp-ヒドロキシベンジルアルコールの収率は各々72.0%と27.1%であった。引き続いて、パラトルエンスルホン酸一水和物2.57g(0.0135mol)を加え、加熱攪拌を30分間継続し、第2の反応を終了し、内容物を分析した。
実施例5
混合器No.1の代わりに混合器No.2を用いた他は、実施例4と同様にして反応を行った。
実施例6
混合器No.1の代わりに混合器No.3を用いた他は、実施例4と同様にして反応を行った。
実施例7
フェノール175.5g(1.865mol)に94%パラホルムアルデヒド4.24g(0.133mol)を90℃の油浴中で加熱攪拌しパラホルムアルデヒドを溶解させ、A液とした。また、フェノール12.5g(0.133mol)とパラトルエンスルホン酸一水和物5.22g(0.027mol)を加え、80℃の水浴中で加熱攪拌し、パラトルエンスルホン酸一水和物を溶解させたものをB液とした。A液を14.0ml/分、2N水酸化ナトリウム水溶液を0.28ml/分で、市販のT字継ぎ手(Swagelok SS-100-3)で混合し、油浴中90℃に加熱した60mのステンレス製チューブ(内径1.6mm、外径3.2mm)を通過させ反応させた。この反応液の分析結果は、ホルムアルデヒド転化率99.8%、o-ヒドロキシベンジルアルコールとp-ヒドロキシベンジルアルコールの収率は各々72.2%と27.2%であった。
各入り口上流側に50cmのステンレス管(外径1.6mm、内径1.0mm)をらせん状に巻いた予熱部を備えた混合器No.1を油浴中に浸漬し、上記反応液とB液とを、各々14.0ml/分、1.0ml/分で引き続き流した。混合器の出口後部に装備した30cmのTFE管(外径1.6mm、内径1.0mm)を油浴中に浸し、反応部とした。反応温度は110℃であった。生成物は急速に冷却し反応を停止したのち、分析した。B液を第1液とした。
結果を表2に示す。
Figure 2007021327
マイクロデバイスの一例を示す模式図 マイクロデバイスの断面図 他のマイクロデバイスの一例を示す模式図 マイクロデバイスの断面図 他のマイクロデバイスの一例を示す模式図
符号の説明
1:第1液、10:細管、11〜18:流入口、3:混合空間、4:反応混合液、21:第1液、22:第2液、24:混合液、31〜38:流入口、40:細管、2:第2液、41:T字管、42:2重管構造部、43:外管、44:導入管、50:微小流入口

Claims (11)

  1. 2種類の流体を合流・混合させるマイクロデバイスであって、細管内を流れる第1液に対し、その細管の周上に配置された複数の流入口から第1液の流量以上の第2液を流入させ得る構造を持つことを特徴とするマイクロデバイス。
  2. 第1液が流れる細管が、その断面を円形に換算した等価直径が2mm以下であり、且つ、第2液が細管内に流入する速度が1m/秒以上である請求項1に記載のマイクロデバイス。
  3. 2種類の流体を合流・混合させるマイクロデバイスであって、2重管構造部分を有し、2重管構造部分の内側の細管内を流れる第1液に対し、その細管の周上に配置された複数の流入口から外側の管内を流れる第2液を、第1液の流量以上で流入させ得る構造を持つことを特徴とするマイクロデバイス。
  4. 内側の細管の断面を円形に換算した等価直径が2mm以下である請求項3に記載のマイクロデバイスを使用し、第2液が細管内に流入する速度を1m/秒以上とし、第2液の流入量を第1液の流量以上とすることを特徴とする2種類の流体の混合方法。
  5. フェノール類とホルムアルデヒド類を、酸触媒の存在下に縮合反応させてビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を製造するにあたり、フェノール類とホルムアルデヒド類と酸触媒の3種を同時に含まない反応原料液又は触媒液からなる第1液と第2液を、請求項1又は3に記載のマイクロデバイスを用いて混合し、反応させることを特徴とするビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  6. フェノール類/ホルムアルデヒド類のモル比が2〜30である請求項5に記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  7. 酸触媒の存在下での反応温度が50〜170℃である請求項5又は6に記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  8. フェノール類とホルムアルデヒド類を縮合させてビス(ヒドロキシフェニル)メタン類を製造するにあたり、フェノール類とホルムアルデヒド類を塩基触媒の存在下にて反応し生成したヒドロキシベンジルアルコール類を含むA液と、酸触媒を含むB液を使用し(少なくともいずれか一方にはフェノール類を含む)、その液量の多い方を第2液とし、液量の少ない方を第1液とし、請求項1又は3に記載のマイクロデバイスを用いて混合し、酸性条件下で反応させることを特徴とするビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  9. A液が、フェノール類/ホルムアルデヒド類のモル比が2〜30で反応させて得られたヒドロキシベンジルアルコール類を含む液である請求項8に記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  10. 塩基触媒の存在下での反応温度が40〜100℃、酸性条件下での反応温度が50〜170℃である請求項8又は9に記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
  11. 塩基触媒の存在下の反応生成物が、速やかな温度変化をもって連続して酸性条件下の反応へ供されることを特徴とする請求項8、9又は10に記載のビス(ヒドロキシフェニル)メタン類の製造方法。
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